JPH10103745A - 温熱環境検出装置 - Google Patents

温熱環境検出装置

Info

Publication number
JPH10103745A
JPH10103745A JP8260545A JP26054596A JPH10103745A JP H10103745 A JPH10103745 A JP H10103745A JP 8260545 A JP8260545 A JP 8260545A JP 26054596 A JP26054596 A JP 26054596A JP H10103745 A JPH10103745 A JP H10103745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
thermal environment
temperature
airflow
base portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8260545A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Ishiguro
義昭 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP8260545A priority Critical patent/JPH10103745A/ja
Publication of JPH10103745A publication Critical patent/JPH10103745A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置場所が制限されずかつ高精度のPMV値
を得ることができる温熱環境検出装置を提案する。 【解決手段】 温度センサ、気流センサ、湿度センサ及
び輻射熱センサを有し、これらの各センサから得られる
検出結果に基づいて温熱環境の指標であるPMV値を検
出する温熱環境検出装置において、各センサを同一のユ
ニットに配置すると共に、各センサを互いに干渉しない
位置に配置するようにしたことにより、各センサを同一
のユニットに配置したので小型でかつ設置が容易な温熱
環境検出装置の温熱環境検出ユニットを実現でき、加え
て各センサを互いに干渉しない位置に配置したので各セ
ンサの温熱環境を良好に反映した検出結果を得ることが
できることにより高精度のPMV値を得ることができる
ようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温熱環境検出装置に
関し、例えば室内の温熱環境情報を検出して室内の環境
を最適に維持する空調装置に適用し得る。
【0002】
【従来の技術】従来、室内環境の快適さを示す予測平均
温感PMV(Predicted Mean Vote )を求め、当該PM
Vに基づいてエアコン等の空調設備を制御することによ
り、室内環境を最適に維持する空調装置がある。この種
の空調装置では、PMV値を求めるために室内の気温、
輻射熱、気流、湿度を計測する必要がある。ここでこの
室内の気温、輻射熱、気流、湿度を計測するために温熱
環境検出装置が用いられている。
【0003】この温熱環境検出装置としては、例えば図
8に示すようなものがある。温熱環境検出装置1は三脚
2によって装置本体が支持されている。装置本体には湿
度センサ3、輻射センサ4、気温センサ5及び気流セン
サ6の各センサ類と、当該各センサから得られた検出結
果に基づいてPMV値を算出する演算部や表示部7及び
操作部8を備えたコンピュータ9とが設けられている。
【0004】このPMV値を求める際、コンピュータ9
内の演算部は気温、輻射温度及び気流に基づいて体感温
度を算出し、当該体感温度と湿度と着衣量と活動量とに
基づいてPMV値を算出する。具体的には、体感温度
[℃]をteq、活動量〔met〕をMet、着衣量〔clo〕をIc
l、水蒸気圧〔pa〕をpa、気温[℃]をta、湿度をRH、皮
膚表面温度[℃]をtskとしたとき、PMV値は次式、 PMV={0.303×exp(-0.036×Met×58.15)+0.028}× 〔10.29+49.52×Met−0.78×tsk+0.0814×Met×ta +(0.407+0.133×Met)×RH×pa×0.01 −0.42×(Met−1)−{8.996/(1+1.466×Icl)} ……(1) ×(tsk−teq)〕 但し、tsk=35.7−0.0275×Met×58.15により求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示すような従来の温熱環境検出装置1においては、図か
らも明らかなように、装置全体が大型であるため設置個
所が制約される欠点があった。因みに温熱環境検出装置
1は主に室内の温熱環境を一時的に測定するために用い
られるものであり、室内に常時設置されて空調設備を制
御するものではない。
【0006】これに対して従来、図9に示すような温熱
環境検出ユニット10が特開平5-187693号公報で提案さ
れている。ここで温熱環境検出ユニット10はセンサ部
11、操作部12及び表示部13から構成されており、
全体として非常にコンパクトな構成とされている。これ
により温熱環境検出ユニット10は例えば室内の壁面等
にも設置可能とされ、設置場所の制約を受けにくい構成
とされている。
【0007】ここでセンサ部11は熱抵抗体とその内部
に加熱源を有する構成からなる検出素子(制御素子)が
温熱環境中に配置され、加熱源により熱抵抗体の表面又
は内部の温度を一定に保ちながら前記検出素子から放散
する放散熱量に相当する信号を検出し或いは前記加熱源
から発生する熱量を一定に保ちながら前記熱抵抗体の表
面若しくは内部の温度に相当する信号を検出し、これら
の検出された信号のいずれかによって空調装置を動作さ
せ検出信号が一定となるように温熱環境を制御するよう
にしたものである。
【0008】具体的には、センサ部11は、図10に示
すように構成されている。すなわち体感温度演算回路1
5から表面温度制御部16に表面温度設定値S1が送出
され、表面温度制御部16は当該表面温度設定値S1に
応じたヒータ電流出力S2を検出部17のヒータ18に
出力する。また表面温度制御部16にはヒータ18の近
傍に設けられた表面温度検出部19によって検出された
表面温度検出値S3が入力され、表面温度制御部16は
当該表面温度検出値S3が表面温度設定値S1と等しく
なるようなヒータ電流出力S2を出力する。
【0009】そして当該ヒータ電流出力S2が体感温度
演算部15に供給されると共に、体感温度演算部15に
は気温情報S4が供給される。体感温度演算部15はヒ
ータ電流出力S2と気温情報とに基づいて体感温度S5
を算出し、これを空調装置の制御部に送出する。
【0010】しかしながら、この温熱環境検出ユニット
10による処理は、一言でいうと、PMV値に近似した
値として体感温度S5を求めるものであり、基本的には
PMV値に近似した値が得られるが、実際には輻射温
度、気温、湿度、風速の何れかが変化すればこれに対応
してすぐに変化するPMV値に比べ、温度センサ一つで
体感温度に近づけるような構成のため、例えば図8に示
した温熱環境検出装置1と比較すると急激な変化に対し
実際のPMV値とは離れた検出結果となる。
【0011】このように図8に示すような温熱環境検出
装置1においては、高精度のPMV値を検出できる一方
設置場所が制約されるという欠点があり、これに対して
図9に示すような温熱環境検出ユニット10において
は、設置場所の制約は受けない一方PMV値として検出
されないこと及び急激な変化に対し応答が悪い欠点があ
った。
【0012】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、設置場所が制限されずかつ高精度のPMV値を得る
ことができる温熱環境検出装置を提案しようとするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明により成された請求項1に記載の温熱環境検出
装置は、温度センサ、気流センサ、湿度センサ及び輻射
熱センサを有し、これらの各センサから得られる検出結
果に基づいて温熱環境の指標であるPMV値を検出する
温熱環境検出装置において、各センサを同一のユニット
に配置すると共に、各センサを互いに干渉しない位置に
配置するようにした。
【0014】以上の構成において、各センサを同一のユ
ニットに配置したので小型でかつ設置が容易な温熱環境
検出装置の温熱環境検出ユニットを実現でき、加えて各
センサを互いに干渉しない位置に配置したので各センサ
の温熱環境を良好に反映した検出結果を得ることができ
ることにより高精度のPMV値を得ることができるよう
になる。因みに各センサを同一のユニットに無闇に配置
したのでは、例えばあるセンサから発生した熱により他
のセンサが悪影響を受けて良好な検出結果を得ることが
できなくなる。
【0015】また請求項2に記載の温熱環境検出装置
は、請求項1の構成に加えて、ユニットを多段構成と
し、温度センサ及び気流センサを同一の段部上でかつ気
流センサからの発熱が温度センサに悪影響を及ぼさない
だけ離れた位置に配置し、湿度センサを温度センサ及び
気流センサが配置された段部とは異なる段部に配置し、
輻射熱センサを温度センサ及び気流センサが配置された
段部や湿度センサが配置された段部とは異なる段部に配
置するようにした。
【0016】以上の構成において、各センサはそれぞれ
異なる段部に配置されているので、他のセンサから発生
した熱による影響を受けにくく、良好な検出結果を得る
ことができるようになる。
【0017】また請求項3に記載の温熱環境検出装置
は、請求項2の構成に加えて、温度センサ及び気流セン
サが配置された段部と、湿度センサが配置された段部
と、輻射熱センサが配置された段部とをそれぞれ断熱部
材により断熱するようにした。
【0018】以上の構成において、各センサが断熱部材
により遮断されるようになるので、他のセンサから発生
した熱による影響を一段と受けにくくなり、この結果一
段と良好な検出結果を得ることができるようになる。
【0019】また請求項4に記載の温熱環境検出装置
は、請求項1の構成に加えて、ユニットは、外形が円柱
形状の第1の基台部と、外形が第1の基台部の半径より
も半径が小さな円柱形状でなり、その中心位置が第1の
基台部の中心位置と一致するように第1の基台部の上面
に形成された第2の基台部とを有し、温度センサ及び気
流センサは、第1の基台部の上面でかつ気流センサから
の発熱が温度センサに悪影響を及ぼさないだけ離れた位
置に配置され、湿度センサは、第1の基台部内に形成さ
れた中空部に配置され、輻射熱センサは、第2の基台部
の上面に配置されるようにした。
【0020】以上の構成において、各センサを互いに干
渉し合うことのない小さなユニット空間内に配置できる
ようになる。
【0021】また請求項5に記載の温熱環境検出装置
は、請求項4の構成に加えて、第2の基台部は断熱部材
により形成するようにした。
【0022】以上の構成において、輻射熱センサから発
生する熱が温度センサに伝わり難くなり、また気流セン
サや湿度センサから発生した熱が輻射センサに伝わり難
くなる。
【0023】また請求項6に記載の温熱環境検出装置
は、請求項4又は請求項5の構成に加えて、温度センサ
及び気流センサは、湿度センサが配置された第1の基台
部の半部に対して、第1の基台部の他方の半部の上面に
配置するようにした。
【0024】以上の構成において、湿度センサから発生
する熱が温度センサ及び気流センサに伝わり難くなる。
【0025】また請求項7に記載の温熱環境検出装置
は、請求項4、請求項5又は請求項6の構成に加えて、
第1の基台部の上面に複数の気流センサを設けるように
した。
【0026】以上の構成において、第2の基台部の影響
によって風向が変化すると各々の気流センサからは異な
るセンサ出力が得られるようになるので、この複数のセ
ンサ出力に基づいて気流速度に加えて風向も検出できる
ようになる。
【0027】さらに請求項8に記載の温熱環境検出装置
は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
5、請求項6又は請求項7の構成に加えて、輻射熱セン
サを覆う外殻をユニットが取り付けられる環境に適合し
た色に着色するようにした。
【0028】以上の構成において、外殻をユニットが取
り付けられる環境に適合した色に着色したので、各セン
サが設けられたユニットを環境中で目立たせることなく
設置できるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の具体
例を図面を参照して説明する。図1及び図2において、
30は全体として実施の形態の温熱環境検出ユニットを
示し、外形が円柱形状の第1の基台部31と、外形が第
1の基台部31の半径よりも半径が小さな円柱形状でな
り、その中心位置が第1の基台部31の中心位置と一致
するように第1の基台部31の上面に形成された第2の
基台部32とを有する。
【0030】第1の基台部31の上面には気流センサ3
3、34及び温度センサ35が所定の間隔をもって配設
されている。なお2つの気流センサ33、34のうち、
気流センサ33は気流センサ34を温度補償するための
温度補償用のセンサである。
【0031】ここで気流センサ33、34は自己加熱式
のサーミスタ構成となっており、サーミスタを自己加熱
させたときの抵抗値の変化を監視することにより気流速
度を検出する。すなわち気流速度が大きくなるほどサー
ミスタの温度は低くなるのでその熱抵抗は小さくなり、
サーミスタを流れる電流値は大きくなる。従って気流速
度と電流値は比例関係にあるので、電流値に基づいて気
流速度を求めることができる。
【0032】また温度センサ35は、温度検出素子とし
て、温度とともに抵抗値が変化しかつ負の抵抗温度係数
をもつセラミック半導体が用いられ、当該セラミック半
導体がガラスコートされている。そしてガラスコートさ
れたセラミック半導体が先端にステンレス管を持つチュ
ーブ内に埋め込まれている。
【0033】第2の基台部32の上面には輻射センサ部
36が設けられている。輻射センサ部36は、図2に示
すように、半球状の外殻37内の中空部に輻射センサ3
8が収納されている。輻射センサ部36は雰囲気(床、
天井、壁、人間など)から輻射される赤外線を外殻37
で吸収し、この結果赤外線量に応じて上昇する中空部内
の温度を輻射センサ38によって検出することにより、
輻射温度を検出するようになっている。
【0034】ここでこの実施形態の場合、外殻37はア
ルミ製のケースの表面にアイボリー色のアクリル樹脂が
塗布されて構成されており、これにより室内の壁面等に
設置された場合例えば外殻37の表面の色を黒色等にし
た場合と比較して室内の環境と適合し、目立たずに室内
に設置することができる。なお輻射センサ38は上述し
た温度センサ35と同様にセラミック半導体がガラスコ
ートされたものが用いられている。
【0035】因みに、図9に示すような従来の温熱環境
検出装置1では、輻射センサ部を構成するグローブ球は
赤外線放射率を考慮して黒色とされており、室内に配置
した場合に非常に目立ってしまうという欠点があった。
なおこの実施形態のように、輻射センサ部36の外殻3
7をアイボリー色とした場合でも後述するように、外殻
37を黒色とする場合と比較して同等の輻射温度が得ら
れることが実験により分かった。
【0036】第1の基台部31内の中空部には湿度セン
サ39が設けられている。湿度センサ39は自己加熱サ
ーミスタ式絶対湿度センサ構成でなる。その原理は、先
ずサーミスタに電流を流すことによりサーミスタを周囲
温度よりも高い加熱状態にする。ここで約200[℃]に
自己加熱したサーミスタの温度は周囲の気体の熱伝導率
によって熱の放散状態が変化し、抵抗値もこれに応じて
変化する。すなわち水蒸気と乾燥空気の熱伝導率は違う
ので乾燥空気中の水蒸気の量によって熱伝導率が変化す
るので、湿度によってサーミスタの自己加熱温度が変化
する。そこでこの自己加熱温度の変化に伴ってサーミス
タの抵抗値が変化するので湿度に応じた電気信号を得る
ことができるようになる。なお、第1の基台部31の表
面は、温度センサ39が設けられた中空部内の湿度が外
部の湿度と同じになるように一部切り欠かれている(図
示せず)。
【0037】気流センサ33、34、温度センサ35、
輻射センサ38、湿度センサ39が第1の基台部31内
に設けられた回路基板40に電気的に接続されており、
回路基板40に設けられた増幅回路(図示せず)により
各センサ出力が増幅されて空調装置を制御する制御部
(図示せず)に送出される。
【0038】因みにこの実施形態の温熱環境検出ユニッ
ト30は、図1(A)に示すように、第1の基台部31
の直径をa、当該第1の基台部31の高さをb、第2の
基台部32の高さをc、外殻37の高さすなわち外殻3
7の半径をdとしたとき、a=90〔mm〕、b=26.
5〔mm〕、c=18.5〔mm〕、d=25〔mm〕に選定
されており、非常にコンパクトな構成となっている。
【0039】ここで気流センサ34と温度補償用気流セ
ンサ33は第1の基台部31の中心を中心として互いに
円周角30゜を隔てた位置に設置されていると共に、気
流センサ34と温度センサ35は円周角120゜を隔て
て配置されている。これにより気流センサ34で発生し
た熱は温度センサ35に伝わり難いことにより、温度セ
ンサ35は気流センサ34の発熱による影響を受けずに
室内の温度を的確に検出し得るようになされている。
【0040】なお気流センサ34と温度補償用気流セン
サ33とが円周角30゜といった位置に配置されている
のは、温度補償用気流センサ33を検出用の気流センサ
34からあまり距離をおいた位置に配置したのでは温度
補償用気流センサ33によって気流センサ34を近傍温
度によって温度補償できなくなり、また温度補償用気流
センサ33を検出用の気流センサ34の極近傍に配置し
たのでは自己加熱している気流センサ34による発熱の
影響を多分に受けるため近傍温度によって温度補償でき
なくなるためである。
【0041】かくして、温熱環境検出ユニット30で
は、気流センサ34と温度補償用気流センサ33とが円
周角30゜といった位置に配置するようにしたことによ
り、気流センサ34を近傍の温度によって的確に温度補
償することができ、正確な気流速度を検出することがで
きるようになされている。因みに、気流センサ34と温
度補償用の気流センサ33の位置は円周角が30゜の位
置に限らず、上述したように気流センサ33が気流セン
サ34の温度補償用として機能し(すなわち気流センサ
34の近傍温度を検出し得)かつ気流センサ34の発熱
の影響が少ない位置であれば例えば円周角が30゜より
大きい位置や小さい位置に配置するようにしてもよい。
【0042】また温熱環境検出ユニット30において
は、湿度センサ39が当該温熱環境検出ユニット30を
例えば図1(B)の一点鎖線B−B’で第1の基台部3
1を2分割した場合の、その一方の半部に配置され、こ
れに対して気流センサ33、34及び温度センサ35が
湿度センサ39が配置されていない方の他方の半部に配
置するようになされている。これにより温熱環境検出ユ
ニット30においては、温度センサ35及び温度補償用
の気流センサ33が湿度センサ39の発熱による悪影響
を受けないようになされている。
【0043】また温熱環境検出ユニット30において
は、図2に示すように、第2の基台部32内には断熱部
材41が充填されており、これにより輻射センサ部36
の外殻37内で発生した熱がセンサ部に悪影響を及ぼさ
ないようになされている。
【0044】さらに自己加熱する気流センサ34と、加
熱による影響を嫌う温度補償用気流センサ33及び温度
センサ35は同一平面上に配置されているが、当該温度
補償用気流センサ33及び温度センサ35と輻射センサ
部36は同一平面上にはなく、同様に温度補償用気流セ
ンサ33及び温度センサ35と湿度センサ39は同一平
面上にはない構成とされていることにより、コンパクト
性を維持しながら温度補償用気流センサ33及び温度セ
ンサ35への加熱による悪影響を一段と低減し得るよう
になされている。
【0045】かくして温熱環境検出ユニット30におい
ては、非常に小型のユニットに気流センサ、温度セン
サ、輻射センサ及び湿度センサを配置した場合でも、気
流センサや湿度センサ、輻射センサ部から発生する熱に
よって温度センサによって室内の温度とは異なる誤検出
がされるのを防止し得るようになされている。
【0046】次に温熱環境検出ユニット30により得ら
れた検出結果に基づいてPMV値を求める温熱環境検出
装置について説明する。図3に示すように、温熱環境検
出装置50は上述した温熱環境検出ユニット30と、操
作部51と、コンピュータ部52とにより構成されてい
る。ここで温熱環境検出ユニット30により得られた輻
射温度、気流速度、気温及び湿度がコンピュータ52の
入力部53を介して演算部54に供給されると共に、操
作部51によって設定された活動量、衣服の熱抵抗及び
各種の定数が入力部53を介して演算部54に供給され
る。演算部54は(1)式に示すような演算を行うこと
によりPMV値を算出し、これを表示・出力部55に送
出する。
【0047】以上の構成によれば、温度センサ35、気
流センサ34及び温度補償用気流センサ33を互いに同
一平面上に配置しかつ温度センサ35と気流センサ34
とをできるだけ隔てた位置に配置しかつ気流センサ34
と気流センサ33とを所定の距離を隔てて配置すると共
に、温度センサ35とは異なる平面上に湿度センサ39
及び輻射センサ部36を配置するようにして温熱環境検
出ユニット30を構成するようにしたことにより、小型
でかつ高精度のPMV値を得ることができる温熱環境検
出ユニット30を実現できる。
【0048】また輻射センサ部36の外殻37の表面色
を、アイボリー色等の温熱環境検出ユニット30が取り
付けられる室内の壁面に適合した色としたことにより、
温熱環境検出ユニット30を目立たないように設置でき
る。さらに外殻37を球状ではなく半球状としたことに
より、一段と小型の温熱環境検出ユニット30を実現で
きる。
【0049】ここで外殻37の色と輻射センサ38によ
る感度との関係について実験を行ったので、以下これに
ついて述べる。この実験では、センサの構造として、直
径が10〔mm〕の受光部(ガラスエポキシ)をもつ輻射
センサを利用し、その受光部にサーミスタ(エポキシコ
ート松葉)を接着し、その表面に放射率を小さくするた
めにアルミ箔を接着し、そのときの感度を測定し、その
値を基準とした。
【0050】そして感度測定に当たっては、輻射センサ
の感度測定用黒体炉を利用し、その壁温(黒体表面)、
室温(室温測定用サーミスタ温度)、輻射温度(輻射検
出用サーミスタ温度)をそれぞれTW、TR、Tgとした
とき、そのときの感度Rを、R=(TR−Tg)/(TR
−TW)×100(%)のように定義した。
【0051】感度比較に当たっては、測定用サンプルに
は若干のバラツキがあるので基準とする感度を測定した
後、4種類の色(つや消し黒、アイボリー、透明塗料
(=アクリル)、灰色)を塗装し、感度を測定し、その
比をもって比較した。これの結果を、図4に示す。図中
括弧内が各色の感度比である。
【0052】図4の各色の感度比をグラフで示したもの
が図5である。図5からも明らかなように、感度比は大
きい順に、黒、アイボリー、透明、灰色となっている
が、それぞれの色の上に黒色を重ね塗装したときの感度
比をあわせてみると、アイボリー、透明は赤外線に対す
る感度が黒色とほとんど変わらないことが分かった。
【0053】かくしてこの実験により、外殻37の表面
色としては、従来のグローブ球のように黒色に限定せず
に、温熱環境検出ユニット30が設置される環境に応じ
た色を選択しても輻射熱の検出精度は維持できることが
分かった。
【0054】次に、風向と気流センサ34による検出出
力との関係について実験を行ったので、これについて述
べる。この実験では、図6(A)に示すような4方向か
ら同じ速度の気流を与えた場合の気流センサ34の出力
を比較した(図6(B))。図6(B)から分かるよう
に、同じ速度の気流であっても風向によって検出出力が
変化する。これは第2の基台部32や温度補償用気流セ
ンサ33の影響によるものである。
【0055】このように温熱環境検出ユニット30で
は、気流センサ34の気流速度の検出に当たって風向の
影響がでるが、一般室内においては例えばエアコンの設
置位置等は固定であるため、検出結果はこれに対する相
対値としてみることができるので、特に室内でのPMV
値を求める上での障害となることはない。
【0056】またこのような風向による影響を積極的に
利用することを考えると、気流センサを第2の基台部3
2の周りに複数配置すれば、それらの検出出力から風向
を求めることもできるようになる。
【0057】ここで図7に、実施形態の温熱環境検出ユ
ニット30を用いて求めたPMV値(図中の曲線L1)
と、図8に示すような従来の標準的な温熱環境検出装置
1によって得たPMV値(図中の曲線L2)との比較を
示す。この図からも温熱環境検出装置30を用いて良好
なPMV値を得ることができることが分かる。
【0058】なお上述の実施形態においては、輻射セン
サ部36の外殻37を半球状とした場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、1/3球以上であれば球体
とほぼ同等の感度で輻射温度を検出することができる。
【0059】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、温度セン
サ、気流センサ、湿度センサ及び輻射熱センサを有し、
これらの各センサから得られる検出結果に基づいて温熱
環境の指標であるPMV値を検出する温熱環境検出装置
において、各センサを同一のユニットに配置すると共
に、各センサを互いに干渉しない位置に配置するように
したことにより、設置場所が制限されずかつ高精度のP
MV値を得ることができる温熱環境検出装置を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による温熱環境検出ユニットの構成
を示す側面図及び平面図である。
【図2】その断面を示す断面図である。
【図3】温熱環境検出装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】実験により輻射センサ部の外殻の色を変えた場
合の輻射センサの感度比を示す図表である。
【図5】その感度比のグラフである。
【図6】実験により風向を変えた場合の気流センサの検
出出力を示すグラフである。
【図7】実施形態の温熱環境検出ユニットを用いて得た
PMV値と、従来の温熱環境検出装置から得られるPM
V値との示すグラフである。
【図8】従来の温熱環境検出装置を示す外観構成図であ
る。
【図9】従来の小型の温熱環境検出ユニットを示す外観
構成図である。
【図10】図9の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】 30 温熱環境検出ユニット 31 第1の基台部 32 第2の基台部 34 気流センサ 35 温度センサ 36 輻射センサ部 37 外殻 38 輻射センサ 39 湿度センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 27/00 G01N 27/00 A G01W 1/02 G01W 1/02 B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度センサ、気流センサ、湿度センサ及
    び輻射熱センサを有し、これらの各センサから得られる
    検出結果に基づいて温熱環境の指標であるPMV値を検
    出する温熱環境検出装置において、 前記各センサを同一のユニットに配置すると共に、前記
    各センサを互いに干渉しない位置に配置するようにした
    ことを特徴とする温熱環境検出装置。
  2. 【請求項2】 前記ユニットを多段構成とし、 前記温度センサ及び前記気流センサを同一の段部上でか
    つ前記気流センサからの発熱が前記温度センサに悪影響
    を及ぼさないだけ離れた位置に配置し、 前記湿度センサを前記温度センサ及び前記気流センサが
    配置された段部とは異なる段部に配置し、 前記輻射熱センサを前記温度センサ及び前記気流センサ
    が配置された段部や前記湿度センサが配置された段部と
    は異なる段部に配置するようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載の温熱環境検出装置。
  3. 【請求項3】 前記温度センサ及び前記気流センサが配
    置された段部と、前記湿度センサが配置された段部と、
    前記輻射熱センサが配置された段部とをそれぞれ断熱部
    材により断熱するようにしたことを特徴とする請求項2
    に記載の温熱環境検出装置。
  4. 【請求項4】 前記ユニットは、外形が円柱形状の第1
    の基台部と、外形が前記第1の基台部の半径よりも半径
    が小さな円柱形状でなり、その中心位置が前記第1の基
    台部の中心位置と一致するように前記第1の基台部の上
    面に形成された第2の基台部とを有し、 前記温度センサ及び前記気流センサは、前記第1の基台
    部の上面でかつ前記気流センサからの発熱が前記温度セ
    ンサに悪影響を及ぼさないだけ離れた位置に配置され、 前記湿度センサは、前記第1の基台部内に形成された中
    空部に配置され、 前記輻射熱センサは、前記第2の基台部の上面に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の温熱環境検
    出装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の基台部は断熱部材により形成
    されていることを特徴とする請求項4に記載の温熱環境
    検出装置。
  6. 【請求項6】 前記温度センサ及び前記気流センサは、
    前記湿度センサが配置された前記第1の基台部の半部に
    対して、前記第1の基台部の他方の半部の上面に配置さ
    れていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載
    の温熱環境検出装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の基台部の上面には複数の気流
    センサが設けられていることを特徴とする請求項4、請
    求項5又は請求項6に記載の温熱環境検出装置。
  8. 【請求項8】 前記輻射熱センサを覆う外殻を、前記ユ
    ニットが取り付けられる環境に適合した色に着色したこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の温熱環境
    検出装置。
JP8260545A 1996-10-01 1996-10-01 温熱環境検出装置 Pending JPH10103745A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8260545A JPH10103745A (ja) 1996-10-01 1996-10-01 温熱環境検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8260545A JPH10103745A (ja) 1996-10-01 1996-10-01 温熱環境検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10103745A true JPH10103745A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17349453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8260545A Pending JPH10103745A (ja) 1996-10-01 1996-10-01 温熱環境検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10103745A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10176860A (ja) * 1996-12-17 1998-06-30 Takenaka Komuten Co Ltd 平均輻射温度検出装置
KR20020095295A (ko) * 2001-06-14 2002-12-26 주식회사 태크녹스 실내 온열환경의 측정 및 평가방법
KR100523611B1 (ko) * 2001-06-14 2005-10-24 주식회사 태크녹스 의복내 온열환경의 측정 및 평가 장치
JP2010236879A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Nec Engineering Ltd 湿温度・放射温度測定装置
US8013751B2 (en) 2003-11-18 2011-09-06 Robert Bosch Gmbh Fire alarm with a transmitter spaced from a receiver through a colored sheet
KR200466223Y1 (ko) 2012-01-10 2013-04-09 김준규 대기 복사열 측정기능이 있는 일체형 디지털 백엽상
CN104197986A (zh) * 2014-08-27 2014-12-10 长沙理工大学 一种热舒适性指标测量***
KR20150003102A (ko) * 2013-06-27 2015-01-08 주식회사 에이디엘코리아 의복 보온력 분석 시스템
JP2017187210A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 株式会社フジタ 放射冷暖房システム
JP2019516960A (ja) * 2016-05-18 2019-06-20 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 単一熱流束センサ装置
CN111174925A (zh) * 2020-01-06 2020-05-19 南京信息工程大学 一种气象测量用温度传感器的通风装置
JP2020177802A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 三菱電機株式会社 誘導加熱調理器
JP2020186907A (ja) * 2016-04-05 2020-11-19 株式会社フジタ 放射冷暖房システム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10176860A (ja) * 1996-12-17 1998-06-30 Takenaka Komuten Co Ltd 平均輻射温度検出装置
KR20020095295A (ko) * 2001-06-14 2002-12-26 주식회사 태크녹스 실내 온열환경의 측정 및 평가방법
KR100523611B1 (ko) * 2001-06-14 2005-10-24 주식회사 태크녹스 의복내 온열환경의 측정 및 평가 장치
US8013751B2 (en) 2003-11-18 2011-09-06 Robert Bosch Gmbh Fire alarm with a transmitter spaced from a receiver through a colored sheet
JP2010236879A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Nec Engineering Ltd 湿温度・放射温度測定装置
KR200466223Y1 (ko) 2012-01-10 2013-04-09 김준규 대기 복사열 측정기능이 있는 일체형 디지털 백엽상
KR20150003102A (ko) * 2013-06-27 2015-01-08 주식회사 에이디엘코리아 의복 보온력 분석 시스템
CN104197986A (zh) * 2014-08-27 2014-12-10 长沙理工大学 一种热舒适性指标测量***
JP2017187210A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 株式会社フジタ 放射冷暖房システム
JP2020186907A (ja) * 2016-04-05 2020-11-19 株式会社フジタ 放射冷暖房システム
JP2019516960A (ja) * 2016-05-18 2019-06-20 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 単一熱流束センサ装置
JP2020177802A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 三菱電機株式会社 誘導加熱調理器
CN111174925A (zh) * 2020-01-06 2020-05-19 南京信息工程大学 一种气象测量用温度传感器的通风装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10103745A (ja) 温熱環境検出装置
JP2005265844A (ja) 温度検出装置
US10809132B2 (en) Infrared sensor for measuring ambient air temperature
US4433923A (en) Operative temperature sensing system
JPH0518592A (ja) 温熱感覚演算方法および装置、予測平均温感演算方法および装置
US2154927A (en) Aerological instrument
JPS6365318A (ja) 温熱検知素子
KR920006072B1 (ko) 온열검지장치
JP2588792B2 (ja) 温熱感覚演算方法および装置
JP2686878B2 (ja) 複合センサ装置
JP3813057B2 (ja) 温度検出装置及びそれを用いた空気調和機
US4964115A (en) Thermal sensing system
JP2004317015A (ja) グローブ温度検出器及びこれを用いたグローブ温度検出方法並びにこれを利用するコンピュータ
JPS6365317A (ja) 温熱環境測定器
JPH0713573B2 (ja) 予測平均温感演算方法および装置
JP2829559B2 (ja) 等価温度センサ
CN101191745A (zh) 一种红外线耳温温度计
JP2510962B2 (ja) 複合薄膜センサモジュ―ル
JPH0142046Y2 (ja)
JP2829558B2 (ja) 等価温度センサ
JPH03251729A (ja) 検温装置
JPH06273241A (ja) 温度検出装置
JPH0672819B2 (ja) 温熱検知装置
JPH0672816B2 (ja) 温熱検知装置
JP3021738B2 (ja) 温熱感覚センサ