JPH1010781A - 熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法

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JPH1010781A
JPH1010781A JP16557196A JP16557196A JPH1010781A JP H1010781 A JPH1010781 A JP H1010781A JP 16557196 A JP16557196 A JP 16557196A JP 16557196 A JP16557196 A JP 16557196A JP H1010781 A JPH1010781 A JP H1010781A
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JP
Japan
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particles
thermoplastic resin
toner
substance
thermoplastic
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JP16557196A
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English (en)
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Toshiya Sato
俊也 佐藤
Akira Hosoya
明 細谷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トナーの流動性・帯電性を簡単に向上、あるい
は制御し、現像特性、及び現像系の信頼性を向上させる
ことのできるトナー粒子の表面処理方法を提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂を含む所定の粒径範囲の粒子
を作成する手段と、熱可塑性粒子と添加剤とを混合する
手段と、熱可塑性樹脂の軟化温度Sp+0℃〜+300
℃の温度範囲の雰囲気中で非接触で熱可塑性粒子と添加
剤の混合物を瞬間加熱する手段と、加熱処理された混合
物を冷却・捕集する手段を有する熱可塑性樹脂粒子の表
面処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂粒子
の表面処理方法に係わり、特に高精細・高画質記録が可
能な電子写真方式を用いた印写装置に用いる現像剤の製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機及びプリンタの高
画質化に対応するためにはトナーの小粒径化は必須であ
る。樹脂,着色剤,帯電制御剤などの構成材料を混合・
溶融混練した後、粉砕・分級して作成する従来の乾式粉
砕法では、小粒径化に伴う、流動性の低下,帯電性の不
均一化等の諸問題が発生する。これらの問題はトナー粒
子中の各構成素材の分散状態に起因しており、従来の粉
砕法ではこれ以上の均一分散性を実現することは、困難
である。この課題を解決する手段として提案されている
のがトナー粒子製造法は懸濁重合法などの湿式造粒法で
ある。また、トナー粒子の表面に流動性・帯電性に影響
する材料を乾式あるいは湿式で添加する方法も提案され
ている。
【0003】しかし、前者の湿式造粒法では重合・造粒
時に用いられる界面活性剤,重合触媒などの不純物が造
粒後のトナー中に残留して帯電制御などに悪影響を及ぼ
す。また、後者の添加法では従来の方法では溶媒除去・
回収による装置の大型化、あるいは添加剤の付着強度不
足による脱離等の問題が新たに発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、トナ
ーの流動性・帯電性を簡単に向上、あるいは制御し、現
像特性、及び現像系の信頼性を向上させることのできる
トナー粒子の表面処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の要旨は次の通りである。
【0006】(1)熱可塑性樹脂を含む所定の粒径範囲
の粒子を作成する手段と、前記熱可塑性粒子と添加剤と
を混合する手段と、前記熱可塑性樹脂の軟化温度Sp+
0℃〜+300℃の温度範囲の雰囲気中で非接触で前記
熱可塑性粒子と前記添加剤の混合物を瞬間加熱する手段
と、加熱処理された前記混合物を冷却・捕集する手段を
有する熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
【0007】(2)少なくとも熱可塑性樹脂からなる所
定の粒径範囲の粒子を作成する手段が、構成材料の混合
・溶融混練・粉砕・分級の各工程からなる粉砕法による
粒子作成手段である熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
【0008】(3)少なくとも熱可塑性樹脂からなる所
定の粒径範囲の粒子を作成する手段が、構成材料を溶媒
中に溶解した後懸濁造粒する湿式造粒法による粒子作成
手段である熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
【0009】(4)熱可塑性粒子と混合する添加剤が、
着色能力を持つ物質,帯電制御能力を持つ物質,流動性
の制御能力を持つ物質,磁力を持つ物質の4種の物質う
ち少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂粒子の表面処理方
法。
【0010】(5)熱可塑性粒子中に着色能力を持つ物
質,帯電制御能力を持つ物質,流動性の制御能力を持つ
物質,磁力を持つ物質の4種の物質うち少なくとも1種
を含む熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
【0011】本発明は、上記目的を達成するめため、熱
可塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子表面を瞬間的に高温
雰囲気中に曝すことによりトナー粒子表面を一旦溶融さ
せ、その表面張力により、冷却時に形状を球形化する。
さらにその際流動化剤,着色剤,帯電制御剤などを添加
することにより、それら添加剤を熱可塑性樹脂粒子ある
いはトナー粒子表面に均一に強固に付着させる。
【0012】従って、従来の粉砕法・湿式法などと比較
してより迅速に、細かな流動性・帯電性の制御が可能と
なり、トナーの信頼性,寿命の向上ができる。
【0013】これは、本発明による表面処理方法は添加
剤を熱可塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子を製造してか
ら後処理で添加し、かつ容易にトナー形状,添加剤量,
分布の制御が可能であり、さらに外添処理の際、熱処理
を施すため添加剤のトナー粒子表面への付着力が従来の
方法よりも大きくできる。
【0014】上記したそれぞれの手段、すなわち少なく
とも熱可塑性樹脂からなる所定の粒径範囲の粒子を作成
する手段と、前記熱可塑性粒子と添加剤とを混合する手
段は、特別な手段を用いる必要はない。
【0015】少なくとも熱可塑性樹脂からなる所定の粒
径範囲の粒子を作成する手段は、従来、トナー粒子の製
造方法として用いられている乾式粉砕法・湿式造粒法な
どが利用できる。乾式粉砕法とは、トナー粒子を構成す
る素材を混合し、溶融混練した後、粉砕・分級してトナ
ー粒子を得る方法であり、現在最も一般的なトナー粒子
製造方法である。また、湿式造粒法は、懸濁重合法や乳
化重合法などの重合工程を含むものであってもよく、懸
濁造粒法などの重合工程を含まない造粒法であってもよ
い。このほか、ソープフリー乳化重合法,マイクロカプ
セル法,非水分散重合法等を用いてもよい。
【0016】このような方法で製造される熱可塑性樹脂
粒子あるいはトナー粒子の平均粒径は、1〜15μm、
特に2〜10μmであることが好ましい。熱可塑性樹脂
粒子あるいはトナー粒子の粒径がこれより小さいと紙上
の隠蔽力を得ることができず、また、この範囲よりも大
きいと画像が粗くなり、高精細が得られなくなる。さら
に、上記各種の方法のうち、湿式法にて得られた熱可塑
性樹脂粒子あるいはトナー粒子は公知の乾燥装置により
乾燥される。
【0017】また、前記熱可塑性粒子あるいはトナー粒
子と添加剤とを混合する手段は、従来、トナー粒子の表
面外添方法として用いられている、ターブラシェイカミ
キサ,ヘンシェルミキサ,Vブレンダなどを用いた混合
方法を利用できる。
【0018】本発明により処理できる熱可塑性樹脂粒子
あるいはトナー粒子を構成する熱可塑性樹脂は、通常ト
ナー粒子においてバインダとして汎用されているもので
あれば特に限定されない。例えば、ポリスチレン,ポリ
−p−クロルスチレン,ポリビニルトルエンなどのスチ
レンおよびその置換体の単重合体,スチレン−p−クロ
ルスチレン共重合体,スチレン−プロピレン共重合体,
スチレン−ビニルトルエン共重合体,スチレン−ビニル
ナフタレン共重合体,スチレン−アクリル酸メチル共重
合体,スチレン−アクリル酸エチル共重合体,スチレン
−アクリル酸ブチル共重合体,スチレン−メタアクリル
酸メチル共重合体,スチレン−メタアクリル酸エチル共
重合体,スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体,ス
チレン−α−クロロメタアクリル酸メチル共重合体,ス
チレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−ビニル
メチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケト
ン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,スチレン
−イソプレン共重合体,スチレン−アクリロニトリル−
インデン共重合体などのスチレン系共重合体,ポリ塩化
ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン
樹脂,ポリアミド樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニルブチ
ラール,ロジン変性レジン,テルペン樹脂,フェノール
樹脂,キシレン樹脂,脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂,
芳香族系石油樹脂,塩素化パラフィン,パラフィンワッ
クス等が単独または複数種が用いられる。
【0019】さらに、本発明により処理できる熱可塑性
樹脂粒子あるいはトナー粒子を構成する着色剤、あるい
は前記粒子を作成した後混合する着色剤は、通常トナー
粒子において発色能力を司る物質として添加される着色
剤として汎用されているものであれば特に限定されな
い。例えば、C.I.ダイレクトブラック19,C.I.
ダイレクトブラック154,C.I.フードブラック2,
C.I.アシッドイエロー23,C.I.アシッドレッド8
7,C.I.アシッドレッド35,C.I.アシッドブルー
9,C.I.ダイレクトブルー86等、従来よりインクジ
ェット用インクの着色剤として良く用いられてきた着色
剤の他、カーボンブラック,ニグロシン染料等の他に、
アゾ系染料(例えばC.I.ソルベントイエロー2,1
4,16,19,60,C.I.ソルベントレッド3,
8,24,27),アントラキノン系染料,インジコ染
料,フタロシアニン系染料,キサンテン系染料(例えば
C.I.ソルベントレッド48,49)等の染料,アゾ系
顔量(例えばC.I.ピグンメントイエロー12,C.I.
ピグメントレッド48,81,C.I.ピグメントグリー
ン4),ベンズイミダゾロン系顔量(例えばC.I.ピグ
メントレッド185)、キナクリドン系顔量(例えば
C.I.ピグメントレッド122,207,209),フ
タロシアニン系顔量(例えばC.I.ピグメントブルー1
5,C.I.ピグメントグリーン7),イソインドリノン
系顔量(例えばC.I.ピグメントイエロー109,17
3),イソインドリン系顔量(例えばC.I.ピグメント
イエロー139),ジオキサジン系顔量(例えばC.I.
ピグメントバイオレット23),アントラキノン系顔量
(例えばC.I.ピグメントイエロー108,C.I.ピグ
メントレッド177,C.I.ピグメントブルー6),ペ
リレン系顔量(例えばC.I.ピグメントレッド17
8),ペリノン系顔量(例えばC.I.ピグメントオレン
ジ43),チオインジコ系顔量(例えばC.I.ピグメン
トバイオレット38),キノフタロン系顔量(例えば
C.I.ピグメントイエロー133),金属錯体系顔量
(例えばC.I.ピグメントイエロー153)等の有機系
顔量、および酸化チタン,カーボンブラック,モリブデ
ンレッド,クロムイエロー,チタンイエロー,酸化クロ
ム,ベルリンブルー等の無機系顔量、およびアルミニウ
ム粉等の金属粉など公知の染料,顔料を着色剤として用
いることができる。
【0020】さらに、本発明により処理できる熱可塑性
樹脂粒子あるいはトナー粒子を構成する帯電制御剤、あ
るいは粒子を作成した後混合する帯電制御剤は、通常ト
ナー粒子において帯電能力を司る物質として添加される
帯電制御剤として汎用されているものであれば特に限定
されない。また、帯電極性は正,負のどちらであっても
よくその添加量は、トナーの種類,添加剤,バインダの
種類により、また、トナーの現像方式などにより適宜選
択される。その帯電制御剤は、例えば、負帯電用はアル
キルサリチル酸の金属錯体,ジカルボン酸の金属錯体,
多環体サリチル酸金属塩,アゾ系金属染料,塩素化パラ
フィン,塩素化ポリエステル等が挙げられる。また、正
帯電用はニグロシン系染料,脂肪族金属塩,第4級アン
モニウム塩,ベンゾチアゾール誘導体,グアナミン誘導
体,ジブチルチンオキサイド等が挙げられる。これらの
帯電制御剤は、単独または2種以上の混合物として用い
られる。
【0021】さらに、本発明により処理できる熱可塑性
樹脂粒子あるいはトナー粒子を構成する流動性の制御能
力を持つ物質、あるいは前記粒子を作成した後混合する
流動性の制御能力を持つ物質は、通常トナー粒子におい
て流動性能を司る物質として汎用されているものであれ
ば特に限定されない。例えば、シリカ,酸化アルミニウ
ム,酸化チタン,フッ化マグネシウム等の流動化剤,炭
化ケイ素,炭化ホウ素,炭化チタン,炭化ジルコニウム
などの特に疎水化処理した非磁性無機微粒子,スチレン
系(メタ)アクリル系,テフロン,シリコーン,ポリエ
チレン,ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用いても
よい。
【0022】さらに、本発明により処理できる熱可塑性
樹脂粒子あるいはトナー粒子を構成する磁力を持つ物
質、あるいは粒子を作成した後混合する磁力を持つ物質
は、通常トナー粒子において磁力を司る物質として汎用
されているものであれば特に限定されない。例えば、
鉄,マンガン,ニッケル,コバルト等の金属粉末や、
鉄,マンガン,ニッケル,コバルト,亜鉛等のフェライ
ト等がある。粉体の平均粒径は1μm以下、特に好まし
くは0.6μm 以下が好ましい。
【0023】さらに、本発明により処理できる熱可塑性
樹脂粒子あるいはトナー粒子中にはその他の添加剤、例
えば、定着性向上のためにオフセット防止剤を添加して
もよい。
【0024】次に所定の粒径範囲に造粒された熱可塑性
樹脂粒子あるいはトナー粒子は加熱された気流中に噴出
させて瞬間表面加熱処理を施す。加熱された気流の温度
は通常粒子の軟化温度Sp+0℃〜+300℃の範囲で
あり、粒子中の構成物質が分解しない温度に設定するこ
とが好ましい。さらに熱可塑性樹脂粒子あるいはトナー
粒子を湿式造粒法にて製造した場合には、粒子中に残留
する界面活性剤,重合開始剤などの不純物の分解温度以
上に設定することが好ましい。また、瞬間表面加熱処理
の好適条件は熱可塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子の粒
径によっても異なり、平均粒径が小さくなるほど処理温
度を低下させる必要がある。
【0025】このような瞬間表面加熱処理を行うことに
より、熱可塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子の表面が瞬
間的に溶融し、不定形であった粒子の形状が球形化され
る。また、同時に粒子表面にした着色能力を持つ物質,
帯電制御能力を持つ物質,流動性の制御能力を持つ物
質,磁力を持つ物質等の添加剤が付着した状態で瞬間表
面加熱処理を施すことにより、添加剤が粒子表面上に埋
め込まれ強固に付着する。また、この瞬間表面加熱処理
の処理温度、及び粒子あるいは粒子と添加物の混合物の
熱気流中への供給量を調整,制御することにより、粒子
の球形化の度合い、あるいは添加剤の埋め込みの度合
い、強度を制御することができる。なお、これら瞬間表
面加熱処理の条件は、粒子の粒径,粒度分布,比重,粒
子構成物質の熱的特性により適宜選択されるのは当然で
ある。
【0026】瞬間表面加熱処理された熱可塑性樹脂粒子
あるいはトナー粒子は、冷却されることが好ましい。冷
却することにより、装置内壁への粒子の付着,粒子同士
の凝集が発生しにくくなり、処理後の収率が向上する。
瞬間表面加熱処理時に単一粒子として均一に処理されて
いる場合でも、冷却処理を行わないと熱凝集が発生す
る。この冷却処理の温度は粒子の粒径,粒度分布,比
重,粒子構成物質の熱的特性により適宜選択されるが、
具体的には熱可塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子の温度
を粒子のガラス転移温度以下にする必要がある。
【0027】次に、本発明における瞬間表面加熱処理及
び冷却処理について図1を用いて具体的に説明する。な
お、本発明におけるこれらの処理方法は図1に示す処理
方法に限定されるものではなく、同様の処理条件を満た
すものであれば他の方式,装置を用いてもよい。
【0028】熱風発生装置1で調整された高温高圧エア
ーは導入管2を経て熱風噴射ノズル3より噴射される。
一方、熱可塑性粒子あるいはトナー粒子と添加剤の混合
物、即ち試料4は定量供給装置5より所定量の加圧エア
ーにより導入管6を経て搬送され、熱風噴射ノズルの周
囲に設けられた試料噴射ノズル7より熱気流中8に噴射
される。噴射された試料粒子9は高温度の熱風により瞬
間的に加熱される。このように瞬間表面加熱されること
により不定形であった試料粒子の形状が球形化される。
また、同時に粒子表面に添加剤が付着した状態で瞬間表
面加熱処理を施すことにより、添加剤が粒子表面上に埋
め込まれ強固に付着する。
【0029】次いで、瞬間表面加熱処理された試料粒子
は直ちに試料導入フード10より導入管11中に導入さ
れる。その際、外気12、即ち冷却風と共に導入される
ため、試料粒子の温度は前記したようにガラス転移温度
以下まで冷却される。次に試料粒子は導入管を経てサイ
クロン13により捕集され、捕集瓶にたまる。トナーが
捕集された後の搬送エアーはさらに図示されていないバ
グフィルターを通過して微粉を除去した後、やはり図示
されていないブロアーを経て大気放出される。本発明の
表面処理方法は、熱可塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子
表面を瞬間的に高温雰囲気中に曝すことによりトナー粒
子表面を一旦溶融させ、その表面張力により、冷却時に
形状を球形化し、さらにその際流動化剤,着色剤,帯電
制御剤などを添加することにより、それら添加剤を熱可
塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子表面に均一に強固に付
着させることができる。
【0030】従って、従来の粉砕法・湿式法などと比較
してより迅速に、細かな流動性・帯電性の制御が可能と
なり、トナーの信頼性,寿命の向上が達成できる。
【0031】これは、本発明による表面処理方法は添加
剤を熱可塑性樹脂粒子あるいはトナー粒子を製造してか
ら後処理で添加し、かつ容易にトナー形状,添加剤量,
分布の制御が可能であり、さらに外添処理の際、熱処理
を施すため添加剤のトナー粒子表面への付着力が従来の
方法よりも大きくできるためである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づきさ
らに具体的に説明する。なお、以下の実施例,比較例中
におけるトナー試料の評価法は、かさ密度,平均粒径,
重量帯電量、及びフィルミングテストである。重量帯電
量及びフィルミングテストは図2に示す非磁性1成分現
像機を用いた。重量帯電量は現像ロール上のトナーの帯
電量と付着重量を測定して求めた。さらに、フィルミン
グテストは現像機中にトナーを充填して空運転させ、2
4時間後の現像ロール,ブレード上のトナーフィルミン
グの有無を目視で観察した。さらに実印字テストは、図
2に示した現像機が搭載できる図3に示すカラープリン
タを用いて行った。
【0033】(比較例1) ビスフェノ−ルポリエステル樹脂 ………………… 100重量部 (Mw=12,000,Mw/Mn=8.9,Tg=56℃,Tm=100℃) C.I.ピグメントブルー15 ……………………… 5.0重量部 C.I.ピグメントグリーン7 ……………………… 1.0重量部 ホウ素錯体 …………………………………………… 4.0重量部 低分子量ポリプロピレン …………………………… 5.0重量部 上記トナー組成物を従来の粉砕法によるトナー製造方法
にしたがって予備混合,溶融混練,粗粉砕,微粉砕した
ものを分級機で分級しトナーを作成した。このトナーの
軟化温度は100℃であり、平均粒子径が7.3μm と
なった。
【0034】(実施例1)比較例1にて得られたトナー
粒子を図1に示す瞬間表面加熱処理及び冷却処理を用い
て、50℃,100℃,200℃,300℃,400
℃,450℃の熱気流中で各々瞬間表面処理してトナー
粒子を得た。
【0035】以上の比較例1及び実施例1で得られたト
ナー粒子の物性及び評価結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】表1を見ると粉砕法で得られた比較例1の
トナーは流動性が低く、そのため重量帯電量も低い値を
示した。さらに、フィルミングテストでもブレード、現
像ロール双方にトナーが融着(フィルミング)した。ま
た、重量帯電量が低い値を示すことより、実印字におい
てもかぶりが多く発生してしまった。
【0038】一方、瞬間表面加熱処理を施した実施例の
トナーでは、処理温度が50℃の場合は熱処理の効果が
現れず、未処理の比較例のトナーとほぼ同じ結果を示し
たが、100℃〜400℃では処理温度の上昇と共に流
動性が向上し、その結果重量帯電量も向上した。従っ
て、実印字においても良好な、高画質画像が得られた。
さらに流動性が向上したため、フィルミングテストにお
いてもトナーの融着は観察されなかった。なお、処理温
度が450℃の場合は瞬間表面加熱処理を行う際に、熱
気流中でトナー粒子同士が融着してしまい、捕集できな
かった。
【0039】このように粉砕のみの不定形な形のトナー
粒子では流動性が小さいため、非磁性1成分トナーとし
て用いる際に、十分な重量帯電量が得られない、さらに
はブレード,現像ロールにおいてトナーの融着(フィル
ミング)が発生してしまう。さらに、そのトナー粒子を
本発明による瞬間表面加熱処理を施すことにより、粒子
形状を球形化し、流動性を向上できるため、十分な重量
帯電量が得られ、かつトナーのフィルミング発生も抑え
ることができた。
【0040】(実施例2) ビスフェノ−ルポリエステル樹脂 ………………… 100重量部 (Mw=12,000,Mw/Mn=8.9,Tg=56℃,Tm=100℃) 低分子量ポリプロピレン …………………………… 5.0重量部 上記組成物を実施例1と同様の従来の粉砕法によるトナ
ー製造方法にしたがって予備混合,溶融混練,粗粉砕,
微粉砕したものを分級機で分級し樹脂粒子を作成した。
この樹脂粒子の軟化温度は100℃であり、平均粒子径
が7.2μm となった。
【0041】さらにこの樹脂粒子と下に示した添加組成
物をヘンシェルミキサで室温で10000rpm にて5分
間混合し、トナー粒子混合物を得た。さらにそのトナー
粒子混合物を図1に示す瞬間表面加熱処理及び冷却処理
を用いて、実施例1と同様に50℃,100℃,200
℃,300℃,400℃,450℃の熱気流中で各々瞬
間表面処理してトナー粒子を得た。
【0042】 C.I.ピグメントブルー15 ……………………… 5.0重量部 C.I.ピグメントグリーン7 ……………………… 1.0重量部 ホウ素錯体 …………………………………………… 4.0重量部 実施例2で得られたトナー粒子の物性及び評価結果を表
2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】表2から、処理温度が50℃の場合は添加
組成物が樹脂粒子に十分固定化されていないため、さら
には粒子自身の形状が不定形な粉砕粒子のままであるた
め、流動性は低いままであり、その結果、重量帯電量も
低く実印字においてもかぶりが多く発生し、良好な画像
が得られなかった。
【0045】処理温度が100℃〜400℃では処理温
度の上昇と共に粒子自身の形状もより球形化し、かつ添
加組成物の樹脂粒子への固定化もより強固になり、流動
性・帯電性が向上した。その結果、実印字においても処
理温度が100℃の場合でわずかなかぶりの発生が観察
できたものの、それ以外は良好な画像を得ることができ
た。さらにフィルミングの発生もなかった。なお、処理
温度が450℃の場合は瞬間表面加熱処理を行う際に、
熱気流中でトナー粒子同士が融着してしまい、捕集でき
なかった。
【0046】(実施例3) スチレンモノマ ……………………………………… 90重量部 n−ブチルメタクリレート ………………………… 10重量部 低分子量ポリプロピレン …………………………… 5.0重量部 上記の重合性単量体組成物をホモミキサで分散混合して
単量体組成物を調整した。その後、2%ポリビニルアル
コール水溶液400ml中に上記単量体組成物112g
に対してアゾビスイソブチルニトリル1.56g を溶解
させ上記単量対組成物を加えた。その後、フラスコ内の
温度を70℃として8時間重合反応させた。
【0047】重合終了後室温まで冷却し、一晩放置後ろ
過,乾燥を行い樹脂粒子を得た。この樹脂粒子の軟化温
度は98℃であり、コールターカウンタで粒子径を測定
したところ、平均粒子径が7.5μm となった。
【0048】さらにこの樹脂粒子と下に示した添加組成
物を実施例2と同様にヘンシェルミキサにて室温で10
000rpm で5分間混合し、トナー粒子混合物を得た。
さらにそのトナー粒子混合物を図1に示す瞬間表面加熱
処理及び冷却処理を用いて、実施例1と同様に50℃,
100℃,200℃,300℃,400℃,450℃の
熱気流中で各々瞬間表面処理してトナー粒子を得た。
【0049】 C.I.ピグメントブルー15 ……………………… 5.0重量部 C.I.ピグメントグリーン7 ……………………… 1.0重量部 ホウ素錯体 …………………………………………… 4.0重量部 実施例3で得られたトナー粒子の物性及び評価結果を表
3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】表3から、実施例2と同様に処理温度が5
0℃の場合は添加組成物が樹脂粒子に十分固定化されて
いないため、流動性は低いままであり、その結果、重量
帯電量も低く実印字においてもかぶりが多く発生し、良
好な画像が得られなかった。処理温度が100℃〜40
0℃では処理温度の上昇と共に添加組成物の樹脂粒子へ
の固定化もより強固になり、流動性・帯電性が向上し
た。その結果、実印字においても処理温度が100℃の
場合でわずかなかぶりの発生が観察できたものの、それ
以外は良好な画像を得ることができた。さらにフィルミ
ングの発生もなかった。なお、処理温度が450℃の場
合は瞬間表面加熱処理を行う際に、熱気流中でトナー粒
子同士が融着してしまい、捕集できなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明の、少なくとも熱可塑性樹脂から
なる所定の粒径範囲の粒子を作成する手段と、熱可塑性
粒子と添加剤とを混合する手段と、熱可塑性樹脂の軟化
温度Sp+0℃〜+300℃の温度範囲の雰囲気中で非
接触で熱可塑性粒子と添加剤の混合物を瞬間加熱する手
段と、加熱処理された混合物を冷却・捕集する手段を有
する表面処理方法を用いて、熱可塑性樹脂粒子あるいは
トナー粒子表面を瞬間的に高温雰囲気中に曝すことによ
りトナー粒子表面を一旦溶融させ、その表面張力によ
り、冷却時に形状を球形化することができる。さらにそ
の際流動化剤,着色剤,帯電制御剤などを添加すること
により、それら添加剤を熱可塑性樹脂粒子あるいはトナ
ー粒子表面に均一に強固に付着させることができる。
【0053】従って、従来の粉砕法・湿式法などと比較
してより迅速に、細かな流動性・帯電性の制御が可能と
なり、トナーの信頼性,寿命の向上が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における瞬間表面加熱処理装置のブロッ
ク図。
【図2】本発明により得られたトナー粒子の評価に用い
た非磁性1成分現像機の説明図。
【図3】本発明により得られたトナー粒子の評価に用い
たカラープリンタの説明図。
【符号の説明】
1…熱風発生装置、2…導入管、3…熱風噴射ノズル、
4…試料、5…定量供給装置、6…導入管、7…試料噴
射ノズル、8…熱気流、9…試料粒子、10…試料導入
フード、11…導入管、12…外気、13…サイクロ
ン、14…捕集瓶。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂を含む所定の粒径範囲の粒子
    を作成する手段と、前記熱可塑性粒子と添加剤とを混合
    する手段と、前記熱可塑性樹脂の軟化温度Sp+0℃〜
    +300℃の温度範囲の雰囲気中で非接触で前記熱可塑
    性粒子と前記添加剤の混合物を瞬間加熱する手段と、加
    熱処理された前記混合物を冷却・捕集する手段を有する
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂を含む所定の粒径範囲の粒子
    を作成する手段が、構成材料の混合・溶融混練・粉砕・
    分級の各工程からなる粉砕法による粒子作成手段である
    請求項1に記載の熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂を含む所定の粒径範囲の粒子
    を作成する手段が、構成材料を溶媒中に溶解した後懸濁
    造粒する湿式造粒法による粒子作成手段である請求項1
    に記載の熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性粒子と混合する添加剤が、着
    色能力を持つ物質,帯電制御能力を持つ物質,流動性の
    制御能力を持つ物質,磁力を持つ物質の4種の物質のう
    ち少なくとも1種を含む請求項1,2または3に記載の
    熱可塑性樹脂粒子の表面処理方法。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性粒子中に着色能力を持つ物
    質,帯電制御能力を持つ物質,流動性の制御能力を持つ
    物質,磁力を持つ物質の4種の物質のうち少なくとも1
    種を含む請求項1,2,3または4に記載の熱可塑性樹
    脂粒子の表面処理方法。
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