JPH10140550A - 水平ドレーンおよび該水平ドレーンの連結体 - Google Patents

水平ドレーンおよび該水平ドレーンの連結体

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JPH10140550A
JPH10140550A JP29645896A JP29645896A JPH10140550A JP H10140550 A JPH10140550 A JP H10140550A JP 29645896 A JP29645896 A JP 29645896A JP 29645896 A JP29645896 A JP 29645896A JP H10140550 A JPH10140550 A JP H10140550A
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drain
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禎 村上
Toshiyuki Inoue
年行 井上
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のサンドマットに代わる水平ドレーンと
して、盛土等による加圧によっても導水性が損なわれに
くく、素材の選択によって、地中への残存や地中での分
解消滅のいずれをも選択することが可能で、優れた導水
・排水機能を有し、地盤の歪み変形にも追随可能である
水平ドレーンを提供すること。 【解決手段】 紐状またはロープ状の複数の芯材11が
平行配置され、芯材11間に綿状の隙間充填材13が配
され、これら複数の芯材11および充填材13が、透水
性を有する織布状または不織布状の外被材12にて一体
に被覆されて平板状を呈する水平ドレーン10であっ
て、各芯材11が外被材12と複数の所定箇所にて縫い
止められている水平ドレーン10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木用の水平ドレー
ンに関し、より詳細には軟弱地盤の改良工事、埋め立て
工事、築堤工事等において、粘性土中から排出してくる
間隙水や築堤内に浸透してくる雨水等を効果的に排水し
て粘性土の圧密沈下を促進したり、盛土体等を安定化す
るために、現地盤上や盛土等の内部に配される水平ドレ
ーンに関する。
【0002】
【従来の技術】多量の間隙水を含む粘性土の上にそのま
ま道路工事や築堤工事が施工された場合、これらの道路
や築堤等の盛土荷重により、粘性土中に含まれている前
記間隙水が徐々に排水するために、粘性土の沈下は例え
ば数年、数十年という長期にわたって生ずることにな
り、構造物等が変状して重大な問題を引き起こす場合が
ある。このため、多量の間隙水を含有する粘性土の上に
前記した工事を行う際には、粘性土中の間隙水を強制的
に排水して粘性土の沈下を促進して、安定化させた後に
工事に取りかかる必要がある。
【0003】このように多量の間隙水を含む粘性土の圧
密沈下を促進する方法としては、まず施工重機のトラフ
ィカビリティーを確保することや鉛直ドレーンを打設し
て盛土載荷後に地中から出てくる水を排水することを目
的に、地表面に一般的にサンドマットと呼ばれる砂層を
敷きつめる。次に、粘性土の中に鉛直方向に砂杭や、プ
ラスチックボードドレーン等の鉛直ドレーンを打設し、
その後に盛土を計画高さまで載荷する。これにより、粘
性土中の間隙水は前記鉛直ドレーンに沿って地表面方向
に導かれると共に、前記サンドマット内の間隙を通って
サンドマット端部方向に導かれ、排水される。以上のこ
とにより、粘性土の圧密沈下が促進されることになる。
前記盛土は、粘性土が十分に圧密沈下した後に取り除か
れる場合もある。
【0004】図14は、前記した粘性土の圧密沈下の過
程を説明するために間隙水の動向を示した模式的部分断
面図である。粘性土21中には多数の鉛直ドレーン23
が略鉛直方向に打設されており、粘性土21表面にはサ
ンドマット41が敷きつめられていて、サンドマット4
1の上面には盛土22が載せられている。粘性土21中
の間隙水(図示せず)は、圧力によって略水平方向(図
中矢印h方向)に、鉛直ドレーン23に向かって導か
れ、鉛直ドレーン23内に取り込まれる。次に、間隙水
は鉛直ドレーン23に沿って略鉛直方法(図中矢印v方
向)に粘性土21表面に向かって導かれ、サンドマット
41の間隙を通って排水される。
【0005】鉛直ドレーン23としては上記したように
砂杭やプラスチックボードドレーン等が挙げられるが、
前記砂杭を形成する際に用いられるドレーン砂は、その
資源が枯渇化するとともにその品質が低下し、単価が高
騰しているのが現状であり、環境保全の観点からいって
も、また材料コストの点からいっても、砂に代わる鉛直
ドレーン23が望まれる。一方、前記プラスチックボー
ドドレーンは、材料コストを低く抑えることが可能であ
るが、その表面に形成されている透水性を担うフィルタ
ー材の孔が細粒土によって目詰まりする等の問題があ
り、また、その素材は石油から作られる合成樹脂である
ために、地中で分解されることがなく、粘性土21の圧
密沈下促進の目的を果たして利用価値がなくなった時点
で産業廃棄物と化してしまうと共に、後の建設工事に支
障をきたす場合がある。
【0006】そこで、実公平6−34413号公報にお
いては、砂杭やプラスチックボードドレーンに代わる鉛
直ドレーン23として天然素材を用いたファイバードレ
ーンが提案されている。これによれば、粘性土21中に
ファイバードレーンを打設して粘性土21の圧密沈下促
進を図った後、そのまま粘性土21中に放置しても、時
間の経過に伴って腐食して、粘性土21中に取り込まれ
るため、粘性土21中から回収する必要もなく、しかも
粘性土21を汚染して公害を発生させる恐れもない。ま
た、材料コストの点からいっても低コスト化が可能であ
る。
【0007】しかしながら、水平ドレーンとしては殆ど
サンドマット41が用いられているのが現状であり、こ
のサンドマット41には砂が使用されるため、結局のと
ころ砂の使用量を削減することが困難であるといった問
題がある。サンドマット41の場合、陸上における施工
の場合は50〜100cmの厚さになるように、また、
海中における施工の場合は100cm程度以上の厚さに
なるように砂が敷設され、施工精度によってもその敷設
厚さは変わるものの、莫大な量の砂が水平ドレーン作成
のために必要となる。
【0008】上記したように、砂の大量採取は環境保全
および経済性等の観点から適切でない面があり、また、
鉛直ドレーン材にもまして水平ドレーン材は、その使用
量が莫大であることから、砂を使用せずにサンドマット
の機能を果たす新たな材料の開発が望まれている。
【0009】そこで、前記実公平6−34413号公報
に開示されているファイバードレーンを鉛直ドレーンの
みならず水平ドレーンとして利用する方法も考えられる
が、水平ドレーン上には一般的に盛土がなされるため水
平ドレーンの厚さ方向にかなりの圧力がかかり、ファイ
バードレーンの1枚当たりの流路断面積が小さい(9c
m×0.9cm程度)ことに加え、盛土の圧力によって
導水空間が押しつぶされ、水平ドレーンとしての導水・
排水機能は小さいものである。また、鉛直ドレーン材の
一つであるプラスチックボードドレーンでも1枚当たり
の流路断面積(10cm×0.3cm程度)がファイバ
ードレーンよりさらに小さく、水平ドレーンとしての導
水・排水機能も小さい。
【0010】また、水平ドレーンの場合には、ある程度
広い面積に敷設する必要があるため、前記鉛直ドレーン
としてのファイバードレーンをそのまま水平ドレーンと
して利用する場合は、面的にはもちろん場合によっては
さらに数枚積み重ねる必要があり、相当多数のファイバ
ードレーンを使用することとなり、その施工が容易でな
いといった問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上、説明したよう
に、従来、鉛直ドレーンとして用いられているプラスチ
ックボードドレーンやファイバードレーンをそのまま水
平ドレーンとして利用してサンドマットの代替にしよう
とすると、1枚当たりの流路断面積が小さいことに加
え、盛土の圧力によって導水空間が押しつぶされて水平
ドレーンとしての導水・排水機能は小さく、さらに相当
多数のドレーン材を使用することになって施工性、経済
性が悪いといった問題がある。
【0012】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、従来のサンドマットに代わる水平ドレーンとし
て、盛土等による加圧によっても導水性が損なわれにく
く、素材の選択によって、地中への残存や地中での分解
消滅のいずれをも選択することが可能で、優れた導水・
排水機能を有し、地盤の歪み変形にも追随可能である水
平ドレーンを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る水平ドレーンは、紐状またはロープ状の
複数の芯材が平行配置され、前記芯材間に綿状の充填材
が配され、これら複数の芯材および充填材が、透水性を
有する織布状または不織布状の外被材にて一体に被覆さ
れて平板状を呈する水平ドレーンであって、前記各芯材
が前記外被材と複数の所定箇所にて縫い止められている
ことを特徴としている。
【0014】前記芯材、前記外被材および前記充填材の
全てが天然素材から成っていてもよいし、そのうちの少
なくとも一つが合成素材から成っていてもよい。前記素
材の選択は水平ドレーンの利用目的によって決定すれば
よい。
【0015】前記芯材に天然素材のものを用いる場合に
は、ヤシの木の繊維、黄麻、***、またはその他の繊維
質野菜等の天然繊維のうちの少なくとも一つを用いるの
が好ましく、前記外被材に天然素材のものを用いる場合
には、黄麻を用いるのが好ましく、前記充填材に天然素
材のものを用いる場合には、ヤシの木の繊維、黄麻、大
麻、シュロ、草またはその他の繊維質野菜等の天然繊維
のうちの少なくとも一つを用いるのが好ましい。
【0016】また、本発明の水平ドレーンの大きさとし
ては幅が30〜100cmの範囲で、厚さが2〜4cm
の範囲の平板状であるのが好ましく、少なくとも6本以
上の芯材が用いられているのが好ましい。
【0017】本発明の水平ドレーンはできる限り長尺の
平板状に作製しておき、施工時に必要に応じてカットす
る形態をとるのが好ましいが、そのような長尺に作製す
ることが困難な場合は、複数の水平ドレーンを、対向す
る水平ドレーンの芯材の端部どうしを可撓性を有する継
手によって連結して水平ドレーンどうしを一体化させて
長さ方向への連続した導水が図られるようにした水平ド
レーンの連結体としてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係
る水平ドレーンを示した模式的部分斜視図であり、図2
はその模式的部分断面図であり、図3はその模式的部分
断面平面図である。
【0019】この水平ドレーン10は、例えば幅(W)
が30〜100cm程度、長さ(L)が200〜400
cm程度、厚さ(H)が2〜4cm程度の平板状の外形
を呈している。
【0020】前記水平ドレーン10は、その長さ方向に
長い紐状またはロープ状の芯材11が、等間隔に所定本
数平行配置されている。これら複数の芯材11は水平ド
レーン10の外形を形作っている透水性を有した織布状
または不織布状の外被材12にて被覆されている。前記
各芯材11間にはその空隙を埋めるに適当な量の綿状の
充填材13が充填されている。また、芯材11は、糸体
14により挟持された状態で水平ドレーン10の表裏に
位置する外被材12、12と縫い止められており、その
縫い止め部は芯材11の長さ方向に複数個並んでいる。
【0021】これら芯材11、外被材12、充填材1
3、糸体14を含んで水平ドレーン10が構成されてい
る。
【0022】前記芯材11は、通常直径を3cm程度に
作成し、これを少なくとも6本以上用いるのが好まし
く、各芯材11、11間は互いに12cm程度の間隔を
おいて平行配置するのが好ましい。
【0023】芯材11の形成材料は、天然素材としては
例えばヤシの木の繊維、黄麻、***、またはその他の繊
維質野菜等の天然繊維を用い、これらの繊維を多数より
合わせて図4に示す如き紐状またはロープ状に形成す
る。また、合成素材としては例えばナイロン、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル、さ
らには、それらを混紡したもの等の合成繊維を用い、こ
れらの繊維を多数より合わせて紐状またはロープ状に形
成する。この芯材11によれば、その長さ方向に向かっ
て繊維間の空隙による毛管作用により導水性が得られ
る。また、図4に示す如く、これら繊維fを紐状または
ロープ状により合わせて芯材11とすることで、芯材1
1の引っ張り強度をより向上させることができる。な
お、芯材11は、上記した繊維fのより合わせに限られ
ることはなく、所望の直径を得ることができれば例えば
1本の繊維fからなる紐またはロープ状の芯材11とし
てもよい。
【0024】外被材12の形成材料は、天然素材として
は例えば黄麻の繊維を用い、これを織って黄麻布とした
ものや、不織布としたもの等が挙げられる。また、合成
素材としては、芯材11の場合と同様に例えばナイロ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、
アクリル、さらには、それらを混紡したもの等の合成繊
維を用い、これらの繊維を織って合成繊維布としたもの
や、不織布としたもの等が挙げられる。
【0025】ポリプロピレンなどの合成素材を用いた場
合には、化学的に極めて安定であることから、長期間の
使用に充分耐えることができる。さらに、麻などの天然
繊維とポリプロピレンなどの合成繊維とを組み合わせて
耐久性を向上させたものとしてもよい。
【0026】不織布を用いた場合には、ポリエステルの
長繊維が連続的な積層構造を有しているため、機械的強
度、寸法安定性、耐熱性、耐侯性、耐腐食性に優れた外
被材12とすることができ、また、繊維の接合に接着剤
が使用されていないため、透水性やフィルター性能を向
上させることができる。
【0027】繊維として例えば黄麻を用いた場合には、
例えば繊維径1.5〜2.0mmで、密度1.5〜1.
7g/cm3 の範囲の黄麻繊維を3×3/cm2 のメッ
シュに織製して600〜650g/m2 程度の重量とし
た黄麻布を用いることにより、充分な引っ張り強度を有
し、適度の透水性を併せ持つ外被材12とすることがで
きる。
【0028】これら織布状または不織布状の外被材12
によれば、細粒土等による水平ドレーン10の目詰まり
を防止しつつ、粘性土中の間隙水を水平ドレーン10内
に取り込むことができる。また、この外被材12を図5
に示したように二重に構成した場合は、前記間隙水のみ
を水平ドレーン10中に取り込むフィルターとしての機
能(以下、フィルター性と記す)をより向上させること
ができると共に、水平ドレーン10の強度を著しく向上
させることができる。
【0029】水平ドレーン10の幅(W)方向の端辺を
縫合する場合は、図1に示したように水平ドレーン10
の表裏に位置する外被材12、12の幅(W)方向の端
辺どうしを糸体14で縫合する。
【0030】連続した二重構造の外被材12とする場合
は、図5に示すように、二つ折りとした黄麻布の折り曲
げ端部12aを自由端部12bと重ねた状態で、この重
ね部分と、該重ね部分を水平ドレーンの一辺とした時に
これと対向する辺となる外被材部分とを糸体14により
縫合する。
【0031】綿状の充填材13の材料は、天然素材とし
ては例えばヤシの木の繊維、黄麻、***、シュロ、草、
またはその他の繊維質野菜等の天然繊維を用い、また、
合成繊維としては例えばナイロン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル、さらには、そ
れらを混紡したもの等の合成繊維を用いて、これらの繊
維を梳って一定方向に揃えたもの、即ちカーディングし
た綿状のもの等が挙げられる。
【0032】この綿状の充填材13によれば、盛土等に
よって水平ドレーン10の厚さ方向への圧力が加わって
も、芯材11、11間に位置する上下の外被材12、1
2が密着するといったことがなく、芯材11、11間に
導水のための空隙を確保すると共に、この綿状の充填材
13は水平ドレーン10における導水材として作用す
る。
【0033】前記芯材11を外被材に縫い止めている糸
体14としては、麻糸等の天然繊維糸や合成繊維糸、混
紡糸等が考えられる。その形態としては帯状であっても
よいし、また断面形状が楕円または円形状の紐状であっ
てもよい。なお、糸体14は芯材11と外被材12とを
縫い止めるためのものであって、水平ドレーン10に占
有する体積は決して多くないため、必ずしも天然素材、
合成素材の選択に重きをおく必要はなく、縫合作業に耐
え得る強度および柔軟性を有するものであればよい。
【0034】芯材11、外被材12および充填材13を
天然素材を用いて形成し、水平ドレーン10を作製した
場合には、地中への埋設後、時間の経過に伴ってそれぞ
れの部材が土中で分解され、土に還元されるため、使用
目的を果たして不要となった後に産業廃棄物として土中
に残存するといったことがない。一方、合成素材を用い
て形成した場合には、時間の経過によっても地中で分解
されることがないため、半永久的にその導水・排水効果
を存続させることができ、長期間の使用が予想されるグ
ランド等の整備目的には有効である。
【0035】このように構成された本発明の水平ドレー
ン10においては、織布状または不織布状である外被材
12が透水性を有しているため、粘性土中の間隙水を外
被材を透過させて水平ドレーン10内に取り込むことが
できる。また、外被材12はフィルター性を有している
ため、細粒土等は透過させずに間隙水のみ透過させるこ
とができ、例えば細粒土を多量に含むヘドロ中に敷設し
て水平ドレーンとしての導水性、排水性が極端に低下す
ることがない。
【0036】また、本発明の水平ドレーン10内には紐
状またはロープ状の複数の芯材11が平行配置されてい
るため、水平ドレーン10の形状を維持することがで
き、また、水平ドレーン10の厚さ(H)を略一定にす
ることができると共に、芯材11はその径方向に荷重を
かけた時にもある程度の厚さを形成することとなるた
め、水平ドレーン10を地中に埋設した際に、盛土等の
荷重によっても水平ドレーン10が完全に押しつぶされ
ることはなく、その厚さ(H)をある程度確保し導水空
間を確保することができる。さらに、水平ドレーン10
の幅(W)方向における両端部に芯材11を配置した場
合には、前記両端部が盛土等の荷重によって潰されると
いったことがないため、水平ドレーン10の全面に渡っ
て一定の厚さ(H)を確保することができる。
【0037】さらに、本発明の水平ドレーン10におい
ては、芯材11間に綿状の充填材13が充填されている
ため、例えば盛土等による荷重によって水平ドレーン1
0が厚さ(H)方向に圧縮されても、芯材11、11間
が土砂等によって極端に潰されてしまうのを防ぐことが
できる。よって、芯材11、11間の水平ドレーン厚さ
(H)をある程度保持することができ、しかも充填材1
3は綿状であって充分な透水性を有するため、芯材1
1、11間に導水路となるべき空隙を形成することがで
きる。さらに、充填材13により芯材11どうしを分離
することができるため、水平ドレーン10内の芯材11
の片寄りを防止することができる。
【0038】また、芯材11が糸体14によって外被材
12と縫い止められているため、芯材11が水平ドレー
ン10内で位置ずれするのを防ぐことができ、芯材11
間の所定間隔を保持することができる。また、芯材11
が水平ドレーン10内から抜け落ちてしまうのを防ぐこ
とができる。
【0039】さらに、芯材11、外被材12、充填材1
3のいずれもが可撓性を有しており、長さ(L)方向、
幅(W)方向に柔軟な水平ドレーン10とすることがで
きるため、土中への埋設後も地盤の歪み変形に充分対応
することができる。
【0040】上記のような本発明の水平ドレーン10を
土中に埋設する際の水平ドレーン10の製造方法および
施工方法としては、下記の方法例が考えられる。 (1) それぞれ別個にロール状またはコイル状に巻き
取られた芯材11、外被材12、充填材13を別個用意
し、施工の時点でトラック等の荷台で組み合わせて縫合
しつつ、この次々に縫合製造され続けている水平ドレー
ン10を、出来上がった分量づつ順に現地盤上に敷設し
てゆく。すなわち、水平ドレーン10を製造しながら同
時に施工を実行する方法。 (2) 外被材12を模した型内に芯材11を並べて、
芯材11、11間に充填材13を詰め込み、前記型に合
わせて外被材12を配置した後、外被材12内面に接し
ているところの前記型を抜き取って所定箇所を縫合し、
水平ドレーン10を作製する。この後トラック等により
この水平ドレーンを施工地点に運搬し、現地盤上に敷設
する。すなわち、予め製造された水平ドレーン10を運
んで施工を実行する方法。
【0041】上記方法に何ら限定されるものでないが、
いずれの場合も水平ドレーン10の長さ(L)は、長い
方が使用時に必要長さに切断すればすむので都合がよ
い。しかしながら、前記長さ(L)が長いと保管時また
は輸送時において嵩張ってしまい、コストが高くなる場
合がある。そのような場合には、水平ドレーン10を保
管または輸送に便利な長さに作製し、これを連結させて
所望の長さ(L)を有する水平ドレーン連結体とするの
が好ましい。
【0042】図6は、水平ドレーン10どうしをその長
さ(L)方向に連結した様子を示した模式的部分側断面
図である。水平ドレーン10どうしの連結は水平ドレー
ン10内の芯材11どうしを継手15によって接続する
ことによって行われる。ここに示した継手15は両端を
開放した蛇腹構造を有しており、前記両端に芯材11を
嵌め込んた状態で水平ドレーン10間に固定される。継
手15の形成材としてはポリプロピレン、ポリエチレン
等のプラスチックや合成ゴム、竹、天然ゴム等のように
可撓性を有するものが好ましく、前記プラスチックとし
て、再生プラスチックを用いることも好ましい実施の形
態である。
【0043】このように水平ドレーン10どうしを連結
させた連結体によれば、広範囲および長距離に渡る導水
・排水を、その性能を劣化させることなく容易に行うこ
とができる。
【0044】次に、図7は、軟弱地盤改良のために水平
ドレーン10が施工された例を示した模式的断面図であ
る。図中20は圧密沈下促進を図ろうとする軟弱な粘性
土の現地盤を、22は現地盤20上に載荷される盛土を
それぞれ示している。
【0045】現地盤20中には前記水平方向と略鉛直方
向に鉛直ドレーン23が打設されており、現地盤20表
面には水平ドレーン10の連結体が図中向こう側に複数
組並べられている。水平ドレーン10は、例えば図6に
示すように可撓性を有する継手15によって連結されて
おり、図8に示すように水平ドレーン10の長さ(L)
方向に長く例えば並列に並べられている。
【0046】現地盤20中の過剰な間隙水(図示せず)
は、略水平方向(図中矢印h方向)に鉛直ドレーン23
に向かって導かれ、鉛直ドレーン23内に取り込まれ
る。次に、鉛直ドレーン23内を略鉛直方向(図中矢印
v方向)に、地表面に向かって導かれ、水平ドレーン1
0の長さ(L)方向(図中矢印x、x´方向)に向かっ
て導かれて排水される。
【0047】図9は、水平ドレーン10の別の施工例と
して、宅地用等の盛土の安定化を図る例を示した模式的
断面図である。例えば3段に盛られた盛土22の各段に
は水平ドレーン10の連結体が敷設されている。盛土2
2施工中に発生する過剰水圧、斜面表面から浸透した雨
水等は略鉛直方向(図中矢印v方向)に、水平ドレーン
10に向かって導かれ、水平ドレーン10中に取り込ま
れる。次に、水平ドレーン10内を水平ドレーン10の
長さ(L)方向(図中矢印x方向)に向かって導かれて
排水される。排水された水は水平ドレーン10端面に面
して形成された側溝24に流れて集水される。
【0048】図10は、水平ドレーン10のさらに別の
施工例として、グランド表土の排水を図る例を示した模
式的断面図である。現地盤20とグランド表土(盛土)
22との間には水平ドレーン10の連結体が敷設されて
おり、これによってグランド表土22に降る雨水等の速
やかな排水が図られる。ここで、雨水等は、略鉛直方向
(図中矢印v方向)に水平ドレーン10に向かって導か
れ、水平ドレーン10中に取り込まれる。次に、水平ド
レーン10内を水平ドレーン10の長さ(L)方向(図
中矢印x方向)に向かって導かれる。この導かれた水
は、水平ドレーン10の下面に位置する排水管24aへ
流れて集水される。
【0049】図11は、水平ドレーン10のさらに別の
施工例として、擁壁背面盛土内の排水を図る例を示した
模式的断面図である。擁壁25背面の盛土21内に水平
ドレーン10の連続体を複数段に渡って敷設する。ここ
で、雨水等は、略鉛直方向(図中矢印v方向)に水平ド
レーン10に向かって導かれ、水平ドレーン10中に取
り込まれる。次に、水平ドレーン10内を水平ドレーン
10の長さ(L)方向(図中矢印x方向)に向かって導
かれて排水される。
【0050】上記した施工例の中で、例えば図9〜11
に示したように、水平ドレーン10の使用目的が盛土2
2等の排水を良くすることである場合は、時間の経過に
よって水平ドレーン10が分解されて土に戻ってしまう
ことは望ましくないため、芯材11、外被材12、充填
材13のうちの少なくとも一つが合成素材によって作成
された水平ドレーン10を用いるのが好ましい。また、
例えば図7に示した地盤の圧密沈下促進の場合のよう
に、現地盤20がある程度圧密された後には水平ドレー
ン10の埋設理由がなくなる場合等にあっては、芯材1
1、外被材12、および充填材13が天然素材によって
作成された水平ドレーン10を用いて、土への還元を図
るのが好ましい。
【0051】上記施工例においては長さ(L)方向に連
結された水平ドレーン10を地表面上あるいは盛土体中
に一層を並列に敷設する場合について示したが、何らこ
れに限定されるものでなく、前記水平ドレーン10が、
一層でなく複数層重ねられた状態で例えば地表面に並列
に敷設されてもよい。この場合、前記複数層の重ね合わ
せは、芯材11どうしの連結部分の上に上層の水平ドレ
ーン10の略中心部が重ねられる状態とすることが好ま
しい。
【0052】
【実施例】本発明に係る水平ドレーン10の通水性を調
べるために下記の実験を行った。以下にその詳細につい
て説明する <実験例1>まず、外被材12のみの通水性能を調べる
ために、図12の模式的断面図に示した装置を用いて透
水試験(JIS A 1218)を行った。外被材12の黄麻織物
2枚を直径11.9cm、断面積が111.2cm2
大きさに切断したものを試験体として用いた。この黄麻
織物2枚の厚さは2.5mmである。
【0053】図例の装置においては、外側円筒26内に
設置された内側円筒27の下部に外被材12が取り付け
られる。内側円筒27内に上方から水を供給すると、内
側円筒27内に水が溜まる一方、その水の一部は外被材
12を透過して外側円筒26と内側円筒27との間の空
間28に徐々に溜まっていく。空間28に溜まった水は
外側円筒26の越流口26aから溢れる。一方、内側円
筒27には越流口26aよりも上方の位置に越流口27
aがあり、内側円筒27内に溜まった水は前記越流口2
7aから外方へ流れる。越流口27aと越流口26aの
高さの差をある一定の値にすると、外被材12にかかる
水圧は一定となる。この越流口27aと越流口26aと
の位置差が水頭差△hとなる。この水頭差△hを数種類
変えて透水試験を行った。
【0054】透水係数(k)は下記の数1式により求め
られる。 <数1> k=q/(i・A)=q/{(Δh/t)・A} q:単位時間当たりの通水量(cm3 /sec) i:動水勾配(i=Δh/t) Δh=水頭差 t=外被材12の厚さ A:内側円筒27の断面積(外被材12の断面積)
【0055】上記条件のうち、越流口26a、27aの
高さの差、すなわち水頭差(△h)を変化させた時の透
水係数(k)を算出した結果を下記の表1に示す。∴
【表1】
【0056】表1から明らかなように、水温15℃一定
の時の外被材12(黄麻織物2枚)の透水係数はk15
1.5×10-1〜2.3×10-1(cm/s)の範囲で
あった。これは、一般的に用いられるサンドマットの透
水係数k=1.0×10-3(cm/s)よりも100〜
200倍程度大きい値であり、外被材12は十分な通水
能力を有することがわかった。
【0057】<実験例2>次に、実施例に係る水平ドレ
ーン10の、長さ方向における通水性能を調べるため
に、図13の模式的断面図に示した装置を用いて、下記
の実験を行った。試験方法は透水試験(JIS A 1218)に
準ずる。
【0058】実験例2では前記測定対象物として以下の
条件により作製した水平ドレーン10を用いた。 芯材11に用いた材料:ヤシ繊維 大きさ:直径3cm 形態:ロープ状 本数:9本 外被材12に用いた材料:黄麻繊維 大きさ:幅98cm×厚さ0.2cm×長さ200cm
(上下各2枚) 形態:繊維織物(重量:600g/m2 、密度:61本
×32本/10cm角) 充填材13に用いた材料:粗梳黄麻繊維 形態:綿状 充填材13使用量 :8kg/枚 試験に用いた水平ドレーン10の大きさは、幅40cm
×厚さ3.8cm×長さ100cmであり、上記に示し
た製品より切り出したものである。
【0059】図13に示す装置30において、測定対象
物である水平ドレーン材10をゴム膜29b、29cに
包んで装置の中に設置し、まずゴム膜29dを介して下
蓋32を取り付け、その後装置と水平ドレーン10の隙
間を砂31a、32aで充填し、ゴム膜29aを介して
上蓋31を取り付ける。上蓋31、下蓋32は、圧力計
33、レギュレーター34を介してコンプレッサー35
と接続されている。このレギュレーター34によって上
蓋31側のゴム膜29a、下蓋32側のゴム膜29dに
所定の空気圧が付加され、砂31a、32a間に挟持さ
れる水平ドレーン10に所定の鉛直圧が付加されるよう
になっている。また、装置30には前記水平ドレーン1
0の両側端部に接続される水槽36、37が設置されて
いる。この装置30においては、例えば水槽36から供
給された水が前記水平ドレーン10の片方の側端部から
他方の側端部に抜けて、抜けた水が水槽37に集水され
るようになっている。水槽36、37の水位の高さの差
が、水頭差(△h)である。
【0060】上蓋31、下蓋32からの鉛直圧(kgf
/cm2 )、および動水勾配iを変化させた時の水平ド
レーン10の通水性能を調べた結果を下記の表2に示
す。∴
【表2】
【0061】表2から明らかなように、鉛直圧σv
0.5〜2.0(kgf/cm2 )の範囲で、水平ドレ
ーン10の長さ(L)方向の透水係数はk15=5.0×
10-2〜1.3×10-2(cm/s)であった。
【0062】通常使用されるサンドマットの透水係数は
前記したようにk=1.0×10-3(cm/s)程度で
あり、実施例2に係る水平ドレーン10の長さ方向の透
水係数の大きさは、これよりも10〜50倍大きいこと
から、十分な通水能力を有することがわかった。
【0063】<実験例3>実公平6−34413号公報
記載のファイバードレーンを用いて本実施例に係る水平
ドレーン10と同様の透水性を得るためには前記ファイ
バードレーンが何枚必要になるかを調べるために、下記
の試算を行った。
【0064】以下にその試算条件を示す。 ファイバードレーンの大きさ:幅90±15mm、厚さ
9±1.5mm 透水係数: 拘束圧0.5kgf/cm2 でka =1×10-1cm/
s 拘束圧2.0kgf/cm2 でka =1×10-2cm/
s 水平ドレーン10の大きさ:幅90cm、厚さ3.8c
m 透水係数: 拘束圧0.5kgf/cm2 でkb =5×10-2cm/
s 拘束圧2.0kgf/cm2 でkb =1.3×10-2
m/s
【0065】拘束圧2.0kgf/cm2 で、水平ドレ
ーン10の断面での通水量qを下記の計算式に則って算
出する。(同じ動水勾配iの条件下で) q=A×kb ×i=90×3.8×1.3×10-2×i
=4.45×icm3/s よって、これに対応するファイバードレーンの枚数は下
記の計算で求められる A=q/ka ×i=4.45×i/1×10-2×i=4
45cm2 枚数x=445/9×0.9≒55枚
【0066】以上の計算式により明らかなように、水平
ドレーン1枚と同等の排水能力を得るためには、ファイ
バードレーン55枚を横方向もしくは縦方向に積み重ね
る必要がある。実質的にはこのような作業を行うことは
コスト的にも作業性上も困難であり、このことからも水
平ドレーン10の有用性は明らかである。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る水平
ドレーンによれば、紐状またはロープ状の複数の芯材が
平行配置され、前記芯材間に綿状の充填材が配され、こ
れら複数の芯材および充填材が、透水性を有する織布状
または不織布状の外被材にて一体に被覆されて平板状を
呈する水平ドレーンであって、前記各芯材が前記外被材
と複数の所定箇所にて縫い止められているため、この水
平ドレーンの埋設により土中の間隙水は外被材を通って
前記水平ドレーン内に導かれ、この水は水平ドレーン内
に配置された芯材間を水平ドレーンの長さ(L)方向に
導かれる。そして、その後水平ドレーンの長さ(L)方
向端部から排水されることとなる。
【0068】前記外被材は透水性を有しているため、前
記間隙水を水平ドレーン中に容易に取り込むことができ
る。また、その素材および織り方によって高いフィルタ
ー性を付加させることが可能であるため、目詰まりする
ことなく、しかも細粒土等を透過させることなく土中の
間隙水のみを透過させることも可能である。
【0069】また、芯材が水平ドレーン中に平行配置さ
れているため、水平ドレーンの形状を安定させることが
でき、また、盛土等による荷重によっても極端に潰れる
ことのない水平ドレーンとすることができる。さらに前
記芯材は複数箇所で外被材と縫い止められているため、
地盤の歪み変形にも対応可能である。
【0070】また、前記芯材間には充填材が充填されて
いるため、前記芯材間における水平ドレーンの厚さの保
持が補助される。また、前記充填材は例えば綿状である
ため透水性に優れている。よって、水平ドレーン内に取
り込まれた水を芯材間に形成される空隙および前記充填
材を通って水平ドレーンの長さ(L)方向に無理なく導
くことができる。さらに、前記芯材間の幅(W)方向の
間隔を保つことができ、水平ドレーン中の芯材の片寄り
を防ぐことができる。
【0071】これらにより、本発明に係る水平ドレーン
を埋め立て工事、築堤工事等の際に用いた場合には、土
中の間隙水や雨水等を効果的に排水して軟弱な粘性土や
盛土体等を速やかに安定化することができる。また、盛
土等の圧力に対しても通水性が損なわれにくく、また、
地盤の歪み変形にも追随性を有している。さらに、砂を
使用しなくてもよいため、環境保全に貢献することがで
き、材料コストの削減を図ることもできる。
【0072】芯材がヤシの木の繊維、黄麻、***、また
はその他の繊維質野菜等の天然繊維からなっている場
合、あるいは外被材が黄麻から成っている場合、あるい
は充填材がヤシの木の繊維、黄麻、***、シュロ、草ま
たはその他の繊維質野菜等の天然繊維からなっている場
合は安価な輸入材等を利用することができるため、より
一層原料コストを削減することができ、芯材、外被材お
よび充填材のいずれをも前記のような天然素材とした場
合は、地盤上に敷設して地中の排水を図った後、そのま
ま土中に埋設したまま放置しても時間の経過に伴って土
中で分解されることとなるため、後に回収する必要がな
く合理的であり、地盤を汚染して公害を発生させる恐れ
も全くない。
【0073】他方、芯材、外被材、充填材が合成素材か
らなっている場合は、半永久的に水平ドレーンとしての
機能を全うさせることが可能となる。ポリプロピレンな
どの合成素材を用いた場合には、化学的に極めて安定で
あることから、特に長期間の使用に充分耐えることがで
きる。さらに、麻などの天然繊維とポリプロピレンなど
の合成繊維とを組み合わせて耐久性を向上させたものと
してもよい。また、芯材が繊維をロープ状により合わせ
たものであるため、その強度をより向上させることがで
きる。
【0074】外被材に、ポリエステルの長繊維が連続的
な積層構造を有した不織布を用いた場合には、機械的強
度、寸法安定性、耐熱性、耐侯性、耐腐食性に優れたも
のとすることができ、また、繊維の接合に接着剤が使用
されていないため、透水性やフィルター性能を向上させ
ることができる。
【0075】外被材の繊維として例えば黄麻を用いた場
合には、例えば繊維径1.5〜2.0mmで、密度1.
5〜1.7g/cm3 の範囲の黄麻繊維を3×3/cm
2 のメッシュに織製して600〜650g/m2 程度の
重量とした黄麻布を用いることにより、充分な引っ張り
強度を有し、適度の透水性と良好なフィルター性能とを
併せ持つ外被材とすることができる。
【0076】この外被材を二重に構成した場合は、前記
フィルター性をより向上させることができると共に、水
平ドレーンの強度を著しく向上させることができる。
【0077】また、対向する芯材の端面どうしが可撓性
を有する継手によって連結され、対向する水平ドレーン
どうしが一体化された水平ドレーンの連結体とすれば、
長さ(L)方向への連続した導水を図ることができる。
よって、埋設時に要求される表面積に自在に対応するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る水平ドレーンを示し
た模式的部分斜視図。
【図2】実施の形態に係る水平ドレーンを示した模式的
部分断面図。
【図3】実施の形態に係る水平ドレーンを示した模式的
部分断面平面図。
【図4】芯材の模式的拡大側面図。
【図5】実施の形態に係る水平ドレーンを示した模式的
断面図。
【図6】実施の形態に係る水平ドレーンどうしを連結し
た状態を示す模式的部分断面図。
【図7】実施の形態に係る水平ドレーンを用いた施工例
を示した模式的断面図。
【図8】実施の形態に係る水平ドレーンどうしが連結さ
れた状態を示す模式的部分平面図。
【図9】実施の形態に係る水平ドレーンを用いた別の施
工例を示した模式的断面図。
【図10】実施の形態に係る水平ドレーンを用いたさら
に別の施工例を示した模式的断面図。
【図11】実施の形態に係る水平ドレーンを用いたさら
に別の施工例を示した模式的断面図。
【図12】本発明の実施例における実験例に用いた装置
を示した模式的断面図。
【図13】別の実施例における実験例に用いた装置を示
した模式的断面図。
【図14】従来の軟弱地盤の圧密沈下の過程を説明する
ために示した模式的断面図。
【符号の説明】
10 水平ドレーン 11 芯材 12 外被材 13 充填材 14 糸体 15 継手 20 現地盤 22 盛土 23 鉛直ドレーン 24 側溝 24a排水管 25 擁壁 26 外側円筒 26a越流口 27 内側円筒 27a越流口 28 空間 30 装置 31 上蓋 32 下蓋 33 圧力計 34 レギュレーター 35 コンプレッサー 36、37 水槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 禎 明石市魚住町西岡1865−1 ガーデンハイ ツ5−401号 (72)発明者 井上 年行 広島市安佐南区東野2丁目15−3 (72)発明者 網干 壽夫 広島市西区高須三丁目3番58号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紐状またはロープ状の複数の芯材が平行
    配置され、前記芯材間に綿状の隙間充填材が配され、こ
    れら複数の芯材および充填材が、透水性を有する織布状
    または不織布状の外被材にて一体に被覆されて平板状を
    呈する水平ドレーンであって、前記各芯材が前記外被材
    と複数の所定箇所にて縫い止められていることを特徴と
    する水平ドレーン。
  2. 【請求項2】 芯材、外被材および充填材が天然素材か
    ら成っていることを特徴とする請求項1記載の水平ドレ
    ーン。
  3. 【請求項3】 芯材、外被材、および充填材のうちの少
    なくとも一つが合成素材から成っていることを特徴とす
    る請求項1記載の水平ドレーン。
  4. 【請求項4】 芯材がヤシの木の繊維、黄麻、***、ま
    たはその他の繊維質野菜等の天然繊維のうちの少なくと
    も一つから成っていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかの項に記載の水平ドレーン。
  5. 【請求項5】 外被材が黄麻から成っていることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の水平ドレー
    ン。
  6. 【請求項6】 充填材がヤシの木の繊維、黄麻、***、
    シュロ、草またはその他の繊維質野菜等の天然繊維のう
    ちの少なくとも一つから成っていることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかの項に記載の水平ドレーン。
  7. 【請求項7】 幅が30〜100cmの範囲で、厚さが
    2〜4cmの範囲の平板状に形成してなる請求項1〜6
    のいずれかの項に記載の水平ドレーン。
  8. 【請求項8】 少なくとも6本以上の芯材を用いてなる
    請求項1〜7のいずれかの項に記載の水平ドレーン。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかの項に記載の水平
    ドレーンが、対向する前記水平ドレーンの芯材の端部同
    士を可撓性を有する継手によって連結されて複数の前記
    水平ドレーンが一体化され、長さ方向への連続した導水
    が図られることを特徴とする水平ドレーンの連結体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001003342A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Kajima Corp 水平ドレーンおよびその施工方法
JP2008163720A (ja) * 2007-01-05 2008-07-17 Amano:Kk 埋立地などの軟弱地盤の改良方法に使用のドレーン材
JP2012177294A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Katekkusu:Kk 土中埋設資材
JP2018080541A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 五洋建設株式会社 複合ドレーン体及びそれを使用した水平ドレーン圧密工法

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