JPH10113151A - イカ利用均質食品 - Google Patents

イカ利用均質食品

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JPH10113151A
JPH10113151A JP8293348A JP29334896A JPH10113151A JP H10113151 A JPH10113151 A JP H10113151A JP 8293348 A JP8293348 A JP 8293348A JP 29334896 A JP29334896 A JP 29334896A JP H10113151 A JPH10113151 A JP H10113151A
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JP
Japan
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squid
product
cuttlefish
food
aged
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JP8293348A
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English (en)
Inventor
Tomonari Tomizawa
知成 富沢
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HACHINOHE INTELLIGENT PLAZA KK
HACHINOHE SUISAN KAKOUGIYOU KY
HACHINOHE SUISAN KAKOUGIYOU KYODO KUMIAI RENGOKAI
Original Assignee
HACHINOHE INTELLIGENT PLAZA KK
HACHINOHE SUISAN KAKOUGIYOU KY
HACHINOHE SUISAN KAKOUGIYOU KYODO KUMIAI RENGOKAI
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Publication date
Application filed by HACHINOHE INTELLIGENT PLAZA KK, HACHINOHE SUISAN KAKOUGIYOU KY, HACHINOHE SUISAN KAKOUGIYOU KYODO KUMIAI RENGOKAI filed Critical HACHINOHE INTELLIGENT PLAZA KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/90Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in food processing or handling, e.g. food conservation

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  • Fish Paste Products (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はイカの内臓部中に含まれるタンパク
質分解酵素を利用して、イカ肉質部のタンパク質に作用
させて分解し、呈味性を示すペプチド、アミノ酸などの
鎖の長さが短かいタンパク質に調製し、一方、イカ内臓
部中に多量に含まれる栄養分をそのまま利用し、更にイ
カ内臓部中に多量に含まれる油脂などは基地組織内にと
り込んだイカ利用均質食品を提案する。 【解決手段】 タンパク質分解酵素を含むイカの内臓部
を熟成してなる熟成物3と、イカ肉質部を食感で熟成物
との間で違和感が残らない程度に細かくした細状物4と
を具え、この細状物と熟成物とを混和して成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイカ利用均質食品に係
り、詳しくは、イカの内臓部、なかでも、その中に含ま
れるタンパク質分解酵素を利用して、イカ肉質部のタン
パク質に作用させて分解し、呈味性を示すペプチド、ア
ミノ酸などの鎖の長さが短かいタンパク質に調製する一
方、イカ内臓部中に多量に含まれる栄養分をそのまま保
全利用し、更にイカ内臓部中に多量に含まれる油脂など
は基地組織内にとり込んで、イカなどの魚介類固有なく
さ味などを除去するとともに、油脂類の酸化を防止し、
食感においても、イカ肉質部の混和による違和感がなく
ソフトな風味を与えるイカ利用均質食品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、イカは魚介類の中で最も美味
なものの一つであり、我が国の一般家庭における消費量
は、魚介類の中で最も多く、イカはきわめて重要な食材
になっている。
【0003】イカの利用の面からみると、缶詰としての
利用のほか、種々のイカ利用が示されている。しかし、
イカが主として胴部、耳部、足部、内臓部から成ってい
るのにも拘らず、これらのイカ利用のほとんどがイカ胴
部を利用するものであって、イカ塩辛でイカ内臓部中の
肝臓を利用するが、肝臓そのものを積極的に可食部とし
て利用されていない。
【0004】一方、イカの消費量の増大とともに、イカ
胴部などは利用されるが、これにともなって多量のイカ
内臓部が副生し、イカでは内臓部に油脂分が集中してイ
カ内臓部中の粗脂肪がきわめて高いこともあって、粗脂
肪の少ない肝臓がイカ塩辛に利用される例を除いてほと
んどが廃棄されている。
【0005】しかし、このように多量の脂肪やきわめて
腐敗し易い内臓部が多量に廃棄されると、海浜などの汚
染やそれに伴なう環境汚染などの問題が発生し、好まし
くない。
【0006】要するに、イカの内臓部は食用として利用
されていると云っても、イカ塩辛程度にとどまっている
(なお、イカしょう油としての利用もあるが、この利用
はほとんどない。)。
【0007】このため、イカ内臓部を食用として利用す
ることに着目し、種々の方法が提案され、これらの方法
を示すと、次の通りである。 (イ)、イカ内臓部をそのまま主要食材として利用する
ものでない。その例をあげると、イカ内臓部のうちで肝
臓を調味、発酵、加熱処理して即席塩辛ソ−ス(特開平
04−135461号公報参照)、イカ肝臓を沸騰水で
加熱したのちに濾過し、この濾過物を調味、加熱して製
造されるイカゴロ珍味(特開平07−147940号公
報参照)、である。 (ロ)、イカをまるごと使うことによって内臓部までも
利用するものである。この例をあげると、調味液に浸漬
した生イカとこの調味液とを密封包装したもの(特開昭
62−61560号公報参照)、である。 (ハ)、イカの内臓部にほかの魚種を組み合わせて構成
されるものである。この例をあげると、アルコ−ルに浸
漬したイカ肝臓に、塩蔵たらこ粒子を加えて調味して成
る食品(特開昭57−71378号公報参照)、海の生
物の殻または骨の微粉にイカ内臓より得た油を混合して
成る食品(特開昭58−9669号公報参照)、であ
る。 (ニ)、イカの内臓部と肉質部とを主要原料として用い
るものである。この例をあげると、イカの肝臓を焼いて
擂り潰し、これを調味液と混合して漬け込み液を調製
し、この漬け込み液に焼いて細断したイカ肉を漬け込ん
だ食品(特開昭52−66657号公報参照)、であ
る。
【0008】しかしながら、これら食品は、粗脂肪が比
較的に少ないイカの内臓部を利用したものであり、粗脂
肪の多い内臓部、例えば、10%以上、とくに、20〜
50%の内臓部をそのまま食材として利用したものでな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点の解
決を目的とし、具体的には、粗脂肪の多いイカの内臓部
であっても、利用でき、内臓部の粗脂肪に含まれる栄養
分(例えば、EPA、DHAなどのような二重結合を二
つ以上持つポリエン酸)も有効に利用でき、イカ肉質部
としてイカ胴部のほかに、耳部や足部などもイカ胴部と
同等に利用でき、その上、イカの呈味成分が有効に抽出
され、ソフトな食感を与えるイカ利用均質食品を提案す
る。
【0010】まず、本発明に係るイカ利用均質食品は、
所望に応じていずれの外観にも構成でき、しかも、香
味、食感も所望に応じて調製できる特長を持ち、更に、
幅広い調味でできるほか、他に食品素材として配合でき
る。
【0011】また、このイカ利用均質食品は、イカ肉質
部とイカ内臓部とが均質に混合させ、しかも、イカ内臓
部が予め熟成された熟成部として構成する一方、イカ肉
質部は細かい細状物として構成されているため、均質状
であって、イカ肉質部のタンパク質は分解されて呈味成
分を成すアミノ酸などが抽出でき、きわめて美味しい食
品が得られる。
【0012】すなわち、イカ内臓部には多量のタンパク
質分解酵素が含まれ、この分解酵素はイカ肉質部にそれ
をすり潰した細状物の状態で作用するため、分解酵素が
有効に作用でき、イカ肉質部は細状物に形成するため、
胴部以外に足部や耳部なども利用できる。
【0013】なお、細状物は擂り潰し、その細状物がイ
カ内臓部の熟成物と混和したときに食感で違和感がない
程度にまで細かくされていることが必要である。
【0014】また、内臓部に含まれる油脂は表面などに
露出するものはある程度取っておくのが好ましいが、内
臓部の中に相当の油脂が残っていても、その油脂は熟成
物の一つの成分として混和のときに乳化エマルジョン化
して、基地組織の中に均一にとり込まれて表面酸化する
ことがなく、なめらかな食感を与え、ペ−スト状食品と
してもソフト感を与え、更に、脂肪中に含まれる多量の
栄養分が確保できる。
【0015】近年、食品市場においては需用者の嗜好の
多様化、さらに自然食品や食品添加物不使用の食品への
嗜好が高まっている。これに加えて、最近は、栄養、お
いしさにつぐ食品の三次機能である生体調節機能が重要
視されるようになっている。とくに、水産資源では、血
液中コレステロ−ルの低減、血栓の形成抑制などに効果
が見出されているEPA(エイコサペンタエン酸)、記
憶改善作用や視力低下抑制作用の見出されているDHA
(ドコサヘキサエン酸)が注目され、これらを成分とし
て含有した特定保健用食品の許可件数も増えてきてい
る。
【0016】本発明であると、イカ内臓部中にEPAや
DHA等を豊富に含有する油脂分、なかでも、このEP
AやDHAなどの栄養分がそのまま利用できるため、き
わめて栄養価の高いイカ利用均質食品になる。
【0017】また、イカは、生身、塩蔵品、乾製品、調
味加工品、漬け物、薫製品、焙焼品等幅広い形態で多く
利用されているが、多くは胴体部の利用である。これに
対し、イカ胴部とともに副生される足部、耳部、内臓部
等は利用度はきわめて低く、廃棄処理コストもかかる。
それらの廃棄部分の有効利用、特に食用として付加価値
の高い利用が求められている。本発明は、このような要
望に応えることができるイカ利用均質食品である。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
イカ利用均質食品は、タンパク質分解酵素を含むイカの
内臓部を熟成してなる熟成物と、イカ肉質部を食感で熟
成物との間で違和感が残らない程度に細かくした細状物
とを具え、この細状物と熟成物とを混和して成ることを
特徴とする。
【0019】また、この細状物は熟成物に混和し、ペ−
スト状または流動性を示す状態に成型する。
【0020】また、細状物は熟成物に混和してから、所
望に応じて成型し、これを加熱する。
【0021】また、細状物は熟成物に混和し、更に、加
熱乾燥して粉末又は固形物に成型する。
【0022】そこで、これら手段たる構成ならびにその
作用について、図面によって詳しく説明すると、次の通
りである。
【0023】なお、図1は本発明に係るイカ利用均質食
品をチュ−ブを介して円柱状に成型した食品の一部を断
面で示す斜視図である。
【0024】図2は図1の矢視A−A線上の横断面図で
ある。
【0025】まず、図1ならびに図2において、符号1
は本発明に係るイカ利用均質食品の一例を示し、この食
品1はチュ−ブ2を介して円柱状に成型されている。
【0026】すなわち、チュ−ブ2は円筒状を成してい
る。チュ−ブ2は、ソ−セ−ジその他に使用されるもの
は可食性合成樹脂より成型されるもの、例えば、塩化ビ
ニリデンなどから構成されるが、動物などのタンパク質
より成型されたもの、腸詰めなどに使われる腸など、何
れの可食性のものから構成することができる。
【0027】イカ利用均質食品は食品素材の一つとして
も用いることができ、この場合には、このような円筒状
チュ−ブ2を介して成型される。なお、イカ利用均質食
品をソ−セ−ジなどを成型過程に使用される装置を用い
て適当量充填でき、ソ−セ−ジ風に成型するときには、
その後、加熱処理、例えば90℃で20分間沸騰するよ
うにして成型される。
【0028】図2に示すように、イカ利用均質食品1は
熟成物3と細状物4とから成っている。細状物4はイカ
肉質部を熟成物3と混和したときに食感で違和感が残ら
ない程度まで細かくしたものである。この細かくする手
段としては前記程度まで細かくできればいずれの手段も
用いることができるが、通常は、挽き出したり、すりつ
ぶしたりして細かくすることができる。
【0029】このようにイカ肉質部を細状化をはかる
と、熟成物3と細状物4とを混和したときに食感的に粒
などの違和感を与えることがなく、更に、均質に混和さ
れていることから、熟成物3中に産生されるタンパク質
分解酵素がもれなく個々の細状物4中のタンパク質に作
用し、呈味成分がとり出される。
【0030】イカ肉質部としては、従来例のようにイカ
胴部を用いることができるが、イカ胴部以外に足部や耳
部その他を用いることができる。
【0031】すなわち、イカ肉質部は、ほとんど食感で
粒などの違和感が残らない程度まですりつぶし、ほとん
ど原形を失なう。したがって、イカ肉質部としては、価
格的に高いイカ胴部を用いる必要がなく、むしろ、通常
食べられないものとして廃棄されているイカ足部、イカ
耳部などの廃棄部分を用いることができる。この廃棄部
分を有効に利用できるところは本発明の一つの特徴であ
る。
【0032】イカは、漁獲量に応じ、どのような種類の
イカも対象にできる。例えば、(イ)、コウイカ目に属
するトグロコウイカ科、コウイカ科、ミミイカダマシ
科、ダンゴイカ科、ヒメイカ科、(ロ)、ツツイカ目に
属するピックフォ−ドイカ科、ジンドウイカ科、リコト
ウチス科、ホタルイカモドキ科、マダマイカ科、ダイオ
ウホタルイカモドキ科、ヤツデイカ科、ツメイカ科、ワ
ルビストゥチス科、ウチワイカ科、テカギイカ科、ナン
キョクイカ科、ウロコイカ科、ヤワライカ科、ダイオウ
イカ科、ゴマフイカ科、ネオトゥチス科、ナツメイカ
科、ヒレギレイカ科、クビナガイカ科、コウモリイカ
科、アカイカ科、ソデイカ科、ユウレイイカ科、ムチイ
カ科、ダルマイカ科、トックリイカ科、オナガイカ科、
サメハダホウズキイカ科などに属するイカはことごとく
用いることができる。
【0033】次に、熟成物3は、イカの内臓部、なかで
も、肝臓を熟成して構成する。この熟成は通常、内臓部
に食塩を均等に添加し、低温で数日にわたり塩漬けなど
を行なうことによって行なう。
【0034】熟成には必ずしも食塩を添加して行なう必
要もない。しかし、内臓部の中には好ましくない塩溶性
のタンパク質が含まれ、これを除去しつつ行なうのが好
ましく、このようにして熟成を行なう。
【0035】以上の通りに調製された熟成物3は細状物
4と混和し、このようにして本発明に係るイカ利用均質
食品を調製する。
【0036】すなわち、イカ肉質部は、上述の通り、熟
成物3との混和したときに食感で違和感が残らない程度
まで細かくしているため、イカ肉質部はほとんど原形を
とどめない程度にすりつぶされている。この状態である
と、細状物4の中に含まれるタンパク質、ちなみに、ミ
オシン、アクチン、パラミオシンなどの筋原繊維構成タ
ンパク質が露出されている。この露出状態であると、熟
成物が混和されると、その中に含まれるタンパク質分解
酵素が筋原繊維構成タンパク質に作用し、分解が促進さ
れ、呈味成分が十分に引き出される。
【0037】更に詳しく説明すると、細状物4はミオシ
ンその他の筋原繊維構成タンパク質が露出する状態にな
っている。これに対し熟成物3の中に含まれるタンパク
質分解酵素が作用する。とくに、タンパク質分解酵素は
細状物のミオシンその他に会合する機会やそのひん度が
きわめて多く、タンパク質分解酵素によるミオシンその
他は効果的に分解される。
【0038】要するに、ミオシンなどは周知の通り、き
わめて分子量が大きく、鎖の長さもきわめて長い。ちな
みに、ミオシンの分子量は450,000、アクチンの
分子量は43,000、パラミオシンの分子量は20
0,000程度である。このように長いミオシンなどに
タンパク質分解酵素が会合する割合がきわめて高く接触
すると、ミオシンなどは細かく切断分解され、呈味性を
示す長さ、例えば分子量10,000以下のようなタン
パク質、なかでも、アミノ酸が生成し、これによってイ
カ特有の甘味や味などが効果的に引き出される。
【0039】以上の通り、イカ肉質部の細状物に熟成物
を混和して成るものであると、所望形状や形態に成型し
たのちに加熱しても、この加熱によりほとんどゲル形成
が進行せず、ソフトな食感が得られ、このところが本発
明の一つの特徴である。
【0040】すなわち、熟成物中のタンパク質分解酵素
による切断分解などがきわめて効果的に進むため、加熱
しても、かまぼこのようにゲルが形成されない。つま
り、細状物中ではミオシンなどの筋原繊維構成タンパク
質が露出され、そのまま加熱するかある時間すわらさせ
ると、所謂網目構造が構成され、これによって足といわ
れる弾力性が生成する。これに対し、本発明であると、
細状物の筋原繊維構成タンパク質が小さく切断され、そ
の繊維構造を失なっているため、ゲル化や足の形成が行
なわれることがない。
【0041】したがって、このように加熱されてもソフ
ト感を与えるイカ利用均質食品を食品としても、また、
食品素材の一つとすると、広い範囲の食品に適用でき
る。すなわち、ソ−ス、ホイップクリ−ム、洋風なテリ
−ヌ、ム−ス、魚肉豆腐、ペ−スト食品、スプレットな
どにも適用でき、当然ソ−セ−ジ、コロッケ、ハンバ−
グなどの食品素材なども十分に適用できる。
【0042】更に、従来から練り製品の代表例として知
られるハンペンやかまぼこ、ちくわなどの食品に食品素
材として適用しても、新規なソフト感が与えられ、新規
な食感を持つ食品が得られる。
【0043】また、内臓部を熟成して熟成部を調製する
処理において、内臓部の中に粗脂肪が多量に含まれてい
ることは周知である。その上、イカの種類によってはア
ンモニアまでも含まれ、イカの種類によっては、これら
含有物の関係から、廃棄物とされている。
【0044】しかし、本発明においては、このような粗
脂肪は除去するよりむしろ混和状態にすることによって
エマルジョン化し、このエマルジョンは基地中に均一に
溶け込ませ、エマルジョン化によってソフト感を与え、
更に、表面や外部に露出することをおさえて脂肪分の酸
化をおさえ、俗に云う油焼けを防止し、廃棄物として考
えられていたイカ内臓部中の脂肪分を有効成分として利
用できる。
【0045】すなわち、イカでは、脂肪分がイカ肉質部
に集積されることなく、ほとんどがイカ内臓部に集積
し、その量は水分が50%近くで脂肪が30〜35%程
度であり、そのほかにビタミンB群などの栄養分も含ま
れている。脂肪の中には不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸とが
含まれ、不飽和脂肪はEPAやDHAの例などを引き出
すこともなく、人体機能上に有効な作用を持っている。
これら脂肪やその他の栄養分を多量に含むイカ内臓部を
そのまま取り込むのは、機能性食品や健康食品の上から
みると、きわめて有効である。
【0046】一方、脂肪とともに多量の水分を含み、ど
うしても、多量の脂肪は分離され易く、分離されると、
それ自体が酸化し、食品としての日持ちが低下する。
【0047】この点について、本発明では、内臓部をそ
のまま熟成しても、脂肪そのものは細状物との混和によ
ってエマルジョン化され、このため、基地の中に取り込
まれ、分離して外部に露出することがないこともあっ
て、酸化することがなく、日持ちがきわめて向上する。
【0048】ちなみに、細状物との混和により、脂肪を
エマルジョン化することなくそのまま取り込んだ場合に
は、どうしても表面に脂肪分が露出し、わずか2、3日
程度で腐敗する。これに対し、脂肪を含まれる多量の水
分とともにエマルジョン化をはかったものは、常温で放
置しても一週間以上も十分に保持でき、冷凍や凍結保存
などを行なうと、保存期間は十分に延び、一ヵ月以上の
賞味期間すらを与えることができる。
【0049】なお、以上のべたところでは、本発明に係
るイカ利用均質食品について、細状物と熟成物とを混和
し、その後加熱するものを中心に示したが、食品素材の
一つとして提供するときには、必ずしも均質に混和した
のち、加熱する必要がない。また、形態としては、ペ−
スト状、液状などのようにある程度流動性を示す状態で
提供する代りに、加熱乾燥して粉末または固形物に成型
して提供することもできる。
【0050】また、熟成物の調製にあたって、イカ内臓
部のうちの一部、なかでも、イカ肝臓を抽出し、これを
熟成するのが好ましい。この理由は、イカ肝臓の中にタ
ンパク質分解酵素が多く含まれているからである。
【0051】また、熟成には、イカ肝臓などの内臓部を
塩漬けにより熟成させるのが好ましい。この理由は、塩
漬けにより熟成の間に不必要な塩溶性成分などが除去で
きるからである。
【0052】更に、熟成物と細状物との混和のときに、
所望に応じて、調味料、香辛料または添加物のうちの一
つまたは全部を添加し混和することもできる。
【0053】調味料としては、塩、さとう、しょう油、
ウスタ−ソ−ス、化学調味料、アルコ−ル飲料、または
油脂のうちの1つまたは2つ以上を選んで混和すること
ができる。
【0054】また、添加物としては、澱粉、小麦粉、殻
粉、乳製品、イカ以外の魚介類の肉、とり肉、獣肉、野
菜、果実または種子のうちの一つまたは二つ以上を選
び、混和することができる。
【0055】
【実施例】次に、本発明について実施例によってさらに
具体的に説明する。
【0056】実施例1 <熟成物の調製>解凍した冷凍イカの内臓部から肝臓を
取り出し水洗した。これを一旦冷凍貯蔵したのちに解凍
し、肝臓を塩漬け用の容器に移し、肝臓単位重量に対し
て10%重量の食塩を均等に添加し、肝臓と食塩を均等
に混合し、容器の上面が空気に触れないよう、ビニ−ル
等の覆いをかけ、2℃〜5℃の低温に1日おいた。この
結果、食塩が肝臓の内部にまで均等に浸透し、表面に浸
出した油脂分を水分とともに除去した。
【0057】その後、肝臓を15℃の常温で5日間おい
て熟成した熟成物Aと、5℃の低温で15日間熟成した
熟成物Bと、2℃の低温で25日間熟成した熟成物Cと
を調製した。これら熟成物A、BならびにCについて肝
臓の袋状の皮に相当する部分を除去し、その中のペ−ス
ト状の熟成物のみを採集した。
【0058】<細状物の調製>冷凍しておいたイカ胴
部、足部、耳部の肉質部を常温で半解凍の状態にし、は
じめに、これをチョッパを用いて所定の大きさに切断し
た。
【0059】次に、この切断片をサイレントカッタを用
いて、熟成物と混和したときに違和感が残らない程度の
粒度になるまで擂り潰した。
【0060】<熟成物と細状物の混和>細状物の重量に
対して0.5%の食塩を添加する一方、この細状物と熟
成物とをサイレントカッタによって2分程度撹拌し、こ
の状態で10分程度おいて、イカ利用均質食品を調製し
た。
【0061】この混和したのちには、凍結し、この状態
でイカ利用均質食品とした。3種の均質食品について解
凍し、50人につき官能テストを行なったところ、呈味
成分が十分に含まれていることがわかった。
【0062】更に、電気泳動によってたしかめたとこ
ろ、3種の均質食品について、アクチンに対応するバン
ド帯は相当消失し、一方、ミオシンの重鎖に対応するバ
ンド帯に至っては全く消失し、これにともなって分子量
45,000以下のものがある程度認められる。しか
し、ほとんどのものは10,000以下、とくに分子量
数百程度のアミノ酸などによって構成されることがわか
った。
【0063】実施例2 実施例1で得られた3種の均質食品を直径30mmの塩
化ビニリデンチュ−ブに充填し、これを90℃で20分
間煮沸する一方、120℃で5分間蒸気加熱して、加熱
条件をかえて加熱処理した。
【0064】このように得られた3種の均質食品につい
て、実施例1と同様に電気泳動にかけてしらべた。この
結果、3種の均質食品について共通するところは、加熱
時間に応じて、ポリペプチド、アミノ酸などの分子量は
更に低下した。つまり、分子量は10,000以下、と
くに5,000以下となって、加熱によって熟成物中の
タンパク分解酵素による分解反応が一層進行し、呈味性
が一層向上することがわかった。
【0065】また、加熱後のゲル形成について50人の
官能テストによってみても、ほとんど足が形成されてお
らず、十分なソフト感が保持されていた。
【0066】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、本発明に係る
イカ利用均質食品は、タンパク質分解酵素を含むイカの
内臓部を熟成してなる熟成物と、イカ肉質部を食感で熟
成物との間で違和感が残らない程度に細かくした細状物
とを含み、この細状物と熟成物とを混和して成るもので
あり、更に、所望に応じて、加熱して成るものである。
【0067】したがって、イカの内臓部、なかでも、そ
の中に含まれるタンパク質分解酵素を利用して、イカ肉
質部のタンパク質に作用させて分解し、呈味性を示す鎖
の長さのペプチドやアミノ酸に調製でき、イカ内臓部、
なかでも肝臓中に多量に含まれる栄養分をそのまま利用
でき、更にイカ内臓部中に多量に油脂などが含まれてい
ても、それを基地組織内にとり込むことができ、イカな
どの魚介類固有なくさ味などを除去できるとともに、油
脂の酸化を防止し、食感でも、イカ肉質部の混和による
違和感がなく、ソフトな風味を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイカ利用均質食品をチュ−ブを介
して円柱状に成型した食品の一部を断面で示す斜視図で
ある。
【図2】図1の矢視A−A線上の横断面図である。
【符号の説明】
1 イカ利用均質食品 2 チュ−ブ 3 熟成物 4 細状物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク質分解酵素を含むイカの内臓部
    を熟成してなる熟成物と、イカ肉質部を食感で前記熟成
    物との間で違和感が残らない程度に細かくした細状物と
    を具え、この細状物と前記熟成物とを混和して成ること
    を特徴とするイカ利用均質食品。
  2. 【請求項2】 前記細状物と前記熟成物とを混和し、ペ
    −スト状または流動性を示す状態に成型することを特徴
    とする請求項1記載のイカ利用均質食品。
  3. 【請求項3】 前記細状物と前記熟成物とを混和し、加
    熱して成ることを特徴とする請求項1記載のイカ利用均
    質食品。
  4. 【請求項4】 前記細状物と前記熟成物とを混和し、し
    かも、加熱乾燥して粉末または固形物に成型して成るこ
    とを特徴とする請求項1記載のイカ利用均質食品。
  5. 【請求項5】 前記細状物の前記イカ肉質部を胴部、足
    部または耳部のうちの少なくとも一種から成ることを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載のイカ利用均質
    食品。
  6. 【請求項6】 前記熟成物の前記内臓部がイカ肝臓から
    成ることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    イカ利用均質食品。
  7. 【請求項7】 前記熟成物を前記イカ肝臓を塩漬け熟成
    させて成ることを特徴とする請求項1、2、3、4また
    は6記載のイカ利用均質食品。
  8. 【請求項8】 調味料、香辛料または添加物のうちの一
    つまたは全部を添加し混和して成ることを特徴とする請
    求項1、2、3または4記載のイカ利用均質食品。
  9. 【請求項9】 前記調味料を、塩、さとう、しょう油、
    ウスタ−ソ−ス、化学調味料、アルコ−ル飲料、または
    油脂のうちの1つまたは2つ以上にすることを特徴とす
    る請求項8記載のイカ利用均質食品。
  10. 【請求項10】 前記添加物を、澱粉、小麦粉、殻粉、
    乳製品、イカ以外の魚介類の肉、とり肉、獣肉、野菜、
    果実または種子のうちの一つまたは二つ以上にすること
    を特徴とする請求項8記載のイカ利用均質食品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010246501A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Momoya Co Ltd イカ加工食品およびその製造方法
KR101408297B1 (ko) * 2013-03-21 2014-07-02 조재근 말리지 않는 오징어까스 제조방법 및 그 오징어까스
CN115777884A (zh) * 2022-12-26 2023-03-14 浙江旺林生物科技有限公司 一种墨鱼汁粉的加工方法

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