JPH0995700A - ソフト皮革製品の製造方法及びソフト皮革用処理材 - Google Patents

ソフト皮革製品の製造方法及びソフト皮革用処理材

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JPH0995700A
JPH0995700A JP25255895A JP25255895A JPH0995700A JP H0995700 A JPH0995700 A JP H0995700A JP 25255895 A JP25255895 A JP 25255895A JP 25255895 A JP25255895 A JP 25255895A JP H0995700 A JPH0995700 A JP H0995700A
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JP
Japan
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leather
product
soft leather
soft
shape
Prior art date
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Pending
Application number
JP25255895A
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English (en)
Inventor
Etsuro Hattori
悦郎 服部
Yoshitsugu Hirata
義次 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KORONBUSU KK
Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
KORONBUSU KK
Zeon Kasei Co Ltd
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  • Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフト皮革製品の製造に当たり、変形やシワ
の発生を防止して保型性を向上する。 【解決手段】 ノルボルネン系ポリマー溶液を作って形
状安定剤とする。この形状安定剤を皮革裏面に固形分と
して80〜200g/m2 の割合で塗布する。そして、
該皮革を裁断・縫製して木型に釣り込み、100〜15
0℃にて加熱して皮革製品を成形する。更に、この皮革
製品を一旦放冷した後に、120〜180℃にて熱風処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はソフト皮革製品の製
造方法及びソフト皮革用処理材に関するものであり、特
に、製造過程に於いて発生しやすい変形やシワを防止す
るソフト皮革製品の製造方法及びソフト皮革用処理材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】靴及び鞄等の皮革製品を製造するに当た
り、皮革の裁断後に縫製するときにシワができやすく、
更に、縫製後の水性仕上げによっても水分吸収によるシ
ワ戻りができやすい。また、皮革の裁断個所により皮革
の厚みや弾力性・柔軟性が違うので、これらの違いによ
っても落ち込み等の変形が生じやすい。特に、ソフト皮
革製品は変形やシワの発生が多い。
【0003】従来は、皮革の裏面にアクリル樹脂エマル
ジョンの塗膜を形成し、その樹脂塗膜の強度によって皮
革製品の保型を行っている。或いは、皮革の内部にアク
リル樹脂エマルジョンを浸透させて、皮革の繊維を固着
する方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のアクリル樹脂エ
マルジョンの塗膜による方法では、樹脂塗膜による強度
を上げるための部分的な保型であるので型全体に亘って
均一な保型性が得られず、保革製品の部分的な硬度調整
程度にしか活用されていない。
【0005】また、アクリル樹脂エマルジョンの浸透に
よる方法では、皮革の変形をある程度は防止できるが皮
革が硬くなる。特に、ソフト皮革ではしなやかさがなく
なり、特有の風合いが損なわれる。
【0006】そこで、ソフト皮革製品の製造に当たり、
変形やシワの発生を防止して保型性を向上するために解
決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこ
の課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、ノルボルネン系ポリ
マーの溶液を皮革裏面に固形分として80〜200g/
2 の割合で塗布した後に、該皮革を裁断・縫製して木
型に釣り込み、100〜150℃にて加熱し、更に、該
皮革を一旦放冷した後に、120〜180℃にて熱風処
理するソフト皮革製品の製造方法、及び、1〜6重量%
のノルボルネン系ポリマー溶液からなるソフト皮革用処
理材を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述
する。本発明で用いられるノルボルネン系ポリマーは、
ノルボルネン、メチルノルボルネン、エチルノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン等のノルボルネン系ポリマ
ーを常法に従って開環重合した高分子量ポリマーであ
り、形状を記憶保持する特性を有している。ガラス転移
温度(Tg )以上の流動領域で変形を与え、次にガラス
転移温度(Tg )以下にするとその変形を保持する。
【0009】例えば、ノルボルネンの開環重合体として
市販されている「ノーソレックス」(日本ゼオン社製)
は、約35℃のガラス転移温度(Tg )を有しており、
それ以上の温度で変形した後に室温に冷却すると、変形
した形状を保持してくれる。
【0010】このことから、ノルボルネン系ポリマーを
溶液にして皮革に塗布することにより、皮革製品の変形
及びシワの発生を防止しようとするものである。また、
上記特性を損なわない範囲で他のポリマーとの混合物と
して用いられてもよい。
【0011】尚、本発明に於いて、ノルボルネン系ポリ
マーはベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤に溶解さ
せて溶液として使用される。ノルボルネン系ポリマー溶
液は1〜6重量%で用いられるのが好ましい。これは、
1重量%以下では本発明の効果が達成できず、6重量%
以上では溶液の調整が難しくなってコストの割りに効果
が期待できないからである。
【0012】いま、1〜6重量%のノルボルネン系ポリ
マー溶液を作って形状安定剤とし(以下この濃度のノル
ボルネン系ポリマー溶液を単に「形状安定剤」とい
う)、この形状安定剤をカーフやシープ等のソフト皮革
の裏面に、固形分の割合で80〜200g/m2 の量を
塗布する。形状安定剤を塗布することにより、樹脂分が
皮革内に浸透して皮革の繊維に絡みつき固着する。
【0013】これは、80g/m2 以下では製品の変形
及びシワの発生等保型性の改良が少なく、200g/m
2 以上としてもコストの割りに改良の成果がなく、作業
性及び風合い等に劣ることとなるからである。
【0014】そして、数時間〜2日程度放置した後に、
該皮革を裁断・縫製して木型に釣り込む。木型に固定し
たまま100〜150℃にて通常3〜10分間加熱して
皮革製品を成形する。更に、この皮革製品を一旦室温で
放冷した後に、120〜180℃にて通常10〜60秒
間だけ熱風処理する。
【0015】これは、上記温度以下では塗布効果が弱く
なり、また、上記温度以上では製品の品質に悪影響を及
ぼす虞があるからである。そして、熱風処理した後に、
靴等の皮革製品の表面見栄え(艶出し)を良くするため
に、ワックスやラッカー等の公知の仕上げ剤にて水性仕
上げ処理が行われる。
【0016】上記工程を経て製造されたソフト皮革製品
は、形状が記憶されて安定的に保持されるので、へたり
等の変形が発生することが少なくなり、また、水性仕上
げを行っても水分吸収によるシワ戻りが極めて少ない。
【0017】
【実施例】ここで、ノルボルネンの開環重合体として市
販されている「ノーソレックス」(日本ゼオン社製)を
トルエンに溶解し、2重量%のポリノルボルネン溶液を
作成した。この溶液を靴用シープ革の裏面にポリノルボ
ルネンとして70g/m2、85g/m2 、100g/
2 、125g/m2 となるように塗布し、1日室温で
放置した。また、比較のために、ポリノルボルネン溶液
を全く塗布しないものも用意した。
【0018】上記シープ革を半球状可塑性試験方法(J
IS K−6546)に準拠してテストを行った。 (1)上記各シープ革を直径9cmの円形に打ち抜いて試
験片とした。 (2)半球状可塑性試験器にて13mmの高さに各試験片
を押し上げた。 (3)次いで、各試験片を13mm押し上げたままで12
0℃の恒温槽で5分間加熱し、恒温槽から取り出した後
に3時間室温で放置した。尚、各試験片について13mm
押し上げたままで加熱せず、3時間室温で放置したもの
も作成した。 (4)上記(3)で加熱処理した試験片を、更に150
℃で30秒間熱風処理を行った。 (5)半球状可塑性試験器から取り出した各試験片につ
いて、アクリル樹脂エマルジョンとワックスエマルジョ
ンの混合仕上げ剤を塗布して水性仕上げを行った。尚、
水性仕上げを行わないものも作成した。 (6)これらの各試験片について高さの落ち込みを測定
し、初期の高さ13mmからの落ち込み率を次式によって
算出する。
【0019】
【数1】
【0020】そして、セット後変化がみられなくなった
21日目の落ち込み率を測定した結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】尚、形状安定剤を200g/m2 以上塗布
した試験片は、落ち込み率は本発明に係る試験片とあま
り差異が生じないが、塗布時にシミが出易く、硬くなり
過ぎて風合いが悪くなり、姿形の歪みも発生する等の問
題がある。
【0023】表1に示したように、形状安定剤を塗布し
ない試験片は本発明に係る加熱処理を行った場合であっ
ても、落ち込み率即ち落ち込みによる変形やシワの発生
が大きく、落ち込み率の目標値である25%以下には遠
く及ばなかった(比較例2の試験片)。
【0024】一方、形状安定剤を塗布したものであって
も、本発明に係る加熱処理を行わない場合には、落ち込
み率が目標値である25%には及ばなかった(比較例4
の試験片)。
【0025】また、比較例1に係る試験片が目標値に達
しなかったのに対して、実施例1〜3に係る試験片は水
性仕上げの有無にあまり影響されることがなく、何れも
落ち込み率を目標とする25%以下にすることができ
た。
【0026】即ち、製造工程に於いて前記形状安定剤処
理及び加熱処理を行えば、上記のように落ち込み率が2
5%以下になって、従来に比べて落ち込み率を10%以
上減少できる。このため、従来かなりの高い率で皮革製
品の手直し作業を必要としていたが、本発明により手直
し作業を従来の1/10以下にすることができ、作業性
を大幅に改善することができる。
【0027】この結果、例えば形状安定剤を塗布した後
に加熱処理工程を経て製造された靴は、靴の先芯部分の
皮革と先芯材との境目やその周囲の皮革の落ち込みが少
なく、表面のシワの発生や履き口の変形もなくて形くず
れを防止でき、更に、ソフト皮革の風合いを損なわず、
安定な形状を保持できることが判明した。
【0028】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない
限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該
改変されたものに及ぶことは当然である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではソフト
皮革製品の製造に当たり、好ましくは1〜6重量%のノ
ルボルネン系ポリマー溶液を作って形状安定剤とし、こ
の形状安定剤をソフト皮革の裏面に塗布した後に特定条
件の加熱処理を行うことによって、皮革製品の形状が記
憶されて安定的に保持される。従って、シワやへたり等
の変形が発生することがなく、また、水性仕上げを行っ
ても水分吸収によるシワ戻りがない。
【0030】斯くして、ソフト皮革の風合いを損なうこ
となく、ソフト皮革製品の保型性並びに商品価値を向上
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノルボルネン系ポリマーの溶液を皮革裏
    面に固形分として80〜200g/m2 の割合で塗布し
    た後に、該皮革を裁断・縫製して木型に釣り込み、10
    0〜150℃にて加熱し、更に、該皮革を一旦放冷した
    後に、120〜180℃にて熱風処理することを特徴と
    するソフト皮革製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 1〜6重量%のノルボルネン系ポリマー
    溶液からなるソフト皮革用処理材。
JP25255895A 1995-09-29 1995-09-29 ソフト皮革製品の製造方法及びソフト皮革用処理材 Pending JPH0995700A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009001943A1 (ja) 2007-06-28 2008-12-31 Midori Hokuyo Co., Ltd.
WO2009139194A1 (ja) 2008-05-16 2009-11-19 ミドリホクヨー株式会社 トップコート
JP5506400B2 (ja) * 2007-12-28 2014-05-28 ミドリホクヨー株式会社 低voc革
US9490463B2 (en) 2004-09-02 2016-11-08 Lg Chem, Ltd. Organic/inorganic composite porous film and electrochemical device prepared thereby
JP2020010871A (ja) * 2018-07-19 2020-01-23 裕 下平 バッグの製造方法

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