JPH10122509A - 流動床燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼炉から燃焼ガスと共に流出する粒子の一
部を受入れて冷却後、同燃焼炉へ戻す外部熱交換器、及
び燃焼炉と外部熱交換器との間にあって空気噴出孔を具
えた隔壁を有する流動床燃焼装置において、外部熱交換
器から燃焼炉の流動層内に供給される粒子と外部熱交用
空気を制御して燃焼炉を安定燃焼させること。 【解決手段】 隔壁は隔壁用風箱２７で構成され、その
空気噴出孔２６は複数個の隔壁用細孔２８が設けられた
ラッパ状の隔壁用多孔板２９で構成されている。また、
ラッパ状の空気噴出孔２６に対応する頭部形状を有する
と共にその頭部に空気噴出用の複数個の細孔３０を有し
空気噴出孔２６に向け前後動される粒子分配器３２が設
けられている。更に、外部熱交換器２１の上部と燃焼炉
５の後部を連通し外部熱交出口バルブ３８を介在させた
外部熱交出口管３７が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、石炭やＲＤＦ等を
燃料とし、燃焼炉から燃焼ガスと共に流出する粒子の一
部を受入れて冷却後、同燃焼炉へ戻す外部熱交換器を具
えた流動床燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２に石炭やＲＤＦ等を燃焼させる従来
の流動床燃焼装置を示してあり、これについて説明す
る。図２において、１は流動層燃焼設備を示し、この流
動層燃焼設備１は、炉内用細孔２が多数設けられた炉内
用多孔板３をはさんで下方に炉内用風箱４、上方に燃焼
炉５が配置されている。

【０００３】また、燃焼炉５底部付近の図中の左側に燃
焼炉５と直角に外部熱交換器２１を配置している。この
外部熱交換器２１には、外部熱交用細孔１７が多数設け
られた外部熱交用多孔板１８をはさんで、下方に外部熱
交用風箱２３、上方に循環粒子混合室２４が配置され、
循環粒子混合室２４内には伝熱管２２が配設されてい
る。

【０００４】外部熱交換器２１内の図中の右側部には、
隔壁１９が炉内用多孔板３と垂直に配設されている。隔
壁１９の中央部付近には、外部熱交用多孔板１８と平行
に円筒形の空気噴出孔２６が穿設されている。

【０００５】炉内用多孔板３には、燃焼灰の抜き出し管
１０が設けられホッパ１２へと導かれるようになってい
る。１１ａ，１１ｂはバルブである。燃焼炉５の上部は
サイクロン１４に連通され、サイクロン１４の下方には
シールポット１５が設けられ、このシールポット１５は
燃焼炉５と外部熱交換器２１に連絡されている。

【０００６】以上の構成をもつ図２の流動床燃焼装置に
おいて、図示されていない燃料供給設備から燃焼炉５に
供給された燃料６と流動材（石灰石・砂等）７は炉内用
多孔板３上に供給される。一方、炉内燃焼用空気８は炉
内用風箱４に流入し、炉内用細孔２を通り燃焼炉５に供
給される。

【０００７】また、外部熱交用空気２０は外部熱交用風
箱２３に流入し、外部熱交用細孔１７を通り循環粒子混
合室２４に供給され、空気噴出孔２６を通り燃焼炉５に
供給される。炉内燃焼用空気８及び外部熱交用空気２０
等により炉内用多孔板３上で燃料６と流動材７は流動層
９を形成し燃焼する。

【０００８】燃焼炉５の上部から飛び出した粒子１３は
サイクロン１４で捕集されシールポット１５に入る。シ
ールポット１５内で粒子１３は流動化媒体１６により流
動化し再び燃焼炉５へ戻される。シールポット１５内の
粒子１３の一部は、バルブ２５を通り外部熱交換器２１
を経て燃焼炉５へ循環する。

【０００９】尚、外部熱交換器２１では、サイクロン１
４で回収された粒子１３を伝熱管２２で冷却し、それを
再び燃焼炉５へ戻すことにより温度を調整する。燃焼後
の灰は、炉内用多孔板３中央に設けられた抜き出し管１
０を介し、バルブ１１ａとバルブ１１ｂの操作によって
ホッパ１２に入り装置外に排出される。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来の流動床燃焼装置では、炉内燃焼用空気８と外部熱交
用空気２０が共に流動層９内に通気されるため、これに
起因して次の不具合点を有する。まず、炉内燃焼用空気
８と外部熱交用空気２０によって、流動層９内は盛んに
燃料６と流動材７が流動化しているため、燃料６の燃焼
状況が極端に良くなり、局所的に炉内温度が上昇する箇
所が発生し、炉内クリンカ発生に至ることが考えられ
た。また、微粒子（未燃炭を含む）が後流側に飛散する
ため安定燃焼に時間を要する。

【００１１】本発明は、燃焼炉、同燃焼炉から燃焼ガス
と共に流出する粒子の一部を受入れて冷却後、同燃焼炉
へ戻す外部熱交換器、及び燃焼炉と外部熱交換器との間
にあって空気噴出孔を具えた隔壁を有する流動床燃焼装
置において、外部熱交換器から燃焼炉の流動層内に供給
される粒子と外部熱交用空気を制御して燃焼炉を安定燃
焼させることのできる流動床燃焼装置を提供することを
課題としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明による流動床燃焼装置では、燃焼炉と外部熱
交換器との間に設ける隔壁を隔壁用風箱で構成し、また
その隔壁に設けられる空気噴出孔を、複数個の隔壁用細
孔が設けられたラッパ状の隔壁用多孔板で構成する。

【００１３】また、そのラッパ状の空気噴出孔に対応す
る頭部形状を有すると共にその頭部に空気噴出用の複数
個の細孔を有し空気噴出孔に向け前後動される粒子分配
器を設ける。

【００１４】更に、その外部熱交換器の上部と燃焼炉の
後部を連通し外部熱交出口バルブを介在させた外部熱交
出口管を設ける。

【００１５】本発明による流動床燃焼装置では、前記し
たように燃焼炉と外部熱交換器との間に設けられる隔壁
を隔壁用風箱で構成し、その空気噴出孔を隔壁用細孔が
設けられた隔壁用多孔板で構成して空気を流出させてい
るので、空気噴出孔が粒子で閉塞することがなく、外部
熱交換器から供給される粒子を流動層にスムーズに供給
させる。

【００１６】また、本発明による流動床燃焼装置では、
隔壁用風箱に設けられる空気噴出孔をラッパ状とし、こ
れに対応する頭部形状をもち空気噴出孔に向け前後動さ
れる粒子分配器を設けているので、この粒子分配器を前
後に変位させることによって、流動層の燃焼状態に応じ
外部熱交換器から流動層に供給する粒子の量を調整する
ことができる。

【００１７】更に、本発明による流動床燃焼装置では、
外部熱交換器の上部と燃焼炉の後部とを外部熱交出口管
で連通していて、低負荷時から安定燃焼状態になるまで
は、前記した粒子分配器を前進させて外部熱交用空気を
流動層に供給させないで、この外部熱交出口管を通して
燃焼炉へ通気させる。

【００１８】これによって流動層内には、燃料、流動
材、粒子の良好な流動状態が形成され、従来のような局
所的に炉内温度が上昇する箇所が形成されるのを防止す
ることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明による流動床燃焼装
置について図１に示した実施の形態に基づいて具体的に
説明する。なお、以下の実施の形態において、図２に示
した従来の装置と同じ構成の部分には説明を簡単にする
ため同じ符号を付してあり、それらについての重複する
説明は省略する。

【００２０】外部熱交換器２１の図中の右側部には、隔
壁用風箱２７を炉内用多孔板３と垂直に配置し、隔壁用
風箱２７の中央部付近には、隔壁用細孔２８が多数設け
られたラッパ状の隔壁用多孔板２９を配設してある。

【００２１】また、隔壁用風箱２７の中央部付近にある
ラッパ状の隔壁用多孔板２９付近に、前記ラッパ状の形
に対応したすりばち状の粒子分配器３２を設けてある。
この粒子分配器３２の頭部は、細孔３０が多数設けられ
た多孔板３１になっており、底部は、隔壁用空気管３３
を介して、系外に設けられた駆動装置３５（前後に移動
可能）と接続している。

【００２２】また、外部熱交換器２１の上部には、外部
熱交出口管３７を配設し、外部熱交出口バルブ３８を介
して、燃焼炉５（流動層９の後部付近）と接続してい
る。一方、粒子分配器３２には、隔壁用空気管用空気３
４が、円筒形の隔壁用空気管３３を通して供給される。
その他の構成は、図２に示した流動床燃焼装置と実質同
じである。

【００２３】以上説明したように、図１の流動床燃焼装
置では、隔壁を構成する隔壁用風箱２７の中央付近に
は、隔壁用細孔２８が多数設けられたラッパ状の隔壁用
多孔板２９を配設し、ここから空気を流出させるように
した事で、空気噴出孔２６が粒子１３で閉塞することな
く、外部熱交換器２１から供給される粒子１３を流動層
９にスムーズに供給することができる。

【００２４】また、図１の流動床燃焼装置では、ラッパ
状の空気噴出孔２６に対応する頭部形状を有すると共
に、頭部に細孔３０を有する多孔板３１を設けた粒子分
配器３２を設けてあり、この粒子分配器３２を流動層９
の燃焼状態に応じて駆動装置３５によって前後に移動す
ることにより、外部熱交換器２１から流動層９に供給さ
れる粒子１３を調整することができる。

【００２５】更にまた、図１の流動床燃焼装置では、外
部熱交換器２１の上部に外部熱交出口管３７を配設し、
外部熱交出口バルブ３８を介して、燃焼炉５（流動層の
後部）と接続してあり、低負荷時から安定燃焼状態にな
るまでは、粒子分配器３２の多孔板３１の頭部を、隔壁
用風箱２７の図中の左側部に移動させる。

【００２６】これにより、粒子分配器３２に供給された
隔壁用空気管用空気３４は、多孔板３１の多数の細孔３
０から、循環粒子混合室２４へ送られ、外部熱交出口管
３７を通り、外部熱交出口バルブ３８をへて、燃焼炉５
（流動層９の後部）に供給される。

【００２７】また、外部熱交用空気２０も流動層９に供
給されないで外部熱交換器２１の上部に配設した外部熱
交出口管３７を通り、外部熱交出口バルブ３８をへて燃
焼炉５（流動層９の後部）に通気される。そのため、流
動層９内の燃料６、流動材７及び粒子１３の効率的な流
動状態が形成でき、局所的な炉内温度の上昇する箇所の
発生を防止することができる。

【００２８】また、隔壁用空気管用空気３４は、外部熱
交用空気２０とともに、循環粒子混合室２４の粒子１３
の流動化も盛んにしたりする。燃焼炉５の安定燃焼が確
認されると、流動層９の流動化を阻害しないために、粒
子分配器３２の多孔板３１の頭部は、駆動装置３５によ
って燃焼炉５の図中の右側部（図中の点線の位置）に移
動される。

【００２９】このため、隔壁用空気管用空気３４は、炉
内燃焼用空気８とともに流動層９に供給され安定燃焼を
図ることができる。また、隔壁用風箱用空気３６は、ラ
ッパ状の隔壁用多孔板２９に多数設けられた隔壁用細孔
２８を通り、空気噴出孔２６に供給され、空気噴出孔２
６内の粒子１３の流動化を図る。

【００３０】

【発明の効果】本発明による流動床燃焼装置では、燃焼
炉と外部熱交換器との間の隔壁を隔壁用風箱で構成し、
その空気噴出孔を複数個の隔壁用細孔が設けられたラッ
パ状の隔壁用多孔板で構成している。そして前記ラッパ
状の空気噴出孔に対応する頭部形状を有し前記空気噴出
孔に向け前後動される粒子分配器；及び、前記外部熱交
換器の上部と前記燃焼炉の後部を連通する外部熱交出口
管を設けている。

【００３１】従って、燃焼炉内の流動層の燃料、流動
材、及び粒子を速やかに均一に分散投入することがで
き、スムーズな負荷変化が可能となり、局所的な着火燃
焼を防止し、通常の流動層燃焼装置として稼働させるこ
とができる。

【００３２】また、隔壁用風箱用空気を隔壁用細孔から
噴射することにより、空気噴出孔付近の粒子を流動化す
ることができるため、外部熱交換器から流動層への粒子
の供給がスムーズになり、燃料の安定燃焼が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態による流動床燃焼装置の
構成を示す概念図。

【図２】従来の流動床燃焼装置の構成を示す概念図。

【符号の説明】

１ 流動層燃焼設備 ２ 炉内用細孔 ３ 炉内用多孔板 ４ 炉内用風箱 ５ 燃焼炉 ６ 燃料 ７ 流動材 ８ 炉内燃焼用空気 ９ 流動層 １０ 抜き出し管 １１ａ バルブ １１ｂ バルブ １２ ホッパ １３ 粒子 １４ サイクロン １５ シールポット １６ 流動化媒体 １７ 外部熱交用細孔 １８ 外部熱交用多孔板 １９ 隔壁 ２０ 外部熱交用空気 ２１ 外部熱交換器 ２２ 伝熱管 ２３ 外部熱交用風箱 ２４ 循環粒子混合室 ２５ バルブ ２６ 空気噴出孔 ２７ 隔壁用風箱 ２８ 隔壁用細孔 ２９ 隔壁用多孔板 ３０ 細孔 ３１ 多孔板 ３２ 粒子分配器 ３３ 隔壁用空気管 ３４ 隔壁用空気管用空気 ３５ 駆動装置 ３６ 隔壁用風箱用空気 ３７ 外部熱交出口管 ３８ 外部熱交出口バルブ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃焼炉、同燃焼炉から燃焼ガスと共に流
   出する粒子の一部を受入れて冷却後、同燃焼炉へ戻す外
   部熱交換器、及び前記燃焼炉と前記外部熱交換器との間
   にあって空気噴出孔を具えた隔壁を有する流動床燃焼装
   置において；前記隔壁は隔壁用風箱で構成され、その空
   気噴出孔は複数個の隔壁用細孔が設けられたラッパ状の
   隔壁用多孔板で構成されており；前記ラッパ状の空気噴
   出孔に対応する頭部形状を有すると共にその頭部に空気
   噴出用の複数個の細孔を有し前記空気噴出孔に向け前後
   動される粒子分配器；及び、前記外部熱交換器の上部と
   前記燃焼炉の後部を連通し、外部熱交出口バルブを介在
   させた外部熱交出口管を有する；ことを特徴とする流動
   床燃焼装置。