JPH10100089A - 多関節多指ハンドの把持制御方法及び物体把持方法 - Google Patents

多関節多指ハンドの把持制御方法及び物体把持方法

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JPH10100089A
JPH10100089A JP20946497A JP20946497A JPH10100089A JP H10100089 A JPH10100089 A JP H10100089A JP 20946497 A JP20946497 A JP 20946497A JP 20946497 A JP20946497 A JP 20946497A JP H10100089 A JPH10100089 A JP H10100089A
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gripping
finger
hand
fingers
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JP20946497A
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Mayumi Umetsu
真弓 梅津
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Yaskawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指位置を算出する必要がない方法で指が把持
物体と接するような目標位置を定め、コンプライアンス
制御の目標力が実際に発生する力に正確に反映されるよ
うにする。 【解決手段】 多関節指を複数有するハンドの把持制御
方法において、2本ないし4本指の指先で物体を把持す
るにあたり、把持に用いる把持指の各指先力を力検出手
段22で検出し、各指先力について他の把持指に向かう
ベクトル方向成分を抽出し、各指で抽出された前記成分
のベクトル方向が同じものを一対の組とし、その力の組
で相殺し合う部分のみを把持力とみなし、把持力とみな
した成分を該当する指で合計したものをその指の発生す
る把持力とする把持力抽出手段23を用い、この把持力
抽出手段23で得られた把持力が、目標とする把持力2
4に追従するように力制御もしくはコンプライアンス制
御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンドによって物
体を把持するロボットの把持制御方法及び多関節多指ハ
ンドの物体把持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来においては、ロボットのハンド装置
によって物体を把持するとき、把持力は予め決めてしま
って調節しないようになっていた。しかしこれでは、把
持した物体に外界から力が加わると、把持力が十分でな
いときにはハンドと把持物体との間で滑りが生じて把持
状態を保つことができず、物体を放してしまう。このよ
うな問題を解決するために、例えば、特開平4−322
990号公報には、外力が加わった時、位置制御手段及
び力制御手段の制御対象となる把持指の制御手段を切り
換えて位置及び力の制御を行う制御方法が開示されてい
る。しかしながら、この制御方法では、ハンドの把持指
の制御方法を条件によって切り換えるので、切り換え時
に動作が不連続になる恐れがあり、また把持指が2本指
より増えた場合には切り換え条件が煩雑になるという問
題があった。
【0003】一方、図6(a)のように、多関節多指ハ
ンド(以下単に「多指ハンド」という)の指先で物体を
挟んで把持するとき、把持力F1iとF2iを十分働かせる
ことによって摩擦力を大きくし、横方向から外力Fex
加わっても滑りが生じないようにすることができる。こ
こで、把持力とは、把持を行う指の間で釣り合って、合
力を生じない力をいう。図6(b)のように、外力と把
持力が同方向に働いて干渉する場合にも、さらに横方向
の外力が加わることは当然想定されるので、把持力は必
要である。この場合、実際に指が発生している力のうち
把持力はどれだけかを求め、目標の把持力となるように
制御しなければならない。指の発生している力を外力と
把持力に分解する時、従来は、疑似逆行列を使った計算
方法によって行っていた。この方法は、1自由度の場
合、力F1と力F2において、合力F0が F0=W [F12T ([ ]T:転置行列) (式1) W=[1 1] (式2) と表される時、F1とF2をそれぞれの外力成分F1o,F
2oと内力成分F1i,F2iに分解するのに、Wの疑似逆行
列W#を使った数学的解法で [F1o2oT= W#F0 (式3) [F1i2iT= [F12T − [F1o2oT (式4) として求めるものである。ここで疑似逆行列W#とは、 W#=WT (W WT-1 ([ ]-1 :逆行列) (式5) であるので、式2の数値では、W#=[1/2 1/
2]T となり、式3によつて合力F0がF1oとF2oに均
等に配分される。式4によって内力成分を求め、これを
把持力とする。ところが、上記の方法では始めに外力を
配分してから残りを把持力とするため、外力と把持力が
相殺し合うような、実際には発生していない力を結果と
して算出する場合がある。図6(c)のように、指1が
下方向に大きさ3の力F1、指2が上方向に大きさ1の
力F2を発生して、上方向の大きさ2の外力Fexと釣り
合っている時、上記の計算によれば、上方向を正方向と
すると式1より合力F0はF0=−2であり、式3よりF
1o=F2o=−1、式4より−F1i=F2i=2となり、大
きさ2の把持力が発生しているように計算される。しか
し、指2で実際には大きさ1の力しか発生していない。
計算通りの力が実際には働いていないので、外力Fex
変化して横方向の成分が加わると、指2と物体との間で
予想外の滑りが生じて物体を把持し続けることができ
ず、物体を落としてしまうこともありうる。このよう
に、従来の計算方法に基づいて把持力を制御しようとす
ると、実際には予想通りの力は発生せずに、外乱に弱い
把持状態となってしまう問題があった。
【0004】さらに、多関節多指を有するロボットハン
ドの各指をコンプライアンス制御し、その指で物体を把
持すると、外界からの干渉力で把持状態が多少変わって
も、コンプライアンス制御の実現する多自由度の剛性に
よって対応し、把持し続けることができる。コンプライ
アンス制御では、目標力Fdと検出力Fおよび目標位置
dと実位置Xについて、静的には K(X−Xd)=F
−Fd なる関係にあるよう制御を行う。ここで、Kは
仮想的な剛性係数である。この関係を利用して物体を把
持する場合、指の目標位置と実際に把持するときの指の
位置にずれがあると、目標力と実際に発生している力に
もずれが生じる。したがって、指をコンプライアンス制
御している場合に目標力として指令した力で物体を把持
するには、指が目標位置で物体と接している状態が理想
である。ところが多種多様な物体を把持する場合、物体
の形状に応じて指の目標位置を設定しなければならな
い。物体の正確な形状がわからない場合には、物体を小
さく見積るか、目標力を大きめに見積ることによって、
把持に必要な力を発生させることができるが、見積りが
足りないと十分な把持力が発生できず、また見積りが過
ぎると過大な力が発生してしまうという問題がある。ま
た、物体の形状がわかっていても、ちようど物体表面に
接するような指位置を算出するには、物体の数値的な形
状情報が必要で、指位置を算出するための計算量も多
い。
【0005】さらに、複数のロボットハンドの各指を物
体を挟んだ状態で保持しながら作業を行うには、ロボッ
トハンドの各指の発生する力によって保持状態を制御し
つつ、ロボットハンドを動作させる必要がある。このと
き、各ロボットハンドで物体を保持する力は、予め決め
られた力の大きさと方向を制御装置によって制御してい
た。ところが、作業を行う際には、環境情報の誤差や外
部との干渉によって、保持物体とロボットハンドの指間
に転がりや滑りが生じ、ロボットハンドの指の位置がず
れることがある。また、保持状態を変えるために、指先
端で物体を支える位置をずらす場合もある。このとき、
位置がずれることによって指間の力のつり合いが崩れ、
発生すべきではない合力が生じたり、またこの合力によ
って回転などの予期しない運動が生じたりする、という
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の解決課
題は、把持した物体に外界から力が働いたときに、ハン
ドと把持物体の間に滑りが生じるのを防いで把持状態を
保つことにある。本発明の第2の解決課題は、指位置を
算出する必要がない方法で指が把持物体と接するような
目標位置を定め、コンプライアンス制御の目標力が実際
に発生する力に正確に反映されるようにすることにあ
る。本発明の第3の解決課題は、把持している物体や指
に外界から力が慟いても、正しく把持力を発生させて、
把持状態を保つことのできる制御方法を提供することに
ある。本発明の第4の解決課題は、不都合な合力を生じ
たり、この合力によって回転などの予期しない運動が生
じるのを防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の課題を解決するた
めの手段は、ハンドによって物体を把持するロボットに
おいて、ハンドに加わる外力を力検出手段により検出
し、前記力検出手段により検出された外力が増大した時
に前記ハンドの把持力を増加させることを特徴とするハ
ンドの把持制御方法である。把持力を増加させることに
よって、ハンドと把持物体との間にはたらく摩擦力が増
加するため、外力が把持物体に作用した場合でもハンド
と把持物体との間で滑ベりが生じることを防ぎ、物体を
把持し続けることができる。第2の課題を解決するため
の手段は、多関節指を複数有するハンドの把持制御方法
において、2本ないし4本指の指先で物体を把持するに
あたり、把持に用いる把持指の各指先力を検出し、各指
先力について他の把持指に向かうベクトル方向成分を抽
出し、各指で抽出された前記成分のベクトル方向が同じ
ものを一対の組とし、その力の組で相殺し合う部分のみ
を把持力とみなし、把持力とみなした成分を該当する指
で合計したものをその指の発生する把持力とする把持力
抽出方法を用い、この把持力抽出方法で得られた把持力
が、目標とする把持力に追従するように力制御もしくは
コンプライアンス制御を行うことを特徴とするハンドの
把持制御方法である。上記手段により、実際に発生して
いる指先力から把持力を抽出し、この把持力が目標とす
る把持力に追従するように制御するので、外界から力が
働いた場合にも把持指と把持物体との間に力が働いて摩
擦力を発生させて、滑りが生じずに把持状態が保たれ
る。第3の課題を解決するための手段は、力検出手段を
備えた多関節指を複数有する多指ハンドの各指をコンプ
ライアンス制御する制御方法において、物体を把持する
ために指を閉じていく動作の過程で各々の指の検出力を
監視し、検出力によって指が物体に接触したことを検知
した時点で、指の前記動作を停止させることによって指
位置を定め、全ての指が前記の手順で位置を定めたあ
と、把持力を発生させて物体を把持することを特徴とす
る多指ハンドの物体把持方法である。各指の検出力を監
視することによって指が他の物体に触れたことを検知で
き、この時点で指の位置を定めることによって指が物体
にちようど接触する位置に決まる。ハンドの全ての指が
この動作を終了すればハンドの各指が同様に物体表面に
接触する位置に定まることになり、ここで力を発生させ
ることによって、コンプライアンス制御の目標力が実際
に発生する力に正確に反映される。第4の課題を解決す
るための手段は、力制御手段を備えた複数のロボットハ
ンド指先先端部で物体を挟んで保持するにあたり、各指
先端部が物体を挟んでつり合う力を各指先端部の位置に
基づき計算する条件式を予め定め、物体を保持している
間は、前記指先端部の位置を検出し、前記検出位置とつ
り合い条件式とから把持力発生の目標値を生成するもの
である。上記手段により、力を発生する各指の先端部の
位置に応じて、力のつり合い条件を満たすように力制御
がなされるため、指先端部の位置に予期しないずれが生
じた場合にも力のつり合いが保たれ、安定して動作を続
けることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施例の
ブロック図である。ロボットハンド1には力検出器2と
把持力を制御できるアクチュエータ3が備わっており、
力検出器2により検出される外力Feが増大すると、把
持力Fgを増加させるよう、Fg=Fg0+Kf・Feという
把持力制御則4にしたがって、把持力制御器5により把
持力を制御する。この式で、Fg0は外力Feがゼロのと
きの把持力に当たり、Kfは把持力を増加させる程度を
表すゲインである。
【0009】図2は、本発明によって制御されるロボッ
トハンドの第1の構成例である。グリッパ型のハンド1
−1の基底部に力センサ2−1が設置されており、ハン
ド1−1に加わる外力を検出する。グリッパの開閉を行
うアクチュエータ3とその制御装置にて把持力Fgを制
御する。ここでいう把持力とは、図に示すような、指間
で物体を挟み込む力Fgであり、合力ゼロとなる力であ
る。したがって、力センサ2−1では外界からハンド部
に加わる力のみ検出される。
【0010】図3は、本発明によって制御されるロボッ
トハンドの第2の構成例である。ユニバーサル型の多指
ハンド1−2の、物体を把持するそれぞれの指先に力セ
ンサ2−2、2−3が取り付けてある。このハンドの制
御装置においては、それぞれの力センサ2−2、2−3
で検出された指先力Fi(i=1〜指の本数)の総和を
とることによって外力はFe=ΣFiとして求められる。
また、各指の関節を駆動するアクチュエータとその制御
装置にて把持力71を制御する。本発明のハンド制御装
置によって図2及び図3のハンドが制御されると、外界
からハンド部に働く力の増加に伴って、物体を挟み込む
把持力が増加する。把持力が増加することによって、ハ
ンドと把持物体との間に作用する摩擦力が増加し、外界
からの力でハンドと把持物体との間に滑りが生じること
を防ぐことができ、把持状態が保たれる。またこの制御
装置によれば、物体の重量は力センサによって外力とみ
なされるので、重量の大きい物体ほど大きい把持力を発
生させ、軽い物体を把持するときはより少ない把持力で
把持するため、ハンドのアクチユエータの出力を効率的
に制御する効果もある。
【0011】図4は本発明の第2実施例を示すブロック
図、図5は第2実施例における把持力抽出方法の説明図
である。図4において、多指ハンド1の三本指で物体を
把持する時、ハンドに備えた力検出手段22によって、
各指先の発生している力を検出する。検出された力か
ら、把持力抽出手段23によって把持力成分が取り出さ
れると、この把持力が目標把持力24に従うよう、把持
力制御25が指先の発生把持力を制御する。制御方法と
しては、目標把持力と抽出された把持力の差分をとっ
て、足りない力を加える、または、余分な力を減じるよ
うにする手法や、インピーダンス制御の応用手法を使う
方法がある。以下、図5で把持力分解方法を説明する。
三本指の指先11、12、13において、図5(a)の
太矢印で示した力が力検出手段2によって検出された
時、指先11では他の指先12、13に向かう方向成分
112と113に分解する。指先12および13でも同
様に他の指先に向かう方向成分121と123、および
131と132に分解する。指先11から指先12に向
かう力成分112と、指先12から指先11に向かう力
成分121は、ベクトル方向が同じ一対の組とし、同様
に123と132、131と113は組である。これら
力の組において、相殺し合う部分のみを把持力とみな
す。図5(b)に示す太矢印が、相殺し合う部分であ
る。112と121の組、123と132の組では力が
向き合う方向に働いているので相殺する成分があって、
これを把持力とみなすが、131と113の組では力が
同方向に働いているので力は相殺されず、従って把持力
とはみなさない。これらの把持力成分を各指先で合計し
たものが各指先における把持力で、図5(c)の太矢印
で示した。以上、三本指の実施例を説明したが、この場
合、成分分解によって得られるベクトルの方向が同じ3
対の力の組から把持力を抽出した。同様にして、二本指
の場合は1対の組、四本指の場合は6対の組から、把持
力を抽出でき、把持状態を制御することができる。
【0012】図7は、本発明の第3実施例のブロック図
である。ロボットハンド31には力検出器32と把持力
を制御できるアクチュエータ33が備わっており、力検
出器32で検出された力Fは目標力指令発生部36より
送られた目標力Fdと比較されコンプライアンス制御則
34に送られ、コンプライアンス関係により位置変位量
ΔXが生成される。この変位量は目標位置指令発生部3
7より送られた目標位置Xdに加算され、位置制御部3
5によって実際の位置がXとなるようハンドのアクチュ
エータが制御されて、コンプライアンス制御が行われて
いる。
【0013】図8は、本発明の方法で物体を把持する方
法を示す摸式図である。指先を矢印の方向に動作させて
ロボットハンド31の指先で把持対象物体38を挟み込
むように動作させる時、上記のハンド装置の目標位置指
令発生部37では、制御周期毎にハンドの目標位置Xd
を動作軌道に沿って更新すると同時に、検出力の監視を
行い、目標力指令発生部36の指令する目標力はあらか
じめ定めた閾値F0に設定しておく。指が物体38に当
たると、ハンドの指に備えた力検出器32によって力が
検出され、目標位置指令発生部37では、検出力が前記
閾値F0を越えた時に指と物体が接触したと認識し、こ
の時点で対応する指の目標位置の更新を停止することに
よって、物体を把持するための指の目標位置を決定す
る。こうして全ての指の目標位置が決定された時点で、
目標力指令発生部36から把持に必要な目標力Fdを指
令することによって、把持力を発生させる。
【0014】図9は、本発明の第4の手段を実施するた
めの実施例のブロック図である。多指ロボットハンド4
1は、エンコーダなどの位置検出部44と、指先に備え
た力センサなどの力検出部42と、関節駆動部43とを
備えている。制御演算部45は、前記位置検出部44と
力検出部42から得られる関節変位θと指先力Fを帰還
しながら、各指の目標位置Xdと指先目標力Fdに基づ
き、指の関節の駆動指令ωを計算して関節駆動部43に
出力する。目標位置生成部46は、ロボットハンド41
の運動を指令するため、目標位置Xdを生成して出力す
る。目標力生成部47は、ロボットハンド41の各指先
が発生する力を指令するため、目標力Fdを出力する。
ここで、目標力生成部47は、把持力司令部48と目標
力生成演算部49とつり合い条件演算部50とからな
り、前記の多指ハンドが各指先を使って物体を挟んで保
持するために、次の方法で目標力を生成する。把持力指
令部48は、把持力の大きさfとつり合い条件演算部5
0に対してつり合い条件演算式を指令する。これらが与
えられると、目標力生成演算部49は、各指先の位置X
と把持力の大きさfから、前記条件演算式に従って、前
記目標力Fdを計算し、制御演算部45に出力する。こ
こで用いるXは、制御演算部45の中で関節変位θから
計算される、実際の指先位置である。
【0015】図10は、図9の把持力指令部48からの
把持力指令によって指令されるつり合い条件の一説明図
であり、3本指ハンドの各指先51,52,53で、直
方体の物体54を挟み込んで保持している状態を表す。
図のように、指先51が52と53に向き合って物体5
4を挟んでいるとき、矢印で示した方向に把持力を発生
させたい。把持力fで挟み込むには、指先51に力fを
発生させ、それに向き合ってつり合う力を指先52と5
3に発生させる。このとき、力がつり合って合力と合モ
ーメントを零にするために指先52と53で発生させる
力の配分は、各先端部の位置関係に依存する。力をつり
合わせるには、(a)に示す位置関係(指先51の位置
が52と53に対して1対1の距離にある)の場合は、
指先52と53にそれぞれ力f/2の力を発生させる。
図10(b)に示す位置関係(指先51の位置が指先5
2と53に対して2対1の距離にある)の場合は、指先
52にf/3、指先53に2f/3の力を発生させる。
これらの力配分は、各指先位置を検出することで計算す
ることができる。図10に示した力のつり合わせ方は一
例であり、物体や状況に応じて、力の方向の決め方は様
々あるが、つり合う力を各指先に発生させるには、先端
部の位置関係に応じて力を配分する必要があるのは同様
である。把持力指令部48からの把持力指令は、図10
のような位置と力のつり合い条件を、各指先位置から該
指先の発生すべき力を計算する演算式として指令し、こ
れに基づいて目標力生成演算が目標力生成演算部49に
おいて行われる。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明の第1の手段に
よれば、外力の増大に伴って把持力を増加させているの
で、把持した物体に外界から力が働いたときに、ハンド
の把持力が増加してハンドと把持物体の間の摩擦力が増
加し、ハンドと把持物体の間に滑りが生ずるのを防いで
把持状態を保つことができる。本発明の第2の手段によ
れば、実際に発生している力から把持力を抽出し、これ
が目標把持力に従うように把持指を制御するので、外界
から力が働いた場合にも把持指と把持物体との間に力が
働いて摩擦力を発生させて、滑りが生じずに把持状態が
保たれるという効果がある。本発明の第3の手段によれ
ば、検出力を監視することによって指が把持対象物体に
接触したことを検知し、その時点で指位置を決定するの
で、あらかじめ把持する物体の寸法がわかっていない場
合にも、指が物体表面に触れる位置に指の目標位置を定
めることができ、コンプライアンス制御の目標力が実際
に発生する力に正確に反映される。本発明の第4の手段
によれば、ロボットハンドの指先やハンドの各指の位置
の変化に応じて、つり合う力を把持力として発生するよ
う制御されるので、発生すべきではない合力が生じた
り、またこの合力によって回転などの予期しない運動が
生じたりするのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例における制御ブロック図
である。
【図2】 本発明の第1実施例によって制御されるハン
ドの第1の構成図である。
【図3】 本発明の第1実施例によって制御されるハン
ドの第2の構成図である。
【図4】 本発明の第2実施例を示すブロック図であ
る。
【図5】 本発明の第2実施例における把持力抽出方法
の説明図であり、(a)成分分解方法の説明図、(b)
把持力成分抽出の説明図、(c)指毎の把持力算出の説
明図である。
【図6】 把持力の説明図であり、(a)把持力の効果
の説明図、(b)外力と把持力が同方向に働く場合の説
明図、(c)本発明が解決しようとする課題の説明図で
ある。
【図7】 本発明の第3実施例における装置のブロック
図である。
【図8】 本発明の第3実施例における物体把持方法の
説明図である。
【図9】 本発明の第4実施例を示すブロック図であ
る。
【図10】本発明の第4実施例におけるつり合い条件の
説明図である。
【符号の説明】
1 ロボットハンド、1−1 グリッパ型ロボットハン
ド、1−2 ユニバーサル型ロボットハンド、2 力検
出器、2−1 力センサ、2−2 指先力センサ1、2
−3 指先力センサ2、3 ハンド駆動アクチュエー
タ、4 把持力制御則、5 把持力制御器、11,1
2,13 多指ハンドの指先、21 多指ハンド、22
多指ハンドの力検出手段、23 把持力抽出手段、2
4 目標把持力、25 把持力制御、31 ロボットハ
ンド、32 力検出器、33 ハンド駆動アクチユエー
タ、34 コンプライアンス制御則、35 位置制御
部、36目標力指令発生部、37 自標位置指令発生
部、38 把持対象物体、41 多指ロボットハンド、
42 力検出部、43 関節駆動部、44 位置検出
部、45 制御演算部、46 目標位置生成部、47
目標力生成部、48 把持力指令部、49 目標力生成
演算部、50 つり合い条件式演算部、51〜53 3
本指を備えた多指ハンドの各指先、54 把持物体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドによって物体を把持するロボット
    において、ハンドに加わる外力を力検出手段により検出
    し、前記力検出手段により検出された外力が増大した時
    に前記ハンドの把持力を増加させることを特徴とするハ
    ンドの把持制御方法。
  2. 【請求項2】 多関節指を複数有するハンドの把持制御
    方法において、2本ないし4本指の指先で物体を把持す
    るにあたり、把持に用いる把持指の各指先力を検出し、
    各指先力について他の把持指に向かうベクトル方向成分
    を抽出し、各指で抽出された前記成分のベクトル方向が
    同じものを一対の組とし、その力の組で相殺し合う部分
    のみを把持力とみなし、把持力とみなした成分を該当す
    る指で合計したものをその指の発生する把持力とする把
    持力抽出方法を用い、この把持力抽出方法で得られた把
    持力が、目標とする把持力に追従するように力制御もし
    くはコンプライアンス制御を行うことを特徴とするハン
    ドの把持制御方法。
  3. 【請求項3】 力検出手段を備えた多関節指を複数有す
    る多関節多指ハンドの各指をコンプライアンス制御する
    制御方法において、物体を把持するために指を閉じてい
    く動作の過程で各々の指の検出力を監視し、検出力によ
    って指が物体に接触したことを検知した時点で、指の前
    記動作を停止させることによって指位置を定め、全ての
    指が前記の手順で位置を定めたあと、把持力を発生させ
    て物体を把持することを特徴とする多関節多指ハンドの
    物体把持方法。
  4. 【請求項4】 力制御手段を備えた複数のロボットハン
    ドの指先端部で物体を挟んで保持するにあたり、各指先
    端部が物体を挟んで釣り合う力を指先端部の位置に基づ
    き計算する条件式を予め定め、物体を保持している間
    は、前記指先端部の位置を検出し、前記検出位置と釣り
    合い条件式とから把持力発生の目標値を生成することを
    特徴とする多関節多指ハンドの物体把持方法。
  5. 【請求項5】 複数のマニピュレータの先端を多関節多
    指ハンドの先端とみなし、請求項4記載の物体把持方法
    を適用して、把持力発生の目標値を生成することを特徴
    とする物体把持方法。
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