JPH0997440A - 光学情報記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ヘッドと光ディスクの相対的な傾きを比較
的小規模な構成で短時間で精度よく零に近づけることが
できる光学情報記録再生装置Ａを提供する。 【解決手段】 スイッチ６をアンプ１２側へ切り換え
て、信号ｂ´を位相補償部１３へ出力して光ディスク１
に記録された特定パターンに応じた再生信号ｂの初期設
定を行った後、スイッチ６を比較回路１１側へ切り換え
て、信号ｉを位相補償部１３へ出力し、光ディスク１と
光ヘッド２との相対的な傾きを零とするように通常の再
生信号を用いて光ディスク１あるいは光ヘッド２の位置
調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの記録
再生面と光ヘッドとの相対的な傾斜に起因する再生信号
の劣化を効果的に抑制する光学情報記録再生装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ディスクに記録された情報を再
生する光ヘッドを用いて情報の記録再生を行う光学情報
記録再生装置において、光ディスク上に高密度に記録さ
れた特定な情報マークを光ヘッドで読み出す際に、様々
な要因で再生信号に劣化をもたらすことが報告されてい
る。

【０００３】このうち光学系がもたらす要因に関して
は、球面収差、非点収差、コマ収差、デフォーカス等が
その典型的なものである。このうち、コマ収差に起因す
る再生信号の劣化については、光ディスクと光ヘッド間
の相対的な傾きが零であれば、理論的には発生しない。
しかしながら、光学情報記録再生装置の出荷時にこうし
た調整を厳しく行っても、相対的な傾きを完全に零にす
ることは難しい。また、光ディスクの反りによっても光
ディスクと光ヘッド間の相対的な傾きが生ずる。このた
めに、この相対的な傾きを検出し、これを零に近づける
ための調整機構が必要となる。

【０００４】この調整機構は、光ディスクと光ヘッド間
の相対的な傾きを零に近づけるためのものなので、傾き
が零となる初期値を該機構に与える必要がある。この例
としては、下記する構成の光学情報記録再生装置がある
（特開平７−５００２７号公報）。即ち、この光学情報
記録再生装置は、光ディスクのローディング時に、光デ
ィスク上の特定の記録パターンを記録した領域を再生
し、最低３タップのトランスバーサルフィルタにより構
成された自動等化器で最適タップ係数値を求め、これを
基に、光ディスク面と光ヘッドとの相対的な傾きに比例
する誤差信号を得て、この誤差信号がほぼ零となるよう
に、光ヘッドの傾きを傾き調整機構により機械的に調整
するものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述した光学情報記録
再生装置は、自動等化器で最適タップ係数値を求め、こ
れを基に、光ディスク面と光ヘッドとの相対的な傾きに
比例する誤差信号を得て、この誤差信号がほぼ零となる
ように、光ヘッドの傾きを傾き調整機構により機械的に
調整するものであるから、固定係数の等化器を用いるこ
とが出来ず、自動調整の複雑な装置を必要とする。ま
た、傾き検出を高精度で行う為には、十分ステップ数の
多い自動等化器（係数変更装置）が必要となり、この結
果、回路規模が大きくなる、調整手順が多くなり実用回
路としてはサーボの応答速度が低くなる等の問題があっ
た。

【０００６】そこで、本発明は上記の点に着目してなさ
れたものであり、特定パターンを再生したときに得られ
る再生信号を用いてディスクと光ヘッドの相対的な傾き
を零とするように、初期設定を行う第１のフィードバッ
クループ制御系を構成し、この特定パターンを再生しな
いとき（再生状態のとき）には、例えば光ヘッドの一部
として構成されたディスクと光ヘッドの相対的な傾きを
零とするように（いわゆるチルトセンサを用いて）調整
を行う第２のフィードバックループ制御系を構成したも
のである。そして、その動作は、まず第２のフィードバ
ックループ制御系の初期設定を第１のフィードバックル
ープ制御系で行った後、通常の信号を再生するときには
高速でかつ精度の良い応答が実現できる第２のフィード
バックループ制御系でディスクと光ヘッドの相対的な傾
きを零とするので、精度の良い傾き検出を比較的規模の
小さい装置で実現することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、下記の構成になる光学情報記録再生装置
を提供する。図１に示すように、光ディスク１に記録さ
れた情報を再生する光ヘッド２（即ち、情報再生用の光
ヘッド部２Ａと、光ディスク１と光ヘッド部２Ａとの相
対的な傾きを検出する受発光器を有する傾き検出部（い
わゆるチルトセンサ）２Ｂとを備えた光ヘッド２）を少
なくとも具備した光学情報記録再生装置Ａであって、前
記光ヘッド２を構成する光ヘッド部２Ａで前記光ディス
ク１を走査して得た前記光ディスク１と前記光ヘッド２
との相対的な傾きを検出するための特定パターン（例え
ばリードインより内周側の特定の領域に予め記録された
ピットパターン。図２に図示）に応じた特定パターン再
生信号ｂ（＝再生信号ａ−遅延再生信号ａ´）を出力す
る（遅延回路３及び比較器４から構成される）特定パタ
ーン読取手段と、この特定パターン再生信号ｂを所定の
タイミングでサンプルホールドする第１の保持手段（サ
ンプルホールド（Ｓ／Ｈ）回路）５と、（特定パターン
再生信号ｂをアンプ１２で所定量増幅して得た）特定パ
ターン再生信号ｂ´に基づいて、前記光ディスク１と前
記光ヘッド２との相対的な傾きを零とするように前記光
ディスク１あるいは前記光ヘッド２の位置調整を（機械
的に）行う（位相補償部１３及び半径方向の傾斜調整機
構８から構成される）位置調整手段と、前記光ディスク
１に対する前記光ヘッド２の傾きを検出して検出信号ｈ
を出力する（即ち、光ヘッド部２Ａの近傍に設けられて
いる傾き検出部２Ｂの発光器から光ディスク１上の特定
ピットパターンあるいは情報ピットパターンにチルト検
出用光ビームを照射してそこから反射してくる反射光ビ
ームを傾き検出部２Ｂの受光器で受光して得た光ビーム
ｃが供給され、この光ビームｃを光電変換して得た検出
信号ｈを出力する）傾斜検出手段（光ヘッドの傾斜制御
装置）７と、（位相補償部１３及びディスク半径方向の
傾斜調整機構８から構成される）前記位置調整手段で行
った直後の位置調整（光ディスク１に対する光ヘッド２
の傾き調整）に応じた前記検出信号ｈ₀ を所定のタイミ
ングでサンプルホールドする第２の保持手段（サンプル
ホールド（Ｓ／Ｈ）回路）１０と、この第２の保持手段
（サンプルホールド（Ｓ／Ｈ）回路）１０から出力する
検出信号ｈ₀ と、前記傾斜検出手段（光ヘッドの傾斜制
御装置）７から出力する検出信号ｈとを比較して得た比
較信号ｉを出力する比較手段（比較回路）１１と、（ア
ンプ１２を介して）前記第１の保持手段（サンプルホー
ルド（Ｓ／Ｈ）回路）５から出力する特定パターン再生
信号ｂ´と前記比較手段（比較回路）１１から出力する
比較信号ｉとを（位相補償部１３及び半径方向の傾斜調
整機構８から構成される）前記位置調整手段へ切り換え
出力する切換手段（スイッチ）６とを備え、まず（装置
の起動時）、前記切換手段（スイッチ）６を前記第１の
保持手段（サンプルホールド（Ｓ／Ｈ）回路）５側へ切
り換えて、特定パターン再生信号ｂ´を（位相補償部１
３及び半径方向の傾斜調整機構８から構成される）前記
位置調整手段へ出力して前記光ディスク１と前記光ヘッ
ド２との相対的な傾きを零とするように初期設定を行い
（即ち、光ヘッド２（光ヘッド部２Ａ）→遅延回路３→
比較器４→Ｓ／Ｈ回路５→アンプ１２→スイッチ６の端
子６ｂ→スイッチ６の端子６ｃ→位相補償部１３→半径
方向の傾斜調整機構８から構成される第１のフィードバ
ックループ制御系を形成して、光ディスク１と光ヘッド
２との相対的な傾きを零とする初期設定を行い）、この
後、（第１のフィードバックループ制御系で光ディスク
１と光ヘッド２との相対的な傾きを零とする初期設定の
存在が確認されると、）前記切換手段（スイッチ）６を
前記比較手段（比較回路）１１側へ切り換えて、前記比
較信号ｉを（位相補償部１３及び半径方向の傾斜調整機
構８から構成される）前記位置調整手段へ出力して、前
記光ディスク１と前記光ヘッド２との相対的な傾きを零
とする通常設定を行う（即ち、光ヘッド２（傾き検出部
（いわゆるチルトセンサ）２Ｂ）→光ヘッドの傾斜制御
装置７→Ｓ／Ｈ回路１０→比較回路１１→スイッチ６の
端子６ｂ→スイッチ６の端子６ｃ→位相補償部１３→半
径方向の傾斜調整機構８→光ヘッド２（傾き検出部２
Ｂ）から構成される第２のフィードバックループ制御系
を形成して、前記光ディスク１と前記光ヘッド２との相
対的な傾きを零とする通常設定を行う）ことを特徴とす
る光学情報記録再生装置。

【０００８】上記した構成の光学情報記録再生装置Ａ
は、次のような動作を行う。光ヘッド２と光ディスク１
との間に相対的な傾きが生じると、再生された情報信号
波形は歪みを発生し情報を良好に再生できない。この歪
みはこの傾きの度合いに一意であるため、歪みから光ヘ
ッド２と光ディスク１の相対的傾きを算出できる。この
光ヘッド２は、情報再生用の光ヘッド部２Ａと、光ディ
スク１と光ヘッド部２Ａとの相対的な傾きを検出する受
発光器を有する傾き検出部（いわゆるチルトセンサ）２
Ｂとを備えている。光ヘッド２と光ディスク１との間に
相対的な傾きが無い（零）状態において、予め記録され
た特定パターン（図２に図示）を光ヘッド部２Ａで再生
したときの再生波形（矩形状の基準波形ｃ）は既知であ
るから、該領域を再生したときの（特定パターン再生信
号ｂの）再生波形に歪みが無い状態になる様に、光ヘッ
ド２もしくは光ディスク１を機械的に傾けて、光ヘッド
２と光ディスク１間の相対的な傾きを零に近づけること
ができる。この一連の動作（初期値調整動作）で、特定
パターンが記録されている領域の、光ヘッド２と光ディ
スク１間の相対的な傾きを零に近づけることが出来、こ
の後、特定パターンを再生する必要のない光ヘッド部２
Ａと傾き検出部２Ｂに接続される光ヘッドの傾斜制御装
置７を用いて、特定パターンが記録されていない領域で
光ヘッド２と光ディスク１の相対的な傾きを零に近づけ
ることが出来る（第２調整動作）。初期値調整動作は再
生信号波形をもとに行うので、歪みを検出する比較的簡
単な機構で実現でき、第２調整動作を周知の簡単な光学
系等で構成すると、光ヘッド２と光ディスク１間の相対
的な傾きを、比較的小規模な構成で、精度良く零に近づ
けることが出来る。

【０００９】

【発明の実施の態様】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施例を説明する。図１は本発明の光学情報記録再
生装置の主要部の一実施例ブロック図、図２は光ディス
ク上の特定領域に予め記録された特定パターンの説明
図、図３は光ディスクに対する光ヘッドの傾きが＋方向
の場合における特定パターンの再生状態及びその再生信
号の波形の説明図、図４は光ディスクに対する光ヘッド
の傾きが−方向の場合における特定パターンの再生状態
及びその再生信号の波形の説明図である。

【００１０】本発明の光学情報記録再生装置は、後述す
るように、まず、ディスクと光ヘッドの相対的な傾きを
零とするように特定パターンを用いてディスクあるいは
光ヘッドの位置調整の初期設定を行う第１のフィードバ
ックループ制御系と、この初期設定以降、この第１のフ
ィードバックループ制御系から第２のフィードバックル
ープ制御系に切り換えて、光ディスク１と光ヘッド２の
相対的な傾きを零とするように特定パターンを用いずに
通常の情報信号（再生信号波形）を用いてディスクある
いは光ヘッドの位置調整を行う構成を有するものであ
る。ここで、上記した第１のフィードバックループ制御
系は、光ヘッド２（光ヘッド部２Ａ）→遅延回路３→比
較器４→Ｓ／Ｈ回路５→アンプ１２→スイッチ６の端子
６ａ→スイッチ６の端子６ｃ→位相補償部１３→半径方
向の傾斜調整機構８から構成される。また、上記した第
２のフィードバックループ制御系は、光ヘッド２（傾き
検出部（いわゆるチルトセンサ）２Ｂ）→光ヘッドの傾
斜制御装置７→Ｓ／Ｈ回路１０→比較回路１１→スイッ
チ６の端子６ｂ→スイッチ６の端子６ｃ→位相補償部１
３→半径方向の傾斜調整機構８→光ヘッド２（傾き検出
部２Ｂ）から構成される。

【００１１】本発明の光学情報記録再生装置Ａは、図１
に示すように、図示せぬターンテーブルに着脱可能であ
る、ＣＤ（コンパクトティスク）あるいはＤＶＤ（ディ
ジタルビデオディスク）などの光ディスク１に記録され
た情報を再生する光ヘッド２を少なくとも具備した装置
であって、主に、遅延回路３、比較器４、サンプルホー
ルド（Ｓ／Ｈ）回路５，１０、スイッチ６、光ヘッドの
傾斜制御装置７、半径方向の傾斜調整機構８、調整制御
信号形成部９、比較回路１１，１４、アンプ１２、位相
補償部１３を備えている。

【００１２】上記した遅延回路３及び比較器４は、特定
パターン読取手段を形成している。この特定パターン読
取手段は、光ディスク１と光ヘッド２との相対的な傾き
を検出するために用いられる特定パターン、例えば光デ
ィスク１のリードインより内周側の特定の領域に予め記
録されたピットパターン。図２に図示、を再生走査する
光ヘッド部２Ａからの再生信号ａ中の特定パターンに応
じた特定パターン再生信号ｂを抽出する。特定パターン
再生信号ｂは再生信号ａから遅延再生信号ａ´を減算し
て得た信号である。

【００１３】上記したＳ／Ｈ回路５は、比較器４から出
力する特定パターン再生信号ｂを一定期間（初期設定期
間）保持すると共に、次段のアンプ１２へ継続して特定
パターン再生信号ｂを出力する。アンプ１２は特定パタ
ーン再生信号ｂを所定量増幅して得た特定パターン再生
信号ｂ´をスイッチ６の端子６ｂへ出力する。

【００１４】上記した位相補償部１３及び半径方向の傾
斜調整機構８は、位置調整手段を形成している。この位
置調整手段は、アンプ１２から出力する特定パターン再
生信号ｂ´に基づいて、光ディスク１と光ヘッド２との
相対的な傾きを零とするように、光ディスク１あるいは
光ヘッド２の位置調整を機械的に行う。

【００１５】上記した光ヘッドの傾斜制御装置７は、周
知の光検出手段であり、光ディスク１に対する光ヘッド
２の傾きを検出して検出信号ｈを比較回路１１及びＳ／
Ｈ回路１０へ出力する。即ち、光ヘッド部２Ａの近傍に
設けられている傾き検出部２Ｂの発光器から光ディスク
１上の特定ピットパターンあるいは情報ピットパターン
にチルト検出用光ビームを照射してそこから反射してく
る反射光ビームを傾き検出部２Ｂの受光器で受光して得
た光ビームｃが供給され、この光ビームｃを光電変換し
て得た検出信号ｈを出力する。上記したＳ／Ｈ回路１０
は、初期設定直後の位置調整に応じた検出信号ｈ0 を調
整制御信号形成部９からの制御信号に応じて一定期間
（再生動作が終了するまでの間）保持すると共に、次段
の比較回路１１の＋端子へ継続して検出信号ｈ₀を出力
する。

【００１６】上記した比較回路１１は、Ｓ／Ｈ回路１０
から出力する検出信号ｈ₀ と、光ヘッドの傾斜制御装置
７から連続して出力する検出信号ｈとを比較して得た比
較信号ｉを、スイッチ６の端子６ｂへ出力する。

【００１７】上記したスイッチ６は、端子６ａ，６ｂ、
接点６ｃを備え、アンプ１２から出力する特定パターン
再生信号ｂ´と比較回路１１から出力する比較信号ｉと
を、調整制御信号形成部９からの切換制御信号に応じ
て、位相補償部１３へ切り換え出力する。

【００１８】ところで、光ディスク１の特定領域（例え
ばリードイン領域より内周側）に記録された特定パター
ンは、図２に示すように、例えばピットｐ１，ｐ２，ｐ
３から構成される特定パターンｐａ、ピットｐ４，ｐ
５，ｐ６から構成される特定パターンｐｂを順次配列し
たものである。ここでは説明の都合上、特定パターンｐ
ａを光ヘッド２で再生走査して特定パターン再生信号ｂ
を得る場合について以下に説明する。

【００１９】（初期設定時、光ディスク１と光ヘッド２
間に相対的な傾きが零の場合）光ヘッド２（光ヘッド部
２Ａ）から出力する読取ビームｓは、特定パターンＰＡ
の中心（ピットｐ２）上のみ照射される。この結果、こ
のピットｐ２を光ヘッド部２Ａが再生走査して得た反射
ビームに応じた特定パターン再生信号ｂは、図３
（Ｂ），図４（Ｂ）にそれぞれ破線で示す矩形波であ
る、基準波形ｃとなる。

【００２０】（初期設定時、光ディスク１と光ヘッド２
間に相対的な傾きが正（＋）方向の場合）光ヘッド部２
Ａから出力する読取ビームｓは、コマ収差によって特定
パターンＰＡの中心（ピットｐ２）及び外周側（ピット
ｐ１）上に跨がって照射され、スポットｓ，ｓ₁ が形成
される。この結果、このピットｐ１，ｐ２を光ヘッド２
が再生走査して得た反射ビームに応じた特定パターン再
生信号ｂは、図３（Ｂ）に実線で示す基準波形ｃとは相
違した、波形ｄとなる。

【００２１】（初期設定時、光ディスク１と光ヘッド２
間に相対的な傾きが負（−）方向の場合）光ヘッド部２
Ａから出力する読取ビームｓは、コマ収差によって特定
パターンＰＡの中心（ピットｐ２）及び内周側（ピット
ｐ３）上に跨がって照射され、スポットｓ，ｓ₂ が形成
される。この結果、このピットｐ２，ｐ３を光ヘッド２
が再生走査して得た反射ビームに応じた特定パターン再
生信号ｂは、図４（Ｂ）に実線で示す基準波形ｃとは相
違した、波形ｅとなる。

【００２２】このように、光ディスク１と光ヘッド２間
に相対的な傾きが零でない場合、基準波形ｃと同一の波
形とはならない。この状態を補償しないと、通常再生時
において良好な情報再生信号を得ることができないの
で、上記した構成の光学情報記録再生装置Ａの動作によ
って、装置の起動時から直ちに、光ディスク１と光ヘッ
ド２間に相対的な傾きを零とするように位置調整を行
う。

【００２３】次に、上記した構成の光学情報記録再生装
置Ａの動作について説明する。

【００２４】まず、装置を起動すると、光ディスク１の
特定領域（例えばリードイン領域より内周側）に記録さ
れた特定パターン位置上に光ヘッド２が待機位置から移
送され、特定パターンＰＡ上に光ヘッド部２Ａから出射
する読取光ビームが照射される。この後、光ヘッド部２
Ａはその特定パターンＰＡ上からの反射光ビームを受光
して光電変換して得た再生信号ａを遅延回路３及び比較
器４へ出力する。遅延回路３は再生信号ａを一定期間
（例えば図３（Ｂ）に示す期間ｃｃ）遅延して得た遅延
再生信号ａ´を比較器４へ出力する。比較器４は光ヘッ
ド部２Ａから直接供給された再生信号ａと一定期間遅延
して得た遅延再生信号ａ´とを比較して、再生信号ａと
遅延再生信号ａ´との差分信号である特定パターン再生
信号ｂを出力する。

【００２５】比較器４から出力される特定パターン再生
信号ｂは所定のタイミングで、Ｓ／Ｈ回路５でサンプル
ホールドされる。Ｓ／Ｈ回路５でサンプルホールドされ
た特定パターン再生信号ｂはアンプ１２で増幅された
後、特定パターン再生信号ｂ´をスイッチ６の端子６ｂ
へ出力する。スイッチ６はアンプ１２側に切り換えられ
ており、特定パターン再生信号ｂ´は位相補償部１３へ
出力される。

【００２６】位相補償部１３は特定パターン再生信号ｂ
´を位相補償して得た位相補償信号を半径方向の傾斜調
整機構８へ出力する。半径方向の傾斜調整機構８は傾斜
調整機構８から供給される位相補償信号のレベル及び位
相に応じて、光ヘッド２のチルト機構の位置調整あるい
は光ディスク１を載置するターンテーブル（いずれも図
示せず）の位置調整を行う。

【００２７】このように、特定パターンＰＡに応じた特
定パターン再生信号ｂの初期値設定を行う。即ち、光ヘ
ッド２（光ヘッド部２Ａ）→遅延回路３→比較器４→Ｓ
／Ｈ回路５→アンプ１２→スイッチ６の端子６ｂ→スイ
ッチ６の端子６ｃ→位相補償部１３→半径方向の傾斜調
整機構８から構成される第１のフィードバックループ制
御系を形成して、前記光ディスク１と前記光ヘッド２と
の相対的な傾きを零とする初期設定を急俊に行う。この
結果、特定パターン再生信号ｂの初期値設定が終了す
る。

【００２８】次に、上記した初期設定が終了すると直後
に、スイッチ６は装置全体の動作を制御する図示せぬ制
御部からの制御信号により調整制御信号形成部９から出
力する切換制御信号によって、比較回路１１側へ切り換
えられる。こうして、光ヘッドの傾斜制御装置７は、光
ヘッド部２Ａの近傍に設けられている傾き検出部２Ｂの
発光器から光ディスク１にチルト検出用光ビームを通常
の記録領域に記録されている情報ピットパターンを再生
走査（照射）してそこから反射してくる反射光ビームを
傾き検出部２Ｂの受光器で受光して得た光ビームｃが供
給され、この光ビームｃを光電変換して得た検出信号ｈ
を比較回路１１及びＳ／Ｈ回路１０へ供給する。

【００２９】Ｓ／Ｈ回路１０は調整制御信号形成部９か
ら出力する制御信号のタイミングに応じて信号波形ｈを
一定期間（再生動作が終了するまでの間）保持する。比
較回路１１はＳ／Ｈ回路１０から出力する検出信号ｈ₀
と、光ヘッドの傾斜制御装置７から出力する検出波形ｈ
とを比較して得た比較信号ｉを、スイッチ６の端子６ｂ
へ出力する。スイッチ６は比較回路１１から出力する比
較信号ｉを、調整制御信号形成部９からの切換制御信号
に応じて、位相補償部１３へ切り換え出力する。

【００３０】位相補償部１３は比較回路１１から出力す
る第２の比較信号ｉを位相補償して得た位相補償信号を
半径方向の傾斜調整機構８へ出力する。半径方向の傾斜
調整機構８は傾斜調整機構８から供給される位相補償信
号のレベル及び位相に応じて、光ヘッド２のチルト機構
あるいは光ディスク１を載置するターンテーブル（いず
れも図示せず）の位置調整を行う。

【００３１】このように、初期設定以降、通常再生時に
おける、光ディスク１と光ヘッド２の相対的な傾きを零
とするようにディスクあるいは光ヘッドの位置調整を常
時連続して行う。

【００３２】上述したように、本発明の光学情報記録再
生装置は、初期設定時において、ディスクと光ヘッドの
相対的な傾きを零とするように特定パターンを用いてデ
ィスクあるいは光ヘッドの位置調整を行った後、通常再
生時において、通常の情報信号を用いてディスクあるい
は光ヘッドの位置調整を常時連続して行うことができ
る。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の光学情報記
録再生装置によれば、まず、ディスクと光ヘッドの相対
的な傾きを零とするように特定パターンを用いてディス
クあるいは光ヘッドの位置調整の初期設定を行った後、
ディスクと光ヘッドの相対的な傾きを零とするように通
常の再生状態においてディスクあるいは光ヘッドの位置
調整を行うように構成されているから、ディスクと光ヘ
ッドの相対的な傾きを零とするに要する構成を簡素化
し、かつ精度の良い傾き検出を比較的短時間で規模の小
さい装置で実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光学情報記録再生装置の主要部の一実
施例ブロック図である。

【図２】光ディスク上の特定領域に予め記録された特定
パターンの説明図である。

【図３】光ディスクに対する光ヘッドの傾きが＋方向の
場合における特定パターンの再生状態及びその再生信号
の波形の説明図である。

【図４】光ディスクに対する光ヘッドの傾きが−方向の
場合における特定パターンの再生状態及びその再生信号
の波形の説明図である。

【符号の説明】

１ 光ディスク ２ 光ヘッド ２Ａ 光ヘッド部 ２Ｂ 傾き検出部 ３ 遅延素子 ４ 比較器 ５，１０ サンプル・ホールド回路（第１，第２の保持
手段） ６ スイッチ（切換手段） ７ 光ヘッドの傾斜検出装置（傾斜検出手段） ８ 半径方向の傾斜調整機構 ９ 調整制御信号生成部 １１ 比較器（比較手段） １２ アンプ １３ 位相補償部 Ａ 光学情報記録再生装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ディスクに記録された情報を再生する光
   ヘッドを少なくとも具備した光学情報記録再生装置であ
   って、 前記光ヘッドを構成する光ヘッド部で前記光ディスクを
   走査して得た前記光ディスクと前記光ヘッドとの相対的
   な傾きを検出するための特定パターンに応じた特定パタ
   ーン再生信号を出力する特定パターン読取手段と、 この特定パターン再生信号を所定のタイミングでサンプ
   ルホールドする第１の保持手段と、 前記特定パターン再生信号に基づいて、前記光ディスク
   と前記光ヘッドとの相対的な傾きを零とするように前記
   光ディスクあるいは前記光ヘッドの位置調整を行う位置
   調整手段と、 前記光ディスクに対する前記光ヘッドの傾きを検出して
   検出信号を出力する傾斜検出手段と、 前記位置調整手段で行った直後の位置調整に応じた前記
   検出信号を所定のタイミングでサンプルホールドする第
   ２の保持手段と、 この第２の保持手段から出力する検出信号と、前記傾斜
   検出手段から出力する検出信号とを比較して得た比較信
   号を出力する比較手段と、 前記第１の保持手段から出力する特定パターン再生信号
   と前記比較手段から出力する比較信号とを前記位置調整
   手段へ切り換え出力する切換手段とを備え、 まず、前記切換手段を前記第１の保持手段側へ切り換え
   て、特定パターン再生信号を前記位置調整手段へ出力し
   て前記光ディスクと前記光ヘッドとの相対的な傾きを零
   とするように初期設定を行い、 この後、前記切換手段を前記比較手段側へ切り換えて、
   前記比較信号を前記位置調整手段へ出力して、前記光デ
   ィスクと前記光ヘッドとの相対的な傾きを零とする通常
   設定を行うことを特徴とする光学情報記録再生装置。