JPH10125978A - ガスレーザ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コロナ放電により予備電離を行うガスレーザ
装置のレーザ発振の効率を高めること。 【解決手段】 レーザ管１内に一対の主放電電極２、３
と主放電電極に沿って配置されたコロナ放電発生電極と
を備えてなるガスレーザ装置において、前記コロナ放電
発生電極を、誘電体パイプ１１の内部に第１の電極１１
２を挿通し、外表面に第２の電極１３を形成してなると
ともに、第２の電極１３をメッシュ電極構造等の、誘電
体パイプ１１の軸方向に伸びる要素と周方向に伸びる要
素のコロナ発生縁部を多く設けて構成し、コロナ放電の
量を多くして予備電離に必要な紫外光等を多量に得るよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガスレーザ装置に
関し、詳しくはコロナ放電により予備電離を行うガスレ
ーザ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ガスレーザ装置、例えばエキシマレーザ
装置は、図８の概略断面図に示すようにレーザ管１内の
希ガス（Ａｒ，Ｋｒ，Ｘｅなど）とハロゲンガス（Ｆ，
Ｃｌなど）の混合したレーザガス雰囲気中に、発振光軸
方向（図の紙面に対して垂直方向）に平行し、互いに対
向する一対の主放電電極２、３が配置され、この一対の
主放電電極２、３に電源４から高電圧のパルス電圧を印
加して、主放電電極２、３間の放電領域ｄに主放電を発
生させてレーザガスの励起を行うようにされている。

【０００３】そして、主放電に先立ち放電領域ｄにある
レーザガスを予備電離するために、一対の主放電電極
２、３の一方の主放電電極３（図示では接地電位側の電
極）に沿って予備電離放電発生手段が配置されている。
予備電離放電発生手段は、図示の場合、誘電体で形成さ
れた中空パイプ５の中空部に導体からなる第１の電極６
を挿通した棒状の部材７とこの部材７の外表面に接して
軸方向に延びて配置された導体からなる第２の電極８と
で構成し、第２の電極８と中空パイプ５の誘電体外表面
との接触点部（第２の電極８の先端縁部）にコロナ放電
を発生するようにされている。

【０００４】つまり、コロナ放電発生手段は、第１の電
極６が電源４の高電圧側に接続され、中空パイプ５の外
表面の第２の電極８は、主放電電極３と同電位の電源４
の低電圧側（接地電位側）に接続されていて、第１の電
極６と第２の電極８間に高電圧の電圧が印加されると、
第２の電極８と中空パイプ５の誘電体外表面との接触点
部にコロナ放電が発生し、このコロナ放電により発生し
た紫外光を矢印Ａで示すように放電領域ｄに照射し、放
電領域ｄにあるレーザガスを予備電離する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
コロナ放電を発生させる第２の電極８は、その周縁が中
空パイプ５の軸方向にストレートに伸びる直線状に形成
されていて、コロナ放電はそのストレートに伸びる直線
状の縁部のみで発生する。そのため、予備電離を行うた
めの紫外光の発生量が少なく、放電領域ｄのレーザガス
の予備電離強度が少なく、効率の良いレーザ発振を行う
ことができないという問題がある。

【０００６】本発明は、上記の問題に鑑みなされたもの
で、コロナ放電により予備電離を行うガスレーザ装置の
レーザ発振の効率を高めることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、一
対の主放電電極と誘電体パイプの内部に第１の電極が挿
通され外表面に第２の電極が形成されてなるコロナ放電
発生電極とを有し、前記コロナ放電発生電極が前記主放
電電極に沿って配置されてなるガスレーザ装置におい
て、前記第２の電極が前記誘電体パイプの軸方向に伸び
る要素と周方向に伸びる要素のコロナ発生縁部を有して
なることを特徴とするガスレーザ装置とすることにより
達成される。

【０００８】本発明の上記特徴によれば、第２の電極の
コロナ放電発生に関与する縁の長さを長くすることがで
き、これにより多量のコロナ放電が発生し、その結果予
備電離に必要な紫外光等の光が多量になり、レーザ発振
の効率を高めることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図を参照して説明する。図１は本発明に係るガスレーザ
装置の実施形態の構成を示す断面図、図２は本発明に係
るガスレーザ装置の他の実施形態の構成を示す断面図、
図３及び図４はコロナ発生部における電極と誘電体の接
合状態を示す拡大断面図、図５ないし図７は電極の形状
例を示す平面図である。なお、全図において同一の部分
には同一符号を付し、重複する説明は省略する。

【００１０】図１に示す本発明に係るガスレーザ装置の
予備電離を行うためのコロナ放電発生電極は、アルミナ
セラミックス、ガラス、石英等の誘電率の大きい誘電体
で円筒状に形成された誘電体パイプ１１の中空部に導体
からなる第１の電極１２を挿通（誘電体中に第１の電極
１２を引出部を除いて埋め込まれても良い。）した直線
状の部材１４とこの部材１４の外表面に接して適宜の幅
で軸方向に延びて配置された平板状の導体からなる第２
の電極１３とで構成され、主放電電極３の両側のそれぞ
れに沿って配置される。

【００１１】第２の電極１３は、図５の第２の電極１９
に示すような網目１９ａが多数形成されている。このよ
うに形成された電極、すなわちメッシュ電極１９では、
誘電体パイプ１１の軸方向に伸びる要素の縁部Ｌａと周
方向に伸びる要素の縁部Ｌｂが多数形成されていて、各
縁部でコロナ放電が発生し、多量のコロナ放電を得るこ
とができる。なお、網目１９ａの形状は、図５に示され
た矩形状に限らず、円形や菱形等であっても良い。

【００１２】また、第２の電極１３は、図６や図７に示
すような電極形状にされても良い。図６に示す第２の電
極２０では、幅広に矩形状に形成された電極を複数誘電
体パイプ１１の表面に配置し、各幅広に矩形状に形成さ
れた電極は狭い幅の導体２０ａで連結して電気的に接続
それている。このように形成されても誘電体パイプ１１
の軸方向に伸びる要素の縁部Ｌａと周方向に伸びる要素
の縁部Ｌｂが多数形成され、各縁部でコロナ放電が発生
し、多量のコロナ放電を得ることができる。なお、幅広
に四角形状に形成された電極は、図５に示された一列に
限らず、複数列であっも良い。

【００１３】図７に示す第２の電極２１では、円形状に
形成された電極を複数誘電体パイプ１１の表面に配置
し、各円形状に形成された電極は狭い幅の導体２１ａで
連結して電気的に接続それている。このように形成され
ても誘電体パイプ１１の軸方向に伸びる要素の縁部Ｌａ
と周方向に伸びる要素の縁部Ｌｂが多数形成され、各縁
部でコロナ放電が発生し、多量のコロナ放電を得ること
ができる。なお、幅広に矩形状に形成された電極は、図
６に示された一列に限らず、複数列であっも良い。

【００１４】このように構成されたコロナ放電発生電極
は、第１の電極１２と第２の電極１３間に高電圧のパル
ス電圧が印加されると、第２の電極１３の縁部で誘電体
パイプ１１の誘電体外表面にコロナ放電が発生し、この
コロナ放電により発生した紫外光を主放電電極２、３間
の放電領域に照射し、放電領域にあるレーザガスを予備
電離する。

【００１５】この場合、第２の電極１３の誘電体パイプ
１１の表面に接する側の縁部に、図３及び図４に示すよ
うに、誘電体パイプ１１の表面から微小な間隙（１０μ
ｍ〜１ｍｍ）が取れるように傾斜面２２（図３）、ある
いは曲面２３（図４）が形成しておくと、誘電率の小さ
いレーザガス側に電界が集中してコロナ発生が生じ易く
なる。

【００１６】図２は、本発明に係るガスレーザ装置の他
の実施形態の構成を示すものである。この実施形態のガ
スレーザ装置と図１に示すガスレーザ装置と異なる点
は、この実施形態では、予備電離を行うためのコロナ放
電発生電極が、角筒状に形成された誘電体パイプ１５の
中空部に導体からなる第１の電極１６を挿通（誘電体中
に第１の電極１６を引出部を除いて埋め込まれても良
い。）した直線状の部材１８とこの部材１８の外表面の
平面部に接して適宜の幅で軸方向に延びて配置された平
板状の導体からなる第２の電極１７とで構成されている
点である。

【００１７】そして、第２の電極１７は、図１の第２の
電極と同様に形成されるので、その説明は省略する。こ
のようにコロナ放電発生電極が形成されても、図１の第
２の電極と同様の作用効果を享受できる。

【００１８】なお、各実施形態のコロナ放電発生電極
は、第２の電極を平板状に形成し、背丈を低くして接地
電位側の主放電電極の側面に並べて配置されてあり、一
対の主放電電極間の間隙、言い替えれば放電領域ｄのレ
ーザガスの循環を妨げないようにされているが、コロナ
放電発生電極は接地電位側の主放電電極と対向する高電
圧側の主放電電極の側面に並べて配置されても良い。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
コロナ放電の量が多くとれるので、予備電離に必要な紫
外光等の光が多量になり、レーザ発振の効率を高めるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るガスレーザ装置の実施形態の構成
を示す断面図である。

【図２】本発明に係るガスレーザ装置の他の実施形態の
構成を示す断面図である。

【図３】本発明に係るガスレーザ装置のコロナ発生部に
おける電極と誘電体の一例の接合状態を示す拡大断面図
である。

【図４】本発明に係るガスレーザ装置のコロナ発生部に
おける電極と誘電体の他の例の接合状態を示す拡大断面
図である。

【図５】本発明に係るガスレーザ装置のコロナ発生電極
の一例の形状を示す平面図である。

【図６】本発明に係るガスレーザ装置のコロナ発生電極
の他の例の形状を示す平面図である。

【図７】本発明に係るガスレーザ装置のコロナ発生電極
の更に他の例の形状を示す平面図である。

【図８】従来のガスレーザ装置の構成を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ レーザ管 ２、３ 主放電電極 １１、１５ 誘電体パイプ １２、１６ 第１の電極 １３、１７、１９、２０、２１ 第２の電極、 Ｌａ、Ｌｂ 第２の電極の縁部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の主放電電極と誘電体パイプの内部
   に第１の電極が挿通され外表面に第２の電極が形成され
   てなるコロナ放電発生電極とを有し、前記コロナ放電発
   生電極が前記主放電電極に沿って配置されてなるガスレ
   ーザ装置において、前記第２の電極が前記誘電体パイプ
   の軸方向に伸びる要素と周方向に伸びる要素のコロナ発
   生縁部を有してなることを特徴とするガスレーザ装置。