JPH10145622A - 色シミュレーション装置 - Google Patents

色シミュレーション装置

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JPH10145622A
JPH10145622A JP8298483A JP29848396A JPH10145622A JP H10145622 A JPH10145622 A JP H10145622A JP 8298483 A JP8298483 A JP 8298483A JP 29848396 A JP29848396 A JP 29848396A JP H10145622 A JPH10145622 A JP H10145622A
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JP
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color
input
light source
conversion
principal component
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JP8298483A
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Inventor
Takayuki Sato
尊之 佐藤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】色分解値が既知の原画像から、撮影時の光源状
況もしくは撮影手段に対応した変換系を選択することに
よって、被写体の色を推定し出力する。 【解決手段】学習が終了し最適な変換系が選択された第
1変換部32に、入力部24から原画像の色分解値が入力さ
れ、入力された色分解値が少なくとも3つの主成分ベク
トル係数に変換され、変換された主成分ベクトル係数が
第2変換部34へ入力される。第2変換部34では、記憶さ
れた主成分ベクトルと、主成分ベクトル係数を乗じて、
原画像に対応する分光反射率に変換し、色データとして
出力部30に出力する。従って、出力部30では、撮影時の
光源状況や撮影手段がどのようなものであっても、推定
された被写体の色を出力できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色シミュレーショ
ン装置にかかり、撮影された被写体の色を、撮影時の光
源状況もしくは撮影手段の特性を考慮して推定する色シ
ュミレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多数色の原稿や物体の複写物を作成する
ときや多数色の原稿や物体を表示させるときのために、
色を表現する方法の1つとして色分解値がある。この色
分解値は一般的には、印刷では減法混色のYMCK(シア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラック)、表示部では加法
混色のRGB (レッド、グリーン、ブルー)が用いられ
る。この色分解値を用いれば、原稿や物体の各色を再現
できる。近年、実際に多数色の原稿や物体の複写物を作
成する以前に、作成されるべき色を検討する所謂カラー
デザインが行われている。このような作成されるべき色
を検討するために用いられるものとして、原稿や物体の
各色を再現して表示装置上に表示する色シミュレーショ
ン装置が知られている。この色シミュレーション装置で
は、多数色の原稿や物体の色分解値を表示装置のデバイ
ス値、例えばTV信号やデジタルRGB 出力値に変換して表
示する。これによって、多数色の原稿や物体の複写物を
再現した色で表示できる。
【0003】ところが、上記の色分解値は、原稿や物体
の色を特定するための装置の特性や色分解値をデバイス
値に変換する装置の特性に依存する。例えば、色を特定
するために原稿や物体を照射するための光源や測色装置
が異なれば、原稿や物体の色は異なる色分解値となる。
また、デバイス値への変換特性が異なれば、原稿や物体
の色は異なる色で再現される。そこで、従来より、再現
すべき色が色を特定するための装置の特性に依存せず、
どのような装置であっても原稿などの色と同一の色を表
す値を表現するために、色を装置に依存しない色情報値
に一度変換(中間表現法)している。このような、色を
装置に依存しない色情報値として、CIE(Commission Int
ernationale deI'Eclairage) が規定した CIE XYZ値、
または均等知覚色空間、CIE L*a*b*値などの色彩値があ
る。
【0004】これら色情報値としての CIE XYZ値、また
は、CIE L*a*b*値などの色彩値を用い、原稿や物体の色
を表すCMYK値などの色分解値を色彩値へ変換した後に、
色修正を行う、所謂デバイスインディペンデントで色を
再現していた。このように、装置に依存しない色彩値の
一致によって、多数色の原稿などについて異なる色シミ
ュレーションであっても安定した精度で色再現すること
ができる(特開平4-261267号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CIE L*
a*b*値や CIE XYZ値は、光源の分光分布と原稿や物体の
対象表面の分光反射率や分光透過率、及び等色関数によ
って定義されるため、従来の色シミュレーション装置で
は、原稿などの色を観察するときの照明光が CIEL*a*b*
値を導出する際に用いた所定照明光と同一の照明光で
なければ、再現した色は原稿などの色に一致しないとい
う問題がある。このように、従来のデバイスインディペ
ンデントな色シミュレーション装置では、再現した色が
原稿や物体の色と同一色に見える光源が、所定照明光の
光源のみによって制限されるので、非常に限られた環境
下(照明下)でしか、色を再現することができないとい
う問題があった。すなわち、原稿や物体の色を観察する
場合の照明は、一般に白熱照明電球下、蛍光灯照明下、
太陽光下などのように種々雑多である。従って、従来の
デバイスインディペンデントな色シミュレーション装置
では、このような種々雑多な光源下で常に再現すべき色
を一致させることは困難であった。このため、色シミュ
レーション装置に、例えば印刷するためのYMCKによる色
分解値が与えられた原稿を表示装置に表示させても、光
源が固定された色画像しか観察できず、異なる光源下で
の色画像についても各色をシミュレートすることはでき
なかった。
【0006】また、ビデオカメラやデジタルカメラ等の
撮影装置を用いて被写体を撮影する場合には、この撮影
装置から出力される原画像に対応する信号は、被写体を
撮影したときの照明光源の色特性に依存した色を帯びた
信号になる。従って、撮影装置からの信号を用いてテレ
ビ等のモニタ上へ原画像を表示させることにより被写体
を目視すると、表示された原画像は、被写体の色と異な
る色で表示されることになる。例えば、蛍光灯等の室内
の標準光でと、太陽光のもとで撮影した被写体とは同一
の被写体であっても、異なる色で再現される。本発明
は、上記事実を考慮して、撮影された被写体の原画像か
ら、撮影時の光源状況もしくは撮影手段の特性を考慮し
て、被写体の色を推定し出力する色シミュレーション装
置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明である色シミュ
レーション装置は、被写体を撮影することで得られる原
画像の色情報値を入力するための入力部と、前記原画像
の色情報値を、分光反射率を多変量解析することによっ
て得られる、少なくとも3つの特徴パラメータ係数に変
換する、複数の変換系を有し、シミュレート時には該変
換系を選択的に用い光源状況もしくは撮影手段の特性に
応じた変換をする、第1の変換部と、前記第1の変換部
で変換された少なくとも3つの特徴パラメータ係数を、
前記多変量解析により得られる少なくとも3つの特徴パ
ラメータに基づいて、分光反射率に変換する第2の変換
部とからなる、ことを特徴としている。
【0008】第2の発明は、第1発明に記載の色シミュ
レーション装置において、前記多変量解析として主成分
分析を用い、該主成分分析することによって得られる分
光反射率の主成分ベクトルを特徴パラメータとし、該主
成分ベクトルによる該分光反射率の展開係数を前記特徴
パラメータ係数とする、ことを特徴としている。第3の
発明は、第1発明に記載の色シミュレーション装置にお
いて、前記第1の変換部は、多層フィードフォワード型
ニューラルネットワークを複数有し、準備時において
は、分光分布が既知の標準色票の撮影光源毎の色分解値
を入力値とし、前記分光分布を多変量解析することによ
り得られる少なくとも3つの特徴パラメータ係数を教師
信号とし、該入力に対して前記教師信号の値が近似する
よう変換学習をすると共に、変換時においては、入力さ
れた画像の色分解値と撮影光源情報値を入力すること
で、前記ネットワークのうち最適なものを選択し、該色
分解値を特徴パラメータに変換する、ことを特徴として
いる。
【0009】第4の発明は、第1発明に記載の色シミュ
レーション装置において、前記第1の変換部は、前記原
画像の色情報値と該色情報値に対応する前記少なくとも
3つの特徴パラメータ係数との対応関係を記憶したルッ
クアップテーブルを光源状況もしくは撮影手段毎に複数
有し、入力された画像の色分解値と撮影光源情報値を入
力することで、前記テーブルのうち最適なものを選択
し、該色情報値を特徴パラメータ係数に変換する、こと
を特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の色シミュレーション装置
によれば、入力部によって、被写体を撮影することによ
り得られる原画像の色情報値を入力する。第1の変換部
では、光源状況の特性に応じて変換系を選択的に用い、
入力された色情報値を、該色情報値に対応する少なくと
も3つの特徴パラメータ係数に変換する。すなわち、原
画像の各色は、分光反射率を多変量解析することによっ
て得られる、少なくとも3つの特徴パラメータ及び特徴
パラメータ係数により近似表現できる。このように、特
徴パラメータ係数で表現することによって、撮影時の光
源状況や撮影手段による固有の色特性に依存せずに色表
現できる。この多変量解析としては請求項2にも記載し
たように、主成分分析を用いることができ、主成分分析
することによって得られる分光反射率の主成分ベクトル
を特徴パラメータとし、該主成分ベクトルによる該分光
反射率の展開係数を特徴パラメータ係数とすることがで
きる。
【0011】第1の変換部には、色情報値で定まる多数
色の各々について少なくとも3つの特徴パラメータ係数
が記憶されている。従って、入力部から入力された色情
報値は、この色情報値に対応する少なくとも3つの特徴
パラメータ係数に変換される。この第1の変換部では、
請求項3にも記載したように、入力された画像の色情報
値に対応する少なくとも3つの特徴パラメータ係数に変
換するように学習された多層フィードフォワード型ニュ
ーラルネットワークを複数有し、撮影光源情報値を入力
することによって最適のものを選択し、用いることがで
きる。周知のように、ニューラルネットワークは、多数
の入出力関係の学習からどのような入力があっても学習
が反映された出力がなされるので、第1の変換部に色情
報値と撮影光源情報値が入力されれば、最適なニューラ
ルネットワークが選択され、入力された色情報値に対応
する少なくとも3つの特徴パラメータ係数を出力する。
また、第1の変換部には、請求項4にも記載したよう
に、色情報値と該色情報値に対応する少なくとも3つの
特徴パラメータ係数との対応関係を記憶したルックアッ
プテーブルを用いることができる。このルックアップテ
ーブルは、予め光源状況もしくは撮影手段毎に複数用意
されており、オペレータにより撮影光源情報値が入力さ
れることで、最適なものが選択されて使用される。
【0012】第1の変換部で変換された、少なくとも3
つの特徴パラメータ係数を、多変量解析により得られる
少なくとも3つの特徴パラメータに基づいて、第2の変
換部で分光反射率に変換する。すなわち、少なくとも3
つの特徴パラメータの各々に特徴パラメータ係数を乗ず
ることによって分光反射率となる。この第2の変換部で
変換された分光反射率は光源に依存していないので、原
画像の各色は推定できる。人が物体の色を認識する過程
は、所定色の光源からの光を反射した物体からの反射光
を眼球で採取し、各種視覚フィルター及び眼球の視細胞
を介して脳へ伝えられることである。ここで、物体の分
光反射率分布又は分光透過率分布(以下、総称して、分
光分布という)、光源の分光分布及び人の視覚特性が、
色を認識する際に重要なポイントとなる。例えば、同じ
物体を異なる光源下で観察した場合、人間は違う色と判
断する。
【0013】一方、色の分光分布を主成分分析(KL展
開)を用いて近似する方法に関する研究が行われてお
り、少ない主成分ベクトルで分光分布が精度良く近似で
きることが知られている。この主成分分析を利用した色
を再現する方法を使用して、物体の分光分布を近似再現
することにより、光源の分光分布を考慮した所望する光
源下での色の見えをシミュレートすることができる。以
下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に
説明する。本実施の形態は、デジタル入力装置やビデオ
等で被写体を撮影することにより得られるRGB 等の色情
報値により表現される被写体の原画像から、撮影時の光
源状況もしくは撮影手段の特性を考慮して、撮影した被
写体についての分光反射率を推定し出力する色シミュレ
ーション装置に本発明を適用したものである。
【0014】図2に示すように、本実施の形態の色シミ
ュレーション装置は、マイクロコンピューターを含んで
構成されたシミュレーション本体10、撮影した被写体の
色データを入力する入力部24、画像データ入出力装置2
6、データやコマンドを入力するためのキーボード28、
及び出力部30から構成されている。この入力部24は、原
稿や物体等の被写体を撮影し、その撮影した被写体を入
力画像として色データを入力するものであり、デジタル
カメラやビデオ、及びスチルカメラがある。入力部24か
ら入力するデータには、コンピュータ用の表示装置に用
いられる同期信号が独立または含まれるRGB 各色のデジ
タルデータまたはアナログデータ、同期信号が分離され
同期信号と映像信号からなるTV信号、映像信号内に同期
信号が含まれているTV信号(例えば、信号規格としてNT
SC、PAL 等)がある。出力部30は、推定された分光反射
率を色データとして出力するものであり、モニタやプリ
ンタ、あるいは別の変換系等がある。
【0015】また、シミュレーション本体10は、CPU12
、ROM14 、RAM16 、主成分ベクトル(特徴パラメー
タ)等を記憶するためのメモリ18、シミュレーション本
体と他の装置との間でデータ等をやりとりするための入
出力装置(以下、I/O という)20及びこれらをデータや
コマンドが入出力可能なように接続されたバス22から構
成されている。なお、ROM14 には、後述する処理プログ
ラムが記憶されている。なお、以下に説明するシミュレ
ーション本体10の学習が終了した後のものでは、入力部
24とキーボード28のみを備えればよい。すなわち、画像
データ入出力装置26は、本シミュレーション装置を入力
部の色特性にかかわらず出力するための変換学習時に用
いるため、色を数値で表現したデータとして直接入力す
るための装置であり、数値表現された原画像の色分解値
が例えば外部記憶手段に記憶され、この外部記憶手段か
ら読み込むための装置である。
【0016】図1は本実施の形態の色シミュレーション
装置40の機能別概略構成を示すブロック図である。本実
施の形態の色シミュレーション装置40では、入力部24か
ら入力されたRGB 等の色分解値による原画像より、原画
像の各色の分光反射率を推定し出力部30に出力する。こ
の色シミュレーション装置40における色分解値から分光
反射率までの変換は、機能別に、第1変換部32、第2変
換部34に分類される。第1変換部32は、入力部24から入
力した色分解値を主成分ベクトル係数に変換するための
ものであり、第2変換部34は、変換された主成分ベクト
ル係数を用いて入力された色分解値に対応する分光反射
率を求めるものである。
【0017】なお、第1変換部32は、後述する複数のニ
ューラルネットワークで構成された変換機能を有すると
共に、それを学習する学習機能を有している。次に、各
機能部の詳細を説明する。第1変換部32は、色情報値で
ある色分解値の変換のために予め構築された変換系を複
数有しており、撮影光源情報値をオペレーターがキーボ
ード28により入力することで最適な変換系が選択され、
入力部24から入力されるRGB 等の色分解値を少なくとも
3つの主成分ベクトルの展開係数に変換する。この変換
に使用する変換系には、ニューラルネットワークを用い
ることができる。
【0018】第1変換部32で用いられる各ニューラルネ
ットワークは、RGB の各色毎に色分解値を入力するため
の入力層として色分解値の数に応じたニューロンを有
し、中間層を介して特性値ベクトル係数値(主成分ベク
トル係数)を出力するための出力層として特性値ベクト
ル係数の数に応じたニューロンを有して各々のニューロ
ンがシナプスによって結合されており、以下に説明する
学習処理により学習して、所望の色分解値から未知の主
成分ベクトル係数を求める系として動作する。第1変換
部32は、図3に示すような、ネットワーク36及び教師部
38から構成される系を複数有する。ネットワーク36に
は、RGB の各色毎に色分解値が入力されると共に、推定
演算された主成分ベクトル係数を出力するようになって
いる。入力の色分解値に対応する教師信号TC及び出力の
主成分ベクトル係数に対応する出力信号OCは教師部38に
入力され、教師部38はこれらの差分等から得られた修正
信号SCをネットワーク36に出力するようになっている。
すなわち、ネットワーク36に、RGB の各色毎に色分解値
が入力されると共に、推定演算された主成分ベクトル係
数を出力する。この入力の色情報値に対応する既知の主
成分ベクトル係数は教師信号TCとして教師部38に入力さ
れ、出力の主成分ベクトル係数に相当する出力信号OCも
教師部38に入力される。教師部38はこれら入力された信
号の差分等から得た修正信号SCをネットワーク36に出力
する。
【0019】この第1変換部32に用いられているニュー
ラルネットワークの一例としては、図4に示すように、
色分解値としてのR 、G 、B の3つのユニット(または
Y 、M 、C 、K やビデオ信号の各成分の個数のユニッ
ト)I1、I2、I3からなる入力層、多数のユニットMq(q
≧1 )からなる中間層、及び出力ユニットU1、U2、・・
・、Unからなる出力層から構成されている。中間層の各
ユニットはバイアスユニットに接続されている。中間層
のユニットは入出力関係がシグモイド関数によって表さ
れる神経回路素子により構成され、入力層のユニット及
び出力層のユニットは入出力関係が線形の神経回路素子
で構成されている。出力層のユニットは中間層のユニッ
トと同様に入力関係がシグモイド特性を持つ神経回路素
子で構成されてもよい。出力層の出力ユニットの数は、
分光反射率分布に対する多変量解析によって得られる特
徴パラメータのうち実際に分光反射率を表現するために
用いる特徴パラメータの数、すなわち、後述するように
主成分ベクトル係数に対応している。
【0020】第1変換部32では、撮影光源情報値をオペ
レーターがキーボード28により入力することで最適な変
換系が選択された後、RGB 値、CMYK値等のデバイス値が
その入力として与えられると、選択されたネットワーク
の中間層のユニットからは次式に従った出力Hjが出力さ
れる。
【0021】
【数1】ただし、W(h)ijは入力層の i番目のユニットと
中間層の j番目のユニットの結合係数(すなわち重み)
を表し、Iiは入力層の i番目のユニットの出力(すなわ
ち色情報値)、bjはバイアスユニットから供給されるバ
イアス値を表す。また、出力層のユニットの出力 Ok も
同様に次式のように表される。
【0022】
【数2】ただし、W(o)jkは j番目の中間ユニットと k番
目の出力ユニットの結合係数を表し、また Hj は数式1
で定義される中間層の j番目のユニットの出力値であ
る。また、n 、m 、u はそれぞれ入力層、中間層、出力
層の各々のユニット数である。従って、入力層のユニッ
トへ色分解値を入力することによって、出力層のユニッ
トから出力 Ok として少なくとも3つの主成分ベクトル
係数の値が出力される。
【0023】なお、上記の入力層の各ユニットの特性は
入力をそのまま出力するような特性であり、また、中間
層のユニットの結合係数は次式で定義される[0,1 ]の
間で単調増加するシグモイド関数で表される特性であ
る。
【0024】
【数3】また、出力層のユニットはシグモイド関数ある
いは線形関数で表される特性である。ただし、出力層は
バイアスユニットからの入力があってもよい。このニュ
ーラルネットワークの結合係数は、出力層の各ユニット
の出力と分光反射率の主成分分析によって得られた特徴
パラメータ係数である教師信号との誤差を最小にするよ
うに予め学習・修正される。すなわち、RGB 値、CMYK値
等から分光反射率の主成分分析によって得られる特徴パ
ラメータ係数である主成分ベクトル係数への変換を学習
する。
【0025】本実施の形態では、ニューラルネットワー
クとして、フィードフォワード結合型ニューラルネット
ワークを用いており、該ネットワークの学習方法は各種
の方法があるが、例えば、バックプロパゲーションアル
ゴリズム(ラメルハート[Runmelhert,D.E and McClell
and,J.L. (Eds), "Parallel Distributied Processin
g," Exploration in the Microstructure of Congnitio
n. Vol.1, 2, MIT Press, Cammbridge (1989) 参照])
の最急降下法等を用いることができる。ここで、主成分
分析によって求められる主成分ベクトルは、種々の色の
分光反射率の共分散行列を用いて、次式で定義される固
有方程式の解として定義される。
【0026】
【数4】ただし、F は次式で定義される共分散行列、l
は固有値、v は固有ベクトル(主成分ベクトル)を表し
ている。
【0027】
【数式5】また、特徴パラメータ係数は数式4から得ら
れる主成分ベクトルを用いて次式で定義される。
【0028】
【数6】ただし、Yiは特徴パラメータを表し、また、R
は分光反射率の平均値ベクトルを表している。次に、第
1変換部32におけるニューラルネットワークの学習の処
理の詳細を図5を参照してさらに説明する。まず、ニュ
ーラルネットワークを学習させる前の処理S1として、RG
B やYMCK等の色分解値が既知の色票の分光反射率分布を
測定する。次の処理S2では、該分光反射率を主成分分析
する。次に、処理S3では主成分分析することによって得
られる少なくとも3つの主成分ベクトル、及び主成分ベ
クトル係数を導出する。この主成分ベクトルは、上記説
明したように、数式4で定義される固有方程式の解とし
て定義される。また、主成分ベクトル係数は、数式6で
算出される主成分ベクトル係数Y である。次の処理S4で
は、上記の処理で求めた色票の少なくとも3つの主成分
ベクトル係数を教師信号とし、入力部24で撮影したRGB
等の色分解値を入力信号として各々ニューラルネットワ
ークに入力し、次の処理S5で学習させる。すなわち、ネ
ットワークの出力と主成分分析によって得られた主成分
ベクトル係数(特徴パラメータである)教師信号との2
乗誤差を最小にするように学習される。以上の処理が終
了し(処理S6)、ニューラルネットワークの学習が十分
に行われた後に、処理S7でネットワークの構造、ウェイ
トをメモリ18に記憶し、変換系の構築を終了する。色票
の光源状況もしくは撮影手段毎の色分解値をそれぞれ入
力信号として用い、この一連の学習の処理を行うことに
よって、複数の変換系が構築される。このように、学習
することによって第1変換部32では、入力部24の撮影に
より出力されたRGB 等の色分解値が入力されると、入力
された色分解値に対応する少なくとも3つの主成分ベク
トル係数を、入力部24の色特性に依存しない値として出
力する。
【0029】次に、第2変換部34は、第1変換部32から
出力された少なくとも3つの主成分ベクトル係数と、上
記の主成分分析にて導出した少なくとも3つの主成分ベ
クトルとを用いて、分光反射率を導出するための機能を
有しており、次式に従って変換した分光反射率を出力部
30に出力する。
【0030】
【数7】次に、本実施の形態の色シミュレーション装置
40の作動を図6のフローチャートを参照してさらに説明
する。上述のようにして第1変換部の学習が終了した後
に、色シミュレーション装置40の電源が投入またはシミ
ュレーション実行開始の指示がキーボード28よりなされ
ると、図6のステップ100 へ進み、入力部24によってシ
ミュレートすべき原稿や物体を撮影した原画像の色分解
値が読みとられる。次のステップ102 では、オペレータ
のキーボードによる指示を読みとることによって、入力
部24により入力された原画像の撮影光源情報値が得ら
れ、第1変換部32において最適なニューラルネットワー
クが選択される。次のステップ104 では、第1変換部32
において、ステップ102 で選択されたニューラルネット
ワークにより、入力された色分解値が少なくとも3つの
主成分ベクトル係数に変換され、変換した主成分ベクト
ル係数を第2変換部34へ出力する。次に、ステップ106
では、第2変換部34において、上述のように、予め導出
された主成分ベクトル(メモリ18に記憶されている)を
読みとると共に、第1変換部32から出力された少なくと
も3つの主成分ベクトル係数に、読みとった少なくとも
3つの主成分ベクトルを乗じることによって、分光反射
率に変換する。次のステップ108 では、ステップ106 で
変換された分光反射率を色データとして出力部30で出力
する。
【0031】このように、本実施の形態の色シミュレー
ション装置では、第1変換部で、原画像の光源状況もし
くは撮影手段に対応して変換系を選択し、その原画像の
色分解値から定まる分光反射率の主成分ベクトル係数を
求め、第2変換部で、この主成分ベクトル係数を用いて
分光反射率に変換し、色データとして出力する。従っ
て、本色シミュレーション装置を用いることで、原画像
の光源状況もしくは撮影手段がどのようなものであって
も、被写体の色を推定し出力することができる。本実施
の形態の色シミュレーション装置は、トンネルや暗室の
ような照明光源の色が特殊な環境下において撮影した原
画像の色再現に好適である。
【0032】なお、上記実施の形態では、シミュレーシ
ョン装置本体内にニューラルネットワークを含んだ構成
としたが、ニューラルネットワークを別個の独立した構
成として用いても良い。また、上記実施の形態では、入
力装置をシミュレーション装置本体に直接接続した場合
を説明したが、ビデオカメラ等で被写体を撮影してビデ
オ信号(TV信号)やデジタル信号で磁気記録や光学記録
し、その記録媒体である磁気記録媒体や光学記録媒体を
再生する装置を接続し、再生信号をシミュレーション装
置本体に入力するようにしても良い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、入
力部で入力した原画像の色情報値を、撮影光源情報値の
入力によって選択される最適な変換系により、分光反射
率を多変量解析することによって得られる少なくとも3
つの特徴パラメータ係数に変換し、さらに、該パラメー
タ係数と前記多変量解析により得られた特徴パラメータ
とを用いて分光反射率を得て、色データとして出力する
ので、入力部で入力した原画像の撮影時の光源状況や撮
影手段がどのようなものであっても、撮影された被写体
の色を推定し出力できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】色シミュレーション装置の機能別構成の概略を
示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる色シミュレーション装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ニューラルネットワークの動作を説明するため
の概念イメージ図である。
【図4】ニューラルネットワークの構成を説明するため
の概念イメージ図である。
【図5】第1変換部であるニューラルネットワークの変
換系構築時の処理過程を示すフローチャートである。
【図6】色シミュレーション装置の動作の流れを示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10 シミュレーション本体 12 CPU 14 ROM 16 RAM 18 記憶用メモリ 20 データ入出力装置 22 バス 24 原画像入力部 26 画像データ入出力装置 28 キーボード 30 原画像出力部 32 第1変換部 34 第2変換部 36 ニューラルネットワーク 38 教師部 40 色シミュレーション装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影された被写体の色を、撮影時の光源状
    況もしくは撮影手段の特性を考慮して推定する色シミュ
    レーション装置であって、 被写体を撮影することで得られる原画像の色情報値を入
    力するための入力部と、 前記原画像の色情報値を、分光反射率を多変量解析する
    ことによって得られる、少なくとも3つの特徴パラメー
    タ係数に変換する、複数の変換系を有し、シミュレート
    時には該変換系を選択的に用い光源状況もしくは撮影手
    段の特性に応じた変換をする、第1の変換部と、 前記第1の変換部で変換された少なくとも3つの特徴パ
    ラメータ係数を、前記多変量解析により得られる少なく
    とも3つの特徴パラメータに基づいて、分光反射率に変
    換する第2の変換部とからなる、 ことを特徴とする色シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】多変量解析として主成分分析を用い、該主
    成分分析することによって得られる分光反射率の主成分
    ベクトルを特徴パラメータとし、該主成分ベクトルによ
    る該分光反射率の展開係数を前記特徴パラメータ係数と
    する、ことを特徴とする請求項1記載の色シミュレーシ
    ョン装置。
  3. 【請求項3】第1の変換部は、多層フィードフォワード
    型ニューラルネットワークを複数有し、準備時において
    は、分光分布が既知の標準色票の撮影時の光源状況もし
    くは撮影手段の異なる色分解値を入力値とし、前記分光
    分布を多変量解析することにより得られる少なくとも3
    つの特徴パラメータ係数を教師信号とし、該入力に対し
    て前記教師信号の値が近似するよう変換学習をすると共
    に、変換時においては、入力された画像の色分解値と撮
    影光源情報値を入力することで、前記ネットワークのう
    ち最適なものを選択し、該色分解値を特徴パラメータに
    変換する、ことを特徴とする請求項1記載の色シミュレ
    ーション装置。
  4. 【請求項4】第1の変換部は、前記原画像の色情報値と
    該色情報値に対応する前記少なくとも3つの特徴パラメ
    ータ係数との対応関係を記憶したルックアップテーブル
    を撮影時の光源状況もしくは撮影手段毎に複数有し、入
    力された画像の色分解値と撮影光源情報値を入力するこ
    とで、前記テーブルのうち最適なものを選択し、該色情
    報値を特徴パラメータ係数に変換する、ことを特徴とす
    る請求項1記載の色シミュレーション装置。
JP8298483A 1996-11-11 1996-11-11 色シミュレーション装置 Pending JPH10145622A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100482790B1 (ko) * 2001-12-26 2005-04-14 주식회사 베리텍 디지털 영상의 알지비(rgb) 3차원 색 좌표계에서의조명 추정방법
JP2021532891A (ja) * 2018-07-31 2021-12-02 ドイチェス クレープスフォルシュングスツェントルム シュティフトゥング デス エッフェントリッヒェン レヒツ マルチスペクトル情報を用いた観血的治療における拡張画像化のための方法およびシステム

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