JPH10115714A - 面光源用出光パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種ディスプレイの光源、特に液晶表示セル
の裏面に背面光源用出光パネルとして設置するのに適
し、出光効率及び液晶ディスプレイの視野角が著しく改
良された面光源用出光パネル。 【解決手段】 光反射層と、この光反射層に対向して設
けられた出光面と、導光面とを備えた面光源用パネルに
おいて、前記出光面が多数の凸形状を有するとともに、
該各凸形状には光拡散層が設けられていることを特徴と
する面光源用出光パネル。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、面光源用出光パネ
ルに関し、更に詳しくは、各種ディスプレイの光源、特
に液晶表示セルの裏面に背面光源用出光パネルとして設
置するのに適し、出光効率及び液晶ディスプレイの視野
角が著しく改良された面光源用出光パネルに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、情報化社会の急激な進展ととも
に、各種情報を人間に受渡しする端末機器が非常に多く
利用されている。これらの端末ディスプレイの大部分は
いわゆるＣＲＴであるが、これらのＣＲＴは、カラー表
示機能や画像調整機能等に優れ、信号ケーブルが少なく
て済む等の多くの利点を有するものの、高圧電源や肉厚
ガラスからなる表示管を必要とするため、大きくて重
く、且つスペースをとるという欠点があることから、壁
掛け型、可搬型、携帯型等の用途を中心に平板状のフラ
ットディスプレイが種々提案されており、これらのうち
で特に有望なものは、ＩＣ駆動可能で、カラー化が容易
に液晶ディスプレイである。

【０００３】

【発明が解決しようとしている課題】従来の液晶ディス
プレイは、裏面に光反射層を設け、前面からの外光を利
用して情報を表示する方式であり、格別の光源を必要と
しないため、卓上計算機、電池駆動の計算機、時計等の
ディスプレイとして広く使用されている。しかしなが
ら、このような液晶ディスプレイを端末機やテレビとし
て従来のＣＲＴに代えて使用する場合には、明るさが不
足しているために、視野角、コントラスト及び表示品質
が劣り、特に１０〜１２インチ程度以上のサイズにし、
８０字２０〜２５行程度の大容量表示用としては表示品
質上の問題が生じる。

【０００４】又、格別の光源を有さないので、外部の光
環境条件の変化によって表示品質が左右され、外光が存
在しない場合には、表示機能を全く失うという欠点があ
る。このような問題点を解決するために、最近では、液
晶ディスプレイの裏面に設置する背面光源の研究が多く
為されている。これらの背面光源としては有機分散型Ｅ
Ｌ、薄膜ＥＬ、発光ダイオードアレイを利用したもの、
蛍光灯やランプ等の光源と導光板とを組み合わせたも
の、フルネル型導光板、照明ボックス等、種々のものが
提案されているが、大型ディスプレイ用としては、均一
性、光効率及び演色性等の点で満足できるものは知られ
ていない。

【０００５】これらの内で有望なものとしては、アクリ
ル板等の透光性パネルの側面に蛍光灯等の光源を設け、
パネルの一方の面から出光する方式が知られている。こ
の方式は有望なものであるが、液晶ディスプレイの本来
有する視野角の狭さという問題は解決されない。この問
題を解決する方法としては、出光パネルの出光面を粗面
化したり、アルミナやガラスビーズ等の光拡散剤を使用
して出光する光を拡散させる方法が知られている。しか
しながら、この方式では光の拡散性が不十分であり、
又、光拡散剤もある程度の吸光性があるためにディスプ
レイが大型になる程光拡散性効果は低下し、むしろディ
スプレイの中心部では明るさが不足するという問題が生
じる。

【０００６】又、大型ディスプレイになる程、該ディス
プレイを観察する人数が多くなり、その結果一層優れた
光拡散性、特に画面の左右への光拡散性が要求されるも
のの、このような左右に対する光拡散性の要望に対する
対応は殆ど為されていない。

【０００７】更に、この方式では光源として蛍光灯を使
用するため、出光パネルの厚みの問題がある。すなわ
ち、蛍光灯をパネルの側面に設置するのが最も薄い状態
であるが、パネルを蛍光灯の直径より薄くすると導光効
率が著しく低下するという問題があり、又、導入光の大
部分は出光面に平行な直進光であるために、出光面から
の出光効率が低いという問題がある。更にこのパネルを
大型にすればする程光源付近とパネルの中央部分との照
度に差が生じるという問題がある。

【０００８】又、光源として蛍光灯を使用する場合に
は、蛍光灯の光量は常に均一であるために、出光面の光
量を任意に制御することができず、液晶ディスプレイの
使用者の個人差や使用環境に対応することができない。
又、光量すなわち明暗のみではなく、ホワイトバランス
や演色性、更には使用者の眼精疲労を考慮すると、出光
面からの波長を調節して、適当な色相光とすることも望
ましいが、光源が蛍光灯である場合には白色光のみが出
光されるので、電気的に調節することは不可能であると
いう欠点が生じる。

【０００９】従って、本発明の主たる目的は、ＣＲＴに
代替できる程度に大型であり、且つ液晶ディスプレイの
本質的な欠点である視野角、特に看者に対する左右の視
野角を拡大することができ、更に出光パネルを蛍光灯等
の光源のサイズに関係なく薄くでき、更に出光効率に優
れた面光源用出光パネルを提供することである。又、本
発明の別の目的は、ＣＲＴに代替できる程度に大型であ
り、且つ使用する光環境や使用者の個人差に応じて容易
に光量及び／又は波長を調節することができる面光源用
出光パネルを提供することである。このような本発明の
目的は、以下の本発明によって達成された。

【００１０】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、光
反射層と、この光反射層に対向して設けられた出光面
と、導光面とを備えた面光源用パネルにおいて、前記出
光面が多数の凸形状を有するとともに、該各凸形状には
光拡散層が設けられていることを特徴とする面光源用出
光パネルである。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に本発明の面光源用出光パネル
の好ましい実施の形態を図解的に示す添付図面を参照し
て本発明を更に詳細に説明する。尚、いずれの図も説明
を容易にするために原寸の均一縮尺図ではなく、長さ方
向が圧縮されて描かれている。図１は、本発明の面光源
用出光パネルの１例の断面図を示し、図２〜３は、本発
明の他の好ましい面光源用出光パネルの１例の断面を示
し、図４は図２の面光源用出光パネルの平面図を示し、
図５は従来技術の面光源用出光パネルの断面図を示すも
のである。

【００１２】従来のアクリル板等を使用した面光源用出
光パネルは、図５に示す如く、出光面３と導光面１を除
いた部分に光反射層４を設けた出光パネルＢの導光部
（導光面１）に、蛍光灯等の光源Ａを付設したものであ
り、光源Ａからの光の一成分は出光面３からほぼ垂直に
出光（矢印）するため、その上に設けられた液晶ディス
プレイ５の視野角は改善されないものであり、この視野
角を向上させるべく出光面３を光拡散剤によって光拡散
性にすると、光拡散性を大にすればする程出光面の明る
さが低下するものであった。

【００１３】更に、出光パネルの厚みという問題からし
て、蛍光灯Ａの直径よりも出光パネルＢの厚みを薄くす
ると光源光６の導入効率が低下するという欠点があっ
た。又、出光パネルＢを厚くすれば導光効率は向上する
が、現在の薄型化及び軽量化指向に合致しないものであ
る。又、光源Ａから導入される光は、出光パネルＢ中を
出光面に平行に直進する光が多くの割合を占めるため、
出光面３からの出光効率が低いという問題があり、更に
光源Ａ付近の出光面３の照度が高く、光源Ａから離れる
程照度が低下し、出光面３全体において照度が不均一で
あった。

【００１４】又、光源Ａとして蛍光灯を使用する場合に
は、蛍光灯の光量は常に均一であるために、出光面３の
光量を任意に制御することができず、液晶ディスプレイ
の使用者の個人差や使用環境に対応することができな
い。又、光量すなわち明暗のみではなく、ホワイトバラ
ンスや演色性、更には使用者の眼精疲労を考慮すると、
出光面３からの波長を調節して、適当な色相光とするこ
とも望ましいが、光源Ａが蛍光灯である場合には白色光
のみが出光されるので、光の波長を電気的に調節するこ
とは不可能であるという問題がある。

【００１５】本発明の面光源用出光パネルは、上記の如
き従来技術の問題点を解決したものであり、図１〜図４
に図解的に示す如く、出光面３を平面状ではなく多数の
レンチキュラーズ形状や蝿の眼形状の如き凸形状（好ま
しくは凸曲面形状）１１とすることによって、出光面３
上に配置された液晶ディスプレイ５の視野角、特に左右
への視野角を拡大せしめ得たものである。

【００１６】このような多数のレンチキュラーズ形状や
蝿の眼形状の如き凸形状１１は出光面３において、いず
れの方向、すなわち縦、横方向或いは無秩序に配列して
もよい。又、上記多数のレンチキュラーズ形状や蝿の眼
形状の如き凸形状１１のピッチの巾は特に限定されない
が、ピッチ巾が大きすぎると、出光面３の平坦性が失な
われディスプレイ５との一体性が低下し、又、出光の均
一拡散性が不十分となる。

【００１７】一方、ピッチ巾が小さすぎると、出光面３
の平坦性は十分であるが、拡散効率特に左右に対する拡
散効率が不十分となるので好ましくない。本発明者の詳
細な研究によれば、出光パネルＢのサイズにもよるが、
一般的には０．０１〜１０ｍｍ、好ましくは０．０５〜
１．５ｍｍ巾のピッチのときに出光面の良好な平坦性と
出光面の光拡散性、特に左右に対する光拡散性が最良と
なり、更にこれらのピッチ幅をその上に配置する液晶デ
ィスプレイ５の画素のピッチ幅と略同一とすることによ
って、ディスプレイの表示機能が最良に発揮されること
を知見した。

【００１８】更に図２に示す好ましい実施態様では、出
光パネルＢの端部に導光部７を一体的に形成し、この導
光部７を例えば出光パネルＢの水平面から上方にずらし
て配置することによって、液晶ディスプレイ５を含めて
全体の厚みを薄くすることが可能となり、更に導光部７
の下方の反射面８を適当な形状にしたり、適度な角度を
与えることによって光源Ａからの光６を出光面３に平行
な光でなく、出光面３に対し方向づけられた角度の光と
して、光案内部２を経て出光面３に送ることができ、液
晶ディスプレイ５の視野角を一層拡大することができ
る。

【００１９】以上の如き構成とすることによって、出光
面３から出光する光（矢印）は、出光パネルＢの光案内
部２の厚さを光源である蛍光灯Ａの直径より薄くして
も、導入された光は、出光面３と対向する側の反射面４
及び８で反射（一次反射光）され、出光面３に直接到達
し、液晶ディスプレイ５の視野角を拡大するとともに、
光源光６の導光効率を低下させることがない。

【００２０】更に、図３に示す例は、出光面３に多数の
レンチキュラーズ形状や蝿の眼形状の如き凸形状１１を
有する出光面３を全体的に凸曲面状とした例であり、前
記図２に示す例における作用効果を有するとともに、デ
ィスプレイ５の視野角を更に拡大することが可能とな
る。更にこの図３に示す例では、全体的な凸曲面形状は
１個のみであるが、これを２分割或いは３分割等複数に
分割して複数の凸曲面形状の表面に多数のレンチキュラ
ーズ形状や蝿の眼形状の如き凸形状１１を形成してもよ
い。

【００２１】このような構成とすることによって、全体
の凸曲面形状の曲率を大としても、出光パネルＢの厚み
をそれに応じて厚くする必要がないので、パネルＢの厚
みをそれに応じて厚くする必要がないので、パネルＢの
出光面を曲面状とすることによって厚くなるという問題
が生じない。

【００２２】更に本発明の別の好ましい実施態様では、
図１に示す如く光源Ａの周囲に調光フィルター９を設け
る。この調光フィルター９は、光源Ａからの光の強度及
び色相を自由に変えることができるものであり、光量フ
ィルター及び／又は波長フィルターとしての機能を有す
る。まず最初に調光フィルター９が光量フィルターであ
る場合には、このような光量フィルターは、蛍光灯Ａか
ら照射される光の量を調節できる構成である限りいずれ
の構成でもよく、いくつかの好ましい例を挙げれば次の
通りである。

【００２３】（１）蛍光灯Ａの周囲に蛍光灯の光を制御
できる層を形成し、蛍光灯を回転可能にした態様。この
態様では、上記層が光量フィルターとなり、例えば、黒
色、その他の色の如く、遮光又は光を吸収し得る層を形
成する方法、白色、金属色等の如く光を反射できる層を
形成する方法等いずれでもよい。このような光量制御層
は、適当なインキや塗料を調製し、これを蛍光灯Ａの周
囲に印刷したり、ハケ、ロール、スプレー、静電塗装、
焼付け、インキジェット法等の方法で塗布したり、蒸
着、ＣＶＤ、スパッタ等の方法、又、予め染着層を形成
しておき、後に染色する方法で直接光源に形成するか、
予め他の透明基材に形成しておき、貼り合わせする等の
いずれかの方法で形成してもよい。

【００２４】勿論、このような光量フィルターは、蛍光
灯Ａの管壁に均一に形成するのではなく、線状、縞状或
いは点状に適当に密度差や濃度差をつけて形成するか、
或いは透過濃度の異なる遮光材層を階段的又は連続的に
形成する。このような構成の光量フィルター９を形成
し、適当な手段（図示なし）により蛍光灯Ａを回転させ
ることによって、出光面に至る光量を容易に制御するこ
とができる。

【００２５】（２）蛍光灯Ａは固定し、その周囲に回転
可能な光量フィルター９を設ける態様。この例の原理も
上記（１）の場合と全く同一であり、例えば、透明なガ
ラスやプラスチックからなる管状フィルター９を形成
し、その表面に上記（１）における如き、密度差や濃度
差を有する光吸収層或いは光反射層を形成する方法でよ
い。更に上記管状体を設けた後にその表面に上記の如き
光量調節機能を有するフィルム等を巻き付けたものでも
よい。

【００２６】又、フレキシブルな筒状シートにして、２
軸で回転して送る方法も可能である。このような構成の
光量フィルター９を設け、このフィルター９をギヤやベ
ルト等の適当な手段（図示なし）で回転させることによ
って、出光面に至る光量を任意に制御することができ
る。以上は、説明容易性のために、管状のフィルターを
例示して説明したが、フィルターはこれらの例に限定さ
れず、いずれの形状及び駆動機構でもよい。

【００２７】又、調光フィルター９が波長フィルターで
ある場合には、上記（１）及び（２）の態様における光
吸収層を特定の波長の光を吸収する色に着色することに
よって本発明の目的が達成できる。すなわち、調光フィ
ルター９をイエロー、オレンジ、レッド、ブルー、グリ
ーン、バイオレット或いはそれらの中間色で任意の順序
に着色すればよく、このような構成の調光フィルター９
を使用者の好みに応じて回転或いはスライドさせること
によって、光源から出光面に至る光の波長を任意に制御
することができる。又、例えば、テレビ用途において
は、必須である色相調節が最も簡単にできる方法として
有効である。

【００２８】更に本発明で使用する調光フィルター９
は、上記の光量フィルターと波長フィルターとを同時に
兼ねることができる。例えば、同一のフィルター上に光
量調節と波長調節の両機能を持たせる方法と、前記第２
の構成例では、複数のフィルターに分けて相互に重ね合
わせ、独立に制御する方法とがあり、後者の方が、光
量、色調、色調の濃淡等、多くの調整が可能であり、よ
り精密な調整に適している。

【００２９】以上の如き本発明の作用効果を奏する出光
パネルＢは、いずれかの透光性に優れた材質、例えば、
ガラス材質等から形成できるが、成形容易性や透光性等
の点からは、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合樹脂、セルロールアセトブチレート樹脂、セル
ロースプロピオネート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステ
ル樹脂等の透光性プラスチック材料或いはこれらの複合
材料若しくは共重合材料から形成するのが好ましい。
又、反応固化型のエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、メ
タクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等も使用可能である。
成形方法としては、射出成形、コンプレッション成形、
注型成形、切削、研磨等、公知の方法がいずれも適用で
きる。

【００３０】このようにして得られる出光パネルＢの光
反射層４及び８は、図２及び図３に示す如く、出光面３
及び導光部７の導光面１を除く他の部分にニッケル、ア
ルミニウム、銀、金等の光反射性金属を蒸着、スパッ
タ、メッキ、銀鏡反応等により形成するか、反射性の金
属入り塗料を塗布したり、或いはアルミニウムシート等
の光反射性材料を貼り合せすることにより形成し、光源
光６がパネルＢ外に漏洩するのを防止することが、一部
の漏洩光を再度内部に反射する効果を含めて有効であ
る。又、不要な部分は設計されない外光入射を防止する
ための遮光剤や光吸収剤で層を形成することも手段とし
て有効である。これらの反射面は、光学設計を乱さない
範囲で、散乱性に処理するか、ガラスビーズ等の再帰反
射材料を利用することも可能であり、又、凹凸面を利用
して拡散反射させることも可能である。

【００３１】又、その出光面３には、光拡散層１０を形
成して、出光面３の多数のレンチキュラーズ形状や蝿の
眼形状の如き凸形状による視野角の拡大と併せて、更に
液晶ディスプレイ５の視野角を拡大することができる。
このような光拡散層は、あまりに光拡散性を大にすると
逆に出光面の照度が低下するので好ましくない。光拡散
層１０は、例えば、出光面を出光パネルの成形時又は成
形後に、サンドペーパー研磨、サンドプラスト、ホーン
ニング、バフ研磨、ヘアライン加工、エンボス加工、プ
レス加工等で粗面化したり、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化マグネシウム等の
白色顔料や特定径を有するガラスビーズ等の光拡散性材
料を含む透明樹脂層を、浸漬、ロールコート、ブレード
コート、スプレーコート等の塗布法により形成したり、
或いはこれらの層を接着することにより、出光面３に至
った光を乱反射或いは拡散させ、出光面３からの照度を
均一化するとともに視野角を広げることができる。

【００３２】又、このような光拡散層は、スリガラス
板、光拡散性ガラス板、光拡散性プラスチックシート等
を別に用意し、成形時に同時に一体化するか、又は使用
時に液晶ディスプレイ５と出光面３との間に載置或いは
貼り合わせてもよい。又、光源の導光部と反対側には光
反射性の集光鏡や放熱板を配置することも効率向上や熱
設計上有利である。

【００３３】以上の如き本発明の好ましい例の出光パネ
ルＢは、図２〜３に示す如く出光面３と導光部７とが凹
部を形成しており、この凹部に液晶ディスプレイ５を載
置することによって、液晶ディスプレイ５の背面を照明
し、液晶ディスプレイ５を環境によらず明瞭に見えるよ
うにすることができる。又、本発明の出光パネルをこの
ような形状とすることによって、背面光源を含むディス
プレイ全体の厚みを薄くすることができ、全体の軽量化
が達成できる。

【００３４】以上本発明の好ましい実施態様を例示して
本発明を説明したが、出光面が多数のレンチキュラーズ
形状や蝿の眼形状の如き凸形状を有する構成である限
り、本発明の面光源用出光パネルは図示の形状に限定さ
れず、いずれの形状でもよい。例えば、種々のレンズ面
の形状は、半球面状、楕円表面状、幾分突出した方体の
頂部が半球面状である形状等でもよく、更に出光パネル
Ｂの導光部７（光源Ａ）は図示の箇所に限定されず、１
箇所でも、３箇所でも４箇所でもよく、又、出光パネル
Ｂの形状は、矩形に限定されず、円盤状、楕円板状、多
角形状、コーナ部が丸みを有する矩形状等任意の形状で
よく、従って、光源の形状も棒状蛍光灯Ａに限定され
ず、出光パネルＢの形状に応じて、環状等の如く任意の
形状でよい。

【００３５】以上の如き本発明の面光源用出光パネル
は、その出光面が多数のレンチキュラーズ形状や蝿の眼
形状の如き凸形状を有するため、出光面から出射する光
は出光パネルに対して垂直ではなく、外に向かって放散
される形状であるため、出光面に載置された液晶ディス
プレイの視野角を拡大させることができる。すなわち、
本発明の面光源用出光パネルの場合の光の拡散角度、特
に左右への拡散角度は非常に広いものであり、中央の照
度を１とすると、照度が１０％減衰する角度は中央から
±７０°〜±８０°であった。

【００３６】更にこのような広い視野角からして、出光
面の照度も非常に均一であり、光源である蛍光灯の長さ
方向の照度ムラの非常に少ないものであった。更に、上
記構成によって十分な光拡散が可能であるために、出光
面の光拡散層の形成に使用する光拡散剤の使用量或いは
光拡散処理の程度が少なくて済み、光の減衰が少なく、
高い出光効率を得ることができる。すなわち、図５に示
す如き従来公知の面光源用出光パネルの場合の出光面の
照度は蛍光灯光源の約１０％程度に過ぎなかったが、本
発明の面光源用出光パネルの場合の照度は光源の３０〜
７０％に達した。

【００３７】更に本発明の好ましい実施態様では、上記
のレンチキュラーズ形状や蝿の眼形状の如き凸形状によ
る視野角の拡大効果に加えて、光源からの光が光案内部
に平行に入射されるのではなく、出光面に対して方向性
を有する反射光として入射されるため、入射光の大部分
は、出光面に対して方向づけられた角度のある光とする
ことができ、光源からの光を効率良く出光面に案内する
ことができるとともに、液晶ディスプレイの視野角を一
層拡大することができる。

【００３８】又、本発明の好ましい別の実施態様では、
光源としての蛍光灯の大きさに拘らず、光案内部を薄く
することができるので、ディスプレイの薄層化及び軽量
化という要求を満足させることができるとともに、液晶
ディスプレイの視野角を一層拡大することができる。

【００３９】又、同様の理由から、導光部を蛍光灯の直
径より厚くして、そのなかに蛍光灯の半分以上をはめ込
み、この導光部を光案内部と連結することにより、光案
内部は蛍光灯の直径より薄くすることができるので、蛍
光灯から照射される光の大部分を集光して光案内部に導
入できる。従って、光案内部が蛍光灯の直径よりも薄く
とも、光源光の利用効率を著しく高めることができる。

【００４０】又、出光面等の一部を除く出光パネルの外
面に光反射層を形成し、それらの光源に対する角度や形
状を適当にコントロールすることにより、光源からの光
を出光面全体に均一に分配することができるので、出光
面の照度を一層均一化することができるとともに、液晶
ディスプレイの視野角を一層拡大することができる。

【００４１】更に本発明の好ましい例では、光源の周囲
に調光フィルターを付設することによって、使用者によ
って出光面に至る光の光量及び／又は波長が簡便に任意
に制御できるので、使用者の個人差に十分対応でき、使
用者毎に最適の光量（明暗）及び／又は最適の波長光
（色相）をもって液晶ディスプレイ等のディスプレイを
使用することができる。

【００４２】

【実施例】

実施例１ ポリメチルメタクリレート樹脂（パラペットＨＲ、協和
ガス化学製）を使用して図２及び図４に示す如き形状
で、サイズ２００ｍｍ×１２０ｍｍ、光案内部の厚み１
０ｍｍ、レンチキュラーズ形状のピッチ巾１．２ｍｍ、
導光部の厚み２５ｍｍの出光パネルを射出成形方法で成
形し、出光面及び導光面を除く外面にアルミニウムを真
空蒸着して光反射層を形成した。又、出光面はサンドブ
ラスト方法により軽度に粗面化して本発明の面光源用出
光パネルとした。光源としては１５Ｗの蛍光灯を２本使
用し、導光部に形成した凹部に嵌合し、上面をアルミニ
ウムシートで封止して面光源とした。この面光源の出光
面に液晶ディスプレイを載置し、面光源を点灯したとこ
ろ、液晶ディスプレイの視野角、コントラスト及び照度
が優れ全体が均一な高い表示機能を示した。

【００４３】実施例２ 上記実施例１の上記アクリル樹脂からその一端に回転用
とってを設けた管状体を形成し、その表面に黒色のドッ
トが印刷され、ドット数が連続的に変化しているポリ塩
化ビニルシートを貼り合わせ、２本の調光フィルターを
用意した。この中に１５Ｗの蛍光灯を夫々装着し、実施
例１の出光パネルの導光部を夫々装着し、実施例１の出
光パネルの導光部の凹部に嵌合し、上面をアルミニウム
シートで封止し、外部から上記の調光フィルターが自在
に回転できるようにして面光源とした。

【００４４】この面光源の出光面に液晶ディスプレイを
載置し、面光源を点灯したところ、液晶ディスプレイは
発光型となり、視野角、コントラストが優れ、全体が均
一な高い表示機能を示した。又、調光フィルターを徐々
に回転させることによって、液晶ディスプレイの明暗が
変化し、個人差及び外光に対応して表示面の調光が可能
であった。

【００４５】実施例３ 実施例２におけるドット印刷シートに代えて、蛍光灯の
周囲長さに等しい巾で、縦に連続的に透明性の高い虹の
７色を配色したシートを使用し、他は実施例２と同様に
して面光源を得た。この面光源を実施例１と同様に使用
してみたところ、表示面の光の色相を種々の色相に変化
させることができた。

【００４６】

【発明の効果】以上の通り、本発明の面光源用出光パネ
ルは、液晶ディスプレイ等の各種のディスプレイの背面
光源用出光パネルとして非常に有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の面光源用出光パネルの１例の断面を
図解的に示す図。

【図２】 本発明の面光源用出光パネルの１例の断面を
図解的に示す図。

【図２】 本発明の面光源用出光パネルの１例の断面を
図解的に示す図。

【図４】 図２の平面図に相当。

【図５】 従来技術の面光源用出光パネルの断面を図解
的に示す図。

【符号の説明】

Ａ；光源 Ｂ；出光パネル １；導光面 ２；光案内部 ３；出光面 ４；光反射層 ５；ディスプレイ ６；光源光 ７；導光部 ８；光反射層 ９；調光フィルター １０；光拡散層 １１；レンチキュラーズ形状

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【手続補正書】

【提出日】平成９年８月２５日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の面光源用出光パネルの１例の断面を
図解的に示す図。

【図２】 本発明の面光源用出光パネルの１例の断面を
図解的に示す図。

【図３】 本発明の面光源用出光パネルの１例の断面を
図解的に示す図。

【図４】 図２の平面図に相当。

【図５】 従来技術の面光源用出光パネルの断面を図解
的に示す図。

【符号の説明】 Ａ；光源 Ｂ；出光パネル １；導光面 ２；光案内部 ３；出光面 ４；光反射層 ５；ディスプレイ ６；光源光 ７；導光部 ８；光反射層 ９；調光フィルター １０；光拡散層 １１；レンチキュラーズ形状

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光反射層と、この光反射層に対向して設
   けられた出光面と、導光面とを備えた面光源用パネルに
   おいて、前記出光面が多数の凸形状を有するとともに、
   該各凸形状には光拡散層が設けられていることを特徴と
   する面光源用出光パネル。
2. 【請求項２】 前記多数の凸形状が、レンチキュラーズ
   形状或いは蝿の眼形状の凸曲面形状である請求項１に記
   載の面光源用出光パネル。
3. 【請求項３】 前記拡散層が、粗面である請求項１に記
   載の面光源用出光パネル。
4. 【請求項４】 前記拡散層が、光拡散性材料を含む透明
   樹脂により形成されている請求項１に記載の面光源用出
   光パネル。