JPH10106494A - 水銀蒸気放電灯用蛍光体 - Google Patents

水銀蒸気放電灯用蛍光体

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JPH10106494A
JPH10106494A JP25412096A JP25412096A JPH10106494A JP H10106494 A JPH10106494 A JP H10106494A JP 25412096 A JP25412096 A JP 25412096A JP 25412096 A JP25412096 A JP 25412096A JP H10106494 A JPH10106494 A JP H10106494A
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phosphor
electronegativity
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JP25412096A
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Toshifumi Kondo
利文 近藤
Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
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Matsushita Electronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期輝度の低下を伴うことなく、長時間点灯
後の輝度の低下を低減する水銀蒸気放電灯用蛍光体を提
供すること。 【解決手段】 電気陰性度が1.4以下の元素の群から
選ばれる少なくとも1種の元素とケイ素とを含む化合物
で構成される表面処理物質を蛍光体粒子表面に有する。
ケイ素に代えてリンまたはホウ素を用いてもよい。ま
た、化合物として、ケイ酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩を用
いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水銀蒸気放電灯用
蛍光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光ランプに代表される水銀蒸気
放電灯に使用される蛍光体には、一般的に表面処理が施
されていなかった。これは、蛍光放電管の蛍光膜には、
通常種々の表面処理を施した蛍光体が用いられるカラー
ブラウン管の蛍光膜ほどの高い性能が要求されていなか
ったからである。
【0003】しかしながら、従来の蛍光放電管の蛍光膜
の性能が必ずしも充分満足できるものであったわけでは
ない。例えば、一般照明用として数多く用いられている
蛍光ランプにおいては、点灯時間の経過に伴い光束が低
下するという問題点がある。この光束低下の原因の1つ
に、蛍光被膜を構成する蛍光体自体の劣化がある。
【0004】このため、蛍光体の劣化に起因する光束低
下を防止できる技術の出現が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水銀蒸気放電灯用蛍光
体の劣化原因としては、以下の2つの要因が考えられて
いる。
【0006】その1つは、水銀より発せられる185
[nm]の紫外線による劣化である。一般に、低負荷と
いわれる蛍光ランプにおいては、水銀から発せられる紫
外線の大半は254[nm]の紫外線であるが、約10
%程度は185[nm]の紫外線が含まれている。高負
荷といわれる蛍光ランプにおいては、185[nm]の
紫外線の割合は低負荷蛍光ランプより大きくなる。この
185[nm]の紫外線が蛍光体を劣化させる性質があ
るといわれている。
【0007】もう1つは蛍光体に水銀が付着することに
よる蛍光体の劣化である。蛍光体に水銀が付着するの
は、蛍光体と水銀との間で電気的な吸引力が発生して両
者が引き合うためと考えられている。水銀が蛍光体に付
着すると、蛍光体を変質、変色させて蛍光体を劣化させ
る。
【0008】そこで、本発明は、波長185[nm]の
紫外線による劣化を抑制し、蛍光体への水銀の付着をも
抑制できる蛍光体を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】すなわち、本発明は蛍光ランプにおいて、
点灯時間の経過に伴う光束の低下を低減する蛍光体を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、蛍光体粒子表面に、電気陰性度が1.4以
下の元素の群から選ばれる少なくとも1種の元素とケイ
素とを含む化合物、電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素とリンとを含む化合
物、または電気陰性度が1.4以下の元素の群から選ば
れる少なくとも1種の元素とホウ素とを含む化合物のい
ずれかを表面処理物質として有するように構成したもの
である。
【0011】これらの表面処理物質は、蛍光体を励起す
るのに有効な254[nm]の紫外線を効率よく透過す
るとともに、蛍光体を劣化させる原因となる185[n
m]の紫外線を吸収または反射する。したがって、蛍光
体が185[nm]の紫外線に被曝する量が低減され、
蛍光体の185[nm]の紫外線による劣化を低減する
ことができる。
【0012】また、表面処理物質は蛍光体粒子の表面に
付着しているため、蛍光体と水銀の接触を防止し、蛍光
体と水銀との反応を抑制する。しかも、表面処理物質を
構成する電気陰性度が1.4以下の物質は、電気的に水
銀を反発して、水銀が付着しにくい性質を有しているの
で、表面処理物質への水銀の付着も防止することができ
る。したがって、蛍光体層への水銀の付着による劣化を
低減することができる。
【0013】これにより、蛍光ランプにおいて、点灯時
間の経過に伴う光束の低下を低減することができる蛍光
体を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、電気陰性度とは
Paulingの電気陰性度で定義される値をいい、電
気陰性度が1.4以下の元素としては、以下のようなも
のが挙げられる(以下、e.n.は、electro−
negativity=電気陰性度を表す。)。
【0015】Cs(e.n.=0.7)、Ba(e.
n.=0.9)、La(e.n.=0.9)、Rb
(e.n.=0.8)、Sr(e.n.=1.0)、Y
(e.n.=0.9)、Ce(e.n.=1.1)、
Nd(e.n.=1.1)、Sm(e.n.=1.
2)、Gd(e.n.=1.2)、Dy(e.n.=
1.2)、Ca(e.n.=1.0)、Sc(e.n.
=1.3)、Mg(e.n.=1.2)。
【0016】本発明において、電気陰性度が1.4以下
の元素の群から選ばれる少なくとも1種の元素とケイ素
とを含む化合物としては、以下の(a)〜(d)が挙げ
られる。
【0017】(a)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と少なくと
も1種のケイ素の酸化物との混合物。
【0018】酸化物の具体例としては、CsO、Ba
O、La23、Y23、Sm23、Dy23、CaO等
が挙げられる。また、これらの酸化物の混合物であって
もよい。ケイ素の酸化物としてはSiO2が挙げられ
る。
【0019】(b)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と少なくと
も1種のケイ素の酸化物との複合酸化物。
【0020】複合酸化物の具体例としては、Y23・S
iO2、BaO・2SiO2、2SrO・3SiO2、C
aO・SiO2等がある。
【0021】(c)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素のケイ酸塩。
【0022】ケイ酸塩の具体例としては、Sr2Si
3、CaSiO3、BaSiO3、Y2SiO5等が挙げ
られる。
【0023】(d)上記(a)〜(c)の少なくとも2
つを含む混合物。次に、電気陰性度が1.4以下の元素
の群から選ばれる少なくとも1種の元素とリンとを含む
化合物としては、以下の(e)〜(h)が挙げられる。
【0024】(e)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と少なくと
も1種のリンの酸化物との混合物。
【0025】リンの酸化物の具体例としてはP25等が
挙げられる。(f)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と少なくと
も1種のリンの酸化物との複合酸化物。
【0026】複合酸化物の具体例としては、2BaO・
25、2SrO・P25等が挙げられる。
【0027】(g)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素のリン酸塩。
【0028】リン酸塩の具体例としては、Sr2
27、Ca3(PO42、Ba227、LaPO4等が
挙げられる。
【0029】(h)上記(e)〜(g)の少なくとも2
つを含む混合物。次に、電気陰性度が1.4以下の元素
の群から選ばれる少なくとも1種の元素とホウ素とを含
む化合物としては、以下の(i)〜(l)が挙げられ
る。
【0030】(i)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と少なくと
も1種のホウ素の酸化物との混合物。
【0031】ホウ素の酸化物の具体例としてはB23
が挙げられる。 (j)電気陰性度が1.4以下の元素の群から選ばれる
少なくとも1種の元素の酸化物と少なくとも1種のホウ
素の酸化物との複合酸化物。
【0032】複合酸化物の具体例としては、BaO・2
23、SrO・3B23等が挙げられる。
【0033】(k)電気陰性度が1.4以下の元素の群
から選ばれる少なくとも1種の元素のホウ酸塩。
【0034】ホウ酸塩の具体例としては、SrB
610、BaB47等が挙げられる。 (l)上記(i)〜(l)の少なくとも2つを含む混合
物。
【0035】次に、蛍光体としては、水銀蒸気放電の蛍
光放電管に使用される蛍光体であれば特に制限はない。
蛍光体の具体的な例としては、以下のようなものを挙げ
ることができる。
【0036】3Ca3(PO42・Ca(F,Cl):
Sb3+,Mn2+23:Eu3+ 3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+ LaPO4:Ce3+,Tb3+ CeMgAl1119:Tb3+ (Ba,Ca,Mg)10(PO46Cl2:Eu2+ BaMgAl1017:Eu2+ 以上に示した具体例はあくまでも一例であり、なんらこ
れらに限定されるものではない。
【0037】なお、表面処理物質は、蛍光体に対して、
約5×10-4〜5.0[重量%]の範囲で蛍光体に付着
させることが、蛍光体の輝度を損なわず、かつ輝度低下
を防止できるという観点から好ましい。
【0038】次に、本発明の表面処理物質付着蛍光体の
製造方法の一例について説明する。まず、所望組成の蛍
光体粉末を溶媒中に加えかくはんし、この懸濁溶液中に
電気陰性度が1.4以下の元素の群から選ばれる少なく
とも1種の元素を含む溶液とケイ素、あるいはリン、ま
たはホウ素を含む溶液を加えかくはんする。この後溶媒
成分を除去し、必要に応じて加熱処理を行う。
【0039】ここで、表面処理物質の付着量は、蛍光体
量、加える溶液の量、濃度等によって調整することがで
きる。
【0040】蛍光体粉末を加える溶媒としては、水、エ
チルアルコール等を用いることができる。
【0041】電気陰性度が1.4以下の元素の群から選
ばれる少なくとも1種の元素を含む溶液としては、電気
陰性度が1.4以下の元素の群から選ばれる少なくとも
1種の元素を含む塩を溶媒に溶解したものや、金属アル
コキシド等を用いることができる。具体例としては、塩
化バリウム(BaCl2)の水溶液、Sr(OCH3)2
を挙げることができる。
【0042】ケイ素を含む溶液としては、ケイ酸塩を溶
媒に溶解したもの等を用いることができる。具体例とし
ては、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)の水溶液等を
挙げることができる。
【0043】リンを含む溶液としては、リン酸塩を溶媒
に溶解したもの等を用いることができる。具体例として
は、ピロリン酸カリウム(K427)の水溶液等を挙
げることができる。
【0044】ホウ素を含む溶液としては、ホウ酸塩を溶
媒に溶解したもの等を用いることができる。具体例とし
ては、四ホウ酸カリウム(K247)の水溶液等を挙
げることができる。
【0045】加熱処理は、1000[℃]以下の温度
で、空気雰囲気下または、還元性ガス雰囲気下で行うの
が好ましい。
【0046】このようにして得られた本発明の蛍光体を
用いた水銀蒸気放電灯は、従来の蛍光体を用いた水銀蒸
気放電灯に対して同等以上の初期輝度を有し、かつ長時
間点灯後の輝度劣化の小さいものである。
【0047】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0048】(実施例1)まず、LaPO4:Ce3+
Tb3+蛍光体100[g]を、1[l]の水の中に加え
かくはんした。この蛍光体懸濁液中に、1.6[g]の
ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)を500[ml]の
水に溶解した溶液を加えてかくはんし、さらにかくはん
を続けながら、2.6[g]の塩化バリウム(BaCl
2)を500[ml]の水にに溶解した溶液を加えた。
この後、吸引ろ過により溶媒である水を除去し95
[℃]の熱水で洗浄後乾燥した。次いで、500[℃]
空気雰囲気中で30分間熱処理を行い本発明の表面処理
蛍光体を得た。この時の蛍光体粒子表面への付着物質
は、ケイ素とバリウムを含む化合物で構成されており、
付着量は蛍光体に対して0.5[重量%]であった。
【0049】上記表面処理蛍光体を300メッシュのふ
るいでふるい分けた後、この蛍光体を用いて直管型40
[W]緑色蛍光ランプを作製した。
【0050】より具体的には、前記表面処理蛍光体を水
等の溶媒に分散し分散液とし、この分散液を管径32.
5[mm]、長さ1198[mm]のガラス管バルブ内
面に塗布し焼き付けを行った。次に得られたガラス管の
両端に電極を設け排気を行い少量の水銀とアルゴンガス
を封入後封止して口金を取り付けることによって蛍光ラ
ンプを得た。なお、ガラス管バルブへの表面処理蛍光体
の付着量は4.0[mg]とした。
【0051】(比較例1−1)実施例1の塩化バリウム
の代わりに塩化亜鉛(ZnCl2)1.7[g]を用い
た以外は、実施例1と同様な方法で表面処理蛍光体を作
製した。この時の表面処理物質はケイ素と亜鉛(e.
n.=1.6)を含む化合物で構成されており、その付
着量は蛍光体に対して0.5[重量%]であった。
【0052】この表面処理蛍光体を用いて、実施例1と
同様にして直管型40[W]緑色蛍光ランプを作製し
た。
【0053】(比較例1−2)蛍光体として表面処理を
していないLaPO4:Ce3+,Tb3+蛍光体を用いて
実施例1と同様にして直管型40[W]緑色蛍光ランプ
を作製した。
【0054】(実施例1)、(比較例1−1)、(比較
例1−2)の各々の蛍光ランプについて100時間点灯
後及び、1000時間点灯後の光束を測定した。結果を
光束維持率とともに表1に示す。
【0055】ここで、光束維持率とは下記に示す値であ
る。 光束維持率[%]=1000時間点灯後光束/100時
間点灯後光束×100
【0056】
【表1】
【0057】(実施例2)まず、Y23:Eu3+蛍光体
100[g]を1[l]の水の中に加えかくはんした。
この蛍光体懸濁液中にピロリン酸カリウム(K427)
2.1[g]を水500[ml]中に溶解した溶液に加
えかくはんし、さらにかくはんを続けながら酸化イット
リウム(Y23)1.9[g]を硝酸酸性水500[m
l]中に溶解した溶液を加えた。この後、吸引ろ過によ
り溶媒である水を除去し95[℃]の熱水で洗浄後乾燥
した。次いで、500[℃]空気雰囲気中で30分間熱
処理を行い本発明の表面処理蛍光体を得た。この時の蛍
光体粒子表面への付着物質は、リンとイットリウムを含
む化合物で構成されており、付着量は蛍光体に対して
1.0[重量%]であった。
【0058】上記表面処理蛍光体を300メッシュのふ
るいでふるい分けた後、この蛍光体を用い実施例1と同
様にして直管型40[W]赤色蛍光ランプを作製した。
【0059】(比較例2−1)実施例2の酸化イットリ
ウムの代わりに塩化アルミニウム(AlCl3)3.3
[g]を用いた以外は実施例2と同様な方法で表面処理
蛍光体を作製した。この時の表面処理物質はリンとアル
ミニウム(e.n.=1.5)を含む化合物で構成され
ており、その付着量は蛍光体に対して1.0[重量%]
であった。
【0060】この表面処理蛍光体を用いて、実施例1と
同様にして直管型40[W]赤色蛍光ランプを作製し
た。
【0061】(比較例2−2)蛍光体として表面処理を
していないY23:Eu3+蛍光体を用いて実施例1と同
様にして直管型40[W]赤色蛍光ランプを作製した。
【0062】(実施例2)、(比較例2−1)、(比較
例2−2)の蛍光ランプについて100時間点灯後及
び、1000時間点灯後の光束を測定した。結果を光束
維持率とともに表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】(実施例3)まず、BaMgAl1017
Eu2+蛍光体100[g]を1[l]の水の中に加えか
くはんした。この蛍光体懸濁液中に四ホウ酸カリウム
(K247)0.58[g]を水500[ml]中に
溶解した溶液に加えかくはんし、さらにかくはんを続け
ながら塩化セリウム(CeCl2)0.53[g]を水
500[ml]中に溶解した溶液を加えた。この後、吸
引ろ過により溶媒である水を除去し95[℃]の熱水で
洗浄後乾燥した。次いで、500[℃]空気雰囲気中で
30分間熱処理を行い本発明の表面処理蛍光体を得た。
この時の蛍光体粒子表面への付着物質は、ホウ素とセリ
ウムを含む化合物で構成されており、付着量は蛍光体に
対して0.05[重量%]であった。
【0065】上記表面処理蛍光体を300メッシュのふ
るいでふるい分けた後、この蛍光体を用い実施例1と同
様にして直管型40[W]青色蛍光ランプを作製した。
【0066】(比較例3−1)実施例3の塩化セリウム
の代わりに塩化マンガン(MnCl2)0.62[g]
を用いた以外は実施例3と同様な方法で表面処理蛍光体
を作製した。この時の表面処理物質はホウ素とマンガン
(e.n.=1.6)を含む化合物で構成されており、
その付着量は蛍光体に対して0.05[重量%]であっ
た。
【0067】この表面処理蛍光体を用いて、実施例1と
同様にして直管型40[W]青色蛍光ランプを作製し
た。
【0068】(比較例3−2)蛍光体として表面処理を
していないBaMgAl1017:Eu2+蛍光体を用いて
実施例1と同様にして直管型40[W]青色蛍光ランプ
を作製した。
【0069】(実施例3)、(比較例3−1)、(比較
例3−2)の蛍光ランプについて100時間点灯後及
び、1000時間点灯後の光束を測定した。結果を光束
維持率とともに表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】表1〜表3において、(実施例1)、(実
施例2)および(実施例3)は、本発明の蛍光体の特性
を示すものであり、(比較例1−1)、(比較例2−
1)および(比較例3−1)は、本発明の請求項の要件
から外れる表面処理蛍光体の特性を示すものである。ま
た、(比較例1−2)、(比較例2−2)および(比較
例3−2)は、従来例の蛍光体の特性を示すものであ
る。
【0072】以上に示した実施例及び比較例の結果から
明らかなように、本発明の蛍光体は、従来の蛍光体に対
して同等以上の初期輝度(100時間点灯後)を有し、
かつ長時間点灯後の輝度劣化の小さいものである。
【0073】ここで、本発明の蛍光体を用いた蛍光ラン
プが、従来の蛍光体を用いた蛍光ランプに対して初期の
光束が同等以上の値を示すのは、以下の効果によるもの
である。
【0074】第1に、初期光束を100時間点灯後の光
束としているため、0時間から100時間点灯までの光
束の劣化が本発明の蛍光体の方が小さいためである。
【0075】第2に、蛍光体をガラスバルブに塗布する
際の塗布性が、本発明の蛍光体の方がよいこと、すなわ
ち、蛍光体に表面処理物質を付着することにより蛍光体
の塗布状態がよくなったためである。
【0076】なお、以上に示した実施例は、本発明のほ
んの一例を示したに過ぎず、他の蛍光体、他の電気陰性
度が1.4以下の元素についても同様に実施可能であ
る。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明の水銀蒸気放電灯用
蛍光体は、電気陰性度が1.4以下の元素の群から選ば
れる元素と、ケイ素、リン、ホウ素の内から選ばれる少
なくとも1つの元素とを含む化合物で構成される表面処
理物質を蛍光体粒子表面に有するという特徴を持ち、本
発明によれば、水銀蒸気放電灯において、初期光束の低
下を伴うことなく点灯時間の経過に伴う光束の低下を低
減することができる蛍光体を得ることができるという有
利な効果が得られる。
【0078】このように本発明は工業的価値の大なるも
のである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気陰性度が1.4以下の元素の群から
    選ばれる少なくとも1種の元素とケイ素とを含む化合物
    で構成される表面処理物質を蛍光体粒子表面に有するこ
    とを特徴とする水銀蒸気放電灯用蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記化合物がケイ酸塩であることを特徴
    とする請求項1に記載の水銀蒸気放電灯用蛍光体。
  3. 【請求項3】 電気陰性度が1.4以下の元素の群から
    選ばれる少なくとも1種の元素とリンとを含む化合物で
    構成される表面処理物質を蛍光体粒子表面に有すること
    を特徴とする水銀蒸気放電灯用蛍光体。
  4. 【請求項4】 前記化合物がリン酸塩であることを特徴
    とする請求項3に記載の水銀蒸気放電灯用蛍光体。
  5. 【請求項5】 電気陰性度が1.4以下の元素の群から
    選ばれる少なくとも1種の元素とホウ素とを含む化合物
    で構成される表面処理物質を蛍光体粒子表面に有するこ
    とを特徴とする水銀蒸気放電灯用蛍光体。
  6. 【請求項6】 前記化合物がホウ酸塩であることを特徴
    とする請求項5に記載の水銀蒸気放電灯用蛍光体。
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