JPH10119890A - 船艇の水噴射式推進装置 - Google Patents

船艇の水噴射式推進装置

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JPH10119890A
JPH10119890A JP8297492A JP29749296A JPH10119890A JP H10119890 A JPH10119890 A JP H10119890A JP 8297492 A JP8297492 A JP 8297492A JP 29749296 A JP29749296 A JP 29749296A JP H10119890 A JPH10119890 A JP H10119890A
Authority
JP
Japan
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hull
water
impeller
water flow
ducts
Prior art date
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Pending
Application number
JP8297492A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiki Futaki
善希 二木
Satoshi Koyano
敏 小谷野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
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Priority to US08/953,692 priority patent/US6022250A/en
Publication of JPH10119890A publication Critical patent/JPH10119890A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H11/00Marine propulsion by water jets
    • B63H11/02Marine propulsion by water jets the propulsive medium being ambient water
    • B63H11/04Marine propulsion by water jets the propulsive medium being ambient water by means of pumps
    • B63H11/08Marine propulsion by water jets the propulsive medium being ambient water by means of pumps of rotary type
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B34/00Vessels specially adapted for water sports or leisure; Body-supporting devices specially adapted for water sports or leisure
    • B63B34/10Power-driven personal watercraft, e.g. water scooters; Accessories therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H11/00Marine propulsion by water jets
    • B63H2011/008Arrangements of two or more jet units

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 船艇を推進させる際に、無用の動力損失が生
じないようにする。 【解決手段】 船体3の後部に前後方向に延びる左右一
対の水流ダクト23を設ける。これら各水流ダクト23
の後端部25の後方近傍にそれぞれインペラハウジング
34を配設する。これら各インペラハウジング34内に
インペラ37を収容させると共に上記インペラハウジン
グ34に支承させる。上記各水流ダクト23と、これに
対応する各インペラハウジング34との間に中間部材3
9を介在させる。上記水流ダクト23内を上記インペラ
ハウジング34内に連通させる連通孔40を上記中間部
材39に形成する。この中間部材39を船体3に支持さ
せる一方、この中間部材39に上記各インペラハウジン
グ34を支持させる。上記両中間部材39を互いに一体
成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船体側からその後
方に向って水を噴射させ、この噴射の反力で、船艇を推
進させるようにした船艇の水噴射式推進装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】上記船艇には、従来、次のように構成さ
れたものがある。
【0003】即ち、水に浮かべられる船体の後部(船尾
側)に前後方向に長く延びる左右一対の水流ダクトが設
けられている。これら各水流ダクトの前端部の開口は上
記船体の後部の下方に向って開放され、同上各水流ダク
トの後端部の開口は同上船体の船尾から後方に向って開
放されている。
【0004】上記各水流ダクトの後端部の後方近傍にそ
れぞれインペラハウジングが配設されると共に、これら
各インペラハウジングはこれに対応する上記水流ダクト
の後端に支持されている。上記各インペラハウジング内
にそれぞれインペラが収容されると共に、これら各イン
ペラは上記各インペラハウジングに回転自在に支承され
ている。
【0005】上記船体には内燃機関が搭載され、この内
燃機関に上記インペラが連動するよう連結され、上記内
燃機関の駆動により、その動力が上記インペラに伝達さ
れ、このインペラが回転させられるようになっている。
【0006】上記内燃機関の駆動により上記各インペラ
が回転させられると、上記各インペラハウジング内の水
が後方に向って加速され、これに伴い、上記船体の後部
の下方の水が上記各水流ダクトを通しこれらに対応する
上記各インペラハウジング内に吸入され、このように吸
入された水が上記各インペラハウジング内から船体の後
方に向って噴射させられる。そして、この噴射の反力に
より、上記船艇が前方に向って推進させられるようにな
っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術では、次のような問題点がある。
【0008】第1の問題点として、上記各水流ダクトは
パイプ形状であって、強度と剛性を十分には有しないも
のであるため、これら各水流ダクトに上記したようにイ
ンペラハウジングを支持させると、これら両インペラハ
ウジングに支承させた各インペラの軸心同士の平行度は
所定精度に保ちがたく、よって、船艇を推進させる際
に、無用の動力損失が生じるおそれがある。
【0009】第2の問題点として、上記船体に各水流ダ
クトを設ける場合、これら各水流ダクトを全体的に船体
に一体成形しようとすると、これら成形時の型抜き作業
が複雑になって、上記成形作業が極めて困難となる。
【0010】そこで、上記成形作業が容易にできるよう
にするため、上記各水流ダクトを、側面視で、そのほぼ
軸心よりも上側を構成する上部ダクトと、下側を構成す
る下部ダクトとでそれぞれ構成し、上記各上部ダクトを
それぞれ船体に一体成形し、上記各下部ダクトを締結具
により上記船体に対し着脱自在に締結したものがある。
【0011】ところで、上記構成において、船体に対し
各下部ダクトをそれぞれ締結させる際に、左右下部ダク
トの間に締結具を配設させるための空間を設けると、そ
の分、これら左右下部ダクトが左右方向で互いに離れる
こととなり、つまり、各水流ダクトが船体の左右方向の
中央から外側方に離れることとなる。
【0012】すると、上記各水流ダクトの前端部の開口
が船体の下面の、より側部に位置することになると考え
られるが、この場合、例えば、船艇の操舵時に、船体の
背面視でこの船体が傾斜すると、上記船体の下面の一側
部が上昇するのに伴い、この一側部がわの上記開口が水
面近傍に達し易くなって、この開口から水流ダクト内に
空気を吸入し易くなり、これも、無用の動力損失を生じ
る原因となって好ましくない。
【0013】そこで、上記したように、船体が傾斜して
も、上記開口を通して空気が吸入されないようにするた
め、上記各水流ダクトの前端部の開口を船体の下面の中
央近傍に位置させるよう、平面視で、上記各前端部を船
体の下面の中央側に向って折り曲げることが考えられ
る。
【0014】しかし、上記したように、左右の下部ダク
トの間に締結具を配設させるための空間を設けることに
より、上記各水流ダクトの後端部側が互いに左右に大き
く離れたとすると、上記した前端部の折り曲げの角度が
大きくなって、その分、これら各水流ダクトを流れる水
の抵抗が大きくなり、よって、無用の動力損失の発生を
防止する上で、このような構成は必ずしも満足のいくも
のではない。
【0015】第3の問題点として、従来より、船艇の推
進中等に、各インペラハウジングが水底に接触しないよ
う、これらインペラハウジングをその下方から覆う船底
プレートが設けられており、この船底プレートは船体に
支持されている。
【0016】ところで、上記船底プレートは、水底と接
触する可能性が大きいものであって、この接触の際に
は、水底から大きい負荷が与えられる。そこで、上記船
体に対する船底プレートの支持強度を十分に向上させる
ため、補強部材を設けることが考えられるが、これを単
に設けると、上記支持強度の向上のための構成が複雑に
なるという問題がある。
【0017】第4の問題点として、従来より、上記イン
ペラハウジング内における上記インペラの下流側に一端
部が開口し、他端部が内燃機関の水ジャケットに連通す
る水供給管を設ける一方、上記インペラハウジング内に
おける上記インペラの上流側に一端部が開口し、他端部
が船体の内底部に向って延びる水吸入管を設けたものが
ある。
【0018】上記の場合、水供給管の一端部と、水吸入
管の一端部とを配置させるための空間により、上記両下
部ダクトが左右方向で互いに大きく離れるおそれを生じ
る。
【0019】そして、この場合には、前記第2の問題点
と同じ問題を生じることとなる。
【0020】第5の問題点として、従来より、船体に
は、この船体の背面視断面でみて、この船体の左右方向
における中央部の下面をほぼ水平面とし、各側部の下面
を上記中央部の各側縁から外側上方に向って延びる傾斜
面とし、上記各水流ダクトの前端部の開口の少なくとも
一部を上記側部の下面に形成したものがある。
【0021】ところで、上記したように、各水流ダクト
の前端部の開口の一部と、この一部以外の他部とでは、
水中に向う形状等の条件が互いに異なるため、上記開口
の一部と他部とでは、上記水流ダクト内に吸入される水
の量が不均一となりがちである。
【0022】よって、上記のように、吸入される水の量
が不均一であることにより、上記各水流ダクト内に吸入
された水は、この水流ダクト内をそのほぼ軸心回りに螺
旋を描きながら後方に流れ、この螺旋の流れのままで、
上記インペラハウジング内をも後方に流れることとな
る。また、この際、上記船体の底面の各側部の傾きは、
船体の左右方向の中央を通る垂直線を基準として左右対
称形であって、互いに逆方向であることから、左右各水
流ダクトや各インペラハウジング内における水の流れの
螺旋の方向は、互いに逆方向となる。
【0023】上記の場合、各インペラハウジング内での
インペラの回転方向が互いに同じであると、一方のイン
ペラハウジングではその水の流れの螺旋方向に対しイン
ペラの回転方向は順方向となり、他方のインペラハウジ
ングではその水の流れの螺旋方向に対しインペラの回転
方向は逆方向となる。
【0024】即ち、各インペラハウジングで、水の流れ
の螺旋方向に対するインペラの回転方向が互いに異なる
ことから、これら左右インペラの推進性能に差異が生
じ、よって、左右いずれかへの操舵ぐせが生じて、船艇
の操舵がしにくくなると共に、直進時に、この操舵ぐせ
を修正する必要がある分、無用な動力損失を招くことと
もなる。
【0025】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、上記各問題点を解決することを課題とす
る。
【0026】即ち、船艇を推進させる際に、無用の動力
損失が生じないようにすることを課題とする。
【0027】また、インペラハウジングを下方から覆っ
て保護する船底プレートを、船体に対し十分の支持強度
で支持させるようにすると共に、これを簡単な構成で達
成させるようにすることを課題とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の船艇の水噴射式推進装置は、次の如くであ
る。
【0029】請求項1の発明は、船体3の後部に前後方
向に延びる左右一対の水流ダクト23を設け、これら各
水流ダクト23の前端部24の開口26を上記船体3の
下方に向って開放させる一方、同上各水流ダクト23の
後端部25の開口27を同上船体3の後方に向って開放
させ、上記各水流ダクト23の後端部25とほぼ同軸上
で、これら各後端部25の後方近傍にそれぞれインペラ
ハウジング34を配設し、これら各インペラハウジング
34内にそれぞれ軸心36が前後方向に延びるインペラ
37を収容させると共にこれらインペラ37を上記軸心
36回りに回転自在となるよう上記インペラハウジング
34に支承させ、これら各インペラ37の回転で、上記
船体3の下方の水2が上記各水流ダクト23を通しこれ
に対応する上記各インペラハウジング34内に吸入され
る一方、これら各インペラハウジング34内から船体3
の後方に向って噴射されるようにした場合において、
【0030】上記各水流ダクト23と、これに対応する
各インペラハウジング34との間に中間部材39を介在
させ、上記水流ダクト23内を上記インペラハウジング
34内に連通させる連通孔40を上記中間部材39に形
成し、この中間部材39を船体3に支持させる一方、こ
の中間部材39に上記各インペラハウジング34を支持
させ、かつ、上記両中間部材39を互いに一体成形した
ものである。
【0031】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記各水流ダクト23を、側面視で、そのほぼ軸心
よりも上側を構成する上部ダクト29と、下側を構成す
る下部ダクト30とでそれぞれ構成し、上記各上部ダク
ト29をそれぞれ船体3に一体成形し、上記各下部ダク
ト30を締結具31により上記船体3に対し着脱自在に
締結した場合において、
【0032】上記両下部ダクト30を互いに一体成形し
たものである。
【0033】請求項3の発明は、請求項1、もしくは2
の発明に加えて、上記両インペラハウジング34を下方
から覆う船底プレート72を設け、この船底プレート7
2を上記中間部材39に支持させたものである。
【0034】請求項4の発明は、請求項1から3のうち
いずれか1つの発明に加えて、上記インペラハウジング
34内における上記インペラ37の下流側に一端部78
が開口し、他端部79が内燃機関45の水ジャケットに
連通する水供給管77を設ける一方、上記インペラハウ
ジング34内における上記インペラ37の上流側に一端
部83が開口し、他端部84が船体3の内底部に向って
延びる水吸入管82を設けた場合において、
【0035】上記両インペラハウジング34の左右方向
の外側に上記水供給管77の一端部78と、上記水吸入
管82の一端部83とを配設したものである。
【0036】請求項5の発明は、請求項1から4のうち
いずれか1つの発明に加えて、上記船体3の背面視断面
でみて、この船体3の左右方向における中央部の下面1
3をほぼ水平面とし、各側部の下面14を上記中央部の
各側縁から外側上方に向って延びる傾斜面とし、上記各
水流ダクト23の前端部24の開口26の少なくとも一
部を上記側部の下面14に形成した場合において、
【0037】上記両インペラ37を互いに逆方向に回転
させたものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0039】図1〜9において、符号1は跨座式(換言
すれば、鞍乗式)の小型の船艇であり、水2に浮かべら
れている。また、矢印Frは、上記船艇1の進行方向の
前方を示し、下記する左右とは、上記前方に向っての船
艇1の船体3の幅方向をいうものとする。
【0040】上記船体3は繊維で強化された樹脂(FR
P)製で、その下部がハル4、上部がデッキ5であり、
これらハル4とデッキ5の結合部がガンネル6である。
【0041】上記船体3の内部を前部室9と後部室10
とに仕切る仕切壁(バルクヘッド)11が設けられ、こ
の仕切壁11は上記ハル4とデッキ5の各内面に強固に
支持されている。
【0042】図5〜8において、上記船体3の背面視断
面でみて、上記船体3の前部側の下面は、次のように形
成されている。即ち、船体3の左右方向での中央部の下
面13はほぼ水平面とされ、各側部の下面14,14は
上記中央部の下面13の各側縁から外側上方に向って延
びる傾斜面とされている。この場合、船体3の前部側の
下面は、この船体3の左右方向の中央15を通る垂直線
を基準として左右対称形とされている。
【0043】図1〜4、6、8、9において、上記船体
3の後部の下面側にはポンプ室17が形成されている。
このポンプ室17は船体3の後方と下方とに向って開放
されたもので、このポンプ室17の前面壁18、上面壁
19および左右の各側面壁20,20は、上記船体3の
後部により形成されている。
【0044】図1〜9において、上記船体3に搭載され
てこの船体3を推進させる水噴射式の推進装置22が設
けられている。
【0045】上記推進装置22は、上記船体3の後部に
設けられ前後方向に長く延びる左右一対の水流ダクト2
3,23を有している。これら各水流ダクト23の前端
部24は、その後端部25側から前下方に向って延び、
その前端の開口26は上記船体3の後部の下面から前下
方に向って開放されている。一方、上記後端部25は上
記前端部24側からほぼ水平に後方に向って延び、その
後端の開口27は上記前面壁18を貫通して上記ポンプ
室17を通し船体3の後方に向って開放されている。
【0046】図1、4、7、9において、上記各水流ダ
クト23は、側面視(図1)で、そのほぼ軸心よりも上
側の約半分を構成する上部ダクト29と、下側の約半分
を構成する下部ダクト30とで構成されている。上記各
上部ダクト29はそれぞれ上記船体3のハル4に一体成
形されている。一方、上記各下部ダクト30はアルミ合
金の金属製で、互いに一体成形され、これら下部ダクト
30,30の左右方向の各外側部がそれぞれ締結具31
により上記船体3に着脱自在に締結されている。なお、
上記各上部ダクト29を上記ハル4とは別体に形成し
て、このハル4に着脱自在に締結し、上記各上部ダクト
29をアルミ合金の金属製としてもよい。
【0047】図1〜9において、上記各水流ダクト23
の後端部25の軸心とほぼ同じ軸心33上で、これら各
後端部25の後方近傍にそれぞれインペラハウジング3
4が配設され、上記各軸心33は前後方向に延び、か
つ、互いに平行とされている。上記各水流ダクト23の
内部と、これら水流ダクト23に対応するインペラハウ
ジング34の内部とは互いに連通する断面円形の水通路
35であり、上記船体3の後部の下方を上記ポンプ室1
7内である船体3の後方に連通させている。
【0048】図1、3、4において、上記各インペラハ
ウジング34内には、このインペラハウジング34の軸
心33とほぼ同じ軸心36を有する軸流式のプロペラで
あるインペラ37が収容されている。
【0049】図1〜4、6〜9において、上記各水流ダ
クト23と、これに対応する各インペラハウジング34
との間にアルミ合金の金属製の中間部材39が介在して
いる。なお、理解を容易にするため、この中間部材39
は梨地模様で示してある。これら各中間部材39には、
それぞれ上記水流ダクト23内の水通路35をインペラ
ハウジング34の水通路35に連通させる断面円形の連
通孔40が形成されている。
【0050】上記両中間部材39,39は互いに一体成
形されて、全体として長方形状の厚肉の平板状をなし、
つまり、簡単な形状とされて、その鋳造による成形が容
易にできることとされている。
【0051】図6、8において、上記中間部材39は前
記船体3の前面壁18に対し、締結具41により着脱自
在に締結されている。また、図1、8、9において、同
上中間部材39には上記水流ダクト23の下部ダクト3
0が締結具42により着脱自在に締結され、つまり、上
記中間部材39は船体3に対し強固に締結されている。
【0052】そして、上記中間部材39に対し、上記各
インペラハウジング34が締結具43により着脱自在に
締結され、つまり、上記各インペラハウジング34は上
記船体3に強固に締結された中間部材39を介して、同
上船体3に着脱自在に強固に締結されている。
【0053】図2〜4において、上記推進装置22は前
部室9内に設けられる内燃機関45を有し、この内燃機
関45は上記船体3に支持されている。この内燃機関4
5は軸心が前後方向に延びるクランク軸46と、このク
ランク軸46をその軸心回りに回転自在に支承するクラ
ンクケース47と、このクランクケース47に突設され
るシリンダ48とを備えている。また、上記内燃機関4
5に混合気を供給する吸気系部材49と、上記内燃機関
45から延出してその延出端が上記ポンプ室17内に連
通する排気管50が設けられている。この排気管50
は、上記内燃機関45からの排気を船体3の外部である
上記ポンプ室17内に排出させる。
【0054】図1〜5、7、8において、上記内燃機関
45の動力を上記各インペラ37,37に伝達させる歯
車装置52と、左右一対の推進軸53,53とが設けら
れ、これら各推進軸53は、上記歯車装置52の後方
で、前記各インペラ37の軸心36上に配設されてい
る。
【0055】図2〜5において、上記歯車装置52は、
上記仕切壁11に締結具55により着脱自在に締結され
るギヤボックス56と、このギヤボックス56内に収容
される不図示の歯車組と、上記ギヤボックス56に支承
されて上記クランク軸46と同じ軸心上でこのクランク
軸46に連動連結される入力軸57と、同上ギヤボック
ス56に支承されて上記各推進軸53と同じ軸心36上
でこれら推進軸53を連動連結させる左右一対の出力軸
58,58とを有している。上記入力軸57と各出力軸
58とは上記歯車組で連動連結され、上記入力軸57が
一方向に回転するのに連動して、上記両出力軸58,5
8は互いに逆方向に回転することとされ、これに伴っ
て、上記各推進軸53を介し各インペラ37も互いに逆
方向に回転することとされている。
【0056】上記の場合、ギヤボックス56は、上記締
結具55に加えて、左右一対の緩衝体59,59により
上記船体3のハル4に支持され、つまり、上記歯車装置
52は船体3に対し強固に、かつ、内燃機関45からの
振動を受けないように支持されている。また、側面視
(図2、3)で、上記入力軸57と推進軸53とは上下
方向で互いに偏位している。
【0057】図1、3、4において、上記各インペラ3
7の軸心36上には、軸受62が設けられ、これら各軸
受62は上記インペラハウジング34に支持されてい
る。上記したように、各推進軸53はその前端がこれに
対応する出力軸58に連結される一方、後端はこれに対
応する上記軸受62に支承され、つまり、上記各推進軸
53はそれぞれ上記軸心36の回りに回転自在となるよ
う上記歯車装置52と、軸受62を介し各インペラハウ
ジング34とに支承されている。そして、上記各インペ
ラ37は、上記各推進軸53の後端に取り付けられて、
これら各推進軸53と共に上記軸心36回りに回転自在
とされている。
【0058】図1〜4、6、9において、上記各インペ
ラハウジング34の後端に外嵌する操舵管64が設けら
れ、この操舵管64はその後部が上下、左右に回動する
よう上記インペラハウジング34に支承されている。ま
た、上記上面壁19に締結具65によりブラケット66
が締結され、このブラケット66にリバースバケット6
7が上下方向に回動自在となるよう枢支されている。
【0059】図1、3、6中実線で示すように、上記リ
バースバケット67を上方に回動させれば、上記各イン
ペラハウジング34内の水通路35が上記各操舵管64
を通して船体3の後方に開放される。一方、図1中一点
鎖線で示すように、上記リバースバケット67を下方に
回動させれば、このリバースバケット67が上記各イン
ペラハウジング34,34を一体的に後方から覆うこと
とされている。
【0060】図2において、上記船体3の前上部にハン
ドル69が突設され、このハンドル69に上記操舵管6
4が連動連結されている。上記ハンドル69の後方で、
同上船体3の上面には跨座式のシート70が設けられ、
このシート70に着座したライダーにより上記ハンドル
69が操作可能とされている。
【0061】また、上記ハンドル69の近傍にリバース
レバーが設けられ、このリバースレバーに上記リバース
バケット67が連動連結されている。上記シート70に
着座したライダーにより上記リバースレバーが操作可能
とされている。
【0062】図1、3、4、6、8、9において、上記
両インペラハウジング34,34を下方から覆うアルミ
合金の金属製の船底プレート72が設けられている。こ
の船底プレート72は、その各側部が締結具73によっ
て船体3の各側面壁20の下端に着脱自在に締結され、
前端部が締結具74によって上記中間部材39の下端に
着脱自在に締結され、これによって、上記船底プレート
72が上記船体3と中間部材39とに強固に支持されて
いる。
【0063】上記の場合、船底プレート72の下面は、
前後方向で、前記船体3の前部の下面である中央部の下
面13と側部の下面14とにほぼ面一とされている。ま
た、上記ポンプ室17、水流ダクト23、インペラハウ
ジング34、インペラ37、中間部材39、歯車装置5
2、操舵管64、リバースバケット67、および船底プ
レート72は、船体3の平面視、背面視で、上記中央1
5を通り前後に延びる垂直面を基準としてほぼ左右対称
形とされている。
【0064】図1、2、6において、上記内燃機関45
を水2により冷却させる水冷却装置が設けられている。
この水冷却装置は上記シリンダ48に形成された水ジャ
ケットに水2を供給するチューブ状の水供給管77を有
している。この水供給管77の一端部78は上記インペ
ラハウジング34内における上記インペラ37の下流側
に開口し、他端部79は上記シリンダ48の水ジャケッ
トに連通している。
【0065】上記インペラ37が回転するとき、上記イ
ンペラハウジング34内におけるインペラ37の下流側
は水圧が高くなるため、この水圧により、上記インペラ
ハウジング34内の水2の一部が上記水供給管77を通
して上記シリンダ48の水ジャケットに供給され、これ
により内燃機関45が所定温度に冷却される。
【0066】また、上記船体3内に溜まった水2を、外
部に排出させる排水装置が設けられている。この排水装
置はチューブ状の水吸入管82を有している。この水吸
入管82の一端部83は上記インペラハウジング34内
における上記インペラ37の上流側に開口し、他端部8
4は上記船体3の内底部に向って延びている。
【0067】上記インペラ37が回転するとき、上記イ
ンペラハウジング34内におけるインペラ37の上流側
は水圧が低くなって負圧となるため、この負圧により、
上記船体3の内底部の水は上記水吸入管82を通して吸
引され、上記インペラハウジング34内を通して船体3
の外部に排水される。
【0068】特に、図6において、上記両インペラハウ
ジング34,34の左右方向の一方の外側(右外側)に
上記水供給管77の一端部78が配設され、他方の外側
(左外側)に上記水吸入管82の一端部83が配設され
ている。
【0069】図1〜9において、上記内燃機関45を駆
動させると、この内燃機関45が出力する動力が上記歯
車装置52と推進軸53とを介して、左右の各インペラ
37に伝達され、これら各インペラ37はその軸心36
回りに回転させられる。
【0070】すると、上記各インペラハウジング34内
の水2が後方に向って加速され、これにより、上記船体
3の後部の下方の水2が上記各水流ダクト23内の水通
路35を通し、これに対応する上記各インペラハウジン
グ34内の水通路35に吸入される一方、これら各イン
ペラハウジング34内の水通路35から上記操舵管64
を通し船体3の後方に向って噴射され、この噴射の反力
により、上記船艇1が前方に向って推進させられる。
【0071】上記推進時に、上記ハンドル69を操舵操
作し、上記操舵管64の姿勢を変化させるよう回動させ
れば、上記操舵管64からの噴射の方向が変化して、船
艇1が所望の方向に操舵される。
【0072】また、図1中一点鎖線で示すように、リバ
ースバケット67を下方に回動させて上記各操舵管64
を一体的に後方から覆うと、これら操舵管64から噴射
された水2は上記リバースバケット67に案内されて前
方に向わされ、その反力で、上記船艇1は後方に推進さ
せられるようになっている。
【0073】特に図1、8、9において、前記したよう
に、各水流ダクト23と、これに対応する各インペラハ
ウジング34との間に中間部材39が介在され、この中
間部材39が船体3に支持される一方、この中間部材3
9に上記各インペラハウジング34が支持され、かつ、
上記両中間部材39が互いに一体成形されている。
【0074】ここで、上記船体3は本来的に強度と、剛
性とが高いものであり、かつ、上記各中間部材39は互
いに一体成形されて、その強度と剛性とが向上させられ
ている。このため、上記船体3に対する各インペラハウ
ジング34の支持に、十分の強度と剛性とが確保され
る。
【0075】よって、上記各インペラハウジング34に
支承された各インペラ37の軸心36同士の平行度は所
定精度に保たれることとなり、このため、船艇1を推進
させる際に、無用の動力損失が生じることは防止され
る。
【0076】特に図1、7、9において、前記したよう
に、各水流ダクト23は、側面視で、そのほぼ軸心より
も上側を構成する上部ダクト29と、下側を構成する下
部ダクト30とでそれぞれ構成され、上記各上部ダクト
29はそれぞれ船体3に一体成形され、上記各下部ダク
ト30は締結具31により上記船体3に対し着脱自在に
締結され、上記各下部ダクト30は互いに一体成形され
ている。
【0077】このため、上記下部ダクト30を船体3に
締結させるための締結具31は、これら両下部ダクト3
0の各側部に配置すれば足り、両下部ダクト30の間に
配置させる必要はない。
【0078】つまり、上記締結具31を配置させる空間
を上記両下部ダクト30の間に設けないで済むことか
ら、その分、これら各下部ダクト30により構成される
両水流ダクト23を互いに接近させることができ、これ
に伴って、上記各水流ダクト23の前端部24の開口2
6を船体3の下面の中央15近傍に位置させることがで
きる。
【0079】よって、船艇1の操舵時に、背面視で、船
体3がある程度傾斜し、船体3の下面の一側部が浮き上
がりがちになっても、上記開口26は船体3の下面の中
央15近傍に位置していて、水2中に、より確実に位置
させられることから、この開口26を通して、水流ダク
ト23内に空気が吸入される、ということは防止され、
このため、無用の動力損失の発生が防止される。
【0080】特に図6において、前記したように、両イ
ンペラハウジング34の左右方向の一方の外側に上記水
供給管77の一端部78が配設され、他方の外側に上記
水吸入管82の一端部83が配設されている。
【0081】このため、上記水供給管77の一端部78
と、水吸入管82の一端部83とを配置させるための空
間は、上記両下部ダクト30の外側方に、左右に振り分
け状に位置させられることとなって、これら両下部ダク
ト30の間には配置されないことから、これら両下部ダ
クト30が左右方向で互いに離れるということが防止さ
れ、つまり、これら下部ダクト30により構成される両
水流ダクト23は互いに接近させることができる。な
お、上記各一端部78,83を、共に両下部ダクト30
の左右方向のいずれか一方の外側に位置させてもよい。
【0082】特に図7〜9において、前記したように、
上記船体3の背面視断面でみて、この船体3の左右方向
における中央部の下面13はほぼ水平面とされ、各側部
の下面14は上記中央部の各側縁から外側上方に向って
延びる傾斜面とされ、上記各水流ダクト23の前端部2
4の開口26の少なくとも一部が上記側部の下面14に
形成されている。
【0083】このため、上記各水流ダクト23の前端部
24の開口26の一部と、この一部以外の他部とでは、
水2中に向う形状等の条件が互いに異なるため、上記開
口26の一部と他部とでは、上記水流ダクト23内に吸
入される水2の量が不均一となりがちである。
【0084】よって、上記のように、吸入される水2の
量が不均一であることにより、上記各水流ダクト23内
に吸入された水2は、この水流ダクト23内をそのほぼ
軸心回りに螺旋を描きながら後方に流れ、この螺旋の流
れのままで、上記インペラハウジング34内をも後方に
流れることとなる。また、この際、上記船体3の底面の
各側部の傾きは、船体3の左右方向の中央15を通る垂
直線を基準として左右対称形であって、互いに逆方向で
あることから、左右各水流ダクト23や各インペラハウ
ジング34内における水2の流れの螺旋の方向は、互い
に逆方向となる。
【0085】そして、上記したように、左右各水流ダク
ト23に連通する各インペラハウジング34内における
水2の流れの螺旋の方向が互いに逆方向になるのに対し
て、これら各インペラハウジング34内の水2の流れの
中で両インペラ37が互いに逆方向に回転させられるよ
うになっている。
【0086】よって、上記各インペラハウジング34内
で、水2の流れの螺旋方向に対するインペラ37の回転
方向は、いずれも順方向、もしくはいずれも逆方向とな
って、左右インペラ37の推進性能は互いに同じとな
る。このため、左右インペラ37の推進性能が互いに均
等となって、左右いずれかへの操舵ぐせが生じることは
なく、船艇1の操舵がし易くなると共に、無用な動力損
失の生じることが防止される。
【0087】特に図1、4、6において、前記したよう
に、リバースバケット67は上記両インペラハウジング
34,34を一体的に覆うように設けられているため、
上記リバースバケット67を各インペラハウジング34
に個々に設けることに比べて、上記各水流ダクト23や
各インペラハウジング34を、より船体3の中央15側
に設けることができる。
【0088】特に図3、5において、前記したように、
内燃機関45の動力は歯車装置52を介して各インペラ
37に伝達されるようになっており、このため、上記内
燃機関45の出力軸であるクランク軸46の高さにかか
わらず、上記各インペラ37は低く位置させることがで
きる。
【0089】よって、上下方向でみて、上記水流ダクト
23の前端部24の開口26から、上記インペラ37に
至る揚水高さをより低くできるため、その分、揚水のた
めの動力が少なく抑えられて、無用な動力損失の発生が
防止される。
【0090】図9において、各水流ダクト23の各前端
部24の各開口26の前方におけるキール幅W1 は、上
記両開口26,26間のキール幅W2 よりも大きくされ
ている。
【0091】即ち、前記した中央部の下面13と側部の
下面14とが交わる部分の角部に、上記各開口26が位
置させられて、その分、上記角部の範囲が少なくされて
おり、よって、船体3が水2から受ける流体抵抗が少な
くなって、無用な動力損失の発生が防止される。
【0092】図10は、本発明の他の実施の形態を示し
ている。
【0093】これによれば、各水流ダクト23の前端部
24の開口26は互いに一体成形されて、船体3の下面
の中央15近傍に位置させられ、平面視で、上記各前端
部24は船体3の下面の中央15側に向って折り曲げら
れている。
【0094】そして、前記実施の形態で説明したよう
に、各水流ダクト23は互いに接近させられて、上記船
体3の下面の、より中央15側に配設されているため、
上記した前端部24の折り曲げの角度θは小さく抑えら
れる。
【0095】よって、上記各水流ダクト23を流れる水
2の抵抗は小さく抑えられ、このため、無用の動力損失
の発生が防止される、
【0096】他の構成や作用は、前記実施の形態と同様
であるため、図面に共通の符号を付してその説明を省略
する。
【0097】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0098】請求項1の発明は、船体の後部に前後方向
に延びる左右一対の水流ダクトを設け、これら各水流ダ
クトの前端部の開口を上記船体の下方に向って開放させ
る一方、同上各水流ダクトの後端部の開口を同上船体の
後方に向って開放させ、上記各水流ダクトの後端部とほ
ぼ同軸上で、これら各後端部の後方近傍にそれぞれイン
ペラハウジングを配設し、これら各インペラハウジング
内にそれぞれ軸心が前後方向に延びるインペラを収容さ
せると共にこれらインペラを上記軸心回りに回転自在と
なるよう上記インペラハウジングに支承させ、これら各
インペラの回転で、上記船体の下方の水が上記各水流ダ
クトを通しこれに対応する上記各インペラハウジング内
に吸入される一方、これら各インペラハウジング内から
船体の後方に向って噴射されるようにした船艇の水噴射
式推進装置において、
【0099】上記各水流ダクトと、これに対応する各イ
ンペラハウジングとの間に中間部材を介在させ、上記水
流ダクト内を上記インペラハウジング内に連通させる連
通孔を上記中間部材に形成し、この中間部材を船体に支
持させる一方、この中間部材に上記各インペラハウジン
グを支持させ、かつ、上記両中間部材を互いに一体成形
してある。
【0100】ここで、上記船体は強度と、剛性とが高い
ものであり、かつ、上記各中間部材は互いに一体成形さ
れて、その強度と剛性とが向上させられている。このた
め、上記船体に対する各インペラハウジングの支持に、
十分の強度と剛性とが確保される。
【0101】よって、上記各インペラハウジングに支承
された各インペラの軸心同士の平行度は所定精度に保た
れることとなり、このため、船艇を推進させる際に、無
用の動力損失が生じることは防止される。
【0102】請求項2の発明は、上記各水流ダクトを、
側面視で、そのほぼ軸心よりも上側を構成する上部ダク
トと、下側を構成する下部ダクトとでそれぞれ構成し、
上記各上部ダクトをそれぞれ船体に一体成形し、上記各
下部ダクトを締結具により上記船体に対し着脱自在に締
結した船艇の水噴射式推進装置において、
【0103】上記両下部ダクトを互いに一体成形したも
のである。
【0104】このため、上記下部ダクトを船体に締結さ
せるための締結具は、これら両下部ダクトの各側部に配
置すれば足り、両下部ダクトの間に配置させる必要はな
い。
【0105】つまり、上記締結具を配置させる空間を上
記両下部ダクトの間に設けないで済むことから、その
分、これら各下部ダクトにより構成される両水流ダクト
を互いに接近させることができ、これに伴って、上記各
水流ダクトの前端部の開口を船体の下面の中央近傍に位
置させることができる。
【0106】よって、船艇の操舵時に、背面視で、船体
がある程度傾斜し、船体の下面の一側部が浮き上がりが
ちになっても、上記開口は船体の下面の中央近傍に位置
していて、水中に、より確実に位置させられることか
ら、この開口を通して、水流ダクト内に空気が吸入され
る、ということは防止され、このため、無用の動力損失
の発生が防止される。
【0107】また、上記したように、船体が傾斜して
も、上記開口を通して空気が吸入されないようにするた
め、上記各水流ダクトの前端部の開口を船体の下面の中
央近傍に位置させるよう、平面視で、上記各水流ダクト
の前端部を船体の下面の中央側に向って折り曲げること
が考えられる。
【0108】この場合、前記したように、左右水流ダク
トは互いに接近させることができるため、上記したよう
に、各水流ダクトの前端部を船体の下面の中央側に折り
曲げるとき、その折り曲げの角度は小さくて済む。
【0109】よって、上記各水流ダクトを流れる水の抵
抗は小さく抑えられ、このため、無用の動力損失の発生
が防止される。
【0110】請求項3の発明は、上記両インペラハウジ
ングを下方から覆う船底プレートを設け、この船底プレ
ートを上記中間部材に支持させてある。
【0111】このため、船体に十分の強度と剛性とで支
持された中間部材を介して、上記船底プレートも十分の
強度と剛性とで上記船体に支持されることとなる。
【0112】そして、上記した船底プレートの支持は、
上記各インペラハウジングを船体に支持させるための中
間部材を利用することにより達成されたのであり、よっ
て、上記船底プレートの支持強度を向上させることは簡
単な構成により達成される。
【0113】請求項4の発明は、上記インペラハウジン
グ内における上記インペラの下流側に一端部が開口し、
他端部が内燃機関の水ジャケットに連通する水供給管を
設ける一方、上記インペラハウジング内における上記イ
ンペラの上流側に一端部が開口し、他端部が船体の内底
部に向って延びる水吸入管を設けた船艇の水噴射式推進
装置において、
【0114】上記両インペラハウジングの左右方向の外
側に上記水供給管の一端部と、上記水吸入管の一端部と
を配設してある。
【0115】このため、上記水供給管の一端部と、水吸
入管の一端部とを配置させるための空間は、上記両下部
ダクトの外側方に位置させられることとなって、これら
両下部ダクトの間には配置されないことから、これら両
下部ダクトが左右方向で互いに離れるということが防止
され、つまり、これら下部ダクトにより構成される両水
流ダクトは互いに接近させることができる。
【0116】よって、前記請求項2の発明と同じ効果が
生じる。
【0117】請求項5の発明は、上記船体の背面視断面
でみて、この船体の左右方向における中央部の下面をほ
ぼ水平面とし、各側部の下面を上記中央部の各側縁から
外側上方に向って延びる傾斜面とし、上記各水流ダクト
の前端部の開口の少なくとも一部を上記側部の下面に形
成した船艇の水噴射式推進装置において、
【0118】上記両インペラを互いに逆方向に回転させ
たものである。
【0119】即ち、左右各水流ダクトに連通する各イン
ペラハウジング内における水の流れの螺旋の方向は互い
に逆方向になるのに対して、これら各インペラハウジン
グ内の水の流れの中で両インペラが互いに逆方向に回転
させられることとなる。
【0120】よって、上記各インペラハウジング内で、
水の流れの螺旋方向に対するインペラの回転方向は、い
ずれも順方向、もしくはいずれも逆方向となって、左右
インペラの推進性能は互いに同じとなる。このため、左
右インペラの推進性能が互いに均等となって、左右いず
れかへの操舵ぐせが生じることはなく、船艇の操舵がし
易くなると共に、無用な動力損失の生じることが防止さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の部分拡大断面図である。
【図2】船艇の全体側面図である。
【図3】図1の部分拡大断面図である。
【図4】船艇の後部の平面断面図である。
【図5】図4の5‐5線矢視図である。
【図6】船艇の背面部分断面図である。
【図7】図1の7‐7線矢視断面図である。
【図8】図1の8‐8線矢視断面図である。
【図9】図3の9‐9線矢視部分断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態を示す図で、図9に
相当する図である。
【符号の説明】
1 船艇 2 水 3 船体 13 中央部の下面 14 側部の下面 15 中央 22 推進装置 23 水流ダクト 24 前端部 25 後端部 26 開口 27 開口 29 上部ダクト 30 下部ダクト 31 締結具 33 軸心 34 インペラハウジング 35 水通路 36 軸心 37 インペラ 39 中間部材 40 連通孔 45 内燃機関 72 船底プレート 77 水供給管 78 一端部 79 他端部 82 水吸入管 83 一端部 84 他端部 θ 角度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体の後部に前後方向に延びる左右一対
    の水流ダクトを設け、これら各水流ダクトの前端部の開
    口を上記船体の下方に向って開放させる一方、同上各水
    流ダクトの後端部の開口を同上船体の後方に向って開放
    させ、上記各水流ダクトの後端部とほぼ同軸上で、これ
    ら各後端部の後方近傍にそれぞれインペラハウジングを
    配設し、これら各インペラハウジング内にそれぞれ軸心
    が前後方向に延びるインペラを収容させると共にこれら
    インペラを上記軸心回りに回転自在となるよう上記イン
    ペラハウジングに支承させ、これら各インペラの回転
    で、上記船体の下方の水が上記各水流ダクトを通しこれ
    に対応する上記各インペラハウジング内に吸入される一
    方、これら各インペラハウジング内から船体の後方に向
    って噴射されるようにした船艇の水噴射式推進装置にお
    いて、 上記各水流ダクトと、これに対応する各インペラハウジ
    ングとの間に中間部材を介在させ、上記水流ダクト内を
    上記インペラハウジング内に連通させる連通孔を上記中
    間部材に形成し、この中間部材を船体に支持させる一
    方、この中間部材に上記各インペラハウジングを支持さ
    せ、かつ、上記両中間部材を互いに一体成形した船艇の
    水噴射式推進装置。
  2. 【請求項2】 上記各水流ダクトを、側面視で、そのほ
    ぼ軸心よりも上側を構成する上部ダクトと、下側を構成
    する下部ダクトとでそれぞれ構成し、上記各上部ダクト
    をそれぞれ船体に一体成形し、上記各下部ダクトを締結
    具により上記船体に対し着脱自在に締結した船艇の水噴
    射式推進装置において、 上記両下部ダクトを互いに一体成形した請求項1に記載
    の船艇の水噴射式推進装置。
  3. 【請求項3】 上記両インペラハウジングを下方から覆
    う船底プレートを設け、この船底プレートを上記中間部
    材に支持させた請求項1、もしくは2に記載の船艇の水
    噴射式推進装置。
  4. 【請求項4】 上記インペラハウジング内における上記
    インペラの下流側に一端部が開口し、他端部が内燃機関
    の水ジャケットに連通する水供給管を設ける一方、上記
    インペラハウジング内における上記インペラの上流側に
    一端部が開口し、他端部が船体の内底部に向って延びる
    水吸入管を設けた船艇の水噴射式推進装置において、 上記両インペラハウジングの左右方向の外側に上記水供
    給管の一端部と、上記水吸入管の一端部とを配設した請
    求項1から3のうちいずれか1つに記載の船艇の水噴射
    式推進装置。
  5. 【請求項5】 上記船体の背面視断面でみて、この船体
    の左右方向における中央部の下面をほぼ水平面とし、各
    側部の下面を上記中央部の各側縁から外側上方に向って
    延びる傾斜面とし、上記各水流ダクトの前端部の開口の
    少なくとも一部を上記側部の下面に形成した船艇の水噴
    射式推進装置において、 上記両インペラを互いに逆方向に回転させた請求項1か
    ら4のうちいずれか1つに記載の船艇の水噴射式推進装
    置。
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