JPH10144667A - プラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理方法

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JPH10144667A
JPH10144667A JP32091496A JP32091496A JPH10144667A JP H10144667 A JPH10144667 A JP H10144667A JP 32091496 A JP32091496 A JP 32091496A JP 32091496 A JP32091496 A JP 32091496A JP H10144667 A JPH10144667 A JP H10144667A
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孝 赤堀
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昌紀 戸澤
Risa Nakase
りさ 中瀬
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正英 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空容器内部のパーティクルを低減し、被処
理基板に対して安定したプラズマ処理を行なうこと。 【解決手段】 プラズマ処理装置において、成膜処理が
終了した後、クリ−ニングガスを導入し、クリ−ニング
ガスをプラズマ化することにより真空容器2の内部に付
着したCF膜を除去するクリ−ニングを行なう。この後
CF系のガス例えばC4 8 ガスを60sccmの流量
で導入すると共に、プラズマガス例えばArガスを15
0sccmの流量で導入することにより、圧力0.2P
a、マイクロ波電力2700kWの条件下でプリコ−ト
を行なう。このようにすると、真空容器2の内壁面がC
F系の膜よりなるプリコ−ト膜で覆われる。この後成膜
処理を行なうと、プリコ−ト膜は成膜ガスとは反応しに
くいのでパーティクルの発生が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば半導体ウエハ
などの被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の配線パタ−ンとしては主にア
ルミニウム配線が用いられ、これを絶縁するための層間
絶縁膜としてはSiO2 膜やSiOF膜が用いられてお
り、これらの形成方法としては膜質が良好なことから、
例えばマイクロ波と磁界とを組み合わせたECR(El
ectron Cyclotron Resonanc
e)プラズマ処理が用いられる傾向にある。
【0003】このECRプラズマ処理を行うプラズマ処
理装置の一例を図11に挙げると、真空容器10のプラ
ズマ生成室1A内に例えば2.45GHzのマイクロ波
を導波管11を介して供給すると同時に、所定の大きさ
例えば875ガウスの磁界を電磁コイル12により印加
して、マイクロ波と磁界との相互作用(共鳴)により例
えばArガスやO2 ガス等のプラズマガスや、成膜室1
B内に導入された反応性ガス例えばSiH4 ガスをプラ
ズマ化し、このプラズマによりSiH4 ガスの活性種を
形成してAlN(窒化アルミニウム)製の載置台13上
に載置された半導体ウエハW表面に薄膜を形成するよう
になっている。
【0004】このようなプラズマ処理装置では、SiO
2 膜等の成膜処理を行うと真空容器10の壁面や載置台
13の周辺にもこれらの膜が付着してしまうが、成膜処
理が進みこの膜の膜厚がある程度の厚さになると付着し
た膜が剥がれてパーティクルの原因となることから、S
iO2 膜等の成膜処理を行った後、これらの付着した膜
を除去するために所定のクリ−ニングが行われている。
【0005】例えばSiO2 膜等を除去するためのクリ
−ニングは、例えばウエハWを12枚成膜する毎に例え
ば20分程度行われており、クリ−ニングガスとしてC
4ガスやNF3 ガスなどのF系のガスを真空容器10
内に導入し、このガスをプラズマにより活性化させ、こ
の活性種を付着した膜に反応させて除去している。
【0006】そしてクリ−ニングを終了した後、真空容
器10の内壁に残存しているパーティクルの飛散を防ぐ
等のため所定のプリコ−トが行なわれている。このプリ
コ−トは真空容器10の内壁にプリコ−ト膜を成膜する
ものであるが、例えばSiO2 膜等の成膜処理の場合に
は、プリコ−ト膜はSiO2 膜やSiF4 膜等により形
成されている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】ところでSiO2
膜は誘電率が「4」程度、SiOF膜は誘電率が「3.
5」程度であるが、近年高速デバイスの要求が高まり、
これにより誘電率の低い層間絶縁膜が要求されている。
そこでこのような誘電率が低い層間絶縁膜として、
「2.5」以下の誘電率を達成し得る、フッ素添加カ−
ボン膜(以下CF膜という)が注目されている。
【0008】このCF膜も上述のプラズマ処理装置によ
り成膜できるが、CF膜の成膜処理の際に、プリコ−ト
膜をSiO2 膜やSiF4 膜等により形成すると、プリ
コ−ト膜とCF膜の原料ガス例えばC4 8 ガス等のC
F系のガスとが反応してパーティクルが発生しやすいと
いう問題があり、CF膜を成膜処理する際のプリコ−ト
には未知な部分が多い。
【0009】本発明はこのような事情のもとになされた
ものであり、その目的は真空容器の内部のパーティクル
を低減することにより、被処理基板に対して安定した成
膜処理を行なうことができるプラズマ処理方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、被処
理基板の載置台が内部に設けられた真空容器内におい
て、処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより被処
理基板に対してプラズマ処理を行なうためのプラズマ処
理方法において、クリ−ニングガスをプラズマ化し、そ
のプラズマにより前記真空容器内部に付着したフッ素添
加カ−ボン膜を除去するクリ−ニング工程と、次いでプ
リコ−トガスをプラズマ化し、そのプラズマにより前記
真空容器の内壁にプリコ−ト膜を成膜するプリコ−ト工
程と、続いて処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマに
より被処理基板に対してフッ素添加カ−ボン膜を成膜す
る成膜処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマ処理方法の一実
施の形態について説明する。先ず本発明方法が実施され
るプラズマ処理装置の一例について図1により説明す
る。このプラズマ処理装置はECR(電子サイクロトロ
ン共鳴)を用いた装置である。図中2は例えばアルミニ
ウム等により形成された真空容器であり、この真空容器
2は上方に位置してプラズマを発生させる円筒状のプラ
ズマ室21と、この下方に連通させて連結され、プラズ
マ室21より内径の大きい円筒状の成膜室22とからな
る。
【0012】この真空容器2の上端面はマイクロ波を透
過するための透過窓23により構成されている。透過窓
23の上面にはプラズマ室21内に例えば2.45GH
zのマイクロ波を供給するための導波管31が設けられ
ており、この導波管31の他端側にはマイクロ波発振器
32に接続されている。この例では導波管31とマイク
ロ波発振器32とにより高周波供給手段が構成されてい
る。
【0013】プラズマ室21を区画する側壁の外周囲に
は、これに接近させて磁界形成手段としてリング状のメ
インソレノイドコイル33(以下メインコイル33とい
う)が配置されており、プラズマ室21に例えば上方か
ら下方に向かう例えば875ガウスの磁界を形成し得る
ようになっている。また成膜室22の底壁の下方側には
リング状のサブソレノイドコイル34(以下サブコイル
34という)が配置されている。
【0014】またプラズマ室21を区画する側壁には、
その周方向に沿って均等に配置したプラズマガスノズル
24が設けられている。このノズル24には図示しない
プラズマガス源及びクリ−ニングガス源が接続されてお
り、プラズマ室21内の上部にプラズマガスやクリ−ニ
ングガスを均等に供給し得るようになっている。なお図
中ノズル24は図面の煩雑化を避けるため2本しか記載
していないが、実際にはそれ以上設けている。
【0015】一方成膜室22内には、その上部側に成膜
室22室内に成膜ガスやプリコ−トガスを導入するため
のガス吹き出し口25aが形成されたリング状のガスリ
ング25が設けられており、このガスリング25には図
示しない成膜ガス源やプリコ−トガス源が接続されてい
る。また成膜室22内のほぼ中央には被処理基板例えば
半導体ウエハW(以下ウエハWという)を載置するため
載置台4が昇降自在に設けられている。この載置台4
は、例えばアルミニウム等により形成された本体41に
ヒ−タを内蔵したセラミックス体42を設けてなり、載
置面は静電チャックとして構成されている。さらに載置
台4のセラミック静電チャック42にはウエハWにイオ
ンを引き込むためのバイアス印加の為の電極43を内蔵
し、電極43にはプラズマ引込み用の例えば高周波電源
44が接続されている。さらにまた成膜室22の底部に
は、図示しない排気口が形成されている。
【0016】次に上述の装置にて実施される本発明のプ
ラズマ処理方法について説明する。先ずCF膜の成膜処
理工程について説明すると、図示しないロ−ドロック室
から例えば表面にアルミニウム配線が形成されたウエハ
Wを搬入して載置台4上に載置する。続いて真空容器2
の内部を所定の真空度まで真空引きし、プラズマガスノ
ズル24からプラズマ室21内へプラズマガス例えばA
rガスを150sccmの流量で導入すると共に、ガス
リング25から成膜室22内へ成膜ガス例えばC4 8
ガス及びC2 4 ガスを夫々流量60sccm及び30
sccmで導入する。そして真空容器2内を例えばプロ
セス圧力0.2Paに維持し、かつ載置台4に13.5
6MHz、1500Wのバイアス電圧を印加すると共
に、載置台4の表面温度を320℃に設定する。
【0017】マイクロ波発振器32からの2.45GH
zの高周波(マイクロ波)は、導波管31を搬送されて
透過窓23を透過してプラズマ室21内に導入される。
このプラズマ室21内には、メインコイル33とサブコ
イル34により発生したミラ−磁界が875ガウスの強
さで印加されており、この磁界とマイクロ波との相互作
用で電子サイクロトロン共鳴が生じ、この共鳴によりA
rガスがプラズマ化され、かつ高密度化される。
【0018】プラズマ室21より成膜室22内に流れ込
んだプラズマ流は、ここに供給されているC4 8 ガス
及びC2 4 ガスを活性化させて活性種を形成する。一
方ウエハW上に輸送された活性種はCF膜として成膜さ
れるが、その際プラズマ引込用のバイアス電圧により、
ウエハWに引き込まれたArイオンが、スパッタエッチ
ング作用によりウエハW表面のパターン上の角部に成膜
したCF膜を削り取り、間口を広げながら、パターン溝
底部からCF膜を成膜し、凹部にボイドなくCF膜が埋
め込まれる。
【0019】続いて成膜処理工程の後に行なわれる行わ
れるクリ−ニング工程について説明する。ウエハWに対
して所定の成膜処理を行なうと、例えば載置台4表面の
ウエハWの周辺や載置台4の外周囲部分、ガス吹き出し
口25a周辺等の成膜ガスが到達する場所にもCF膜が
付着してしまう。クリ−ニングとはこのように真空容器
2の内部に付着したCF膜を除去するために行われる処
理であり、例えば12枚のウエハWに成膜処理を行なっ
た後に行われる。
【0020】具体的には12枚目のウエハWを真空容器
2から搬出した後、プラズマ室21内にプラズマガスノ
ズル24からクリ−ニングガス例えばO2 ガスを例えば
200sccmの流量で導入し、かつマイクロ波発振器
32から2.45GHzのマイクロ波を導入すると共
に、例えばメインコイル33を作動させて磁界を875
ガウスの強さで印加することにより行われる。
【0021】このようにすると成膜室22の内部では磁
界とマイクロ波との相互作用で電子サイクロトロン共鳴
が生じ、この共鳴によりO2 ガスがプラズマ化され、か
つ高密度化される。そしてプラズマ化により生じた例え
ばOのラジカルやイオンからなるOの活性種がガス吹き
出し口25aや載置台4の周辺に付着したCF膜と反応
し、CF膜を例えばCO2 ガスやF2 ガスに分解して飛
散させ、図示しない排気口を介して成膜室22の外部へ
除去する。
【0022】次いでクリ−ニング工程の後に行なわれる
プリコ−ト工程について説明する。プリコ−ト工程では
上述の真空容器2の内壁にプリコ−ト膜が成膜される。
具体的にはクリ−ニングが終了した後、プラズマ室21
内にガスリング25からプリコ−トガスとしてCF系の
ガス例えばC4 8 ガス及びC2 4 ガスを夫々60s
ccm及び30sccmの流量で導入し、プラズマガス
ノズル24からプラズマガス例えばArガスを150s
ccmの流量で導入すると共に、マイクロ波発振器32
から2.45GHzのマイクロ波を導入し、例えばメイ
ンコイル33を作動させて磁界を875ガウスの強さで
印加することにより行われる。
【0023】このようにすると成膜室22の内部では磁
界とマイクロ波との相互作用で電子サイクロトロン共鳴
が生じ、この共鳴により前記プラズマガスがプラズマ化
され、かつ高密度化される。そしてプラズマ室21より
成膜室22に流れ込んだプラズマ流は、ここに供給され
ている前記プリコ−トガスを活性化させて活性種を形成
し、これにより真空容器2の内壁に例えば膜厚2μmの
CF膜によりなるプリコ−ト膜が成膜される。
【0024】このようにしてプリコ−ト工程が行なわれ
た後、ウエハWを真空容器2内に搬入して載置台4上に
載置し、上述のCF膜の成膜処理工程が行なわれる。
【0025】本実施の形態では、クリ−ニング工程の後
にCF系のガスによるプリコ−ト工程が行なわれるので
次のような効果が得られる。先ず第1に成膜処理の際に
パーティクルの飛散が防止できる。即ちクリ−ニングを
行なうと、図2(a)、(b)に示すように、真空容器
2の内壁に付着したCF膜Mの大部分が除去されるが、
当該内壁面に少量のパーティクルPTが残存してしま
う。これはクリ−ニングの際にCF膜Mの取り残しがあ
ったり、もともと真空容器2の内壁にアルミニウムや窒
素が混入したCF膜Mが付着している場合には、クリ−
ニングしてもこれらアルミニウムや窒素が除去できない
からである。
【0026】このような場合にプリコ−トを行なうと、
プリコ−ト膜PMは真空容器2の内壁面にパーティクル
PTを封じ込めるように形成されるので、その後のCF
膜の成膜処理の際のパーティクルの飛散が抑えられる。
即ち本実施の形態では、プリコ−ト膜がウエハWに形成
されるCF膜の組成に近い膜により形成されており、例
えば図3(a)に示すように真空容器2の内壁面にプリ
コ−ト膜が形成される。
【0027】この膜は上述のように成膜されるCF膜と
組成が似ているため、成膜処理の際に成膜ガスと反応す
るおそれがなく、このため成膜処理の際に成膜ガスとプ
リコ−ト膜PMが反応してパーティクルを生成したり、
プリコ−ト膜PMが除去されて前記内壁面に付着してい
たパーティクルPTが飛散したりすることが抑えられ
る。これに対し例えばプリコ−ト膜をSiO2 膜により
形成すると(図3(b)参照)、この膜は成膜処理の際
にCF膜の成膜ガスであるCF系のガスと反応しやす
く、このためパーティクルが発生しやすい。
【0028】第2に成膜処理の際にウエハWに形成され
るCF膜の深さ方向の膜質を均一にすることができる。
即ちクリ−ニング終了後直ちに成膜処理を行なうと、処
理の初期段階では真空容器2のアルミニウムの内壁面に
CF膜が成膜されてしまい、これによりアルミニウムと
反応しやすい成膜ガスが消費されてしまう。従ってC4
8 ガスとC2 4 ガスの流量比が変わって成膜ガスの
組成が変化してしまうので、処理の初期段階とその後で
はウエハWに形成されるCF膜の膜質、特に深さ方向の
膜質が変化してしまう。
【0029】一方クリ−ニング終了後にプリコ−ト工程
を行なうと、この工程で予め真空容器2の内壁にCF膜
からなるプリコ−ト膜が形成されるため、成膜処理の際
にはこのプリコ−ト膜の上面にCF膜が形成されること
になる。ところがこのようにプリコ−ト膜の上面にCF
膜が形成される場合は、プリコ−ト膜自体がウエハWに
成膜されるCF膜に近い組成であるため、プリコ−ト膜
の表面に成膜される場合もウエハW上に成膜される場合
も同じように成膜ガスが消費されると考えられる。従っ
てアルミニウムの表面に成膜される場合のようにC4
8 ガスとC2 4 ガスの流量比が変わってしまうおそれ
はないので、処理の初期段階とその後の段階とでは成膜
ガスの組成は変化しないため、ウエハWに形成されるC
F膜の膜質特に深さ方向の膜質を均一にすることができ
る。
【0030】第3に成膜処理の際に、真空容器2の内壁
面に成膜されるCF膜の膜剥がれを防止することができ
る。即ちクリ−ニング終了後に成膜処理を行なうと、上
述のように真空容器2の内壁面にCF膜Mが成膜されて
しまうが、ここでアルミニウムの内壁面とCF膜Mとは
密着性が悪いので、処理が進みCF膜Mの付着量が多く
なってくると、前記内壁面からCF膜Mが剥がれてしま
うことがある。このようにCF膜Mが剥がれるとパーテ
ィクルの原因になるし、もともと前記内壁面に付着して
いたパーティクルPTが現れて飛散してしまう。
【0031】一方クリ−ニング終了後にプリコ−ト工程
を行なうと、この工程で予め真空容器2の内壁にCF膜
からなるプリコ−ト膜が形成されており、成膜処理の際
にはこのプリコ−ト膜の上面にCF膜が形成されること
になる。ここでプリコ−トの条件と成膜処理の条件とは
異なり、このため形成される膜の膜質が異なるので、プ
リコ−トの際アルミニウム製の真空容器2の内壁面にプ
リコ−ト膜が形成されるとしても、このプリコ−ト膜の
アルミニウムに対する密着性は、成膜処理の際に前記内
壁面に成膜されるCF膜よりは大きい。また成膜処理の
際、プリコ−ト膜の上面にCF膜が成膜されるが、プリ
コ−ト膜とCF膜とはもともと密着性が大きいので、両
者間に膜剥がれが生じるおそれはない。このようにプリ
コ−トを行なうと膜剥がれが抑えられるので、膜剥がれ
が原因となるパーティクルの発生を抑えることができ
る。
【0032】ここで本実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例について説明する。実験装置として図
1に示すプラズマ処理装置を用い、マイクロ波電力27
00W、圧力0.2Paの下で、高周波電力を印加せず
にプリコ−トガスとしてC48 ガス及びC2 4 ガス
を60sccm及び30sccmの流量で導入すると共
に、プラズマガスとしてArガスを150sccmの流
量で導入して、プリコ−ト膜PMを2μm形成した。
【0033】この後、マイクロ波電力2700W、高周
波電力1500W、圧力0.2Paの下で、成膜ガスと
してC4 8 ガス及びC2 4 ガスを夫々60sccm
及び30sccmの流量で導入すると共に、プラズマガ
スとしてArガスを150sccmの流量で導入するこ
とにより、8インチサイズのウエハW上にCF膜を0.
5μm形成し、XPS分析(X−ray Photo
Spectroscopy)により、ウエハW上に形成
されたCF膜の深さ方向における均一性を測定した。ま
たプリコ−トを行なわない場合においても同様の条件で
ウエハW上にCF膜を形成し、XPS分析を行なった。
これらの結果を図4及び図5に夫々示す。
【0034】図4及び図5においては、CF膜中の1S
軌道のC(炭素)とF(フッ素)のCF膜の深さ方向に
おける原子濃度が示されており、図中のCF膜の深さは
「1」が最表面であり、「0」に近付くに連れて深くな
るように示されている。この結果より、プリコ−トを行
なわない場合(図5参照)はCF膜の深さが大きくなる
に連れてC濃度は大きくなり、F濃度が小さくなるのに
対して、プリコ−トを行なった場合はCF膜の深さが大
きくなってもCF膜中のC濃度及びF濃度が一定である
ことが確認され、これによりプリコ−トを行なった場合
(図4参照)はCF膜の深さ方向に対する均一性が向上
することが確認された。
【0035】続いて前実験例と同様の条件でプリコ−ト
を行なった後、12枚のウエハWに対して全実験例と同
様の条件でCF膜を成膜し、ウエハW上に存在する0.
25μm以上の大きさのパーティクル量をウエハ用異物
検査装置により測定した。またプリコ−トを行なわない
場合についても同様にウエハWの成膜処理を行ない、パ
ーティクル量を測定した。これらの結果を図6及び図7
に夫々示す。
【0036】図6及び図7においては、横軸にウエハW
の処理枚数を示すが、この結果より、プリコ−トを行な
った場合には、プリコ−トを行なわない場合に比べてウ
エハW2枚目までのパーティクル量が極端に少なくなる
ことが確認され、これによりプリコ−トを行なった場合
はパーティクル発生量がかなり少なくなることが確認さ
れた。
【0037】このように本実施の形態では、真空容器2
内のパーティクル量を低減できるので、その後の成膜処
理工程において被処理基板に対して安定した処理を行な
うことができる。
【0038】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異な
る点は、本実施の形態が上述の実施の形態と異なる点
は、プリコ−トガスとして二重結合あるいは三重結合の
ガス例えばC2 2 ガスやC24 ガスや、一つのCに
4個のCF基が結合している分子構造のガス例えばC
(CF3 4 CガスやC(C2 5 4 ガス等を用いる
ことである。プリコ−トとしてこのようなガスを用いる
とパーティクルの発生量が低減するという効果がある。
【0039】ここで本実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例について説明する。実験装置として図
1に示すプラズマ処理装置を用い、マイクロ波電力27
00W、圧力0.2Paの下で、高周波電力を印加せず
に、プリコ−トガスとしてC2 4 ガスを60sccm
の流量で導入すると共に、プラズマガスとしてArガス
を200sccmの流量で導入して、プリコ−ト膜PM
を2μm形成した。
【0040】この後、マイクロ波電力2700W、高周
波電力1500W、圧力0.2Paの下で、成膜ガスと
してC4 8 ガス及びC2 4 ガスを夫々60sccm
及び30sccmの流量で導入すると共に、プラズマガ
スとしてArガスを150sccmの流量で導入するこ
とにより、8インチサイズのウエハWにCF膜を0.2
5μm形成した。この成膜処理を60枚のウエハWに対
して行ない、ウエハW上に存在する0.25μm以上の
大きさのパーティクル量をウエハ用異物検査装置により
測定した。
【0041】またマイクロ波電力2000W、高周波電
力2000W、圧力0.3Paの下で、プリコ−トガス
としてSiH4 ガスを80sccmの流量で導入すると
共に、プラズマガスとしてO2 ガス及びArガスを夫々
100sccm及び200sccmの流量で導入するこ
とにより、プリコ−ト膜としてSiO2 膜を1.0μm
形成した場合についても同様にウエハWの成膜処理を行
ない、パーティクル量を測定した。これらの結果を図8
に示す。
【0042】図8においては横軸にウエハWの処理枚数
を示すが、この結果よりC2 4 ガスによりプリコ−ト
を行なった場合には、SiH4 ガスを導入してSiO2
膜からなるプリコ−ト膜を形成した場合に比べてパーテ
ィクル量が極端に少なくなることが確認された。
【0043】この理由については以下のように考えられ
る。即ちSiO2 膜からなるプリコ−ト膜を形成した場
合は、既述のようにプリコ−ト膜と成膜ガスとが反応し
やすく、この結果この反応によりパーティクルが生成し
たり、またプリコ−ト膜が真空容器2の内壁面から剥が
れてパーティクルの原因となったり、プリコ−ト膜が除
去されて前記内壁面に付着していたパーティクルが飛散
したりすると考えられ、これによりパーティクル量が多
くなると推察される。
【0044】一方C2 4 ガスによりプリコ−トを行な
った場合は、例えば図9に示すように、プリコ−ト膜の
C−C結合が三次元綱状的に形成され、つまりC−Cの
ネットワ−ク構造が形成されるので、プリコ−ト膜が緻
密になり強固になる。従って既述の通りプリコ−ト膜は
もともと成膜ガスとは反応しにくいが、膜がC−Cのネ
ットワ−ク構造を形成することによって、より反応しに
くい状態となるので、この結果成膜ガスとの反応に起因
するパーティクルの発生が抑えられると考えられる。
【0045】またCF膜はCの量が増えると密着性が増
加する傾向にあるが、上述のネットワ−ク構造ではCの
量が増加するので、真空容器2の内壁面とプリコ−ト膜
との密着性が大きくなる。従ってプリコ−ト膜が真空容
器2の内壁面から剥がれにくくなるので、この膜剥がれ
に起因するパーティクルの発生も抑えられると考えられ
る。従ってC2 4 ガスによりプリコ−トを行なった場
合は、これらの相乗効果によりパーティクルの発生を大
幅に低減できると推察される。
【0046】このように本実施の形態では、真空容器2
内のパーティクル量を大幅に低減できるので、その後の
成膜処理工程において被処理基板に対してより安定した
処理を行なうことができる。
【0047】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異な
る点は、プリコ−ト膜をa−CiH膜(水素化アモルフ
ァスカ−ボン、以下「a−C膜」という)により形成し
たことである。この際、a−C膜は、プリコ−トガスと
してCk s ガス(k、sは整数)単独、あるいはCk
s ガス+H2 ガスを用いることにより形成され、この
ようにプリコ−ト膜としてa−C膜を用いると、プリコ
−ト膜と真空容器2の内壁面との密着性が高まり、パー
ティクルの発生量が低減するという効果がある。
【0048】ここで本実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例について説明する。実験装置として図
1に示すプラズマ処理装置を用い、マイクロ波電力25
00W、圧力0.3Paの下で、高周波電力を印加せず
に、プリコ−トガスとしてC2 4 ガスを100scc
mの流量で導入すると共に、プラズマガスとしてArガ
スを300sccmの流量で導入して、プリコ−ト膜P
Mを2μm形成した。
【0049】この後、マイクロ波電力1500W、高周
波電力1500W、圧力0.2Paの下で、成膜ガスと
してC4 8 ガス及びC2 4 ガスを夫々60sccm
及び30sccmの流量で導入すると共に、プラズマガ
スとしてArガスを150sccmの流量で導入するこ
とにより、8インチサイズのウエハWにCF膜を0.2
5μm形成した。この成膜処理を40枚のウエハWに対
して行ない、ウエハW上に存在する0.25μm以上の
大きさのパーティクル量をウエハ用異物検査装置により
測定した。
【0050】またマイクロ波電力2000W、高周波電
力2000W、圧力0.3Paの下で、プリコ−トガス
としてSiH4 ガスを80sccmの流量で導入すると
共に、プラズマガスとしてO2 ガス及びArガスを夫々
100sccm及び200sccmの流量で導入するこ
とにより、プリコ−ト膜としてSiO2 膜を1.0μm
形成した場合についても同様にウエハWの成膜処理を行
ない、パーティクル量を測定した。これらの結果を図1
0に示す。
【0051】図10においては横軸にウエハWの処理枚
数を示すが、この結果よりa−C膜膜からなるプリコ−
ト膜を形成した場合には、SiO2 膜からなるプリコ−
ト膜を形成した場合に比べてパーティクル量が大幅に少
なくなることが確認された。この理由については以下の
ように考えられる。即ちSiO2 膜からなるプリコ−ト
膜を形成した場合は、既述のようにプリコ−ト膜と成膜
ガスとが反応しやすく、この結果この反応に起因してパ
ーティクル量が多くなると推察される。
【0052】一方a−C膜からなるプリコ−ト膜を形成
した場合には、a−C膜はウエハWに成膜されるCF膜
と組成が類似しているので成膜ガスとは反応しにくく、
成膜ガスとの反応に起因するパーティクルの発生が抑え
られる上、a−C膜はアルミニウム製の真空容器2の内
壁面との密着性が大きい。このためプリコ−ト膜が真空
容器2の内壁面から剥がれにくくなり、長時間膜剥がれ
が起こらなくなるので、この膜剥がれに起因するパーテ
ィクルの発生が抑えられると考えられる。従ってa−C
膜からなるプリコ−ト膜を形成した場合はパーティクル
の発生を大幅に低減できると推察される。
【0053】このように本実施の形態では、真空容器2
内のパーティクル量を大幅に低減できるので、その後の
成膜処理工程において被処理基板に対してより安定した
処理を行なうことができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、真空容器の内部のパー
ティクルを低減することができ、被処理基板に対して安
定したプラズマ処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのプラズマ処理装置
の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の作用を説明するための説
明図である。
【図3】本発明の実施の形態の作用を説明するための説
明図である。
【図4】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すための原子濃度とCF膜の深
さとの関係を示す特性図である。
【図5】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すための原子濃度とCF膜の深
さとの関係を示す特性図である。
【図6】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すためのパーティクル量とウエ
ハの処理枚数との関係を示す特性図である。
【図7】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すためのパーティクル量とウエ
ハの処理枚数との関係を示す特性図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例の結果を示すためのパーティクル量と
ウエハの処理枚数との関係を示す特性図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の作用を説明するため
の説明図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態の効果を確認
するために行なった実験例の結果を示すためのパーティ
クル量とウエハの処理枚数との関係を示す特性図であ
る。
【図11】従来のプラズマ処理装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 真空容器 21 プラズマ室 22 成膜室 4 載置台 M CF膜 PT パーティクル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 プラズマ処理方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば半導体ウエハ
などの被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の配線パタ−ンとしては主にア
ルミニウム配線が用いられ、これを絶縁するための層間
絶縁膜としてはSiO2 膜やSiOF膜が用いられてお
り、これらの形成方法としては膜質が良好なことから、
例えばマイクロ波と磁界とを組み合わせたECR(El
ectron Cyclotron Resonanc
e)プラズマ処理が用いられる傾向にある。
【0003】このECRプラズマ処理を行うプラズマ処
理装置の一例を図11に挙げると、真空容器のプラズマ
生成室1A内に例えば2.45GHzのマイクロ波を導
波管11を介して供給すると同時に、所定の大きさ例え
ば875ガウスの磁界を電磁コイル12により印加し
て、マイクロ波と磁界との相互作用(共鳴)により例え
ばArガスやO2 ガス等のプラズマガスや、成膜室1B
内に導入された反応性ガス例えばSiH4 ガスをプラズ
マ化し、このプラズマによりSiH4 ガスの活性種を形
成してAlN(窒化アルミニウム)製の載置台13上に
載置された半導体ウエハW表面に薄膜を形成するように
なっている。
【0004】このようなプラズマ処理装置では、SiO
2 膜等の成膜処理を行うと真空容器10の壁面や載置台
13の周辺にもこれらの膜が付着してしまうが、成膜処
理が進みこの膜の膜厚がある程度の厚さになると付着し
た膜が剥がれてパーティクルの原因となることから、S
iO2 膜等の成膜処理を行った後、これらの付着した膜
を除去するために所定のクリ−ニングが行われている。
【0005】例えばSiO2 膜等を除去するためのクリ
−ニングは、例えばウエハWを12枚成膜する毎に例え
ば20分程度行われており、クリ−ニングガスとしてC
4ガスやNF3 ガスなどのF系のガスを真空容器10
内に導入し、このガスをプラズマにより活性化させ、こ
の活性種を付着した膜に反応させて除去している。
【0006】そしてクリ−ニングを終了した後、真空容
器10の内壁に残存しているパーティクルの飛散を防ぐ
等のため所定のプリコ−トが行なわれている。このプリ
コ−トは真空容器10の内壁にプリコ−ト膜を成膜する
ものであるが、例えばSiO2 膜等の成膜処理の場合に
は、プリコ−ト膜はSiO2 膜やSiF4 膜等により形
成されている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】ところでSiO2
膜は誘電率が「4」程度、SiOF膜は誘電率が「3.
5」程度であるが、近年高速デバイスの要求が高まり、
これにより誘電率の低い層間絶縁膜が要求されている。
そこでこのような誘電率が低い層間絶縁膜として、
「2.5」以下の誘電率を達成し得る、フッ素添加カ−
ボン膜(以下CF膜という)が注目されている。
【0008】このCF膜も上述のプラズマ処理装置によ
り成膜できるが、CF膜の成膜処理の際に、プリコ−ト
膜をSiO2 膜やSiF4 膜等により形成すると、プリ
コ−ト膜とCF膜の原料ガス例えばC4 8 ガス等のC
F系のガスとが反応してパーティクルが発生しやすいと
いう問題があり、CF膜を成膜処理する際のプリコ−ト
には未知な部分が多い。
【0009】本発明はこのような事情のもとになされた
ものであり、その目的は真空容器の内部のパーティクル
を低減することにより、被処理基板に対して安定した成
膜処理を行なうことができるプラズマ処理方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、真空
容器内に設けられた載置台に被処理基板を載置して、成
膜ガスをプラズマ化し、このプラズマにより当該被処理
基板にフッ素添加カ−ボン膜を成膜する成膜処理工程
と、次いでクリ−ニングガスをプラズマ化し、このプラ
ズマにより前記真空容器内に付着したフッ素添加カ−ボ
ン膜を除去するクリ−ニング工程と、続いて前処理成膜
ガスをプラズマ化し、このプラズマにより前記真空容器
の内壁にパーティクル発生防止のための薄膜例えばフッ
素添加カ−ボン膜や水素化アモルファスカ−ボン膜を形
成する前処理成膜工程と、を含むことを特徴とする
こでフッ素添加カ−ボン膜を形成するための前処理成膜
ガスとしては、二重結合又は三重結合を含む炭素とフッ
素の化合物を含むガスを用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラズマ処理方法の一実
施の形態について説明する。先ず本発明方法が実施され
るプラズマ処理装置の一例について図1により説明す
る。このプラズマ処理装置はECR(電子サイクロトロ
ン共鳴)を用いた装置である。図中2は例えばアルミニ
ウム等により形成された真空容器であり、この真空容器
2は上方に位置してプラズマを発生させる円筒状のプラ
ズマ室21と、この下方に連通させて連結され、プラズ
マ室21より内径の大きい円筒状の成膜室22とからな
る。
【0012】この真空容器2の上端面はマイクロ波を透
過するための透過窓23により構成されている。透過窓
23の上面にはプラズマ室21内に例えば2.45GH
zのマイクロ波を供給するための導波管31が設けられ
ており、この導波管31の他端側にはマイクロ波発振器
32に接続されている。この例では導波管31とマイク
ロ波発振器32とにより高周波供給手段が構成されてい
る。
【0013】プラズマ室21を区画する側壁の外周囲に
は、これに接近させて磁界形成手段としてリング状のメ
インソレノイドコイル33(以下メインコイル33とい
う)が配置されており、プラズマ室21に例えば上方か
ら下方に向かう例えば875ガウスの磁界を形成し得る
ようになっている。また成膜室22の底壁の下方側には
リング状のサブソレノイドコイル34(以下サブコイル
34という)が配置されている。
【0014】またプラズマ室21を区画する側壁には、
その周方向に沿って均等に配置したプラズマガスノズル
24が設けられている。このノズル24には図示しない
プラズマガス源及びクリ−ニングガス源が接続されてお
り、プラズマ室21内の上部にプラズマガスやクリ−ニ
ングガスを均等に供給し得るようになっている。なお図
中ノズル24は図面の煩雑化を避けるため2本しか記載
していないが、実際にはそれ以上設けている。
【0015】一方成膜室22内には、その上部側に成膜
室22室内に成膜ガスや前処理成膜ガスであるプリコ−
トガスを導入するためのガス吹き出し口25aが形成さ
れたリング状のガスリング25が設けられており、この
ガスリング25には図示しない成膜ガス源やプリコ−ト
ガス源が接続されている。また成膜室22内のほぼ中央
には被処理基板例えば半導体ウエハW(以下ウエハWと
いう)を載置するため載置台4が昇降自在に設けられて
いる。この載置台4は、例えばアルミニウム等により形
成された本体41にヒ−タを内蔵したセラミックス体4
2を設けてなり、載置面は静電チャックとして構成され
ている。さらに載置台4のセラミック静電チャック42
にはウエハWにイオンを引き込むためのバイアス印加の
為の電極43を内蔵し、電極43にはプラズマ引込み用
の例えば高周波電源44が接続されている。さらにまた
成膜室22の底部には、図示しない排気口が形成されて
いる。
【0016】次に上述の装置にて実施される本発明のプ
ラズマ処理方法について説明する。先ずCF膜の成膜処
理工程について説明すると、図示しないロ−ドロック室
から例えば表面にアルミニウム配線が形成されたウエハ
Wを搬入して載置台4上に載置する。続いて真空容器2
の内部を所定の真空度まで真空引きし、プラズマガスノ
ズル24からプラズマ室21内へプラズマガス例えばA
rガスを150sccmの流量で導入すると共に、ガス
リング25から成膜室22内へ成膜ガス例えばC4 8
ガス及びC2 4 ガスを夫々流量60sccm及び30
sccmで導入する。そして真空容器2内を例えばプロ
セス圧力0.2Paに維持し、かつ載置台4に13.5
6MHz、1500Wのバイアス電圧を印加すると共
に、載置台4の表面温度を320℃に設定する。
【0017】マイクロ波発振器32からの2.45GH
zの高周波(マイクロ波)は、導波管31を搬送されて
透過窓23を透過してプラズマ室21内に導入される。
このプラズマ室21内には、メインコイル33とサブコ
イル34により発生したミラ−磁界が875ガウスの強
さで印加されており、この磁界とマイクロ波との相互作
用で電子サイクロトロン共鳴が生じ、この共鳴によりA
rガスがプラズマ化され、かつ高密度化される。
【0018】プラズマ室21より成膜室22内に流れ込
んだプラズマ流は、ここに供給されているC4 8 ガス
及びC2 4 ガスを活性化(プラズマ化)させて活性種
(プラズマ)を形成する。一方ウエハW上に輸送された
活性種はCF膜として成膜されるが、その際プラズマ引
込用のバイアス電圧により、ウエハWに引き込まれたA
rイオンが、スパッタエッチング作用によりウエハW表
面のパターン上の角部に成膜したCF膜を削り取り、間
口を広げながら、パターン溝底部からCF膜を成膜し、
凹部にボイドなくCF膜が埋め込まれる。
【0019】続いて成膜処理工程の後に行われるクリ−
ニング工程について説明する。ウエハWに対して所定の
成膜処理を行なうと、例えば載置台4表面のウエハWの
周辺や載置台4の外周囲部分、ガス吹き出し口25a周
辺等の成膜ガスが到達する場所にもCF膜が付着してし
まう。クリ−ニングとはこのように真空容器2の内部に
付着したCF膜を除去するために行われる処理であり、
例えば12枚のウエハWに成膜処理を行なった後に行わ
れる。
【0020】具体的には12枚目のウエハWを真空容器
2から搬出した後、プラズマ室21内にプラズマガスノ
ズル24からクリ−ニングガス例えばO2 ガスを例えば
200sccmの流量で導入し、かつマイクロ波発振器
32から2.45GHzのマイクロ波を導入すると共
に、例えばメインコイル33を作動させて磁界を875
ガウスの強さで印加することにより行われる。
【0021】このようにすると成膜室22の内部では磁
界とマイクロ波との相互作用で電子サイクロトロン共鳴
が生じ、この共鳴によりO2 ガスがプラズマ化され、か
つ高密度化される。そしてプラズマ化により生じた例え
ばOのラジカルやイオンからなるOの活性種がガス吹き
出し口25aや載置台4の周辺に付着したCF膜と反応
し、CF膜を例えばCO2 ガスやF2 ガスに分解して飛
散させ、図示しない排気口を介して成膜室22の外部へ
除去する。
【0022】次いでクリ−ニング工程の後に行なわれる
前処理成膜工程であるプリコ−ト工程について説明す
る。プリコ−ト工程では上述の真空容器2の内壁にプリ
コ−ト膜が成膜される。具体的にはクリ−ニングが終了
した後、プラズマ室21内にガスリング25からプリコ
−トガスとしてCF系のガス例えばC4 8 ガス及びC
2 4 ガスを夫々60sccm及び30sccmの流量
で導入し、プラズマガスノズル24からプラズマガス例
えばArガスを150sccmの流量で導入すると共
に、マイクロ波発振器32から2.45GHzのマイク
ロ波を導入し、例えばメインコイル33を作動させて磁
界を875ガウスの強さで印加することにより行われ
る。
【0023】このようにすると成膜室22の内部では磁
界とマイクロ波との相互作用で電子サイクロトロン共鳴
が生じ、この共鳴により前記プラズマガスがプラズマ化
され、かつ高密度化される。そしてプラズマ室21より
成膜室22に流れ込んだプラズマ流は、ここに供給され
ている前記プリコ−トガスを活性化させて活性種を形成
し、これにより真空容器2の内壁に例えば膜厚2μmの
CF膜よりなるパ−ティクル発生防止のための薄膜であ
プリコ−ト膜が成膜される。
【0024】このようにしてプリコ−ト工程が行なわれ
た後、ウエハWを真空容器2内に搬入して載置台4上に
載置し、上述のCF膜の成膜処理工程が行なわれる。
【0025】本実施の形態では、クリ−ニング工程の後
にCF系のガスによるプリコ−ト工程が行なわれるので
次のような効果が得られる。先ず第1に成膜処理の際に
パーティクルの飛散が防止できる。即ちクリ−ニングを
行なうと、図2(a)、(b)に示すように、真空容器
2の内壁に付着したCF膜Mの大部分が除去されるが、
当該内壁面に少量のパーティクルPTが残存してしま
う。これはクリ−ニングの際にCF膜Mの取り残しがあ
ったり、もともと真空容器2の内壁にアルミニウムや窒
素が混入したCF膜Mが付着している場合には、クリ−
ニングしてもこれらアルミニウムや窒素が除去できない
からである。
【0026】このような場合にプリコ−トを行なうと、
プリコ−ト膜PMは真空容器2の内壁面にパーティクル
PTを封じ込めるように形成されるので、その後のCF
膜の成膜処理の際のパーティクルの飛散が抑えられる。
即ち本実施の形態では、プリコ−ト膜がウエハWに形成
されるCF膜の組成に近い膜により形成されており、例
えば図3(a)に示すように真空容器2の内壁面にプリ
コ−ト膜が形成される。
【0027】この膜は上述のように成膜されるCF膜と
組成が似ているため、成膜処理の際に成膜ガスと反応す
るおそれがなく、このため成膜処理の際に成膜ガスとプ
リコ−ト膜PMが反応してパーティクルを生成したり、
プリコ−ト膜PMが除去されて前記内壁面に付着してい
たパーティクルPTが飛散したりすることが抑えられ
る。これに対し例えばプリコ−ト膜をSiO2 膜により
形成すると(図3(b)参照)、この膜は成膜処理の際
にCF膜の成膜ガスであるCF系のガスと反応しやす
く、このためパーティクルが発生しやすい。
【0028】第2に成膜処理の際にウエハWに形成され
るCF膜の深さ方向の膜質を均一にすることができる。
即ちクリ−ニング終了後直ちに成膜処理を行なうと、処
理の初期段階では真空容器2のアルミニウムの内壁面に
CF膜が成膜されてしまい、これによりアルミニウムと
反応しやすい成膜ガスが消費されてしまう。従ってC4
8 ガスとC2 4 ガスの流量比が変わって成膜ガスの
組成が変化してしまうので、処理の初期段階とその後で
はウエハWに形成されるCF膜の膜質、特に深さ方向の
膜質が変化してしまう。
【0029】一方クリ−ニング終了後にプリコ−ト工程
を行なうと、この工程で予め真空容器2の内壁にCF膜
からなるプリコ−ト膜が形成されるため、成膜処理の際
にはこのプリコ−ト膜の上面にCF膜が形成されること
になる。ところがこのようにプリコ−ト膜の上面にCF
膜が形成される場合は、プリコ−ト膜自体がウエハWに
成膜されるCF膜に近い組成であるため、プリコ−ト膜
の表面に成膜される場合もウエハW上に成膜される場合
も同じように成膜ガスが消費されると考えられる。従っ
てアルミニウムの表面に成膜される場合のようにC4
8 ガスとC2 4 ガスの流量比が変わってしまうおそれ
はないので、処理の初期段階とその後の段階とでは成膜
ガスの組成は変化しないため、ウエハWに形成されるC
F膜の膜質特に深さ方向の膜質を均一にすることができ
る。
【0030】第3に成膜処理の際に、真空容器2の内壁
面に成膜されるCF膜の膜剥がれを防止することができ
る。即ちクリ−ニング終了後に成膜処理を行なうと、上
述のように真空容器2の内壁面にCF膜Mが成膜されて
しまうが、ここでアルミニウムの内壁面とCF膜Mとは
密着性が悪いので、処理が進みCF膜Mの付着量が多く
なってくると、前記内壁面からCF膜Mが剥がれてしま
うことがある。このようにCF膜Mが剥がれるとパーテ
ィクルの原因になるし、もともと前記内壁面に付着して
いたパーティクルPTが現れて飛散してしまう。
【0031】一方クリ−ニング終了後にプリコ−ト工程
を行なうと、この工程で予め真空容器2の内壁にCF膜
からなるプリコ−ト膜が形成されており、成膜処理の際
にはこのプリコ−ト膜の上面にCF膜が形成されること
になる。ここでプリコ−トの条件と成膜処理の条件とは
異なり、このため形成される膜の膜質が異なるので、プ
リコ−トの際アルミニウム製の真空容器2の内壁面にプ
リコ−ト膜が形成されるとしても、このプリコ−ト膜の
アルミニウムに対する密着性は、成膜処理の際に前記内
壁面に成膜されるCF膜よりは大きい。また成膜処理の
際、プリコ−ト膜の上面にCF膜が成膜されるが、プリ
コ−ト膜とCF膜とはもともと密着性が大きいので、両
者間に膜剥がれが生じるおそれはない。このようにプリ
コ−トを行なうと膜剥がれが抑えられるので、膜剥がれ
が原因となるパーティクルの発生を抑えることができ
る。
【0032】ここで本実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例について説明する。実験装置として図
1に示すプラズマ処理装置を用い、マイクロ波電力27
00W、圧力0.2Paの下で、高周波電力を印加せず
にプリコ−トガスとしてC48 ガス及びC2 4 ガス
を60sccm及び30sccmの流量で導入すると共
に、プラズマガスとしてArガスを150sccmの流
量で導入して、プリコ−ト膜PMを2μm形成した。
【0033】この後、マイクロ波電力2700W、高周
波電力1500W、圧力0.2Paの下で、成膜ガスと
してC4 8 ガス及びC2 4 ガスを夫々60sccm
及び30sccmの流量で導入すると共に、プラズマガ
スとしてArガスを150sccmの流量で導入するこ
とにより、8インチサイズのウエハW上にCF膜を0.
5μm形成し、XPS分析(X−ray Photo
Spectroscopy)により、ウエハW上に形成
されたCF膜の深さ方向における均一性を測定した。ま
たプリコ−トを行なわない場合においても同様の条件で
ウエハW上にCF膜を形成し、XPS分析を行なった。
これらの結果を図4及び図5に夫々示す。
【0034】図4及び図5においては、CF膜中の1S
軌道のC(炭素)とF(フッ素)のCF膜の深さ方向に
おける原子濃度が、Cの原子濃度は□、Fの原子濃度は
○で夫々示されており、図中のCF膜の深さは「1」が
最表面であり、「0」に近付くに連れて深くなるように
示されている。この結果より、プリコ−トを行なわない
場合(図5参照)はCF膜の深さが大きくなるに連れて
C濃度は大きくなり、F濃度が小さくなるのに対して、
プリコ−トを行なった場合はCF膜の深さが大きくなっ
てもCF膜中のC濃度及びF濃度が一定であることが確
認され、これによりプリコ−トを行なった場合(図4参
照)はCF膜の深さ方向に対する均一性が向上すること
が確認された。
【0035】続いて前実験例と同様の条件でプリコ−ト
を行なった後、12枚のウエハWに対して全実験例と同
様の条件でCF膜を成膜し、ウエハW上に存在する0.
25μm以上の大きさのパーティクル量をウエハ用異物
検査装置により測定した。またプリコ−トを行なわない
場合についても同様にウエハWの成膜処理を行ない、パ
ーティクル量を測定した。これらの結果を図6及び図7
に夫々示す。
【0036】図6及び図7においては、横軸にウエハW
の処理枚数を示すが、この結果より、プリコ−トを行な
った場合には、プリコ−トを行なわない場合に比べてウ
エハW2枚目までのパーティクル量が極端に少なくなる
ことが確認され、これによりプリコ−トを行なった場合
はパーティクル発生量がかなり少なくなることが確認さ
れた。
【0037】このように本実施の形態では、真空容器2
内のパーティクル量を低減できるので、その後の成膜処
理工程において被処理基板に対して安定した処理を行な
うことができる。
【0038】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異な
る点は、本実施の形態が上述の実施の形態と異なる点
は、プリコ−トガスとして二重結合あるいは三重結合の
ガス例えばC2 2 ガスやC24 ガスや、一つのCに
4個のCF基が結合している分子構造のガス例えばC
(CF3 4 CガスやC(C2 5 4 ガス等を用いる
ことである。プリコ−トとしてこのようなガスを用いる
とパーティクルの発生量が低減するという効果がある。
【0039】ここで本実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例について説明する。実験装置として図
1に示すプラズマ処理装置を用い、マイクロ波電力27
00W、圧力0.2Paの下で、高周波電力を印加せず
に、プリコ−トガスとしてC2 4 ガスを60sccm
の流量で導入すると共に、プラズマガスとしてArガス
を200sccmの流量で導入して、プリコ−ト膜PM
を2μm形成した。
【0040】この後、マイクロ波電力2700W、高周
波電力1500W、圧力0.2Paの下で、成膜ガスと
してC4 8 ガス及びC2 4 ガスを夫々60sccm
及び30sccmの流量で導入すると共に、プラズマガ
スとしてArガスを150sccmの流量で導入するこ
とにより、8インチサイズのウエハWにCF膜を0.2
5μm形成した。この成膜処理を60枚のウエハWに対
して行ない、ウエハW上に存在する0.25μm以上の
大きさのパーティクル量をウエハ用異物検査装置により
測定した。
【0041】またマイクロ波電力2000W、高周波電
力2000W、圧力0.3Paの下で、プリコ−トガス
としてSiH4 ガスを80sccmの流量で導入すると
共に、プラズマガスとしてO2 ガス及びArガスを夫々
100sccm及び200sccmの流量で導入するこ
とにより、プリコ−ト膜としてSiO2 膜を1.0μm
形成した場合についても同様にウエハWの成膜処理を行
ない、パーティクル量を測定した。これらの結果を図8
に示す。
【0042】図8においては横軸にウエハWの処理枚数
を示すが、この結果よりC2 4 ガスによりプリコ−ト
を行なった場合(図中□で示す)は、SiH4 ガスを導
入してSiO2 膜からなるプリコ−ト膜を形成した場合
(図中○で示す)に比べてパーティクル量が極端に少な
くなることが確認された。
【0043】この理由については以下のように考えられ
る。即ちSiO2 膜からなるプリコ−ト膜を形成した場
合は、既述のようにプリコ−ト膜と成膜ガスとが反応し
やすく、この結果この反応によりパーティクルが生成し
たり、またプリコ−ト膜が真空容器2の内壁面から剥が
れてパーティクルの原因となったり、プリコ−ト膜が除
去されて前記内壁面に付着していたパーティクルが飛散
したりすると考えられ、これによりパーティクル量が多
くなると推察される。
【0044】一方C2 4 ガスによりプリコ−トを行な
った場合は、例えば図9に示すように、プリコ−ト膜の
C−C結合が三次元綱状的に形成され、つまりC−Cの
ネットワ−ク構造が形成されるので、プリコ−ト膜が緻
密になり強固になる。従って既述の通りプリコ−ト膜は
もともと成膜ガスとは反応しにくいが、膜がC−Cのネ
ットワ−ク構造を形成することによって、より反応しに
くい状態となるので、この結果成膜ガスとの反応に起因
するパーティクルの発生が抑えられると考えられる。
【0045】またCF膜はCの量が増えると密着性が増
加する傾向にあるが、上述のネットワ−ク構造ではCの
量が増加するので、真空容器2の内壁面とプリコ−ト膜
との密着性が大きくなる。従ってプリコ−ト膜が真空容
器2の内壁面から剥がれにくくなるので、この膜剥がれ
に起因するパーティクルの発生も抑えられると考えられ
る。従ってC2 4 ガスによりプリコ−トを行なった場
合は、これらの相乗効果によりパーティクルの発生を大
幅に低減できると推察される。
【0046】このように本実施の形態では、真空容器2
内のパーティクル量を大幅に低減できるので、その後の
成膜処理工程において被処理基板に対してより安定した
処理を行なうことができる。
【0047】続いて本発明のさらに他の実施の形態につ
いて説明する。本実施の形態が上述の実施の形態と異な
る点は、プリコ−ト膜をa−CH膜(水素化アモルフ
ァスカ−ボン、以下「a−C膜」という)により形成し
たことである。この際、a−C膜は、プリコ−トガスと
してCk s ガス(k、sは整数)単独、あるいはCk
s ガス+H2 ガスを用いることにより形成され、この
ようにプリコ−ト膜としてa−C膜を用いると、プリコ
−ト膜と真空容器2の内壁面との密着性が高まり、パー
ティクルの発生量が低減するという効果がある。
【0048】ここで本実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例について説明する。実験装置として図
1に示すプラズマ処理装置を用い、マイクロ波電力25
00W、圧力0.3Paの下で、高周波電力を印加せず
に、プリコ−トガスとしてC2 4 ガスを100scc
mの流量で導入すると共に、プラズマガスとしてArガ
スを300sccmの流量で導入して、プリコ−ト膜P
Mを2μm形成した。
【0049】この後、マイクロ波電力1500W、高周
波電力1500W、圧力0.2Paの下で、成膜ガスと
してC4 8 ガス及びC2 4 ガスを夫々60sccm
及び30sccmの流量で導入すると共に、プラズマガ
スとしてArガスを150sccmの流量で導入するこ
とにより、8インチサイズのウエハWにCF膜を0.2
5μm形成した。この成膜処理を40枚のウエハWに対
して行ない、ウエハW上に存在する0.25μm以上の
大きさのパーティクル量をウエハ用異物検査装置により
測定した。
【0050】またマイクロ波電力2000W、高周波電
力2000W、圧力0.3Paの下で、プリコ−トガス
としてSiH4 ガスを80sccmの流量で導入すると
共に、プラズマガスとしてO2 ガス及びArガスを夫々
100sccm及び200sccmの流量で導入するこ
とにより、プリコ−ト膜としてSiO2 膜を1.0μm
形成した場合についても同様にウエハWの成膜処理を行
ない、パーティクル量を測定した。これらの結果を図1
0に示す。
【0051】図10においては横軸にウエハWの処理枚
数を示すが、この結果よりa−C膜膜からなるプリコ−
ト膜を形成した場合(図中□で示す)には、SiO2
からなるプリコ−ト膜を形成した場合(図中○で示す)
に比べてパーティクル量が大幅に少なくなることが確認
された。この理由については以下のように考えられる。
即ちSiO2 膜からなるプリコ−ト膜を形成した場合
は、既述のようにプリコ−ト膜と成膜ガスとが反応しや
すく、この結果この反応に起因してパーティクル量が多
くなると推察される。
【0052】一方a−C膜からなるプリコ−ト膜を形成
した場合には、a−C膜はウエハWに成膜されるCF膜
と組成が類似しているので成膜ガスとは反応しにくく、
成膜ガスとの反応に起因するパーティクルの発生が抑え
られる上、a−C膜はアルミニウム製の真空容器2の内
壁面との密着性が大きい。このためプリコ−ト膜が真空
容器2の内壁面から剥がれにくくなり、長時間膜剥がれ
が起こらなくなるので、この膜剥がれに起因するパーテ
ィクルの発生が抑えられると考えられる。従ってa−C
膜からなるプリコ−ト膜を形成した場合はパーティクル
の発生を大幅に低減できると推察される。
【0053】このように本実施の形態では、真空容器2
内のパーティクル量を大幅に低減できるので、その後の
成膜処理工程において被処理基板に対してより安定した
処理を行なうことができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、真空容器の内部のパー
ティクルを低減することができ、被処理基板に対して安
定したプラズマ処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するためのプラズマ処理装置
の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の作用を説明するための説
明図である。
【図3】本発明の実施の形態の作用を説明するための説
明図である。
【図4】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すための原子濃度とCF膜の深
さとの関係を示す特性図である。
【図5】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すための原子濃度とCF膜の深
さとの関係を示す特性図である。
【図6】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すためのパーティクル量とウエ
ハの処理枚数との関係を示す特性図である。
【図7】本発明の実施の形態の効果を確認するために行
なった実験例の結果を示すためのパーティクル量とウエ
ハの処理枚数との関係を示す特性図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の効果を確認するため
に行なった実験例の結果を示すためのパーティクル量と
ウエハの処理枚数との関係を示す特性図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の作用を説明するため
の説明図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態の効果を確認
するために行なった実験例の結果を示すためのパーティ
クル量とウエハの処理枚数との関係を示す特性図であ
る。
【図11】従来のプラズマ処理装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 2 真空容器 21 プラズマ室 22 成膜室 4 載置台 M CF膜 PT パーティクル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸澤 昌紀 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン東北株式会社相模事 業所内 (72)発明者 中瀬 りさ 神奈川県津久井郡城山町町屋1丁目2番41 号 東京エレクトロン東北株式会社相模事 業所内 (72)発明者 斎藤 正英 東京都港区赤坂5丁目3番6号 東京エレ クトロン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板の載置台が内部に設けられた
    真空容器内において、処理ガスをプラズマ化し、そのプ
    ラズマにより被処理基板に対してプラズマ処理を行なう
    ためのプラズマ処理方法において、 クリ−ニングガスをプラズマ化し、そのプラズマにより
    前記真空容器内部に付着したフッ素添加カ−ボン膜を除
    去するクリ−ニング工程と、 次いでプリコ−トガスをプラズマ化し、そのプラズマに
    より前記真空容器の内壁にプリコ−ト膜を成膜するプリ
    コ−ト工程と、 続いて処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより被
    処理基板に対してフッ素添加カ−ボン膜を成膜する成膜
    処理工程と、 を含むことを特徴とするプラズマ処理方法。
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