JPH0998311A - 2次元雑音低減装置及び2次元雑音低減方法 - Google Patents

2次元雑音低減装置及び2次元雑音低減方法

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JPH0998311A
JPH0998311A JP7274696A JP27469695A JPH0998311A JP H0998311 A JPH0998311 A JP H0998311A JP 7274696 A JP7274696 A JP 7274696A JP 27469695 A JP27469695 A JP 27469695A JP H0998311 A JPH0998311 A JP H0998311A
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dimensional
frequency component
signal
noise reduction
low
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JP7274696A
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Shigehiro Ito
茂広 伊藤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不自然な歪みを与えない映像信号の雑音低減
装置を提供する。 【解決手段】 水平垂直の2次元画像信号に対して働く
雑音低減装置において、入力映像信号を2次元低域成分
と2次元高域成分とに分離する分離回路1−1,1−2
と、前記2次元高域成分を供給して2次元標準偏差値を
求める2次元標準偏差回路1−5と、前記2次元標準偏
差回路の出力が供給される低域濾波器1−6と、前記低
域濾波器の出力が供給されて2次元窓関数を形成する2
次元窓関数形成回路1−7と、前記2次元窓関数形成回
路の出力と前記2次元高域成分との積から新たな2次元
高域成分を生成する乗算器1−3と、前記乗算器出力と
前記2次元低域成分とを加算する加算器1−4とより構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】テレビジョン等の映像信号の
雑音を、2次元画像信号処理によって形成する窓関数を
用いて低減して画質改善を行なう。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の雑音低減装置の構成例であ
る。ここで雑音低減を行う対象とする信号例として、N
TSC方式の輝度信号を取り上げる。この輝度信号は図
4(a)及び次式(数1)に示す様に、周波数帯域fm
が略4MHzの信号である。
【0003】
【数1】
【0004】信号処理は次式(数2)のfsを標本化周
波数とするディジタル回路で行なうことにする。
【0005】
【数2】
【0006】まず、図2に基づき従来装置の説明をす
る。この装置は低域濾波器2−1、減算器2−2、非線
形変換器2−3、及び加算器2−4の4つのブロックか
ら成っている。ラインLaからの入力信号の一例とし
て、図4(a)の様な周波数fm迄平坦な特性のインパ
ルス波形を用いることにする。波形としては、かなりリ
ンギングの多い波形である。この入力信号は低域濾波器
2−1、及び減算器2−2に加えられる。低域濾波器の
特性は次式(数3)のG0(f)の様な、4MHz迄余
弦波状に減衰する100%のロールオフ特性である。
【0007】
【数3】
【0008】次段の減算器2−2で、入力信号と低域濾
波器2−1からの信号との差が求められ、高域成分が出
力される。この高域成分は次段の非線形変換器2−3に
加えられる。この非線形変換器の入出力特性は図4
(b)に示す様に、入力信号のレベルが小さい時に、出
力信号が出難くなる次式(数4)に示す様な非線形特性
の波形変換器である。
【0009】
【数4】
【0010】この回路の働きで、高周波領域の雑音等の
微小成分は、基準値poとの比率の4乗倍で圧縮され
る。この非線形変換器の出力は次段の加算器2−4にお
いて、前記の低域成分と加算合成されて、ラインLbを
介して出力信号が得られる。これらの働きにより、確か
に雑音やリンギング等の微小高域成分は減り、一見良さ
そうに思えるが、これを周波数領域に変換した(線形表
示の)図4(c)を見ると、周波数がfm以上の信号帯
域外に意味不明のスペクトル成分が、かなりの大きさで
付加される。この帯域外のスペクトルは、信号との相関
が弱いために、雑音と同じ振る舞いをすることになる。
従って、一般にはこれを取り除くための低域濾波器を付
けることが多い。
【0011】この帯域外雑音除去の為の低域濾波器は信
号成分に影響を与えないようにするために、周波数fm
迄平坦でそれ以上の周波数で急峻にゲインが落ちる様な
特性にする必要がある。しかし、そのような特性を得る
ための濾波器はかなり複雑な回路になり、コスト的にか
なり高くなることが多い。この様な高価な低域濾波器に
よって、信号の帯域外の不要な成分を除去しても、信号
帯域内のスペクトルの乱れを取り除くことはできないの
で、これはそのまま信号の歪みとして残ることになる。
この様な信号歪みは一般には後処理で取りきることは不
可能なので、非線形変換器の図4(c)の特性を工夫す
るわけだが、なかなか期待通りの良い特性が得られなか
った。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の様な雑音低減処
理を行なうことによる諸々の弊害即ち、信号帯域外の雑
音状の高調波の付加、信号帯域内の歪み等の弊害をでき
るだけ少なく押さえ、解像度感を維持したままで自然な
感じの雑音低減を行ない、総合的な画質改善効果を得る
のにはどの様な方策を取れば良いかという点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】次のような手段による雑
音低減装置を構成し、上記課題を解決している。 (1) 水平垂直の2次元画像信号に対して働く雑音低
減装置において、入力映像信号を2次元低域成分と2次
元高域成分とに分離する分離回路と、前記2次元高域成
分を供給して2次元標準偏差値を求める標準偏差回路
と、前記2次元標準偏差回路の出力が供給される低域濾
波器と、前記2次元低域濾波器の出力が供給されて2次
元窓関数を形成する窓関数形成回路と、前記2次元窓関
数と前記2次元高域成分との積から新たな2次元高域成
分を得る乗算器と、前記2次元低域成分と前記乗算器出
力とを加算する加算器とより構成した。 (2) 水平垂直の2次元画像信号に対して働く雑音低
減方法において、入力される映像信号を2次元低域成分
と2次元高域成分とに分け、前記2次元高域成分から2
次元標準偏差値を求め、2次元低域濾波器によって前記
2次元標準偏差値の不要高域成分を取り除き、次の窓関
数形成回路において、2次元エッジ成分を保護する2次
元窓関数を形成し、前記2次元窓関数と前記2次元高域
成分との積から新たな2次元高域成分を得て、前記2次
元低域成分と加算することで雑音を低減した出力信号を
得る。
【0014】(3) (1)において、2次元窓関数は
入力された信号と所定の定数値を用い、前記入力された
信号と前記定数値の和に対する前記入力された信号また
は前記定数値との比率によって形成する。 (4) (1)において、2次元窓関数は入力された信
号と所定の定数値を用い、前記入力された信号と前記定
数値の和に対する、前記入力された信号または前記の定
数値との比率を用いた正弦関数または余弦関数によって
形成する。
【0015】(5) (1)において、入力される映像
信号を2次元低域成分と2次元高域成分とに分けるのに
際し、前記入力映像信号を2次元低域濾波器を用いて2
次元低域成分を求め、前記入力映像信号から前記2次元
低域成分を減算することで2次元高域成分を得るものと
し、前記2次元低域濾波器は2次元的に見て隣接する複
数点の標本値の平均値から求める。 (6) (1)において、2次元標準偏差値の不要高域
成分を除去する2次元低域濾波器は、2次元的に隣接す
る複数の標本値の平均値から求める。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の2次元雑音低減装置の一
実施例について図と共に以下に説明する。図1は本発明
の2次元雑音低減装置の構成例である。図3は主要回路
の詳細回路構成例であり、図4〜図18は動作説明図であ
る。
【0017】本発明では水平垂直の2次元配置の画像信
号を扱うことになる。図5(a)に正方格子状に配置さ
れた画像信号の標本点の配置図を示す。これは演算上で
使用する標本点をイメージできる様にする為の図であ
り、X00を中心画素(処理対象となる基準標本点)とし
て、水平方向の標本点番号i=−1〜1、垂直方向の走
査線番号j=−1〜1の2つの座標軸の交点に位置する
合計9個の標本点(■印)である。垂直方向には水平走
査線間隔Ys(=1/fh、fh=15.73426KHz 水
平走査周波数)毎に演算を行なうが、図では走査線番号
j=−1〜1の3つの走査線を表示している。水平方向
には標本化間隔Xs(=1/(4fsc)、fsc=3.
579545KHz色副搬送波周波数)毎の演算を行なうた
め、水平標本点番号i=−1〜1の3つの標本点を表示
してある。
【0018】以下の動作説明で引用する1つの標本点に
対する演算変域は、水平方向はi=−1〜1、垂直方向
はj=−1〜1であり、合計9個の標本点を使用する。
標本点数が少ないのは、コストを考慮した為で、これに
限定されるものではない。なお、以下の動作説明におい
て、2次元表示の波形図を立体的に表示する方法も採用
している。まず、図1の本発明の2次元雑音低減装置の
構成例について説明する。なお、図3は図1の主要ブロ
ックの具体的構成例である。図1は従来例の構成図(図
2)の非線形変換回路2−3を、窓関数形成及び窓関数
に基づく高域成分の変換処理(1−3、1−5〜1−
7)に置き換えた構成である。また、従来例では1次元
処理を行なっていたが、これを2次元処理に置き換え雑
音低減効果を高めている点も特徴の1つである。
【0019】ブロック1−1は第1の2次元低域濾波
器、1−2は減算器、1−3は乗算器、1−4は加算
器、1−5は2次元標準偏差回路、1−6は第2の2次
元低域濾波器、1−7は非線形変換器である。図1の入
力ラインLaからの入力信号として、図4(a)の様に
水平方向の信号帯域がfm(略4MHz)迄の輝度信号
を扱うことにする。信号波形の一例として、図9(a)
の様な円柱状の波形を扱うことにする。水平方向に略2
μsの幅を持ち、そのエッジを上限周波数が4MHz迄
の100%ロールオフ特性の低域濾波器でなだらかにし
たものであり、垂直方向にも同じ標本点幅を持つような
構成の円柱波形である。この様な形の円柱波形を取り上
げた理由は、後述する2次元波形表示で見易い波形とし
て選んだ。図 13 (a)はこの円柱波形(図9(a))
の中心線(y=0)を通り、水平軸に沿って切り出した
1次元の振幅線形表示の時間波形図である。
【0020】この入力信号は、まず第1の2次元低域濾
波器1−1と減算器1−2に供給される。この第1の2
次元低域濾波器の特性G1(μ,ν)は、9つの標本点
を用いた平均値処理の低域濾波器である。図6は濾波器
の係数Cij(i=-1 〜1,j=-1〜1)の配置図であるが、図5
の標本点Xij(i=-1 〜1,j=-1〜1)の各々に、同一の番号
の重み付けCijを与えて合成して、2次元低域濾波器を
構成している。G1(μ,ν)の振幅特性を次式(数
5)に示す。
【0021】
【数5】
【0022】図3(a)はこの第1の2次元低域濾波器
の回路構成例である。遅延回路群と合成器から成るディ
ジタル回路構成の濾波器である。La1は入力ライン、L
a2が出力ラインである。ブロックa−1及びa−2は、
各々遅延時間が次式の様に水平走査周期Th、即ち垂直
標本化間隔Ys の直列接続された遅延回路群である。
【0023】
【数6】
【0024】この遅延回路群の出力はTh(Ys)間隔
の3個の信号であるが、次の合成器a−3で加算合成さ
れる。この加算合成信号は、更に次の遅延回路群に加え
られる。ブロックa−4及びa−5は、各々遅延時間が
次式の様に水平標本化周期Ts、即ち水平標本化間隔X
s の直列接続された遅延回路群である。この遅延回路群
の出力は、Ts (即ちXs )間隔の3個の信号である
が、次の合成器a−6で加算合成されてラインLa2から
出力される。この図3(a)の構成は、平均値型の2次
元低域濾波器であり、ラインLa2から2次元低域成分が
出力される。
【0025】
【数7】
【0026】図13(b)はこの2次元低域成分の中心線
(y=0)を通り水平軸に沿って切り出した1次元の振
幅線形表示の時間波形図である。減算器1−2はライン
Laからの入力信号と、第1の2次元低域濾波器1−1
からの2次元低域成分との差を求める回路であり、この
差は2次元高域成分である。図13(c)はこの2次元高
域成分の中心線(y=0)を通り水平方向に沿って切り
出した1次元の振幅線形表示の時間波形図である。
【0027】図7(b)は2次元低域濾波器の水平方向
及び垂直方向の特性(実線、LPF、μm =水平上限周
波数、νm =垂直上限周波数)、及び2次元高域濾波器
の水平方向及び垂直方向の特性(点線、HPF)を模式
的に示したものである。図でも分かるように、2つの濾
波器の振幅特性の合成値は一定値(=1)である。次の
2次元標準偏差回路1−5は、ブロック1−2から加え
られる2次元高域成分の水平及び垂直方向に隣接する9
個の標本点(図5(a)参照)の自乗和平均の平方根、
即ち2次元標準偏差値σ(次式(数8)参照)を求める
回路である。
【0028】
【数8】
【0029】この2次元標準偏差回路の具体的な構成例
が図3(b)である。図でラインLb1は入力端子、ライ
ンLb2は出力端子である。ブロックb−1はラインLb1
から入力される信号の2乗の値を求める回路であり、乗
算器またはテーブルルックアップ方式のROM等で構成
出来る。ブロックb−2とb−3は、各々遅延時間がT
h(Ys)の水平走査周期の遅延回路であり、直列に接
続されており、Th(Ys)間隔の3つの標本値が取り
出せる構成になっている。この遅延回路群の3つの出力
標本値は、次の合成器b−4で加算合成される。
【0030】次のブロックb−5とb−6は、各々遅延
時間がTs(Xs)の水平標本化周期の遅延回路であ
り、直列に接続されており、Ts(Xs)間隔の3つの
標本値が取り出せる構成である。この遅延回路群の3つ
の出力標本値は、次の合成器b−7で加算合成される。
次のルート回路b−8では、合成器b−7からの信号に
対し、数8の9で割る演算及び平方根の演算が行われ
る。このような演算は予め計算したデータをROM等に
書き込んでおき、入力に応じて出力値を選択するテーブ
ル・ルックアップ方式で行うことが出来る。ルート回路
b−8で処理された信号は、2次元標準偏差値σであ
り、ラインLb2を介して出力される。
【0031】この2次元標準偏差回路の働きにより、入
力される2次元高域成分の包絡線成分が取り出される。
隣接する複数の標本点の自乗和平均の平方根を求めてい
るため、低域濾波器の機能も含まれるので、不要な高調
波成分も抑制される。図10(a)はこの2次元標準偏差
値σの振幅線形表示の2次元波形図である。図13(d)
は図10(a)の波形の中心線(y=0)を通り水平軸に
沿って切り出した振幅線形表示の1次元時間波形図であ
り、図10(a)の2次元波形の断面の波形である。
【0032】2次元標準偏差回路1−5の出力は、次の
第2の2次元低域濾波器1−6に加えられる。この低域
濾波器の特性は、第1の2次元低域濾波器1−1と同じ
G1(f)(数5参照)とする。従って、回路構成も図
3(a)の平均値型の低域濾波器である。しかし、同じ
構成にすることが必修事項ではなく、2次元標準偏差値
σに含まれている不要高域成分を除去することが目的で
ある。
【0033】図14(a)はこの第2の2次元低域濾波器
の出力波形の中心線(y=0)を通り水平軸に沿って切
り出した振幅線形表示の1次元時間波形図である。この
2次元低域濾波器の働きで、入力される2次元標準偏差
値σは、残留する不要な高域成分が除去されたなだらか
な波形になる。帯域制限を強く掛けることで、波形抑圧
範囲を絞り込むことも出来る。この第2の2次元低域濾
波器の出力は、次の非線形変換器1−7に加えられる。
この非線形変換器の特性例を次式(数9)に示す。
【0034】
【数9】
【0035】ここで、Zは入力される信号の絶対値であ
るが、前段の低域濾波器の働きで、微小ながら負の値が
入力される恐れがあるので絶対値を用いることにした。
この式の最初の項では、ZとZ+Zoとの比、即ちZ/
(Z+Zo)を用いているが、これらを図7(a)にZ
(実線)とZ+Zo(点線)の模式的波形例(2次元非
線形変換器の特性の水平または垂直方向の断面図)で示
してあるが、波形のピークとなる時刻t=tbでは、Z
>>Zoなのでこの比の値は1に近い値であり、ピーク
から少し離れたt=taでは、比の値は1〜1/2の範
囲内の値となり、ピークから更に離れたt=tcではZ
=Zoなので比の値は1/2となり、Zが十分小さい時
には比の値は0に近い値になる。
【0036】この比の値にπ/2を掛ければ0〜π/2
の間の値が得られることから、これを位相角とする正弦
関数を用いることが出来る。また、この正弦関数と90
゜位相差の余弦関数を用いることも出来る。この時の位
相角は数9の第2項の様に、Zo/(Z+Zo)の比率
から求められる。これらの位相角に基づく正弦関数、ま
たは余弦関数の三角関数のr乗倍と、若干のゲインの微
調整のための係数Koとによって窓関数が形成される。
【0037】図8はZo=0.015 、Ko=1でr=1、
2、4、8とした時の窓関数、即ち非線形変換器出力K
を、横軸Z=0〜 0.1に対して求めた計算例である。窓
関数の特性はパラメータZo、Ko、rの与え方によっ
て変えることが出来るが、動作波形図を求める際に用い
た標準値は、次式(数10)のパラメータである。この
様な非線形特性は、テーブルルックアップ方式のROM
で構成出来る。
【0038】
【数10】
【0039】図10(b)は前記のパラメータを設定し、
標準偏差値σが図10(a)の様な時の2次元窓関数Kの
波形図である。他の波形が入力された場合には、それに
応じた別の形の窓関数が得られる。このようにして定め
られる数9に基づく値Kは、2次元的に拡がる波形変化
部に形成され、雑音低減の為に使用されるが、リンギン
グ低減にも効果がある。図14(b)はこの窓関数形成回
路の出力波形の中心線(y=0)を通り、水平軸に沿っ
て切り出した振幅線形表示の1次元時間波形図である。
本発明はこの窓関数の形成方法に特徴がある。
【0040】この非線形変換器1−7の出力、即ち、窓
関数Kは次の乗算器1−3に加えられ、減算器1−2か
ら供給される2次元高域成分との間で積が求められる。
これにより、第2の2次元高域成分が形成される。図14
(c)に示すのがこの第2の高域成分である。この波形
には元々雑音が含まれていないので、あまり窓関数の効
果は現れていないが、後に引用する雑音の多い入力波形
に対する、この窓関数の効果は大きい。
【0041】次の加算器1−4で、2次元低域濾波器1
−1からの2次元低域成分と、乗算器1−3からの第2
の2次元高域成分とが加算合成される。加算合成の結果
はラインLbを介して出力される。この出力される2次
元波形図を図9(b)に示す。僅かではあるが存在する
波形のはね上がりも綺麗に抑圧されていることが解る。
図16(a)は図9(b)の波形の中心線(y=0)を
通り、水平軸に沿って切り出した振幅線形表示の1次元
時間波形図である。これをラインLaの入力信号の対応
波形図の図15(a)と比較すると、大まかな意味での波
形歪みは付加されて居ないことがわかる。
【0042】振幅dB表示の時間波形図の図16(b)
を、対応する入力信号図15(b)と比較すると、波形エ
ッジの微小リンギング成分が抑圧されている様子が良く
分かる。この様なリンギング低減効果は画質的には効果
的である。また、出力信号のスペクトルの図16(c)
を、入力信号のスペクトル図15(c)と比較すると、信
号の帯域がやや拡がっており、入力信号の帯域外の成分
も付加されるが、信号との相関のある成分なので、特に
雑音化していないので、本来の画質を損なうことはな
い。この様に、本発明は波形エッジを保存し、これを損
なわずに雑音低減及びリンギング低減を行なえるのが特
徴がある。
【0043】次に雑音低減効果について説明する。図15
は雑音を含まない入力信号、図16は図15に対して雑音低
減処理を行った後の出力信号、そして図17は雑音を含ん
だ入力信号、図18は図17に対して雑音低減処理を行った
後の出力信号の1次元表示の波形図及びスペクトル図で
あるが、これらは各々図9(a)、図9(b)、図11
(a)、図11(b)等の2次元波形図の横幅最大の所の
断面図、即ち水平軸(Y=0)の波形図である。雑音低
減効果に関して、振幅dB表示の時間波形図の図18
(b)を図17(b)とを比較すると、7〜8dBの雑音
低減効果が見られる。また、振幅dB表示の周波数特性
図の図18(c)を図17(c)と比較すると、信号帯域外
で10数dBの雑音低減効果が得られることが解る。
【0044】そして、図18(a)を図17(a)及び元の
信号である図16(a)と比較すると、波形平坦部はもと
より、波形変化部でも本来の波形が保存された状態であ
ることが良く解る。これらは水平及び垂直方向の信号の
相関関係に基づく効果であり、2次元処理の窓関数の効
果である。いわゆる雑音低減効果は、従来技術でも実現
出来るが、主要な信号部に異常な波形歪みを与えること
なく、不必要な微小高域成分を除去出来る雑音低減機能
を備えていることが本発明の最大の特徴である。
【0045】なお、雑音低減処理過程で、中心的な働き
をする2次元窓関数を形成する為の非線形変換器は、信
号と雑音をエネルギーのレベルで判断して、雑音に対し
てより強く働き、これを抑圧してSNを改善する様に機
能している。また、幾つかのパラメータを変えること
で、その特性を任意に変えることが出来、係数Koを大
きくすると変換される高域成分のゲインが上がり高域成
分が強調される。窓関数を使うことで微小とは言え、抑
圧される高域成分を補正するために使用することが出来
る。逆にKoの値を小さくすると高域成分が減少する。
【0046】また、基準値Zoの値を大きくすると窓関
数の幅は狭くなり、絞り込みの範囲が狭くなる。逆にZ
oの値が小さくなると雑音低減効果は弱くなる。rの値
を大きくすると絞り込みが強く働き、逆にrの値を小さ
くすると絞り込みの範囲が拡がり、雑音低減効果が弱く
なる。この様な特徴を用いて、用途に合わせた最適な特
性を得ることが出来る。これらのパラメータをダイナミ
ックに制御することで適応制御を行わせることも出来
る。この様な非線形特性は、テーブルルックアップ方式
のROM等で構成出来る。
【0047】リンギング低減、即ちリンギングの存在範
囲を狭める目的には、窓関数が有効であり、限られた数
の係数項でディジタルフィルタを設計する際に、しばし
ば用いられるが、任意の波形に適合した窓関数を得る方
法についての例はない。本発明はこの窓関数の形成方法
に第1の特徴がある。窓関数の働きをイメージするため
に、ラインLbの出力信号の波形図とスペクトル図の図
16(b)及び(c)を、ラインLaの入力信号である図
15(b)及び(c)と比較して見ると、若干の帯域拡大
を伴いながら、波形エッジのリンギング存在領域が狭ま
っていることが解る。
【0048】リンギングの存在時間幅を狭めたことによ
り、信号のスペクトル領域が広がり、本来空いていて利
用価値のない帯域外領域も、若干の拡がり幅ではある
が、有効に活用されることになる。これは図7(c)に
模式的に示すように、上限周波数μm (νm )の左側の
横縞の周波数成分が削られる代わりに、μm (νm )の
右側の縦縞の周波数成分が形成され付加された様な現象
と捉えることが出来る。μm (νm )の右側の成分は非
線形処理によって新たに形成された成分であり、帯域拡
大の効果と捉えることが出来る。この帯域拡大の効果が
有るため、波形の傾斜部はリンギングを押さえ込んでも
急峻さが保たれることになる。
【0049】ラインLaの入力信号波形の図9(a)
と、ラインLbの出力信号波形の図9(b)を比較する
と、円柱状の形がほとんどそのままの形で残っている。
これは2次元窓関数を用いた処理なので、波形が円柱で
もなんら障害が起こらない。これも本発明の特徴であ
る。また、第1の2次元低域濾波器1−1と第2の2次
元低域濾波器1−6は、隣接する標本値を含めて9個の
標本値の平均値型の低域濾波器である。これは信号に混
入している雑音の影響を排除し、窓関数による雑音低減
処理を行なっても信号帯域内のスペクトルの歪みの極め
て少ない良好な周波数特性の信号再生が出来ることから
選んだ特性である。
【0050】従って、この2次元低域濾波器の特性の設
定法も本願の中の重要な要素技術である。但し、この平
均値を求める際の9個の値は、必修の条件ではなく、さ
らに数が増えてもなんら差し支えはない。何れにして
も、本願の2次元窓関数を用いることで、信号成分の大
きさに応じてSN改善効果を変えることが出来、従って
雑音の様な微小高域成分により強い抑圧効果を持たせる
ことが出来る。
【0051】更に、本願の動作説明では、扱う画像(映
像)信号として輝度信号を例に取り上げてきたが、他の
映像信号即ちRGB信号、色差信号等ベースバンド系の
信号にも適用出来ることは言うまでもない。また、NT
SC方式の映像信号に留まらず、PAL方式、SECA
M方式そしてハイビジョンの映像信号にも適用出来る。
また、本発明は、画像データの圧縮伸張過程において生
ずる各種の符号化歪みの低減処理にも効果が有り、MP
EG等のプリ、ポスト処理にも有効である。
【0052】
【発明の効果】以上の通り本発明は、以下の効果を有す
る。 (イ)信号帯域内及び信号帯域外を含めて、信号に対す
る歪みの少ない雑音低減効果を得ることが出来る。 (ロ)雑音低減処理を行っても、信号の帯域拡大の効果
で、波形変化部の急峻度が維持出来、解像度感を損なわ
ないエッジ保存型の処理である点が、従来方式に見られ
ない特徴である。 (ハ)雑音成分を十分に抑圧したスペクトルエネルギー
から得られる2次元窓関数を用いて雑音低減を行ってい
るので、信号よりも雑音に対して、より強い抑圧効果が
あり、SN的に見て効果的な雑音低減効果を得ることが
出来る。
【0053】(ニ)雑音低減機能の外に、微小な雑音や
符号化復号化に伴う符号化歪等の低減処理に効果があ
り、総合的な画質向上に効果がある。 (ホ)水平垂直の2次元処理なので、1次元に比較して
雑音低減効果が大きい。1次元処理では取りきれない低
域の雑音成分も低減される。また、方向性がないので、
不自然感がなく、総合的な画質向上に効果がある。 (ヘ)回路的も複雑な回路構成にはならず、通常のディ
ジタル回路で実現出来るので、コスト/パフォーマンス
が良い。 (ト)パラメータを変えることで特性を変えることが出
来るので、適応制御にも応用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の雑音低減装置の一実施例の構成図であ
る。
【図2】従来の雑音低減装置の構成図である。
【図3】本発明の具体例の主要部の詳細構成図である。
【図4】動作説明図である。
【図5】動作説明図(演算に係わる標本点の2次元配
列)である。
【図6】動作説明図(2次元低域濾波器の2次元係数配
置)である。
【図7】動作説明図である。
【図8】窓関数入出力特性例 横軸…入力Z、縦軸…出
力K 入力レンジ X=0〜0.1である。
【図9】入力信号及び出力信号の2次元波形図である。
【図10】2次元標準偏差値及び2次元窓関数の波形図で
ある。
【図11】入力信号及び出力信号の2次元波形図(雑音付
き)である。
【図12】2次元標準偏差値及び2次元窓関数の波形図
(雑音付き)である。
【図13】各ブロックの出力波形図である。
【図14】各ブロックの出力波形図である。
【図15】入力信号の1次元表示波形図である。
【図16】出力信号の1次元表示波形図である。
【図17】入力信号の1次元表示波形図(雑音付き)であ
る。
【図18】出力信号の1次元表示波形図(雑音付き)であ
る。
【符号の説明】
1−1 低域濾波器(LPF1) 1−2 減算器 1−3 乗算器 1−4 加算器 1−5 2次元標準偏差回路 1−6 低域濾波器(LPF2) 1−7 2次元窓関数形成回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平垂直の2次元画像信号に対して働く雑
    音低減装置において、 入力映像信号を2次元低域成分と2次元高域成分とに分
    離する分離回路と、 前記2次元高域成分を供給して2次元標準偏差値を求め
    る標準偏差回路と、 前記2次元標準偏差回路の出力が供給される低域濾波器
    と、 前記2次元低域濾波器の出力が供給されて2次元窓関数
    を形成する窓関数形成回路と、 前記2次元窓関数と前記2次元高域成分との積から新た
    な2次元高域成分を得る乗算器と、 前記2次元低域成分と前記乗算器出力とを加算する加算
    器とより構成したことを特徴とした2次元雑音低減装
    置。
  2. 【請求項2】水平垂直の2次元画像信号に対して働く雑
    音低減方法において、入力される映像信号を2次元低域
    成分と2次元高域成分とに分け、前記2次元高域成分か
    ら2次元標準偏差値を求め、2次元低域濾波器によって
    前記2次元標準偏差値の不要高域成分を取り除き、次の
    窓関数形成回路において、2次元エッジ成分を保護する
    2次元窓関数を形成し、前記2次元窓関数と前記2次元
    高域成分との積から新たな2次元高域成分を得て、前記
    2次元低域成分と加算して雑音を低減した出力信号を得
    ることを特徴とした2次元雑音低減方法。
  3. 【請求項3】請求項1の2次元雑音低減装置において、
    2次元窓関数は入力された信号と所定の定数値を用い、
    前記入力された信号と前記定数値の和に対する前記入力
    された信号または前記定数値との比率によって形成する
    ことを特徴とした2次元雑音低減装置。
  4. 【請求項4】請求項1の2次元雑音低減装置において、
    2次元窓関数は入力された信号と所定の定数値を用い、
    前記入力された信号と前記の定数値の和に対する、前記
    入力された信号または前記定数値との比率を用いた正弦
    関数または余弦関数によって形成することを特徴とした
    2次元雑音低減装置。
  5. 【請求項5】請求項1の2次元雑音低減装置において、
    入力される映像信号を2次元低域成分と2次元高域成分
    とに分けるのに際し、前記入力映像信号を2次元低域濾
    波器を用いて2次元低域成分を求め、前記入力映像信号
    から前記2次元低域成分を減算することで2次元高域成
    分を得るものとし、前記2次元低域濾波器は2次元的に
    見て隣接する複数点の標本値の平均値から求めることを
    特徴とする2次元雑音低減装置。
  6. 【請求項6】請求項1の2次元雑音低減装置において、
    2次元標準偏差値の不要高域成分を除去する2次元低域
    濾波器は、2次元的に隣接する複数の標本値の平均値か
    ら求めることを特徴とする2次元雑音低減装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040018858A (ko) * 2002-08-27 2004-03-04 한국전자통신연구원 시각 피로 감소를 위한 스테레오 영상의 초점심도 조정장치 및 그 방법

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KR20040018858A (ko) * 2002-08-27 2004-03-04 한국전자통신연구원 시각 피로 감소를 위한 스테레오 영상의 초점심도 조정장치 및 그 방법

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