JPH1012180A - イオン注入装置のファラディ - Google Patents

イオン注入装置のファラディ

Info

Publication number
JPH1012180A
JPH1012180A JP17736296A JP17736296A JPH1012180A JP H1012180 A JPH1012180 A JP H1012180A JP 17736296 A JP17736296 A JP 17736296A JP 17736296 A JP17736296 A JP 17736296A JP H1012180 A JPH1012180 A JP H1012180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cup
current
faraday
measuring element
beam current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17736296A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Hosono
真裕 細野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Priority to JP17736296A priority Critical patent/JPH1012180A/ja
Publication of JPH1012180A publication Critical patent/JPH1012180A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン注入装置のイオンビ−ム電流を測定す
るための測定装置において、イオンビ−ムが直接に衝突
するカーボン板が摩耗破損した場合にこれを迅速にしか
も的確に検出する装置を提供する事。 【構成】 冷却カップの中にビーム電流を測定するため
の第1の電流測定子と、その破損を検出するための第2
の電流測定子を互いに絶縁した状態で重ねて設ける。第
1の電流測定子が摩耗破損すると第2の電流測定子が露
出し、ビームが当たるようになり電流が流れる。これに
よって第1電流測定子の破損を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置製造用イ
オン注入装置などに取り付けられるファラディの改良に
関する。特にファラディの破損を的確に検知できるよう
にした改良に関する。
【0002】イオン注入装置は、所望のイオンをビーム
にして半導体、誘電体などの対象物に打ち込み、電気的
性質、物理的性質などを変化させるものである。半導体
装置製造用の場合は、Si、GaAsなどの半導体基板
の上に作製された薄膜にドーパントを打ち込んで、n
型、p型、或いはi型にするものである。Siの場合
は、B、As、Pなどのドーパントが用いられる。これ
らはそのままでは気体にならないから、水素化物、フッ
化物、塩化物など気体になり得る形態のものが原料とし
て利用される。
【0003】イオン注入装置は、イオン源、加速管、分
析マグネット、走査装置などを含む事が多い。イオン源
は原料ガスを励起してプラズマとし、電界の作用でイオ
ンビ−ムとして引き出すものである。加速管はイオンビ
−ムを所望のエネルギーに加速するものである。これは
省く場合もある。分析マグネットは質量分離を行う。不
要なイオンが試料に入らないようにする。走査装置はビ
ームを一次元的にあるいは二次元的に振って試料全体に
均等にビームを照射するためのものである。一次元的に
振る場合は試料台の方をそれと直交する方向に走査す
る。走査は電界によるものと、磁界によるものがある。
磁界によるものはマグネットを使う。
【0004】ビームを単に左右に振るだけの走査である
とビームの入射角が変動する。ビーム注入の均一性の要
求が厳しい場合は、そのような走査では役に立たない。
この場合は、必ず試料面に垂直に入射するようにする。
そのために平行化の装置が必要である。であるから走査
装置はこの場合二つの装置が必要である。電界で走査す
る場合は、電極の組が二つ必要である。磁界で走査する
場合も二つのマグネットが必要になる。二つの磁石は、
走査用、平行化用磁石と呼ぶこともある。
【0005】イオンビ−ムの量は電流によって測定する
事ができる。例えば基板を戴置した試料台に流れる電流
を測定することにより全電流がわかる。しかし多くの場
合チャージアップを防ぐために、電子により試料は中性
化するので、イオンのみの流入電流が分からない。実際
のイオンビ−ムを知るためには、試料に入射する前に電
流を測定する必要がある。そこでマグネットによってビ
ームを曲げず直進させた軌跡の上にビーム電流測定装置
を設置し、これによってイオンビ−ム電流を測定する。
ビーム電流を測定する装置としてファラディを用いる。
これはファラディカップと呼ぶこともあり、単にファラ
ディという事もある。金属製の容器によってイオンビ−
ムを受け、これによって流れる電流を測定するものであ
る。
【0006】
【従来の技術】図1はイオン注入装置の一例を示す概略
平面図である。イオン源、分析用マグネット、走査用マ
グネット、平行化用マグネット等を含む。これらの装置
の入口にはビームを制限するためのスリットなどが配置
されている。ガス原料がイオン源においてイオンビ−ム
となる。イオンビ−ムは、分析用マグネットにおいて質
量分離される。
【0007】所望の質量をもったイオンのみが所定の軌
跡を通って走査用マグネットに入る。走査(スキャン)
用マグネットでは磁場の強さを周期的に変えてビームを
面内で振るようになっている。平行化用マグネットは反
対方向に曲げてビームが常に試料に垂直に入射するよう
にする。こうして試料基板の全面にイオンビ−ムが照射
されることになる。走査の幅は試料の大きさによって決
まる。試料は8インチ(200mm)ウエハ−とか12
インチ(300mm)ウエハ−など寸法は様々である。
【0008】イオンビ−ム電流測定のためのファラディ
は例えば第1マグネット(分析)の中に設ける。さらに
第3マグネット(平行化用)にも別のファラディを設け
る。いずれも磁場をかけないでビームを直進させた場合
に通過する部位にファラディを設けている。注入の直前
あるいは直後にイオンビ−ムの電流を測定することがで
きる。この例では、第1マグネットのファラディFでは
ロット毎(数十枚)に1回イオンビ−ム電流を測り、第
3マグネットのファラディGではウエハ−毎(試料毎)
にイオンビ−ム電流を測っている。ファラディFは質量
分離前の全てのイオンを含んだ全部のイオンビ−ム電流
を測定することになる。ファラディGは分析の後である
からウエハ−に実際に入射するビーム電流を測定するこ
とになる。ここでファラデ−カップについて説明する。
【0009】従来のファラデ−カップは、単純なコップ
状の電流センサであった。金属によって作る事もできる
がイオンビ−ムの衝突によって加熱されるから、耐熱性
の高い金属としなければならない。しかし金属は融解す
ることもあるから、カ−ボンをファラデ−カップにする
ことが多い。金属、カ−ボンのいずれでも、小電流、中
電流のイオン注入装置の場合は、特に冷却のことは考慮
されていない。つまり単純なカップ状のものである。
【0010】しかし電流量が大きくなると、ファラデ−
カップに入るイオンビ−ムが増加するから、冷却する必
要が生ずる。冷却のためには容器を二重壁にするような
工夫が必要である。しかしカ−ボンのカップを二重壁に
することはできない。加工ができないからである。金属
のカップであれば二重壁構造にすることができる。しか
し金属のカップではイオンビ−ムによる局所加熱によっ
て一部が融解する恐れもある。
【0011】本発明者は、そこでカ−ボンのカップを、
金属のケ−スによって囲み、ケ−スを二重壁にして冷媒
を通すような冷却機構付きのファラデ−カップを発明し
た。実開平7−36348号にそれを開示している。金
属ケ−スにもカ−ボンのファラデ−カップにも開口があ
って、この開口からイオンビ−ムが入射する。カ−ボン
のカップと金属のケ−スは絶縁してある。しかしそのま
まではカ−ボンから金属へと熱が伝わらない。雰囲気は
真空である。対流によって熱は伝わらない。絶縁のため
に空隙を介在させる必要があるから、熱伝導も期待でき
ない。そこで、カ−ボンカップの外壁を黒くしケ−スの
内壁を黒くして熱輻射を効果的に吸収できるようにし
た。それが前記発明の眼目である。
【0012】しかしながら、ケ−スを水冷したところ
で、直接に加熱部を冷却できるわけではない。対向する
表面を黒くして熱放射を伝え易くするというが、熱輻射
による伝熱は、伝導に比べれば弱いものである。やは
り、直接冷却したいものである。カップを直接冷却する
には、ファラデ−カップそのものを二重壁にする他はな
い。しかしカ−ボンではそのような複雑な構造を取るこ
とはできない。そこで本発明者は、金属二重壁のカップ
の底にカ−ボン板を置くという構造のファラデ−カップ
を発明した。これはしかし特許出願していないし研究発
表もしていない。そのような直接冷却方式のファラデ−
カップを図2に示す。
【0013】これは公知技術ではない。カップを金属と
して冷媒を通す二重壁構造にしている。これを金属のケ
−スによって支持するが、カップからケ−スに向けての
排熱の問題がない。しかし、カ−ボンによってカップの
全体を形成せず板状のカ−ボンをカップの底に置くだけ
であるから、カ−ボン板が摩耗し破損する恐れがある。
これについて説明する。
【0014】有底円筒状のケース1が支持棒2によって
真空フランジ3に対して固定されている。真空フランジ
3は真空室外壁4の穴に取り付けられる。Oリング15
によって真空フランジ3と外壁4の接触面が真空シール
される。ケース1の中には、有底二重壁の冷却カップ5
が収容される。冷却カップ5は絶縁物7によってケース
1から電気的に絶縁されている。冷却カップ5は二つの
継ぎ手6によってフランジ3の外部に連絡する。冷却カ
ップが二重壁になっているのはその内部9に冷却媒体を
通すためである。冷却媒体は外部から継ぎ手6の内管部
10を通ってカップ5の内部空間9に導かれる。これは
カップの熱を奪ってもう一つの継ぎ手(図に現れない)
の内管部10を通って排出される。
【0015】冷却カップ5の底部には円盤状のカーボン
板11が置いてある。またカップ5の入口にはカーボン
のアパーチャ12が固定される。アパーチャ12には開
口13があり、ここからビームがカップ5の内部14に
入る。カーボンのアパーチャは金属製のカップ本体をイ
オンビ−ムから保護することができる。ビーム上流方向
からみると金属部分は全く露呈しないようにする。
【0016】イオンビームは真っ直ぐカップに入るとカ
ーボン板11に衝突する。イオンは電荷を喪失してカー
ボンに付着する。この電荷によって継ぎ手6に電流が流
れる。継ぎ手6に接続した電流測定装置によってイオン
電流を測定する。これによりカップ5に入ったイオンビ
−ム電流がわかる。つまり継ぎ手は電流測定端子であ
り、冷却媒体の流入流出路でもある。
【0017】イオンビ−ムは電荷粒子であるから電流が
流れるのは当然である。1価イオンの場合、流れた電荷
が1ファラディ(95000クーロン)であれば一つの
イオンが入射したということになる。
【0018】実際にはそれほど単純ではない。強いエネ
ルギーを持つイオンビ−ムが衝突すると二次電子が放出
される。これが外部に出てしまうと負の電流が流れるか
らイオンビ−ム電流を正確に求める事ができない。二次
電子が全てカップ壁にぶつかって消滅すれば二次電子に
よる電流は流れない。イオンビ−ムによる電流のみが流
れる。そうするためにカップはある程度の深さが必要で
ある。であるから、ファラディは二次電子が外部に逃げ
ないようなカップの深さになっている。それによって解
決できているから二次電子の問題はこれ以上述べない。
【0019】それと共にイオンビ−ムは運動エネルギー
を持つ。これが対象に衝突すると大量の熱が発生する。
通常の金属ではその熱に耐えない。そこで衝突面はカー
ボンとするのである。カップの底部にカーボン板を敷く
のはその為である。
【0020】ファラディにおいて、イオンビ−ムがカー
ボンに衝突すると、運動エネルギーが全て熱に変わる。
この熱によってカーボンが加熱される。カーボンから熱
はカップ本体の金属に伝わる。金属が過度に加熱される
と融解破損される。そこでこれを冷やすために冷媒を流
す。これは例えば純水である。イオンビ−ムを受ける板
11をカーボンにするのは金属よりも耐熱性に秀出てい
るからである。衝撃吸収性もよい。二次電子の発生も少
ない。しかしイオンビ−ムの衝突で少しずつスパッタリ
ングされるからカーボン板11は次第に痩せてくる。厚
いカーボンを入れておけば摩耗しつくすまでの時間を長
くできる。
【0021】しかし必ずしも均等に減るとは限らない。
一部にでも穴が開くと底の金属が露呈してイオンビ−ム
が金属に当たる。金属はカーボンより弱いから金属が露
呈するとすぐに破損する。それ故、カーボンに穴が開く
前にカーボン板を新しいものに交換しなければならな
い。例えば15mm厚みのカーボン板11をカップに収
容し、半年毎に取り替えるとすれば、通常の使用ではそ
のような事故は起こらない。
【0022】しかしイオンビ−ムの量は変動するしイオ
ンビ−ムの種類も変わる。カーボンの摩滅の速度も変わ
るはずである。定期的に交換する前にカーボンが摩損す
る可能性は否定できない。
【0023】そこで本発明者はカーボン板の摩滅を検出
するための機構を考えた。それが温度センサ16であ
る。これは真空フランジ3に固定した温度測定装置であ
る。もしもカーボンに穴が開いて、イオンビ−ムが直接
にカップ底部の金属に当たると急激に加熱されるから冷
媒の冷却能力をはるかに越えてカップの温度が上がる。
その熱はカップから支持棒2や継ぎ手6を通ってフラン
ジ3に到る。フランジの温度が上昇する。
【0024】この変化は温度センサ16によって検知で
きる。温度センサ16による検出温度Tがある一定値T
cを越えるとカーボンが摩滅し金属部が破損したという
ことである、と判断できる。センサ16が一定以上の温
度(T≧Tc)になると警告を発する。つまり温度セン
サ16はファラディのカーボン板破損検出器として機能
する。こういう訳である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】図2の構造は本発明者
が創案したものである。公知技術ではない。しかも常に
定期的な保守によってカーボン板11は完全に摩耗する
前に交換されるから実際に金属が露出しイオンビ−ムが
当たって破損を告げる警報が作動したという経験はな
い。であるから図2のような構成について実際に不都合
があったというわけではない。しかしそれにも拘らず次
のような問題があることに本発明者は気づいた。
【0026】従来の構造では温度上昇を監視しているだ
けである。実際にビーム電流測定子(カーボン板11)
の摩耗、破損を感知していない。つまり、カーボン板の
摩耗破損以外の原因によって大気側のフランジが昇温し
た場合でも、ビーム電流測定子の破損とみなされる。カ
ーボン破損と他の温度上昇要因の発生とを区別すること
ができない。
【0027】また、逆の場合もある。支持棒や継ぎ手、
カップ本体の伝熱性が劣っていると、ビーム電流測定子
が摩耗或いは破損したにも拘らずフランジが熱くならず
センサが動作しないという事もあり得る。この場合、金
属面がイオンビ−ムによってスパッタリングされるので
短時間で金属に穴が開いてしまう。すると真空状態が破
れることもある。真空室内部の機構が破損する事もあ
る。
【0028】このように第2図のものは二つの種類の誤
動作の恐れがある。つまり第2図の構造はビーム電流測
定子の破損を間接的に監視しているために誤った判断を
する可能性がある。
【0029】より直接的より的確にビーム電流測定子
(カーボン板)の破損を検出できる機構を提供すること
が本発明の第1の目的である。ビーム電流測定子の故障
を的確に検出することによりビーム電流測定の信頼性を
向上させることが本発明の第2の目的である。ビーム電
流測定子の故障を検出し真空保持の確実性を向上させる
ことが本発明の第3の目的である。ビーム電流測定子の
信頼性を高めることによってイオン注入装置の基本的な
性能を向上させることが本発明の第4の目的である。
【0030】
【課題を解決するための手段】ビーム電流測定子の後方
に、それによって覆われ、それとは完全に絶縁されたビ
ーム電流測定子を取り付けこれを破損検知センサとす
る。このセンサの電流値を常時監視する。通常、このセ
ンサにビーム電流が照射されることはないため、電流値
は0である。ビーム電流測定子が破損すると、その破損
部からビーム電流が後方に流れ、センサに照射され電流
が測定される。
【0031】つまり本発明は、ビーム電流測定装置A、
Bを直列に二つ使い、前段のビーム電流測定装置Aは本
来のイオンビ−ムの電流量を測定するために用い、後段
のビーム電流測定装置Bは前段の装置Aの故障検出に利
用する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明のファラディは、ケースに
よって二重壁をもつカップを支持し、カップの底にカー
ボンの電流測定子(A)があり、カーボンの下にさらに
第2の電流測定子(B)がある。第2電流測定子Bは、
第1の測定子Aによって完全に覆われるようにし、しか
も電気的に絶縁されているようにする。つまり冷却カッ
プの底に初めに第2電流測定子Bを設置し、その上にそ
れとは絶縁された第1電流測定子Aを設ける。
【0033】第1電流測定子の電流をIa、第2電流測
定子の流れる電流をIbとする。Iaによってイオンビ
−ムの電流を測定し、Ibによって故障検出する。正常
な状態では、Ib=0である。カーボン板が破損すると
Ibが0でない有限の値をとる。Ibによって第1ビー
ム電流測定子の故障を検出することができる。
【0034】第2電流測定子が、第1ビーム電流測定子
のすぐ後方で、その破損を検知しているため、わずかな
破損に対しても検知が可能である。また、何かを途中に
介さず、直接監視しているので破損検知の即応性が高
い。故障を早期発見することができる。さらに熱変化で
はなくて電流の変化によって故障検出する。他の要因で
温度が上がったとしてもIbは0のままであるから故障
と混同することはない。より的確に故障のみを検出する
ことができる。
【0035】
【実施例】図3によって本発明の実施例に係るファラデ
ィを説明する。有底円筒形状のケース1は横方向に延び
る支持棒2によって真空フランジ3に固定される。真空
フランジ3は真空室外壁4の開口部に固定される。Oリ
ング15があるので接触面でのガスの漏れがない。ケー
ス1の中にはこれと絶縁された状態で、冷却カップ5を
収容させる。冷却カップ5は有底円筒形状の二重容器で
ある。
【0036】冷却カップ5は側方に延びた継ぎ手6によ
ってフランジ3につながっている。冷却カップ5は絶縁
物7によって、ケース1と電気的に絶縁される。またO
リング8によって継ぎ手6はフランジ3と絶縁される。
従ってカップ5の電位はフランジ3(大地電位)とは独
立に与えられる。冷却カップ5は二重壁になり、内部に
冷却媒体路9が形成される。冷却媒体は例えば純水であ
る。これが継ぎ手6の内管部10を通って流入し、カッ
プの熱を奪い、他の継ぎ手(図では重なるので現れな
い)の内管部10を通って流出する。
【0037】冷却カップの底には二つの電流測定子(カ
ーボン板)11、19が設けられる。第1のカーボン板
11の内部は空間になっており、この中に第2のカーボ
ン板(電流測定子)19が設けられる。両者は離隔して
おり電気的に絶縁される。上方にあるカーボン板11
(第1電流測定子)はカップの底面の全体を覆う。これ
はカップと密着している。イオンビームが第1電流測定
子11に当たると電流はカップの底面から継ぎ手6を通
って流れ外部に取り出される。つまり継ぎ手6は冷却媒
体の流入流出路であると共に電流路でもある。
【0038】第2電流測定子である下方のカーボン板1
9はそれよりも少し小さい板である。第2電流測定子1
9は縦軸21、横軸23によって外部の電流導入端子2
5に接続される。縦軸21は絶縁物22によってカップ
と絶縁され、横軸23は絶縁物24によってカップと絶
縁される。従って第2電流測定子19は、ケース(大地
電位)からも、カップからも電気的に絶縁される。
【0039】カップの上方にはイオンビ−ムを受けるた
めのアパーチャ12が設置される。アパーチャ12は開
口13を持つ。これはカーボンよりなり、イオンビ−ム
が金属に当たり金属をスパッタリングするのを防ぐもの
である。イオンビ−ムは開口13を通りカップ5の内部
空間14に入り、第1電流測定子11(カーボン板)に
衝突する。二次電子も出るがカップの内壁に当たり、吸
収され消滅する。結局イオンビ−ムの電荷だけがカップ
から継ぎ手6に流れる。継ぎ手の電流を測定してカップ
に入るイオンビ−ム電流Iaを求める事ができる。第2
電流測定子19は第1カーボン板11によって覆われて
いるからビームにさらされない。当然イオンビ−ム電流
は0である。Ib=0。
【0040】カーボンは次第にスパッタリングされて痩
せてくる。一部に穴が開いたとする。するとこの穴を通
してイオンビ−ムが第2電流測定子19にまで到る。第
2電流測定子に電流が流れる。Ib≠0となる。電流導
入端子25に電流が流れる。これによって第1電流測定
子であるカーボン板11が破損したということが分か
る。
【0041】これに応じて制御系は警報を発すると共に
イオン源からのイオンビ−ムの引き出しを停止する。イ
オン注入装置の運転も停止される。イオンビ−ムが停止
するからカップの金属が破損しない。金属が破損しない
から、装置の真空が破られるということはない。熱によ
る温度上昇を監視するのではなくカーボン板の破損を直
接に検出する。破損検知は的確であり迅速である。
【0042】
【発明の効果】イオン注入装置において、真空状態が破
れるということは完全に防がなければならない。本発明
の構造では、持続的なビーム照射によりファラディのビ
ーム電流測定子が破損すると、第2電流測定子によって
電流の変化として直ちにこれを検知することができる。
電流によって検出するから第1電流測定子の故障を的確
に検出できる。熱伝導による時間遅れのようなものがな
い。カーボン板に穴が開いた場合、直ちに分かる。これ
によってイオン源からのビーム引き出しを中止するか
ら、僅かな時間でも冷却カップをイオンビ−ムに直接に
さらすことはない。
【0043】本発明の構造によりビーム電流の測定の信
頼性が向上する。故障診断の早期発見が可能となる。真
空保持の確実性が高揚する。イオン注入装置の基本性能
を高める。さまざまな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン注入装置の一例を示す概略平面図。
【図2】本発明者がかつて考案した、温度変動により電
流測定子の故障を検出するファラディの断面図。
【図3】本発明の実施例に係る第2の電流測定子によっ
て電流測定子の故障を検出するファラディの断面図。
【符号の説明】
1 ケース 2 支持棒 3 真空フランジ 4 真空室外壁 5 冷却カップ 6 継ぎ手 7 絶縁物 8 Oリング 9 内部空間 10 内管部 11 電流測定子(カーボン板) 12 アパーチャー 13 開口部 14 カップ内部 15 Oリング 16 温度センサ 19 第2電流測定子(カーボン板) 20 絶縁物 21 縦軸 22 絶縁物 23 横軸 24 絶縁物 25 電流導入端子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン注入装置のイオンビ−ム電流を測
    定するための装置であって、装置の外壁の一部に固定さ
    れるケースと、ケースの内部にこれと絶縁されて設けら
    れ内部に冷却媒体路を有する冷却カップと、冷却カップ
    の底部にこれと絶縁されて設けられる第2電流測定子
    と、第2電流測定子に流れる電流を取り出すための機構
    と、第2電流測定子の上方にあって冷却カップの底面を
    覆うように設けられる第1電流測定子と、第1電流測定
    子に流れる電流を取り出すための機構と、冷却カップの
    内部の冷却媒体路に冷却媒体を通し冷却カップを冷却す
    る手段からなり、第1電流測定子が破損した事を第2電
    流測定子に流れるイオンビ−ム電流によって検知する事
    を特徴とするイオン注入装置のファラディ。
JP17736296A 1996-06-17 1996-06-17 イオン注入装置のファラディ Pending JPH1012180A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17736296A JPH1012180A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 イオン注入装置のファラディ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17736296A JPH1012180A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 イオン注入装置のファラディ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1012180A true JPH1012180A (ja) 1998-01-16

Family

ID=16029641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17736296A Pending JPH1012180A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 イオン注入装置のファラディ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1012180A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018518013A (ja) * 2015-04-21 2018-07-05 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド 流体導管が埋め込まれた半導体製造装置
JP2022523101A (ja) * 2019-01-31 2022-04-21 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド イオン注入半導体製造ツールにおける構成要素の故障の是正
US11320547B1 (en) * 2020-12-17 2022-05-03 Tsinghua University Device and method for detecting electron beam

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018518013A (ja) * 2015-04-21 2018-07-05 ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド 流体導管が埋め込まれた半導体製造装置
US11213891B2 (en) 2015-04-21 2022-01-04 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Semiconductor manufacturing device with embedded fluid conduits
JP2022523101A (ja) * 2019-01-31 2022-04-21 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド イオン注入半導体製造ツールにおける構成要素の故障の是正
US11862493B2 (en) 2019-01-31 2024-01-02 Applied Materials, Inc. Correcting component failures in ion implant semiconductor manufacturing tool
US11320547B1 (en) * 2020-12-17 2022-05-03 Tsinghua University Device and method for detecting electron beam

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5136171A (en) Charge neutralization apparatus for ion implantation system
EP0416549B1 (en) Ion implantation equipment
EP0838844B1 (en) Ionization chamber
Zoletnik et al. Advanced neutral alkali beam diagnostics for applications in fusion research
JP2013501360A (ja) ファラデープローブを利用したマスクの状態のモニタリング
US6815696B2 (en) Beam stop for use in an ion implantation system
JPH1012180A (ja) イオン注入装置のファラディ
JP2012513678A (ja) プラズマドーズ量測定方法及び装置
JPH0372940B2 (ja)
US6663791B1 (en) Detection method of coating film thickness and ion implantation equipment using this method
Ingarfield et al. Semiconductor analysis with a channeled helium microbeam
JP2912616B1 (ja) 板体加熱装置
JPH11260309A (ja) イオン注入装置
JPH08115700A (ja) ビームエネルギーモニタ装置
JP2591079Y2 (ja) 荷電粒子ビームの電流測定装置
JP3353391B2 (ja) 荷電粒子ビーム照射装置
JP3629536B2 (ja) カロリーメータ及び検出器システム
EP0487656A4 (en) Charge neutralization apparatus for ion implantation system
US20090266298A1 (en) Plasma doping apparatus
JPH0613014A (ja) イオン注入装置
JP3187864B2 (ja) イオン注入装置の冷却機構
EP3671802A1 (en) Electron collector with oblique impact portion
US20160133436A1 (en) Contactless temperature measurement in a charged particle microscope
JP2019110085A (ja) イオン注入装置および半導体装置の製造方法
JPH10106472A (ja) 荷電粒子線装置用反射電子検出装置および荷電粒子線装置