JPH10112277A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

Info

Publication number
JPH10112277A
JPH10112277A JP8286072A JP28607296A JPH10112277A JP H10112277 A JPH10112277 A JP H10112277A JP 8286072 A JP8286072 A JP 8286072A JP 28607296 A JP28607296 A JP 28607296A JP H10112277 A JPH10112277 A JP H10112277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
power supply
ion
low
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8286072A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Mitsui
満 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BARIAN JAPAN KK
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
BARIAN JAPAN KK
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BARIAN JAPAN KK, Tokyo Electron Ltd filed Critical BARIAN JAPAN KK
Priority to JP8286072A priority Critical patent/JPH10112277A/ja
Publication of JPH10112277A publication Critical patent/JPH10112277A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低出力時でも均一なエネルギーのイオンビー
ムの引き出しが可能なイオン注入装置を提供する。 【解決手段】 本発明によれば、イオン引き出し電源1
28を、並列に接続された高出力用電源132と低出力
用電源134とを入力整流部130に直列に接続した構
成とした。また、高出力用電源132は、第1インバー
タ部138、第1昇圧部140および第1出力整流部1
42から成り、低出力用電源134は、第2インバータ
部144、第2昇圧部146および第2出力整流部14
8から成っており、それぞれ切り替え可能な構成となっ
ている。従って、要求される高出力または低出力の直流
電力を適宜出力できるとともに、低出力時でも、いわゆ
るリップルの発生を防止できる。その結果、均一な直流
電力を引き出し電極124とイオン源112間に印加す
ることができ、所望のイオンビームを引き出すことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン注入装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より提案されているイオン注入装置
について概略的に説明すると、まずアークチャンバなど
から成るイオン源内において、所定のガスをプラズマ化
し、このプラズマ中の正イオンを引き出し電極により所
定のエネルギーで引き出すことにより、イオンビームを
得る。このイオンビームに対して質量分析器により質量
分析を行って所望のイオンを分離し、さらに分解スリッ
トによりイオンの分離を完全に行う。そして、分離され
た所望のイオンのイオンビームを加速器を通じて最終エ
ネルギーにまで加速した後、被処理体に照射することに
より、半導体ウェハなどの被処理体の被処理面内に所望
の不純物を導入することができる。
【0003】ここで、イオン源内で生成したプラズマ中
の正イオンの引き出し、すなわちイオンビームの発生に
ついて説明する。イオン源内には、フィラメントが備え
られているとともに、その内部と連通するガス導入管を
介してガス源が接続されている。また、イオン源のイオ
ン引き出し方向の面には、開口部が備えられているとと
もに、その開口部と対向する位置には、引き出し電極が
備えられている。
【0004】イオン注入処理時には、まず、イオン源内
に所定のガスを導入するとともに、イオン源内に備えら
れているフィラメントに対して、熱電子発生用電源から
所定の高電流、例えば150Aの直流電力を印加する。
さらに、アーク放電発生用電源から所定の負電圧、例え
ば−100Vの直流電力を印加する。これらの直流電力
により、イオン源内のフィラメントとアークチャンバ間
に放電が生じて所定の処理ガスが解離し、プラズマが生
成する。この際、イオン源と引き出し電極の間には、イ
オン引き出し用電源から所定の高電圧、例えば80kV
の直流電力が印加されているため、この所定の直流電力
によって、イオン源内で生成したプラズマ中の正イオン
のみが、引き出し電極方向に引き出される。そして、こ
の引き出されたイオン、すなわちイオンビームは、質量
分析器や分離スリット部の通過など、種々の過程を経て
所望の状態にされた後、被処理体に照射される。
【0005】ところで、イオン源および引き出し電極に
所定の直流電力を出力するイオン引き出し用電源は、以
下のように構成されている。すなわち、所定の交流電力
を所望の直流電力に変換する、例えばダイオードブリッ
ジなどから成る入力整流部、その直流電力から所望の状
態に制御された交流電力に変換するインバータ部、その
交流電力を所望の高電圧に昇圧する昇圧部、および高電
圧となった交流電力をイオン引き出し用の所望の高電圧
の直流電力に変換する出力整流部が順次接続されてる。
【0006】従って、このイオン引き出し用電源を介す
ることにより、一般に供給されている交流電力から、イ
オン注入装置におけるイオン引き出し用の所望の高電圧
の直流電力を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記イ
オン引き出し用電源は、比較的高エネルギーのイオンビ
ームを引き出す際に用いられる構成のため、最近の被処
理体、例えば半導体デバイスの超高集積化および小型化
に伴う超微細加工において要求される比較的低エネルギ
ーでのイオン注入処理には、あまり対応することができ
ない。
【0008】すなわち、イオン引き出し用電源の出力整
流部からイオン源および引き出し電極に印加される所定
の高電圧の直流電力には、実際には若干の交流成分、い
わゆるリップル成分が混在している。しかし、比較的高
エネルギーのイオンビームを引き出す場合、つまり上記
直流電力の電圧が比較的高い場合には、その直流電力の
電圧に対する交流成分の電圧の割合が非常に少ないた
め、イオンの引き出しエネルギーはほぼ一定となる。従
って、イオンビームの照射方向を乱すことなく、被処理
体に対して効率的にイオン注入処理を施すことができ
る。
【0009】ところが、比較的低エネルギーのイオンビ
ームを引き出す場合、つまり上記直流電力の電圧が比較
的低い場合には、その直流電力の電圧に対する交流成分
の電圧の割合が大きくなり、その割合に伴って直流電力
の電圧の乱れ、すなわちいわゆるリップルが顕著にな
る。その結果、イオンの引き出しエネルギーが交流成分
の電圧の変化に伴って変化し、イオンビームの照射方向
が乱されて、例えば分離スリット部などでの通過効率が
下がり、イオンビームの浪費になるとともにイオン注入
処理時間の延長につながる。
【0010】本発明は、従来のイオン注入装置が有する
上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、イオ
ン引き出し用電源内に、相互に切り替え可能な高出力専
用電源と、低出力専用電源を備えて、必要に応じて各電
源を適宜切り替えることにより、所望のイオンビームを
引き出して、被処理体に効率的な処理を施すことが可能
な、新規かつ改良されたイオン注入装置を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン源より
引き出し電極により引き出されたイオンを質量分析して
所定のイオンを選択し、選択されたイオンを加速して被
処理体内に注入するイオン注入装置に適用されるもので
ある。そして、上記引き出し電極に対して出力電圧を印
加する引き出し電源は、少なくとも並列に接続された高
出力専用電源と低出力専用電源とを入力整流部に直列に
接続した構成とする。また、上記高出力専用電源は、少
なくとも第1インバータ部と第1昇圧部と第1出力整流
部とから成り、さらに上記低出力専用電源は、少なくと
も第2インバータ部と第2昇圧部と第2出力整流部とか
ら成る構成とする。
【0012】さらに、上記第1インバータ部と上記第2
インバータ部は、相互に選択的に切り換え可能とし、上
記第1昇圧部の巻数比は、上記第2昇圧部の巻数比より
も高くするとともに、上記第1出力整流部の第1平滑コ
ンデンサの容量は、上記第2出力整流部の第2平滑コン
デンサの容量よりも小さく設定される。そして、かかる
構成により、イオン注入処理時において、高出力が要求
される場合には、上記高出力専用電源から上記引き出し
電極に高出力電圧を印加し、低出力が要求される場合に
は、上記低出力専用電源から上記引き出し電極に低出力
電圧を印加することが可能となる。
【0013】このように、本発明によれば、引き出し電
源は相互に切り替え可能な高出力専用電源と低出力専用
電源から構成されているため、容易な切替により比較的
高エネルギーのイオンビームを引き出す際に求められる
高出力、すなわち高電圧の直流電力の出力、および比較
的低エネルギーのイオンビームを引き出す際に求められ
る低出力、すなわち低電圧の直流電力の出力の両方に対
応することができる。
【0014】また、特に低電圧の直流電力が求められて
いる場合には、低出力専用電源を介して出力されるた
め、その低出力専用電源において、直流電力に混在する
交流成分の影響を緩衝することができる。従って、いわ
ゆるリップルの含有率が極めて少ない所望の直流電力
を、イオン源と引き出し電極間に印加することができる
ため、イオン源から均一なエネルギーでイオンビームを
引き出すことができる。その結果、質量分析が安定し、
そのイオンビームを効率よく所望の状態で被処理体に照
射することが可能となる。
【0015】さらに、引き出し電源において、入力整流
部に高出力専用電源と低出力専用電源を直列に接続し、
かつこれら高出力専用電源および低出力専用電源のそれ
ぞれにインバータ部、昇圧部および出力整流部を備えて
いる。従って、要求される高出力の直流電力または低出
力の直流電力に応じて、高出力専用電源および低出力専
用電源の回路設計をそれぞれ別々に行うことができる。
【0016】さらにまた、第1昇圧部の巻数比が、第2
昇圧部の巻数比よりも高いため、低出力専用電源よりも
高出力専用電源の方からより高電圧の直流電力を出力す
ることができる。そして、第2出力整流部の平滑コンデ
ンサの容量が、第1出力整流部の平滑コンデンサの容量
よりも大きいため、低出力、すなわち低電圧の直流電力
の出力時においても、その直流電力に混在する交流成分
の電圧を緩衝し、いわゆるリップルの発生を防止するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら、
本発明にかかるイオン引き出し電源をイオン注入装置に
適用した、実施の一形態について詳細に説明する。な
お、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有す
る構成要素については、同一番号を付することにより、
重複説明を省略することにする。
【0018】まず、図1を参照しながら、本実施の形態
にかかるイオン注入装置100の全体構成について概略
的に説明する。イオン注入装置100は、イオンビーム
発生室102、質量分析器104、イオン分離室10
6、加速器108および処理室110が順次接続されて
成る。
【0019】また、イオンビーム発生室102、質量分
析器104、イオン分離室106、加速器108および
処理室110は、お互いに連通するとともに、それぞれ
気密に構成されており、不図示の真空引き手段により、
イオンビーム発生室102内等を所定の減圧雰囲気、例
えば5×10-6Torrに保持することが可能なように
構成されている。
【0020】以下、イオンビーム発生室102から順に
説明していくと、その内部には、略直方体状の筐体構造
を有する、アークチャンバなどから成るイオン源112
が設けられている。このイオン源112は、例えば4本
の略棒状の支持棒114を介して、略円盤状の支持板1
16に支持されている。また、イオン源112は、支持
板116とともに脱着自在なように構成され、装着時に
は、イオン源112がイオンビーム発生室102の所定
の場所に配置されるとともに、イオンビーム発生室10
2の内壁と接しないように構成されている。
【0021】そして、支持板116は、絶縁部材である
ブッシング118を介して、イオンビーム発生容器12
0に接続されている。これらの部材は、それぞれが脱着
可能なように構成されているため、支持板116に接続
されているイオン源112やブッシング118などのメ
ンテナンスを適宜行うことができる。なお、支持板11
6のイオンビーム発生室102側の面に対して反対側の
面には、取っ手116aが設けられており、支持板11
6の着脱が容易なように構成されている。
【0022】ところで、イオン源112には、不図示の
ガス導入管が接続されているとともに、その内壁面の対
向した面には、それぞれ例えばフィラメントから成る不
図示の電極が設けられている。また、この電極には、第
1配線部材122を介して不図示のプラズマ発生用電源
が接続されている。従って、ガス導入管からそのイオン
源112内に所定の処理ガス、例えばアルシンガスが導
入されるとともに、不図示のプラズマ発生用電源から第
1配線部材122を介してフィラメントに所定の高電
流、例えば150Aおよび所定の負電圧、例えば−10
0Vの直流電力が印加されると、処理ガスが解離してプ
ラズマが励起されるように構成されている。
【0023】また、イオン源112の質量分析器104
側の面には、開口部が設けられているとともに、その開
口部と質量分析器104との間の所定の位置には、引き
出し電極124が設けられている。さらに、この引き出
し電極124およびイオン源112には、第2配線部材
126を介してイオン引き出し電源128が電気的に接
続されている。従って、イオン引き出し電源128から
第2配線部材126を介して、イオン源112および引
き出し電極124に所定の高電圧の直流電力が印加され
ると、イオン源112内に励起されたプラズマ中の正イ
オンのみが、質量分析器104方向に引き出され、これ
ら引き出されたイオンがイオンビームとなる。
【0024】ここで、本実施の形態にかかる、イオン引
き出し電源128の構成について、図2を参照しながら
詳細に説明する。このイオン引き出し電源128は、入
力整流部130に高出力用電源132と低出力用電源1
34を直列に接続した構成となっている。
【0025】まず、入力整流部130は、例えばダイオ
ードブリッジから成る第1整流器D1、例えばコイルか
ら成るフィルタチョーク部F、および例えば0.22μ
Fの第1平滑用コンデンサ部C1から構成されている。
従って、外部の交流電源136から所定の電圧、例えば
208Vの交流電力が入力整流部130に出力される
と、この交流電力は第1整流器D1により直流電力に変
換され、さらにフィルタチョーク部Fおよび平滑用コン
デンサ部C1を介することにより、その直流電力は整流
される。
【0026】そして、入力整流部130から出力される
所定の直流電力は、高出力用電源132および低出力用
電源134に出力される。まず、高出力用電源132の
構成について説明すると、入力側から第1インバータ部
138、第1昇圧部140および第1出力整流部142
が順次接続されている。
【0027】そして、第1インバータ部138は、例え
ば4個のNチャネル型電解効果トランジスタN11〜N
14から構成されており、また第1昇圧部140は、後
述の低出力用電源134の第2トランスT2よりもコイ
ルの巻数比が大きい、第1トランス部T1から構成され
ている。
【0028】さらに、第1出力整流部142は、例えば
ダイオードブリッジから成る第2整流器D2、後述の第
3平滑用コンデンサ部C3よりも静電容量の小さい、例
えば0.015μFの第2平滑用コンデンサ部C2、例
えば60MΩの第1抵抗器R1および例えば10kΩの
出力抵抗器R2から構成されている。
【0029】従って、入力整流部130から高出力用電
源132に出力された所定の直流電力は、不図示の制御
器により制御されている第1インバータ部138におい
てオン・オフ制御され、所望の状態、例えば20kHz
の交流電力に変換される。なお、第1インバータ部13
8がオン・オフ制御されている間は、後述の低出力用電
源134の第2インバータ部144は常にオフの状態と
なっている。
【0030】そして、この交流電力は、第1昇圧部14
0の第1トランス部T1において、低出力用電源134
の第2昇圧部146での昇圧電圧よりも高い所望の高電
圧、例えば80kVまで昇圧され、第1出力整流部14
2に出力される。
【0031】この第1出力整流部142に出力された高
電圧の交流電力は、まず第2整流器D2において直流電
力に変換された後、第2平滑用コンデンサ部C2により
整流され、出力抵抗器R2および第2配線部材126を
介して、イオン源112と引き出し電極124間に出力
される。
【0032】一方、本実施の形態にかかる、低出力用電
源134は、入力側から第2インバータ部144、第2
昇圧部146および第2出力整流部148が順次接続さ
れる構成となっている。まず、第2インバータ部144
は、第1インバータ部138と略同一の構成で、例えば
4個のNチャネル型電解効果トランジスタN21〜N2
4から構成されており、また第2昇圧部146は、高出
力用電源132の第1トランス部T1よりも巻数比の小
さい第2トランス部T2から構成されている。
【0033】さらに、第2出力整流部148は、例えば
ダイオードブリッジから成る第2整流器D2、第2平滑
用コンデンサ部C2よりも静電容量の大きい、例えば1
μFの第3平滑用コンデンサ部C3、例えば1MΩの第
3抵抗器R3から構成されているとともに、第1出力整
流部142に接続されている。
【0034】従って、入力整流部130から低出力用電
源134に出力された所定の直流電力は、第1インバー
タ部138と同様に不図示の制御器により制御されてい
る第2インバータ部144においてオン・オフ制御さ
れ、所望の状態、例えば20kHzの交流電力に変換さ
れる。なお、第2インバータ部144がオン・オフ制御
されている間は、高出力用電源132の第1インバータ
部138は常にオフの状態となっている。
【0035】そして、この交流電力は、第2昇圧部14
6の第2トランス部T2において、高出力用電源132
の第1昇圧部140での昇圧電圧よりも低い所望の高電
圧、例えば10kVまで昇圧された後、第2出力整流部
148に出力される。
【0036】この第2出力整流部148に出力された高
電圧の交流電力は、まず第3整流器D3において高電圧
の直流電力に変換された後、高出力用電源132の第2
平滑用コンデンサ部C2の静電容量よりも大きい容量を
有する、本実施の形態にかかる第3平滑用コンデンサ部
C3により整流される。
【0037】さらに、この第2出力整流部148は、高
出力用電源132の第1出力整流部142に直列に接続
されているため、出力抵抗器R2および第2配線部材1
26を介して、イオン源112および引き出し電極12
4に出力される。
【0038】なお、前述したように、高出力用電源13
2の第1インバータ部138および低出力用電源134
の第2インバータ部144は、不図示の制御器により制
御されている。従って、第1インバータ部138がオン
・オフ制御されている間は、第2インバータ部144は
常にオフの状態となって、高出力用電源132のみから
所定の高出力の直流電力が出力され、また第2インバー
タ部144がオン・オフ制御されている間は、第1イン
バータ部138は常にオフの状態となって、低出力用電
源134のみから所定の低出力の直流電力が出力され
る。
【0039】このように、本実施の形態においては、イ
オン注入処理時に要求される出力、すなわち高出力また
は低出力の直流電力の出力に応じて、イオン引き出し電
源128の高出力用電源132と低出力用電源134と
を相互に切り替えが可能な構成となっている。従って、
高出力時のみ成らず低出力時にも、交流成分が混在して
いない、すなわちいわゆるリップルを生じない所望の直
流電力を、イオン源112と引き出し電極124間に印
加することができるため、イオン源112内から均一な
エネルギーでイオンビームを引き出すことができる。
【0040】また、この引き出されたイオンビームのエ
ネルギーは、低出力時においても均一であるため、例え
ば後述の分離スリット162での透過性が向上するた
め、利用効率が向上する。その結果、イオンビームを、
効率よく被処理体、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェ
ハ」と称する。)Wに照射することが可能となる。さら
に、イオン引き出し電源128は、高出力用電源132
と低出力用電源134とから構成されているため、所望
の出力に応じた回路設計が可能である。
【0041】再び図1に戻り、イオン源112の開口部
と引き出し電極124との間の所定の位置には、サプレ
ッション電極150が設けられている。このサプレッシ
ョン電極150には、第3配線部材152を介して可変
直流電源154が接続されているとともに、この可変直
流電源154は、イオン引き出し電源128とイオン引
き出し電極124との間の第2配線部材126に接続さ
れている。
【0042】従って、イオン源112からイオンを引き
出す際に、引き出し電極124からイオン源112に向
かって放出される2次電子を、サプレッション電極15
0が引き出し電極124に押し戻すことにより、その2
次電子による引き出し電源128の出力電流の増加を防
止することができる。
【0043】また、イオンビーム発生室102内の引き
出し電極124と質量分析器104との間、すなわち引
き出し電極124により引き出されたイオンビームの下
流側には、スリットの幅を可変できる可変スリット部1
56が設けられている機種もある。この可変スリット部
156は、スリットの幅を変更することにより、ウェハ
Wに到達するイオンの量を調整するために設けられてい
る。
【0044】次に、質量分析器104について説明する
と、この質量分析器104は、ゲートバルブG1を介し
てイオンビーム発生室102に接続されており、イオン
ビーム発生室102内で発生したイオンビームの下流側
に配置されている。質量分析器104内には、質量分析
用マグネット160の鉄心の空隙部158が設けられて
おり、その空隙部158の凹に湾曲している方向および
上下方向の質量分析器104の外壁周辺部を、質量分析
用マグネット160が取り囲んでいる。
【0045】従って、質量分析器104は、イオンビー
ム発生室102内から導入されたイオンビームを、空隙
部158内を通過させる際に、質量分析用マグネット1
60から発生する磁界によってその軌道を曲げることに
より、イオンの質量に応じた曲がり方の程度の差を利用
して、所望のイオンのみを取り出すことが可能なように
構成されている。
【0046】質量分析器104内を通過したイオンビー
ムは、質量分析器104により所定の方向に案内され、
所望のイオンのイオンビームのみが、質量分析器104
に接続されているイオン分離室106内に導入される。
イオン分離室106内には、分離スリット部162が設
けられており、導入されたイオンビームの中で、お互い
に質量が近く、質量分析器104において分離されなか
った不必要なイオンを、イオンビームから排除するよう
に構成されている。
【0047】上記各過程を経ることにより、所望のイオ
ンのみとなったイオンビームは、イオン分離室106に
接続されている加速器108内に導入される。この加速
器108は、導入されるイオンビームに所定の加速電圧
を印加して、そのイオンビームを加速するように構成さ
れている。
【0048】加速されたイオンビームは、ゲートバルブ
G2を介して加速器108に接続されている処理室11
0内に導入される。ところで、処理室110内には、ウ
ェハWを載置するための回転載置台164が設けられて
いる。この回転載置台164は、複数枚のウェハWを周
方向に配置するとともに、不図示の回転駆動機構を作動
させることにより回転軸166を介して回転可能で、処
理室110内に導入されたイオンビームを、複数枚のウ
ェハWが載置された周上で偏向(スキャン)させるよう
に構成されている。
【0049】また、回転載置台164に対向する位置
で、処理室110内に導入されるイオンビームの周囲を
取り囲む位置には、イオン注入時に発生する2次電子を
外部に流出しないように閉じこめ、イオンビーム電流を
正確に測定するためのファラデーカップ168が設けら
れてる。また、ファラデーカップ168へのイオンビー
ム導入方向には、ビームゲート170が設けられてい
る。このビームゲート170は、ファラデーカップ16
8側にイオンビームが不必要に照射されることを防止す
るとともに、ウェハWに導入されるイオンビームを照射
前に調整する際の測定器として構成されている。
【0050】以上、本発明の好適な実施の一形態につい
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0051】例えば、上記実施の形態において、イオン
引き出し電源128を高出力用電源132と低出力用電
源134とから成る構成を例に挙げて説明したが、本発
明はかかる構成に限定されず、要求される出力の電力に
応じて、引き出し電源をさらに複数の電源から構成する
ことも可能である。
【0052】また、上記実施の形態において、イオン引
き出し電源128の入力整流部130、高出力用電源1
32および低出力用電源134の内部構成を説明する際
に、各構成部材の個数および接続順序などを具体的に挙
げて説明したが、本発明はかかる構成に限定されず、本
発明を適用する装置に応じて、適宜修正および変更する
ことが可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
引き出し電源は相互に切り替え可能な高出力専用電源
と、低出力専用電源とから構成されているため、要求さ
れる高出力または低出力の直流電力の出力の両方に対応
することができる。また、低出力専用電源から低出力の
直流電力を出力する場合には、特に低出力時に顕著とな
る、いわゆるリップルの発生を防止することができ、均
一な直流電力をイオン源および引き出し電極に印加する
ことができる。その結果、高出力時のみ成らず、低出力
時でもイオン源から均一なエネルギーでイオンビームを
引き出すことができ、そのイオンビームを効率よく被処
理体に照射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なイオン注入装置の実施の一
形態を示す概略的な説明図である。
【図2】図1に示したイオン注入装置におけるイオン引
き出し電源の構成を表した概略的な説明図である。
【符号の説明】
102 イオンビーム発生室 110 処理室 112 イオン源 124 引き出し電極 128 イオン引き出し電源 130 入力整流部 132 高出力用電源 134 低出力用電源 138 第1インバータ部 140 第1昇圧部 142 第1出力整流部 144 第2インバータ部 146 第2昇圧部 148 第2出力整流部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン源より引き出し電極により引き出
    されたイオンを被処理体内に注入するイオン注入装置に
    おいて、 前記引き出し電極に出力電圧を印加する引き出し電源
    は、少なくとも並列に接続された高出力専用電源と低出
    力専用電源とを入力整流部に直列に接続して成り、前記
    高出力専用電源は少なくとも第1インバータ部と第1昇
    圧部と第1出力整流部とから成り、前記低出力専用電源
    は少なくとも第2インバータ部と第2昇圧部と第2出力
    整流部とから成り、前記第1インバータ部と前記第2イ
    ンバータ部は相互に選択的に切り換え可能であり、前記
    第1昇圧部の巻数比は前記第2昇圧部の巻数比よりも高
    く、前記第1出力整流部の第1平滑コンデンサの容量は
    前記第2出力整流部の第2平滑コンデンサの容量よりも
    小さく、高出力要求時には前記高出力専用電源から前記
    引き出し電極に高出力電圧を印加し、低出力要求時には
    前記低出力専用電源から前記引き出し電極に低出力電圧
    を印加するように構成されることを特徴とする、イオン
    注入装置。
JP8286072A 1996-10-08 1996-10-08 イオン注入装置 Pending JPH10112277A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8286072A JPH10112277A (ja) 1996-10-08 1996-10-08 イオン注入装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8286072A JPH10112277A (ja) 1996-10-08 1996-10-08 イオン注入装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10112277A true JPH10112277A (ja) 1998-04-28

Family

ID=17699596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8286072A Pending JPH10112277A (ja) 1996-10-08 1996-10-08 イオン注入装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10112277A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7365346B2 (en) 2004-12-29 2008-04-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Ion-implanting apparatus, ion-implanting method, and device manufactured thereby
KR20160006616A (ko) 2014-07-09 2016-01-19 스미도모쥬기가이 이온 테크놀로지 가부시키가이샤 이온주입장치 및 이온주입장치의 제어방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7365346B2 (en) 2004-12-29 2008-04-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Ion-implanting apparatus, ion-implanting method, and device manufactured thereby
KR20160006616A (ko) 2014-07-09 2016-01-19 스미도모쥬기가이 이온 테크놀로지 가부시키가이샤 이온주입장치 및 이온주입장치의 제어방법
US9564289B2 (en) 2014-07-09 2017-02-07 Sumitomo Heavy Industries Ion Technology Co., Ltd. Ion implanter and method of controlling the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9060412B2 (en) Ion drive for a spacecraft
US6262638B1 (en) Tunable and matchable resonator coil assembly for ion implanter linear accelerator
TW523796B (en) Method and apparatus for improved ion acceleration in an ion implantation system
US4806829A (en) Apparatus utilizing charged particles
TWI821157B (zh) 檢測離子的裝置及方法
JPS62235485A (ja) イオン源装置
JP2564390B2 (ja) 真空スイツチ
JPH10112277A (ja) イオン注入装置
JP7096779B2 (ja) イオン源、およびこれを用いた円形加速器ならびに粒子線治療システム
JP3633359B2 (ja) 高周波四重極加速装置
JP3427150B2 (ja) イオン注入装置
JPS62196070A (ja) 高電圧電源
JP7476090B2 (ja) イオン源およびイオンビーム装置
JPS617542A (ja) マイクロ波イオン源
JPH06140196A (ja) パルス引出型の電子サイクロトロン共振イオン源
JPS62291922A (ja) プラズマ処理装置
Dudnikov et al. Surface plasma source to generate high‐brightness H− beams for ion projection lithographya
JP3265987B2 (ja) イオン照射装置
JPH0757897A (ja) 高周波型荷電粒子加速装置
JPH07176290A (ja) イオン注入装置
JP2023046984A (ja) 円形加速器、粒子線治療システム、およびイオン源
JP3265988B2 (ja) イオン照射装置
JPH0212374B2 (ja)
KR20050010256A (ko) 웨이퍼 에지 처리용 플라즈마 발생장치
JPH04124267A (ja) イオン注入装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020730