JPH10132682A - 半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた複合伝送器 - Google Patents

半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた複合伝送器

Info

Publication number
JPH10132682A
JPH10132682A JP29278796A JP29278796A JPH10132682A JP H10132682 A JPH10132682 A JP H10132682A JP 29278796 A JP29278796 A JP 29278796A JP 29278796 A JP29278796 A JP 29278796A JP H10132682 A JPH10132682 A JP H10132682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
pressure sensor
pressure
semiconductor pressure
plate material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29278796A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Shoji
康則 庄司
Seiichi Ukai
征一 鵜飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP29278796A priority Critical patent/JPH10132682A/ja
Publication of JPH10132682A publication Critical patent/JPH10132682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】製造容易でありダイアフラムへの残留歪が抑制
され単一の剛体部を有するものにも適用可能な過大圧力
保護機構を備える半導体圧力センサを実現する。 【解決手段】基板51はn型面単結晶シリコンであり差圧
検出用ダイアフラム21内には剛体部23を八角形に加工す
る。剛体部23の先端にはSiNの膜25を介してシリコンp型
高濃度不純物層からなる板材24が形成されている。圧力
導入口29の穴径は板材24の最大径よりも小さい。ダイア
フラム21の上下面の間で圧力差が生じ、上面側から過大
圧力が印加した場合は板材24とポスト材28とが接触しス
トッパとして作用する。ダイアフラム21の下面側から過
大圧力が印加すると、板材24の径をダイアフラム21を支
持する厚肉部の下面側開口部の最小径より小さく、ダイ
アフラム21の最大径より大とすることでダイアフラム21
の支持厚肉部に板材24が当たり板材24をストッパとして
作用させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラントで圧
力などを測定する際に使用される半導体圧力センサとそ
の製造方法及びこれを用いた複合伝送器に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定物の圧力を受けて変位するシリコ
ンダイアフラム上に感歪ゲージとしてピエゾ抵抗を使用
し、圧力センサを構成することは広く知られている。こ
の圧力センサに過大圧力が加わり、シリコンの破壊強度
を超えると、ダイアフラムが破損し圧力センサが壊れて
しまうため、過大圧力が印加された場合に備えて何らか
の保護機構を備え付ける必要がある。
【0003】圧力伝送器においては、圧力センサに過大
圧力が加わらないように、圧力センサを組み込む伝送器
本体に保護機構を設ける場合が多い。しかし、圧力伝送
器本体に保護機構を設けることは、圧力伝送器自体の大
きさが大きくなるばかりでなく、保護機構を組み込むこ
とによって生じる機械的歪が伝送器出力のドリフトやヒ
ステリシスの主原因となり、特性に悪影響を及ぼす。し
たがって、過大圧力に対する保護機構は圧力センサ自身
に備え付けることが望ましい。
【0004】過大圧力に対する保護機構を圧力センサ自
身に備えた例としては、特公平6−29819号公報に
記載された半導体圧力センサがある。この半導体圧力セ
ンサにおいては、ダイアフラムの表面側にキャップを有
し、下面側には突起部を有する台をシリコン基板に固着
することで、ダイアフラム表面側から印加される正側過
大圧力と、ダイアフラム下面側から印加される負側過大
圧力の正負両過大圧力に対するストッパが形成されてい
る。このように、圧力センサ自身に過大圧力保護機構を
備え付けることで、圧力伝送器の大きさを小さくするこ
とができ、伝送器の出力特性の悪化を防ぐことができ
る。
【0005】また、過大圧力に対する保護機構を圧力セ
ンサ自身に備えた例としては、特開平6−313743
号公報に記載された半導体圧力センサがある。この半導
体圧力センサにおいては、半導体チップのダイアフラム
に下方に向かって突出する2つのボスが相互に隔離して
設けられている。また、半導体チップに対向して配置さ
れる台座には、上記2つボスの間に突出する第1の突出
部と、上記2つのボスを挟んで対向する一対の第2の突
出部とが形成されている。
【0006】そして、ダイアフラム側から台座側に過大
圧力が印加された場合には、ダイアフラムが変形して、
2つのボスは一対の第2の突出部に接触し、それ以上の
ダイアフラムの変形が阻止される。また、台座側からダ
イアフラム側に過大圧力が印加された場合には、ダイア
フラムが変形して、2つのボスは、第1の突出部に接触
し、それ以上のダイアフラムの変形が阻止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特公平6
−29819号公報に記載された半導体圧力センサにお
いては、負側からの過大圧力に対する保護機構として機
能するキャップが、ダイアフラムが形成された基板に固
着されており、固着によって生じる残留歪、つまり、固
着による熱膨張等による残留する歪がダイアフラムに直
接伝わり、ダイアフラムが変形し、無負荷時における圧
力センサの出力信号オフセットが大きくなるという問題
があった。
【0008】また、上記特開平6−313743号公報
に記載された半導体圧力センサにおいては、台座に複数
のボスを形成しなければならず、製造工程が複雑となっ
てしまうという問題があった。さらに、この公報記載の
半導体圧力センサにあっては、ダイアフラムに2個以上
のボスが形成されるもののみ適用可能であり、ダイアフ
ラムの中央部には、単一の突出部(ボス)のみしか形成
されていないものには適用できないという問題もあっ
た。
【0009】本発明の目的は、製造容易であり、かつ、
ダイアフラムへの残留歪が抑制され、単一の突出部又は
剛体部を有するものにも適用可能な過大圧力保護機構を
備える半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用い
た複合伝送器を実現することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するため、本発明は次のように構
成される。すなわち、単結晶シリコン基板を裏面側から
くり抜いてこの裏面側に開口部を形成するとともに、表
面側にダイアフラム薄肉部ならびにそれを支持する厚肉
部を形成し、上記ダイアフラムの表面上に受圧素子とし
てピエゾ抵抗を配置し、上記ダイアフラム薄肉部に隣接
する領域に上記薄肉部よりも板厚の厚い剛体部と、上記
基板に圧力導入口を有する金属製の基体とを有し、上記
ダイアフラムに印加される圧力を検出する半導体圧力セ
ンサにおいて、上記剛体部のダイアフラム薄肉部側とは
反対側の面に板材を接着した構成とされる。
【0011】ダイアフラム表面側から過大圧力が印加さ
れた場合は、板材と基体とが接触するため、板材を機械
的なストッパとして作用させることができる。ダイアフ
ラムの裏面側から過大圧力が印加されたとき、ダイアフ
ラムの変形により、板材が、上記厚肉部及び剛体部に接
触するため、板材を機械的なストッパとして作用させる
ことができる (2)好ましくは、上記(1)において、上記ダイアフ
ラムの中央部に上記剛体部が形成され、上記板材の形状
は上記ダイアフラムの形状と相似形である。 (3)また、好ましくは、上記(2)において、上記ダ
イアフラムの径は、上記裏面側に形成された開口部の径
よりも小さく、この開口部の径は、上記裏面側からダイ
アフラムに向かうにつれて、徐々に小さくなっていく。
【0012】(4)また、好ましくは、上記(3)にお
いて、上記板材の最大径は、上記開口部の上記裏面にお
ける最小径よりも小さい。 (5)また、好ましくは、上記(3)において、上記板
材の最小径は、上記ダイアフラム薄肉部の最大径よりも
大きい。
【0013】(6)また、好ましくは、上記(1)〜
(5)において、上記ダイアフラムを支持する厚肉部は
圧力導入口を有するポスト材に固着され、このポスト材
の圧力導入口の径は、上記ダイアフラム薄肉部に対向す
る面では上記板材の最大径よりも大きく、上記ダイアフ
ラム薄肉部に対向する面とは反対側の面では上記板材の
最大径よりも小さい。
【0014】(7)また、好ましくは、上記(1)〜
(5)において、上記ダイアフラムを支持する厚肉部は
圧力導入口を有するポスト材に固着され、上記剛体部の
板厚と、上記板材の板厚と、これらの接着層の厚みとを
加えた板厚が上記ダイアフラムを支持する厚肉部の板厚
よりも薄く、かつ上記板材の最大径が上記ポスト材の圧
力導入口の穴径よりも大きい。
【0015】(8)また、好ましくは、上記(1)〜
(7)において、上記板材の剛体部への接着面とは反対
面に電極が形成され、上記ダイアフラムを支持する厚肉
部が固着され、圧力導入口を有するポスト材には、上記
板材の電極に対向する面に電極が形成され、これら2つ
の電極間でコンデンサを構成する。
【0016】(9)また、好ましくは、上記(8)にお
いて、上記コンデンサの容量変化が検出され、この容量
変化に基づいて、上記ダイアフラムに印加される圧力を
検出する差圧検出手段として用いられる。ダイアフラム
の変形に応じて、2つの電極間の距離が変動してコンデ
ンサの容量値も変化するため、この容量値の変化を検出
すれば、コンデンサを差圧検出手段として使用すること
ができる。
【0017】(10)また、好ましくは、上記(8)に
おいて、上記コンデンサの容量変化が検出され、この容
量変化に基づいて、この半導体圧力センサに印加される
加速度を検出する加速度検出手段として用いられる。半
導体圧力センサに印加される加速度に応じてダイアフラ
ムは変形し、ダイアフラムの変形に応じて、2つの電極
間の距離が変動してコンデンサの容量値も変化するた
め、この容量値の変化を検出すれば、コンデンサを加速
度検出手段として使用することができる。
【0018】(11)また、好ましくは、上記(1)〜
(10)において、上記ダイアフラム薄肉部と同一基板
上に温度センサが形成される。
【0019】(12)また、好ましくは、上記(1)〜
(11)において、上記ダイアフラム薄肉部と同一基板
上に、上記ダイアフラムとは別個の他のダイアフラムを
設け、この他のダイアフラム上に静圧検出用のピエゾ抵
抗を配置して静圧センサを形成する。
【0020】(13)また、複合伝送器において、上記
(1)〜(10)の半導体圧力センサと、温度検出手段
と、静圧検出手段と、上記静圧検出手段の出力信号を温
度検出手段の出力信号を用いて補正し、上記半導体圧力
センサにより検出された差圧出力信号を上記補正された
静圧検出手段及び温度検出手段の出力信号を用いて補正
する信号処理手段とを備える。
【0021】(14)好ましくは、上記(13)におい
て、上記信号処理手段は、メモリとマイクロプロセッサ
とで構成され、上記メモリに、温度変化に対する静圧検
出手段の出力信号及び差圧出力信号の関係と、静圧変化
に対する差圧出力信号の関係とを格納しておき、上記半
導体圧力センサからの検出信号を上記マイクロプロセッ
サを用いて上記メモリに格納されたデータに基づき補正
する。
【0022】(15)また、好ましくは、上記(13)
において、上記信号処理手段は、メモリとマイクロプロ
セッサとで構成され、上記メモリに、温度変化に対する
静圧検出手段の出力信号及び差圧出力信号の関係と、加
速度の影響による静圧検出手段の出力信号及び差圧出力
信号の関係と、静圧変化に対する差圧出力信号の関係と
を格納しておき、上記半導体圧力センサからの検出信号
を上記マイクロプロセッサを用いて上記メモリに格納さ
れたデータに基づき補正する。
【0023】(16)また、複合伝送器において、上記
(9)の半導体圧力センサと、温度検出手段と、静圧検
出手段と、信号処理手段とを備え、この信号処理手段
は、メモリとマイクロプロセッサとで構成され、上記メ
モリに、温度変化に対する静圧検出手段の出力信号及び
差圧出力信号の関係と、静圧変化に対する差圧出力信号
の関係とを格納しておき、上記半導体圧力センサからの
検出信号を上記マイクロプロセッサを用いて上記メモリ
に格納されたデータに基づき補正するとともに、上記メ
モリには所定の差圧しきい値が格納され、上記差圧出力
信号が、上記差圧しきい値以下であるときは、ピエゾ抵
抗による差圧出力信号を選択し、上記差圧出力信号が、
上記差圧しきい値を超えるときは、コンデンサによる差
圧検出手段を選択して出力する。
【0024】(17)また、好ましくは、上記(13)
〜(16)において、第1ダイアフラムを有し、半導体
圧力センサのダイアフラムの一方面側に圧力を直接に伝
達する第1圧力伝達流体が封入された第1受圧室と、第
2ダイアフラムを有し、上記ダイアフラムの他方面側に
直接に圧力を伝達する第2圧力伝達流体が封入された第
2受圧室とを備え、上記第1ダイアフラムに第1測定圧
力が印加され、上記第2ダイアフラムに第2測定圧力が
印加され、これら第1及び第2測定圧力の差を半導体圧
力センサで検出する。
【0025】(18)また、半導体圧力センサの製造方
法において、単結晶シリコンからなるダイアフラム支持
基板の表面に、ピエゾ抵抗を形成する工程と、上記ダイ
アフラム支持基板の裏面側に、エッチングのマスクとな
る所定のパターンを形成する工程と、上記ダイアフラム
支持基板の裏面側に、エッチングによって所定のパター
ンを形成する工程と、上記ダイアフラム支持基板の裏面
側に板材を接続した後に、エッチングによって所定のパ
ターンを形成する工程と、上記ダイアフラム支持基板の
裏面側に開口部を形成し、表面側にダイアフラム薄肉部
ならびにそれを支持する厚肉部であって、この厚肉部の
側面が、上記ダイアフラム支持基板の裏面側開口部が広
く、上記ダイアフラムが形成されている側が狭くなるよ
うにテーパ状に形成を形成し、上記ダイアフラム薄肉部
に隣接する領域に上記薄肉部よりも板厚の厚い剛体部を
形成し、上記板材を所定の形状に形成する工程と、上記
開口部と連通する圧力導入口を有する金属製の基体と、
上記ダイアフラム支持基板の裏面に固着する工程と備え
る。
【0026】(19)好ましくは、上記(18)におい
て、上記板材の上記基体に対向する面に電極を形成する
工程と、上記板材に形成された電極に対向する電極を上
記基体に形成する工程とを、さらに備える。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における第1の実
施形態である半導体圧力センサの概略上面図であり、図
2は、図1のA−O−B線に沿った概略断面図である。
図1及び図2において、基板51はn型(100)面単
結晶シリコンからなり、差圧検出用ダイアフラム21内
には、剛体部(突起部)23を例えばアルカリ異方性エ
ッチング技術を用いることにより、八角形に加工する。
あるいは等方性のエッチングによって円形に加工しても
よい。
【0028】差圧検出用ダイアフラム21の外側には4
個の静圧検出用ダイアフラム22をアルカリ異方性エッ
チングによって同時に形成する。剛体部23の先端には
SiNの膜25を介してシリコンp型高濃度不純物層か
らなる板材24が形成されている。
【0029】この板材24の形状は図1、図2では八角
形であるが、もちろん円形、その他の形状であっても良
く、ダイアフラムの形状と相似形とすることがより適切
である。27は低融点ガラス、28は圧力導入口29を
有する、例えばFe−Niからなるポスト材(基体)で
ある。上記ダイアフラム21、22上には圧力を受けて
ダイアフラムが変形した際の応力を検知するピエゾ抵抗
31a〜31d、32a〜32dおよび温度センサ33
が形成されている。34はp型高濃度不純物層の配線、
35はアルミニウムの配線、1〜12はアルミニウムの
コンタクトパッドである。
【0030】ここで、剛体部23は、図示するように、
差圧検出用ダイアフラム21に接する面積は、ポスト材
28の圧力導入口29に対向する面の面積より大であ
り、ポスト材28に向かうに従って細くなる形状となっ
ている。また、差圧検出用ダイアフラム21の径は、ポ
スト材28の圧力導入口29に対向する基板51の開口
部の径より小となっている。つまり、上記開口部は、差
圧検出用ダイアフラム21からポスト材28に向かうに
従ってその径が大となっている。
【0031】図3は、図1及び図2に示した半導体圧力
センサの製造工程を示す図である。以下、この図3を参
照して、製造工程について説明する。まず、図3の
(a)において、n型(100)面単結晶シリコンから
なるダイアフラム支持基板51の上面(表面)に、ボロ
ンを拡散して、ピエゾ抵抗31a〜31d、p型高濃度
不純物層の配線34及びアルミニウムの配線35、コン
タクトパッド1〜12を形成する。
【0032】次に、図3の(b)において、単結晶シリ
コン基板51の下面(裏面)側に、例えばCVDによっ
てSiN膜25を堆積し、アルカリ異方性エッチングの
際にマスクとなるパターンをフォトリソ、エッチングに
よって形成する。
【0033】続いて、図3の(c)において、単結晶シ
リコン基板51の下面側に、例えばCVDによってSi
O2膜26を堆積し、フォトリソ、エッチングによって
パターンを形成する。
【0034】次に、図3の(d)において、上述した工
程(a)〜(c)の後、単結晶シリコン基板51の下面
側に、例えばCVDによってシリコンp型高濃度不純物
層を堆積させ、板材24を基板51の下面に接続した後
に、フォトリソ、エッチングによってパターンを形成す
る。
【0035】次に、図3の(e)において、SiO2膜
26のエッチングを行なった後、ヒドラジンによるアル
カリ異方性エッチングにより、ダイアフラム21、2
2、剛体部23、板材24の形成を行なう。ヒドラジン
はn型シリコンに対するp型高濃度不純物シリコン、S
iNの選択比が大きく、n型シリコンの選択的なエッチ
ング除去が可能である。
【0036】この時、ダイアフラム21を支持する厚肉
部の側面は、シリコン基板51の下面側開口部が広く、
ダイアフラム21が形成されている側が狭くなるように
テーパ状に形成される。最後に、低融点ガラス27を介
して、Fe−Ni等からなるポスト材28をシリコン基
板51に固着する。この時、圧力導入口29と連通され
るダイアフラム21は、差圧検出用ダイアフラムとな
り、圧力導入口29が連通されないダイアフラム22は
静圧検出用ダイアフラムとなる。
【0037】突起部23の板厚と、SiN膜厚ならびに
板材24の板厚との和がダイアフラム21を支持する厚
膜部の板厚とほぼ同じか、もしくは大きいならば、図4
に示すようにポスト材28の板材24に対向する面側
に、板材24の最大径Dよりも大きい径Eをもつ穴部3
0を形成することで、ダイアフラム21に圧力が印加さ
れた時のダイアフラム21の変位領域を確保することが
できる。
【0038】もし、突起部23の板厚と、SiN膜厚な
らびに板材24の板厚との和がダイアフラム21を支持
する厚膜部の板厚よりも小さく、ダイアフラム上面側か
ら圧力が印加された時のダイアフラム変位領域を十分確
保できるならば、図5に示すように、ポスト材28の板
材24に対向する面側を平らな形状とすることができ
る。
【0039】いづれの場合にも、圧力導入口29の穴径
dは、板材24の最大径Dよりも小さくしておく。図
4、図5のような構造とすれば、ダイアフラム上面側か
ら過大圧力がかかった場合に板材24とポスト材28と
が接触するため、機械的なストッパが形成できる。な
お、穴部30の深さ方向の寸法の例としては、10ミク
ロン〜50ミクロンである。
【0040】差圧検出用ダイアフラム21ならびに4個
の静圧検出用ダイアフラム22のそれぞれの表面付近に
形成されたp型のピエゾ抵抗31a〜31d、32a〜
32dは、ボロン等を拡散して応力に対して最も敏感な
<110>方向に作り込まれる。ピエゾ抵抗は、長手方
向に引張応力が働いた場合抵抗値が増加する。この方向
に配列したゲージをLゲージと呼ぶ。
【0041】また、ピエゾ抵抗は、横手方向に引張応力
が働いた場合は抵抗値が減少する。この方向に配列した
ゲージをTゲージと呼ぶ。図1の例では差圧検出用ダイ
アフラム21上のピエゾ抵抗31a〜31dの4個をす
べてダイアフラム21の支持部近傍に配置し、長手方向
がダイアフラム21の半径方向と平行となる2個のLゲ
ージ31a、31c、長手方向がダイアフラム21の接
線方向と平行となる2個のTゲージ31b、31dを配
置している。
【0042】静圧検出用ダイアフラム22上にはLゲー
ジ32a、32c、Tゲージ32b、32dを配置して
いる。ピエゾ抵抗の配置方法は、図1の例の他、Lゲー
ジ2個とTゲージ2個をすべてを剛体部近傍に配置する
方法、Lゲージをダイアフラム支持部近傍に2個、剛体
部近傍に2個配置する方法、Tゲージをダイアフラム支
持部近傍に2個、剛体部近傍に2個配置する方法があ
る。31a〜31d、32a〜32dのピエゾ抵抗は図
6に示すように2組のホイートストンブリッジ回路を構
成する。
【0043】ここで、差圧検出用ダイアフラム21とピ
エゾ抵抗31a〜31dとのブリッジ回路で構成される
部分を差圧センサと呼び、静圧検出用ダイアフラム22
とピエゾ抵抗32a〜32dとのブリッジ回路で構成さ
れる部分を静圧センサと呼ぶ。ダイアフラム21又は2
2に圧力が印加されると、それぞれのダイアフラム2
1、22が撓み、ダイアフラム21、22上に形成され
たピエゾ抵抗で構成される各ブリッジ回路が、ダイアフ
ラム21、22の上面と下面との圧力差にほぼ比例した
センサ出力V1、V2を発生する。
【0044】ここで、差圧センサはダイアフラム21の
上面と下面との圧力差(差圧)を測定するのに対し、静
圧センサはダイアフラム22の上面と密閉された一定圧
力部分との圧力差(静圧)を測定することになる。
【0045】一方、ダイアフラム21、22と同一基板
上に集積化される温度センサ33も同様にボロン等を拡
散することで形成されるが、応力変化に対してほとんど
抵抗変化を示さない<100>方向に配列することで、
温度に対してのみ感度をもたせるようにする。温度セン
サ33は、図6に示したように差圧センサ、静圧センサ
のピエゾ抵抗ブリッジ回路と接続される。
【0046】ピエゾ抵抗31a〜31d、32a〜32
dの配列間ならびにアルミニウムのコンタクトパッド1
〜12への配線には、より高濃度にボロン等を拡散した
p型不純物拡散層34とアルミニウム配線35とを併用
する。この実施形態においては、ダイアフラム21、2
2の外側やピエゾ抵抗31a〜31d、32a〜32d
から離れた場所等、温度ヒステリシスの影響が比較的小
さい所については、抵抗値の小さいアルミニウム配線を
使用しているが、この他、コンタクトパッドを除くすべ
ての配線を高濃度不純物層とする配線方法も可能であ
る。
【0047】次に、図7及び図8を用いてダイアフラム
21に圧力が印加された場合のセンサの動作について説
明する。ダイアフラム21の上面と下面の間で圧力差が
生じた場合、上面側がより高圧力ならば、図7の(a)
に示すようにダイアフラム21が変形する。そして、ダ
イアフラム21の変形時に、ピエゾ抵抗が作り込まれて
いるダイアフラム21の表面付近に発生する応力は図7
(b)に示すようになる。つまり、ダイアフラム21上
では、ダイアフラム21の支持部近傍で最大の引張応力
σ1が発生し、剛体部近傍で最大の圧縮応力が発生す
る。
【0048】図7の(a)に示すように、ダイアフラム
21の外径をX、剛体部23の外径をY、ダイアフラム
の厚さをhとすれば、差圧ΔPが印加されたとき、最大
の引張応力σ1は、次の式(1)で表される。 σ1=3(X2-Y2)ΔP/(16h2) −−−(1) 図1に示すように、ダイアフラム21の支持部近傍にそ
れぞれLゲージ、Tゲージを2個ずつ配置した場合に
は、差圧センサの出力V1は次の式(2)で表される。 V1=(1/2)・π44(1−ν)σ1・V −−−(2) ここで、νはポワソン比、π44は剪断のピエゾ抵抗係数
であり、Vは励起電圧である。
【0049】次に、ダイアフラム21の下面側から過大
圧力が印加された時の動作について説明する。ダイアフ
ラム21の下面側から過大圧力が印加されたとき、ダイ
アフラム21は図8のように変形する。このとき、板材
24の径を、図1に示すようにダイアフラム21を支持
する厚肉部の裏面側開口部の最小径よりも小さく、かつ
ダイアフラム21の最大径よりも大きくしておくこと
で、アルカリ異方性エッチングの際に形成されたダイア
フラム21を支持する厚肉部のテーパ部分に板材24が
当たり、板材24を機械的なストッパとして作用させる
ことができる。
【0050】以上のように、本発明の第1の実施形態に
よれば、剛体部23のポスト材28に対向する先端面に
板材24を接続したので、単一の突起部又は剛体部23
を有するものにも適用可能な過大圧力保護機構を備える
半導体圧力センサを実現することができる。
【0051】また、図3の工程(d)において、基板5
1に板材24を接合したことによって生じる基台51へ
の残留歪は、工程(e)において、剛体部23の先端面
との接続部分を除いて、板材23と基板51との接続部
分が、除去されることにより、大部分は開放される。こ
れにより、残留歪によるダイアフラム21の変形がな
く、出力オフセットを小さく抑えることができる。
【0052】また、図3を用いて説明したように、製造
工程には、板材24の剛体部23への先端面への接続等
の簡単な工程の追加のみで、過大圧力保護機構を備えた
半導体圧力センサを製造することができる。
【0053】したがって、本発明の第1の実施形態によ
れば、製造容易であり、かつ、ダイアフラムへの残留歪
が抑制され、単一の突出部又は剛体部を有するものにも
適用可能な過大圧力保護機構を備える半導体圧力センサ
とその製造方法を実現することができる。
【0054】図9は、本発明の第2の実施形態である半
導体圧力センサの概略断面図であり、上面は図1に示し
た例と同等となるので、図示は省略する。そして、この
図9の例は、図1の上面図のA−O−B線に沿った断面
に相当する。
【0055】図9に示すように、この第2の実施形態に
おいては、板材24のポスト材28に対向する面側に電
極41、ならびにポスト材28の板材24に対向する面
側に電極42を形成し、両電極41と42との間でコン
デンサを形成する構成となっている。
【0056】コンデンサからの配線は、n型シリコン基
板51にn型高濃度不純物層43、44を形成すること
で行なう。その他の構成は図2に示した例と同様となっ
ているので、説明は省略する。
【0057】図10は、図9に示した第2の実施形態で
ある半導体圧力センサの製造工程を示す図である。以
下、図10を参照して、製造工程について説明する。図
10の(a)において、ダイアフラム支持基板51に、
ピエゾ抵抗31a〜31d、32a〜32d、p型高濃
度不純物層の配線34およびアルミニウムの配線35、
コンタクトパッド1〜12、n型高濃度不純物層43、
44を形成する。
【0058】次に、図10の(b)において、単結晶シ
リコン基板51の下面側に、SiN膜25を堆積し、ア
ルカリ異方性エッチングの際にマスクとなるパターン
と、電極取り出し用のコンタクト穴をフォトリソ、エッ
チングによって形成する。
【0059】続いて、図10の(c)において、単結晶
シリコン基板51の下面側に、SiO2膜26を堆積
し、フォトリソ、エッチングによってパターンを形成す
る。
【0060】次に、図10の(d)において、上述した
工程(a)〜(c)の後、単結晶シリコン基板51の下
面側に、板材24を接合し、シリコンp型高濃度不純物
層を堆積させ、パターンを形成した後、例えばPt/C
rの電極41を蒸着によって板材24の表面に形成す
る。
【0061】そして、図10の(e)において、SiO
2のエッチングを行なった後、ヒドラジンによるアルカ
リ異方性エッチングにより、ダイアフラム21、22、
剛体部23、板材24の形成を行なう。最後に、低融点
ガラス27を介して電極42を有するポスト材28を基
板51に固着する。
【0062】以上のようにして形成された電極41及び
42からなるコンデンサにより、容量型圧力センサとし
て使用することができる。つまり、図11に示すよう
に、圧力を受けた際に生じるダイアフラム21の変形に
応じて突起部23が変位し、同時に板材24が平行に変
位する。図12に示す曲線Pのように、ピエゾ抵抗のブ
リッジ回路の出力V1は、ダイアフラムの変位が大きく
なると非線形性が大きくなり、感度も小さくなるが、曲
線Cにようにコンデンサの容量Cは電極間の距離に反比
例するため、ダイアフラムの変位量が大きくなるほど感
度が高くなる。
【0063】したがって、差圧△Pが、差圧△P1を超
えると、ピエゾ抵抗のブリッジ回路の出力V1の非線形
性が大となるとすると、差圧ΔPが、0≦ΔP≦ΔP1
までの範囲をピエゾ抵抗型圧力センサで測定し、差圧△
Pが、ΔP1<ΔP≦ΔP2までの範囲を容量型圧力セ
ンサで測定することで、広い圧力レンジを高精度に測定
することが可能となる。
【0064】また、圧力センサが、例えば、自動車等の
動的な場所で使用される場合、ピエゾ抵抗を利用した差
圧センサとしてのみでは無く、上述したコンデンサを利
用した容量型加速度センサとしても使用することができ
る。つまり、図13に示すように、正側の差圧ΔPに加
えて正側の加速度Gがセンサに印加されたとき、板材2
4は圧力を受けた際に生じるダイアフラム21の変形に
応じた平行の変位に加えて、加速度を受けたことによる
変形を生じる。この加速度による板材の変形は、コンデ
ンサの容量値の増加をもたらす。
【0065】したがって、図13に示すように正側の差
圧及び加速度を受けた場合には、14に示すように、加
速度を受けなかった場合に比べてコンデンサの容量値が
大きくなるため、この容量変化を読み取ることで圧力成
分と加速度成分の分離をすることが可能となる。
【0066】このように、板材24に電極41を形成
し、ポスト材28に電極42を形成することで、容量型
圧力センサと容量型加速度センサとを構成することがで
き、ピエゾ抵抗型圧力センサと組み合わせることで、よ
り高精度な圧力測定が可能となる。
【0067】なお、加速度としては、図13に示すよう
に正側の加速度のみならず、負側の加速度も受ける可能
性があるが、正側の加速か負側の加速かを判別すること
が可能である。つまり、図13に示すように、正側の差
圧を受け、正側の加速を受けた場合には、板材24はポ
スト材28方向に変形するので、板材24が変形を受け
ていない状態に比較して容量値は大となる。
【0068】一方、図15に示すように、正側の差圧を
受け、負側の加速を受けた場合には、板材24はポスト
材28から離間する方向に変形するので、板材24が変
形を受けていない状態に比較して、容量値は小となる。
【0069】したがって、板材24が変形していない状
態、つまり、加速を受けていない状態における、正側の
差圧と容量値との関係が予め分かっていれば、その容量
値より、どれだけ小の容量値か、又は大の容量値かを算
出すれば、どの位の正側の加速を受けたか、負側の加速
を受けたかを検出することができる。
【0070】また、図16に示すように、負側の差圧を
受け、正側の加速を受けた場合には、板材24はポスト
材28方向に変形するので、板材24が変形を受けてい
ない状態に比較して容量値は大となる。
【0071】一方、図17に示すように、負側の差圧を
受け、負側の加速を受けた場合には、板材24はポスト
材28から離間する方向に変形するので、板材24が変
形を受けていない状態に比較して、容量値は小となる。
【0072】したがって、板材24が変形していない状
態、つまり、加速を受けていない状態における、負側の
差圧と容量値との関係が予め分かっていれば、その容量
値より、どれだけ小の容量値か、又は大の容量値かを算
出すると、どの位の正側の加速をうけたか、負側の加速
を受けたかを検出することができる。このように、正側
及び負側の差圧を受け、かつ、加速を受けた場合におい
ても、正側の加速を受けたか、負側の加速を受けたかを
判断することが可能である。
【0073】なお、半導体圧力センサは、図10の工程
(e)の後、図18に示すように出力取り出し用金具
(シール金具)75に溶接あるいは接着され、センサの
コンタクトパッド1〜12と出力取り出し用端子76と
がリードワイヤ77で接続される。この金具75は、ハ
ーメチックシールによって気密構造となっている。
【0074】以上のように、本発明の第2の実施形態に
よれば、第1の実施形態の効果を有する他、次のような
効果を有する。すなわち、板材24のポスト材28に対
向する面側に電極41、ならびにポスト材28の板材2
4に対向する面側に電極42を形成し、両電極41と4
2との間でコンデンサを形成する構成としたので、ピエ
ゾ抵抗のブリッジ回路の出力の線形性が良好な差圧範囲
をピエゾ抵抗型圧力センサで測定し、ピエゾ抵抗のブリ
ッジ回路の出力の非線形性が大となる差圧範囲をを容量
型圧力センサで測定することで、広い圧力レンジを高精
度に測定することが可能となる。
【0075】さらに、半導体圧力センサが、例えば、自
動車等の動的な場所で使用される場合、ピエゾ抵抗を利
用した差圧センサとしてのみでは無く、上述したコンデ
ンサを容量型加速度センサとして使用することができ
る。
【0076】図19は、本発明の第3の実施形態である
複合伝送器の概略断面図である。図19において、シー
ル金具75に組み込まれた、図4、図5又は図9に示し
た構成の半導体圧力センサを複合伝送器の受圧部81に
組み込む。
【0077】高圧力側のシールダイアフラム82aと低
圧力側のシールダイアフラム82bに印加された圧力
は、シリコーンオイル等の圧力伝達流体83を通してセ
ンサチップ84に伝達される。
【0078】半導体センサの出力は、FPC(フレキシ
ブルプリント回路)85を通して信号処理部へ伝達され
る。本発明の複合伝送器の場合、差圧、静圧、温度の3
種類の出力信号をMPX(マルチプレクサ)86を介し
て選択的に取り込む。
【0079】次に、PGA(プログラマブルゲインアン
プ)87によって出力信号を増幅し、A/D変換器88
でディジタル信号に変換して、MPU(マイクロプロセ
ッサ)89に送信する。MPU(信号処理手段)89
は、差圧、静圧、温度センサの各特性および容量型圧力
センサの特性、差圧しきい値、加速度の特性が格納され
たROM90のデータに基づいてセンサ出力を補正演算
し、差圧、静圧、温度、加速度のそれぞれの値を算出す
る。
【0080】このときに、センサに印加された差圧が、
差圧しきい値ΔP1以下であるかΔP1より大きいのかを
判断して、差圧がΔP1以下の場合には、ピエゾ抵抗型
圧力センサの出力を、差圧がΔP1より大きい場合に
は、容量型圧力センサの出力を用いる。このようにすれ
ば、広い圧力レンジにわたって高感度なセンサ出力を得
ることができる。
【0081】こうして得られた値は、再びD/A変換器
91でアナログ信号に変換し、V/I変換器92を介し
て高精度なアナログ信号、ディジタル信号あるいはアナ
ログ、ディジタル信号が重畳した信号を出力する。
【0082】ところで、過大圧に対する機械的ストッパ
をセンサチップ自体に有してはいない従来の複合伝送器
においては、伝送器本体に機械的ストッパとなるセンタ
ダイアフラムを形成する等の対策が必要であった。つま
り、シールダイアフラム82a、82bに印加された過
大圧力が、圧力伝達流体を介してセンサチップに直接伝
達された場合には、センサチップが破損する可能性があ
るため、シールダイアフラム82a、82bとセンサチ
ップとの間に、センターダイアフラムを配置し、シール
ダイアフラム82a、82bに印加された圧力が、セン
ターダイアフラムを介して、センサチップに伝達される
ように構成する必要があった。
【0083】このようなセンターダイアフラムを伝送器
本体に設ける構成とすることは、製作工程が複雑になる
だけでなく、伝送器出力のドリフトや温度ヒステリシス
等の主原因となってしまっていた。
【0084】これに対して、本発明による半導体圧力セ
ンサは、圧力センサ自体に正負両過大圧に対する機械的
なストッパが形成されているため、過大圧力がかかった
場合にセンサチップを保護するセンターダイアフラム等
の特別な構造を伝送器本体に設ける必要がなく、製作が
容易になり、伝送器としての出力特性をより安定にする
ことができる。
【0085】以上のように、本発明の一実施形態におけ
る複合伝送器によれば、図4、図5又は図9に示した構
成の半導体圧力センサを備えているので、センサチップ
を保護するセンターダイアフラム等の特別な構造を伝送
器本体に設ける必要がなく、製作が容易になり、伝送器
としての出力特性をより安定にすることができる。
【0086】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、次のような効果がある。製造容易であり、
かつ、ダイアフラムへの残留歪が抑制され、単一の突出
部又は剛体部を有するものにも適用可能な過大圧力保護
機構を備える半導体圧力センサとその製造方法及びこれ
を用いた複合伝送器を実現することができる。
【0087】また、この保護機構を用いることで、高精
度な過大圧力保護機構付半導体圧力センサが実現でき
る。また、この保護機構を用いて互いに対向する2つの
電極を形成して、容量型センサを構成することで、広い
圧力レンジを高精度に測定できる他、圧力成分と加速度
成分の分離を行なうことも可能となる。
【0088】また、圧力センサ自身に正負両過大圧に対
する機械的ストッパを設けることができたため、伝送器
本体の構造が簡素化でき、出力特性の安定した高精度な
複合伝送器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施形態である半導体圧
力センサの概略上面図である。
【図2】図1のA−O−B線に沿った概略断面図であ
る。
【図3】図1及び図2に示した半導体圧力センサの製造
工程を示す図である。
【図4】ポスト材の形状の一例を示す概略断面図であ
る。
【図5】ポスト材の形状の他の例を示す概略断面図であ
る。
【図6】ピエゾ抵抗の結線図である。
【図7】圧力が印加された時のダイアフラムの変形及び
応力分布を示す図である。
【図8】ダイアフラム下面側から過大圧力が印加した時
のダイアフラムの変形を示す図である。
【図9】本発明における第2の実施形態である半導体圧
力センサの概略断面図である。
【図10】図9に示した半導体圧力センサの製造工程を
示す図である。
【図11】図9に示した半導体圧力センサに圧力が印加
した時のダイアフラムの変形を示す図である。
【図12】図9に示した半導体圧力センサにおける差圧
に対する、ブリッジ出力と容量変化との関係を示すグラ
フである。
【図13】図9に示した半導体圧力センサに正側の差圧
と加速とが同時に印加した時の変形を示す図である。
【図14】図9に示した半導体圧力センサに差圧のみが
印加された場合と、差圧と加速とが同時に印加した場合
とにおける、差圧と容量値変化との関係を示すグラフで
ある。
【図15】図9に示した半導体圧力センサに正側の差圧
と負側の加速とが同時に印加した時の変形を示す図であ
る。
【図16】図9に示した半導体圧力センサに負側の差圧
と正側の加速とが同時に印加した時の変形を示す図であ
る。
【図17】図9に示した半導体圧力センサに負側の差圧
と加速とが同時に印加した時の変形を示す図である。
【図18】第2の実施形態における半導体圧力センサを
出力取り出し用金具(シール金具)に組み込んだ状態の
概略断面図である。
【図19】本発明の第3の実施形態である複合伝送器の
概略断面図である。
【符号の説明】
1〜12 複合センサ出力取り出し用アルミコンタクト
パッド 21 差圧検出用ダイアフラム 22 静圧検出用ダイアフラム 23 剛体部 24 板材 25 剛体部と板材の接着層 26 エッチング時の犠牲層として用いられる酸化膜 27 低融点ガラス 28 ポスト材 29 圧力導入口 30 板材の最大径よりも大きな径を有する穴部 31a〜31d 差圧検出用ダイアフラム上ピエゾ抵抗 32a〜32d 静圧検出用ダイアフラム上ピエゾ抵抗 33 温度センサ用ゲージ 34 p型高濃度不純物層配線 35 アルミニウム配線 41 板材側電極 42 ポスト材側電極 43 板材側シリコンn型高濃度不純物層 44 基板表面側シリコンn型高濃度不純物層 51 n型単結晶シリコン基板 75 ハーメチックシール 76 出力取り出し用端子 77 リードワイヤ 81 差圧伝送器受圧部 82a 高圧力側シールダイアフラム 82b 低圧力側シールダイアフラム 83 圧力伝達流体 84 センサチップ 85 フレキシブルプリント回路 86 マルチプレクサ 87 プログラマブルゲインアンプ 88 A/D変換器 89 マイクロプロセッサ 90 ROM 91 D/A変換器 92 V/I変換器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶シリコン基板を裏面側からくり抜い
    てこの裏面側に開口部を形成するとともに、表面側にダ
    イアフラム薄肉部ならびにそれを支持する厚肉部を形成
    し、上記ダイアフラムの表面上に受圧素子としてピエゾ
    抵抗を配置し、上記ダイアフラム薄肉部に隣接する領域
    に上記薄肉部よりも板厚の厚い剛体部と、上記基板に圧
    力導入口を有する金属製の基体とを有し、上記ダイアフ
    ラムに印加される圧力を検出する半導体圧力センサにお
    いて、上記剛体部のダイアフラム薄肉部側とは反対側の
    面に接着された板材を備えることを特徴とする半導体圧
    力センサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体圧力センサにおい
    て、上記ダイアフラムの中央部に上記剛体部が形成さ
    れ、上記板材の形状は上記ダイアフラムの形状と相似形
    であり、上記ダイアフラムの径は、上記裏面側に形成さ
    れた開口部の径よりも小さく、この開口部の径は、上記
    裏面側からダイアフラムに向かうにつれて、徐々に小さ
    くなっていくことを特徴とする半導体圧力センサ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の半導体圧力センサにおい
    て、上記板材の最大径は、上記開口部の上記裏面におけ
    る最小径よりも小さく、上記板材の最小径は、上記ダイ
    アフラム薄肉部の最大径よりも大きいことを特徴とする
    半導体圧力センサ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の
    半導体圧力センサにおいて、上記板材の剛体部への接着
    面とは反対面に電極が形成され、上記ダイアフラムを支
    持する厚肉部が固着され、圧力導入口を有するポスト材
    には、上記板材の電極に対向する面に電極が形成され、
    これら2つの電極間でコンデンサを構成することを特徴
    とする半導体圧力センサ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載のうちのいずれか一項記
    載の半導体圧力センサと、温度検出手段と、静圧検出手
    段と、上記静圧検出手段の出力信号を温度検出手段の出
    力信号を用いて補正し、上記半導体圧力センサにより検
    出された差圧出力信号を上記補正された静圧検出手段及
    び温度検出手段の出力信号を用いて補正する信号処理手
    段とを備えることを特徴とする複合伝送器。
  6. 【請求項6】半導体圧力センサの製造方法において、 単結晶シリコンからなるダイアフラム支持基板の表面
    に、ピエゾ抵抗を形成する工程と、 上記ダイアフラム支持基板の裏面側に、エッチングのマ
    スクとなる所定のパターンを形成する工程と、 上記ダイアフラム支持基板の裏面側に、エッチングによ
    って所定のパターンを形成する工程と、 上記ダイアフラム支持基板の裏面側に板材を接続した後
    に、エッチングによって所定のパターンを形成する工程
    と、 上記ダイアフラム支持基板の裏面側に開口部を形成し、
    表面側にダイアフラム薄肉部ならびにそれを支持する厚
    肉部であって、この厚肉部の側面が、上記ダイアフラム
    支持基板の裏面側開口部が広く、上記ダイアフラムが形
    成されている側が狭くなるようにテーパ状に形成を形成
    し、上記ダイアフラム薄肉部に隣接する領域に上記薄肉
    部よりも板厚の厚い剛体部を形成し、上記板材を所定の
    形状に形成する工程と、 上記開口部と連通する圧力導入口を有する金属製の基体
    と、上記ダイアフラム支持基板の裏面に固着する工程と
    備えることを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の半導体圧力センサの製造方
    法において、上記板材の上記基体に対向する面に電極を
    形成する工程と、上記板材に形成された電極に対向する
    電極を上記基体に形成する工程とを、さらに備えること
    を特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
JP29278796A 1996-11-05 1996-11-05 半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた複合伝送器 Pending JPH10132682A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29278796A JPH10132682A (ja) 1996-11-05 1996-11-05 半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた複合伝送器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29278796A JPH10132682A (ja) 1996-11-05 1996-11-05 半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた複合伝送器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10132682A true JPH10132682A (ja) 1998-05-22

Family

ID=17786339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29278796A Pending JPH10132682A (ja) 1996-11-05 1996-11-05 半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた複合伝送器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10132682A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002054032A1 (en) * 2001-01-03 2002-07-11 Honeywell International Inc. Forming a composite pressure diaphragm with implantations, epitaxy, and a silicon nitride layer
JP2002532721A (ja) * 1998-12-11 2002-10-02 サゲム ソシエテ アノニム 動力車におけるタイヤの加速検出器
WO2007072846A1 (ja) * 2005-12-20 2007-06-28 Hokuriku Electric Industry Co., Ltd. 半導体センサ及び半導体センサ用センサ本体の製造方法
JP2010014734A (ja) * 2009-10-19 2010-01-21 Hokuriku Electric Ind Co Ltd 半導体加速度センサ
CN110015632A (zh) * 2017-11-30 2019-07-16 台湾积体电路制造股份有限公司 传感器件及其制造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002532721A (ja) * 1998-12-11 2002-10-02 サゲム ソシエテ アノニム 動力車におけるタイヤの加速検出器
WO2002054032A1 (en) * 2001-01-03 2002-07-11 Honeywell International Inc. Forming a composite pressure diaphragm with implantations, epitaxy, and a silicon nitride layer
US6528340B2 (en) 2001-01-03 2003-03-04 Honeywell International Inc. Pressure transducer with composite diaphragm
US6796193B2 (en) 2001-01-03 2004-09-28 Honeywell International Inc. Pressure transducer with composite diaphragm
WO2007072846A1 (ja) * 2005-12-20 2007-06-28 Hokuriku Electric Industry Co., Ltd. 半導体センサ及び半導体センサ用センサ本体の製造方法
GB2447386A (en) * 2005-12-20 2008-09-10 Hokuriku Elect Ind Semiconductor sensor and method of producing sensor body for semiconductor sensor
GB2447386B (en) * 2005-12-20 2010-08-04 Hokuriku Elect Ind Semiconductor sensor and manufacturing method of sensor body for semiconductor sensor
US8173472B2 (en) 2005-12-20 2012-05-08 Hokuriku Electric Industry Co., Ltd. Semiconductor sensor and manufacturing method of sensor body for semiconductor sensor
JP5100396B2 (ja) * 2005-12-20 2012-12-19 北陸電気工業株式会社 半導体センサ用センサ本体の製造方法
JP2010014734A (ja) * 2009-10-19 2010-01-21 Hokuriku Electric Ind Co Ltd 半導体加速度センサ
CN110015632A (zh) * 2017-11-30 2019-07-16 台湾积体电路制造股份有限公司 传感器件及其制造方法
US11186481B2 (en) 2017-11-30 2021-11-30 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Sensor device and manufacturing method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4565096A (en) Pressure transducer
US7866215B2 (en) Redundant self compensating leadless pressure sensor
JP4044307B2 (ja) 圧力センサ
US7775117B2 (en) Combined wet-wet differential and gage transducer employing a common housing
EP2458359A1 (en) Semiconductor pressure sensor, pressure sensor device, electronic apparatus, and method for manufacturing semiconductor pressure sensor
JP2656566B2 (ja) 半導体圧力変換装置
US5537882A (en) Semiconductor sensor for detecting physical amount without thermal hypsteresis where output wiring is disposed in a stress insensitive direction
US4574640A (en) Integrated dual-range pressure transducer
KR19980032489A (ko) 반도체 압력 센서
JPH01141328A (ja) 差圧伝送器
JPH09329516A (ja) 半導体圧力センサ及びこれを用いた複合伝送器
JPH10132682A (ja) 半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた複合伝送器
JP2895262B2 (ja) 複合センサ
JP2009265012A (ja) 半導体センサ
JPH10142086A (ja) 半導体圧力センサとその製造方法及びこれを用いた差圧伝送器
US11692895B2 (en) Differential pressure sensor
JP2009288170A (ja) 半導体圧力センサ
JPH11304615A (ja) 圧力センサ
JP2001004470A (ja) 半導体圧力センサ
JPS59145940A (ja) 差圧・圧力伝送器
JP2512220B2 (ja) 複合機能形センサ
JPH1114484A (ja) 圧力センサ及びその製造方法並びに差伝送器
JPH11142269A (ja) 半導体圧力センサ及びこれを用いた複合伝送器
JPH0419495B2 (ja)
JPS5845533A (ja) 圧力検出器