JPH10130994A - レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体 - Google Patents

レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体

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JPH10130994A
JPH10130994A JP8292868A JP29286896A JPH10130994A JP H10130994 A JPH10130994 A JP H10130994A JP 8292868 A JP8292868 A JP 8292868A JP 29286896 A JP29286896 A JP 29286896A JP H10130994 A JPH10130994 A JP H10130994A
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JP
Japan
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carrier tape
yarn
fiber
carrier
fiber structure
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JP8292868A
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English (en)
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Masahiko Kanehara
雅彦 金原
Makoto Tsuzuki
誠 都築
Masahiko Yasue
雅彦 安江
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D47/00Looms in which bulk supply of weft does not pass through shed, e.g. shuttleless looms, gripper shuttle looms, dummy shuttle looms
    • D03D47/27Drive or guide mechanisms for weft inserting
    • D03D47/271Rapiers
    • D03D47/272Rapier bands

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Looms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レピアヘッドの姿勢が安定した状態で経糸開
口内への進入及び経糸開口内からの退避が可能で耐久性
の良いレピア織機用キャリアテープを提供する。 【解決手段】 FRP製キャリアテープに使用される強
化用の繊維構造体1はキャリアテープの幅に組織される
とともに、キャリアテープとした際、緯入れ時にレピア
ヘッドの姿勢が安定した状態でキャリアテープが経糸開
口内を移動可能な剛性を付与可能な厚さ(1〜3mm)
の三次元組みひもで構成されている。繊維構造体1は断
面ほぼ長方形をなし、多数の糸条2が繊維構造体1の表
面で折り返すとともに、繊維構造体1の長手方向に所定
の配向角(例えば±15°)をなすように配列されてい
る。糸条2としては破断強度が高く、弾性率の大きい例
えば炭素繊維、セラミック繊維等のロービングが使用さ
れる。スプロケットで駆動する際は、プレス加工やドリ
ル加工で係合孔が所定ピッチで形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレピア織機用キャリ
アテープ及びそのキャリアテープの強化材となる繊維構
造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レピア織機の緯入れ装置は先端にレピア
ヘッドを固定したレピアバンド(キャリアテープ)と、
キャリアテープが巻き掛けられたレピアホイールとを備
えている。レピアホイールは往復回動され、その回動に
伴ってキャリアテープが往復移動される。そして、キャ
リアテープの往復動に伴ってキャリアテープに固定され
たレピアヘッドが経糸開口内へ進入すると共に、経糸開
口内から退避して緯糸の緯入れが行われる。
【0003】キャリアテープを往復動させる構成とし
て、特開平3−180542号公報に開示された装置の
ように、レピアホイールとして駆動スプロケットを使用
し、キャリアテープには駆動スプロケットの歯と係合す
る係合孔がその長さ方向に所定ピッチで列設されたもの
がある。レピアホイールの往復回動は歯と係合孔との嵌
合に基づいてキャリアテープに伝達され、キャリアテー
プはレピアホイールの往復回動に伴って往復動される。
【0004】また、特公昭60−40538号公報には
歯と係合孔との嵌合以外の手段でキャリアテープを往復
動させる緯入れ装置が開示されている。この装置では先
端にレピアヘッドが固定されたキャリアテープが、その
基端部がレピアホイールの周面に固定された状態でレピ
アホイールに巻き付けられている。また、レピアホイー
ルの回転に伴なう遠心力の作用による。レピアホイール
の周面からのキャリアテープの浮き上がりを防止するた
め、レピアホイールの上方に2個のローラが配設され、
レピアホイールと両ローラとの間にキャリアテープをレ
ピアホイールへの巻き付き面に押圧するロープが巻き掛
けられている。ロープはその両端部がレピアホイールに
固定され、レピアホイールの全周を巻くと共に両ローラ
のほぼ半周を巻くようにほぼ8の字状に巻き掛けられて
いる。
【0005】キャリアテープとしてはプラスチック(例
えば、ポリエステル)製のものと、図15に示すように
キャリアテープ51の厚さ方向の上下両側に平織りの織
物W1を配置し、その間にキャリアテープ51の長手方
向に繊維が配向された(炭素)繊維層W2及び長手方向
と斜めに交差する方向に繊維が配向された(炭素)繊維
層W3が複数積層された繊維強化プラスチック(FR
P)製のものとがある。また、係合孔はプレス加工によ
り打ち抜き形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プラスチック製あるい
は強化繊維が僅かに使用されたプラスチック製のキャリ
アテープを使用すると、キャリアテープはレピアホイー
ルの外周面の曲率に対応して湾曲変形する。また、剛性
が低いためレピアホイールから繰り出された状態におい
て下方に湾曲する状態となったり、レピアヘッドの重心
と加速度の関係によってキャリアテープの先端側が浮き
上がる状態から下方にたたきつけられる状態になる等、
ガイド部材がない状態では経糸開口内への進入及び経糸
開口内からの退避並びに緯糸の受け渡しが円滑に行われ
ない。そこで、図16に示すように、経糸Yの開口時に
経糸Yの下側から経糸開口内に進入してキャリアテープ
51を案内するガイド部材52a,52bを設ける必要
がある。ガイド部材52a,52bは筬が支持されるス
レー(図示せず)上に千鳥状に配設されている。そし
て、ガイド部材52a,52bはスレーの揺動により経
糸開口内に対して出入りするため、ガイド部材52a,
52bに経糸Yが引っかかって切断されたり、経糸Yが
ガイド部材52a,52bとの摩擦により毛羽立つ等の
問題がある。
【0007】一方、複数の繊維層を積層したFRP製の
キャリアテープ51は剛性が大きいため、レピアヘッド
の姿勢が安定して経糸開口内への進入及び経糸開口から
の退避並びに緯糸の受け渡しが円滑に行われる。
【0008】キャリアテープ51のレピアホイールから
の繰り出し及びレピアホイールへの巻き付けが緯入れ毎
に繰り返されるので、キャリアテープ51には頻繁に曲
げ応力が加えられる。そして、繊維強化複合材は応力を
受けた際に、繊維切断面が端部に存在するとその部分が
破壊の起点となって破壊が生じ易く、その強度が著しく
低下する。従来のFRP製のキャリアテープ51は、繊
維の切断端がキャリアテープ51の幅方向の両端に位置
するように各繊維層W1〜W3が配置されているため、
図17に示すように、キャリアテープ51の端部から層
間の剪断破壊が生じ易い。また、係合孔54が所定ピッ
チで形成されているため、係合孔54に挟まれた部分は
複雑な変形状態となり、層間の剪断破壊が発生する。ま
た、図18に示すように、レピアホイール55の歯55
aが係合孔54から離脱する際の歯55aと係合孔54
との摩擦により、表面剥離が発生する。
【0009】従来のFRP製のキャリアテープ51で
は、厚さ方向に積層された各繊維層間を貫く糸条(糸あ
るいは繊維束)が存在しないため、前記層間の剪断破壊
や表面剥離が発生した場合、それが伝播拡大し易くキャ
リアテープの耐久性が悪くなってキャリアテープの寿命
が短くなるという問題がある。
【0010】本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであって、その第1の目的はレピアヘッドの姿勢
が安定して経糸開口内への進入及び経糸開口内からの退
避が可能で耐久性の良いレピア織機用キャリアテープを
提供することにあり、第2の目的はそのキャリアテープ
の強化材として使用される繊維構造体を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明は、レピア織機に使用され
るキャリアテープであって、幅方向の端部で糸条が折り
返されるように組織された帯状の繊維構造体を強化材と
した繊維強化プラスチック(FRP)で形成されてい
る。なお、糸条とは糸だけでなくフィラメントを引き揃
えた繊維束いわゆるロービングをも意味する。
【0012】請求項2に記載の発明では、前記繊維構造
体は厚さ方向と直交する面を境にした層間剥離不能に組
織されている。請求項3に記載の発明では、請求項1又
は請求項2に記載の発明において、前記繊維構造体は三
次元組みひもである。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記繊維構造体は三次元織物であ
る。請求項5に記載の発明では、請求項1又は請求項2
に記載の発明において、前記繊維構造体は平打ちの二次
元組みひもである。
【0014】請求項6に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記繊維構造体は単層
の織物である。第2の目的を達成するため請求項7に記
載の発明では、繊維構造体として請求項1〜請求項6の
いずれか一項に記載の繊維構造体とした。
【0015】請求項1〜請求項6に記載の発明のレピア
織機用キャリアテープは、先端にレピアヘッドが固定さ
れて使用される。キャリアテープは剛性の大きな繊維強
化プラスチック(FRP)で形成されているため、レピ
アヘッドが安定した姿勢を保持した状態で、レピアホイ
ールの回動に伴って経糸開口内への進入及び経糸開口内
からの退避が可能となる。キャリアテープの強化材に使
用される帯状の繊維構造体が、幅方向の端部で糸条(糸
あるいは繊維束)が折り返されるように組織されている
ため、繊維切断面がキャリアテープの幅方向の両端部に
存在せず、キャリアテープに頻繁に曲げ応力が加えられ
ても、キャリアテープの幅方向の端部から破壊が生じ難
い。
【0016】請求項2に記載の発明では、前記繊維構造
体は厚さ方向と直交する面を境にした層間剥離不能に組
織されているため、頻繁に曲げ応力が作用しても破壊し
難く従来のFRP製のキャリアテープに比較して寿命が
長くなる。
【0017】請求項3に記載の発明では、前記繊維構造
体が三次元組みひもであるため、三次元織物と異なり、
キャリアテープの厚さ方向に明確に積層された繊維層、
即ち、厚さ方向と直交する平面で明確に分けられる繊維
層が存在せず、しかも、キャリアテープの長手方向と斜
めに交差して厚さ方向に延びる糸条が存在するため、層
間剥離が発生しない。
【0018】請求項4に記載の発明では、前記繊維構造
体が三次元織物であるため、キャリアテープの厚さ方向
に積層された複数の繊維層が存在するが、各繊維層間を
貫く糸条が存在するため、当該糸条により各繊維層が相
互に結合される。従って、キャリアテープに頻繁に曲げ
応力が加えられて、一部に層間の剪断破壊や表面剥離が
発生しても、それが伝播拡大し難く、キャリアテープの
耐久性が向上する。
【0019】請求項5に記載の発明では、前記繊維構造
体は平打ちの二次元組みひもであるため、層間剥離が発
生しない。三次元組みひもで構成された繊維構造体と同
じ剛性を得るには、三次元組みひもの場合より太い糸条
を使用する必要がある。
【0020】請求項6に記載の発明では、前記繊維構造
体が単層の織物であるため層間剥離が発生しない。単層
織物で所定の剛性を持たせるため、繊維構造体を構成す
る糸条には、複数の繊維層でキャリアテープを構成した
ときの厚さに近い太さの糸条が使用される。
【0021】請求項7に記載の発明の繊維構造体を強化
繊維としたFRP製のキャリアテープは、請求項1〜請
求項6のいずれかに記載の発明のうちの対応する発明と
同様な作用をなす。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図5に従って説明する。図1はレピ
ア織機用の繊維強化プラスチック製キャリアテープに使
用される強化用の繊維構造体1の模式斜視図である。繊
維構造体1は前記キャリアテープの幅とほぼ同じ(若干
狭く)に組織されるとともに、キャリアテープとした
際、緯入れ時にキャリアテープが水平方向に延びた状態
で経糸開口内を移動可能な剛性を付与可能な厚さ(1〜
3mm)の三次元組みひもで構成されている。繊維構造
体1は断面ほぼ長方形をなし、多数の糸条2が繊維構造
体1の表面で折り返すとともに、繊維構造体1の長手方
向に所定の配向角をなすように配列されている。従っ
て、繊維構造体1を構成する糸条2は繊維構造体1の幅
方向の両端で折り返されており、切断端が幅方向の端部
に露出することはない。なお、配向角とは繊維構造体1
の長手方向となす角度であり、その値は±1°〜60°
の範囲で適宜設定されるが、通常は±3°〜15°に設
定される。糸条2としては破断強度が高く、弾性率の大
きい例えば炭素繊維、セラミック繊維等のロービングが
使用される。
【0023】繊維構造体1は、例えば特開平2−259
148号公報、特開平2−307949号公報等に開示
されている三次元ブレーダ(ロータ・キャリア方式三次
元織物織機)により製織される。三次元ブレーダは図2
に示すように、キャリア軌道面に沿って多数行、多数列
に配列されたキャリア駆動ユニット3を備え、該駆動ユ
ニット3により、図示しないボビンを支承する糸条キャ
リア4(図3に図示)に所要の軌跡を走行するように運
動を与え、それらのボビンから解じょした糸条2を製織
するものである。
【0024】キャリア駆動ユニット3は、図3に示すよ
うに、それぞれ独立したアクチュエータ5により駆動さ
れるロータ6を備えている。ロータ6は隣接するロータ
6との間で糸条キャリア4を挟持するための凹部7を外
周の4箇所に備えている。凹部7は隣接するロータ6の
回転軸を中心とする円弧状に形成され、隣接するロータ
6の一方が回転するときに、他方のロータ6の凹部7が
糸条キャリア4のガイドとして機能するように配設され
ている。なお、図2に示すように、複数行、複数列に配
設されたキャリア駆動ユニット3の周囲には糸条キャリ
ア4と係合する凹部8aを有する固定ガイド8が配設さ
れている。
【0025】図3に示すように、糸条キャリア4はロー
タ6の凹部7と対応する一対の円弧面9a(一方のみ図
示)を備えた保持部9と、保持部9の両端に形成された
フランジ10と、ボビン支持軸11とを備えている。そ
して、糸条キャリア4は保持部9がロータ6間あるいは
ロータ6及び固定ガイド8間に挟持されるようになって
いる。
【0026】前記構成の三次元ブレーダで繊維構造体1
を製織する場合は、糸条キャリア4をその移動域におい
て繊維構造体1の断面形状に対応して配置する。製織に
際しては、ロータ配列の行及び列内において互いに隣接
しないロータ6同士を一つの群として全体を2群に分
け、各群毎のロータ6を一斉に駆動する。なお、図4に
おいて斜線を付したロータ6と、斜線を付していないロ
ータ6によって二つの群を区別している。以下、図4で
斜線を付したロータ6を時計方向に90°又は180°
の間欠回転を行うロータ(第1群のロータ)とし、斜線
の付してないロータ6を反時計方向に90°又は180
°の間欠回転を行うロータ(第2群のロータ)とする。
【0027】製織は一方の群のロータを非回転の固定ガ
イドとして、他方の群を一方向に90°又は180°回
転させ、次いで先に回転させた一方の群のロータを固定
ガイドとして他方の群のロータを逆の方向に90°又は
180°回転させ、この動作を順次繰り返すことによっ
て行われる。
【0028】糸条キャリア4は、製織時に糸条キャリア
4の配列範囲内で比較的単純な規則性の下で移動する。
例えば、図4において、隣接する各ロータ6間に糸条キ
ャリア4を挟持させ、第1群及び第2群のロータ6をそ
れぞれ90°回転させたときの各糸条キャリア4の移動
軌跡は図5(a)〜(c)に示すようになる。即ち、糸
条キャリア4に支持されたボビンから解じょされる糸条
2は図5(a)〜(c)に示す曲線に沿って閉ループを
形成して移動することになる。一方、第1群及び第2群
のロータをそれぞれ180°回転させた場合は、別の移
動軌跡となる。従って、両群のロータを順次逆の方向に
90°又は180°回転させることにより、糸条2が繊
維構造体1の各表面で折り返すように配列された繊維構
造体1が製織される。
【0029】製織中に必要に応じて筬打ちを行うことが
でき、筬打ちの程度と製織された織物の巻取速度とを調
整することにより、繊維構造体1における糸条2の配向
角度を調整できる。
【0030】このように製織された繊維構造体1を強化
繊維としたFRP製のキャリアテープを製造する場合
は、繊維構造体1に樹脂を含浸させた後、硬化させる。
樹脂の含浸硬化には、例えば、レジントランスファーモ
ールディング(RTM)法が採用される。RTM法で
は、成形金型内に繊維構造体1を載置し、この成形金型
内に熱硬化性のマトリックスレジンを注入して繊維構造
体1に含浸させた後、加熱硬化させることにより、複合
成形材(FRP製キャリアテープ)が製造される。樹脂
には例えばエポキシ樹脂が使用される。
【0031】キャリアテープを駆動するレピアホイール
として、スプロケットを使用する場合はキャリアテープ
にスプロケットの歯と係合する係合孔を形成する。係合
孔の形成はFRP製のキャリアテープを製造後にプレス
加工あるいはドリル加工で形成する方法がある。また、
樹脂含浸用の金型に係合孔を形成するための突起を設
け、樹脂含浸時に形成することも可能である。
【0032】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) FRP製のキャリアテープの強化材として使用
される繊維構造体1が、緯入れ時にキャリアテープがレ
ピアヘッドの姿勢が安定した状態で移動可能な剛性を付
与可能な帯状に組織されているため、レピアヘッドの姿
勢が安定した状態で、レピアホイールの回動に伴って経
糸開口内への進入及び経糸開口内からの退避が可能とな
る。
【0033】(ロ) FRP製のキャリアテープの強化
材として使用される繊維構造体1が、キャリアテープの
幅方向の両端部で糸条2が折り返されるように組織され
ているため、繊維切断面がキャリアテープの幅方向の両
端部に存在しない。従って、キャリアテープに頻繁に曲
げ応力が加えられても、キャリアテープの幅方向の端部
から破壊が生じ難く、従来の積層繊維を強化材としたF
RP製のキャリアテープに比較して耐久性が向上する。
【0034】(ハ) 繊維構造体1が三次元組みひもで
構成されているため、キャリアテープとした場合、厚さ
方向と直交する平面で明確に分けられる層が存在せず、
キャリアテープに曲げ応力が繰り返し作用しても、従来
の平面状の織物を積層した強化材を使用したものと異な
って層間剥離が発生せず、耐久性が向上する。
【0035】(ニ) スプロケットの歯と係合する係合
孔を形成したキャリアテープの場合、歯が係合孔から離
脱する際の歯と係合孔との摩擦により、表面剥離が発生
することがある。しかし、繊維構造体1に厚さ方向と直
交する平面で明確に分けられる層が存在せず、しかもキ
ャリアテープの長手方向と斜めに交差して厚さ方向に延
びる糸条が存在するため、剥離した部分が経糸を引っか
けて織物の品質あるいは織機の稼動率に悪影響を与える
まで表面剥離が拡大するのが防止される。
【0036】(ホ) 繊維構造体1が三次元組みひもの
組織で構成されているため、スプロケットの歯と係合す
る係合孔を形成する場合、繊維構造体1への樹脂の含浸
硬化を行う金型に突起を設けて樹脂含浸時に係合孔を形
成する際、突起が糸条2を分けながら繊維構造体1を貫
通し易い。このようにして係合孔を形成したキャリアテ
ープは、樹脂成形後にプレス加工やドリル加工で係合孔
を形成した場合と異なり、係合孔の周囲に繊維の切断端
が存在しないため、スプロケットの歯と係合孔との摩擦
による表面剥離が防止されるとともに、係合孔の周囲が
破壊の起点となることが防止される。
【0037】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態を図6に従って説明する。この実施の形態は三次元組
みひもを製織する三次元ブレーダとしてスクウェアブレ
ーダを利用した点が異なり、製織される繊維構造体1の
組織が厳密にいえば前記実施の形態の三次元組みひもと
異なるが、糸条2が繊維構造体1の表面で折り返すとと
もに、繊維構造体1の長手方向に所定の配向角をなすよ
うに配列されている点は同じである。そして、この繊維
構造体1を強化材として製造されたFRP製のキャリア
テープは、前記実施の形態のものと同様な作用効果を発
揮する。
【0038】次にスクウェアブレーダの構成を説明す
る。スクウェアブレーダは図6(b)に示すように、糸
条キャリア12の移動を案内するガイド溝13を有する
フレーム14を備えている。図6(a)に示すように、
糸条キャリア12を駆動するロータ6に相当するホーン
ギヤ15には、円板の外周の4箇所に糸条キャリア12
と係合する凹部15aが等間隔をおいて形成されてい
る。ホーンギヤ15はそれぞれ歯車で係合し同期回転駆
動される構成となっている。糸条キャリア12はホーン
ギヤ15の凹部15aと係合可能な円柱状の保持部12
aと、ガイド溝13と係合可能な係合部12b(図6
(a)〜(c)に黒塗りで図示)とを備え、ホーンギヤ
15の回転によりガイド溝13に沿って移動可能となっ
ている。
【0039】この三次元ブレーダでは隣接するホーンギ
ヤ15は前記実施の形態と同様に互いに逆方向に回転駆
動されるが、前記実施の形態と異なってそれぞれ間欠的
に駆動されるのではなく、連続的に回転される。また、
製織時に使用される糸条キャリア12の数はホーンギヤ
15の数と同数に設定され、前記実施の形態におけるロ
ータ6に対する糸条キャリア4の数の割合より大幅に少
なくなる。
【0040】この三次元ブレーダで繊維構造体1を製織
する場合は、各ホーンギヤ15に対してそれぞれ1個の
糸条キャリア12を、図6(c)に示すような対応とな
る状態で配置し、その状態から製織を開始する。各ホー
ンギヤ15が所定の方向に駆動されると、各糸条キャリ
ア12の移動軌跡は図6(d)に実線、破線、一点鎖線
及び二点鎖線で示すようになり、糸条キャリア12に支
持されたボビンから解じょされる糸条2も図6(d)の
対応する曲線に沿って閉ループを形成して移動すること
になる。その結果、糸条2が繊維構造体1の各表面で折
り返すように配列された繊維構造体1が製織される。
【0041】(第3の実施の形態)次に第3の実施の形
態を図7に従って説明する。この実施の形態の繊維構造
体16は厚さ方向に複数の繊維層が積層されるとともに
各繊維層を貫通する糸条が存在する三次元織物で構成さ
れている。繊維構造体16は図7に示すように、第1の
糸条S1からなる第1糸層17と、第2の糸条S2から
なる第2糸層18と、第3の糸条S3からなる第3糸層
19と、第4の糸条S4からなる第4糸層20とが適宜
の数だけ繊維構造体16の厚さ方向に積層された状態で
配置され、各糸層を貫通するように繊維構造体16の厚
さ方向に折り返し状に配列された第5の糸条S5により
各糸層17〜20が結合されている。第1の糸条S1は
繊維構造体16の長手方向に沿って配列され、第2の糸
条S2は第1の糸条S1と直交するように繊維構造体1
6の幅方向に折り返し状に配列されている。第3の糸条
S3は繊維構造体16長手方向に対して所定の角度をな
すように幅方向に折り返し状に配列され、第4の糸条S
4は繊維構造体16の長手方向に対して第3の糸条S3
と反対の傾斜角度で交差するように配列されている。第
5の糸条S5は耳糸Pにより抜け止めされている。
【0042】この繊維構造体16は例えば、特開平5−
272030号公報に開示されている方法で製造でき
る。即ち、繊維構造体1の厚さ方向に積層される各糸層
を所定層数積層した後、第5の糸条S5を各層17〜2
0を貫通するように挿入するとともに耳糸Pで抜け止め
を図りながら配列する。
【0043】この繊維構造体16も前記実施の形態の繊
維構造体1と同様に、樹脂の含浸硬化処理を受けてFR
P製のキャリアテープに形成される。また、係合孔が必
要な場合は、第1の実施の形態と同様に、プレス加工や
ドリル加工等で係合孔が形成される。このキャリアテー
プも第1の実施の形態の(イ)及び(ロ)と同様の効果
を発揮する。また、繊維構造体16には三次元組みひも
で構成された繊維構造体1と異なり、繊維構造体16の
厚さ方向と直交する平面で分けられる糸層(繊維層)が
存在する。しかし、各糸層17〜20を貫通するように
配列された第5の糸条S5によって各糸層17〜20が
互いに結合されているため、キャリアテープに頻繁に曲
げ応力が加えられて、一部に層間の剪断破壊や表面剥離
が発生しても、それが伝播拡大し難い。従って、繊維層
が厚さ方向に積層されただけで、積層された繊維層を貫
く糸条がない従来のキャリアテープに比較してその耐久
性が向上する。
【0044】(第4の実施の形態)次に第4の実施の形
態を図8〜図10に従って説明する。この実施の形態で
は繊維構造体21が平打ちで組織された二次元組みひも
で構成されている。図8に示すように、繊維構造体21
は多数の糸条2が繊維構造体21の表面で折り返すとと
もに、繊維構造体21の長手方向に所定の配向角をなす
ように配列されている。三次元組みひもと異なり、繊維
構造体21の厚さ方向に配列される糸条2の本数は2本
のため、厚さ方向に配列される繊維の本数を増やして所
望の剛性を確保することはできない。しかし、太い糸条
2を使用することにより、所望の剛性を確保できる。こ
の繊維構造体21も前記各実施の形態と同様に樹脂の含
浸硬化によりFRP製のキャリアテープに形成される。
【0045】この実施の形態では繊維構造体21が組み
ひもで構成されている点は第1及び第2の実施の形態と
同じであり、組みひもに三次元構造か二次元構造かの違
いがあるだけのため、第1及び第2の実施の形態とほぼ
同様な効果を発揮する。しかし、同じ材質の糸条2を使
用して所定の剛性を確保するには、三次元組みひもの方
が細い糸条を多数本使用することができ、多数の糸条が
交錯した状態で配列されるため、曲げ応力に対する耐久
性が良い。
【0046】この繊維構造体21は図10に示す構成の
ブレーダで組織される。ブレーダは図10(a)〜図1
0(c)に示すように、ボビンキャリア22の移動を案
内するガイド溝23aを有するフレーム23と、ボビン
キャリア22を駆動する大径と小径の2種類のホーンギ
ヤ24,25とを備えている。小径のホーンギヤ25は
ボビンキャリア22と係合可能な凹部25aが4個等間
隔に形成され、5個のホーンギヤ25がある点を中心と
した円弧上に互いに隣接する状態で配設されている。大
径のホーンギヤ24にはボビンキャリア22と係合可能
な凹部24aが5個、凹部25aの間隔と同じ等間隔に
形成され、2個のホーンギヤ24がそれぞれホーンギヤ
25列の端部に位置するホーンギヤ25との間でボビン
キャリア22を受渡し可能な近接位置に配設されてい
る。
【0047】ホーンギヤ24,25はそれぞれ独立した
アクチュエータ(図示せず)により回転駆動可能となっ
ている。ボビンキャリア22はホーンギヤ24,25の
凹部24a,25aと係合可能でかつガイド溝23aと
係合可能に構成され、ホーンギヤ24,25の回転によ
りガイド溝23aに沿って移動可能となっている。
【0048】このブレーダでは隣接するホーンギヤ2
4,25は互いに逆方向に、かつ周面の速度が等しくな
るように連続的に回転駆動される。そして、各ホーンギ
ヤ24,25に対してボビンキャリア22を、図10
(c)に示すような対応となる状態で配置し、その状態
から製織を開始する。各ホーンギヤ24,25が所定の
方向(図10(c)に矢印で示す方向)に駆動される
と、各ボビンキャリア22の移動軌跡は図10(d)に
示すようになり、ボビンキャリア22に支持されたボビ
ンから解じょされる糸条2は図10(d)に示す曲線に
沿って移動することになる。従って、糸条2が繊維構造
体21の幅方向の端部で折り返すように配列された繊維
構造体21が組織される。
【0049】なお、ホーンギヤ24,25の中心及びそ
れと対向するフレーム23上に孔を設け、その孔を通し
て芯糸(芯糸条)を導出した状態で前記と同様にブレー
ダを運転すると、図9に示す繊維構造体26が組織され
る。繊維構造体26は繊維構造体26の長手方向に沿っ
て真っ直ぐに延びる芯糸27が配列されている点が繊維
構造体21と異なっている。従って、繊維構造体26を
強化材としたキャリアテープは繊維構造体21を強化材
としたキャリアテープに比較して曲げや引っ張りに対す
る強度が大きくなる。
【0050】(第5の実施の形態)次に第5の実施の形
態を図11に従って説明する。この実施の形態では繊維
構造体28が平織りの織物、即ち単層の織物で構成され
ている。繊維構造体28は繊維構造体28の長手方向に
沿って配列された経糸29と、経糸29と直交する状態
で幅方向に緯入れされた緯糸30とで製織されている。
繊維構造体28が単層の織物で構成されているため、キ
ャリアテープを形成した場合に所定の剛性を持たせるに
は繊維構造体28を構成する糸条(経糸及び緯糸)とし
て、複数の繊維層でキャリアテープを構成したときの厚
さに近い太さの糸条が使用される。
【0051】この繊維構造体28を強化材としたFRP
製のキャリアテープは、繊維構造体28が単層の織物で
あるため層間剥離が発生しない。また、糸条(緯糸3
0)が繊維構造体28の幅方向の両端部で折り返されて
いるため、繊維切断面がキャリアテープの幅方向の両端
部に存在せず、キャリアテープに頻繁に曲げ応力が加え
られても、キャリアテープの幅方向の端部から破壊が生
じ難い。
【0052】なお、本発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば、次のように具体化してもよ
い。 (1) 単層の織物で繊維構造体28を構成する場合、
テープ織機で製織された帯状の織物を使用してもよい。
繊維構造体28は図12に示すように、繊維構造体28
の長手方向に沿って配列された経糸29と、経糸29と
直交する状態で幅方向に折り返し状に緯入れされた緯糸
30とで製織されている。経糸29及び緯糸30には太
い糸を使用する必要がある。この場合も第5の実施の形
態と同様な効果を発揮する。
【0053】(2) 繊維構造体を構成する単層の織物
として、平織りではなく綾織りの織物を使用してもよ
い。綾織りの織物を使用した場合は、平織りの場合と同
じ太さの糸を使用しても、平織りに比較して織物の厚さ
を厚くできるので、結果として、必要な剛性を有するキ
ャリアテープを形成するのに適した繊維構造体を平織り
の場合より細い糸で製織できる。
【0054】(3) 繊維構造体16を構成する三次元
織物として、特公昭54−38673号公報、特開昭6
1−245335号公報等に開示された三次元織物を使
用してもよい。この三次元織物31は図13に示すよう
に、経糸yを複数行、複数列に張設した状態で各行間及
び各列間に第1及び第2の緯糸x,zを経糸yと直交す
る状態で順次折り返し状に挿入するとともに耳糸Pで抜
け止めを図って製織する。また、特開平4−11042
号公報等に開示された三次元織物のように経糸を複数
行、複数列に張設した状態で各行間及び各列間に第1及
び第2の緯糸を経糸と直交する状態で順次折り返し状に
挿入するとともに、バイアス糸を経糸の列間に経糸と斜
めに挿入して製織する三次元織物を使用してもよい。こ
の三次元織物を繊維構造体16として使用した場合は、
第3の実施の形態とほぼ同様な効果を発揮する。
【0055】(4) 繊維構造体として二次元組みひも
を使用する場合、平打ちの組みひもに代えて丸打ちの組
みひも使用する。丸打ちの組みひもは図14に示す構成
のブレーダで組織される。丸打ち用のブレーダはホーン
ギヤが1種類で、複数個(図14では8個)のホーンギ
ヤ25が互いに隣接する状態で同一円周上に各ホーンギ
ヤ25の回転中心が位置するように配設されている点
が、平打ち用のブレーダと大きく異なっている。また、
ガイド溝23aは点対称かつ線対称に形成されている。
ホーンギヤ25はボビンキャリア22と係合可能な凹部
25aが4個等間隔に形成されている。ホーンギヤ25
はそれぞれ独立したアクチュエータ(図示せず)により
回転駆動され、ボビンキャリア22はホーンギヤ25の
回転により、ホーンギヤ25の凹部25aと係合した状
態でガイド溝23aに沿って移動可能となっている。
【0056】隣接するホーンギヤ25は互いに逆方向
に、かつ周面の速度が等しくなるように連続的に回転駆
動される。そして、各ホーンギヤ25に対してボビンキ
ャリア22を、図14(c)に示すような対応となる状
態で配置し、その状態から製織を開始する。各ホーンギ
ヤ25が所定の方向(図14(c)に矢印で示す方向)
に駆動されると、各ボビンキャリア22の移動軌跡は図
14(d)に示すようになり、ボビンキャリア22に支
持されたボビンから解じょされる糸条2は図14(d)
に示す曲線に沿って移動することになる。従って、組織
される二次元組みひもは円筒状(チューブ状)に形成さ
れる。
【0057】円筒状に形成された丸打ちの組みひもを強
化材として使用する場合は、円筒を押しつぶして平打ち
の組みひもが二重に重なった状態で樹脂の含浸硬化処理
を行う。このようにして形成されたキャリアテープの場
合も、ガイド部材無しで水平を保持した状態で、レピア
ホイールの回動に伴って経糸開口内への進入及び経糸開
口内からの退避が可能となる。また、繊維切断面がキャ
リアテープの幅方向の両端部に存在しないため、従来の
積層繊維を強化材としたFRP製のキャリアテープに比
較して耐久性が向上する。
【0058】丸打ちの組みひもを押しつぶしただけで
は、中間部分に明確な層間が存在し、繰り返し曲げ応力
を受けることにより層間分離が発生し易い。層間分離を
防止するため、丸打ちの組みひもを押しつぶした状態で
ミシンがけ等により厚さ方向にステッチ糸を縫い込んだ
繊維構造体としてもよい。この場合、繊維構造体は実質
的に三次元織物となり、第3の実施の形態と同様な効果
を発揮する。
【0059】(5) 三次元組みひもを繊維構造体とし
て使用するばあい、繊維構造体を構成する糸条が全て繊
維構造体の各表面で折り返す構造ものに限らず、繊維構
造体の長手方向に沿って配列された糸条を含む三次元組
みひもを使用してもよい。この組みひもは第1及び第2
の実施の形態の三次元ブレーダにおいて、ロータ6の中
心に孔を設け、その孔を通して固定糸(芯糸)を導出し
た状態で前記と同様に三次元ブレーダを運転することに
より組織される。この繊維構造体を使用して形成したキ
ャリアテープは繊維構造体の長手方向に沿って真っ直ぐ
に延びる芯糸の存在により曲げや引っ張りに対する強度
が大きくなる。
【0060】(6) 繊維構造体を編み物で構成しても
よい。 (7) 繊維構造体を単一の材質の糸条、例えば、炭素
繊維のみで組織する代わりに、異種繊維からなる糸条を
組み合わせて構成してもよい。また、太さが同じ糸条の
みで組織する代わりに、太さの異なる糸条を組み合わせ
て組織してもよい。これらの場合、繊維構造体の強度や
剛性を調整するのが容易となる。
【0061】(8) 係合孔の形状は菱形に限らず、長
方形、多角形、円形、楕円形等任意の形状に形成しても
よいが、金型による樹脂成形と同時に形成する場合は菱
形に形成するのが好ましい。
【0062】前記各実施の形態及び変更例から把握でき
る請求項記載以外の発明について、以下にその効果とと
もに記載する。 (1) 請求項1に記載の発明において、繊維構造体と
して丸打ちで組織した二次元組みひもを押しつぶした状
態で厚さ方向にステッチ糸を縫い込んだものとする。こ
の場合、繊維構造体は実質的に三次元織物となり、第3
の実施の形態と同様な効果を発揮する。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項6
に記載の発明のキャリアテープを使用すれば、緯入れ時
にレピアヘッドが安定した姿勢を保持した状態で経糸開
口内への進入及び経糸開口内からの退避が可能となるた
め、ガイド部材とキャリアテープとの摩擦でキャリアテ
ープが磨耗して寿命が短くなることが抑制される。ま
た、繊維切断面がキャリアテープの幅方向の両端部に存
在しないため、キャリアテープに頻繁に曲げ応力が加え
られても、キャリアテープの幅方向の端部から破壊が生
じ難く、従来の積層繊維を強化材としたFRP製のキャ
リアテープに比較して耐久性が向上する。
【0064】請求項2に記載の発明では、前記繊維構造
体は厚さ方向と直交する面を境にした層間剥離不能に組
織されているため、頻繁に曲げ応力が作用しても破壊し
難く従来のFRP製のキャリアテープに比較して寿命が
長くなる。
【0065】請求項3に記載の発明では、前記繊維構造
体が三次元組みひもであるため、キャリアテープの厚さ
方向に明確に積層された繊維層が存在せず、しかも、キ
ャリアテープの長手方向と斜めに交差して厚さ方向に延
びる糸条が存在するため、層間剥離が発生しない。ま
た、スプロケットの歯と係合する係合孔を形成した場合
に係合孔の周囲で表面剥離が発生してもそれが伝播拡大
し難く、従来の積層繊維を強化材としたFRP製のキャ
リアテープに比較してキャリアテープの耐久性が向上す
る。
【0066】請求項4に記載の発明では、キャリアテー
プの厚さ方向に積層された複数の繊維層が存在するが、
各繊維層間を貫く糸条により各繊維層が相互に結合され
るため、頻繁な曲げ応力によって一部に層間の剪断破壊
や表面剥離が発生しても、それが伝播拡大し難く、従来
の積層繊維を強化材としたFRP製のキャリアテープに
比較してキャリアテープの耐久性が向上する。
【0067】請求項5及び請求項6に記載の発明では、
単層織物が強化材として使用されているため、繰り返し
の曲げ応力を受けても層間剥離が発生せず、従来の積層
繊維を強化材としたFRP製のキャリアテープに比較し
て耐久性が向上する。
【0068】請求項7に記載の発明の繊維構造体を使用
して形成したFRP製のキャリアテープは、請求項1〜
請求項6に記載の対応する発明と同様な効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の繊維構造体の模式斜視
図。
【図2】 同じく繊維構造体の製織(組織)状態の模式
斜視図。
【図3】 キャリア駆動ユニットの斜視図。
【図4】 ロータと糸条キャリアの配置を説明する模式
図。
【図5】 ロータを90°回転させたときの糸条キャリ
アの軌跡の模式図。
【図6】 第2の実施の形態を示し、(a)はスクウェ
アブレーダのホーンギヤと糸条キャリアの模式図、
(b)はフレームの模式図、(c)はフレーム、ホーン
ギヤ及び糸条キャリアの位置関係を示す模式図、(d)
は糸条キャリアの軌跡の模式図。
【図7】 第3の実施の形態の繊維構造体の一部破断模
式図。
【図8】 第4の実施の形態の繊維構造体の模式平面
図。
【図9】 第4の実施の形態の別の繊維構造体の模式平
面図。
【図10】 (a)は平打ち用ブレーダのホーンギヤの
模式図、(b)はフレームの模式図、(c)はフレー
ム、ホーンギヤ及びボビンキャリアの位置関係を示す模
式図、(d)はボビンキャリアの軌跡を示す模式図。
【図11】 第5の実施の形態の繊維構造体の模式平面
図。
【図12】 変更例の繊維構造体の模式平面図。
【図13】 変更例の三次元織物の製織状態を示す模式
斜視図。
【図14】 (a)は丸打ち用ブレーダのホーンギヤの
模式図、(b)はフレームの模式図、(c)はフレー
ム、ホーンギヤ及びボビンキャリアの位置関係を示す模
式図、(d)はボビンキャリアの軌跡を示す模式図。
【図15】 従来のFRP製テープキャリアの一部破断
模式斜視図。
【図16】 レピア織機のガイド部材と経糸の関係を示
す模式側面図。
【図17】 キャリアテープの破壊状態を示す模式斜視
図。
【図18】 レピアホイールとキャリアテープの関係を
示す模式図。
【符号の説明】
1,16,21,26,28…繊維構造体、2…糸条、
27…芯糸、29…糸条としての経糸、30…糸条とし
ての緯糸。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レピア織機に使用されるキャリアテープ
    であって、幅方向の端部で糸条が折り返されるように組
    織された帯状の繊維構造体を強化材とした繊維強化プラ
    スチックで形成されたレピア織機用キャリアテープ。
  2. 【請求項2】 前記繊維構造体は厚さ方向と直交する面
    を境にした層間剥離不能に組織されている請求項1に記
    載のレピア織機用キャリアテープ。
  3. 【請求項3】 前記繊維構造体は三次元組みひもである
    請求項1又は請求項2に記載のレピア織機用キャリアテ
    ープ。
  4. 【請求項4】 前記繊維構造体は三次元織物である請求
    項1に記載のレピア織機用キャリアテープ。
  5. 【請求項5】 前記繊維構造体は平打ちの二次元組みひ
    もである請求項1又は請求項2に記載のレピア織機用キ
    ャリアテープ。
  6. 【請求項6】 前記繊維構造体は単層の織物である請求
    項1又は請求項2に記載のレピア織機用キャリアテー
    プ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記
    載の繊維構造体。
JP8292868A 1996-11-05 1996-11-05 レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体 Pending JPH10130994A (ja)

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EP97119289A EP0845552A3 (en) 1996-11-05 1997-11-04 Carrier tape and fabric for rapier loom
CN97123400A CN1183489A (zh) 1996-11-05 1997-11-04 剑杆织机用载体带及其纤维构造体
KR1019970057926A KR19980042060A (ko) 1996-11-05 1997-11-04 레이피어직기용 캐리어테이프 및 섬유구조체

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100676179B1 (ko) 2005-03-04 2007-01-30 영남대학교 산학협력단 원형 및 사각형 단면 브레이드 제조가 가능한 브레이드장치
JP2009052613A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Toyota Industries Corp 繊維強化樹脂製歯車
KR100897544B1 (ko) * 2002-09-10 2009-05-14 파인텍스 주식회사 중조직의 레피어 밴드 및 그 제조방법
CN103061004A (zh) * 2012-12-29 2013-04-24 中材科技股份有限公司 新结构立体织物及其编织方法

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