JPH10112354A

JPH10112354A - 電気自動車用充電コネクタ

Info

Publication number: JPH10112354A
Application number: JP9170702A
Authority: JP
Inventors: Kunihiko Watanabe; 邦彦渡辺; Heiji Kuki; 平次九鬼; Shiyuuji Arisaka; 秋司有坂
Original assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd; Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Wiring Systems Ltd; Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1996-08-09
Filing date: 1997-06-26
Publication date: 1998-04-28

Abstract

(57)【要約】【課題】電源側コネクタと車両側コネクタの分離作業
性を向上させる。【解決手段】車両側コネクタ１０と電源側コネクタ２
０の突き合わせ面に、複数の永久磁石１７Ａ，２７Ａを
Ｎ極とＳ極とが交互に円形に並ぶように配した磁石群１
７，２７を設けた。充電を行う際には、双方の磁石群１
７，２７の異極同士を対向させることによって生じる磁
気引力により車両側コネクタ１０と電源側コネクタ２０
が嵌合状態に保持される。充電後は、電源側コネクタ２
０の磁石群２７を１ピッチ回転させて両磁石群１７，２
７の同極同士を対向させると、それによって生じる磁気
斥力により両コネクタ１０，２０が容易に分離される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車への充
電を行うための電気自動車用充電コネクタに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】電気自動車への充電を行うための電気自
動車用充電コネクタとして、車体に搭載した蓄電装置に
接続されるとともに車体に固定して設けた車両側コネク
タと、充電用の電力を供給するための電源に接続された
電源側コネクタとを備えてなり、電源側コネクタを車両
側コネクタに嵌合した状態で充電を行い、充電後は電源
側コネクタを車両側コネクタから取り外す。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したような充電コ
ネクタでは、コネクタ同士の接続・離脱の操作を手動に
よって行う形式のものが一般的であるため、とりわけ充
電のための作業を円滑に行えるものであることが要求さ
れる。

【０００４】本願発明は上記事情に鑑みて創案されたも
のであって、電源側コネクタと車両側コネクタの嵌合・
分離の際の作業性の向上を図ることを目的とするもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、電気
自動車の蓄電装置を充電するために相手コネクタにコネ
クタ装着されるものであって、相手コネクタ側に配した
磁性体に対応させてコネクタ保持用磁石を設け、このコ
ネクタ保持用磁石と磁性体との間の磁力により相手コネ
クタとのコネクタ装着状態を保持させるようにしたとこ
ろに特徴を有する。

【０００６】請求項２の発明は、請求項１記載の電気自
動車充電用コネクタにおいて、磁力を切り替え可能な電
磁石でコネクタ保持用磁石を構成すると共に、そのコネ
クタ保持用磁石と磁性体とによるコネクタ装着状態の磁
力を徐々に解除して相手コネクタから離脱操作可能とし
たところに特徴を有する。

【０００７】請求項３の発明は、請求項２記載の電気自
動車充電用コネクタにおいて、コネクタ保持用磁石を複
数備えて相手コネクタとの突き合わせ面の所定位置に配
置すると共に、その突き合わせ面の一方に片寄った部位
のコネクタ保持用磁石から他方側のコネクタ保持用磁石
に向けて順に磁力を解除して相手コネクタから離脱操作
可能としたところに特徴を有する。

【０００８】請求項４の発明は、車体に搭載した蓄電装
置に接続されるとともに車体に固定して設けた車両側コ
ネクタと、充電用の電力を供給するための電源に接続さ
れた電源側コネクタとを備えてなり、充電時には電源側
コネクタと車両側コネクタとを突き合わせることによっ
て嵌合し、充電後は電源側コネクタと車両側コネクタと
をその突き合わせ面同士が離間する方向に分離させるよ
うにした電気自動車用充電コネクタであって、車両側コ
ネクタと電源側コネクタの双方の突き合わせ面に、複数
の磁石をＮ極とＳ極とが交互に円形に並ぶように配して
なる磁石群を設け、双方の磁石群の異極同士を対向させ
ることにより生じる磁気引力により車両側コネクタと電
源側コネクタを嵌合状態に保持し、双方の磁石群の同極
同士を対向させることにより生じる磁気斥力により車両
側コネクタと電源側コネクタを分離させるようにしたと
ころに特徴を有する。

【０００９】請求項５の発明は、請求項４記載の電気自
動車用充電コネクタにおいて、車両側コネクタと電源側
コネクタにはその突き合わせ面に沿った方向への遊動を
規制する位置決め手段を設け、車両側コネクタと電源側
コネクタのうちの一方の磁石群を固定して設けるととも
に他方の磁石群を突き合わせ面上における回転を可能に
設けたところに特徴を有する。

【００１０】請求項６の発明は、請求項５記載の電気自
動車用充電コネクタにおいて、突き合わせ面上における
回転を可能とされている磁石群を、相手側の磁石群に対
して同極同士が対向する位置へ回転させる嵌合解除手段
が設けられているところに特徴を有する。

【００１１】

【発明の作用及び効果】請求項１の構成によれば、コネ
クタ保持用磁石と磁性体との磁力によって、コネクタ装
着状態が保持されるから、本コネクタが相手コネクタか
ら不用意に離脱されることを防止できる。これにより、
蓄電装置を充電するための作業を円滑に行える。

【００１２】請求項２の構成によれば、本コネクタを離
脱操作する際に、相手コネクタとの装着状態の保持用の
磁力が徐々に解除されるから、両コネクタが急にはずれ
て作業者側の負荷が急激に増すようなことがない。

【００１３】請求項３の構成によれば、本コネクタを離
脱操作すると、複数のコネクタ保持用磁石が順に磁力を
解除されて、相手コネクタとの突き合わせ面のうち一方
端から他方端に向かってあたかも剥がされるようにして
離脱される。これにより、突き合わせ面の全体が一度に
離脱されて作業者側の負荷が急激に増すようなことがな
くなる。

【００１４】請求項４の発明においては、充電を行う際
には磁気引力を生じさせることにより車両側コネクタと
電源側コネクタが嵌合状態に保持され、充電が済んだ後
は磁気斥力を生じさせることにより両コネクタが容易に
分離される。両コネクタの嵌合時には磁気引力によって
容易に嵌合状態とすることができ、またコネクタの分離
に際しては磁石の斥力を用いるようにしたから、両コネ
クタの嵌合・分離の際の作業性の向上を図ることができ
る。

【００１５】請求項５の発明においては、電源側コネク
タを車両側コネクタに嵌合して位置決め手段により所定
の位置に保持すると、電源側コネクタの磁石群が車両側
コネクタの磁石群との間の磁気引力により双方の異極同
士が対向する位置へ回転する。

【００１６】請求項６の発明においては、電源側コネク
タを車両側コネクタから分離する際には、嵌合解除手段
により電源側コネクタの磁石群を所定角度回転させて両
磁石群の同極同士を対向させると、その磁気斥力により
電源側コネクタが車両側コネクタから分離される。

【００１７】

【発明の実施の形態】

＜実施形態１＞以下、本発明を具体化した実施形態１を
図１及び図２を参照して説明する。本実施形態の電気自
動車用充電コネクタは、電気自動車の車体Ｂに固定して
設けられ、電気自動車に搭載された蓄電装置（図示せ
ず）に接続された車両側コネクタ１０と、電気自動車と
は別に設けた充電用電源（図示せず）に接続された電源
側コネクタ２０とを備えて構成される。

【００１８】電気自動車の車体Ｂにはその側面を凹ませ
ることによって接続用凹部が設けられ、この接続用凹部
は車両側コネクタ１０のコネクタハウジング１１となっ
ている。コネクタハウジング１１内には基板１２が固定
され、基板１２には円盤状をなすコア１３が固定されて
いる。コア１３における電源側コネクタ２０との突き合
わせ面側には同心円環形のコイル収容部１４が形成さ
れ、このコイル収容部１４に二次コイル１５が巻回され
た状態で収容されている。

【００１９】基板１２の周縁部には、コア１３を囲むよ
うに同心円環形の取付板１６が固定されており、この取
付板１６には、複数の（本実施形態では１６個の）永久
磁石１７Ａからなる永久磁石群１７が設けられている。
この永久磁石群１７は、図２に示すように、１６個の永
久磁石１７Ａを突き合わせ面上においてＮ極とＳ極とが
交互に円形に並ぶように等角度ピッチで配置して構成さ
れている。これらの永久磁石１７Ａの外周面には突起１
８が形成されており、取付板１６の外周縁に取り付けた
円環形の押さえ部材１９で突起１８を基板１２側へ押さ
え付けることにより、永久磁石群１７が基板１２に固定
されている。

【００２０】一方の電源側コネクタ２０は、車両側コネ
クタ１０との突き合わせ面側に開口するコネクタハウジ
ング２１を備えており、このコネクタハウジング２１内
に固定した基板２２には円盤状のコア２３が固定され、
コア２３における車両側コネクタ１０との突き合わせ面
側には同心円環形のコイル収容部２４が形成され、この
コイル収容部２４に一次コイル２５が巻回された状態で
収容されている。

【００２１】基板２２の周縁部にはコア２３を囲むよう
に同心円環形の取付板２６が固定され、この取付板２６
には永久磁石群２７が設けられている。永久磁石群２７
は、車両側コネクタ１０と同じく１６個の永久磁石２７
Ａを突き合わせ面上においてＮ極とＳ極とが交互に円形
に並ぶように等角度ピッチで配置して構成されている。
この永久磁石群２７の配置円の径は、車両側コネクタ１
０の永久磁石群１７の配置円と同じ寸法となっている。
永久磁石群２７は、その外周面に形成した突起２８が円
環形の押さえ部材２９で押さえ付けられることによって
基板２２に固定されている。

【００２２】かかる電源側コネクタ２０を上記車両側コ
ネクタ１０に対してその突き合わせ面同士が接近するよ
うに嵌合すると、双方のコネクタ１０，２０のコア１
３，２３同士が対応するとともに一次コイル２５と二次
コイル１５が対応する状態となり、この状態でトリガ２
０Ｔを操作すると、充電用電源から電源側コネクタ２０
へ電流が流れて一次コイル２５が励磁され、双方のコイ
ル１５，２５を通る磁気回路が形成され、二次コイル１
５に電磁誘導電流が発生して蓄電装置に充電されるよう
になっている。

【００２３】充電中、車両側コネクタ１０と電源側コネ
クタ２０は双方の永久磁石群１７，２７の異極同士の間
に生じる磁気引力によって嵌合状態に保持される。即
ち、電源側コネクタ２０を車両側コネクタ１０に近づけ
ると、磁気引力により突き合わせ面同士が引き寄せられ
るとともに、双方の永久磁石群１７，２７のＮ極とＳ極
とが対向するように車両側コネクタ１０に対する電源側
コネクタ２０の位置と姿勢が矯正される。そして、双方
の永久磁石群１７，２７同士が密着したところで嵌合動
作が完了し、電源側コネクタ２０が車両側コネクタ１０
に対して遊動を規制された状態で確実に嵌合状態に保持
される。

【００２４】尚、永久磁石群１７，２７のＮ極とＳ極は
等角度ピッチで８個ずつ配置されているため、電源側コ
ネクタ２０の車両側コネクタ１０に対する嵌合可能な姿
勢（周方向における位置）は８通りある。しかし、電磁
誘導作用を利用している本実施形態のコネクタでは周方
向の姿勢に制約がないため、電源側コネクタ２０がどの
ような姿勢で嵌合されていても充電を行うことができ
る。

【００２５】また、充電後に電源側コネクタ２０を車両
側コネクタ１０から取り外す際には、双方の永久磁石群
１７，２７の同極同士の間に生じる磁気斥力を利用す
る。即ち、電源側コネクタ２０のグリップ２０Ｇを握っ
た状態で永久磁石群１７，２７と同心状に周方向へ僅か
に回すと、双方の永久磁石群１７，２７のＮ極同士とＳ
極同士が対向して磁気斥力が生じるため、電源側コネク
タ２０が車両側コネクタ１０から押し返される力を受
け、これによって容易に取外しが行われる。

【００２６】上述のように本実施形態によれば、車両側
コネクタ１０と電源側コネクタ２０の嵌合に際しては、
永久磁石１７Ａ，２７Ａの間に生じる磁気引力によって
突き合わせ面同士を自動的に引き寄せて両コネクタ１
０，２０を嵌合状態とするため、嵌合作業を容易に行う
ことができる。また、分離に際しては永久磁石１７Ａ，
２７Ａの間に生じる磁気斥力を利用しているから、両コ
ネクタ１０，２０の分離作業性の向上も同時に図ること
ができる。

【００２７】＜実施形態２＞次に、本発明を具体化した
実施形態２を図３乃至図６を参照して説明する。本実施
形態２は、上記実施形態１において車両側コネクタの一
部の構成を異ならせるとともに電源側コネクタの構成を
異ならせたものである。同じ構成については、同一符号
を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。本実施
形態２の車両側コネクタ１０には、その突き合わせ面上
において押さえ部材１９から突出する８本の位置決めピ
ン（本発明の構成要件である位置決め手段）１９Ａが設
けられている。この位置決めピン１９Ａは永久磁石群１
７と同心の円に沿って等角度ピッチで配置されている。
尚、車両側コネクタ１０のその他の構成は上記実施形態
１の車両側コネクタ１０と同じであるため、説明は省略
する。

【００２８】一方、電源側コネクタ３０は、車両側コネ
クタ１０との突き合わせ面側に開口するコネクタハウジ
ング３１を備えており、このコネクタハウジング３１の
隔壁３１Ａに固定した基板３２には円盤状のコア３３が
固定され、コア３３における車両側コネクタ１０との突
き合わせ面側には同心円環形のコイル収容部３４が形成
され、このコイル収容部３４に一次コイル３５が巻回さ
れた状態で収容されている。

【００２９】隔壁３１Ａの周縁部にはコア３３を囲むよ
うに同心円環形の取付板３６が設けられている。この取
付板３６はボールベアリング３６Ａを備えていて、隔壁
３１Ａとこの隔壁３１Ａに固定した押さえ部材３９との
間に挟まれた状態で取り付けられ、ボールベアリング３
６Ａを隔壁３１Ａと押さえ部材３９に同心円状に形成し
た円弧形断面のガイドレール３１Ｂ，３９Ａに嵌合させ
ることによりコネクタハウジング３１と同心に回転する
ようになっている。取付板３６には、車両側コネクタ１
０と同じく１６個の永久磁石３７ＡをＮ極とＳ極とが交
互に円形に並ぶように等角度ピッチで配置して構成され
た永久磁石群３７が固定されている。即ち、この電源側
コネクタ３０の永久磁石群３７はコネクタハウジング３
１に対して回転自由となっている。また、押さえ部材３
９の突き合わせ面には、車両側コネクタ１０の位置決め
ピン１９Ａと整合可能な８つの位置決め孔（本発明の構
成要件である位置決め手段）３９Ｂが等角度ピッチで形
成されている。

【００３０】また、電源側コネクタ３０には車両側コネ
クタ１０からの取外しを容易に行わせるための嵌合解除
手段４０が設けられている。この嵌合解除手段４０は、
コネクタハウジング３１に形成したＬ字形のガイド溝４
１と、このガイド溝４１に嵌装したスライダ４２と、ス
ライダ４２に設けた係止ピン４３と、取付板３６に形成
した係止孔４４とから構成される。

【００３１】ガイド溝４１は、互いに直交するロック部
４１Ａと操作部４１Ｂとを有し、スライダ４２がロック
部４１Ａに位置する状態では、図５に示すように、係止
ピン４３が係止孔４４から外れて取付板３６と非干渉の
位置に退避している。スライダ４２が操作位置４１Ｂへ
前進すると係止ピン４３が係止孔４４に嵌入され、この
状態からスライダ４２を図６の上方へ移動させると、取
付板３６と一体に電源側コネクタ３０の永久磁石群３７
が１ピッチ（１個の永久磁石分）だけずれるようになっ
ている。また、係止孔４４は、１６個の永久磁石３７Ａ
のうちの１個おきの８個の永久磁石３７Ａに対応し、等
角度間隔に配置されている。これにより、双方の永久磁
石群１７，３７が異極同士を対応させているときに必ず
係止ピン４３がいずれかの係止孔４４と対向するように
なる。

【００３２】次に、本実施形態の作用について説明す
る。電源側コネクタ３０を車両側コネクタ１０に嵌合す
る際には、予めスライダ４２をロック部４１Ａに位置さ
せておき、この状態で電源側コネクタ３０を車両側コネ
クタ１０に接近させ、位置決めピン１９Ａと位置決め孔
３９Ｂを嵌合させる。これにより、双方のコネクタハウ
ジング１１，３１同士が位置決めされて突き合わせ面上
における相対遊動が規制される。位置決めピン１９Ａと
位置決め孔３９Ｂが嵌合されるのに伴い、電源側コネク
タ３０の永久磁石群３７がそのＮ極とＳ極を車両側コネ
クタ１０の永久磁石群１７のＳ極とＮ極とに対向させる
位置まで回転する。このとき、係止ピン１９Ａは係止孔
３９Ｂから外れているので、係止ピン１９Ａによって永
久磁石群３７の回転に支障を来すことはない。電源側コ
ネクタ３０を車両側コネクタ１０に嵌合すると、双方の
永久磁石群１７，３７の間に生じる磁気引力により両コ
ネクタ１０，３０が嵌合状態に保持される。

【００３３】尚、電源側コネクタ３０を嵌合する際に
は、位置決めピン１９Ａと位置決め孔３９Ｂが等角度ピ
ッチで配置されていることから、電源側コネクタ３０の
車両側コネクタ１０に対する位置決め姿勢は８通りある
が、どのような配置にしても、電源側コネクタ３０の永
久磁石群３７は回転自由であるから、双方の永久磁石群
１７，３７は異極同士を対応させる状態となり、この状
態で生じる磁気吸引力によって両コネクタ１０，３０を
容易に嵌合させることができる。

【００３４】電源側コネクタ３０を車両側コネクタ１０
から取り外す際には、スライダ４２をロック部４１Ａか
ら操作部４１Ｂへ移動させて係止ピン４３を係止孔４４
に嵌合させた後、スライダ４２を操作部４１Ｂ内におい
て図５の上方向へ移動させる。すると、電源側コネクタ
３０の永久磁石群３７がスライダ４２と一体に同図の上
方へ１ピッチ移動するため、図６に示すように、電源側
コネクタ３０の永久磁石３７Ａと車両側コネクタ１０の
永久磁石１７Ａがその同極同士を対応させる状態とな
る。これにより、双方の永久磁石群１７，３７の間に磁
気斥力が生じ、電源側コネクタ３０が車両側コネクタ１
０から押し返される力を受けることになり、取外しが容
易に行われる。

【００３５】＜実施形態３＞次に、本発明を具体化した
実施形態３を図７及び図８を参照して説明する。本実施
形態３は、上記実施形態２において嵌合解除手段の構成
を異ならせたものである。その他の構成については上記
実施形態２と同じであるため、同じ構成については、同
一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本実施形態３の嵌合解除手段５０は、コネクタハウジン
グに形成した直線状のガイド溝５１と、このガイド溝５
１に嵌装したスライダ５２と、スライダ５２に設けた駆
動カム５３と、取付板３６に形成した従動カム５４とか
ら構成される。従動カム５４は、１６個の永久磁石３７
Ａのうちの１個おきの８個の永久磁石３７Ａに対応し、
等角度間隔に配置されている。これにより、双方の永久
磁石群１７，３７が異極同士を対応させているときに必
ず駆動カム５３がいずれかの従動カム５４と対向するよ
うになる。駆動カム５３と従動カム５４は、夫々、電源
側コネクタ３０の永久磁石群３７の回転方向に対して傾
斜したカム面５３Ａ，５４Ａを有している。

【００３６】電源側コネクタ３０を車両側コネクタ１０
に嵌合するときには、図７に示すようにスライダ５２が
後退して駆動カム５３の先端が従動カム５４と非干渉の
位置に退避しているため、永久磁石群３７の回転に支障
をきたすことがない。

【００３７】電源側コネクタ３０を取り外すときには、
スライダ５２をガイド溝５１に沿って前方へ押し操作す
る。すると、駆動カム５３のカム面５３Ａが従動カム５
４のカム面５４Ａに係合し、双方のカム面５３Ａ，５４
Ａの傾斜により取付板３６が押され、図８に示すよう
に、永久磁石群３７が１ピッチだけずれて双方の永久磁
石群１７，３７の同極同士が対応し、両者の間に生じる
磁気斥力により、電源側コネクタ３０の取外しが容易に
行われる。

【００３８】＜実施形態４＞次に、本発明を具体化した
実施形態４を図９及び図１０を参照して説明する。本実
施形態４は、上記実施形態２において嵌合解除手段の構
成を異ならせたものである。その他の構成については上
記実施形態２と同じであるため、同じ構成については、
同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略す
る。本実施形態４の嵌合解除手段６０は、コネクタハウ
ジング３１に支持軸６１により揺動操作可能に設けたト
リガ６２と、このトリガ６２と一体回転可能であって支
持軸６１と反対側に延出した駆動リンク６３と、この駆
動リンク６３と永久磁石群３７との間に配置されて支持
軸６４により回転自由に支持したＬ字形の従動リンク６
５と、駆動リンク６３の先端と従動リンク６５の一端と
を連結する連結リンク６６と、従動リンク６５の他端に
形成した係止爪６７と、取付板３６に形成した係止凹部
６８とから構成されている。

【００３９】電源側コネクタ３０を嵌合するときには、
図９に示すようにトリガ６２が操作前位置にあるととも
にの従動リンク６５の係止爪６７が係止凹部６８から外
れて取付板３６と非干渉の状態となっており、永久磁石
群３７の回転が支障なく行われる。

【００４０】電源側コネクタ３０を取り外す際には、ト
リガ６２を引き操作する。すると、駆動リンク６３が図
９の反時計回り方向へ回転し、連結リンク６６が図の左
方向へ押されて従動リンク６５が時計回り方向へ回転す
る。この従動リンク６５の回転に伴い、係止爪６７が係
止凹部６８に嵌合してこれを図の上方へ押動し、永久磁
石群３７が１ピッチだけずれて、双方の永久磁石群１
７，３７の同極同士が対応し、両者の間に生じる磁気斥
力により、電源側コネクタ３０の取外しが容易に行われ
る。

【００４１】＜実施形態５＞本実施形態５は図１１乃至
図１４に示されており、前記実施形態１とは両コネクタ
ハウジングとその両者を装着状態に保持するための磁石
の構造が異なる。

【００４２】本実施形態における電源側コネクタ３０の
コネクタハウジング７０は、図１１に示すように矩形状
となっており、その中心には前記実施形態１と同一のコ
ア２３が配置されると共に、周縁部には複数のコネクタ
保持用磁石７１が配されている。このコネクタ保持用電
磁石７１は電磁石であって、例えば、図１３に示すよう
に、丸棒を角Ｃ字型に屈曲させた形状をなすフェライト
製の磁芯７２の中間部分にコイル７３を巻回した構成と
なっており、その磁芯７２の両端面７４，７４をコア２
３と面一（図１２参照）となるようにしてコネクタハウ
ジング７０に取り付けられている。そして、グリップ２
０Ｇの背部に備えたスライドスイッチ７５（図１２参
照）で励磁状態と非励磁状態とに切り替え操作される。

【００４３】この複数のコネクタ保持用磁石７１の配置
は、図１１に示すように、矩形のコネクタハウジング７
０のうち左右の両辺に沿って３つずつ、上下の両辺の中
央に１つずつの配置となっていいる。そして、これらが
励磁状態から非励磁状態へと切り替わる際には３つのグ
ループに分かれて順に励磁が解除されるようになってい
る。具体的に、その第１グループ（図１１の符号Ｇ１参
照）は、コネクタハウジング７０の上部の両端のものと
下部の中央のものからなり、第２グループ（同図の符号
Ｇ２参照）は下部の両端のものと上部の中央のものから
なり、さらに、第３グループ（同図の符号Ｇ３参照）
は、両側部の中央のものからなっている。そして、スラ
イドスイッチ７５をオフ操作すると、電源に備えたタイ
マーにより、図１４（Ｂ）に示したタイミングチャート
に従って第１、第２、第３グループの順に所定の時間を
おいて各電磁石のコイル７３への印加電圧が切られて励
磁が解除される。

【００４４】一方、車両側コネクタ１０は、前記コネク
タハウジング７０に対応した矩形のコネクタハウジング
７９の内部に矩形の基部７６を備えている（図１２参
照）。この基部７６の中央には第１実施形態と同一のコ
ア１３が取り付けられ、基部７６のうち前記コネクタ保
持用磁石７１との対向部には複数の金属板７７（本発明
の磁性体に相当する）が取り付けられている。そして、
電源側コネクタ３０と車両側コネクタ１０とを接合する
と、金属板７７がコネクタ保持用磁石７１の両端部を架
橋するよう接合される（図１３参照）。尚、その他の構
成については、前記実施形態１と同一なので重複説明は
省略する。

【００４５】本実施形態の作用・効果は、以下のようで
ある。充電作業を行うには、電源側コネクタ３０を車両
側コネクタ１０に突き合わせてスライドスイッチ７５を
オン操作する。すると、全部のコネクタ保持用磁石７１
が励磁状態となって金属板７７を引きつけるから、ここ
で作業者がグリップ２０Ｇを握る力をゆるめても、コネ
クタ装着状態が保持されたままとなる。これにより、充
電作業中に電源側コネクタ３０が車両側コネクタ１０か
ら不用意に離脱されることを防止できる。

【００４６】充電作業を終えて電源側コネクタ３０を離
脱させるには、スライドスイッチ７５をオフ操作する。
すると、複数のコネクタ保持用磁石７１が図１４（Ｂ）
に示すように第１、第２、第３グループの順で順に磁力
が解除され、それに伴って両コネクタ１０，３０間の引
力が同図（Ａ）に示すように徐々に弱まる。これに伴っ
てグリップ２０Ｇを握る作業者側においてコネクタ１０
の自重の負荷が徐々に増え、離脱の準備をすることがで
きるから、離脱操作をスムーズに行える。

【００４７】＜実施形態６＞本実施形態は、前記実施形
態５とはコネクタ保持用磁石７１の励磁解除の構成が相
違しており、この相違点のみ説明すると以下のようであ
る。本実施形態のコネクタ保持用磁石７１は、図１５に
示した３つのグループごとに励磁が解除される。具体的
に、その第１グループ（図１５の符号Ｇ１参照）は、コ
ネクタハウジング７０の下部の３つのものからなり、第
２グループ（同図の符号Ｇ２参照）は両側部の２つのも
のからなり、さらに、第３グループ（同図の符号Ｇ３参
照）は、上部の３つのものからなっている。そして、ス
ライドスイッチ７５をオフ操作すると、電源に備えたタ
イマーにより、第１、第２、第３グループの順に所定の
時間をおいて各電磁石のコイル７３への印加電圧が切ら
れて励磁が解除される。これにより、電源側コネクタ３
０と車両側コネクタ１０とが、両者の突き合わせ面のう
ち下部側から上部側に向かって順に離脱可能となるか
ら、作業者はあたかも電源側コネクタ３０を車両側コネ
クタ１０から徐々に剥がすようにして離脱操作でき、作
業者側の負荷が急激に増すことがないので、作業をスム
ーズに行える。

【００４８】尚、コネクタ装着時において、第３、第
２、第１グループの順にコネクタ保持用磁石７１を励磁
していき、徐々に両コネクタを接合させる構成とするこ
ともできる。

【００４９】＜他の実施形態＞本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。

【００５０】（１）上記実施形態では磁石群がコイルを
囲むように配されている場合について説明したが、本発
明によれば、磁石群をコイルとは別の位置に配すること
もできる。

【００５１】（２）上記実施形態２〜４では電源側コネ
クタにおいて嵌合解除操作を行うようにしたが、本発明
によれば、車両側コネクタ側の磁石群を回転自由とする
とともに嵌合解除手段を設け、車両側コネクタ側で嵌合
解除操作を行う構成としていもよい。

【００５２】（３）上記実施形態ではコネクタが電磁誘
導を利用したインダクティブタイプのものである場合に
ついて説明したが、本発明は、電源側の回路の端子と車
体側の回路の端子が直接接触するコンダクティブタイプ
のコネクタにも適用することができる。

【００５３】（４）上記実施形態では永久磁石を用いた
が、電磁石を用いてもよい。

【００５４】（５）上記実施形態では永久磁石の数を１
６個としたが、本発明によれば磁石の数は任意に設定す
ることができる。

【００５５】（６）上記実施形態２においてスライダを
図５の上方へ付勢するバネ部材を設けるようにしてもよ
い。このようにすると、電源側コネクタの永久磁石を磁
気引力に抗して１ピッチずらすときの操作力が軽減され
る。また、同じく実施形態２においてスライダをロック
部の奥側（図５の右側）へ付勢するバネ部材を設けても
よい。このようにすると、嵌合操作の際にスライダがロ
ック部に保持されるため、電源側コネクタの永久磁石群
が回転移動するときに係止ピンが干渉する虞がなくな
る。勿論、スライダを図５の上方へ付勢するバネ部材と
ロック部の奥側（図５の右側）へ付勢するバネ部材の両
方を設ける構成としてもよい。

【００５６】（７）上記実施形態４においてはトリガの
操作によって永久磁石群が１ピッチずれるようになって
いるが、トリガに替えて手動操作用のスライダや電磁石
のプランジャを軸方向（永久磁石群の回転方向に対して
直交する方向）に移動させることにより従動リンクを回
転させるようにしてもよい。

【００５７】（８）上記実施形態２においては位置決め
ピン１９Ａを固定して設けたが、この位置決めピンは、
コネクタの突き合わせ面から突出する位置と突き合わせ
面から突出しない位置との間での移動を可能とし、且つ
突出する方向に付勢した状態で設けるようにしてもよ
い。このようにすると、両コネクタの磁石群同士が接近
した状態で位置合わせすることができるので、磁気引力
が強く作用して双方のコネクタが同心状態に保持されや
すくなるため、両コネクタの位置決め作業が容易とな
る。

【００５８】（９）上記実施形態では磁石の磁気引力だ
けで両コネクタを嵌合状態に保持するようになっている
が、この他に両コネクタを嵌合状態にロックするための
ロック機構を設けるようにしてもよい。このロック機構
としては、例えば磁石群同士が相対回転して磁気引力を
生じる位置関係となる動作に伴い、一方のコネクタの爪
片が他方のコネクタの凹部に係止されるような構成があ
る。

【００５９】このようなロック機構を設ければ、両コネ
クタの嵌合力は、磁気引力に加えてロック機構の係止力
が付加されることになって、コネクタの嵌合状態に対す
る信頼性を一層向上させることができる。

【００６０】（１０）前記実施形態５では、複数の電
磁石の印加電圧を切るタイミングをずらすことで両コネ
クタの保持力を徐々に解除する構成としたが、全部の電
磁石の印加電圧を同じタイミングで徐々に下げることで
磁力を小さくしていき、両コネクタ間の保持力を徐々に
解除する構成としてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態１においてコネクタを分離し
た状態をあらわす断面図

【図２】実施形態１におけるコネクタの正面図

【図３】実施形態２のおいてコネクタを分離した状態を
あらわす断面図

【図４】実施形態２における電源側コネクタの正面図

【図５】実施形態２において磁石群間に磁気引力が生じ
ている状態をあらわす概略図

【図６】実施形態２において磁石群間に磁気斥力が生じ
ている状態をあらわす概略図

【図７】実施形態３において磁石群間に磁気引力が生じ
ている状態をあらわす概略図

【図８】実施形態３において磁石群間に磁気斥力が生じ
ている状態をあらわす概略図

【図９】実施形態４において磁石群間に磁気引力が生じ
ている状態をあらわす概略図

【図１０】実施形態４において磁石群間に磁気斥力が生
じている状態をあらわす概略図

【図１１】本発明の実施形態５における電源側コネクタ
の正面図

【図１２】電源側コネクタと車両側コネクタの離脱状態
の断面図

【図１３】コネクタ保持用磁石の斜視図

【図１４】励磁状態の変化を示すタイミングチャート

【図１５】本発明の実施形態６における電源側コネクタ
の正面図

【符号の説明】

Ｂ…車体１０…車両側コネクタ１７…（車両側コネクタの）永久磁石群１７Ａ…（車両側コネクタの）永久磁石１９Ａ…位置決めピン（位置決め手段）２０…電源側コネクタ２７…（電源側コネクタの）永久磁石群２７Ａ…（電源側コネクタの）永久磁石３０…電源側コネクタ３７…永久磁石群３７Ａ…永久磁石３９Ｂ…位置決め孔（位置決め手段）４０，５０，６０…嵌合解除手段７１…コネクタ保持用磁石７７…金属板（磁性体）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者有坂秋司大阪府大阪市此花区島屋１丁目１番３号住友電気工業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電気自動車の蓄電装置を充電するために
相手コネクタにコネクタ装着されるものであって、前記
相手コネクタ側に配した磁性体に対応させてコネクタ保
持用磁石を設け、このコネクタ保持用磁石と前記磁性体
との間の磁力により前記相手コネクタとのコネクタ装着
状態を保持させるようにしたことを特徴とする電気自動
車充電用コネクタ。
【請求項２】磁力を切り替え可能な電磁石で前記コネ
クタ保持用磁石を構成すると共に、そのコネクタ保持用
磁石と前記磁性体とによるコネクタ装着状態の磁力を徐
々に解除して前記相手コネクタから離脱操作可能とした
ことを特徴とする請求項１記載の電気自動車充電用コネ
クタ。
【請求項３】前記コネクタ保持用磁石を複数備えて前
記相手コネクタとの突き合わせ面の所定位置に配置する
と共に、その突き合わせ面の一方に片寄った部位のコネ
クタ保持用磁石から他方側のコネクタ保持用磁石に向け
て順に磁力を解除して前記相手コネクタから離脱操作可
能としたことを特徴とする請求項２記載の電気自動車充
電用コネクタ。
【請求項４】車体に搭載した蓄電装置に接続されると
ともに前記車体に固定して設けた車両側コネクタと、充
電用の電力を供給するための電源に接続された電源側コ
ネクタとを備えてなり、充電時には前記電源側コネクタ
と前記車両側コネクタとを突き合わせることによって嵌
合し、充電後は前記電源側コネクタと前記車両側コネク
タとをその突き合わせ面同士が離間する方向に分離させ
るようにした電気自動車用充電コネクタであって、前記車両側コネクタと前記電源側コネクタの双方の突き
合わせ面に、複数の磁石をＮ極とＳ極とが交互に円形に
並ぶように配してなる磁石群を設け、双方の磁石群の異
極同士を対向させることにより生じる磁気引力により前
記車両側コネクタと前記電源側コネクタを嵌合状態に保
持し、前記双方の磁石群の同極同士を対向させることに
より生じる磁気斥力により前記車両側コネクタと前記電
源側コネクタを分離させるようにしたことを特徴とする
電気自動車用充電コネクタ。
【請求項５】車両側コネクタと電源側コネクタにはそ
の突き合わせ面に沿った方向への遊動を規制する位置決
め手段を設け、前記車両側コネクタと前記電源側コネク
タのうちの一方の磁石群を固定して設けるとともに他方
の磁石群を突き合わせ面上における回転を可能に設けた
ことを特徴とする請求項４記載の電気自動車用充電コネ
クタ。
【請求項６】突き合わせ面上における回転を可能とさ
れている磁石群を、相手側の磁石群に対して同極同士が
対向する位置へ回転させる嵌合解除手段が設けられてい
ることを特徴とする請求項５記載の電気自動車用充電コ
ネクタ。