JPH09934A - ルイス酸性度を増加させた結晶性微細孔性酸化物および該酸化物を使用した流動接触分解方法 - Google Patents

ルイス酸性度を増加させた結晶性微細孔性酸化物および該酸化物を使用した流動接触分解方法

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JPH09934A
JPH09934A JP18160796A JP18160796A JPH09934A JP H09934 A JPH09934 A JP H09934A JP 18160796 A JP18160796 A JP 18160796A JP 18160796 A JP18160796 A JP 18160796A JP H09934 A JPH09934 A JP H09934A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルイス酸性度を増加させた結晶性微細孔性酸
化物および該酸化物を使用した流動接触分解方法を提供
する。 【解決手段】 結晶性微細孔性酸化物触媒および流動接
触分解方法が開示されている。この触媒には、脱水素化
を促進し、かつルイス酸性度を増大させるための化合物
が効果的に添加されている。この触媒を無機酸化物マト
リックス中に含有させて、クラッキング触媒として使用
することができる。脱水素化を促進し、かつルイス酸性
度を増大させるための化合物が、結晶性微細孔性酸化物
の非骨格部分へ効果的に添加されることが好ましい。脱
水素化を促進し、かつルイス酸性度を増大させるための
化合物が揮発性多価金属化合物であることが更に好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルイス酸性度が増
大された結晶性微細孔性酸化物に関する。より具体的に
は、本発明は、脱水素化を促進し、かつルイス酸性度を
増大させるための化合物が、結晶性微細孔性酸化物の単
位格子サイズを増大させることなしに、効果的に添加さ
れた結晶性微細孔性酸化物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】結晶性
微細孔性(マイクロポーラス)酸化物は、長年に渡っ
て、種々の業界で商業的に利用されてきた。これらの物
質は、特に、分子ふるいとしての流体分離能や触媒活性
の点で価値を有する。
【0003】結晶性微細孔性酸化物は、炭化水素混合物
中の大きなパラフィン分子を、より小さく、より不飽和
度の大きい分子(例えば、オレフィンや芳香族化合物)
へ変換する触媒として、特に有用である。このコンバー
ション処理効率を最大にするためには、孔サイズ、孔体
積、ルイス酸性度、およびブレンステッド酸性度など、
触媒が有する多くの構造上の性質のバランスがとれてい
る必要がある。コンバーション触媒の構造上の性質のバ
ランスが適切でない場合には、炭化水素混合物の生成物
へのコンバーション効率が低くなったり、生成物の品質
が劣ったものとなるか、もしくはコンバーション触媒が
急速に不活性化する可能性がある。
【0004】触媒の骨格部分および非骨格部分のブレン
ステッド酸性度とルイス酸性度とのバランスをとること
によって、触媒活性が高い結晶性微細孔性酸化物を得る
ことは、特に有効であろう。結晶性構造体の骨格部分と
非骨格部分の組成のバランスをとることによって、触媒
活性が効率よく最適化できる。クラッキング触媒の場合
には、大きなパラフィン分子のオレフィン生成反応を、
それに続く切断反応、すなわち最終生成物中のより小さ
な分子を形成する反応と、より効率よく連係させること
ができる。
【0005】米国特許第5,059,567号および同
第5,242,677号には、脱アルミニウム化および
アルミニウムイオン交換によって調製された特定の型の
結晶性微細孔性酸化物であるY型ゼオライトが開示され
ている。最初に、ゼオライトYをアンモニウム交換およ
びか焼することによって、水素Yゼオライトを生成させ
る。次に、その水素Yゼオライトを、アンモニウム交換
およびか焼すると、その結果、比較的小さい単位格子サ
イズを有する極めて安定なYゼオライトが得られる。し
かしながら、触媒活性に関する効果が、記されていな
い。
【0006】Lutz等の「アルミニウム化により増大
された脱アルミニウム化Yゼオライトの水熱反応安定
性」、Zeolites,13 685(1993)に
は、再アルミニウム化された脱アルミニウム化Yゼオラ
イトが開示されている。その報告によると、再アルミニ
ウム化処理では、アルミナがゼオライトの骨格へ入るこ
とはなく、その処理の結果、水熱反応安定性が増大す
る。触媒活性に関する効果は、ここでも記されていな
い。
【0007】米国特許第4,418,235号ではHa
agおよびLagoが、また「ゼオライト科学技術の新
しい進歩」(1986)677頁ではLago等が、温
和な蒸熱によって、ゼオライト触媒活性が顕著に増大す
ることを示した。この温和な蒸熱は、彼らによって特許
請求されており、骨格アルミニウムのいくらかを取り除
き、かつ「活性増大」サイトを放出する。更に蒸気処理
を行うと、これらの「活性増大」サイトが除去される。
ZSM−5ゼオライトに関して示されるこの蒸熱は、接
触分解用の触媒で使用される蒸熱よりも、かなり苛酷で
はない条件下で行われる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、脱水素
化を促進し、かつルイス酸性度を増大させるための助触
媒化合物が、結晶性微細孔性酸化物の単位格子サイズを
増大させることなしに、効果的に添加された結晶性微細
孔性酸化物を有する触媒が提供される。また、無機酸化
物マトリックス、結晶性微細孔性酸化物、および脱水素
化を促進し、かつルイス酸性度を増大させるための助触
媒化合物を含むクラッキング触媒が提供される。助触媒
化合物が、効果的に添加されているため、結晶性微細孔
性酸化物の元々の単位格子サイズは不変のままである。
更にまた、石油供給原料を上述の触媒と接触させること
によって、石油供給原料を低沸点生成物へ変換するため
の流体接触分解方法が提供される。本発明の好ましい実
施態様では、助触媒化合物が、結晶性微細孔性酸化物の
単位格子サイズを実質的に増加させることなしに効果的
に添加される有効金属カチオンである。助触媒化合物と
しては、揮発性多価金属化合物が好ましい。
【0009】本発明のもう一つの好ましい実施態様で
は、脱水素化を促進し、かつルイス酸性度を増大させる
ための化合物は、結晶性孔性酸化物へ収着された揮発性
アルミニウム化合物である。結晶性微細孔性酸化物へ収
着された蒸発可能なアルミニウム化合物としては、蒸着
されたアルミニウム化合物が好ましい。助触媒化合物と
しては、結晶性微細孔性酸化物へ収着された熱分解アル
ミニウムアセチルアセトナートもしくはアルミニウムイ
ソプロポキシドが更に好ましい。本発明の更にもう一つ
の好ましい実施態様では、結晶性微細孔性酸化物は、結
晶性ゼオライトである。
【0010】
【発明の実施の形態】脱水素化の促進に有効で、かつ単
位格子サイズを増大させることなしに微細孔性酸化物の
ルイス酸性度を増大させる助触媒化合物を効果的に添加
することによって、ゼオライト系物質などの結晶性微細
孔性酸化物の触媒活性が改良されることを見出した。結
晶性微細孔性酸化物は、触媒として利用できる。すなわ
ち、結晶性微細孔性酸化物を、マトリックス物質へ取り
込んで、触媒(例えば、炭化水素クラッキング触媒)と
して使用することができる。他の触媒成分もしくは非触
媒成分も、マトリックス中に存在させることができる。
【0011】本発明の結晶性微細孔性酸化物は、単位格
子を有することを特徴とするものであり、接触分解反応
の主生成物を分解して、燃料用ナフサや化学供給原料用
オレフィンの如きクリーンな生成物を得るための触媒と
して使用することができる。結晶性微細孔性酸化物は、
結晶性アルミノ珪酸塩ゼオライト(以下、ゼオライトと
記す)、テクト珪酸塩、四面体アルミノリン酸塩(AL
POs)、および四面体シリコアルミノリン酸塩(SA
POs)から成る群より選ぶことが好ましい。更に好ま
しい結晶性微細孔性酸化物は、ゼオライトである。
【0012】本発明に従って利用できるゼオライトに
は、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトの両方が含ま
れる。これらのゼオライトには、グメリン沸石、斜方沸
石、ダチアルダイト、クリノプチロライト、ホージャサ
イト、輝沸石、レビーナイト、エリオナイト、カンクリ
ン石、灰沸石、オフレタイト、モルデン沸石、およびフ
ェリエライトが含まれる。合成ゼオライトに含まれるも
のとしては、ゼオライトX、Y、L、ZK−4、ZK−
5、E、H、J、M、Q、T、Z、アルファおよびベー
タ、ZSM型およびオメガが挙げられる。ホージャサイ
ト、特にゼオライトYおよびゼオライトXが好ましく、
単位格子サイズが24.30Å以上であるゼオライトが
更に好ましく、単位格子サイズが24.40Åのゼオラ
イトが最も好ましい。ゼオライト中のアルミニウムや珪
素成分は、他の骨格成分と置き換えることができる。例
えば、アルミニウム部分を、硼素、ガリウム、チタン、
もしくはアルミニウムよりも重い三価金属成分と入れ替
えることができる。ゲルマニウムを用いて、珪素部分を
入れ替えることができる。
【0013】クラッキング触媒として使用する場合、本
発明の結晶性微細孔性酸化物は、触媒成分と一緒に結合
する無機酸化物マリトックス中に含有されるため、最終
触媒は十分な硬さを有し、粒子間および反応器壁との衝
突に耐える。無機酸化物マトリックスは、乾燥させると
触媒成分の「接着」を引き起こす無機酸化物のゾルもし
くはゲルから作製できる。本発明のクラッキング触媒へ
取り込むことができる無機酸化物マトリックスには、珪
素およびアルミニウムの酸化物が含まれていることが好
ましい。無機酸化物マトリックスには、更に、活性多孔
性無機酸化物触媒成分および不活性触媒成分を含めるこ
とができる。触媒の各成分は、無機酸化物マトリックス
と連結して一緒に保持されていることが好ましい。
【0014】活性多孔性無機酸化物触媒成分は、典型的
には、大きすぎて結晶性微細孔性酸化物内部にフィット
しない炭化水素分子のクラッキングの際に主生成物の形
成の触媒となる。本発明のクラッキング触媒へ取り込む
ことができる活性多孔性無機酸化物触媒成分としては、
許容しうる熱的ブランクと比べて、比較的大量の炭化水
素をより低分子量の炭化水素へ分解する多孔性無機酸化
物であることが好ましい。表面積の小さいシリカ(例え
ば、石英)は、許容しうる熱的ブランクの一種である。
クラッキングの程度は、MAT(マイクロアクティビテ
ィ試験、ASTM#D3907−8)など、種々のAS
TM試験の中のいずれを用いても測定できる。Gree
nsfelder,B.S.等の「工業技術化学(In
dustrial−Engineering Chem
istry)」pp2573−83,Nov.1949
に開示されているような化合物が望ましい。アルミナ、
シリカ−アルミナ、およびシリカ−アルミナ−ジルコニ
ア化合物が好ましい。
【0015】不活性触媒成分は、典型的には、保護性熱
的シンク(sink)として働き、その密度と強度を大きく
する。本発明のクラッキング触媒へ取り込むことができ
る不活性触媒成分は、許容しうる熱的ブランクよりも著
しく大きくはないクラッキング活性を有することが好ま
しい。カオリンおよび他のクレーやα−アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、石英、およびシリカは、好ましい不
活性成分の例である。
【0016】また、分離した不連続アルミナ相を無機酸
化物マトリックスへ取り込むことが好ましい。アルミニ
ウムオキシヒドロキシド−γ−アルミナ、ベーマイト、
ダイヤスポア、および転移アルミナ(例えば、α−アル
ミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、ε
−アルミナ、κ−アルミナ、ρ−アルミナ、)などの種
が利用できる。アルミナ種としては、ギブス石、バイヤ
ライト、ノルドストランダイト(nordstrandite)、も
しくはドイエライト(doyelite)などのアルミニウムト
リヒドロキシドが好ましい。
【0017】本発明の結晶性微細孔性酸化物は、認知し
うる程大きな単位格子サイズの増加を伴わずに、脱水素
化を促進し、かつルイス酸性度を増大させるための化合
物を含有している。すなわち、助触媒の取り込み後、結
晶性微細孔性酸化物物質の単位格子サイズは、もとの出
発物質のものと実質的に同じである。助触媒化合物は、
炭化水素供給流の中でパラフィン系およびナフテン系化
合物の脱水素化を効率的に促進して、オレフィン系化合
物を形成するような化学状態にあることが好ましい。炭
化水素供給流としては、初期沸点が好ましくは少なくと
も約400゜F、より好ましくは少なくとも約600゜
Fである石油炭化水素留分が好ましい。当業者が理解し
ているように、石油炭化水素留分には非常に多くの種類
の化合物が存在しているため、こうした炭化水素留分を
初期沸点で正確に定義することは難しい。しかしなが
ら、この範囲に含まれる炭化水素留分として、ガス油、
サーマル油(thermal oil)、残油、循環油、抜頭原油
および全原油、タールサンド油(tar sand oil)、頁岩
石、合成燃料、コーキング処理から誘導された炭化水素
重留分、タール、ピッチ、アスファルト、およびこれら
の中のいずれかから誘導された水素化精製供給原料が含
まれることが分かる。
【0018】脱水素化を促進し、かつルイス酸性度を増
大させるための化合物は、パラフィンおよびナフテンの
脱水素化を促進するように触媒の結晶性微細孔性酸化物
部分へ収着する化合物である。パラフィンが結晶性微細
孔性酸化物と接触した結果として、多量のパラフィンが
オレフィンへ変換されることが好ましい。次に、このオ
レフィンが、より小さなパラフィン分子、オレフィン分
子、および芳香族分子へ、燃料生成物に望まれる割合で
変換されることが好ましい。
【0019】本発明によれば、結晶性微細孔性酸化物
は、骨格部分と非骨格部分を含有している。結晶性微細
孔性酸化物のルイス酸性度は、単位格子サイズを増大さ
せることなしに、結晶性微細孔性酸化物の非骨格部分の
有効金属カチオンサイトの数を増加させることによっ
て、増大する。一般的には、物質が物質の骨格部分へ取
り込まれると、単位格子サイズは増加する。本発明の助
触媒物質が本発明の結晶性微細孔性酸化物物質に取り込
まれる場合には、単位格子サイズは、実質的には同じま
まである。ゼオライトと関連微細孔性物質(Zeoli
tes and Related Microporo
us Materials)、J.Weitkamp、
H.G.Karge、H.PfeiferおよびW.
Holderich編、第84巻、Elsevier
Science B.V.刊、1994年(1375〜
1394ページは、引用により、本明細書中に含まれ
る)に記載のW.O.Haagの「ゼオライトの触媒作
用−科学技術」を参照すると、ルイス酸サイトの有効性
が解説されている。本明細書中で使用したように、金属
カチオンとは、金属イオンもしくは金属イオン+酸化物
イオン種のいずれかを意味する。
【0020】金属カチオン非骨格酸サイトの有効数を増
大させるために、脱水素化を促進し、かつルイス酸性度
を増大させるための化合物が、液相もしくは気相反応に
よって結晶性微細孔性酸化物へ収着されている。例え
ば、その添加剤を、気相移動によって結晶性微細孔性酸
化物へ収着させることができる。
【0021】脱水素化を促進し、かつ本発明の結晶性微
細孔性酸化物のルイス酸性度を増大させる上で有効な化
合物が、収着が起こる前に活性である必要はない。実
際、本発明では、ゼオライト添加剤が、収着後に活性化
されることが好ましい。活性化は、例えば、熱処理を使
用するなどで、収着した化合物を分解することによって
達成できる。
【0022】脱水素化を促進し、かつ本発明の結晶性微
細孔性酸化物のルイス酸性度を増大させるための化合物
は、気相中で安定な化合物であることが好ましい。ま
た、その化合物は、500℃未満の沸点を有することが
望ましい。
【0023】本発明の好ましい実施態様では、脱水素化
を促進し、かつルイス酸性度を増大させるための化合物
は、揮発性多価金属化合物である。その揮発性多価金属
化合物は、二価もしくは三価金属を含有する化合物であ
る。二価もしくは三価金属として好ましい金属は、マグ
ネシウム、クロム、鉄、ランタン、およびアルミニウム
から選ばれる。好ましい揮発性多価金属化合物として
は、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、アル
ミニウムイソプロピルオキシド、アルミニウムヘキサフ
ルオロアセチルアセトナート、アルミニウムジクロロヒ
ドロール、アルミニウムエトキシド、トリス[2,2,
6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジアノト]ア
ルミニウム−III[Al(TMHD)3]、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、
アルミニウムプロポキシド、マグネシウムアセチルアセ
トナート、クロムアセチルアセトナート、鉄アセチルア
セトナート、およびランチドアセチルアセトナートが挙
げられる。
【0024】本発明の完成した結晶性微細孔性酸化物
を、上述したような無機酸化物マトリックス物質へ添加
してクラッキング触媒を作製することできる。このマト
リックスによってクラッキング触媒組成物のバランスを
とることが可能である。但し、他の触媒成分や物質を触
媒に取り込むこともできる。クラッキング触媒中のマト
リックス存在量は、全触媒重量を基準にして、約40〜
99重量%、より好ましくは約50〜約80重量%の範
囲にあることが好ましい。また、他の型の微細孔性酸化
物、クレー、および一酸化炭素酸化触媒を、クラッキン
グ触媒へ添加することも、本発明の範囲内にある。
【0025】本発明の触媒は、種々の石油化学処理、特
にパラフィンの脱水素化が望まれる処理で使用すること
ができる。例えば、これらの触媒は、流動接触分解、水
素分解、および異性化の反応の触媒として使用すること
ができる。接触分解は、石油精製業界で、既に確立さ
れ、かつ広範に使用されている処理方法であり、比較的
高い沸点の留分から成る石油系油分を、より価値のある
低沸点生成物へ変換するために利用されている。当業者
が理解しているように、石油炭化水素留分には非常に多
くの種類の化合物が存在しているため、こうした炭化水
素留分を初期沸点で正確に定義することは難しい。しか
しながら、この範囲に含まれる炭化水素留分として、ガ
ス油、サーマル油、残油、循環油、抜頭原油および全原
油、タールサンド油、頁岩石、合成燃料、コーキング処
理から誘導された炭化水素重留分、タール、ピッチ、ア
スファルト、およびこれらの中のいずれかから誘導され
た水素化精製供給原料が含まれることが分かる。
【0026】流動接触分解は、石油精製業界で、既に確
立され、かつ広範に使用されている処理方法であり、比
較的高い沸点の石油系油分を、より価値のある低沸点生
成物(ガソリンや中間留出物、例えば、燈油、ジェット
燃料、および暖房用油、を含む)へ変換するために利用
されている。接触分解装置への典型的なフィードは、比
較的高い沸点の油または残油(単独もしくは他の留分と
混合されたものであり、同様に、通常、比較的高い沸点
を有するもの)であることが一般的な特徴であると言え
る。最も普通のフィードは、軽油、即ち、高沸点非残油
であり、初期沸点は、通常、約230℃を超え、より一
般的には約350℃を超え、終留点は最高約620℃で
ある。典型的な軽油としては、直留(大気圧)軽油、減
圧(vacuum)軽油、およびコーカー(coker)軽油が挙
げられる。
【0027】流動接触分解装置は、典型的には、反応器
を含んでおり、その反応器中では、炭化水素系供給原料
が、蓄熱器中で加熱された熱い粉末状触媒粒子と接触す
る。触媒粒子を行ったり来たりさせるために、トランス
ファーラインが、この二つの容器を連結している。クラ
ッキング反応は、温度が約450℃〜約680℃、より
好ましくは約480℃〜約560℃、圧力が約5〜60
psig、より好ましくは約5〜40psig、接触時
間(触媒が供給原料と接触する時間)が約0.5〜15
秒、より好ましくは約1〜6秒、触媒と油の比が約0.
5〜10、より好ましくは約2〜8の条件下で行うこと
が好ましい。クラッキング反応の間、より低沸点の生成
物が形成されるとともに、いくらかの炭化水素系物質と
不揮発性コークスが触媒粒子上に沈着する。炭化水素系
物質は、好ましくは蒸気を用いたストリッピングによっ
て取り除かれる。不揮発性コークスは、一般的には約4
〜10重量%の水素を含有する濃縮度の高い芳香族炭化
水素から成る。炭化水素系物質とコークスとが触媒上に
堆積するので、クラッキングに対する触媒活性とガソリ
ンをブレンドする原料の生成に対する触媒の選択性とが
減少する。ストリッピングによって炭化水素系物質のほ
とんどを取り除くことによって、また好適な酸化再生処
理によってコークスを取り除くことによって、触媒粒子
は、もとの能力の大部分を回復することができる。した
がって、触媒粒子がストリッパーへ、次に蓄熱器へ送ら
れる。
【0028】触媒の再生は、空気などの酸素含有ガスを
用いてコークス堆積物を燃焼させて触媒表面から除去す
ることによって達成される。再生中、触媒温度を約56
0℃〜約760℃にすることが可能である。再生された
熱い触媒粒子は、次にトランスファーライン経由で反応
器へ戻されるが、触媒粒子が熱いため、クラッキング反
応に必要な温度に反応器を保持することができる。コー
クスの燃焼除去は発熱反応であるため、従来の供給原料
を用いる従来の流動触媒クラッキング装置では、更に燃
料を追加する必要がない。本発明の実施に際して使用さ
れる供給原料は、芳香族化合物の量が少ないため、およ
び反応器もしくはトランスファーライン中での接触時間
が比較的短いために、蓄熱器中で必要な温度を達成する
上で十分な量のコークスが触媒粒子上に堆積しない可能
性がある。したがって、更に燃料を使用して蓄熱器中の
温度を増加させ、反応器へ戻される触媒粒子を十分に熱
くしてクラッキング反応を保つことが必要な場合があ
る。追加燃料の例としては、これらに限定される訳では
ないが、接触分解処理自体からのC2−ガス、天然ガ
ス、トーチ油(torch oil)が挙げられる。C2−ガスが
好ましい。
【0029】異性化は、本発明の触媒が使用できるもう
一つの処理である。本発明の処理で異性化しうる炭化水
素としては、典型的には4〜20個、好ましくは4〜1
2個、更に好ましくは約4〜6個の炭素原子を有するパ
ラフィン系およびオレフィン系炭化水素、およびキシレ
ンの如き芳香族化合物が挙げられる。好ましい仕込み原
料は、パラフィン系炭化水素(典型的には、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン等)から成る。異性化条件
は、温度が約80℃〜約350℃、好ましくは約100
℃〜260℃、圧力が約0〜1,000psig、好ま
しくは約0〜300psig、液体時間空間速度が約
0.1〜20、好ましくは約0.1〜2、水素速度が1
バレル当たりの標準立方フィート単位で約1,000〜
5,000、好ましくは約1,500〜2,500であ
る。処理温度および触媒活性は、空間速度と相関させ
て、再生処理間で触媒の最大運転時間を保証する触媒失
活速度で、供給原料に理にかなった迅速な処理を施す。
【0030】本発明の触媒は、水素分解処理にも使用す
ることができる。水素分解は、良質ガソリンブレンド成
分の全精製収量を増加させる。水素分解は、もし水素分
解しない場合には留出物燃料へブレンドされる比較的品
質の低い軽油供給原料を対象として、固定床反応器中で
水素および適当な触媒の存在下でコンバーションを行う
ことが可能である。典型的には、供給原料は、水素蒸気
と混合し、約140℃〜400℃に加熱し、約1,20
0〜3,500psiに加圧し、そして第一段階反応器
へ仕込まれる。その反応器中では、供給原料の約40〜
50%を反応させることによって、クラッキング反応を
抑制したり低品質の生成物を作る窒素および硫黄化合物
を除去する。第一段階を通った流れは、冷却され、液化
され、そして分離器中を通過する。その分離器中では、
ブタンおよびより軽いガスが除去される。残油留分は、
第二段階反応器へ送られ、より高い温度および圧力下で
分解される。その際に、更にガソリンブレンド成分およ
び水素分解物が生成する。
【0031】本発明の好ましい実施態様を含む以下の実
施例を参照すれば、本発明が更に理解されるであろう。
【0032】
【実施例】
実施例1 三つの別々の市販結晶性微細孔性酸化物、すなわち、U
SY(W.R.Grace,Davison Divi
sionから入手したZ14USYもしくはUOP、L
ZY82もしくはLZY84)、LZ−210(Kat
alystiks,Incから入手可能)、および、か
焼された希土類交換Y(W.R.Grace,Davi
son Divisionから入手可能なCREY)に
関して標準MAT試験(例えば、マイクロアクティビテ
ィ試験、ASTM#D3907−8)を行った。MAT
試験を行う前に、結晶性微細孔性酸化物をマトリックス
物質(DuPontから入手可能なLudox)と混合
し、1400 で16時間蒸気を通して、クラッキング
触媒を作製した。試験した各触媒は、20重量%のゼオ
ライトと80重量%のマトリックス物質とを含有する。
結果は、表1に示されている。
【0033】
【表1】 USY LZ−210 CREY MATの結果 コンバーション 42.5 47.7 64.1 (重量%、400゜Fマイナス) H2(重量%) 0.0113 0.0186 0.0064 C(重量%) 1.480 1.891 1.760 表面積(m2/g) 200 189 130 孔体積(cm3/g) 0.439 0.023 0.254 単位格子(Å) 24.21 24.24 24.51
【0034】実施例2 A.Dyer著、「ゼオライトモレキュラーシーブ入門
(An Introduction to Zeoli
te Molecular Sieves)」第6章、
「イオン交換体としてのゼオライト」、John Wi
ley & Sons刊、1988年(この章は、引用
により、本明細書中に含まれる)に記載されているよう
なゼオライト中における陽イオン交換法に従って、実施
例1の結晶性微細孔性酸化物の金属イオン交換を行っ
た。結晶性微細孔性酸化物をイオン交換した後、マトリ
ックス物質と混合し、実施例1のように蒸気を通し、標
準MAT試験に従って試験した。結果は表2に示されて
いる。
【0035】
【表2】 USY LZ−210 CREY +Al2O3 +Al2O3 +Al2O3 MATの結果 コンバーション 29.8 38.5 51.1 (重量%、400゜Fマイナス) H2(重量%) 0.0047 0.0055 0.0056 C(重量%) 1.119 1.737 1.516 表面積(m2/g) 194 172 161 孔体積(cm3/g) 0.346 0.314 0.318 単位格子(Å) 24.25 24.22 24.36
【0036】この結果から、実施例1の非イオン交換結
晶性微細孔性酸化物と比べて、金属イオン交換結晶性微
細孔性酸化物は生成物へのコンバーションが顕著に減少
することが示唆される。このことから、金属イオン交換
処理の結果、結晶性微細孔性酸化物の非骨格部分の有効
金属カチオンサイトが失われ、ブレンステッドサイドと
ルイスサイトとのバランスが好ましくないため、望まし
い活性が得られないことが示唆される。
【0037】実施例3 三つの別々の市販結晶性微細孔性酸化物、すなわち、D
yerの方法で実施例1のCREYの一部を希土類イオ
ン溶液で交換して作られた希土類交換CREY(REC
REY)、Dyerの方法に従ってCREYの約4重量
%Na+をNH4+で交換して作られた水素か焼希土類
交換Y(HCREY)、およびR.Szostak著
「改良ゼオライト(Modified Zeolite
s)」(第5章),Introduction to
Zeolite Scienceand Practi
ce,第58巻、H.Van Bekkum,E.M.
Flanigan,J.C.Jansen編、Else
vier刊、1991年の引用文献6〜13に記載され
ている方法に従ってNH4CREYをか焼することによ
って作られた極安定か焼交換希土類Y(USCREY)
に関して、標準MAT試験を実施した。MAT試験を実
施する前に、ゼオライトをマトリックス物質(10重量
%ゼオライト、30重量%SiO2(Unimin Sp
ecialty Minerals,Incから入手可
能なIMSIL−A−8)、60重量%SiO2-Al2O
3(W.R.Grace Davison Divisio
nから入手したゲルから作ったもので、乾燥・洗浄する
と25重量%Al2O3のSiO2-Al2O3が得られる))
と混合して、クラッキング触媒を生成させた。結果は表
3に示されている。
【0038】
【表3】 RECREY HCREY USCREY MATの結果 コンバーション 45.3 50.1 44.0 (重量%、430゜Fマイナス) C(重量%) 1.34 1.39 1.33 650゜Fマイナス 32.4 27.4 32.7 +生成物(重量%) 表面積(m2/g) 101 129 113 単位格子(Å) 24.49 24.45 -
【0039】実施例4 実施例3の結晶性微細孔性酸化物のそれぞれを、別々の
容器中で、アルミニウムアセチルアセトナートとブレン
ドした(ゼオライトとアルミニウムアセチルアセトナー
トとの比は約1:1.4、アルミニウムアセチルアセト
ナートの分解温度は320℃よりわずかに高い)。各容
器をオーブン中に置き、150℃に加熱して1時間その
状態を保ち、アセチルアセトン分解の燃焼可能な分解生
成物を排出させるに十分な量の窒素でパージングを行っ
た。パージングの後、500℃に加熱し、1時間その状
態を保ち、そして冷却させた。次に、500℃で2時
間、オーブンを空気中で加熱した。生成物の重量に基づ
いて計算すると、アルミニウムアセチルアセトナートの
量から期待される約45重量%のアルミナが、添加処理
の結果、ゼオライトと共に残存することが分かった。次
に、添加したアルミニウムを含有するゼオライトから、
実施例3のように触媒を作製し、続いて標準MAT条件
で試験を行った。結果は表4に示されている。
【0040】
【表4】 RECREY HCREY USCREY +Al2O3 +Al2O3 +Al2O3 MATの結果 コンバーション 55.2 58.2 60.8 (重量%、430゜Fマイナス) C(重量%) 1.63 1.57 1.65 650゜Fマイナス 22.6 19.3 17.4 +生成物(重量%) 表面積(m2/g) 118 81 143 単位格子(Å) - 24.43 24.46
【0041】この結果から、脱水素化を促進し、かつル
イス酸性度を増大させるための添加金属化合物を含有す
る結晶性微細孔性酸化物が、実施例3の金属未添加結晶
性微細孔性酸化物と比べて、ガソリン生成物へのコンバ
ーションを顕著に増大させることが示唆される。このこ
とから、金属化合物の添加によって、結晶性微細孔性酸
化物の非骨格部分の有効金属カチオンサイトの数が増加
したことが示唆される。言い換えると、金属化合物の添
加によって、ルイス酸サイトが顕著に増大する。このこ
とは、触媒1グラム当たりの酸サイトの数の直接測定に
よっても示される(下記の表5)。
【0042】実施例3の蒸気処理の後、ピリジンを触媒
に吸着させ、次に、減圧下で、250℃に加熱して、非
酸性サイトのより酸性の弱い部分からピリジンを脱着さ
せる場合に、赤外スペクトルを用いて、ピリジニウムイ
オンとしてブレンステッド酸サイトへ収着したピリジン
の相対的な量、および強いルイス酸サイトへピリジン配
位物として収着した量を測定することができる。このこ
とを脱着させた触媒に関して行うと、3つの触媒に関し
て吸着したピリジンの以下のようなバンド強度が観察さ
れた。
【0043】表5には、3つの異なる物質がある。すな
わち、1)RECREY。これはFAU構造型の希土類
交換ゼオライトで、この表の続く2つの試料の出発物質
である。2)RECREY+添加アルミナ−I。これは
本明細書中で教示した方法で有効添加アルミナとしてア
ルミナが添加されたRECREYの試料である。3)R
ECREY+添加アルミナ−II。これは、追加ルイス酸
としては有効でないように、アルミナが添加されたRE
CREYの試料である。
【0044】R.J.Gorte等[Journal
of Catalysis 第148巻,ページ213
−223(1994年)および本明細書中の引用文献]
およびG.L.Price等[Journal of
Catalysis 第148巻,ページ228−23
6(1994年)]によって教示された方法を使用し
て、強酸サイトの量(熱脱着の際、n−プロピルアミン
をプロピレンとアンモニアへ分解する程の十分強い酸
性)と弱酸サイトの量(50℃において、n−プロピル
アミンと相互作用をするが、温度を上げるとn−プロピ
ルアミンを脱着するという程度の酸性)の両方として特
徴付けられる全酸度を定量的に測定した。この測定は、
ブレンステッド酸サイトとルイス酸サイトの両方の尺度
となる。酸性度の尺度は、物質1g当たりの酸のミリ等
量で示される(1ミリモルのアミンがそれぞれ、1ミリ
モルの酸性サイトと反応するものとして数える)。
【0045】
【表5】 RECREY RECREY+ RECREY+ +添加Al2O3 +添加Al2O3 全Al2O3(重量%) 19.7 30.5 27.0 強酸性度、MEQV/G 0.46 0.38 0.40 弱酸性度、MEQV/G 2.64 2.99 2.59 全酸性度、MEQV/G 3.10 3.37 2.99 ブレンステッドバンド強度 22単位 33単位 33単位 ルイスバンド強度 55単位 104単位 60単位
【0046】表5から、効果的に添加されたアルミナ
(I)の場合だけ、全酸性度とともに、弱酸性度が増加
することが分かる。もう一つの例(II)から、アルミナ
の量を単に増加させただけでは、酸性度がかならずしも
増加しないことが分かる。
【0047】上述のゼオライト試料のそれぞれを使用し
て、実施例3に記載したように触媒を調製し、次にこれ
らの複合触媒を、実施例3に記載したものと同じ条件
で、蒸気で処理して失活させた。
【0048】次に、各触媒試料の一部を加圧して薄いデ
ィスクを得た。各ディスクの重量を測定し、その直径と
厚さも測定した。続いて、各ディスクを真空室に入れ
て、加熱し、水もしくは他の収着したガスを除去した。
次に、それを50℃に冷却し、短時間、ピリジン蒸気に
晒した。続いて、その試料を数時間、減圧下で保持し、
その赤外スペクトル(特に、1400cm-1と1600
cm-1の間)を測定した。次に、その試料を250℃に
加熱して数時間保持し、再びスペクトルを測定した。こ
うした温度の増加および高真空によって、物理的に収着
したピリジンをすべて除去した。
【0049】1400cm-1と1600cm-1の間の赤
外スペクトルは、ピリジン収着の前の試料に関して測定
し、そのスペクトルを、ピリジンを含有する試料のスペ
クトルから差し引いた。その結果得られたスペクトル
は、触媒の酸性サイトと相互作用するピリジンに帰因す
るものであった。
【0050】このスペクトル範囲において、1540c
-1〜1550cm-1のピークは、ブレンステッド酸サ
イトからのプロトンと配位するピリジンに帰属された。
1440cm-1と1460cm-1の間のピークは、固体
の電子受容サイト(ルイス酸)と、ピリジンの窒素上の
電子対とが相互作用している状態のピリジンに帰属され
た。このスペクトル領域1440cm-1〜1660cm
-1において、1480cm-1と1500cm-1の間にあ
る他のバンドは、ブレンステッドサイトとルイスサイト
の両方に収着したピリジンのバンドの組み合わせに帰因
する。
【0051】表5に示したゼオライトを用いて作製した
蒸気処理複合触媒に関して、表6に、触媒上のブレンス
テッドサイトおよびルイスサイトの存在に帰因するバン
ドに対して観測された強度が列挙されている。
【0052】
【表6】 RECREY RECREY+ADA RECREY+ADA I II 以下に帰因するバント強度 (絶対単位/グラム) ブレンステッドサイト 22 33 33 ルイス酸サイト 55 104 60
【0053】これらの結果から、この金属化合物の効果
的な添加によって活性触媒のルイス酸性度が増加するこ
とが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 11/18 9279−4H C10G 11/18 35/095 9279−4H 35/095 35/14 9279−4H 35/14 // C10G 47/16 9547−4H 47/16 (72)発明者 アルバート・エドワード・シュバイツアー アメリカ合衆国ルイジアナ州70815、ベー トン・ルージ、ウェスト・マグナ・カル タ・プレイス2069

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱水素化を促進し、かつルイス酸性度を
    増大させるための化合物が効果的に添加された結晶性微
    細孔性酸化物を含有する触媒。
  2. 【請求項2】 石油供給原料をより低い沸点の生成物へ
    変換するための流動接触分解方法において、脱水素化を
    促進し、かつルイス酸性度を増加させるための化合物
    が、単位格子サイズを実質的に増大させることなしに効
    果的に添加された結晶性微細孔性酸化物を有する触媒
    に、流動接触分解条件で、前記石油供給原料を接触させ
    ることを特徴とする流動接触分解方法。
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