JPH0998755A - 人参の葉部切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人参の大小にかかわらず、人参の葉部を正確
に切断できる小型の人参の葉部切断装置を提供すること
を目的とするものである。 【解決手段】 行車輪３を有する機体２と、機体２の前
部から後部に向けて傾斜して配置される主搬送ベルト機
構６と、前記搬送ベルト機構６の一測に沿って平行に設
けられ、該主搬送ベルト機構６の外側方向へ回転するロ
ール型搬送機構７と、前記ロール型搬送機構７の途中か
ら後端部にかけて設けられ、スプリング８３を介してに
機体２に支持されて前記ロール型搬送機構７とで人参の
葉部を挟持する挟扼レール８と、前記主搬送ベルト機構
６の一側端部に沿って設けられ、人参の搬送過程で該人
参の首部が当接するように主搬送ベルト機構６に対して
垂直方向に所要の高さを有する下部ストッパー部材９
と、前記主搬送ベルト機構６の後端で、該主搬送ベルト
機構６とロール型搬送機構７との間に設けられ、人参の
葉部を切断する回転刃１１とを有して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、収穫された葉付き人参
の葉部を、自動的に連続して切断する人参の葉部切断装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】圃場より収穫された人参は、人参本体部
から葉部を切断し、そして洗浄してから市場に出荷され
ている。人参の葉部の切断は、通常、包丁等を用いて手
作業によって行われるが、このような手作業は作業効率
が悪く、大量の人参を処理するために長時間かかるとい
う問題点がある。

【０００３】このような問題を解決するために、実公昭
６４−２６３６号公報には、コンベアベルト上を順次搬
送される葉付き人参を、引き込みロールによって葉部を
引き込みつつコンベアベルトの側方に配置されたカッタ
ーへと導いて、そのカッターにより切断する装置が提案
されている。この装置では、人参がどのような向きでコ
ンベアベルト上に載置されても、人参の葉部が引き込み
ロールに引き込まれることにより、人参本体部が引き込
みロールにほぼ直交した状態になり、引き込みロールに
沿って配置されたカッターによって葉部が確実に切断さ
れるようになっている。

【０００４】また、実公平４−１７０３６号公報には、
コンベアベルト上を搬送されて引き込みロールにより案
内される人参本体部を、カッターに対して所定位置へと
案内する板状の案内体が設けられており、しかも、この
案内体によって搬送される人参本体部を水平状態に支持
する支持体が設けられた切断装置が開示されている。さ
らに、実公平４−１７０３７号公報には、その案内体の
カッター近傍部を上下方向に揺動し得るようになった装
置が開示されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで上述した従来
の人参の葉部切断装置は、人参本体がカッターに対して
垂直に搬送されれば人参本体から葉部を正確に切断する
が、傾斜した状態で搬送されると葉部を斜めに切断して
しまい、人参本体に葉部が残ってしまう問題点が派生す
る。また、人参の大きさが異なると葉部を正確に切断で
きなくなる問題点も派生する。さらに、このような人参
の切断装置は処理能力を向上させることから、一般的
に、装置自体が大がかりになり、自走型または乗用型の
構成になっており、価格も高価なものである。それゆえ
圃場面積がそれほど大きくない農家にとっては、このよ
うな大型の切断装置は必要なく、むしろ圃場にて収穫し
ながら人参の葉部が切断できるような比較的小型の装置
が必要とされている。

【０００６】本発明はこれらの問題点を解決するために
案出されたもので、人参の大小にかかわらず、人参の葉
部を正確に切断できる小型の人参の葉部切断装置を提供
することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、走行車輪を有する機体と、機体の前部から
後部に向けて傾斜して配置される主搬送ベルト機構と、
前記主搬送ベルト機構の一測に沿って設けられ、該主搬
送ベルト機構の外側方向へ回転するロール型搬送機構
と、前記ロール型搬送機構の途中から後端部にかけて設
けられ、弾性体を介して機体に支持されて前記ロール型
搬送機構とで人参の葉部を挟持する挟扼レールと、前記
主搬送ベルト機構の一側端部に沿って設けられ、人参の
搬送過程で該人参の首部が当接するように主搬送ベルト
機構に対して垂直方向に所要の高さを有する下部ストッ
パー部材と、前記主搬送ベルト機構の後端で、該主搬送
ベルト機構とロール型搬送機構との間に設けられ、人参
の葉部を切断する回転刃と、を有して成ることを特徴と
するものである。

【０００８】また、上記主搬送ベルト機構のベルトコン
ベヤの表面に、所要の高さを有するガイド部材を所定間
隔毎に設け、該ガイド部材を主搬送ベルト機構の一側か
ら他側に向けて斜め上方に傾斜するように設置したこと
を特徴とするものである。

【０００９】さらに、上記ロール型搬送機構のロール体
の表面に、ラグを螺旋状に設けたことを特徴とするもの
である。

【００１０】またさらに、上記下部ストッパーの上方に
設けられ、人参の搬送過程で該人参の首部が当接するよ
うに下方に向けて突出する上部ストッパー部材を設け、
前記下部ストッパー部材と上部ストッパー部材との間隔
を調整可能に構成したことを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】圃場より収穫された人参は、人参本体の首部に
葉が付いており、人参本体形状は首部から根部にかけて
細くなる略三角形状をしている。本発明の人参の葉部切
断装置では、収穫された葉付き人参を、葉部をロール型
搬送機構の上の載せ、人参本体を主搬送ベルト機構の上
に載せる。この時、主搬送ベルト機構のベルトコンベヤ
の表面には、所要の高さを有するガイド部材を所定間隔
毎に設けてあり、該ガイド部材は主搬送ベルト機構の一
側から他側に向けて斜め上方に傾斜するように設置して
あるため、略三角形状の人参本体はガイド部材により人
参の根部が上側に傾斜するように支持された状態でベル
トコンベヤの上に載せられ、人参の首部面がベルトコン
ベヤ方向に対して平行な状態になる。

【００１２】また、ロール型搬送機構の上に載せられた
人参の葉部は、ロール体の表面に螺旋状に設けられたラ
グによって機体の後側へ搬送され、途中からロール型搬
送機構と挟扼レールとで上下方向から挟持される。この
時挟扼レールは弾性体を介して機体に支持されているこ
とから葉の量に関わらず、確実に挟持する。ロール型搬
送機構は、主搬送ベルト機構の外側方向へ回転している
ため、葉部がロール型搬送機構に挟持されている人参本
体は、搬送されている過程でロール型ベルト機構側に引
き寄せられる。そして引き寄せられた人参本体は、主搬
送ベルト機構の測端部に設けられた下ストッパー部材及
び上ストッパー部材に人参の首部が当接して位置決めさ
れた状態で搬送され、機体後部に設けられた回転刃によ
り葉部のみを確実に切断される。この時、上部ストッパ
ー部材は、下部ストッパー部材との間隔を調整可能にし
てあるため、葉部の量によって間隔を随時調整すること
ができる。

【００１３】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図１は葉部切断装置の左側面図、図２は右側面
図、図３は平面図である。葉部切断装置１は、機体２の
前後にそれぞれ走行車輪３が車輪軸３１，３２を介して
設けられており、また機体２の後側に後部ハンドル４、
機体２の前側に前部ハンドル５が脱着自在に設けられて
おり、作業者は該ハンドル４またはハンドル５を持って
切断装置１を走行させることができるようになってい
る。

【００１４】また、機体２の略中央には、該機体２の前
部から後部に向けて上方に傾斜する主搬送ベルト機構６
が設けられており、該主搬送ベルト機構６は、機体２の
前部の低位置に配設する軸受け６１に軸支されるガイド
ローラ６３と、機体２の後部の高位置に配設する軸受け
６２に軸支されるコンベヤローラ６４と、ガイドローラ
６３とコンベヤローラ６４とに巻装されるベルトコンベ
ヤ６５とで構成されている。また前記コンベヤローラ６
４にはスプロケット６７が連結されている。そして図２
に示すように、該主搬送ベルト機構６は、バッテリ２１
からの電力で駆動するコンベヤモータ２２からの動力を
チェーン６６を介してスプロケット６７に伝動し、コン
ベヤローラ６４を回転させて主搬送ベルト機構６を駆動
するように構成されている。

【００１５】ここで前記主搬送ベルト機構６のベルトコ
ンベヤ６５の表面には、傾斜している主搬送ベルト機構
６から人参が落下しないように、所要の高さを有するガ
イド部材６８が所定間隔毎に設けられている。該ガイド
部材６８は所要厚みを有する板状なものでベルトコンベ
ヤ６５と一体形成されている。そして主搬送ベルト機構
６の一側から他側に向けて斜め上方に所要角度傾斜、す
なわち図３に示すように、後述するロール型搬送機構７
側から反対側に向けて機体２の上方に向けて若干上がっ
ており、これによって略三角形状の人参を載せた時に、
人参の首部面がベルトコンベヤ６５の搬送方向と平行に
なる。

【００１６】図３に示すように、機体２の左側には、前
記主搬送ベルト機構６と同様に上方に傾斜するロール型
搬送機構７が前記主搬送ベルト機構に沿って平行に設け
られている。該ロール型搬送機構７は、前記主搬送ベル
ト機構６に沿って延びる回動軸７１と、該回動軸７１と
一体に回転するロール体７２と、前記回動軸７１を回転
自在に軸支する軸受け７３，７４，７５とで構成され、
前記ガイドローラ６３の端部に設けられた歯車７６と前
記回動軸７１の先端部に設けられた歯車７７とが互いに
噛み合い、ガイドローラ６３が回転すると同時に回動軸
７１が回転し、ロール体７２を回転させるようになって
いる。また、前記ロール体７２の表面にはラグ７８が螺
旋状に一体形成されている。

【００１７】また、該ロール型搬送機構７の略中央から
後端部にかけて挟扼レール８が設けられている。該挟扼
レール８は先端部がそり状に上方に反るように形成さ
れ、機体２の後端部に固着されてロール型搬送機構７の
上方に沿って延びる支持棒８１に連結ピン８２を介して
支持されており、該連結ピン８２は支持棒８１に設けら
れた連結孔に摺動自在に挿通されている。また、挟扼レ
ール８と支持棒８１との間にはスプリング８３が介在し
てあり、挟扼レール８は常時ロール型ベルトコンベヤ７
５に圧接されている。これゆえ人参の葉の量に関わら
ず、人参の葉部をロール型搬送機構７と挟扼レール８と
で確実に挟持する。

【００１８】また、前記主搬送ベルト機構６の測端部
で、ロール型搬送機構７側には該主搬送ベルト機構６の
先端から後端に亘って、人参の首部面の半径より若干短
い長さに対応する高さを有する板状の下ストッパー９が
設けられている。さらに該下ストッパー９の略中央から
後部にかけて、該下ストッパー９の上方に所要間隔を持
って上ストッパー１０が設けられている。該上ストッパ
ー１０は先端部が斜めに形成され、高さは下ストッパー
１０と同程度である。そして該上ストッパー１０の後端
部は機体２に回動自在に連結され、先端部は機体に設け
られた支持枠１０ａに前記挟扼レール８と同様に連結ピ
ン及びスプリング１０ｂを介して連結されている。それ
ゆえ、前記上ストッパー１０は上下に移動可能となり、
下ストッパー９との間隔が調整可能となる。

【００１９】さらに、前記主搬送ベルト機構６の後端
で、該主搬送ベルト機構６とロール型搬送機構７との間
に人参の葉部を切断する回転刃１１が設けられており、
該回転刃１１は主搬送ベルト機構６に平行に近接して配
置されている。該回転刃１１は機体２の後端部より前方
へ突出する支持枠１２に回動自在に軸支されており、回
転刃１１の位置微調整が可能なように、該支持枠１２は
機体２に対して左右、上下に微調整可能なように長孔に
ワッシャー、ネジを介して連結されている。そして該回
転刃１１は、前記バッテリ２１を動力源としてモータ１
３を回転させて駆動するように構成されている。また、
安全対策として、回転刃１１の上部を覆うようにカバー
１４が備え付けられている。

【００２０】上述のように構成される葉部切断装置１は
構成が簡易でさらに機体２をアルミ材等の軽材料を用い
て作成してあるため総重量が軽く、また全長が約１ｍ，
機幅が約４０ｃｍと非常にコンパクトに形成してあり、
持ち運び等が簡易に行えるようになっている。

【００２１】次に本発明の人参の葉部切断装置１の作用
を説明する。まず作業者は葉部切断装置１を後部ハンド
ル４を持って押しながら圃場へ移動させる。そして作業
者はかかんだ状態で圃場より人参を収穫する。ここで収
穫された人参は、人参本体の首部に葉が付いており、人
参本体形状は首部から根部にかけて細くなる略三角形状
をしている。

【００２２】次に、収穫された葉付き人参を、葉部をロ
ール型搬送機構７の上の載せ、人参本体を主搬送ベルト
機構６の上に載せる。この時、主搬送ベルト機構６のベ
ルトコンベヤ６５の表面には、所要の高さを有するガイ
ド部材６８が所定間隔毎に設けてあり、該ガイド部材６
８は主搬送ベルト機構６の一側から他側に向けて斜め上
方に所要角度傾斜、すなわち、ロール型搬送機構７側か
ら反対側に向けて機体２の上方に向けて若干上がってお
り、これによって略三角形状の人参を載せた時に、人参
の首部面がベルトコンベヤ６５の搬送方向と平行になる

【００２３】そして、ロール型搬送機構７の上に載せら
れた人参の葉部は、ロール体７２の表面に螺旋状に設け
られたラグ７８によって機体の後側へ搬送され、図５に
示すように、搬送過程の途中から葉部がロール型搬送機
構７と挟扼レール８とで上下方向から挟持される。この
時挟扼レール８はスプリング８３を介して機体２に支持
されているため、葉の量に関わらず、確実に挟持する。
そして、ロール型搬送機構７のロール体７２が主搬送ベ
ルト機構６の外側方向へ回転しているため、葉部がロー
ル型搬送機構７に挟持されている人参本体は、搬送され
ている過程でロール型ベルト機構側７に引き寄せられ
る。

【００２４】そして引き寄せられた人参本体は、図６に
示すように、主搬送ベルト機構６の測端部に設けられた
下ストッパー９及び上ストッパー１０に人参の首部が当
接して位置決めされた状態で搬送され、機体２後部に設
けられた回転刃１１により葉部のみを確実に切断され
る。この時、上部ストッパー１０は、下部ストッパー９
との間隔を調整可能にしてあるため、葉部の量によって
間隔を随時調整することができる。

【００２５】そして図４に示すように、葉部を正確に切
断された人参は、主搬送ベルト機構６から下方へ落下
し、機体２の後部に設けられた傾斜案内板２３に案内さ
れながら機体２の後端に設けられたコンテナ荷台２４に
設置された収容袋に収容される。また上記コンテナ荷台
２４にはコンテナ箱を設置して、コンテナ箱内に人参を
収容してもよい。さらに、上記傾斜案内板の表面には、
必要に応じて人参を傷付けないようにスポンジ等の弾性
材シートが貼りつけてある。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明では、簡易な
構成の装置で人参を大小または葉部の量に関わらず、葉
部を適正位置で正確に切断できる。また、搬送ベルト機
構を傾斜させていることから、作業者はかがんでの姿勢
または座った状態で作業を行うことができ、作業労力を
軽減することができる。さらに、全体をコンパクトに構
成していることから、直接圃場に装置を搬入し、堀取り
作業をしながら葉部の切断をおこなうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】葉部切断装置の左側面図

【図２】葉部切断装置の右側面図

【図３】葉部切断装置の平面図

【図４】本発明の作用説明図

【図５】人参の搬送過程の説明図

【図６】人参の位置決めの説明図

【符号の説明】

１ 葉部切断装置 ２ 機体 ２１ バッテリ ２２ コンベヤモータ ２３ 傾斜案内板 ２４ コンテナ荷台 ３ 走行車輪 ３１ 車輪軸 ３２ 車輪軸 ４ 後部ハンドル ５ 前部ハンドル ６ 主搬送ベルト機構 ６１ 軸受け ６２ 軸受け ６３ ガイドロール ６４ コンベヤロール ６５ ベルトコンベヤ ６６ チェーン ６７ スプロケット ６８ ガイド部材 ７ ロール型搬送機構 ７１ 回動軸 ７２ ロール体 ７３ 軸受け ７４ 軸受け ７５ 軸受け ７６ 歯車 ７７ 歯車 ７８ ラグ ８ 挟扼レール ８１ 支持棒 ８２ 連結ピン ８３ スプリング ９ 下ストッパー １０ 上ストッパー １０ａ 支持棒 １０ｂ スプリング １１ 回転刃 １２ 支持枠 １３ モータ １４ カバー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行車輪を有する機体と、 機体の前部から後部に向けて傾斜して配置される主搬送
   ベルト機構と、 前記主搬送ベルト機構の一測に沿って設けられ、該主搬
   送ベルト機構の外側方向へ回転するロール型搬送機構
   と、 前記ロール型搬送機構の途中から後端部にかけて設けら
   れ、弾性体を介して機体に支持されて前記ロール型搬送
   機構とで人参の葉部を挟持する挟扼レールと、 前記主搬送ベルト機構の一側端部に沿って設けられ、人
   参の搬送過程で該人参の首部が当接するように主搬送ベ
   ルト機構に対して垂直方向に所要の高さを有する下部ス
   トッパー部材と、 前記主搬送ベルト機構の後端で、該主搬送ベルト機構と
   ロール型搬送機構との間に設けられ、人参の葉部を切断
   する回転刃と、 を有して成ることを特徴とする人参の葉部切断装置。
2. 【請求項２】 上記主搬送ベルト機構のベルトコンベヤ
   の表面に、所要の高さを有するガイド部材を所定間隔毎
   に設け、該ガイド部材を主搬送ベルト機構の一側から他
   側に向けて斜め上方に傾斜するように設置したことを特
   徴とする請求項１記載の人参の葉部切断装置。
3. 【請求項３】 上記ロール型搬送機構のロール体の表面
   に、ラグを螺旋状に設けたことを特徴とする請求項１，
   ２記載の人参の葉部切断装置。
4. 【請求項４】 上記下部ストッパーの上方に設けられ、
   人参の搬送過程で該人参の首部が当接するように下方に
   向けて突出する上部ストッパー部材を設け、前記下部ス
   トッパー部材と上部ストッパー部材との間隔を調整可能
   に構成したことを特徴とする請求項１，２，３記載の人
   参の葉部切断装置。