JPH10136683A - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの制御装置

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JPH10136683A
JPH10136683A JP8291949A JP29194996A JPH10136683A JP H10136683 A JPH10136683 A JP H10136683A JP 8291949 A JP8291949 A JP 8291949A JP 29194996 A JP29194996 A JP 29194996A JP H10136683 A JPH10136683 A JP H10136683A
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JP
Japan
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pulse
phase
output
brushless motor
mask
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Application number
JP8291949A
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English (en)
Inventor
Kaneharu Yoshioka
包晴 吉岡
Yoshiro Tsuchiyama
吉朗 土山
Hideki Nakada
秀樹 中田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタを用いることなく高精度な回転子位
置検出の可能なブラシレスモータの制御装置を提供す
る。 【解決手段】 ブラシレスモータ3の固定子巻線の誘起
電圧8aを基準電位9aと比較して位相パルス10aを
得、位相パルス10aによってリトリガラブルなタイマ
11を駆動して位相パルス10aのPWMによるスイッ
チング波形成分を除去し、さらにスイッチング手段2の
通電タイミングを制御する分配手段5の上,下アーム駆
動パルス12a,13aでタイマ14,15を駆動し、
タイマ14,15の出力パルス14a,15aで位相パ
ルス10aに含まれる環流ダイオード導通期間をマスク
するようにして、回転子位置信号17aを得るようにし
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
の制御装置に関し、特に、高精度な回転子位置検出の可
能な位置センサを有しないブラシレスモータの制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、位置センサを有しないブラシレス
モータの制御装置は、固定子巻線の非通電相誘起電圧か
ら回転子位置を検出し、この検出した回転子位置に基づ
いて通電パルスを求めるようにしており、起動時には他
励式インバータとして動作してブラシレスモータを回転
させ、ブラシレスモータの回転数が誘起電圧を検出可能
な値まで上昇すると自励式インバータとして動作し、ブ
ラシレスモータの固定子巻線の誘起電圧から各相の通電
タイミングを検出し、この検出した通電タイミングに基
づき通電パルスを発生してブラシレスモータを制御する
ものである。この位置センサを有しないブラシレスモー
タの制御装置(以下、単にブラシレスモータの制御装置
と略記する)については、例えば、特公昭63−201
20公報等や大野栄一編著「パワーエレクトロニクス入
門」(オーム社発行、昭和59年)等に述べられてい
る。
【0003】図9はこの従来のブラシレスモータの制御
装置の構成を示すブロック図であり、図において、1は
直流電源、3はブラシレスモータ、50はブラシレスモ
ータの制御装置であり、該制御装置50は、直流電源1
からの直流電圧を交流電圧に変換しブラシレスモータ3
を駆動するスイッチング手段2、ブラシレスモータ3の
固定子巻線の端子電圧から誘起電圧を検出し、該検出し
た誘起電圧から回転子位置を演算する回転子位置検出手
段4、ブラシレスモータ3の固定子巻線の通電相を順次
切換えるための相切替信号5aを回転子位置検出手段4
の出力に基づいて生成する分配手段5、分配手段5から
出力される相切替信号5aに基づきスイッチング手段2
を駆動するとともにPWM制御するパワードライブ手段
6で構成されている。
【0004】図10は図9の回転子位置検出手段4の構
成を示すブロック図であり、図において、7は比較器、
56はバンドパスフィルタである。
【0005】次に、このように構成された従来のブラシ
レスモータの制御装置の動作を図9,10を用いて説明
する。
【0006】ブラシレスモータの制御装置50の回転子
位置検出手段4では、スイッチング手段2の3相出力
(固定子巻線の誘起電圧)を検出し、この検出した3相
出力を各相毎にバンドパスフィルタ56を通して、PW
M制御のスイッチング波形を滑らかなアナログ波形に変
換するとともに直流成分をカットする。そして、この直
流成分をカットした3相のフィルタ出力から中性点電位
を抵抗分割で求め、この求めた中性点電位と各相のフィ
ルタ出力とを比較器7で比較し、各相のフィルタ出力が
中性点電位となる点のタイミングを回転子位置として求
め、この求めた回転子位置を分配手段5に出力する。
【0007】この出力を受け、分配手段5は相切替信号
を生成して、これをパワードライブ手段6に出力する。
この出力を受け、パワードライブ手段6は相切替信号に
基づきスイッチング手段2をオン/オフ駆動して通電パ
ルスを発生させるとともに、PWM制御を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブラシレスモータの制御装置50では、回転子位置
を検出するに際し、固定子巻線の誘起電圧をバンドパス
フィルタ56を用いて波形処理しているため、バンドパ
スフィルタ56の出力の位相、ひいては検出しようとし
ている回転子位置が、ブラシレスモータ3の回転数,及
びバンドパスフィルタ56の特性に依存して変化するこ
ととなり、適正な通電パルスを得られない場合があっ
た。特に、定格回転数近辺で適正に回転子位置を検出で
きるようにバンドパスフィルタ56の特性を定めると、
低周波数で位相ずれが大きくなるため他励式から自励式
への切替最低周波数を低く取れず、その結果、大きな起
動電流が流れるという問題があった。
【0009】また、バンドパスフィルタ56の直流成分
をカットするためのコンデンサは、高圧で容量の大きな
ものが必要であり、コスト面や小型化の上で問題となっ
ていた。
【0010】さらに、バンドパスフィルタ56を用いる
ことで生じる位相ずれのため、一部を除き、広範囲の制
御回転数にわたって効率を最適化することが困難であっ
た。
【0011】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、フィルタを用いることなく高精度な回転
子位置検出の可能なブラシレスモータの制御装置を提供
することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)に係
るブラシレスモータの制御装置は、ブラシレスモータの
固定子巻線の各相の端子と直流電源の正極,及び負極と
の間にそれぞれ接続される第1,第2のスイッチ素子、
及び該第1,第2のスイッチ素子に並列にそれぞれ接続
された環流ダイオードを有するスイッチング手段と、上
記ブラシレスモータの固定子巻線の各相の誘起電圧から
回転子位置を求める回転子位置検出手段と、上記求めた
回転子位置に基づき、上記ブラシレスモータの各相の固
定子巻線をある順序で通電するための相切替信号を生成
する分配手段と、上記生成した相切替信号に基づき上記
スイッチング手段の第1,第2のスイッチ素子をオン/
オフ駆動するとともに、該第1,第2のスイッチ素子の
いずれか一方をPWM制御するパワードライブ手段とを
備えたブラシレスモータにおいて、上記回転子位置検出
手段は、上記直流電源の負極の電位をグランド電位とし
て上記ブラシレスモータの固定子巻線の各相の端子電圧
を1/K(Kは定数)に変換する電圧変換器と、上記直
流電源の電圧を1/(2K)に変換する基準電位変換器
と、上記電圧変換器の各相の出力と上記基準電位変換器
の出力とを比較し、該電圧変換器の各相の出力が上記基
準電位変換器の出力以下となる間、第1,第2の論理レ
ベルを有する2値信号の該第1の論理レベルとなるパル
スを各相毎にそれぞれ出力する位相パルス発生手段と、
上記分配手段で生成する相切替信号が上記スイッチング
手段の各相の第2のスイッチ素子をオフさせるよう変化
すると、ある時間Toの間、上記第1の論理レベルとな
るマスクパルスを各相毎にそれぞれ出力する第1のマス
クパルス発生手段と、上記分配手段で生成する相切替信
号が上記スイッチング手段の各相の第1のスイッチ素子
をオフさせるよう変化すると、ある時間Toの間、上記
第2の論理レベルとなるマスクパルスを各相毎にそれぞ
れ出力する第2のマスクパルス発生手段と、上記位相パ
ルス発生手段の各相にパルスが出力される都度トリガさ
れ、トリガされると上記パワードライブ手段のPWM制
御のパルス発生周期Tcより長く、かつ上記第1,第2
のマスクパルス発生手段のマスクパルスの上記ある時間
Toよりも短い時間Tmの間、上記第1の論理レベルと
なるパルスを発生して各相毎に出力する位置パルス生成
手段と、上記位相パルス発生手段の各相の出力,上記位
置パルス生成手段の各相の出力,及び上記第1のマスク
パルス発生手段の各相の出力のオアを各相毎に取るオア
演算手段と、上記オア演算手段の各相の出力と上記第2
のマスクパルス発生手段の各相の出力とのアンドを各相
毎に取った結果を回転子位置信号として出力するアンド
演算手段とを有するものである。
【0013】本発明(請求項2)に係るブラシレスモー
タの制御装置は、上記ブラシレスモータの制御装置(請
求項1)において、上記第1,及び第2のマスクパルス
発生手段が、マスクパルスの上記ある時間幅Toを一定
値としたものであるようにしたものである。
【0014】本発明(請求項3)に係るブラシレスモー
タの制御装置は、上記ブラシレスモータの制御装置(請
求項1)において、上記直流電源の電流を検出する電流
検出手段,及び該電流検出手段の出力を上記ブラシレス
モータの固定子巻線の電気的時定数に比例した電圧に変
換して出力する電流電圧変換手段を有し、上記第1,及
び第2のマスクパルス発生手段が、マスクパルスの上記
ある時間幅Toを、上記位置パルス生成手段で出力する
パルスの幅Tmより大きい範囲内で上記電流電圧変換手
段の出力に応じて変化させるものであるようにしたもの
である。
【0015】本発明(請求項4)に係るブラシレスモー
タの制御装置は、上記ブラシレスモータの制御装置(請
求項1)において、上記位相パルス発生手段の各相の出
力の、上記分配手段で生成する相切替信号が上記スイッ
チング手段の各相の第2のスイッチ素子をオフさせるよ
う変化する時点から最初に現れるパルスのみをそれぞれ
取り出し、この取り出したパルスの幅を各相毎にそれぞ
れ検出する第1のパルス幅検出手段と、上記位相パルス
発生手段の各相の出力の、上記分配手段で生成する相切
替信号が上記スイッチング手段の各相の第1のスイッチ
素子をオフさせるよう変化する時点から最初に現れるパ
ルスのみをそれぞれ取り出し、この取り出したパルスの
幅を各相毎にそれぞれ検出する第2のパルス幅検出手段
と、上記直流電源の電流を検出する電流検出手段と、該
電流検出手段の出力の変化量と上記ブラシレスモータの
固定子巻線の電気的時定数に基づき、上記第1,及び第
2のパルス幅検出手段で検出するパルス幅の補正量を出
力するパルス幅補正手段とを有し、上記第1のマスクパ
ルス発生手段は、上記第1のパルス幅検出手段で検出し
た各相のパルス幅を上記パルス幅補正手段の出力で補正
したものをその幅とするマスクパルスを各相毎に出力す
るものであり、上記第2のマスクパルス発生手段は、上
記第2のパルス幅検出手段で検出した各相のパルス幅を
上記パルス幅補正手段の出力で補正したものをその幅と
するマスクパルスを各相毎に出力するものであるように
したものである。
【0016】本発明(請求項5)に係るブラシレスモー
タの制御装置は、上記ブラシレスモータの制御装置(請
求項1ないし4のいずれか)において、上記パワードラ
イブ手段は、上記PWM制御のためのパルス信号を三角
波発生器により生成するものであり、上記位置パルス生
成手段は、上記三角波発生器の三角波出力の,上記生成
されるPWM制御のためのパルス信号のパルス幅内に位
置する方のピークのタイミングを検出するPWMタイミ
ングパルス発生手段と、該PWMタイミングパルス発生
手段で検出したタイミングで上記位相パルス発生手段か
ら出力されるパルスの有無を検知し、出力されるパルス
があった場合には該パルスの論理レベルを次の上記検出
したタイミングまで保持する位置パルス合成手段と有す
るものであるようにしたものである。
【0017】本発明(請求項6)に係るブラシレスモー
タの制御装置は、上記ブラシレスモータの制御装置(請
求項1ないし5のいずれか)において、上記直流電源の
出力から上記位相パルス発生手段を駆動する直流電圧を
生成する制御電源を有し、上記位相パルス発生手段の出
力をフォトカプラを介して上記位置パルス生成手段に入
力するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1によるブラ
シレスモータの制御装置の構成を示すブロック図であ
り、図において、1は直流電源、3は3相のブラシレス
モータ、50はブラシレスモータの制御装置であり、該
制御装置50は、直流電源1からの直流電圧を交流電圧
に変換しブラシレスモータ3を駆動するスイッチング手
段2、ブラシレスモータ3の固定子巻線の端子電圧から
誘起電圧を検出し、該検出した誘起電圧から回転子位置
を演算する回転子位置検出手段4、ブラシレスモータ3
の固定子巻線の通電相を順次切換えるための相切替信号
5aを回転子位置検出手段4の出力に基づいて生成する
分配手段5、分配手段5から出力される相切替信号5a
に基づきスイッチング手段2を駆動するとともにPWM
制御するパワードライブ手段6で構成されている。
【0019】スイッチング手段2は、それぞれ直列接続
された3対の第1及び第2のスイッチ素子51u,52
u、51v,52v、51w,52wが直流電源1の正
極と負極との間に並列に接続され、該第1及び第2のス
イッチ素子51u,52u、51v,52v、51w,
52wの各々に並列に環流ダイオード53u,54u、
53v,54v、53w,54wがそれぞれ接続され、
各対の第1のスイッチ素子51u,51v,51wと第
2のスイッチ素子52u,52v,52wとの中点がブ
ラシレスモータ3の固定子巻線のU,V,W各相の端子
にそれぞれ接続されている。第1のスイッチ素子(以
下、上アームと記載する)51u,51v,51w,及
び第2のスイッチ素子(以下、下アームと記載する)5
2u,52v,52wはそれぞれIGBTからなり、該
上アーム51u,51v,51w及び下アーム52u,
52v,52wの各ゲートに上記パワードライブ手段6
から駆動信号6aが入力されている。
【0020】また、回転子位置検出手段4は、ブラシレ
スモータ3のU,V,Wの各相毎に演算ブロックが設け
られており、図にはU相の演算ブロックのみを示してい
るが、他相の演算ブロックも同様である。各演算ブロッ
クは、ブラシレスモータ3の固定子巻線の各相の端子電
圧Vu,Vv,Vwを所定のレベルにシフトして検出す
る電圧変換器8、直流電源1の電圧1aを固定子巻線の
各相の中点電位に相当する基準電位に変換する基準電位
変換器9、電圧変換器8の出力8aが基準電位変換器9
の出力9aを下回る間、パルスを出力する位相パルス発
生手段10、位相パルス発生手段10の出力10aのパ
ルスでトリガされ、トリガされる都度所定幅Tmのパル
スを出力するリトリガラブルな位置パルス生成手段1
1、分配手段5の下アーム駆動パルス発生手段13の出
力13aに基づき一定幅Toのマスクパルスを発生する
第1のマスクパルス発生手段14、分配手段5の上アー
ム駆動パルス発生手段12の出力12aに基づき一定幅
Toのマスクパルスを発生し、その反転出力を出力する
第2のマスクパルス発生手段15、位相パルス発生手段
10の出力10a,位置パルス生成手段11の出力11
a,及び第1のマスクパルス発生手段14の出力14a
のオアを取るオア回路16、及びオア回路16の出力1
6a,及び第2のマスクパルス発生手段15の出力15
aのアンドを取るアンド回路17で構成される。
【0021】ここで、位置パルス生成手段11は、次の
パルス入力によって再トリガされるリトリガラブルなタ
イマ、例えば、リトリガラブルなワンショットマルチバ
イブレータで構成される。また、この位置パルス生成手
段11で発生するパルスの幅Tmは、位相パルス発生手
段10の出力10aからPWM制御波形の影響を除去
し、かつ第2のマスクパルス発生手段15のマスクパル
スで除去できるよう、パワードライブ手段6のPWM制
御のパルス発生周期Tcより長く、かつ第2のマスクパ
ルス発生手段のマスクパルスの幅Toよりも短くする必
要があり、また、後述するように、回転子位置の検出誤
差を少なくするためには可能な限り短い方が好ましく、
本実施の形態1では、PWM制御のパルス発生周期Tc
よりわずかに長い程度としている。
【0022】また、第1,第2のマスクパルス発生手段
14,15で発生するマスクパルスの幅Toは、後述す
る環流ダイオードの導通期間Tdより長い値に設定され
る。
【0023】また、12及び13は、分配手段5の相切
替信号を各相毎に生成するために設けられた上アーム駆
動パルス発生器及び下アーム駆動パルス発生器のうちの
U相用のものを示している。
【0024】図2は図1の回転子位置検出手段の動作を
示すタイミング図であって、図2(a) は上アーム駆動パ
ルス発生器の出力波形を示す図、図2(b) は下アーム駆
動パルス発生器の出力波形を示す図、図2(c) は電圧変
換器,及び基準電位変換器の出力波形を示す図、図2
(d) は位相パルス発生手段の出力波形を示す図、図2
(e) は位置パルス生成手段の出力波形を示す図、図2
(f) は第1のマスクパルス発生手段の出力波形を示す
図、図2(g) はオア回路の出力波形を示す図、図2(h)
は第2のマスクパルス発生手段の出力波形を示す図、図
2(i) はアンド回路の出力波形を示す図である。
【0025】次に、以上のように構成された本実施の形
態1によるブラシレスモータの制御装置の動作を図1,
2を用いて説明する。ここでU相を例にとり説明するも
のとし、スイッチング手段2では下アーム52u,52
v,52wをPWM制御しているものとする。
【0026】分配手段5の上アーム駆動パルス発生器1
2は、図2(a) に示すように、時刻t1でオフし、位相
角で240度経過後の時刻t6でオンするように駆動パ
ルス12aを出力する。
【0027】また、分配手段5の下アーム駆動パルス発
生器13は、図2(b) に示すように、時刻t1で上アー
ム駆動パルス発生器12の駆動パルス12aがオフして
から位相角で60度経過後の時刻t3でオンし、さらに
位相角で120度経過した後の時刻t4でオフするよう
に駆動パルス13aを出力する。
【0028】これら、上アーム駆動パルス発生器12,
及び下アーム駆動パルス発生器13の出力は相切替信号
5aとしてパワードライブ手段6に入力され、駆動信号
6aに変換されてスイッチング手段2のU相の上アーム
51u,及び下アーム52uにそれぞれ入力される。
【0029】一方、回転子位置検出手段4の電圧変換器
8は、ブラシレスモータ3の固定子巻線の端子電圧が入
力されると、電圧変換器8はこれを1/K(Kは定数)
にレベルシフトして出力する。
【0030】また、基準電位変換器9は直流電源1の出
力電圧を、ブラシレスモータの各相の中性点電位に相当
する基準電位となるよう、1/(2K)にレベルシフト
して出力する。
【0031】ここで、図2(c) に示すように、基準電位
変換器9の出力9aは、直流電源1の出力電圧をEdc
とすると、Edc/2Kとなり一定であるが、電圧変換
器8の出力8aは、スイッチング手段2の動作に伴い以
下のように変化する。すなわち、スイッチング手段2で
は、上記駆動信号6aの入力を受け、時刻t1で上アー
ム駆動パルス発生器12の駆動パルス12aがオフする
と、上アーム51uがオフし、U相が非通電期間に入る
とともに、下アームの環流ダイオード54uが導通す
る。環流ダイオード54uが導通すると、電圧変換器8
の出力8aは、ほぼ直流電源1の負極の電位(GND)
に落ち、Tdで表される導通期間の間、この電位のまま
推移する。次いで、環流ダイオード54uがオフする
と、他相のスイッチングの影響のため、電圧変換器8の
出力8aは、自相の誘起電圧にPWM制御パルスが重畳
された波形となる。
【0032】次いで、時刻t3で下アーム駆動パルス発
生器13の駆動パルス13aがオンすると、下アーム5
2uがオンしてPWM制御され、電圧変換器8の出力8
aは位相角120度の期間に渡りPWM制御波形とな
る。
【0033】次いで、時刻t4で下アーム52uがオフ
すると、上アームの環流ダイオード53uが導通して、
電圧変換器8の出力8aは導通期間Tdの間、Edc/
Kとなり、その後、環流ダイオード53uがオフし、次
に上アーム51uがオンするまでの期間は、電圧変換器
8の出力8aは、再び他相の影響で自相の誘起電圧にP
WM制御波形が重畳された波形となる。
【0034】次いで、電圧変換器8の出力8aと基準電
位変換器9の出力9aとを受け、位相パルス発生手段1
0は、電圧変換器8の出力8aが基準電位変換器9の出
力9a以下となる間、“H”レベルのパルスを出力し
て、図2(d) に示すように、還流ダイオードの導通期間
Tdに単パルスを有し、かつ図2(c) においてPWM制
御波形が重畳した固定子巻線の端子電圧が中性点電位と
それぞれクロスする時刻t2,及びt5の間の期間Tp
にPWM制御波形に対応したパルス列を有する波形の出
力を出力する(10a)。
【0035】次いで、位相パルス発生手段10の出力1
0aを受け、位置パルス生成手段11は、位相パルス発
生手段10の出力10aのパルスの立ち上がりで、その
幅が上記PWM制御の周期Tcよりわずかに大きいTm
であるパルスを発生し、これにより、図2(e) に示すよ
うに、位相パルス発生手段10の出力10aからPWM
制御波形を除去して、これを出力する(11a)。
【0036】一方、下アーム駆動パルス発生器13の駆
動パルス13aの出力を受け、第1のマスクパルス発生
手段14は、図2(f) に示すように、駆動パルス13a
の立ち下がりで、環流ダイオードの導通期間Tdよりも
長い一定の時間幅Toを有する単パルス(マスクパル
ス)を出力する(14a)。
【0037】また、上アーム駆動パルス発生器12の駆
動パルス12aの出力を受け、第2のマスクパルス発生
手段15は、図2(h) に示すように、駆動パルス12a
の立ち下がりで、上記時間幅Toを有するマスクパルス
を発生し、この発生した出力を反転して出力する(15
a)。
【0038】次いで、位相パルス発生手段10の出力1
0a,位置パルス生成手段11の出力11a,及び第1
のマスクパルス発生手段14の出力14aを受け、オア
回路16は、位相パルス発生手段10の出力10a,位
置パルス生成手段11の出力11a,及び第1のマスク
パルス発生手段14の出力14aのオアを取り、これに
より、通常は、図2(e) に示す位置パルス生成手段11
の出力11aから下アームの環流ダイオードの導通期間
の波形を除去して、図2(g) に示す波形の出力を出力す
る(16a)。但し、PWM制御のパルスのデューティ
比が100%となった場合には、位相パルス発生手段1
0の出力10aが、期間Tpに還流ダイオード導通期間
Tdを挟んで2つのパルスを有する波形となる一方、位
置パルス生成手段11の出力11aは、図2(e) とは異
なり期間Tpに幅Tmの2つのパルスのみを有する波形
となるため、位相パルス発生手段10の出力10aから
下アームの環流ダイオードの導通期間Tdの影響を除去
して図2(g) に示す波形としたものを出力する(16
a)。
【0039】次いで、オア回路16の出力16aと第2
のマスクパルス発生手段15の出力15aとを受け、ア
ンド回路17は、オア回路16の出力16aと第2のマ
スクパルス発生手段15の出力15aとのアンドを取
り、これにより、図2(i) に示すように、オア回路16
の出力16aから上アームの環流ダイオードの導通期間
Tdの影響を除去して、これを回転子位置信号として分
配手段5に出力する(17a)。
【0040】ここで、回転子位置は電源回路の影響を受
けない純粋な固定子巻線の誘起電圧と直流電源電圧の中
点電位の比較から得られるものであり、また、本実施の
形態1では、この回転子の位置として、固定子巻線の誘
起電圧が直流電源電圧の中点電位となる位置を検出する
ようにしている。このため、回転子位置信号は、電源回
路の影響を受けない純粋な固定子巻線の誘起電圧が直流
電源電圧の中点電位とクロスするタイミングを検出し、
かつ誤動作を生じないよう単パルス波形であるのが理想
的である。これに対し、上記のようにして得られた回転
子位置信号17aは、環流ダイオード導通期間TdやP
WM制御波形の影響が取り除かれて、好ましい単パルス
波形となっている。また、検出した回転子位置は、図2
(c) から明らかなように、PWM制御波形が重畳した誘
起電圧と基準電位とを比較しているため比較のタイミン
グにより、また、図2(e) から明らかなように、位置パ
ルス生成手段11の発生パルスの設定幅により、最大約
Tc/2の誤差を有するが、相切替え周期に対して充分
短いPWM周期であれば、回転子位置の検出精度には殆
ど影響を与えない。その結果、実用上高精度の回転子位
置検出を実現できる。
【0041】なお、上記位相パルス発生手段10、位置
パルス生成手段11、第1のマスクパルス発生手段1
4、第2のマスクパルス発生手段15、オア回路16、
及びアンド回路17の機能を、演算器においてソフトウ
ェアを用いることにより実現するようにしてもよい。
【0042】以上のように、本実施の形態1において
は、検出したブラシレスモータの端子電圧Vu,Vv,
Vwから、PWM制御波形をリトリガラブルタイマ11
により、ダイオード導通期間Tdの影響をマスキングパ
ルス14a,15aにより除去して、回転子位置を検出
するようにしたので、バンドパスフィルタを用いる従来
例のように、位相ずれにより回転子位置検出に誤差を生
じるようなことはなく、高精度の回転子位置検出が可能
である。その結果、安定した起動特性と広範囲にわたる
高効率駆動を実現することができる。
【0043】また、本実施の形態1においては、第1,
及び第2のマスクパルス発生手段14,15が、マスキ
ングパルス14a,15aの時間幅Toを一定値とした
ものであるようにしたので、構成を簡素化することがで
きる。
【0044】実施の形態2.図3は本発明の実施の形態
2によるブラシレスモータの制御装置の構成を示すブロ
ック図であり、図において、図1と同一符号は同一又は
相当する部分を示しており、18はパワードライブ手段
6のPWM制御波形を生成するための三角波発生器、1
9は三角波発生器18から出力される三角波の,上記生
成されるPWM制御パルス幅内に位置する方のピークの
タイミングを検出するPWMタイミングパルス発生手
段、20はPWMタイミングパルス発生手段19で検出
したタイミングで位相パルス発生手段10から出力され
るパルスの有無を検知し、出力されるパルスがある場合
には該パルスの出力論理レベルを保持する位置パルス合
成手段であり、PWMタイミングパルス発生手段19と
位置パルス合成手段20とで位置パルス生成手段11を
構成している。本実施の形態2は、実施の形態1におけ
る位置パルス生成手段11の好ましい構成例を示したも
のである。
【0045】図4は図3の位置パルス生成手段の動作を
説明するためのタイミング図であって、図4(a) は三角
波発生器の出力,及び変調波を示す図、図4(b) はPW
M信号を示す図、図4(c) は位相パルス発生手段の出力
を示す図、図4(d) はPWMタイミングパルス発生手段
の出力を示す図、図4(e) は位置パルス合成手段の出力
を示す図である。
【0046】次に、上記のように構成されたブラシレス
モータの制御装置の動作を図3,4を用いて説明する。
【0047】パワードライブ手段6では、三角波発生器
18が三角波を出力し、図4(a) に示すように、この出
力した三角波と変調波60とを比較して、図4(b) に示
すPWM信号を生成する。
【0048】この生成したPWM信号の波形は誘起電圧
の重畳波形,及び自相のPWM制御波形として、電圧変
換器8を通じて位相パルス発生手段10に入力され、図
4(c) に示すように、位相パルス発生手段10の期間T
pに該PWM制御波形に対応した波形が現れる。
【0049】一方、三角波発生器18の出力18aを受
け、PWMタイミングパルス発生手段19は、図4(d)
に示すように、出力された三角波の下側ピークのタイミ
ングを検出してこれを出力する(19a)。
【0050】次いで、この出力19aを受け、位置パル
ス合成手段20は、PWMタイミングパルス検出手段1
9が検出したタイミングで位相パルス発生手段10の出
力10aの論理レベルを検知し、位相パルス発生手段1
0の出力10aが“H”レベルのときには“H”レベル
を出力してこれを次の検知タイミングまで保持し、該出
力10aが“L”レベルのときには“L”レベルに反転
させてこれを次の検知タイミングまで保持するようにし
て、図4(e) に示すように、位相パルス発生手段10の
出力10aから上記期間TpにおけるPWM制御波形を
除去し、この除去したものを位置パルス生成手段11の
出力として出力する(11a)。
【0051】なお、上記、PWMタイミングパルス発生
手段、及び位置パルス合成手段20の機能を、演算器に
おいてソフトウェアを用いることにより実現するように
してもよい。
【0052】以上のように、本実施の形態3において
は、位置パルス生成手段11を、PWM制御を行う三角
波発生器18の出力のPWM制御パルス幅内に位置する
方のピークから検出したタイミングで位相パルス発生手
段10から出力されるパルスの有無を検知し、出力され
るパルスがあった場合には該パルスの論理レベルを次の
タイミングまで保持するものであるようにしたので、P
WM制御のタイミングに合わせて位相パルス発生手段1
0から出力されるパルス列の有無を検知することがで
き、位相パルス発生手段の出力10aからPWM制御波
形の影響を確実に除去できるリトリガラブルな位置パル
ス生成手段11を有するブラシレスモータの制御装置を
提供することができる。
【0053】実施の形態3.図5は本実施の形態3によ
るブラシレスモータの制御装置の構成を示すブロック図
であり、図において、図1と同一符号は同一又は相当す
る部分を示しており、21は直流電源1の電流を検出す
る電流検出手段、22は電流検出手段21の出力をブラ
シレスモータ3の固定子巻線の電気的時定数に比例した
電圧に変換する電流電圧変換手段であり、この電流電圧
変換手段22の出力を第1,及び第2のマスクパルス発
生手段14,15に入力し、マスクパルス発生手段1
4,15で、ある時間幅Toを電流電圧変換手段22の
出力に比例するよう変化させたものをその幅とするマス
クパルスを出力するようにしている。本実施の形態3
は、実施の形態1の第1,第2のマスクパルス発生手段
14,15で発生するマスクパルスの幅Toを可変とし
たものである。
【0054】ここで、マスクパルス発生手段14,15
で発生するマスクパルスの幅は、波形の論理処理上、位
置パルス生成手段で出力するパルスの幅Tm以下となら
ないように設定しておく。
【0055】また、かかる電流電圧変換手段22,及び
マスクパルス発生手段14,15は、例えば、マスクパ
ルス発生手段14,15をモノマルチバイブレータで構
成し、電流電圧変換手段22の出力を、該モノマルチバ
イブレータの出力の周期を決定する充電電源とすること
により、実現することができる。
【0056】図6は図5のブラシレスモータの制御装置
の動作を説明するための図であって、図6(a) は相切替
わりタイミングにおける通電状態を示す図、図6(b) は
ブラシレスモータの固定子巻線のW相の端子電圧の変化
を示すグラフ図、図6(c) はブラシレスモータの固定子
巻線のW相の電流の変化を示すグラフ図である。
【0057】次に、上記のように構成されたブラシレス
モータの制御装置の動作を図5,6を用いて説明する。
【0058】ここで、相切替わり動作は、W相からU相
への切替わりを例に取り説明するものとする。
【0059】W相からU相への相切替わり動作では、ス
イッチング手段2は、図6(a) に示すように、最初、W
相の上アーム51wとV相の下アーム52vとがオンし
た状態となっており、次いで、U相の上アーム51uが
オンし、その後、W相の上アーム51wがオフする。
【0060】この動作に伴い、W相の端子電圧Vvは、
図6(b) に示すように、最初、W相の上アーム51wが
オンしている間は、直流電源1の正極の電位Edcとな
っており、その後、W相の上アーム51wがオフする
と、W相を流れる電流iwは環流ダイオード54wを通
じて流れるため、直流電源1の負極の電位(GND)よ
りも環流ダイオード54wの順方向電圧降下分だけ低い
電位となる。
【0061】この時、W相の電流iwは、W相のインダ
クタンスが持つエネルギーが減衰するまで流れるため、
図6(c) に示すように、Tdの期間にゼロまで減衰す
る。このW相の電流iwの減衰勾配は固定子巻線の電気
的時定数により定まるのでW相の電流iwが大きいほど
環流ダイオード導通期間Tdも長くなる。
【0062】一方、図5において、電流検出手段21で
直流電源1の電流を検出し、この検出した電流を電流電
圧変換手段22でブラシレスモータ3の固定子巻線の電
気的時定数に比例した電圧に変換し、この変換した電圧
出力を用いて第1,及び第2のマスクパルス発生手段1
4,15で発生するマスクパルスの幅を、直流電源1の
電流,すなわち各相の電流,及び電気的時定数に比例す
るよう変化させる。
【0063】このため、各相の電流が変化しても、環流
ダイオード導通期間Tdの影響を安定して除去できるマ
スクパルスを得ることができる。
【0064】なお、上記電流電圧変換手段22,及びマ
スクパルス発生手段14,15の機能を、演算器におい
てソフトウェアを用いることにより実現するようにして
もよい。
【0065】以上のように、本実施の形態3において
は、マスクパルスの幅を、直流電源1の電流,及びブラ
シレスモータの固定子巻線の電気的時定数に比例して変
化させるようにしたので、マスクパルスの幅がモータ電
流で補正されることとなり、運転状態に対応して環流ダ
イオード導通期間Tdをマスク処理することができ、そ
の結果、安定した高精度の回転子位置検出を行うことが
できる。
【0066】実施の形態4.図7は本実施の形態4によ
るブラシレスモータの制御装置の構成を示すブロック図
であり、図において、図1と同一符号は同一又は相当す
る部分を示しており、23は、位相パルス発生手段10
の、下アーム駆動パルス発生器13の出力信号の立ち下
がりタイミングから最初に現れるパルス、すなわち環流
ダイオード導通期間Tdのパルスのみを取り出し、その
時間幅を計測してこれを第1のマスクパルス発生手段1
4に出力する第1のパルス幅検出手段、24は、位相パ
ルス発生手段10の、上アーム駆動パルス発生器12の
出力信号の立ち下がりタイミングから最初に現れるパル
スである環流ダイオード導通期間Tdのパルスのみを取
り出し、その時間幅を計測してこれを第2のマスクパル
ス発生手段15に出力する第2のパルス幅検出手段であ
る。また、25は電流検出手段21の出力の変化量とブ
ラシレスモータ3の固定子巻線の電気的時定数とから環
流ダイオード導通期間Tdの補正量を演算してこれを、
第1のマスクパルス発生手段14,及び第2のマスクパ
ルス発生手段15に出力するパルス補正手段であり、第
1のマスクパルス発生手段14では、第1のパルス幅検
出手段23の出力にパルス補正手段25の出力を加算し
たものをその時間幅とするマスクパルスを出力し、第2
のマスクパルス発生手段15では、第2のパルス幅検出
手段24の出力にパルス補正手段25の出力を加算した
ものをその時間幅とするマスクパルスを出力し、この出
力の反転信号を出力する。
【0067】ここで、この第1,第2のマスクパルス発
生手段14,15のマスクパルスの幅は、波形の論理処
理上、位置パルス生成手段で出力するパルスの幅Tm以
下とならないように設定しておく。
【0068】また、第1のパルス幅検出手段23、第2
のパルス幅検出手段24、及びパルス補正手段25の機
能を、演算器においてソフトウェアを用いることにより
実現するようにしてもよい。
【0069】以上のように、本実施の形態4において
は、実際の環流ダイオード導通期間Tdを計測し、この
計測した時間幅Tdを電流の変化分で補正したものをマ
スクパルスの幅としているため、発生するマスクパルス
の幅の精度が高く、環流ダイオード導通期間Tdの影響
を、より安定して除去できるマスクパルスを得ることが
できる。その結果、より安定した高精度の回転子位置検
出を行うことができる。
【0070】実施の形態5.図8は本実施の形態5によ
るブラシレスモータの制御装置の構成を示すブロック図
であり、図において、図1と同一符号は同一又は相当す
る部分を示しており、26は直流電源1の正極と負極と
の間に抵抗とツェナーダイオードとを直列接続し、ツェ
ナーダイオードの両端から直流電圧を得るようにした制
御電源であり、位相パルス発生手段10はその駆動電源
を制御電源26から取っている。また、27はフォトカ
プラ27であり、位相パルス発生手段10の出力を該フ
ォトカプラ27の1次側に入力し、2次側の出力を位置
パルス生成手段11に入力している。
【0071】このような構成とすることにより、高圧側
にある位相パルス発生手段10の電源を簡単な回路で構
成でき、回転子位置検出手段の高圧絶縁を簡単な構成で
容易に実現することができる。
【0072】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係るブ
ラシレスモータの制御装置によれば、検出したブラシレ
スモータの端子電圧から、PWM制御波形をリトリガラ
ブルなパルス生成手段により、ダイオード導通期間の影
響をマスキングパルスにより除去して、回転子位置を検
出するようにしたので、バンドパスフィルタを用いる従
来例のように、位相ずれにより回転子位置検出に誤差を
生じるようなことはなく、高精度の回転子位置検出が可
能である。その結果、安定した起動特性と広範囲にわた
る高効率駆動を実現することができる。
【0073】また、請求項2の発明に係るブラシレスモ
ータの制御装置によれば、第1,及び第2のマスクパル
ス発生手段が、マスキングパルスのある時間幅Toを一
定値としたものであるようにしたので、構成を簡素化す
ることができる。
【0074】また、請求項3の発明に係るブラシレスモ
ータの制御装置によれば、マスクパルスの幅を、直流電
源の電流,及びブラシレスモータの固定子巻線の電気的
時定数に比例して変化させるようにしたので、マスクパ
ルスの幅がモータ電流で補正されることとなり、運転状
態に対応して環流ダイオード導通期間をマスク処理する
ことができ、その結果、安定した高精度の回転子位置検
出を行うことができる。
【0075】また、請求項4の発明に係るブラシレスモ
ータの制御装置によれば、実際に検出した環流ダイオー
ド導通期間を直流電源の電流の変化分,及びブラシレス
モータの固定子巻線の電気的時定数で補正したものを、
マスクパルスの幅とするようにしたので、より安定した
高精度の回転子位置検出を行うことができる。
【0076】また、請求項5の発明に係るブラシレスモ
ータの制御装置によれば、位置パルス生成手段を、PW
M制御を行う三角波発生器の出力のPWM制御パルス幅
内に位置する方のピークから検出したタイミングで位相
パルス発生手段から出力されるパルスの有無を検知し、
出力されるパルスがあった場合には該パルスの論理レベ
ルを次のタイミングまで保持するものであるようにした
ので、PWM制御のタイミングに合わせて位相パルス発
生手段から出力されるパルス列の有無を検知することが
でき、位相パルス発生手段の出力からPWM制御波形の
影響を確実に除去できるリトリガラブルな位置パルス生
成手段を有するブラシレスモータの制御装置を提供する
ことができる。
【0077】また、請求項6の発明に係るブラシレスモ
ータの制御装置によれば、直流電源の出力から位相パル
ス発生手段を駆動する直流電圧を生成する制御電源を有
し、位相パルス発生手段の出力をフォトカプラを介して
位置パルス生成手段に入力するようにしたので、高圧側
にある位相パルス発生手段の電源を簡単な回路で構成で
き、回転子位置検出手段の高圧絶縁を簡単な構成で容易
に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるブラシレスモータ
の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の回転子位置検出手段の動作を示すタイミ
ング図であって、上アーム駆動パルス発生器の出力波形
を示す図(図2(a) )、下アーム駆動パルス発生器の出
力波形を示す図(図2(b) )、電圧変換器,及び基準電
位変換器の出力波形を示す図(図2(c) )、位相パルス
発生手段の出力波形を示す図(図2(d) )、位置パルス
生成手段の出力波形を示す図(図2(e) )、第1のマス
クパルス発生手段の出力波形を示す図(図2(f) )、オ
ア回路の出力波形を示す図(図2(g) )、第2のマスク
パルス発生手段の出力波形を示す図(図2(h) )、及び
アンド回路の出力波形を示す図(図2(i) )である。
【図3】本発明の実施の形態2によるブラシレスモータ
の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の位置パルス生成手段の動作を説明するた
めのタイミング図であって、三角波発生器の出力,及び
変調波を示す図(図4(a) )、PWM信号を示す図(図
4(b) )、位相パルス発生手段の出力を示す図(図4
(c) )、PWMタイミングパルス発生手段の出力を示す
図(図4(d) )、及び位置パルス合成手段の出力を示す
図(図4(e) )である。
【図5】本発明の実施の形態3によるブラシレスモータ
の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5のブラシレスモータの制御装置の動作を説
明するための図であって、相切替わりタイミングにおけ
る通電状態を示す図(図6(a) )、ブラシレスモータの
固定子巻線のW相の端子電圧の変化を示すグラフ図(図
6(b) )、及びブラシレスモータの固定子巻線のW相の
電流の変化を示すグラフ図(図6(c) )である。
【図7】本発明の実施の形態4によるブラシレスモータ
の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態5によるブラシレスモータ
の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来のブラシレスモータの制御装置の構成を示
すブロック図である。
【図10】従来の回転子位置検出手段の構成を示す回路
図である。
【符号の説明】 1 直流電源 1a 直流電源の電圧 2 スイッチング手段 3 ブラシレスモータ 4 回転子位置検出手段 5 分配手段 6 パワードライブ手段 6a 駆動信号 7 比較器 8 電圧変換器 8a 電圧変換器の出力 9 基準電位変換器 9a 基準電位変換器の出力 10 位相パルス発生手段 10a 位相パルス発生手段の出力 11 位置パルス生成手段 11a 位置パルス生成手段の出力 12 上アーム駆動パルス発生器 12a 上アーム駆動パルス発生器の出力 13 下アーム駆動パルス発生器 13a 下アーム駆動パルス発生器の出力 14 第1のマスクパルス発生手段 14a 第1のマスクパルス発生手段の出力 15 第2のマスクパルス発生手段 15a 第2のマスクパルス発生手段の出力 16 オア回路 16a オア回路の出力 17 アンド回路 17a アンド回路の出力 18 三角波発生器 18a 三角波発生器の出力 19 PWMタイミングパルス発生手段 19a PWMタイミングパルス発生手段の出力 20 位置パルス合成手段 21 電流検出手段 22 電流電圧変換手段 23 第1のパルス幅検出手段 24 第2のパルス幅検出手段 25 パルス補正手段 26 制御電源25 27 フォトカプラ 50 ブラシレスモータの制御回路 51u,51v,51w 上アーム 52u,52v,52w 下アーム 53u,53v,53w,54u,54v,54w 環
流ダイオード 56 バンドパスフィルタ 60 変調波

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータの固定子巻線の各相の
    端子と直流電源の正極,及び負極との間にそれぞれ接続
    される第1,第2のスイッチ素子、及び該第1,第2の
    スイッチ素子に並列にそれぞれ接続された環流ダイオー
    ドを有するスイッチング手段と、 上記ブラシレスモータの固定子巻線の各相の誘起電圧か
    ら回転子位置を求める回転子位置検出手段と、 上記求めた回転子位置に基づき、上記ブラシレスモータ
    の各相の固定子巻線をある順序で通電するための相切替
    信号を生成する分配手段と、 上記生成した相切替信号に基づき上記スイッチング手段
    の第1,第2のスイッチ素子をオン/オフ駆動するとと
    もに、該第1,第2のスイッチ素子のいずれか一方をP
    WM制御するパワードライブ手段とを備えたブラシレス
    モータにおいて、 上記回転子位置検出手段は、上記直流電源の負極の電位
    をグランド電位として上記ブラシレスモータの固定子巻
    線の各相の端子電圧を1/K(Kは定数)に変換する電
    圧変換器と、 上記直流電源の電圧を1/(2K)に変換する基準電位
    変換器と、 上記電圧変換器の各相の出力と上記基準電位変換器の出
    力とを比較し、該電圧変換器の各相の出力が上記基準電
    位変換器の出力以下となる間、第1,第2の論理レベル
    を有する2値信号の該第1の論理レベルとなるパルスを
    各相毎にそれぞれ出力する位相パルス発生手段と、 上記分配手段で生成する相切替信号が上記スイッチング
    手段の各相の第2のスイッチ素子をオフさせるよう変化
    すると、ある時間Toの間、上記第1の論理レベルとな
    るマスクパルスを各相毎にそれぞれ出力する第1のマス
    クパルス発生手段と、 上記分配手段で生成する相切替信号が上記スイッチング
    手段の各相の第1のスイッチ素子をオフさせるよう変化
    すると、ある時間Toの間、上記第2の論理レベルとな
    るマスクパルスを各相毎にそれぞれ出力する第2のマス
    クパルス発生手段と、 上記位相パルス発生手段の各相にパルスが出力される都
    度トリガされ、トリガされると上記パワードライブ手段
    のPWM制御のパルス発生周期Tcより長く、かつ上記
    第1,第2のマスクパルス発生手段のマスクパルスの上
    記ある時間Toよりも短い時間Tmの間、上記第1の論
    理レベルとなるパルスを発生して各相毎に出力する位置
    パルス生成手段と、 上記位相パルス発生手段の各相の出力,上記位置パルス
    生成手段の各相の出力,及び上記第1のマスクパルス発
    生手段の各相の出力のオアを各相毎に取るオア演算手段
    と、 上記オア演算手段の各相の出力と上記第2のマスクパル
    ス発生手段の各相の出力とのアンドを各相毎に取った結
    果を回転子位置信号として出力するアンド演算手段とを
    有することを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のブラシレスモータの制
    御装置において、 上記第1,及び第2のマスクパルス発生手段は、マスク
    パルスの上記ある時間幅Toを一定値としたものである
    ことを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のブラシレスモータの制
    御装置において、 上記直流電源の電流を検出する電流検出手段,及び該電
    流検出手段の出力を上記ブラシレスモータの固定子巻線
    の電気的時定数に比例した電圧に変換して出力する電流
    電圧変換手段を有し、 上記第1,及び第2のマスクパルス発生手段は、マスク
    パルスの上記ある時間幅Toを、上記位置パルス生成手
    段で出力するパルスの幅Tmより大きい範囲内で上記電
    流電圧変換手段の出力に応じて変化させるものであるこ
    とを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のブラシレスモータの制
    御装置において、 上記位相パルス発生手段の各相の出力の、上記分配手段
    で生成する相切替信号が上記スイッチング手段の各相の
    第2のスイッチ素子をオフさせるよう変化する時点から
    最初に現れるパルスのみをそれぞれ取り出し、この取り
    出したパルスの幅を各相毎にそれぞれ検出する第1のパ
    ルス幅検出手段と、 上記位相パルス発生手段の各相の出力の、上記分配手段
    で生成する相切替信号が上記スイッチング手段の各相の
    第1のスイッチ素子をオフさせるよう変化する時点から
    最初に現れるパルスのみをそれぞれ取り出し、この取り
    出したパルスの幅を各相毎にそれぞれ検出する第2のパ
    ルス幅検出手段と、 上記直流電源の電流を検出する電流検出手段と、 該電流検出手段の出力の変化量と上記ブラシレスモータ
    の固定子巻線の電気的時定数に基づき、上記第1,及び
    第2のパルス幅検出手段で検出するパルス幅の補正量を
    出力するパルス幅補正手段とを有し、 上記第1のマスクパルス発生手段は、上記第1のパルス
    幅検出手段で検出した各相のパルス幅を上記パルス幅補
    正手段の出力で補正したものをその幅とするマスクパル
    スを各相毎に出力するものであり、 上記第2のマスクパルス発生手段は、上記第2のパルス
    幅検出手段で検出した各相のパルス幅を上記パルス幅補
    正手段の出力で補正したものをその幅とするマスクパル
    スを各相毎に出力するものであること特徴とするブラシ
    レスモータの制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のブ
    ラシレスモータの制御装置において、 上記パワードライブ手段は、上記PWM制御のためのパ
    ルス信号を三角波発生器により生成するものであり、 上記位置パルス生成手段は、上記三角波発生器の三角波
    出力の,上記生成されるPWM制御のためのパルス信号
    のパルス幅内に位置する方のピークのタイミングを検出
    するPWMタイミングパルス発生手段と、該PWMタイ
    ミングパルス発生手段で検出したタイミングで上記位相
    パルス発生手段から出力されるパルスの有無を検知し、
    出力されるパルスがあった場合には該パルスの論理レベ
    ルを次の上記検出したタイミングまで保持する位置パル
    ス合成手段とを有するものであることを特徴とするブラ
    シレスモータの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のブ
    ラシレスモータの制御装置において、 上記直流電源の出力から上記位相パルス発生手段を駆動
    する直流電圧を生成する制御電源を有し、 上記位相パルス発生手段の出力をフォトカプラを介して
    上記位置パルス生成手段に入力することを特徴とするブ
    ラシレスモータの制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2369046A (en) * 2000-11-21 2002-05-22 Mark Christopher Schneider A self rocking baby cot
CN1324803C (zh) * 2005-09-26 2007-07-04 南京航空航天大学 或门电机控制***

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