JPH10132028A - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

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JPH10132028A
JPH10132028A JP24963897A JP24963897A JPH10132028A JP H10132028 A JPH10132028 A JP H10132028A JP 24963897 A JP24963897 A JP 24963897A JP 24963897 A JP24963897 A JP 24963897A JP H10132028 A JPH10132028 A JP H10132028A
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勝 江端
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昌和 神谷
Kiyotomo Kobayashi
清倫 小林
Hideji Sadakari
秀治 貞苅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】動力伝達機構及びそれを構成する各機構の耐久
性の向上。 【解決手段】内径側或いは外径側の一方に駆動側部材
6、他方に被動側部材7を配し、駆動側部材6と被動側
部材7の半径方向間に配され、駆動側部材6或いは被動
側部材7の一方に略同心に係合され、他方の周面が滑り
面とされた滑り軸受18を備えたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝達機構に関
し、特にエンジン機構側から変速機構側に動力を断接可
能且つトルク変動吸収可能に伝達する動力伝達機構に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の動力伝達機構の例として、図4及
び図5に、英国特許GB2269440号に開示されたトルク変
動吸収装置を示す。図4及び図5を参照して、このエン
ジンとトランスミッションとの間にのトルク変動を吸収
するために設けられたトルク変動吸収装置は、駆動側部
材53、54、60と、被動側部材55、56、59、
トーション機構としてコイルスプリング50、及び駆動
側部材(ドライブプレート)53と被動側部材(ドリブ
ンプレート)56との側面間に配され、摩擦摺動による
ヒステリシスを発揮するヒステリシス機構62を備え、
エンジンからの駆動力は、駆動軸に固定された駆動側部
材60から53及び54、コイルスプリング50を介し
て、被動側部材55から56、59へと伝達される。被
動側部材(フライホイール)59を駆動側部材(内ハ
ブ)60に対して同心且つ相対回転可能に保持するため
に、駆動側部材60外周面と被動側部材59内周面との
間に、転がり軸受61が配置されている。
【0003】また、駆動側部材外周面と被動側部材内周
面の間に設けられ、被動側部材を駆動側部材に対して同
心かつ相対回転に保持するための軸受として、特公昭56
-43176号には、駆動側部材と被動側部材との半径方向間
にフランジ状の滑り軸受を挿入したトルク変動吸収装置
が提案されている。この滑り軸受は、駆動側部材の外周
面と被動側部材の内周面との両周面を滑り面としてい
る。
【0004】また、上記英国特許GB2269440号のトルク
変動装置によれば、トーション部材として装置外周部に
配設されたトーションスプリング50を収容する空間に
はグリスが封入され、この空間の装置内周側のシールと
して、被動側プレート56内周部と駆動側プレート54
内周部の軸方向間にシール58及び圧縮状態で薄板ばね
57を配して、これによって駆動側プレート54と被動
側プレート56との相対回動を許容すると共にシール機
能を発揮させている。
【0005】また、上記英国特許GB2269440号の装置に
おいては、低コスト化のため、駆動側部材(ドライブプ
レート)53を鉄板化している。
【0006】また、図4を参照して上記英国特許GB2269
440号の装置において、トーションスプリング50外周
側と駆動側プレート53、54内周側には、遠心力によ
ってトーションスプリング50が外周側に移動して駆動
側プレート53、54と摺動するのを防止するために、
スプリングシート51、52の外周側をトーションスプ
リング50外周側と駆動側プレート53、54内周側と
の間に延伸している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1
に、上記英国特許GB2269440号のトルク変動吸収装置の
ように、転がり軸受を採用することによってコストが上
昇する。また、上記特公昭56-43176号に開示された滑り
軸受は、駆動側部材の外周面と被動側部材の内周面とを
いずれも滑り面とするため、装置半径方向にガタが生じ
易く、駆動側部材に対する被動側部材の同心度が維持で
きず、この同心度のアンバランスに起因する振動が発生
するという問題点がある。
【0008】第2に、図4及び図5を参照して、上記英
国特許GB2269440号において、トルク変動装置の外周部
に配設されたトーションスプリング50を収容する空間
を密閉する機構によれば、シール58は装置の回転によ
る強い圧力が印加されないように装置内周側に配置され
ており、装置の回転時には遠心力によってグリスは装置
外周側へ移動するため、シール58の被動側プレート5
6に対する摺動面がドライ状態となって、磨耗が進行し
シール機能が消失して、シール58部分からグリス漏れ
が発生するという問題点がある。
【0009】加えて、上記シールされた空間の最も内周
側に、ヒステリシス機構が配置されており、装置の回転
数に応じて、このヒステリシス機構のスラストプレート
にグリスが付着したり又は摩擦部材がドライ状態になっ
たりするため、ヒステリシスが不安定となる。さらに、
上記空間は密閉されているため放熱性が悪く、ドライ状
態において熱容量の小さいスラストプレートは高温とな
り、ライニング磨耗が促進され、ヒステリシス機能が次
第に失われるという問題点がある。
【0010】第3に、図4及び図5を参照して、上記英
国特許GB2269440号の装置においては、低コスト化のた
め、駆動側プレート53を鉄板化しているが、装置が軸
方向の振動を受けた際に、この駆動側プレート53が駆
動軸に固定されている部分近傍に発生する集中応力によ
って、駆動側プレート53に亀裂、破損などが生じるお
それがある。
【0011】第4に、図4及び図5を参照して、上記英
国特許GB2269440号の装置において、スプリングシート
51、52の外周側をトーションスプリング50外周側
と駆動側プレート53、54内周側に延伸することによ
って、このスペースが消費されるため、トーションスプ
リング50の収容位置は、その外周側にスプリングシー
ト51、52がある分内周側になる。このため、より高
剛性かつ大きなトーションスプリング50を使用しなけ
れば、十分なトルク変動吸収特性が得られないという問
題点がある。
【0012】上記問題点に鑑み、本発明は動力伝達機構
及びそれを構成する各機構の耐久性の向上を図ることを
を目的とする。また、別の目的として動力伝達機構をト
ルク変動吸収装置として構成する場合に構成要素とされ
るトーション機構のコンパクト化を図ることも目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の視点における手段は、回転し動力を
伝達する駆動側部材と、該動力が伝達されて回転される
被動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可能に配さ
れる動力伝達機構であって、内径側或いは外径側の一方
に前記駆動側部材を、他方に前記被動側部材を配し、前
記駆動側部材と前記被動側部材の半径方向間に配され、
前記駆動側部材或いは前記被動側部材の一方に略同心に
係合され、他方の周面が滑り面とされた滑り軸受を備え
たことを特徴としている。
【0014】好ましくは、前記滑り軸受は、前記駆動側
部材と前記被動側部材とによって囲まれる空間に配さ
れ、前記滑り面より半径方向内方において、前記滑り軸
受の側面、及び/又は、該滑り軸受の側面に対向する前
記駆動側部材及び/又は前記被動側部材の側面に前記潤
滑剤溜まりを設け、前記潤滑剤溜まりに溜められた潤滑
剤が遠心力により潤滑剤溜まりよりも半径方向外方に位
置する前記滑り面に供給されるように、前記滑り軸受の
側面と、該滑り軸受の側面に対向する前記駆動側部材の
側面及び/又は被動側部材の側面との間にクリアランス
を設けたことを特徴とする。さらに、好ましくは、前記
滑り軸受の側面と該滑り軸受に対向する前記駆動側部材
又は前記被動側部材との間に設けられ、該滑り軸受に当
接して、該滑り軸受を軸方向に関し前記被動側部材又は
前記駆動側部材に向かって付勢し、かつ該滑り軸受側面
から軸方向への潤滑剤漏れを防止する皿ばねを備えたこ
とを特徴とする。特に、好ましくは、前記皿ばねの外周
側に、該皿ばねの外周部から半径方向外方への潤滑剤漏
れを防止するように配されたシール部材を備えたことを
特徴とする。
【0015】本発明の第2の視点における手段は、回転
し動力を伝達する駆動側部材と、該動力が伝達されて回
転される被動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可
能に配される動力伝達機構であって、前記駆動側部材と
前記被駆動側部材の間には、前記駆動側部材と該被動側
部材の回転トルク変動を吸収するトーション機構が収容
され、前記トーション機構を収容する空間に配置され、
少なくとも一つの摩擦部材を備え該摩擦部材の前記駆動
側部材又は前記被動側部材に対する摺動によってヒステ
リシスを発生する第1のヒステリシス機構と、前記トー
ション機構を収容する空間外に配置され、摩擦部材の摺
動により前記第1のヒステリシス機構とは異なるヒステ
リシスを発生する第2のヒステリシス機構と、を備えた
ことを特徴としている。
【0016】本発明の第3の視点における手段は、回転
し動力を伝達する駆動側部材と、該動力が伝達されて回
転される被動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可
能に配される動力伝達機構であって、前記駆動側部材と
前記被駆動側部材の間には、前記駆動側部材と該被動側
部材の回転トルク変動を吸収するトーション機構が収容
され、前記トーション機構を収容する空間の内周側に配
置され、少なくとも一つの摩擦部材を備え該摩擦部材の
前記駆動側部材又は前記被動側部材に対する摺動によっ
てヒステリシスを発生する第1のヒステリシス機構と、
前記トーション機構を収容する空間外に配置され、摩擦
部材の摺動により前記第1のヒステリシス機構とは異な
るヒステリシスを発生する第2のヒステリシス機構と、
を備え、前記第1のヒステリシス機構により前記空間の
内周側がシールされることを特徴としている。
【0017】本発明の第4の視点における手段は、回転
し動力を伝達する駆動側部材と、該動力が伝達されて回
転される被動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可
能に配される動力伝達機構であって、前記駆動側部材及
び/又は前記被動側部材によって囲まれた空間に、該駆
動側部材と該被動側部材との回転トルク変動を吸収する
トーション機構が収容され、前記空間外において、摩擦
部材を備え該摩擦部材の摺動によってヒステリシスを発
生する第2のヒステリシス機構が配置され、前記摩擦部
材と前記駆動側部材或いは前記被動側部材のいずれか一
方の軸方向間に皿ばねが配され、前記摩擦部材は、前記
皿ばねの付勢力を受けて前記駆動側部材或いは前記被動
側部材の他方に摩擦力により係止され、且つ前記駆動側
部材或いは前記被動側部材の他方に対して装置の回転方
向に所定角度クリアランスを有し、該駆動側部材と該被
動側部材との相対回転が前記所定角度以上に達したとき
に係合可能であることを特徴としている。
【0018】本発明の第5の視点における手段は、回転
し動力を伝達する駆動側部材と、該動力が伝達されて回
転される被動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可
能に配される動力伝達機構であって、前記駆動側部材の
内周側は駆動軸に固定され、中間部には穴が開けられ、
外周部と内周部が略アーム状に接続されていることを特
徴としている。
【0019】本発明の第6の視点における手段は、回転
し動力を伝達する駆動側部材と、該動力が伝達されて回
転される被動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可
能に配される動力伝達機構であって、前記駆動側部材と
該被動側部材との装置回転方向間に直列に回転トルク変
動を吸収するトーション部材が配置され、前記トーショ
ン部材の端部から内周側に挿入され、半径方向に該トー
ション部材を係止するスプリングシートを備えたことを
特徴としている。
【0020】上記目的を達成するために、本発明の第7
の視点における手段は、回転し動力を伝達する駆動側部
材と、該動力が伝達されて回転される被動側部材とが、
軸受を介して互いに略同心かつ相対回転可能に配される
動力伝達機構であって、前記軸受のインナレース又はア
ウタレースが被駆動側部材に固定されていることを特徴
としている。
【0021】上記目的を達成するために、本発明の第8
の視点における手段は、回転し動力を伝達する駆動側部
材と、フライホイールに連結され該動力の伝達により回
転される被駆動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転
可能に配される動力伝達機構であって、前記駆動側部材
と前記被駆動側部材の内、少なくとも一方の外周に慣性
体が形成されたことを特徴としている。
【0022】第2の視点において好ましくは、前記駆動
側部材と前記被動側部材とは軸受を介して互いに略同心
かつ相対回転可能に配されており、第1又は第2のヒス
テリシス機構を前記トーション機構の内周側且つ前記軸
受の外周側に配設する。この手段によれば、摩擦部材の
作用半径を拡大することができるため、摩擦部材に加わ
る面圧を下げても、大きな摩擦トルクを得ることができ
る。また、駆動側部材(例えば、摩擦部材を挟着する2
枚のドライブプレート)が摩擦部材を保持する機能を有
することにより、摩擦部材の保持するための部材を別途
設ける必要がなくされる。また、摩擦部材が被駆動部材
を貫通することにより、摩擦部材の両側を駆動部材で挟
着すると共に、摩擦部材と被駆動部材との円周方向間に
所定のクリアランスを設けることが可能となる。これに
よって、円周方向の隙間に相当する振幅(トルク変動)
によっては実質的に摩擦力が発生せず、隙間に相当する
振幅の範囲を超える振幅が発生してから摩擦力が発生す
る。すなわち、振幅の大きさに対応してヒステリシスを
変化させることができる。また、摩擦部材を複数に分割
することにより、ヒステリシスを段階的に変化させるこ
とができる。ここで、被動側部材又は駆動側部材との間
にクリアランスを有していない摩擦部材の面積をクリア
ランスを有する摩擦部材のそれより大きくすることによ
り、トルク変動初期段階に発生する大きなショックを受
ける側の摩擦部材に過大な力が加わることが防止され
る。
【0023】また、ヒステリシス機構を構成しフライホ
イールと摺動する摩擦部材を付勢する押圧力が軸受に作
用するようにし、押圧力の方向とレリーズベアリング
(レバー)機構が動力を断状態にするために移動する方
向を合わせることにより、ベアリング(駆動部材と被駆
動部材間に配された軸受)の装置軸方向ガタが予め殺さ
れているため、ヒステリシス機構の摩擦部材が摩滅した
場合でも、クラッチレリーズストロークのロスが少な
い。軸受の抜け止め用部材を別途設ける必要もなくされ
る。また、フライホイールは一般的に熱容量が大きく、
フライホイールを被摩擦部材とすることにより、摺動発
生時のヒステリシス機構の温度が安定するため、常に安
定した大きさのヒステリシスが発揮される。なお、摩擦
部材がフライホイールのエンジン側の面又はトランスミ
ッション側の面に対して配置するかは、レリーズベアリ
ング機構の操作方向に合わせることが好ましい。
【0024】第3の視点において好ましくは、駆動側部
材と被動側部材の間に直列に配置されたスプリングの
内、両端のスプリングのバネ定数を小さくすることによ
り、車両異音の多くは、エンジンが低トルク出力時に発
生する小振幅に起因しているところ、スプリングシート
摺動摩擦の影響が小さい部分に低バネ定数のバネを配置
することにより、トーション(ダンパ)機構を低剛性、
小ヒステリシス特性化して、これによって低トルク時の
振動吸収能力が向上される。また、直列に配置された複
数のスプリングの最大圧縮長さを共通にすることによ
り、中間のスプリングシートの形状(ボス部の周方向長
さなど)を統一することができるため、部品の種類を低
減することができる。好ましくは、バネ定数が相対的に
小さい方のトーションスプリングの自然長を相対的に大
とし、大きい方のトーションスプリングの自然長を小と
することにより、トーションスプリング内径を同じとし
ても、複数のトーションスプリング同士の最大圧縮時の
長さを同じとすることが可能である。また、介装状態に
おいてスプリングシートの外径位置をトーション部材外
径位置よりも外径側とすることにより、トーション部材
がスプリングシートと駆動側部材又は被動側部材との摺
動面に干渉しないためその摩耗が防止される。
【0025】なお、ガラス繊維強化ナイロン製のスプリ
ングシートは摺動面への攻撃性が少なく強度も強く好ま
しい。また、スプリングシートをガラス繊維強化ナイロ
ン製とし、スライダをポリイミド製とすることにより、
両者の熱膨張係数が近くなり熱応力が小さくなる。ま
た、ポリイミド製のスプリングシートは、耐熱性に優れ
高温時でも摩耗が少ない。また、摺動面への攻撃性も少
なく摩耗も小さくなる。さらに、スプリングシートの摩
擦係数が低くなるため、小振幅時のヒステリシスを小さ
くできる。
【0026】また、スプリングシートが配置される空間
の半径方向幅を、トルク変動時シートが摺動する可変す
ることにより、ドリブンプレートが円周方向にスプリン
グシートを押圧、移動するとスプリングシートはガイド
面(ドライブプレート内壁面)から離れるため負荷トル
ク発生時は摩耗が発生しない。スプリングシートの外周
面すなわち摺動面は旋削によって面粗度を低くすること
ができ、スプリングシートの摩耗を低減出来る。前記摺
動面にグリスを塗布し摩擦抵抗を低減してもよい。
【0027】第7の視点において好ましくは、軸受固定
部材として、弾性力を有する板状材(好ましくは、鉄板
のプレス成形品)を用いることにより、軸受圧入部に弾
性力が発生し、寸法誤差によって軸受へ過大圧力が加わ
ることが防止されると共に、コストが低減される。
【0028】第8の視点において好ましくは、駆動側部
材ないし被動側部材の外周を慣性体とすることにより、
慣性体単体での突き合わせ溶接を廃止できる。或いは、
リング状慣性体の遠心力を駆動側部材(ドライブプレー
ト)外周部の絞りで支えるようにすることでリング状慣
性体の固定が容易となる。
【0029】上記手段らは、一般的に、回転し動力を伝
達する駆動側部材と、該動力が伝達されて回転される被
動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可能に配され
て構成される動力伝達機構に適用され、詳細にはトルク
変動吸収装置、クラッチ装置などに好適に適用される。
また、上記視点における好ましい手段は、他の視点にも
適用可能である。
【0030】なお、明細書及び図面に開示された本発明
の原理の範囲内において、前記特徴を有する手段らは、
トーション機構及び/又はヒステリシス機構を備えた一
般的構成のトルク変動吸収装置以外にも適用可能であ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の一実
施形態を詳細に説明する。
【0032】図1は、本発明の一実施形態に係る動力伝
達機構の側断面図であり、図2は図1のII−II線に沿っ
て切断した一部破断断面図である。図3は図1に示す滑
り軸受周辺の拡大図である。
【0033】図1〜図3を参照して、エンジンのクラン
ク軸1にボルト締めされた第1ドライブプレート2、第
1ドライブプレート2の外周部に全周溶接固定された第
2ドライブプレート3、リングギヤ4、イナーシャリン
グ5、及びインナリング6は、エンジン側慣性体(駆動
側部材)J1を構成し、エンジンの出力を断接する摩擦
クラッチディスクアセンブリ26と摺動可能なフライホ
イール7及びドリブンプレート8はトランスミッション
側慣性体(被動側部材)J2を構成する。エンジンのト
ルクは両慣性体J1、J2を介し、さらにクラッチ機構
を介して断接可能に変速機構入力軸23に入力される。
両慣性体J1、J2の半径方向間にはトランスミッショ
ン側慣性体J2をエンジン側慣性体J1に対して略同心
且つ相対回転可能に保持するための滑り軸受機構が配置
される。また、両慣性体J1,J2の回転方向間に、エ
ンジンの回転トルク変動を吸収するためのトーション機
構と第1、第2のヒステリシス機構が配設され、第1の
ヒステリシス機構はトーション機構の内周側シールを兼
ねている。詳細には、トーション機構は軸方向及び半径
方向外方から軸方向に互いに対向する第1、第2のドラ
イブプレートに囲まれると共に、半径方向内方からドリ
ブンプレート8及び第1のヒステリシス機構によって囲
まれた空間に配置されている。インナリング6及び第1
ドライブプレート2の内周部は外周部が多角形とされた
スペーサ20により軸方向に位置決めされて、インナリ
ング6はリベット21により第1ドライブプレート2の
内周部に係合されている。このスペーサ20の板厚を変
更することにより、各部材の軸方向高さを調節すること
ができるため、スペーサを変更するだけで各車種に応じ
た動力伝達機構が設計することができ、異なる車種間に
おいても動力伝達機構本体を共通して使用することが可
能である。フライホイール7のトランスミッション側に
は、クラッチディスクアセンブリ26、ダイヤフラムス
プリング25、レリーズベアリング機構24が配置され
る。レリーズフォークによってレリーズベアリング機構
24がエンジン側に付勢されることにより、ダイヤフラ
ムスプリング25の内周部がエンジン側に付勢された際
には、ダイヤフラムスプリング25がプレッシャープレ
ート27を介してクラッチディスクアセンブリ26をフ
ライホイール7側に付勢する力が弱まり、クラッチディ
スクアセンブリ26はフライホイール7と離間状態にな
り、エンジン動力の伝達が一時遮断される。次に各機構
の構成を詳細に説明する。
【0034】滑り軸受機構は、リベット21により第1
ドライブプレート2に固定され、装置半径方向から軸方
向に沿って曲げられて先端が軸方向に沿って延在するイ
ンナリング6と、ドリブンプレート8側面とフライホイ
ール7の装置軸方向凹部(フランジ部)とが囲む空間に
配置され、インナリング6外周部にスプライン嵌合する
滑り軸受18と、滑り軸受18のエンジン側側面に配さ
れた皿ばね19、皿ばね19外周に配されたシール材2
2から構成される。皿ばね19は滑り軸受18の側面及
び内周側、シール材22は滑り軸受18の外周側のシー
ル機能を果たす。滑り軸受18の両側面には潤滑剤溜ま
り(溝)18aが形成される。この潤滑剤溜まり18a
の外周部において、フライホイール7とドリブンプレー
ト8との間に軸方向隙間を設けてあり、潤滑剤は遠心力
によって滑り面へ供給される。尚、この軸方向隙間の代
わりに半径方向に延在する溝を設けて潤滑剤通路を確保
してもよい。更に、滑り軸受18の滑り面(外周面)に
は軸方向に沿って溝18bが設けられており、溝18b
同士の円周方向の間隙は、エンジン側慣性体J1とトラ
ンスミッション側慣性体J2の許容相対回転角度よりも
小さい角度で配置されており、潤滑剤溜まり18aから
供給された潤滑剤は滑り面全体に確実に供給される。な
お、滑り軸受の側面と駆動側部材又は被動側部材の側面
間にクリアランスを設ける代わりに潤滑油通路として溝
を設け、前記軸方向の溝18bと連通させてもよい。ま
た、インナリング6は鉄板を加工成形することにより低
コストで制作できる。
【0035】トーション機構は、装置外周部において第
1、第2ドライブプレート2、3によって囲まれる空間
且つ第1、第2ドライブプレート2、3とドリブンプレ
ート8の回転方向間に、トーションスプリング9を4本
直列に配置し、ドリブンプレート8はスプリングシート
10を介してトーションスプリング9の一端を保持し、
トーションスプリング9の他端は、第1、第2ドライブ
プレート2,3の絞り成形部又は図6に示すブロックで
保持され、トーションスプリング9を介してトルクが伝
達される。従って、内燃機関特有の周期的トルク変動は
トーションスプリングの撓みによって吸収されるため、
出力軸23は円滑な回転運動力が伝達される。さらに、
トーションスプリング9内にはストッパ10bが配置さ
れ、トーションスプリングの撓みが限界に近くなると、
ストッパ10bとスプリングシート10のボス部10a
が当接することにより、トーションスプリング9の過圧
縮が防止される。また、ボス部10aを短くでき、ボス
部10aに加わるモーメントが小さくなり折れにくくな
る。また、図7に示した円周方向両端側のトーションス
プリング9bらのように、スプリング長さを短く設定し
た場合は、ボス部10a同士が直接当接して前記過圧縮
を防止する。上記空間には潤滑剤(例えばグリス)が封
入される。また、第1ドライブプレート2の絞り形状部
の受け面に、旋削により形成された段差とスプリングシ
ート10の干渉を防止するための逃がし(クリアラン
ス)49がスプリングシート10に対して設けられてい
る。
【0036】第1のヒステリシス機構且つ前記トーショ
ン機構の内周側シール機構は、第1、第2ドライブプレ
ート2、3の内周側(トーション機構の内周側近傍であ
って、装置の比較的外周側)に配されており、第1ドラ
イブプレート2から第2ドライブプレート3へ装置軸方
向に沿って順に、環状の摩擦部材(スラストライニン
グ)13、ドリブンプレート8、皿ばね14、環状の摩
擦部材(スラストライニング)12から構成されてい
る。摩擦部材13の位置決めはプレス加工された第1ド
ライブプレート2の段付き部で行う。摩擦部材12は装
置半径方向外方から軸方向エンジン側に曲げられ延伸す
る突起部がドリブンプレート8の切欠部に装置回転方向
に関して係合してドリブンプレート8と共に回転する。
皿ばね14は、摩擦部材13を第1ドライブプレート2
側に付勢して第1ドライブプレート2側面に当接させ、
摩擦部材12を第2ドライブプレート3側に付勢してフ
ライホイール7側面に当接させる。摩擦部材13、12
及び皿ばね14は、第1、第2ドライブプレート2、3
とドリブンプレート8の内周側の隙間を埋めて、潤滑剤
漏れを防止すると共に、第1、第2ドライブプレート
2、3に対してそれぞれ摺動して比較的小さなヒステリ
シス機能を発揮する。
【0037】比較的大きなヒステリシス機能を発揮する
第2のヒステリシス機構は、フライホイール7のトラン
スミッション側(出力側)であって、前記トーション機
構が収容され潤滑剤が封入された空間外に配置される。
第2のヒステリシス機構はフライホイール7のトランス
ミッション側且つ内周側において、装置軸方向に沿いト
ランスミッション側へ向かって順に、フライホイール7
側面に当接し摩擦摺動する環状の摩擦部材(スラストラ
イニング)15と、環状のスラストプレート16と、皿
ばね17から構成されている。摩擦部材15内周には凸
部がスプライン状に設けられ、これらの凸部に対応して
インナリング6延長部外周にはスプライン状に凹部が設
けられ、これらの凸部と凹部とは装置回転方向に沿って
所定角度クリアランスW(図2参照)を有し、エンジン
側慣性体J1とトランスミッション側慣性体J2との相
対回転が所定角度W以上(例えば共振作用時等)になる
と、両者は回転方向(周方向)に係合し大きなヒステリ
シスを発生してJ1、J2間の制振能力を増大する。ス
ラストプレート16外周はドリブンプレート8をフライ
ホイール7に固定するピン11に装置回転方向に関し係
合される。皿ばね17はピン11頭部に係止されて、ス
ラストプレート16を介し摩擦部材15をフライホイー
ル7側面に向かって付勢し当接させる。なお、摩擦部材
15はフライホイール7とスラストプレート16間にお
いて、皿ばね17に付勢されつつ摩擦係止(挟着保持)
されている。
【0038】また、第1ドライブプレート2の半径方向
中間部に周方向に沿って複数の略台形状(半径方向外方
側が長辺、内方側が短辺、換言すれば“外開きのおむす
び状”)の穴29が設けられて、第1ドライブプレート
2の外周部と、クランク軸1にボルト固定された内周部
とはいわゆる“アーム状接続”(ばね状接続)してい
る。半径方向に略台形状の穴29の中心と多角形のスペ
ーサ20(軸方向の位置決め部材)の頂点は対向し、ス
ペーサ20の辺は穴20の間のアーム部に対向する。そ
して、第1ドライブプレート2がクランク軸1に固定さ
れるボルト穴と穴29とは、円周方向に略同じ位置にあ
る(略同角度にある。半径方向に略一直線上にある)。
これによって、多角形のスペーサ20と第1ドライブプ
レート2との当接長さ及び当接面積が拡大され、軸方向
の曲げ応力による集中応力が分散され、第1ドライブプ
レート2の破壊が防止され、耐久性が向上される。
【0039】次に、このトルク変動吸収機能を備えた動
力伝達機構の機能について説明する。まず滑り軸受機構
の機能について説明する。エンジンのトルクは第1、第
2ドライブプレート2,3からスプリングシート10、
トーションスプリング9、ドリブンプレート8、及びピ
ン11を介して、フライホイール7へ伝達される。滑り
軸受18の内周側はエンジン側慣性体J1であるインナ
リング6に装置回転方向に関して係合されており、滑り
軸受18の滑り面はその外周面18aに限定され、トラ
ンスミッション側慣性体J2であるフライホイール7内
周面に対してのみ滑る。このように滑り面が一面側(特
に外周面側)に限定されていることにより、滑り面には
遠心力で潤滑油が強制的に供給され、油膜が形成され
て、滑り面の磨耗を防止するので耐久性が向上し、トラ
ンスミッション側慣性体J2のエンジン側慣性体J1に
対する同心ずれ増加は防止され、同心ずれに起因する振
動の増加も防止する。なお、滑り軸受を被動側部材に回
転方向に関して係合し、駆動側部材に対する周面を滑り
面となるよう構成することも可能である。このとき、駆
動側部材が外周側、被動側部材が内周側に設けられる。
例えば、滑り軸受外周面に沿ってインナリングの軸方向
延長部を配して、この延長部内周面を滑り面となし、滑
り軸受の内周面側においてフライホイールをエンジン側
軸方向に延長させ、滑り軸受とフライホイールの前記延
長部を回転方向に関して係合する。なお、係合面と滑り
面とを反対にしてもよい。
【0040】さらに、潤滑剤溜まり18aに溜められた
潤滑剤は、装置の回転に伴う遠心力によって、潤滑材が
滑り面とされた滑り軸受18外周面に供給され、油膜を
形成する。なお、シール材22によって、遠心力による
ドリブンプレート8とフライホイール7側面間から半径
方向外方への潤滑剤の漏れが防止されている。さらにエ
ンジン停止時(遠心力ゼロ時)においても皿ばね19に
より滑り軸受18の内径側側面は、一方はフライホイー
ル7の内径側側面に当接し、他方は皿ばね内径部が当接
することにより内周側からの潤滑剤の漏れを防止してい
る。なお、例えば滑り軸受の内周面が滑り軸受内周側に
配された被動側部材に対し滑る場合は、潤滑剤が滑り面
に供給されるよう滑り内径側にクリアランスを設けて潤
滑剤溜まりとし、滑り面に潤滑剤を供給できるように構
成する。
【0041】次に、トーション機構の機能について説明
する。装置が回転する際、トーションスプリング9は遠
心力により半径方向外方(第1、第2ドライブプレート
外周側)に付勢される。しかし、トーションスプリング
9の内周にはスプリングシート10の突起部10aが挿
入され、略半径方向内方及び外方に関してトーションス
プリング9を係止している(半径方向の移動を阻止して
いる)。このように、スプリングシート10はトーショ
ンスプリング9の内周側においてトーションスプリング
の半径方向外方への移動を阻止でき、トーションスプリ
ング9外周側に前記移動を阻止するための保持部材を配
置する必要がなくされるため、トーションスプリング9
を、この保持部材が占めていた分半径方向外方側に配置
することができる。このため、トーションスプリング9
のバネ力は半径方向外側に配置された分に応じて、低剛
性又は小さなトーションスプリングを使用できる。ま
た、低剛性のトーションスプリングを使用できることに
よって、トーションスプリング9及びその周辺の耐久性
も向上し、コストダウンも実現される。なお、ストッパ
10bをトーションスプリング9の内周中間部に配置す
ることにより、トーションスプリングはたわみを制限さ
れて、過剰負荷を防止していると共に遠心力による湾曲
化も防止している。
【0042】次に、トーション機構の内周側シール機構
兼小ヒステリシス機構(第1のヒステリシス機構)の機
能について説明する。トーションスプリング9を収容す
る密閉された空間には、スプリングシート10の潤滑の
ために潤滑剤(グリス)が封入される。この空間の外周
側は第1、第2のドライブプレート2、3の全周溶接部
によってシールされ、内周側は第1、第2のドライブプ
レート2、3の軸方向間に配された摩擦部材13、ドリ
ブンプレート8、皿ばね14、及び摩擦部材12によっ
てシールされる。加えて、第1、第2ドライブプレート
2、3とドリブンプレート8とが相対回転した場合、摩
擦部材13、12は第1、第2ドライブプレート2、3
に対して摺動してヒステリシスを発生する。このよう
に、トーションスプリング9を収容する空間の内周側シ
ールが、摩擦部材13、12と第1、第2ドライブプレ
ート2、3との面接触によるため、潤滑剤が漏れにくく
されトーション機構の耐久性が向上される。さらに、摩
擦部材13、12が磨耗した場合であっても、皿ばね1
4により摩擦部材13、12は第1、第2ドライブプレ
ート2、3側にそれぞれ付勢されているため、前記面接
触状態が維持される。このように、シール機構とヒステ
リシス機構とを兼用した機構を設けることにより、装置
のコンパクト化が達成される。
【0043】さらに、摩擦部材12の磨耗によりフライ
ホイール7、クラッチディスクアセンブリ26などが全
体として、図1中左方向に移動すること、及び皿ばね1
4がドリブンプレート8を介して摩擦部材13を第1ド
ライブプレート2側に付勢していることによって、長期
間使用によるダイヤフラムスプリング25を付勢するレ
バー部24の浮き上がり量が補正され、クラッチ操作に
余分な遊びが生じなくされる。
【0044】次に、第2のヒステリシス機構の機能につ
いて説明する。エンジン側慣性体J1とトランスミッシ
ョン側慣性体J2の相対回転により、第2のヒステリシ
ス機構における摩擦部材15はフライホイール7側面及
びスラストプレート16に対して摺動してヒステリシス
及び摩擦熱を発生するが(特に熱容量の小さいスラスト
プレート16は昇温しやすい)、スラストプレート16
は開放された空間に配置されているため、この摩擦熱は
速やかに外部空間に放熱され摩擦部材15は過熱による
磨耗が進行し難く、耐久性が向上されている。また、摩
擦部材15とインナリング6には円周方向にWのクリア
ランスがあるため、J1とJ2の相対捩れ角がW以上の
場合にのみ摩擦が発生する。すなわち摩擦熱は断続的に
発生するので、放熱効果が高められる。このように、摩
擦部材15の冷却性が改善されるため、摩擦部材15の
グレードを落とすことが可能とされ、コストダウンが図
れる。なお、このような摩擦部材を駆動側部材の軸方向
間に配し、被動側部材に所定角度のクリアランスを有し
回転方向(周方向)に対向させ、所定角度以上のJ1、
J2の相対回転が生じた際に、摩擦部材と被動側部材を
係合させ、摩擦部材を挟着保持していた駆動側部材に対
して摩擦部材が摩擦摺動するように構成することも可能
とされる。
【0045】このように、動力伝達機構を構成する各機
構の耐久性が向上されることによって、動力伝達機構の
耐久性は当然向上される。さらに、滑り軸受を使用する
ことなどによって装置のコストが低下され、ヒステリシ
ス機構とトーション部のシール機構を兼用とすることに
よって装置のコンパクト化も達成されている。さらに、
トーション機構のシール機構兼用の第1のヒステリシス
機構と、第2のヒステリシス機構とにより、ヒステリシ
スの多段化がコンパクトな構成で実現される。なお、本
実施形態においては本発明の動力伝達機構をトルク変動
吸収機構に適用した例について説明したが、本発明はこ
のトルク変動吸収機構に限定されるものではなく、これ
をクラッチ機構などの他の動力伝達機構に適用すること
も可能である。また、滑り軸受の滑り面を外周側から内
周側に代えること、また滑り軸受の回転方向の係合を駆
動側部材から被動側部材に代えることもできる。また、
摩擦部材の摺動面を駆動側部材から被動側部材に変更す
ることも可能である(摩擦部材が回転方向に係合する部
材についても同様)。
【0046】図6〜図10を参照して、本発明の他の実
施形態に係る動力伝達機構を説明する。なお、この動力
伝達機構に関しては、前記説明した本発明の実施形態に
係る動力伝達機構と構成及び機能が異なる点について説
明する。
【0047】本発明の他の実施形態において、第2のヒ
ステリシス機構はドライ状態で使用されるトーション機
構の内周側かつ軸受の外周側に配置されている(図7参
照)。この第2のヒステリシス機構は、円周方向に互い
に所定間隔をおいて配置され、第1のドライブプレート
2にそれぞれ摺接する複数の摩擦部材13、摩擦部材1
3のドライブプレート3側の面に当接するスラストプレ
ート12、スラストプレート12とドライブプレート3
の間に圧縮介装された皿ばね14から構成される。全体
としてリング状に配置された摩擦部材13は、リング状
のスラストプレート12を介して皿ばね14の付勢力を
受けることにより、第1、第2のドライブプレート2,
3間に挟着されている。また、摩擦部材13らは、ドリ
ブンプレート8の円周方向に沿って所定間隔で複数開け
られた孔(窓、なお、切欠きでもよい)をそれぞれ貫通
し、摩擦部材13とドリブンプレート8の孔の内壁の間
には、円周方向に所定のクリアランスW1がそれぞれ設
けられている。スラストプレート12の外周側端部は屈
曲して軸方向に沿って第2のドライブプレート3側に延
在する。第2のドライブプレート3の内周部には孔が開
けられており、この孔をスラストプレート12の前記延
在部が貫通する。この延在部及び孔によって、スラスト
プレート12は第2のドライブプレート3に保持され、
円周方向に関して位置決めないし回り止めがなされる。
【0048】この第2のヒステリシス機構の機能を説明
する(特に、図7及び図8参照)。この第2のヒステリ
シス機構において、摩擦部材13とドリブンプレート8
との円周方向間にクリアランスW1がそれぞれ設けられ
ているため(図7参照)、J1(駆動側部材、第1、第
2ドライブプレートなど)とJ2(被動側部材、ドリブ
ンプレートなど)の相対捩れ角(振幅)がW1以上とな
った場合に、ドリブンプレート8が摩擦部材13に当接
して付勢することにより、摩擦部材13が第1のドライ
ブプレート2に対して摺動し摩擦力が発生する。すなわ
ち、振幅の大きさによって、ヒステリシスを変化させる
ことができる。さらに、このように摩擦部材を分割配置
することができるため、生産性が高く低コストの摩擦材
を用いることができる。さらに、本実施形態の第2のヒ
ステリシス機構は、前記実施形態のそれに比べて部材数
が削減されている。なお、摩擦部材を単体とするより
も、摩擦部材を分割することにより摩擦部材が小型化さ
れ、摩擦部材の歩留まりが向上する(摩擦部材がシート
タイプの場合)。また、1ショット当たりの生産量が増
加する(摩擦部材が樹脂タイプの場合)。
【0049】以下、前記第2のヒステリシス機構の好ま
しい変形例を説明する。クリアランスW1をそれぞれ異
なる大きさに設定することができる。例えば、段階的に
クリアランスW1の大きさを変化させる。これによっ
て、相対捩れ角(振幅)に応じて多段階に変化するヒス
テリシスを設定できる。また、クリアランスW1のう
ち、一部のクリアランスをゼロとする(摩擦部材とドリ
ブンプレートの間に実質的に隙間がない状態とする)。
これによって、小捩れ角、広捩れ角それぞれに対して、
異なるヒステリシスが設定され、第1のヒステリシス機
構と第2のヒステリシス機構(小ヒステリシス機構と大
ヒステリシス機構、相対捩り角の大きさに応じて作動・
非作動する機構と相対捩りが生じたときに常に作動する
ヒステリシス機構)の共通化を図ることができる。
【0050】図6及び図9を参照して、第1のヒステリ
シス機構は、クラッチ機構(クラッチディスクアセンブ
リ)の内側であって、クラッチ機構とフライホイール7
の軸方向間においてクラッチディスク摺動面より内周側
に配置されている。この第1のヒステリシス機構は、フ
ライホイール7と鉄板成形されたインナリング(ベアリ
ングのインナレースを受容)6のフランジ部6a(半径
方向外方に突出する先端部であって、軸受18の抜け止
め及びヒステリシス機構の軸方向荷重保持機能を発揮す
る)との軸方向間に順に配設された、複数に分割され中
心間隔120゜配置された摩擦部材15と、摩擦部材1
5に当接するリング状のスラストプレート16と、スラ
ストプレート16を介して摩擦部材15(及びボールベ
アリング18)を矢印方向(図6参照)に付勢する皿ば
ね17から構成される。摩擦部材15のエンジン側の面
はフライホイール7のトランスミッション側の面に当接
している。摩擦部材15の他側には、摩擦部材15の径
方向中心部から軸方向に沿って突出する複数の突起部が
形成されている。スラストプレート16が摩擦部材15
と当接する面には複数孔が開けられており、これらの孔
に摩擦部材15の突起部らがそれぞれ貫通して係合す
る。これによって、摩擦部材15の位置決めがなされ
る。図8に示すスラストプレート12の如くスラストプ
レート16の内周側端部は屈曲して軸方向トランスミッ
ション側に延在する(図9に図示省く)。このスラスト
プレート16の延在部は、インナリング16のフランジ
面に設けられた孔又は切欠きを貫通して該孔又は切欠き
と係合する。これによって、スラストプレート16の位
置決めがなされる。なおボールベアリング18のアウタ
レースはフライホイール7のベアリング受けフランジに
受承されている。
【0051】さらに、互いに隣接する摩擦部材15らの
間の隙間に対応して(円周方向に同一の角度で)、前記
隙間の半径方向内側のインナリング6の円筒面には半径
方向に連通する孔6bが開けられている。孔6bは、摩
擦部材15、スラストプレート16などの冷却性を向上
する共に、この孔6bを通じて脱落した摩擦材粉末の排
出がなされるため、摩擦部材15などの摩滅を低減す
る。これによって、摩擦トルクが経時的にも安定する。
なお、耐摩耗性を向上し摩擦トルクを安定させるため
に、摩擦部材15はポリイミド製とすることが好まし
い。
【0052】この第1のヒステリシス機構の機能を説明
する。エンジン側慣性体J1とトランスミッション側慣
性体J2の相対回転により、第1のヒステリシス機構に
おける摩擦部材15はフライホイール7側面及びスラス
トプレート16に対して摺動してヒステリシスを発生す
る。その際に摩擦熱を発生するが(特に熱容量の小さい
スラストプレート16は昇温しやすい)、スラストプレ
ート16は開放された空間に配置され且つインナリング
6の前記所定位置には孔6bが設けられているため、こ
の摩擦熱は速やかに外部空間に放熱され摩擦部材15近
傍の部材は過熱による磨耗が進行し難く、耐久性が向上
されている。
【0053】なお、摩擦部材15とインナリング6との
円周方向間にはクリアランスを設けてもよい。第1のド
ライブプレート2の摩擦部材13が摺接する部分に、円
周方向に沿ったガイド用溝をプレスにより形成してもよ
い。摩擦部材13が摺動する際のガタツキが減少し常に
安定した摩擦力が生じる。
【0054】次に、エンジン側慣性体J1とトランスミ
ッション側慣性体J2間の軸受機構について説明する。
J1とJ2間の軸受として、動力伝達機構内周側におい
て第1のドライブプレート2、フライホイール7及びイ
ンナリング6に囲まれた空間に、ボールベアリング18
が配設されている。ボールベアリング18の内周側はク
ランク軸1に固定されたインナリング6(インナレース
を介して)に回転方向に関して係合されている。ボール
ベアリング18のインナレース及びアウタレースにより
ボールの転がり面が形成されている。ボールベアリング
18に加わる軸方向荷重は、インナリング6の前記フラ
ンジ部6aでもって受け止められ、皿ばね17が、ボー
ルベアリングのトランスミッション側端面外周部に当接
するフライホイール7を介してボールベアリング18を
第1のドライブプレート2側に付勢する。一方、ボール
ベアリング18に対向する第1のドライブプレート2の
内周部は絞り加工されて凹部を成しており、ボールベア
リング18のエンジン側端面は、その内周部(インナレ
ース)が第1のドライブプレート2と当接し、その外周
部(アウタレース)は第1のドライブプレート2に当接
していない。
【0055】なお、ドリブンプレート8とフライホイー
ル7をボルト11を用いたねじ止めによって互いに固定
することにより、このボルト締めの際にはリベットを用
いて固定する際に加わるような半径方向の大きな荷重が
加わらないため、ボールベアリング18に局部的に過大
な圧力が加わることが防止され、ベアリング寿命も伸び
る。すなわち、ドリブンプレートとフライホイールをリ
ベッチング(リベット固定)する際に発生するような変
形が起こらない。加えて、ボールベアリング18へ局部
的に過大な荷重が加わることが防止され、軸受寿命が延
びる。
【0056】次に、回転変動を小さくするために動力伝
達機構の外周部に設けられる慣性体について説明する。
図6を参照して、第2のドライブプレート3の外周部に
は、慣性体5が溶接によって動力伝達機構全体の組立前
に予め取り付けられている。これによって、エンジン側
慣性体J1のイナーシャが大きくなるため、入力振動の
振幅が小さくされる。慣性体5としては、帯鋼又は引き
抜き材をロール成形したものを用いることで材料歩留ま
りが良くなるので、コスト面で好ましい。また、フライ
ホイール7の外周側に慣性体を取り付けることで慣性効
果が向上するので好ましい。またフライホイール7はポ
ットタイプ(摩擦面よりクラッチカバー取付面がトラン
スミッション側にあるタイプ)とすことにより、フライ
ホイール7は外周側の重量が増加して、トランスミッシ
ョン側慣性体J2のイナーシャが拡大し、トーションス
プリング(後述する)を介して伝達されるトルク変動に
対する回転変動が小さくなる。
【0057】再度図6を参照して、第1のドライブプレ
ート2の外周部に形成されたフランジ面には、リングギ
ア4が配置されている。リングギヤ4の取付位置は、ド
ライブプレート3に溶接された慣性体5のエンジン側で
ある。リングギア4の歯面は、その歯丈分面取り加工さ
れている。このように、ホブ加工の際に切削出口側とな
る部分を面取りしてあることにより、バリが出にくくな
りバリ取り工程を省略することが可能となる。また、特
にトーション機構に樹脂シートが使用されている場合、
この樹脂シートから可及的に離れた位置において、第1
のドライブプレート2と第2のドライブプレート3を溶
接することが好ましい。図10に示す動力伝達機構にお
いては、第1のドライブプレート2と第2のドライブプ
レート3は、それらの外周部において溶接(隅肉溶接、
全周溶接、スポット溶接)されている。図10を参照し
て、さらに、好ましくは、第1のドライブプレート2と
第2のドライブプレート3の外周部当接面に、該当接面
の内周側の空間(該空間にトーション機構が配置され
る)と外部を連通する部分的隙間3aを設ける。この部
分的隙間を通じて、トーション機構が配置される空間に
入り込んだ泥土が排除されると共に、遠心力により内部
から外部へ空気が内から外へ流通するため冷却効果が高
まる。図10の図示においては、第2のドライブプレー
ト3側に凹部が設けられているが、このような凹部を第
1のドライブプレート2側あるいは両方のドライブプレ
ート2,3に形成してもよい。
【0058】特に、図7を参照して、本実施形態のトー
ション機構は、装置外周部において第1、第2ドライブ
プレート2、3によって囲まれる空間且つ第1、第2ド
ライブプレート2、3とドリブンプレート8の回転方向
間に、複数のトーションスプリング9が直列に配置され
ている。複数のトーションスプリング9の内、両端(第
1、第2ドライブプレート2,3がトーションスプリン
グ9bを円周方向に狭持する位置とドリブンプレート8
に近接する位置)のトーションスプリング9bらのスプ
リング線径は、内側のトーションスプリング9aらに比
べて相対的に細くされ、該両端のトーションスプリング
9bらのバネ定数は、該内側のトーションスプリング9
aらのバネ定数に比べて相対的に小さくなっている(い
わば両端のトーションスプリング9aが小型化されてい
る)。第1ないし第2のドライブプレート2,3には、
トーションスプリング9bの一方にスプリングシート1
0を介して当接し、押圧するためのブロック部材が取り
付けられる。このブロック部材は駆動側(エンジン側)
慣性体のイナーシャを大きくする。他方のトーションス
プリングの一端に嵌合するスプリングシート10には凹
部が設けられており、この凹部に対向するドリブンプレ
ート8の外周部には凸部が設けられ、この凸部は前記凹
部と嵌合可能である。さらに、トーションスプリング9
a,9bの両端には、いずれもスプリングシート10が
嵌合している。スプリングシート10らは、半径方向内
方に向かって突出する略三角形状の基部と、この基部両
側面から突出するボス部10aをそれぞれ有し、ボス部
10aはトーションスプリング9a,9bの内周部(内
腔)に嵌合し、トーションスプリング9a,9bを動力
伝達機構の半径方向に関して支持する。但し、回転方向
に両端のトーションスプリング9bの内腔(トーション
スプリング9a側)に嵌合するボス部10aは、内側の
トーションスプリング9aに嵌合するボス部に比べて径
大(太く)とされている。その両端にボス部を有し、内
側のトーションスプリング9aに嵌合するスプリングシ
ート10は略面対称の形状を有している。スプリングシ
ート10の外周面には、スプリングシート10と一体成
形された低摩擦係数のスライダ10cが配設されてい
る。このようなスライダをスプリングシートにはめ込
み、抜け防止用の返しを設けてもよい。スライダ10c
は第1のドライブプレート2の内周面に取付けられた圧
延鋼鈑30と摺接する。また、図示するように、スプリ
ングシートの半径方向寸法(幅)は、トーションスプリ
ング9a,9bの半径方向寸法よりも大きくされている
ため、トーションスプリング9a,9bが第1のドライ
ブプレート2の内周面と摺動することが防止されてい
る。なお、絞り成形される第1のドライブプレート2の
内壁面にはスプリングシート10摺動方向に直交する方
向にプレス傷が発生しやすく、このプレス傷によってス
プリングシート摩耗促進のおそれがある。そこで、圧延
鋼板30をスプリングシート摺動面に適用することによ
り、該摺動面が鏡面化され、スプリングシート摩耗が低
減される。
【0059】内側のトーションスプリング9aの内周部
には、トーションスプリング9aが圧縮されたときにス
プリングシート10に当接するストッパ10bが配設さ
れている。両端のトーションスプリング9bにはストッ
パは配設されておらず、トーションスプリング9bの圧
縮時、スプリングシート10のボス部10a端面同士が
直接当接する。また、図11を参照して、トーションス
プリング9a,9bは初期位置において外開きに配置さ
れ(スプリングの外周側が内周側より長い、スプリング
座面(端面)同士の間隔は外周側が広く、内周側が狭
い。最大圧縮時、スプリング座面同士の成す角度が平行
となるように、初期位置において該座面が閉口動力伝達
機構の中心を通る半径方向の線に対して所定角度をなし
ている)、最大圧縮時にスプリング端面が互いに平行と
なる。なお、コイルスプリングは中心部撓み量と荷重が
比例し、許容応力(弾性力)は最大撓み部撓み量に比例
する。従って、最大撓み部が中心部であるときに許容荷
重が最大となる。
【0060】次に、トーション機構の機能について説明
する。装置が回転する際、トーションスプリング9a,
9bは遠心力により半径方向外方に付勢される。しか
し、トーションスプリング9a,9bの内周にはスプリ
ングシート10のボス部10aが挿入され、略半径方向
内方及び外方に関してトーションスプリング9a,9b
を係止している。加えて、スプリングシート10の半径
方向寸法はトーションスプリング9a,9bの直径寸法
よりも大きく、さらにスライダ10cがスプリングシー
トの最外周部に設けられているため、トルク変動の際に
トーションスプリング9a,9bが第1のドライブプレ
ート2の内周面に接触し、摺動することが高度に防止さ
れている。
【0061】第1、第2のドライブプレート2,3とド
リブンプレート8間の捩れ角が大きくなるに連れて、ト
ーションスプリング9a,9bの圧縮量は大きくなる
が、スプリングシート10のボス部10aのボス部10
a同士、及びストッパ10bを介してボス部10a同士
が当接することにより、トーションスプリング9a,9
bの圧縮量は制限されている。
【0062】次に、図12及び図13を参照して、本発
明のさらに他の実施形態に係る動力伝達機構を説明す
る。この動力伝達機構においては、第1のドライブプレ
ート2の外周端部が舌状部2aとされ(絞り成形によ
る)、舌状部2aと第2のドライブプレート3の間に慣
性体5がカシメられている。そして、トーションスプリ
ング9は中空円筒状の高弾性ゴム部材である。この実施
形態によれば、許容撓みが大きく広捩れ角化できる(ト
ルク変動を吸収できる捩れ角幅が大きい)。また、トー
ション部材の軽量化ができるため、スプリングシートに
加わる遠心力が低減し、スプリングシートの摩耗が削減
できる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の各動力伝
達機構によれば、動力伝達機構を構成する滑り軸受機
構、トーション機構、トーション機構の内周側シール機
構、第1、第2のヒステリシス機構、駆動側部材の耐久
性が、それぞれコスト上昇を伴うことなく向上される。
これら耐久性が向上された各機構からトルク変動吸収装
置のような動力伝達機構を構成することによって、その
長寿命化が達成可能である。
【0064】特に、本発明の滑り軸受を備えた動力伝達
機構によれば、駆動側部材と被動側部材のガタが抑制さ
れ回転振動が減少される。また、本発明のトーション機
構を備えた動力伝達機構によれば、摩擦部材によるトー
ション機構を収容する空間の密閉能力が高く、例えばこ
の空間に潤滑剤を封入する場合には封入された潤滑剤の
漏れ防止能力が高くされ、且つこの摩擦部材はヒステリ
シス機能も発揮する。また、トーション機構を収容する
空間外にヒステリシス機構を設けることによって、この
ヒステリシス機構の放熱性が向上されて耐久性が向上す
る。また、上記空間に潤滑剤を封入する場合があるが、
この空間外にヒステリシス機構を設けることによって、
このヒステリシス機構は潤滑剤の影響を受けないためヒ
ステリシスが安定化される。また、駆動側部材の所定位
置に穴を開けることによって、駆動側部材の軸方向の剛
性が低下されて(略バネ性となり)、特に装置軸方向の
振動が吸収され、駆動側部材の破損が防止される。ま
た、トーションスプリングをその内周側で係止すること
により、トーションスプリングを従来より装置外周側へ
配置することが可能とされ、トーションスプリングの低
剛性化及びコンパクト化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る動力伝達機構の側断
面図である。
【図2】図1中のII−II線に沿って切断した一部破断断
面図である。
【図3】図1に示す滑り軸受周辺の拡大図である。
【図4】従来例に係る、トルク変動吸収装置の一部破断
正面図である。
【図5】図4に示すトルク変動吸収装置の側断面図であ
る。
【図6】本発明の他の実施形態に係る動力伝達機構の側
断面図である。
【図7】図6中のVII−VII線に沿って切断した一部破断
断面図である。
【図8】図6に示した第2の(外径側に位置する)ヒス
テリシス機構の部分拡大図である。
【図9】図6に示した第1の(内径側に位置する)ヒス
テリシス機構の部分拡大図である。
【図10】図6に示した第1と第2のドライブプレート
の当接部の部分拡大図である。
【図11】好ましいトーションスプリングの形態を説明
するための図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係る動力伝達
機構の側断面図である。
【図13】図12中のXIII−XIII線に沿って切断した一
部破断断面図である。
【符号の説明】
1 クランク軸 2 第1ドライブプレート 3 第2ドライブプレート 4 リングギヤ 5 イナーシャリング 6 インナリング 6a フランジ部 6b 孔 7 フライホイール 8 ドリブンプレート 9 トーションスプリング 9a バネ定数の大きいトーションスプリング 9b バネ定数の小さいトーションスプリング 10 スプリングシート 10a 突起部(ボス部) 10b ストッパ 10c スライダ 11 ピン 12 摩擦部材 13 摩擦部材 14 皿ばね 15 摩擦部材 16 スラストプレート 17 皿ばね(スラストスプリング) 18 滑り軸受、ボールベアリング 18a 潤滑剤溜まり 18b 溝(軸方向に延在する溝) 19 皿ばね 20 スペーサ 21 リベット 22 シール部材 23 変速機構入力軸 24 レリーズベアリング機構 25 ダイヤフラムスプリング 26 クラッチディスクアセンブリ W クリアランス W1 クリアランス 30 圧延鋼鈑 31 ボルト 49 逃がし(クリアランス)
フロントページの続き (72)発明者 小林 清倫 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 貞苅 秀治 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (78)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転し動力を伝達する駆動側部材と、該動
    力が伝達されて回転される被動側部材とが、互いに略同
    心かつ相対回転可能に配される動力伝達機構であって、 内径側或いは外径側の一方に前記駆動側部材を、他方に
    前記被動側部材を配し、 前記駆動側部材と前記被動側部材の半径方向間に配さ
    れ、前記駆動側部材或いは前記被動側部材の一方に略同
    心に係合され、他方の周面が滑り面とされた滑り軸受を
    備えたことを特徴とする動力伝達機構。
  2. 【請求項2】前記滑り軸受、前記駆動側部材、及び前記
    被動側部材の周面間の少なくとも一つに潤滑剤が設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の動力伝達機
    構。
  3. 【請求項3】前記滑り軸受は、前記駆動側部材と前記被
    動側部材とによって規定される空間に配され、 前記滑り面より半径方向内方において、前記滑り軸受の
    側面、及び/又は、該滑り軸受の側面に対向する前記駆
    動側部材及び/又は前記被動側部材の側面に前記潤滑剤
    溜まりを設けたことを特徴とする請求項2記載の動力伝
    達機構。
  4. 【請求項4】前記滑り軸受の側面と該滑り軸受に対向す
    る前記駆動側部材又は前記被動側部材との間に設けら
    れ、該滑り軸受に当接して、該滑り軸受を軸方向に関し
    前記被動側部材又は前記駆動側部材に向かって付勢し、
    かつ該滑り軸受側面から軸方向への潤滑剤漏れを防止す
    る皿ばねを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか一に記載の動力伝達機構。
  5. 【請求項5】前記皿ばねの外周側に、該皿ばねの外周部
    から半径方向外方への潤滑剤漏れを防止するように配さ
    れたシール部材を備えたことを特徴とする請求項4記載
    の動力伝達機構。
  6. 【請求項6】回転し動力を伝達する駆動側部材と、該動
    力が伝達されて回転される被動側部材とが、互いに略同
    心かつ相対回転可能に配される動力伝達機構であって、 前記駆動側部材と前記被駆動側部材の間には、前記駆動
    側部材と該被動側部材の回転トルク変動を吸収するトー
    ション機構が収容され、 前記トーション機構を収容する空間に配置され、少なく
    とも一つの摩擦部材を備え該摩擦部材の前記駆動側部材
    又は前記被動側部材に対する摺動によってヒステリシス
    を発生する第1のヒステリシス機構と、前記トーション
    機構を収容する空間外に配置され、摩擦部材の摺動によ
    り前記第1のヒステリシス機構とは異なるヒステリシス
    を発生する第2のヒステリシス機構と、を備えたことを
    特徴とする動力伝達機構。
  7. 【請求項7】回転し動力を伝達する駆動側部材と、該動
    力が伝達されて回転される被動側部材とが、互いに略同
    心かつ相対回転可能に配される動力伝達機構であって、 前記駆動側部材と前記被駆動側部材の間には、前記駆動
    側部材と該被動側部材の回転トルク変動を吸収するトー
    ション機構が収容され、 前記トーション機構を収容する空間の内周側に配置さ
    れ、少なくとも一つの摩擦部材を備え該摩擦部材の前記
    駆動側部材又は前記被動側部材に対する摺動によってヒ
    ステリシスを発生する第1のヒステリシス機構と、前記
    トーション機構を収容する空間外に配置され、摩擦部材
    の摺動により前記第1のヒステリシス機構とは異なるヒ
    ステリシスを発生する第2のヒステリシス機構と、を備
    え、 前記第1のヒステリシス機構により前記空間の内周側が
    シールされることを特徴とする動力伝達機構。
  8. 【請求項8】回転し動力を伝達する駆動側部材と、該動
    力が伝達されて回転される被動側部材とが、互いに略同
    心かつ相対回転可能に配される動力伝達機構であって、 前記駆動側部材及び/又は前記被動側部材によって囲ま
    れた空間に、該駆動側部材と該被動側部材との回転トル
    ク変動を吸収するトーション機構が収容され、 前記空間外において、摩擦部材を備え該摩擦部材の摺動
    によってヒステリシスを発生する第2のヒステリシス機
    構が配置され、 前記摩擦部材と前記駆動側部材或いは前記被動側部材の
    いずれか一方の軸方向間に皿ばねが配され、 前記摩擦部材は、前記皿ばねの付勢力を受けて前記駆動
    側部材或いは前記被動側部材の他方に摩擦力により係止
    され、且つ前記駆動側部材或いは前記被動側部材の他方
    に対して装置の回転方向に所定角度クリアランスを有
    し、該駆動側部材と該被動側部材との相対回転が前記所
    定角度以上に達したときに係合可能であることを特徴と
    する動力伝達機構。
  9. 【請求項9】回転し動力を伝達する駆動側部材と、該動
    力が伝達されて回転される被動側部材とが、互いに略同
    心かつ相対回転可能に配される動力伝達機構であって、 前記駆動側部材の内周側は駆動軸に固定され、中間部に
    は穴が開けられ、外周部と内周部が略アーム状に接続さ
    れていることを特徴とする動力伝達機構。
  10. 【請求項10】前記駆動側部材の中間部の穴は、前記駆
    動軸に固定されるボルト穴と円周方向に対して同じ位置
    に配置されることを特徴とする請求項10記載の動力伝
    達機構。
  11. 【請求項11】前記駆動側部材を軸方向に関して位置決
    めし、前記駆動軸に固定され、外周が多角形とされた略
    環状のスペーサを備え、 前記スペーサ外周の多角形辺部は、前記駆動側部材のア
    ーム状に接続された部分と、装置半径方向に対向してな
    ることを特徴とする請求項10に記載の動力伝達機構。
  12. 【請求項12】回転し動力を伝達する駆動側部材と、該
    動力が伝達されて回転される被動側部材とが、互いに略
    同心かつ相対回転可能に配される動力伝達機構であっ
    て、 前記駆動側部材と該被動側部材との装置回転方向間に直
    列に回転トルク変動を吸収するトーション部材が配置さ
    れ、 前記トーション部材の端部から内周側に挿入され、半径
    方向に該トーション部材を係止するスプリングシートを
    備えたことを特徴とする動力伝達機構。
  13. 【請求項13】回転し動力を伝達する駆動側部材と、該
    動力が伝達されて回転される被動側部材とが、軸受を介
    して互いに略同心かつ相対回転可能に配される動力伝達
    機構であって、 前記軸受のインナレース又はアウタレースが被駆動側部
    材に固定されていることを特徴とする動力伝達機構。
  14. 【請求項14】回転し動力を伝達する駆動側部材と、フ
    ライホイールに連結され該動力の伝達により回転される
    被駆動側部材とが、互いに略同心かつ相対回転可能に配
    される動力伝達機構であって、 前記駆動側部材と前記被駆動側部材の内、少なくとも一
    方の外周に慣性体が形成されたことを特徴する動力伝達
    機構。
  15. 【請求項15】前記駆動側部材と前記被動側部材とは軸
    受を介して互いに略同心かつ相対回転可能に配されてお
    り、 前記第1のヒステリシス機構は前記トーション機構の内
    周側且つ前記軸受の外周側に配設されたことを特徴とす
    る請求項6記載の動力伝達機構。
  16. 【請求項16】前記第1のヒステリシス機構の摩擦部材
    が、皿ばねないしスラストプレートを介して前記駆動側
    部材間に挟着されていると共に該摩擦部材の他側が前記
    被動側部材を貫通することを特徴とする請求項15記載
    の動力伝達機構。
  17. 【請求項17】前記摩擦部材は被駆動側部材に形成され
    た孔又は切欠きを貫通し、該摩擦部材の貫通部分と該孔
    又は該切欠きとの円周方向間にはクリアランスが存在す
    ることを特徴とする請求項16記載の動力伝達機構。
  18. 【請求項18】前記第1のヒステリシス機構の摩擦部材
    が複数に分割されたことを特徴とする請求項16記載の
    動力伝達機構。
  19. 【請求項19】前記駆動側部材に、前記第1のヒステリ
    シス機構の摩擦部材の摺動をガイドするための円周方向
    に延在する溝が形成されたことを特徴とする請求項18
    記載の動力伝達機構。
  20. 【請求項20】前記摩擦部材に作用する遠心力に対抗し
    て、該摩擦部材を保持する手段を設けたことを特徴とす
    る請求項18記載の動力伝達機構。
  21. 【請求項21】前記分割された摩擦部材は被駆動側部材
    に形成された孔又は切欠きをそれぞれ貫通し、 前記分割された摩擦部材が前記被駆動部材を貫通する部
    分と前記孔又は前記切欠きとの円周方向間にはクリアラ
    ンスがそれぞれ設けられ、 前記複数設けられたクリアランスの内少なくとも一つ
    は、他の該クリアランスと異なる大きさを有することを
    特徴とする請求項18記載の動力伝達機構。
  22. 【請求項22】前記クリアランスの内、少なくとも一つ
    のクリアランスは実質的にゼロであることを特徴とする
    請求項21記載の動力伝達機構。
  23. 【請求項23】前記被駆動側部材の孔又は切欠きとの間
    のクリアランスが実質的にゼロである摩擦部材の摩擦面
    積は、前記被駆動側部材の孔又は切欠きとの間にクリア
    ランスを有する他の摩擦部材の摩擦面積より大きいこと
    を特徴とする請求項22記載の動力伝達機構。
  24. 【請求項24】前記第2のヒステリシス機構は、前記動
    力の伝達を断接可能なクラッチ機構の摩擦面よりも、前
    記動力伝達機構の内側に配設されたことを特徴とする請
    求項6記載の動力伝達機構。
  25. 【請求項25】前記被動側部材に連結するフライホイー
    ルと、 前記フライホイールに当接又は実質的に離間して前記動
    力の伝達を断接するクラッチ機構と、 前記クラッチ機構を軸方向に変位させることにより、該
    クラッチ機構に前記動力の断接動作をさせるレリーズベ
    アリング機構と、を備え 前記第2のヒステリシス機構の摩擦部材は前記フライホ
    イールと摺動すると共に、該摩擦部材に作用する押圧力
    の方向を、前記レリーズベアリング機構が前記クラッチ
    機構を介して前記動力の伝達を断状態とする際に移動す
    る方向と同一とすることを特徴とする請求項6記載の動
    力伝達機構。
  26. 【請求項26】前記クラッチレリーズベアリング機構が
    前記動力の伝達を断状態とする際にエンジン側に移動す
    るプッシュタイプである場合、 前記第2のヒステリシス機構を、前記クラッチ機構と摺
    動する前記フライホイールの摩擦面側に配置したことを
    特徴とする請求項25記載の動力伝達機構。
  27. 【請求項27】前記クラッチレリーズベアリング機構が
    前記動力の伝達を断状態とする際にトランスミッション
    側に移動するプルタイプである場合、 前記第2のヒステリシス機構を、前記フライホイールの
    エンジンに対向する面側に配置したことを特徴とする請
    求項25記載の動力伝達機構。
  28. 【請求項28】前記第2のヒステリシス機構の摩擦部材
    は、複数の摩擦部材に分割されてなることを特徴とする
    請求項6記載の動力伝達機構。
  29. 【請求項29】前記第2のヒステリシス機構の摩擦部材
    と前記駆動側部材ないし前記被動側部材との間にスラス
    トプレートが配され、 前記第2のヒステリシス機構の摩擦部材に、前記スラス
    トプレートに形成された孔と係合し、該摩擦部材を円周
    方向に係合する突起を設けることを特徴とする請求項6
    記載の動力伝達機構。
  30. 【請求項30】前記複数の摩擦部材の周面側にはインナ
    リングが設けられ、該インナリングの周面は該複数の摩
    擦部材と円周方向に関して係合又は係合可能とされ、 前記複数の摩擦部材は互いに周方向に間隙を有し、 前記インナリングの周面に、前記複数の摩擦部材同士の
    間隙に連通する孔を設けたことを特徴とする請求項28
    記載の動力伝達機構。
  31. 【請求項31】第2のヒステリシス機構の摩擦部材を該
    摩擦部材の摺動面に向かって付勢するようにスラストス
    プリングが配され、 前記スラストスプリングの付勢力は、前記駆動部材と被
    駆動部材間に配置される軸受が抜け止めされる方向と同
    一方向に作用することを特徴とする請求項6記載の動力
    伝達機構。
  32. 【請求項32】前記第2のヒステリシス機構の摩擦部材
    はポリイミド製であることを特徴とする請求項6記載の
    動力伝達機構。
  33. 【請求項33】前記トーション部材は、互いにバネ定数
    の異なるトーションスプリングを含み、前記直列に配置
    された複数のトーションスプリングにおいて、両端に相
    対的にバネ定数の小さい該トーションスプリングを配置
    し、内側に相対的にバネ定数の大きい該トーションスプ
    リングを配置することを特徴とする請求項12記載の動
    力伝達機構。
  34. 【請求項34】前記直列に配置された複数のトーション
    スプリングにおいて、両端のトーションスプリングの線
    径を小とすることを特徴とする請求項33記載の動力伝
    達機構。
  35. 【請求項35】前記トーション部材はコイルスプリング
    であり、該コイルスプリングの端部にスプリングシート
    を配置し、 前記スプリングシートの径方向中心部には、周方向に突
    出して前記コイルスプリング内腔に嵌合するボス部が形
    成されてなることを特徴とする請求項12記載の動力伝
    達機構。
  36. 【請求項36】前記コイルスプリングの最大圧縮量は、
    前記ボスの周方向長さによって規定されることを特徴と
    する請求項35記載の動力伝達機構。
  37. 【請求項37】互いに直列に配置された複数のトーショ
    ンスプリングにおいて、該トーションスプリングの最大
    圧縮時の長さを同じとすることを特徴とする請求項33
    又は36記載の動力伝達機構。
  38. 【請求項38】前記トーションスプリング内周部におい
    て、該トーションスプリングの両端に配置された前記ボ
    ス部の間にストッパピンを配設することを特徴とする請
    求項35記載の動力伝達機構。
  39. 【請求項39】前記ストッパピンの周方向長さを、前記
    トーションスプリングの最大圧縮時長さと、該トーショ
    ンスプリングの両端から前記ボス部の周方向にそれぞれ
    突出する前記ボス部らの長さとの差とすることを特徴と
    する請求項38記載の動力伝達機構。
  40. 【請求項40】前記トーションスプリングはコイルスプ
    リングであり、 前記コイルスプリング端面に当接する前記スプリングシ
    ートの受け面は、前記コイルスプリングの端面同士が最
    大撓み状態で平行になるように、初期位置において回転
    中心に対して外開きに設定されたことを特徴とする請求
    項35記載の動力伝達機構。
  41. 【請求項41】前記トーション部材は高弾性ゴム製であ
    ることを特徴とする請求項12記載の動力伝達機構。
  42. 【請求項42】前記スプリングシートの外径寸法が前記
    トーション部材外径寸法より大きいことを特徴とする請
    求項12記載の動力伝達機構。
  43. 【請求項43】前記スプリングシートは、ガラス繊維強
    化ナイロン製から成ることを特徴とする請求項42記載
    の動力伝達機構。
  44. 【請求項44】前記スプリングシートと、前記スプリン
    グシートの外周側を囲む前記駆動側部材の内壁面との間
    に、耐摩耗性が高く低摩擦係数のスライダを配設するこ
    とを特徴とする請求項12記載の動力伝達機構。
  45. 【請求項45】前記スプリングシートはガラス繊維強化
    ナイロンから成り、前記スライダーはポリイミドから成
    ることを特徴とする請求項44記載の動力伝達機構。
  46. 【請求項46】前記スプリングシートの材質をポリイミ
    ドとしたことを特徴とする請求項44記載の動力伝達機
    構。
  47. 【請求項47】前記被動側部材は、前記スプリングシー
    トを円周方向に対して保持する保持部として、前記スプ
    リングシートに作用する遠心力を支えるために円周方向
    に突出する突起を備え、 前記スプリングシートの外周面に対向し、該スプリング
    シートの摺動を案内する面の半径は、前記被動側部材が
    該被動側部材と周方向端面に対向して配置されたスプリ
    ングシートを付勢する方向に向かって、徐々に増大する
    ことを特徴とする請求項12記載の動力伝達機構。
  48. 【請求項48】前記スプリングシートの外周面に対向
    し、該スプリングシートの摺動を案内する面において、
    前記スプリングシート摺動方向に対する直交する方向の
    傷が旋削により除去されてなることを特徴とする請求項
    12記載の動力伝達機構。
  49. 【請求項49】前記駆動側部材であるドライブプレート
    絞り形状部の外壁を、前記スプリングシート円周方向受
    け面を形成のため、逃がしたことを特徴とする請求項4
    8記載の動力伝達機構。
  50. 【請求項50】前記ドライブプレートの絞り形状部の受
    け面に、旋削により形成された段差と前記スプリングシ
    ートの干渉を防止するための逃がしを前記スプリングシ
    ートに対して設けたことを特徴とする請求項48記載の
    動力伝達機構。
  51. 【請求項51】前記スプリングシートの外周側を囲む前
    記駆動側部材の内壁面の内径は、前記トーション部材の
    外径より大きいことを特徴とする請求項50記載の動力
    伝達機構。
  52. 【請求項52】前記スプリングシートの外周側を囲む前
    記駆動側部材の内壁面と、前記スプリングシートとの径
    方向間に圧延鋼板を配設したことを特徴とする請求項1
    2記載の動力伝達機構。
  53. 【請求項53】前記圧延鋼板の圧延方向と前記スプリン
    グシート摺動方向を同じとしたことを特徴とする請求項
    52記載の動力伝達機構。
  54. 【請求項54】前記駆動側部材に、前記トーション部材
    を円周方向に押圧するためのブロック部材を取り付ける
    ことを特徴とする請求項12記載の動力伝達機構。
  55. 【請求項55】前記スプリングシートの外周面ないし前
    記スプリングシートの外周面に対向し該スプリングシー
    トが摺動する前記駆動側部材の内壁面にグリースが塗布
    されてなることを特徴とする請求項12記載の動力伝達
    機構。
  56. 【請求項56】前記駆動側部材は、互いに当接する第1
    のドライブプレートと第2のドライブプレートを備え、
    前記第1と第2のドライブプレートが囲む空間に前記ト
    ーション部材が配置され、 前記第1と第2のドライブプレートの当接面に前記トー
    ション部材が配置された空間と外部とを連通する隙間を
    設けることを特徴とする請求項12記載の動力伝達機
    構。
  57. 【請求項57】前記隙間は、前記第1のドライブプレー
    トないし第2のドライブプレートに形成された凹みから
    なることを特徴とする請求項56記載の動力伝達機構。
  58. 【請求項58】前記軸受が固定される前記インナリング
    が弾性力を有する板状材であることを特徴とする請求項
    13記載の動力伝達機構。
  59. 【請求項59】前記インナリングは前記第2のヒステリ
    シス機構及び前記軸受を軸方向に関して支持するフラン
    ジ部を有することを特徴とする請求項13記載の動力伝
    達機構。
  60. 【請求項60】前記第2のヒステリシス機構の摩擦部材
    と前記フランジ部の軸方向間には、該摩擦部材に当接
    し、一端が該フランジ部側に延在するスラストプレート
    が配置され、 前記フランジ部には、前記スラストプレートの該フラン
    ジ部と係合可能である、該スラストプレート回り止め用
    の切欠きないし穴が形成されたことを特徴とする請求項
    59記載の動力伝達機構。
  61. 【請求項61】前記軸受のエンジン側の端面に対向する
    前記駆動側部材の面は、前記軸受のインナレースの端面
    及びアウターレースの端面の内いずれか一方の端面に当
    接し、他方の端面に当接しないことを特徴とする請求項
    13記載の動力伝達機構。
  62. 【請求項62】エンジンのクランク軸と分割された前記
    駆動側部材とがボルトにより互いにねじ止めされている
    ことを特徴とする請求項13記載の動力伝達機構。
  63. 【請求項63】前記駆動側部材の外周部には、慣性体が
    形成されることを特徴とする請求項14記載の動力伝達
    機構。
  64. 【請求項64】前記慣性体は、帯鋼又は引き抜き材をロ
    ール成形してなることを特徴とする請求項63記載の動
    力伝達機構。
  65. 【請求項65】前記慣性体は前記駆動側部材に溶接によ
    って固定されることを特徴とする請求項64記載の動力
    伝達機構。
  66. 【請求項66】前記駆動側部材の外周部を軸方向に絞り
    加工して慣性体を形成してなることを特徴とする請求項
    63記載の動力伝達機構。
  67. 【請求項67】前記駆動側部材の外周部に形成された絞
    りの内側に帯鋼又は引き抜き材をロール成形したリング
    状慣性体を配設することを特徴とする請求項66記載の
    動力伝達機構。
  68. 【請求項68】前記リング状慣性体は、前記駆動側部材
    の外周部に形成された絞り部分にカシメられることを特
    徴とする請求項67記載の動力伝達機構。
  69. 【請求項69】前記駆動側部材は、第1のドライブプレ
    ートと第2のドライブプレートとを備え、 第2のドライブプレートを第1のドライブプレートの舌
    状部においてカシメることを特徴とする請求項14又は
    63記載の動力伝達機構。
  70. 【請求項70】前記フライホイールの外周部に慣性体を
    設けることを特徴とする請求項14記載の動力伝達機
    構。
  71. 【請求項71】前記駆動側部材の外周側に設けられた起
    動用のリングギアの歯面は歯丈分面取り加工されること
    を特徴とする請求項14記載の動力伝達機構。
  72. 【請求項72】エンジンから前記動力を伝達するクラン
    ク軸の軸方向端面と前記駆動側部材との間にスペーサを
    配置することを特徴とする請求項14記載の動力伝達機
    構。
  73. 【請求項73】前記駆動側部材は、第1のドライブプレ
    ートと第2のドライブプレートとを備え、 前記駆動側部材と該被動側部材との装置回転方向間に直
    列に回転トルク変動を吸収する樹脂製のトーション部材
    が配置され、 前記樹脂製のトーション部材から離れた位置で第1のド
    ライブプレートと第2のドライブプレートとを溶接する
    ことを特徴とする請求項14記載の動力伝達機構。
  74. 【請求項74】前記駆動側部材と前記被動側部材とが、
    軸受を介して略同心かつ相対回転可能に配され、 エンジンのクランク軸に係止されたインナリングと前記
    第2のヒステリシス機構の摩擦部材との回転方向間にク
    リアランスを設けたことを特徴とする請求項28記載の
    動力伝達機構。
  75. 【請求項75】前記潤滑剤が遠心力により半径方向外方
    に位置する前記滑り面に供給されるように、潤滑油通路
    として、前記滑り軸受の側面と該滑り軸受の側面に対向
    する前記駆動側部材の側面及び/又は被動側部材の側面
    との間にクリアランス、又は、前記駆動側部材及び/又
    は被動側部材に溝を設けたことを特徴とする請求項2記
    載の動力伝達機構。
  76. 【請求項76】前記滑り面に軸方向に延在する溝を設け
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の
    動力伝達機構。
  77. 【請求項77】前記滑り面に設けられた軸方向に延在す
    る溝は、前記駆動側部材と前記被動側部材の相対捩れ角
    以下の間隔で複数設けられたことを特徴とする請求項7
    6記載の動力伝達機構。
  78. 【請求項78】前記圧延鋼板の前記スプリングシート側
    の面は鏡面加工されてなることを特徴とする請求項52
    記載の動力伝達機構。
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