JPH1012048A - 自己潤滑性絶縁電線 - Google Patents

自己潤滑性絶縁電線

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JPH1012048A
JPH1012048A JP16423996A JP16423996A JPH1012048A JP H1012048 A JPH1012048 A JP H1012048A JP 16423996 A JP16423996 A JP 16423996A JP 16423996 A JP16423996 A JP 16423996A JP H1012048 A JPH1012048 A JP H1012048A
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JP
Japan
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self
insulated wire
formula
lubricating
polymer
Prior art date
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Pending
Application number
JP16423996A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nonaka
毅 野中
Hiroshi Asano
博司 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体径が小さくても巻付機や巻線機による絶
縁電線の破断が起きない程度に潤滑性に優れた自己潤滑
性絶縁電線で、潤滑性の高い材料を水系の溶剤に分散さ
せる必要がなく、従って分散のために使われるアンモニ
ア水を使用しないで製造できる絶縁電線はこれまで存在
していなかった。本発明の課題はこのような自己潤滑性
絶縁電線を提供することにある。 【解決手段】 少なくとも以下の一般式で表されるいず
れかの環状構造を含む重合体を含んだフッ素系化合物を
含有する絶縁皮膜が、導線上に直接または絶縁層を介し
て設けられている自己潤滑性絶縁電線。 【化1】 (式中R1〜R4はフッ素原子またはフルオロアルキル
基) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤を使用し
た絶縁塗料を用いるため、その絶縁塗料によりなる絶縁
皮膜を設けた絶縁電線はその性能が均一でかつ安定して
おり、しかも絶縁塗料の塗布後高温で焼付けても製造装
置等に腐食等の悪影響を及ぼさず、絶縁皮膜の潤滑性と
外観に優れた自己潤滑性絶縁電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁電線は工程上巻線機を使ってモータ
のステータ、ローター等に巻線されるが、近年の巻線速
度の高速化に伴い、その巻線機により絶縁皮膜に傷が発
生する危険性がある。そして、絶縁皮膜に生じた損傷
は、ショートやアース不良等の問題を起こし、モータの
電気特性に不具合を生じるという問題がある。そこで、
この問題を解決するために、絶縁皮膜の損傷を少しでも
減少させる目的で、絶縁皮膜の潤滑性を向上させる試み
が従来から種々行われている。その一つに、絶縁電線の
表面に流動パラフィンやスピンドル油などの潤滑オイル
を絶縁電線の最外層に塗布する方法がある。しかし、流
動パラフィンを塗布しただけでは潤滑性は余り向上しな
い。また、固形パラフィンを設けることもなされている
が、潤滑性は向上するものの冷媒、冷凍機油によって抽
出されたコンプレッサーのノズルに詰まるなどの問題が
あった。
【0003】そのため、冷媒、冷凍機油中でも絶縁性能
が低下しないようなワックス系潤滑剤をポリアミドイミ
ド系塗料に配合して、絶縁皮膜の表面に潤滑性を付与す
る方法(特公昭51−28420号公報、特公昭53−
9392号公報、特開昭61−294705号公報)や
カルナバワックスとアミド樹脂を組合せてなる塗料を塗
布し潤滑層を設けた絶縁電線(特開昭57−5205号
公報)などが提案されている。
【0004】しかしながら、例えば、ポリエチレンワッ
クス等のワックス系潤滑剤を添加分散したポリアミドイ
ミド系塗料を塗布して高温にて焼付けた絶縁皮膜は、潤
滑性が逆に低下することがある。潤滑性が低下する原因
は、ポリエチレンワックスは塗料溶剤に不溶でポリアミ
ドイミド系樹脂と相溶性がないため、高温焼付けすると
飛散するかまたは熱分解するためと考えられる。
【0005】上記の課題を解決するための試みとして、
酸価型ポリエチレンワックスを添加することがなされて
いるが(実開昭57−158726号公報)、ポリエチ
レンワックスに比べて分散性が多少良くなったものの、
潤滑性は十分とは言えない。そのほかの試みとして、塗
膜樹脂にフッ素樹脂(特開昭62−12003号公
報)、フッ素系界面活性剤(特開平7−134914号
公報)、フッ化ピッチ(特開平6−231618号公
報)を添加したり、フッ化カーボン粉末を添加すること
がなされている。
【0006】ところが、近年、電子機器の小型化、軽量
化の傾向に伴い、モータについてもより小型軽量でしか
も高性能のもの要求されるようになり、この要求に応え
るためは導体径の小さい、例えば、径0.1mm以下の
絶縁電線が求められている。導体径が小さい場合(外径
0.1mm以下)巻線自体の破断強度が低いため、最外
層の潤滑性をかなり向上させないと製造工程中の焼付け
機と巻付機の間に大きな張力が掛かり、その間で破断す
ることことがあり、特により条件の厳しいコイリングす
るための巻線機において破断を受け易い。そのため、上
記の従来の種々の試み程度の潤滑性を有する絶縁電線で
は、上記の要求に対応することが困難であった。
【0007】また、カルナバワックス等潤滑性の高い材
料を水系の溶剤に分散させたものを用いることがある。
この場合分散性を向上させるためにアンモニア水や界面
活性剤等を用いることがある。しかしながら、アンモニ
ア水を用いた場合、塗布時に発生するアンモニアガスが
焼付機に腐食等の悪影響を及ぼすことがある。界面活性
剤を用いると、絶縁皮膜の電気特性に悪影響を及ぼすこ
とがあり、特に、導体径が小さい場合、フェルト塗布を
行うときに分散系材料ではフェルトへの浸透に影響を与
える粘度の調整が困難である等、塗布しにくいことがあ
る。
【0008】また、導体上に直接あるいは他の絶縁層を
介して、ポリアミド樹脂にフッ素系樹脂を添加した塗料
を塗布焼付けした絶縁電線が提案されている(実開昭6
2−202708号公報)。この塗料は、ポリアミド樹
脂とフッ素系樹脂との混合物を有機溶剤に溶解せしめた
ワニスで、これを常法により塗布焼付けする。ここに使
用される有機溶剤は、m−クレゾール酸、キシレン、ト
ルエン、ナフサである。しかしながら、潤滑機能を果た
すフッ素系樹脂はポリアミド樹脂100重量部に対して
0.5〜30重量部に過ぎないため、潤滑性能は必ずし
も十分なものとはいえなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】導体径が小さくても巻
付機の引っ張りによる絶縁電線が破断が起きない程度に
潤滑性に優れ、かつ潤滑性の高い材料を水系の溶剤に分
散させる必要がなく、従ってアンモニア水を用いる必要
のない絶縁電線がこれまで存在していなかった。本発明
は、潤滑性に優れた自己潤滑性絶縁電線を提供するもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも以
下の一般式で表されるいずれかの環状構造を含む重合体
を含有する絶縁皮膜が、導線上に直接または絶縁層を介
して設けられている自己潤滑性絶縁電線である。
【0011】
【化1】 (式中R1〜R4はフッ素原子またはフルオロアルキル
基)
【0012】
【化2】 (式中l、m、nは0または正の整数)
【0013】本発明に係る自己潤滑性絶縁電線は、導線
上に直接または絶縁層を介して上記一般式で表される環
状構造を含む重合体を有機溶剤に溶解してなる絶縁塗料
を塗布し、該溶液中の溶剤を揮発させて絶縁皮膜を設け
て製造される。従って、本発明における絶縁皮膜は均一
でかつ安定性に優れており、しかも潤滑層として優れた
ものであり、アンモニアガスが塗布時に発生することが
なく、焼付機に腐食等の悪影響を及ぼすことがない。
【0014】本発明は、さらに、式(1)、式(2)の
環状構造を含む場合において、4フッ化エチレンまたは
フルオロプロピレンとの共重合体を含有してもよい。な
お、式(2)中l,mおよびnは、特に1〜10である
のが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の内容をさらに詳細
に説明する。本発明の自己潤滑性絶縁電線における絶縁
皮膜に用いられる塗料(ワニス)に含有する重合体は、
式(1)または式(2)の環状構造を含む重合体を含有
するものであるが、具体的には以下に示すものを挙げる
ことができる。なお、下記の化学式において、m、nは
正の整数を表す。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】本発明において用いられる上記重合体のう
ち特に式(3)、式(4)、式(5)および式(7)よ
りなる群から選ばれた重合体が、滑り性の点で優れてい
るので望ましい。
【0031】上記重合体の溶剤としては、下記のフッ素
系の化合物を挙げることができる。
【0032】 CF3(CF23CF3 (17) CF3(C224−NO (18) CF3(CF24CF3 (19) CF3(CF25CF3 (20) CF3(CF26CF3 (21) CF3(CF27CF3 (22) CF3(CF28CF3 (23) CF3(CF29CF3 (24) CF3(CF210CF3 (25)
【0033】 (C253N (26) (C373N (27) (C493N (28) (C5113N (29) (C3133N (30) (C372N−C(CF32F (31)
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【実施例】実施例1 導体径20μmの銅線上に2μm厚の絶縁層を設けた絶
縁電線に、重合体(3)を溶剤CF3(CF23CF3
(17)に溶解したワニス(濃度20%)を塗布、焼付
けして0.5μm厚の皮膜を形成して自己潤滑性絶縁電
線を製造した。電線2づつ互いに直交させ、その上に荷
重300gを掛けた状態で一方の2本の電線を他の2本
の電線上で移動するときの力を測定することにより、こ
の自己潤滑性絶縁電線の動摩擦係数を測定した。その結
果、0.06であった。また、自己潤滑性絶縁電線を巻
線機によって平均破断長を調査したところ、10回の平
均破断長は10kmであった。
【0038】実施例2 導体径20μmの銅線上に2μm厚の絶縁層を設けた絶
縁電線に、重合体(4)を溶剤CF3(CF24−NO
式(18)に溶解したワニス(濃度20%)を塗布、焼
付けして0.5μm厚の皮膜を形成して自己潤滑性絶縁
電線を製造した。この自己潤滑性絶縁電線の動摩擦係数
は、0.05であった。また、自己潤滑性絶縁電線の平
均破断長は15kmであった。
【0039】実施例3 導体径20μmの銅線上に2μm厚の絶縁層を設けた絶
縁電線に、重合体(5)を溶剤CF3(CF24CF3
(19)に溶解したワニス(濃度20%)を塗布、焼付
けして0.5μm厚の皮膜を形成して自己潤滑性絶縁電
線を製造した。この自己潤滑性絶縁電線の動摩擦係数
は、0.05であった。また、自己潤滑性絶縁電線の平
均破断長は12kmであった。
【0040】比較例1 導体径20μmの銅線上に2μm厚の絶縁層を設けた絶
縁電線に、カルナバワックス0.5重量部とセラック樹
脂3重量部をアンモニア水(10%)に分散したワニス
(濃度20%)を塗布、焼付けして0.5μm厚の皮膜
を形成して自己潤滑性絶縁電線を製造した。この自己潤
滑性絶縁電線の動摩擦係数は、0.06であった。ま
た、自己潤滑性絶縁電線の平均破断長は12kmであっ
た。しかしながら、従来から使用されている塗布装置に
おける絶縁電線を通過させるフェルト部分のステンレス
製支持具の表面を分析すると、アンモニアCr,Ni塩
の混合物であることが分かり、支持具表面の腐食が塗布
時に発生するアンモニアガスによることが裏付けられ
た。
【0041】比較例2 導体径20μmの銅線上に2μm厚の絶縁層を設けた絶
縁電線に、カルナバワックス0.5重量部とセラック樹
脂3重量部をクレゾールに分散したワニスを塗布、焼付
けして0.5μm厚の皮膜を形成して自己潤滑性絶縁電
線を製造した。この自己潤滑性絶縁電線の動摩擦係数
は、0.12であった。また、自己潤滑性絶縁電線の平
均破断長は5kmであった。
【0042】比較例3 導体径20μmの銅線上に2μm厚の絶縁層を設けた絶
縁電線に、カルナバワックス0.5重量部とポリアミド
樹脂3重量部をクレゾールに分散したワニスを塗布、焼
付けして0.5μm厚の皮膜を形成して自己潤滑性絶縁
電線を製造した。この自己潤滑性絶縁電線の動摩擦係数
は、0.15であった。また、自己潤滑性絶縁電線の平
均破断長は5kmであった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる自
己潤滑性絶縁電線は、特定のフッ素系樹脂を絶縁皮膜と
したものであるから、その絶縁皮膜は極めて優れた潤滑
層として機能し、巻線機によりコイル等を作製する工程
においても断線が起こりにくく、また、製造工程におい
ても有機溶剤に溶かした溶液を塗料として塗布できるか
らアンモニアを使用する必要がなく、従って、アンモニ
アによる塗布装置の金属部分の劣化がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 201/02 PDM C09D 201/02 PDM H01B 3/30 H01B 3/30 M 7/18 7/18 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも以下の一般式で表されるいず
    れかの環状構造を含む重合体を含有する絶縁皮膜が、導
    線の外方に設けられていることを特徴とする自己潤滑性
    絶縁電線。 【化1】 (式中R1〜R4はフッ素原子またはフルオロアルキル
    基) 【化2】 (式中l、m、nは0または正の整数)
  2. 【請求項2】 絶縁皮膜が、請求項1に記載の一般式で
    表される式(1)の環状構造を含み、かつ、4フッ化エ
    チレンまたはフルオロプロピレンとの共重合体を含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の自己潤滑性絶縁電
    線。
JP16423996A 1996-06-25 1996-06-25 自己潤滑性絶縁電線 Pending JPH1012048A (ja)

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JP16423996A JPH1012048A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 自己潤滑性絶縁電線

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015220261A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 株式会社東芝 変換器用変圧器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015220261A (ja) * 2014-05-14 2015-12-07 株式会社東芝 変換器用変圧器

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