JPH0997729A - フライバックトランスおよびその製造方法 - Google Patents

フライバックトランスおよびその製造方法

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JPH0997729A
JPH0997729A JP7250994A JP25099495A JPH0997729A JP H0997729 A JPH0997729 A JP H0997729A JP 7250994 A JP7250994 A JP 7250994A JP 25099495 A JP25099495 A JP 25099495A JP H0997729 A JPH0997729 A JP H0997729A
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epoxy
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JP7250994A
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Inventor
Tetsuo Tajima
哲夫 田嶋
Ryoichi Sudo
亮一 須藤
Mitsuo Otsu
満雄 大津
Etsuo Tsurumi
悦男 鶴見
Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
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Hitachi Ltd
Hitachi Media Electronics Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Media Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フライバックトランス(FBT)の硬化時間の
短縮。 【解決手段】(a)化学式(化1)で表されるエポキシ化
合物72〜82重量部と、臭素化グリシジルエーテル誘
導体の混合物(臭素含有量:40〜60重量%)18〜2
8重量部とからなるエポキシ混合物100重量部と、
(b)三酸化アンチモン粉末5〜30重量部、水和アル
ミナ粉末40〜100重量部、およびシリカ粉末30〜
100重量部と、(c)下記化学式(化2)で表される脂
環式酸無水物と、(d)下記一般式(化4)で表されるイ
ミダゾール化合物0.2〜2.5重量部とからなる液状
エポキシ樹脂前駆体組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化速度が速い注
型用液状エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理すること
により得られるフライバックトランス(以下、FBTと
略す)およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、テレビ受像機やディスプレイに
用いられるFBTは、図1に示す様に、第1のプラスチ
ック製ボビン1に分割巻きした1次コイル2、第2のプ
ラスチック製ボビン3に積層巻きした2次コイル4、1
個以上の高圧ダイオード5、および、高圧抵抗からなる
フォーカスブロック6(ただし、高圧コンデンサを含む
場合もある)などを、注型樹脂7で絶縁処理して、ケー
ス8内に収納した構造からなる。
【0003】このFBTを構成する各構成部品のうち、
例えば、ボビン1,3の材料であるプラスチックと、コ
イル2,4の材料である金属とは、熱膨張率が全く異な
っている。このように、FBTは熱膨張係数の異なる構
成部品からなるため、その注型樹脂硬化物7は、ヒート
サイクルに対しクラックおよび剥離を生じないことが重
要であり、かつ、電気特性、難燃性および耐湿性等の諸
特性が必要である。
【0004】また、高電圧部品であるFBTは、小型
化、高性能化が進み、そのために使用時における温度上
昇が高くなるので、絶縁耐圧寿命の観点から、これに用
いる注型樹脂硬化物には、耐熱性が要求され、一般に、
110℃以上のガラス転移温度(以下、Tgと略記する)
を有するとされる。
【0005】さらに、コイル絶縁の観点から、絶縁処理
前(硬化前)の注型用樹脂前駆体組成物はコイル間へ充分
含浸する必要があるため、硬化前の注型用樹脂前駆体組
成物には、高い含浸性が要求される。
【0006】そこで、これらの要求を満たすべく、従来
より、上記諸特性のバランスのとれた樹脂前駆体組成物
として、液状のエピクロルヒドリン・ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(エポキシ化合物)、脂環式酸無水物のメ
チルテトラヒドロ無水フタル酸(硬化剤)、および、イミ
ダゾール化合物である1−シアノエチル−2−エチル−
4−メチルイミダゾール(硬化促進剤)等を成分とする液
状エポキシ樹脂前駆体組成物が、FBT注型用樹脂とし
て使用されている。
【0007】また、このような液状エポキシ樹脂前駆体
組成物の性能を向上させるための技術として、特公平5-
31282号公報には、特定粒径水和アルミナを配合したエ
ポキシ樹脂前駆体組成物を用いて絶縁処理することによ
り、コイル間への樹脂含浸性が向上することが記載され
ている。また、特開平1-150309号公報には、安定化赤リ
ン難燃剤を配合したエポキシ樹脂前駆体組成物を用いて
絶縁処理することにより、電気特性が改良できることが
記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】なお、このエポキシ樹
脂前駆体組成物は、一次硬化工程(前硬化工程)と二次
硬化工程(後硬化工程)との2工程により硬化され、そ
の総硬化時間は、通常、5時間以上であった。
【0009】近年、省エネルギの観点から、FBT製造
プロセスの見直しにより、エポキシ樹脂による絶縁処理
工程の合理化を図るべく、エポキシ樹脂硬化時間の短縮
化が必要となってきた。一般に、熱硬化性樹脂の硬化時
間は、硬化温度が高ければ短くなる。しかし、FBTの
製造においては、プラスチック製のボビンが変形してし
まうため、硬化温度を115℃以下にする必要がある。
そこで、二次硬化温度を従来の105〜115℃に抑え
たままで、一次硬化時間も含めた総硬化時間を従来(5
時間)の40〜80%(2〜4時間)に短縮することが望
まれている。
【0010】そこで、本発明は、つぎの(1)〜(4)
を満たす液状エポキシ樹脂前駆体組成物と、該組成物の
硬化物を絶縁剤として備えるFBTおよびその製造方法
とを提供することを目的とする。 (1)硬化前の液状エポキシ樹脂前駆体組成物がコイル
間へ充分含浸する。 (2)二次硬化温度を105〜115℃としても、総硬
化時間2〜4時間で充分硬化する。 (3)硬化物のTgが110℃以上である。 (4)FBTに対して100℃/2時間および−50℃
/2時間のヒートサイクル試験を50サイクル以上行な
っても、エポキシ樹脂硬化物を含むFBTにクラックの
発生が無く、エポキシ樹脂硬化物と他のFBT構成部品
との剥離が起こらず、FBTとしての性能を充分に満足
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、FBT絶縁処理用液状樹脂前駆体組成
物として、 (a)下記化学式(化1)で示されるエピクロルヒドリン
・ビスフェノールA型エポキシ化合物72〜82重量部
と、臭素化フェニルモノグリシジルエーテルおよび臭素
化クレジルモノグリシジルエーテルの混合物(臭素含有
量:40〜60重量%)18〜28重量部とからなるエ
ポキシ混合物100重量部と、
【0012】
【化1】
【0013】(ここで、n=0〜2、エポキシ当量=1
85〜195である。) (b)三酸化アンチモン粉末5〜30重量部、水和アルミ
ナ粉末40〜100重量部、およびシリカ粉末30〜100重量部
と、 (c)下記化学式(化2)で示される脂環式酸無水物と、
【0014】
【化2】
【0015】(d)下記一般式(化3)で示されるイミダ
ゾール化合物0.2〜2.5重量部と
【0016】
【化3】
【0017】(ここで、R1およびR2は、いずれか一方
がメチル基、他方が水素である。)からなる液状エポキ
シ樹脂前駆体組成物が提供される。なお、(a)はエポ
キシ樹脂、(b)は充填剤、(c)は硬化剤、(d)は
硬化促進剤である。(c)の脂環式酸無水物の量は、
(a)のエポキシ混合物1エポキシ当量に対して、0.
7〜1.2酸無水物当量である。
【0018】この液状エポキシ樹脂前駆体組成物は、エ
ポキシ混合物100重量部に対して、エポキシ基を有す
るシランカップリング剤(例えば、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン)0.1〜10重量部を、さ
らに含むことが好ましい。
【0019】また、本発明では、上述した液状エポキシ
樹脂前駆体組成物を硬化させて得られるエポキシ樹脂硬
化物を絶縁材として備えるFBTが提供される。
【0020】さらに、本発明では、上述した液状エポキ
シ樹脂前駆体組成物をケース中に注入し、65〜85℃
の温度で1.0〜1.7時間保持したのち(一次硬化工
程)、0.4〜0.8時間で105℃まで昇温し、105
〜115℃の温度で0.6〜1.5時間保持(二次硬化工
程)する硬化工程を備えるFBTの製造方法が提供され
る。なお、注型のためのケースは、このままFBTのケ
ース8(図1に図示)として用いてもよく、硬化工程後
に除去し、コイル等の内容物を注型樹脂硬化物ごと新た
なケースに収納するようにしてもよい。本発明によれ
ば、総硬化時間は、一次硬化時間と昇温時間と二次硬化
時間との合計であるから、本発明によれば、2〜4時間
となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂前駆体組成
物は、耐熱性樹脂硬化物を与える特定の脂環式酸無水物
硬化剤および特定の速硬化形硬化促進剤(イミダゾール
化合物)を配合した組成物であり、硬化時間が短く、硬
化物のTgが高いため、FBTの製造に特に適してい
る。
【0022】上記注型用液状エポキシ樹脂前駆体組成物
を用いる、本発明に係る硬化条件で絶縁処理することに
より、二次硬化工程の硬化条件を温度105〜115
℃、総硬化時間2〜4時間とすることができるので、従
来より短時間でFBTを製造することができる。
【0023】また、本発明のエポキシ樹脂前駆体組成物
は、含浸性が高くコイル間へ充分含浸するとともに、硬
化して得られるエポキシ樹脂硬化物のTgは110℃以
上である。さらに、この樹脂により絶縁処理したFBT
は、100℃/2時間および−50℃/2時間のヒート
サイクル試験を50サイクル以上行なっても、エポキシ
樹脂硬化物にクラックの発生が無く、エポキシ樹脂硬化
物と他のFBT構成部品との剥離も起こらず、FBTは
必要な他の初期特性(電気特性、難燃性および耐湿性等
の諸特性)および寿命特性をも充分に満足し、高性能で
ある。
【0024】(a)エポキシ混合物 本発明のエポキシ樹脂前駆体組成物に含まれるエポキシ
混合物は、下記化学式(化1)で示されるエピクロルヒド
リン・ビスフェノールA型エポキシ化合物72〜82重
量部と、臭素化合物の混合物(臭素含有量:40〜60
重量%)18〜28重量部とからなる。
【0025】
【化1】
【0026】(ここで、n=0〜2、エポキシ当量=1
85〜195である。) 臭素化合物の混合物は、臭素化フェニルモノグリシジル
エーテルと、臭素化クレジルモノグリシジルエーテルと
の混合物であり、その臭素含有量は40〜60重量%)
である。臭素化合物混合物の配合量は、エポキシ混合物
総量を100重量部とするとき、18〜28重量部が良
い。臭素化合物混合物が18重量部より少ないと、樹脂
硬化物の難燃性が不十分であるだけでなく液状樹脂前駆
体組成物の粘度が高いためコイル含浸性が低下し、28
重量部より多いと、樹脂硬化物の耐ヒートサイクル性が
低下し、ともにFBTの性能を満足しない。
【0027】(b)充填剤 三酸化アンチモン粉末の配合量は、エポキシ混合物10
0重量部に対し5〜30重量部が良い。三酸化アンチモ
ン粉末が5重量部より少ないと、樹脂硬化物の難燃性が
不十分であり、また、30重量部より多いと、液状樹脂
前駆体組成物の粘度が高いためコイル含浸性が低下し、
ともにFBTの性能を満足しない。
【0028】水和アルミナ粉末の配合量は、エポキシ混
合物100重量部に対し40〜100重量部が良い。水
和アルミナ粉末が40重量部より少ないと、樹脂硬化物
の難燃性が不十分であり、また、100重量部より多い
と、液状樹脂前駆体組成物の粘度が高いためコイル含浸
性が低下し、ともにFBTの性能を満足しない。
【0029】シリカ粉末の配合量は、エポキシ混合物1
00重量部に対し30〜100重量部が良い。シリカ粉
末が30重量部より少ないと、液状樹脂前駆体組成物の
硬化時における熱伝導性が低下するため樹脂硬化物の耐
ヒートサイクル性が不十分となり、また、100重量部
より多いと、液状樹脂前駆体組成物の粘度が高いためコ
イル含浸性が低下し、ともにFBTの性能を満足しな
い。
【0030】(c)硬化剤 本発明では、エポキシ樹脂の硬化剤として、下記化学式
(化2)で示される硬化剤の脂環式酸無水物を用いる。こ
の硬化剤は、液状樹脂前駆体組成物を化学反応させて樹
脂硬化物に変え、FBTの性能を発揮させるために必須
の成分である。
【0031】
【化2】
【0032】なお、上記化学式(化2)で表される酸無
水物の代わりに、あるいは、(化2)の表される化合物
と混合して、下記一般式(化4)で示される脂環式酸無水
物を用いてもよい。
【0033】
【化4】
【0034】硬化剤の量は、エポキシ混合物1エポキシ
当量に対し0.7〜1.2酸無水物当量の配合割合が良
く、(化2)で表される化合物と(化4)で表される化
合物とを混合して用いる場合は、それらの総量がこの配
合割合になるようにする。硬化剤が0.7当量より少な
いと、液状樹脂前駆体組成物の硬化反応性が低いため樹
脂硬化物のTgが低くなり、また、硬化剤の配合割合が
1.2当量より多いと、未反応硬化剤の可塑効果により
樹脂硬化物のTgが低くなり、ともにFBTの性能を満
足しない。
【0035】(d)硬化促進剤 下記一般式(化3)で示されるイミダゾール化合物は、エ
ポキシ樹脂の硬化反応を促進するために必要な成分であ
る。
【0036】
【化3】
【0037】この硬化促進剤の配合量は、エポキシ混合
物100重量部に対し0.2〜2.5重量部が良い。硬
化促進剤が0.2重量部より少ないと、液状樹脂前駆体
組成物の硬化反応性が低いため樹脂硬化物のTgが低く
なり、2.5重量部より多いと、未反応硬化剤の可塑効
果により樹脂硬化物のTgが低くなり、ともにFBTの
性能を満足しない。
【0038】(e)接着促進剤 本発明の液状エポキシ樹脂前駆体組成物には、接着促進
剤として、エポキシ基を有するシランカップリング剤を
配合することが望ましい。なお、このシランカップリン
グ剤は、液状樹脂前駆体組成物に配合しなくても良い
が、特に、エポキシ樹脂、充填剤(三酸化アンチモン、
水和アルミナ、シリカ)およびFBT構成部品(ボビン、
コイル、ダイオード等)の接着を一層促進させるために
は、配合することが有効である。シランカップリング剤
としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン等を用いることができる。
【0039】接着促進効果を上げるためには、シランカ
ップリング剤の配合量は、エポキシ混合物100重量部
に対し0.1重量部以上が良く、また、10重量部より
多くても効果は変わらない。すなわち、エポキシ混合物
100重量部に対し、シランカップリング剤を0.1〜
10重量部配合すると、エポキシ樹脂、充填剤およびF
BT構成部品の接着を一層促進し、FBTの性能が一層
向上する。
【0040】(f)硬化条件 上記液状エポキシ樹脂前駆体組成物は、つぎの条件i〜
iiiで硬化させると、二次硬化温度を105〜115℃
としたときの総硬化時間を2〜4時間とすることができ
るので、硬化時間の短縮の点から好ましい。なお、この
条件でこの組成物を硬化させて得られるエポキシ樹脂硬
化物のTgは110℃以上であり、FBTの性能を充分
満足させる。
【0041】i.一次硬化条件:65〜85℃の温度で
1.0〜1.7時間保持 ii.一次硬化温度から二次硬化温度への昇温時間:0.
4〜0.8時間 iii.二次硬化条件:105〜115℃の温度で0.6〜
1.5時間保持 一次硬化温度が65℃より低いと、液状樹脂前駆体組成
物が十分に含浸しない。このため、一次硬化時間を1.
7時間以上としても樹脂の含浸していない領域が残って
しまう。また、一次硬化温度が85℃より高いと、硬化
反応がはや過ぎるため、一次硬化時間を1.0時間とし
ても、剥離およびクラックが生じ、FBTの性能を満足
しない。
【0042】また、二次硬化温度が105℃より低い
と、一次硬化時間を1.5時間以上にしてもエポキシ樹
脂硬化物のTgが110℃まで上がらず、115℃より
高いと、0.6時間の硬化でもプラスチック製ボビンが
変形するとともに、エポキシ樹脂硬化物の耐ヒートサイ
クル性が不十分となり、ともにFBTの性能を満足しな
い。
【0043】一次硬化温度から二次硬化温度への昇温時
間は、0.4時間より短いとエポキシ樹脂硬化物の耐ヒ
ートサイクル性が不十分となり、FBTの性能を満足せ
ず、0.8時間より長くてもFBTの性能は変わらな
い。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
各実施例および比較例においては、エポキシ樹脂前駆体
組成物の各成分をそれぞれ略称で示した。略称の意味は
次のとおりである。
【0045】EPXは、下記化学式(化1)で表されるエ
ピクロルヒドリン・ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂を
示す。ただし、nは0〜2の整数であり、エポキシ当量
は190である。
【0046】
【化1】
【0047】Me−THPAは、下記化学式(化2)で表
される硬化剤のメチルテトラヒドロ無水フタル酸を示
す。Me−THPAは硬化剤の脂環式酸無水物である。
本実施例では、日立化成工業(株)製「HN−220
0」を用いた。
【0048】
【化2】
【0049】1M2EZは、下記化学式(化5)で表され
る1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを示す。また、
2E4MZは、下記化学式(化6)で表される2−エチ
ル−4−メチルイミダゾ−ルを示す。1M2EZおよび
2E4MZは、いずれも硬化促進剤のイミダゾ−ル化合
物である。本実施例では、四国化成工業(株)製の市販
品を用いた。
【0050】
【化5】
【0051】
【化6】
【0052】EB−200Bは、臭素化フェニルモノグ
リシジルエーテルと臭素化クレジルモノグリシジルエー
テルとの混合物を示す。本実施例では、ジブロモフェニ
ルモノグリシジルエーテルとジブロモクレジルモノグリ
シジルエーテルとの混合物が主成分であり、臭素含有量
51%、エポキシ当量326であるマナック社製市販品
「EB−200B」を用いた。
【0053】X−CNは、比較例用硬化促進剤のイミダ
ゾ−ルである1−シアノエチル−2−エチル−4−メチ
ルイミダゾ−ルを示す。
【0054】SbOは、充填剤の三酸化アンチモンSb
23を示す。本実施例では、三酸化アンチモンとして、
平均粒径0.5μmの粉末を用いた。また、AlOH
は、充填剤の水和アルミナ粉末を示す。本実施例では、
水和アルミナ粉末として、平均粒径8μmのものを用い
た。SiOは、充填剤のシリカ粉末SiO2を示す。本
実施例では、シリカ粉末として平均粒径13.4μmの
ものを用いた。
【0055】KBM403は、シランカップリング剤の
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを示す。
本実施例では、信越化学工業社製市販品「KBM40
3」を用いた。
【0056】<実施例1> a.液状エポキシ樹脂前駆体組成物の調製 EPX72重量部と、EB−200B28重量部と、S
bO10重量部と、AlOH60重量部と、SiO70
重量部と、Me−THPA69.6重量部と、1M2E
Z1.0重量部とを混合し、液状エポキシ樹脂前駆体組
成物を得た。
【0057】b.FBTの製造 図1に示すように、内部に、第1のプラスチック製ボビ
ン1に分割巻きした1次コイル2、第2のプラスチック
製ボビン3に積層巻きした2次コイル4、1個以上の高
圧ダイオード5、および、高圧抵抗からなるフォーカス
ブロック6(ただし、高圧コンデンサを含む場合もある)
などを備えるケース8に、液状エポキシ樹脂前駆体組成
物を1.3〜2.6kPaで真空注入し、75℃で1.5
時間保持(一次硬化)したのち、75℃から110℃へ
0.5時間かけて昇温し、110℃で1時間保持(二次
硬化)して、FBTの絶縁処理品を得た。
【0058】c.FBTの特性評価方法 エポキシ樹脂硬化物および樹脂硬化により絶縁処理した
FBTの特性評価を次のように行なった。
【0059】(1)樹脂硬化物のガラス転移温度Tg
(℃):示差走査熱量計(DSC)によって測定した。11
0℃以上のTgを有する樹脂硬化物は「良好」、110
℃未満のTgを有するものは「不良」とした。
【0060】(2)FBTの耐ヒ−トサイクル性:絶縁処
理後の初期動作特性が良好なFBTについて100℃/
2時間と−50℃/2時間のヒ−トサイクルを60サイ
クル行なった後、FBTの動作特性を検討し、実用性の
「合否」を判定した。
【0061】(3)FBTコイルへの含浸性:絶縁処理後
のFBTを切断、研磨し、顕微鏡観察(約80倍)で内部
のボイドの有無を確認した。ボイド無しを「良好」、ボ
イド有りを「不良」とした。
【0062】(4)難燃性:樹脂硬化物はUL規格に準
じ、大きさが127mm×12.7mm×1.6mmの試
験片を用いて、評価した。絶縁処理したFBTは電気用
品取締法に準じ評価した。樹脂硬化物の難燃性がUL9
4V−0に相当、かつFBTの難燃性が電気用品取締法
合格相当の時に「○」、それ以外の時には「×」とし
た。
【0063】(5)樹脂硬化物の電気特性:JIS規格の
K6911に準じ、所定の温度で10kHzにおける比
誘電率(ε)および誘電正接(tanδ)、DC500V1
分後の体積抵抗率(ρv)をそれぞれ求めた。25℃で、
ε≦3.9、tanδ(%)≦1.2、ρv(Ω・cm)≧1
×1015をともに満たし、かつ100℃でも、ε≦4.
1、tanδ(%)≦1.6、ρv(Ω・cm)≧1×10
13をともに満たす時に、樹脂硬化物の電気特性が良好で
「○」、それ以外の時には不良で「×」とした。
【0064】(6)樹脂硬化物の耐湿性:60℃、95%
RHの雰囲気に1000時間放置した試験片を用い、J
IS規格のK6911に準じ、25℃で、10kHzに
おけるεおよびtanδ、吸水率をそれぞれ求めた。ε
≦5.0、tanδ(%)≦4.0、吸水率(%)≦1.0を
ともに満たす時に、樹脂硬化物の耐湿性が良好で
「○」、それ以外の時には不良で「×」とした。
【0065】(7)樹脂硬化物の接着性:ボビン、ケ−ス
材の一つであるポリブチレンテレフタレ−ト(PBT)を
選び、大きさ12mm×12mm×3mmのPBT板を
接着面積1cm2のアルミニウム棒同士の間に挟み、ア
ルミニウム棒とPBT板との間の接着層約50μmに液
状のエポキシ樹脂前駆体組成物を付着、上記条件で加熱
硬化して接着試料とし、25℃でアルミニウム棒同士の
引っ張り試験により求めた。引っ張り試験後に破断面を
観察し、いずれの試料も樹脂硬化物とPBT板との間が
剥離することを確かめた。
【0066】(8)FBTの性能:FBTが必要な初期特
性および寿命特性をも満足することにより、動作試験中
に絶縁破壊等の異常が起こらず性能を充分満足し、実用
性のある時に「○」、それ以外の時には「×」とした。
【0067】d.評価結果 本実施例の樹脂硬化物およびFBTは、表1に示すよう
に、良好な結果を示した。
【0068】<実施例2〜3>実施例1と同様にして、
FBTを製造し、評価した。ただし、液状エポキシ樹脂
前駆体組成物として、それぞれ、表1に示す組成のもの
を用いた。実施例2〜3はエポキシ化合物中におけるE
B−200Bの配合割合が実施例1とは異なっている
が、表1に示すように、実施例1と同様の良好な結果が
得られた。
【0069】
【表1】
【0070】<実施例4〜5>実施例2と同様にして、
FBTを製造し、評価した。ただし、実施例4では、三
種の充填剤を最小量とし、実施例5では、三種の充填剤
を最大量とした。本実施例4〜5においても、表1に示
すように、実施例2と同様の良好な結果が得られた。
【0071】<実施例6〜7>本実施例6〜7では、酸
無水物硬化剤の配合割合(当量比)が異なるほかは、実施
例2と同様にして、FBTを製造し、評価したところ、
表2に示すように、いずれも実施例2と同様の良好な結
果が得られた。
【0072】
【表2】
【0073】<実施例8〜10>実施例2と同様にし
て、FBTを製造し、評価した。ただし、実施例8〜1
0では、液状エポキシ樹脂前駆体組成物として、実施例
2の組成物に、さらに表2に示す配合割合でシランカッ
プリング剤KBM403を添加したものを用いた。本実
施例8〜10においても、良好な結果が得られた。
【0074】<実施例11〜12>液状エポキシ樹脂前
駆体組成物に含まれる促進剤1M2EZの配合割合が、
表3に示すように異なる以外は、実施例2と同様にし
て、FBTを製造し、評価したところ、表3に示すよう
に、いずれの配合割合でも良好な結果が得られた。
【0075】
【表3】
【0076】<実施例13〜15>液状エポキシ樹脂前
駆体組成物に含まれる促進剤として、1M2EZの代わ
りに2E4MZを用い、その配合割合を、表3に示すよ
うにした以外は、実施例2と同様にして、FBTを製造
し、評価したところ、表3に示すように、いずれの実施
例でも良好な結果が得られた。
【0077】<実施例16〜35>実施例16〜35で
は、硬化促進剤の化合物および/またはその量が異なる
以外は実施例2と同一のエポキシ樹脂前駆体組成物を用
い、硬化条件を変えた以外は実施例2と同様にしてFB
Tを作製した。表4〜8に示すように、いずれの実施例
でも、実施例2と同様の良好な結果が得られた。
【0078】各実施例16〜19では、表4に示す組成
の液状エポキシ樹脂前駆体組成物を用い、実施例1と同
様にして、FBTを製造し、評価した。ただし、エポキ
シ樹脂の硬化は、65℃で1.0時間保持(一次硬化)
したのち、65℃から105℃へ0.4時間かけて昇温
し、105℃で0.6時間保持(二次硬化)することに
より行なった。各実施例により得られた樹脂およびFB
T評価結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】実施例20〜23でも、表5に示す組成の
液状エポキシ樹脂前駆体組成物を用い、実施例2と同様
にして、FBTを製造し、評価した。ただし、エポキシ
樹脂の硬化は、85℃で1.7時間保持(一次硬化)し
たのち、85℃から115℃へ0.8時間かけて昇温
し、115℃で1.5時間保持(二次硬化)することに
より行なった。各実施例により得られた樹脂およびFB
T評価結果を表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】実施例24〜27でも、表6に示す組成の
液状エポキシ樹脂前駆体組成物を用い、実施例2と同様
にして、FBTを製造し、評価した。ただし、エポキシ
樹脂の硬化は、65℃で1.0時間保持(一次硬化)し
たのち、65℃から115℃へ0.4時間かけて昇温
し、115℃で0.6時間保持(二次硬化)することに
より行なった。各実施例により得られた樹脂およびFB
T評価結果を表6に示す。
【0083】
【表6】
【0084】実施例28〜31では、表7に示す組成の
液状エポキシ樹脂前駆体組成物を用い、実施例2と同様
にして、FBTを製造し、評価した。ただし、エポキシ
樹脂の硬化は、85℃で1.0時間保持(一次硬化)し
たのち、85℃から105℃へ0.4時間かけて昇温
し、105℃で0.6時間保持(二次硬化)することに
より行なった。各実施例により得られた樹脂およびFB
T評価結果を表7に示す。
【0085】
【表7】
【0086】実施例32〜35では、表8に示す組成の
液状エポキシ樹脂前駆体組成物を用い、実施例2と同様
にして、FBTを製造し、評価した。ただし、エポキシ
樹脂の硬化は、65℃で1.0時間保持(一次硬化)し
たのち、65℃から110℃へ0.8時間かけて昇温
し、110℃で0.6時間保持(二次硬化)することに
より行なった。各実施例により得られた樹脂およびFB
T評価結果を表8に示す。
【0087】
【表8】
【0088】<比較例1〜18>実施例1と同様にし
て、FBTを製造し、評価した。ただし、液状エポキシ
樹脂前駆体組成物として、それぞれ、表9〜13に示す
組成のものを用い、75℃で1.5時間保持(一次硬
化)したのち、75℃から110℃へ0.5時間かけて
昇温し、110℃で1.0時間保持(二次硬化)して、
エポキシ樹脂を硬化させた。いずれの比較例でも、表9
〜12に示すように、十分な性能のFBTを得ることは
できなかった。
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】
【0092】
【表12】
【0093】なお、比較例1および2は、エポキシ化合
物中におけるEB−200Bの配合割合が本発明の範囲
からはずれている。また、比較例3〜10は三種の充填
剤のいずれかの配合割合が本発明の範囲からはずれてい
る。比較例11および12は、エポキシ化合物に対する
酸無水物硬化剤の配合割合(当量比)が本発明の範囲から
はずれている。
【0094】また、比較例13〜18は、エポキシ化合
物に対する硬化促進剤の配合割合が本発明範囲からはず
れている。ただし、比較例13および14は、促進剤が
1M2EZのもの、比較例15および16は促進剤が2
E4MZのもの、比較例17および18は促進剤が1M
2EZでシランカップリング剤KBM403を含むもの
である。
【0095】<比較例19〜32>比較例19〜32
は、実施例2と同様の液状エポキシ樹脂前駆体組成物を
用い、樹脂前駆体組成物の硬化条件を本発明の範囲外と
した比較例である。ただし、比較例20、22、24、
26、28、30、および32では、硬化促進剤とし
て、1M2EZの代わりに2E4MZを用いた。
【0096】各比較例における硬化条件は、つぎの通り
である。比較例19〜20では、60℃で1.5時間保
持(一次硬化)したのち、60℃から100℃へ0.5
時間かけて昇温し、100℃で1.0時間保持(二次硬
化)して、エポキシ樹脂を硬化させた。
【0097】また、比較例21〜22では、90℃で
1.5時間保持(一次硬化)したのち、90℃から12
0℃へ0.5時間かけて昇温し、120℃で1.0時間
保持(二次硬化)して、エポキシ樹脂を硬化させた。比
較例19〜22では、表13に示すように、十分な性能
のFBTを得ることはできなかった。
【0098】
【表13】
【0099】比較例23〜24では、60℃で1.5時
間保持(一次硬化)したのち、60℃から120℃へ
0.5時間かけて昇温し、120℃で1.0時間保持
(二次硬化)して、エポキシ樹脂を硬化させたところ、
表14に示すように、十分な性能のFBTを得ることは
できなかった。
【0100】
【表14】
【0101】また、比較例25〜26では、90℃で
1.5時間保持(一次硬化)したのち、90℃から10
0℃へ0.5時間かけて昇温し、100℃で1.0時間
保持(二次硬化)して、エポキシ樹脂を硬化させた。比
較例27〜28では、60℃で1.0時間保持(一次硬
化)したのち、60℃から120℃へ0.8時間かけて
昇温し、120℃で1.5時間保持(二次硬化)して、
エポキシ樹脂を硬化させた。比較例25〜28のいずれ
においても、表15に示すように、十分な性能のFBT
を得ることはできなかった。
【0102】
【表15】
【0103】比較例29〜30では、75℃で1.5時
間保持(一次硬化)したのち、75℃から120℃へ
0.5時間かけて昇温し、120℃で1.0時間保持
(二次硬化)して、エポキシ樹脂を硬化させた。また、
比較例31〜32では、60℃で1.5時間保持(一次
硬化)したのち、60℃から115℃へ0.8時間かけ
て昇温し、115℃で1.0時間保持(二次硬化)し
て、エポキシ樹脂を硬化させた。比較例29〜32のい
ずれにおいても、表16に示すように、十分な性能のF
BTを得ることはできなかった。
【0104】
【表16】
【0105】<比較例33〜40>比較例33〜40
は、硬化促進剤として、1M2EZの代わりにX−CN
を用いる以外は、実施例2と同様にしてFBTを作製
し、評価した。比較例33〜40のいずれの硬化条件で
も、表17〜18に示すように、十分な性能のFBTを
得ることはできなかった。
【0106】比較例33〜34では、65℃で1.0時
間保持(一次硬化)したのち、65℃から105℃へ
0.4時間かけて昇温し、105℃で0.6時間保持
(二次硬化)して、エポキシ樹脂を硬化させた。また、
比較例35〜36では、85℃で1.7時間保持(一次
硬化)したのち、85℃から115℃へ0.8時間かけ
て昇温し、115℃で1.5時間保持(二次硬化)し
て、エポキシ樹脂を硬化させた。比較例33〜36によ
り得られた樹脂およびFBTの評価結果を表18に示
す。
【0107】
【表17】
【0108】比較例37〜38では、65℃で1.0時
間保持(一次硬化)したのち、65℃から115℃へ
0.4時間かけて昇温し、115℃で0.6時間保持
(二次硬化)して、エポキシ樹脂を硬化させた。比較例
39〜40では、65℃で1.0時間保持(一次硬化)
したのち、65℃から110℃へ0.8時間かけて昇温
し、110℃で0.6時間保持(二次硬化)して、エポ
キシ樹脂を硬化させた。比較例39〜40により得られ
た樹脂およびFBTの評価結果を表18に示す。
【0109】
【表18】
【0110】<各実施例および比較例の評価>以上に示
したように、実施例1〜35(表1〜表8に示した)の
樹脂組成、硬化条件および特性と、比較例1〜40(表
9〜表18に示した)の樹脂組成、硬化条件および特性
とを比較すると、明らかに、実施例1〜35の液状エポ
キシ樹脂前駆体組成物およびその硬化物は、FBT用注
型樹脂前駆体組成物およびその硬化物に必要な特性をい
ずれも満たしており、作製されたFBTは満足できる性
能を備えている。一方、比較例1〜40の液状エポキシ
樹脂前駆体組成物および/またはその硬化物は、FBT
用注型樹脂前駆体組成物および/またはその硬化物に必
要な特性をバランス良く満たすことが出来ないため、作
製されたFBTの性能も、満足できないものであった。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特定の耐熱性・速硬化型液状エポキシ樹脂前駆体組成物
を用いて、特定の硬化条件でFBTを絶縁処理すること
により、樹脂前駆体組成物がコイル間へ充分含浸すると
ともに、2次(後)硬化温度105〜115℃かつ総硬化
時間2〜4時間で充分エポキシ樹脂を硬化させることが
できる。また得られたエポキシ樹脂硬化物のTgは11
0℃以上であり、さらに、絶縁処理したFBTは耐ヒー
トサイクル性に優れ、必要な他の初期特性(電気特性、
難燃性および耐湿性等の諸特性)および寿命特性をも充
分に満足し、高性能である。
【0112】したがって、本発明によると、十分な性能
のFBTを、従来(5時間)の40〜80%(2〜4時間)
の硬化時間で製造することができるため、FBT製造プ
ロセスの合理化が可能となり、テレビ受像機やディスプ
レイに用いられるFBT製造の省エネルギ化を実現でき
るため、工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フライバックトランスの概略断面図である。
【符号の説明】
1…1次ボビン、2…1次コイル、3…2次ボビン、4
…2次コイル、5…高圧ダイオ−ド、6…フォ−カスブ
ロック(高圧抵抗を含む)、7…注型エポキシ樹脂前駆体
組成物(または硬化物)、8…ケ−ス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/36 NKX C08K 3/36 NKX 5/15 5/15 C08L 63/02 NLA C08L 63/02 NLA H01F 41/00 H01F 41/00 C (72)発明者 須藤 亮一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 大津 満雄 岩手県水沢市真城字北野1番地 株式会社 日立メディアエレクトロニクス内 (72)発明者 鶴見 悦男 岩手県水沢市真城字北野1番地 株式会社 日立メディアエレクトロニクス内 (72)発明者 鈴木 雅博 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に絶縁材を備えるフライバックトラン
    スにおいて、 上記絶縁材は、 (a)下記化学式(化1)で示されるエピクロルヒドリン
    ・ビスフェノールA型エポキシ化合物72〜82重量部
    と、臭素化フェニルモノグリシジルエーテルおよび臭素
    化クレジルモノグリシジルエーテルの混合物(臭素含有
    量:40〜60重量%)18〜28重量部とからなるエ
    ポキシ混合物100重量部と、 【化1】 (ここで、n=0〜2、エポキシ当量=185〜195
    である。) (b)三酸化アンチモン粉末5〜30重量部、水和アル
    ミナ粉末40〜100重量部、およびシリカ粉末30〜
    100重量部と、 (c)下記化学式(化2)で示される脂環式酸無水物と、 【化2】 (d)下記一般式(化3)で示されるイミダゾール化合物
    0.2〜2.5重量部と 【化3】 (ここで、R1およびR2は、いずれか一方がメチル基、
    他方が水素である。)からなり、(c)の脂環式酸無水
    物の量は、(a)のエポキシ混合物1エポキシ当量に対
    して、0.7〜1.2酸無水物当量である液状エポキシ
    樹脂前駆体組成物を硬化させて得られる絶縁材であるこ
    とを特徴とするフライバックトランス。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記液状エポキシ樹脂前駆体組成物は、エポキシ混合物
    100重量部に対して、エポキシ基を有するシランカッ
    プリング剤0.1〜10重量部をさらに含むことを特徴
    とするフライバックトランス。
  3. 【請求項3】ケースの中に液状エポキシ樹脂前駆体組成
    物を注入する工程と、該液状エポキシ樹脂前駆体組成物
    を硬化させる工程を備えるフライバックトランスの製造
    方法において、 上記液状エポキシ樹脂前駆体組成物は、 (a)下記化学式(化1)で示されるエピクロルヒドリン
    ・ビスフェノールA型エポキシ化合物72〜82重量部
    と、臭素化フェニルモノグリシジルエーテルおよび臭素
    化クレジルモノグリシジルエーテルの混合物(臭素含有
    量:40〜60重量%)18〜28重量部とからなるエ
    ポキシ混合物100重量部と、 【化1】 (ここで、n=0〜2、エポキシ当量=185〜195
    である。) (b)三酸化アンチモン粉末5〜30重量部、水和アル
    ミナ粉末40〜100重量部、およびシリカ粉末30〜
    100重量部と、 (c)下記化学式(化2)で示される脂環式酸無水物と、 【化2】 (d)下記一般式(化3)で示されるイミダゾール化合物
    0.2〜2.5重量部と 【化3】 (ここで、R1およびR2は、いずれか一方がメチル基、
    他方が水素である。)からなり、 上記(c)の脂環式酸無水物の量は、上記(a)のエポ
    キシ混合物1エポキシ当量に対して、0.7〜1.2酸
    無水物当量であり、 上記液状エポキシ樹脂前駆体組成物を硬化させる工程
    は、 65〜85℃の温度で1.0〜1.7時間保持する一次硬
    化工程と、 0.4〜0.8時間で二次硬化温度まで昇温する昇温工程
    と、 上記二次硬化温度で0.6〜1.5時間保持する二次硬化
    工程とを備え、 上記二次硬化温度は、105〜115℃であることを特
    徴とするフライバックトランスの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、 上記液状エポキシ樹脂前駆体組成物は、エポキシ混合物
    100重量部に対して、エポキシ基を有するシランカッ
    プリング剤0.1〜10重量部をさらに含むことを特徴
    とするフライバックトランスの製造方法。
  5. 【請求項5】(a)下記化学式(化1)で示されるエピク
    ロルヒドリン・ビスフェノールA型エポキシ化合物72
    〜82重量部と、臭素化フェニルモノグリシジルエーテ
    ルおよび臭素化クレジルモノグリシジルエーテルの混合
    物(臭素含有量:40〜60重量%)18〜28重量部と
    からなるエポキシ混合物100重量部と、 【化1】 (ここで、n=0〜2、エポキシ当量=185〜195
    である。) (b)三酸化アンチモン粉末5〜30重量部、水和アル
    ミナ粉末40〜100重量部、およびシリカ粉末30〜
    100重量部と、 (c)下記化学式(化2)で示される脂環式酸無水物と、 【化2】 (d)下記一般式(化3)で示されるイミダゾール化合物
    0.2〜2.5重量部と 【化3】 (ここで、R1およびR2は、いずれか一方がメチル基、
    他方が水素である。)からなり、(c)の脂環式酸無水
    物の量は、(a)のエポキシ混合物1エポキシ当量に対
    して、0.7〜1.2酸無水物当量であることを特徴と
    する液状エポキシ樹脂前駆体組成物。
  6. 【請求項6】請求項5において、 エポキシ混合物100重量部に対して、エポキシ基を有
    するシランカップリング剤0.1〜10重量部をさらに
    含むことを特徴とする液状エポキシ樹脂前駆体組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055254A1 (de) * 1999-03-16 2000-09-21 Vantico Ag Härtbare zusammensetzung mit besonderer eigenschaftskombination
KR100740894B1 (ko) * 2005-12-30 2007-07-19 제일모직주식회사 고신뢰성 반도체 언더필용 액상 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용한 반도체 패키지

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WO2000055254A1 (de) * 1999-03-16 2000-09-21 Vantico Ag Härtbare zusammensetzung mit besonderer eigenschaftskombination
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