JPH0992587A - セラミック電子部品製造装置 - Google Patents

セラミック電子部品製造装置

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JPH0992587A
JPH0992587A JP7246294A JP24629495A JPH0992587A JP H0992587 A JPH0992587 A JP H0992587A JP 7246294 A JP7246294 A JP 7246294A JP 24629495 A JP24629495 A JP 24629495A JP H0992587 A JPH0992587 A JP H0992587A
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JP
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flexible support
drying
electronic component
ceramic electronic
electrode
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JP7246294A
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Akira Kobayashi
亮 小林
Hiroshi Yagi
弘 八木
Shigehiko Shirai
重彦 白井
Yasushi Senbu
泰 泉部
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極乾燥に要する時間を短縮すると共に、可撓
性支持体の変形を最小にする。 【解決手段】有機質可撓性支持体1によって支持された
未乾燥の電極を乾燥するための乾燥装置35を有する。
乾燥装置35は、可撓性支持体19を通す乾燥室350を
有し、乾燥室35に熱風を流し、未乾燥の電極を乾燥さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミック電子部品
を製造するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミック電子部品は、例えば有機質の
可撓性支持体上にドクターブレード法でセラミック粉、
有機バインダー、可塑剤、溶剤等を含むセラミック塗料
を塗布して未焼成セラミック層(グリーンシートと称さ
れる)を形成し、その上にパラジウム、銀、ニッケル等
の電極をスクリーン印刷により形成する。次に所望の積
層構造になるように一枚ずつ積層し、プレス切断工程を
経て未焼成セラミックチップを得る。このようにして得
られた未焼成セラミックチップ中のバインダーをバーン
アウトし、1000℃〜1400℃で焼成し、得られた
焼成体に銀、銀−パラジウム、ニッケル、銅等の端子電
極を形成し、セラミック電子部品を得る。
【0003】また別の手段として、特開昭63−188
926号には、セラミック層を可撓性支持体が上になる
ように熱転写する方法が開示されている。
【0004】更に、別の技術として、例えば特開平6ー
342736号公報には、可撓性支持体上で、誘電体層
を形成する工程と、誘電体層上に電極を印刷する工程と
を、必要な積層数だけ繰り返すことにより積層体を得る
方法が開示されている。
【0005】何れの製造方法による場合でも、有機質の
可撓性支持体上に形成された未乾燥の電極を、乾燥させ
る乾燥装置が必要である。従来の乾燥装置は、電極ペー
ストに使用される溶剤がテルピネオール等の高沸点溶剤
であることから、遠赤外線ヒータを用い、高沸点溶剤を
沸点まで加熱することにより、乾燥させていた。なお、
テルピネオールの沸点は212℃である。
【0006】しかし、遠赤外線ヒータを用いた場合、例
えば90℃の乾燥温度で、180秒もの乾燥時間を必要
とし、乾燥効率が悪かった。
【0007】また、乾燥工程において、未焼成誘電体層
及び電極を支持する有機質の可撓性支持体が熱変形を受
けるという問題点もあった。この熱変形は、幅100mm
で厚み50μmの可撓性支持体では、例えば105μmに
もなる。かかる熱変形を生じると、セラミック層上に電
極パターンを印刷等の手段によって形成する工程におい
て、電極パターンの位置ずれを生じる。例えば、可撓性
支持体に100μmの収縮を生じた場合、電極パターン
は最大100μmの位置ずれを起す。
【0008】しかも、積層セラミックコンデンサ等を想
定すれば明らかなように、この種のセラミック電子部品
の製造工程では、セラミック層を形成する工程と、その
上に電極パターンを形成する工程が、積層数に応じて、
繰り返し行なわれるから、そのたび毎に電極パターンの
位置ずれを生じ、それが積層回数に応じて累積され、必
要な特性を得ることができなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、電極
乾燥に要する時間を短縮し得る乾燥装置を有するセラミ
ック電子部品製造装置を提供することである。
【0010】本発明のもう一つの課題は、有機質可撓性
支持体の変形を最小にし得る乾燥装置を有するセラミッ
ク電子部品製造装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明に係るセラミック電子部品製造装置は、有機
質可撓性支持体によって支持された未乾燥の電極を乾燥
するための乾燥装置を有する。前記乾燥装置は、前記可
撓性支持体を通す乾燥室を有し、前記乾燥室に熱風を流
し、前記未乾燥の電極を乾燥させる。
【0012】上述した熱風乾燥によると、例えば45〜
80℃の低い温度で、従来の約1/3の乾燥時間で乾燥
処理を行なうことができる。しかも、有機質可撓性支持
体の変形量を最小にすることができる。有機質可撓性支
持体の変形量は、具体的には、20μm以下に押さえる
ことができる。
【0013】既に述べたように、従来は、電極ペースト
に使用される溶剤はテルピネオール等の高沸点溶剤であ
るから、高い沸点まで加熱しなければ乾燥できないとの
考え方に立脚し、その手段として、遠赤外線ヒータを用
いていた。本発明においては、印刷済電極ペーストから
蒸発し、乾燥室中に存在する溶剤の飽和蒸気層を取り除
けば、迅速に乾燥できるとの視点に立ち、熱風乾燥を採
用した。
【0014】本発明の他の特徴及びそれによる作用効果
は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明
する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るセラミック電
子部品製造装置の構成を概略的に示す図である。図示の
セラミック電子部品製造装置において、一面側に未焼成
セラミック層が形成されている有機質の可撓性支持体1
9は、供給ロール21から、矢印F1で示す方向に引き
出され、案内ローラ22を通り、印刷用のテーブル25
に導かれる。参照符号23は案内ローラ22を支持する
支持体、参照符号24は支持台である。可撓性支持体1
9は、例えばポリエチレンテレフタレートのような耐熱
性合成樹脂で構成されている。
【0016】印刷用のテーブル25の上において、印刷
装置Aにより、可撓性支持体19の一面上に形成された
未焼成セラミック層に、所定のパターンを有する電極が
印刷される。電極印刷に用いられる電極ペーストは、導
電成分となる金属粉と、バインダと、溶剤とを含む。導
電成分となる金属粉は周知であり、通常、パラジウム、
銀またはニッケルの少なくとも一種またはこれらの合金
等が用いられる。溶剤は、テルピネオール等の高沸点溶
剤である。
【0017】電極の印刷された可撓性支持体19は、透
過光目視検査台31、案内ローラ32をへて、ローラ3
3ー34間で回っているベルトコンベア36に乗せら
れ、乾燥装置35で乾燥処理が施された後、案内ローラ
37を通り、巻取り巻き取りローラ38で巻き取られ
る。
【0018】乾燥装置35は、未乾燥の電極を有する可
撓性支持体19を通す乾燥室350を有する。そして、乾
燥室350内で熱風を流通させて、可撓性支持体19上の
未乾燥の電極を熱風乾燥させる。乾燥室350は一端側に
給気路351を有し、他端側に排気路352を有する。給気路
351から乾燥室350内に矢印J1の如く流入した熱風は、
乾燥室350内部を通過し、排気路352から矢印J2の方向
に排出される。
【0019】上述した熱風乾燥によると、例えば45〜
80℃の低い温度で、従来の約1/3の乾燥時間で乾燥
処理を行なうことができる。しかも、可撓性支持体19
の変形量を最小にすることができる。可撓性支持体19
の変形量は、具体的には、20μm以下に押さえること
ができる。
【0020】図2は乾燥装置35の具体的な実施例を示
す図である。図2において、乾燥装置35は複数の乾燥
室350を有する。乾燥室350のそれぞれは、可撓性支持体
19の送り方向F1に関して、出口側となる一端側に給
気路351を有し、入口側となる他端側に排気路352を有す
る。従って、可撓性支持体19の上の電極は、可撓性支
持体19の送り方向F1とは逆の方向F2の方向に流れ
る熱風によって乾燥される。
【0021】図3は乾燥装置の別の実施例を示す図であ
る。図3に示す実施例においては、複数備えられた乾燥
室350のそれぞれは、可撓性支持体19の送り方向F1
に関して、出口側となる一端側に給気路351を有し、入
口側となる他端側に排気路352を有するとともに、遠赤
外線ヒータ353を有する。従って、この図7の実施例の
場合、給気路351から供給される熱風による乾燥作用と
ともに、遠赤外線ヒータ353による乾燥作用が得られ
る。遠赤外線ヒータ353から与えられる熱量に応じて、
供給路351から供給すべき空気の温度を変更できる。遠
赤外線ヒータ353から与えられる熱量によっては、室温
程度の空気を供給することもできる。この場合も、乾燥
室350の内部にガス流を発生させ、それによって、印刷
済電極ペーストから蒸発し、乾燥室350中に存在する溶
剤の飽和蒸気層を取り除き、迅速に乾燥させることがで
きる。
【0022】図4は乾燥装置35に熱風を供給する熱風
発生装置の構成を示す図である。熱風発生装置は熱風発
生機354及びヘパフィルタ355を含んでいる。熱風発生機
354は図示しないヒータ及び送風機等を有しており、吸
気路356及びヘパフィルタ355から供給された空気を加熱
して、送出する。ヘパフィルタ355は空気のクリーン度
を上げる。乾燥室350に連なる排気路352は帰還路357を
経由して、吸気路356に合流する。この循環により、熱
効率が向上する。乾燥室350には、別の排気路358を備え
ることもできる。
【0023】次に、本発明の好ましい実施例について説
明する。可撓性支持体19は、図5に示すように、一面
上に未焼成セラミック層43を有すると共に、画像処理
用の第1のターゲットマークa1,b1,c1,d1及
びピッチマークe1を有する。第1のターゲットマーク
a1〜d1及びピッチマークe1は、セラミック層43
が塗布されている面側であって、可撓性支持体19の幅
方向の端部に形成することが望ましい。第1のターゲッ
トマークa1〜d1及びピッチマークe1は、スクリー
ン印刷、グラビヤ印刷もしくはインクジェット印刷等に
よって形成されたマークまたはスルホールなど、画像処
理できるマークであればよく、印刷受け面251は可撓性
支持体19の表裏どちらの面でもよい。また、第1のタ
ーゲットマークa1〜d1及びピッチマークe1の形成
タイミングは、画像処理による電極印刷を行なう以前で
あればいつでもよく、最初の電極形成と同時であっても
構わない。第1のターゲットマークa1〜d1を形成す
る好ましいタイミングは、可撓性支持体用原反をスリッ
タで切断する前である。可撓性支持体用原反をスリッタ
で切断する前に第1のターゲットマークa1〜d1を形
成してあれば、スリッタで原反を所定幅に切断する際、
第1のターゲットマークa1〜d1を基準にして切断す
ることができる。第1のターゲットマークa1〜d1は
可撓性支持体19とのコントラストが明瞭な色で、か
つ、円形が望ましい。
【0024】印刷装置Aは、画像処理装置26を含む。
画像処理装置26は、可撓性支持体19上に形成された
画像処理用の第1のターゲットマークa1〜d1の画像
処理によって、可撓性支持体19上の電極印刷位置決め
を行なう。可撓性支持体19上に画像処理用の第1のタ
ーゲットマークa1〜d1を形成した後、電極の印刷に
当たり、第1のターゲットマークa1〜d1の画像処理
によって得られた情報に基づいて、電極の印刷位置決め
を行なうことができる。このため、第1のターゲットマ
ークa1〜d1を基準とした所定の位置に、電極を高精
度で形成することができる。したがって、複雑な電極積
層構造であっても、精度よく、短時間で形成することが
できる。
【0025】実施例において、印刷装置Aは、図6に拡
大して示すように、印刷用テーブル25と、テーブル駆
動装置261〜264を有する。テーブル25は、可撓性支持
体19を受ける印刷受け面251を有し、印刷受け面251が
真空吸着面を構成している。テーブル駆動装置261〜264
はテーブル25を駆動する。この構造によれば、印刷位
置決めに当たって、可撓性支持体19をテーブル25の
印刷受け面251に位置ずれを生じないように確実に真空
吸着し、その上で所定位置に位置決めできる。このた
め、位置決め精度が高くなる。
【0026】テーブル駆動装置261〜263は、印刷受け面
251に添って仮想された直交二軸であるX方向及びY方
向と、前記二軸と直交する軸の周りに回転するθ方向と
を仮想したとき、X方向駆動装置261、Y方向駆動装置2
62及びθ方向駆動装置263を含んでいる。これらの駆動
装置261〜263により、テーブル25がX方向、Y方向及
びθ方向に駆動される。この構造によれば、印刷受け面
251上に真空吸着されている可撓性支持体19をX方
向、Y方向及びθ方向に動かして位置決めできる。この
ため、何れの方向に位置ずれを生じた場合でも、その位
置ずれを確実に修正することができる。テーブル駆動装
置264はテーブル25をZ軸の方向に駆動する。 テ
ーブル駆動装置261〜264は、支持台24に固定して設け
られた案内レール266および案内レール266によって支持
された支持部材265によって支えられている。
【0027】画像処理装置26は、複数のカメラ26a
〜26dを含み、カメラ26a〜26dの受光部がテー
ブル25に備えられている。この構造により、印刷受け
面251に対するカメラ26a〜26dの位置が固定され
るので、第1のターゲットマークa1〜d1を、常に一
定の位置で、カメラ26a〜26dにより正確に読み取
ることができる。このため、位置決め精度が上がる。実
施例において、カメラ26a〜26dは、図6に示すよ
うに、支持台24によって支持され、テーブル25の印
刷受け面251に臨む受光窓から導かれた光学経路Pa〜
Pdによって、印刷受け面251上を通る可撓性支持体1
9上の第1のターゲットマークa1〜d1を検知する。
光学経路Pa〜Pdは受光部からの光をカメラ26a〜
26dに入射する反射鏡260を含んでいる。また、図7
に示すように、カメラ26a〜26dの受光窓は、テー
ブル25の四隅部に穴56a,56b,56c,56d
を介して埋め込まれている。カメラ26a〜26dは、
第1のターゲットマークa1〜d1の座標(x,y)を
読み取る。読み取られたデータに基づき、図示しないコ
ンピュータシステムによりデータ処理を行ない、テーブ
ル25を制御し、θ方向、x方向及びy方向にそれぞれ
必要なだけ移動させる。
【0028】図8は上述の電極印刷工程によって得られ
た電極パターン44を示し、図9は図8の側面図を示し
ている。電極パターン44を構成する各電極は、適当な
電極材料、例えばニッケル、銅等を主成分とする電極材
料によって構成されている。電極パターン44は個々の
電極が横方向及び縦方向に間隔を隔てて配列されてい
る。実施例において各電極は横方向にm行となるように
また、縦方向には奇数行列においては6行、各偶数列に
は5行となっている。電極に付された参照番号のうち1
桁目は当該電極の属する列を示し、2桁目は同じく属す
る行を示している。行数及び列数は任意である。上記電
極のうち、横方向に隣り合う電極列、例えば第1列に属
する電極211〜261と、第2列に属する電極212〜252では
対応する個々の電極(211と212)〜(261と262)が縦方向に
所定寸法Lだけ異なるように配列してある。寸法Lは電
極間ピッチ2Lの1/2が適当である。ただし、電極パ
ターンは、テーブル25により所望のパターンに移動で
きるため、図示のパターンである必要はない。例えば、
各列の電極が同一の配列を繰り返すパターンでもあって
もよい。
【0029】印刷工程において、電極パターン44とと
もに、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d2
及びピッチマークe2を印刷する。電極パターン44と
ともに、第2のターゲットマークa2,b2,c2,d
2及びピッチマークe2を印刷することにより、セラミ
ック層成形工程及び印刷工程を、複数回実行した後、得
られた積層セラミック層を可撓性支持体から剥離し、次
に、剥離して得られた複数の積層セラミック層を積層す
る工程をとる場合は、互いの電極パターン44が、第2
のターゲットマークa2,b2,c2,d2を基準とし
た所定の位置関係となるように、高精度で位置決めし、
積層することができる。また製版を交換した時に、電極
パターン44と同時に印刷形成される第2のターゲット
マークa2,b2,c2,d2に対する第1のターゲッ
トマークa1,b1,c1,d1の位置関係を見ること
により、第1のターゲットマークa1,b1,c1,d
1と電極パターン44との相対位置が分かり、画像処理
を行なうことができる。
【0030】次に、テーブル25による位置決め及び位
置合わせの詳細について説明する。図10はテーブル2
5に対する4台のカメラ26a〜26dの位置関係を示
す図である。カメラ26a〜26dは、前述した可撓性
支持体19上の第1のターゲットマークa1〜d1の位
置に対応する4点に配置されている。カメラ26a〜2
6dの配置位置は設計上定まっているが、実際には配置
誤差等があるため、そのままでは座標の読み取り誤差を
生じる。これを補正する手段として、当該製造プロセス
を稼働する前に、テーブル25の下に位置するカメラ2
6a〜26dの一つ、たとえばカメラ26aを基準とし
て、その中心点を原点(0、0)と定める。次に、テー
ブル25をx軸方向に移動させ、原点(0、0)に対応
する位置が、カメラ26bの中心点に到達した時の座標
(Xb,Yb)を読み取る。これによりカメラ26aの
中心点を原点(0、0)としたときのカメラ26bの位
置が座標(Xb,Yb)として表されたことになる。ほ
かのカメラ26c,26dについてもても同様にして、
座標(Xc,Yc),(Xd,Yd)を求める。上記の
初期補正は、ディスプレイ上の画像処理を併用して行な
う。このように各カメラ26a〜26dの座標決定にお
いて、精度の高いテーブル25を駆動して行なうので、
座標の読み取り誤差が極めて小さくなる。参照符号O0
はカメラ26a〜26dの位置を表す座標(0、0)〜
(Xd、Yd)から計算された中点である。
【0031】第1のターゲットマークa1〜d1の印刷
位置は、殆ど位置ずれがないとしても、可撓性支持体1
9は搬送されているので、テーブル25の平面内で角度
θで回転したり、X軸またはY軸の方向に位置ずれを起
していることが多い。この位置ずれを補正して、電極パ
ターン44を高精度で印刷する。その手段として、上記
初期補正の終えたカメラ26a〜26dを使用し、テー
ブル25上に真空吸着されている可撓性支持体19の第
1のターゲットマークa1〜d1の座標を、第9図に示
すように読み取る。カメラ26a〜26dによる読み取
り値は初期補正によって設定された座標(Xb〜Yb)
〜(Xd〜Yd) を加味した座標に変換する。こうし
てカメラ26aによって得られた第1のターゲットマー
クaの座標を(X1,Y1)、カメラ26bによって得
られた第1のターゲットマークbの座標を(X2,Y
2)、カメラ26cによって得られた座標を(X3,Y
3)、カメラ26dによって得られた座標を(X4,Y
4)とする。
【0032】得られた座標(X1,Y1)〜(X4,Y
4)のデータから、図11に示すように、第1のターゲ
ットマークa1〜d1によって囲まれた四辺形の最中点
O1を求める。最中点O1は、対向2辺の中点(イ)、
及び(ロ)を結ぶ線分L1の中点として求められる。こ
の最中点O1が印刷時の位置合わせのための原点とな
る。そして線分L1に対し最中点O1を通る垂線L2を
求める。垂線L2は通常、テーブル25のY軸に対して
角度θを有する。最中点O1及び角度θの算出は、カメ
ラ26a〜26dから図示しないコンピュータシステム
に入力されるデータに基づいて、コンピュータシステム
が行なう。そして、コンピュータシステムから与えられ
る制御信号に基づいて、テーブル25がθ=0になるよ
うに、矢印の方向に回転駆動され、これにより、角度θ
が補正される。テーブル25は、コンピュータシステム
からの制御信号に基づき、更にX軸方向及びY軸方向に
駆動され、X軸方向及びY軸方向の位置合わせが行なわ
れ、位置合わせが完了する。図12は角度θの補正が行
なわれた後の状態を示し、図13はX軸方向の位置合わ
せが行なわれ後の状態を示し、図14はY軸方向の位置
合わせが行なわれた後の状態を示している。但し、実際
の位置合わせ動作は、角度θを補正しながら、最中点O
1を、カメラ26a〜26dの中点O0に合わせるよう
な動作になる。
【0033】ここでは、精度を上げるため、カメラ26
a〜26を4個使用しているが、第1のターゲットマー
ク2個、カメラ2個でも2点間の中点を出し、その2点
間のずれ角度θを出し、コンピューターで処理すること
により充分画像処理印刷は可能である。テーブル25は
真空吸着面なっているため、x方向、y方向、θ方向に
それぞれ正確に移動することができる。このように画像
処理を行なった後、可撓性支持体背面に接触するように
任意の距離だけ、テーブル25がz方向に移動され、ス
クリーン印刷が行なわれる。
【0034】印刷後、可撓性支持体19は定尺送り装置
29(図1参照)により一定寸法だけ移動され、引き続
き、補正用のカメラ30a〜30dのある位置に送られ
る。定尺送り装置29は、可撓性支持体19の接する面
が真空吸着面となっており、従って、可撓性支持体19
の背面が定尺送り装置29の真空吸着面に吸着固定され
る。そして、ピッチマークe1をセンサ(カメラ)268
によって読み取ると共に、次のピッチマークe1がセン
サによって読み取られるまで、可撓性支持体19に定尺
送りを加える。このように、隣接するピッチマークe1
とピッチマークe1との間の間隔分の定尺送りが加えら
れるので、第1のターゲットマークa1〜d2が搬送ず
れによってカメラ30a〜30dの視野からはずれる等
の不具合を生じることがない。しかも、定尺送り装置2
9は、可撓性支持体19の接する面が真空吸着面となっ
ているから、定尺送りの動作中に可撓性支持体19が定
尺送り装置29上で位置ずれを起すことがない。
【0035】補正用カメラ30a〜30dは、ステーシ
ョンは異なるものの、位置関係はカメラ26a〜26d
と同じである。図18は補正用カメラ30a〜30dの
置かれたステージを示す図である。補正用カメラ30a
〜30dは、投光器301〜304から照射され、か
つ、第1のターゲットマークa1〜d1及び第2のター
ゲットマークa2〜d2によって反射された光学像を捕
らえ、第1のターゲットマークa1〜d1及び第2のタ
ーゲットマークa2〜d2を検出する。投光器301〜304
は支持腕305及び306によって支持されている。ここで、
パターン製版の取付け時の位置ずれは第1のターゲット
マークa1〜d1と第2のターゲットマークa2〜d2
との間のずれを、上記の画像処理と同じ方法で座標を読
み取ることにより測定でき、図示しないコンピューター
システムにより、データ処理を行なって必要な補正量を
算出し、テーブル25の制御システムにデータをフィー
ドバックし、テーブル25を駆動し、位置補正をおこな
う。
【0036】上記説明では、4台のカメラ30a〜30
dを使用する場合について説明したが、8台のカメラを
用い、この8台のカメラによって、第1のターゲットマ
ークa1〜d1及び第2のターゲットマークa2〜d2
を同時に読み取る構成であってもよい。第1のターゲッ
トマークa1〜d1と第2のターゲットマークa2〜d
2との位置関係は、予め、第1のターゲットマークa1
〜d1を印刷した標準版(例えばガラス標準版)を用い
ることによって明確化できる。精度を上げるため、補正
用カメラ30a〜30dも、4個使用しているが、第1
のターゲットマーク2個、カメラ2個でも、2点間の中
点を出し、その2点間のずれ角度θを出し、コンピュー
ターで処理することは可能である。補正用カメラ30a
〜30dのあるステージは、X方向駆動装置309、Y方
向駆動装置310、支持部材311、案内レール312及び支持
台313を備えて構成されている。
【0037】このようにして得られた電極の形成された
セラミック層19を透過光目視検査台31、案内ローラ
32をへて、ローラ33ー34間で回っているベルトコ
ンベア36に乗せ、乾燥装置35で乾燥した後、案内ロ
ーラ37を通り、巻取り巻き取りローラ38で巻き取
る。ローラ22、32、33、34及び37は可撓性支
持体19の印刷面には全く接触しない。これにより、印
刷面に対するローラ22、32、33、34及び37の
悪影響を回避できる。乾燥装置35の構成及び作用につ
いては、既に述べた。
【0038】<応用例>次に、本発明に係る製造装置を
用いた積層セラミックコンデンサの製造方法について説
明する。図19は本発明に係る製造方法によって製造さ
れる積層セラミックコンデンサの断面図を示す。図19
において、1は積層セラミックコンデンサ、2は誘電体
層、3は電極、4は端子電極である。図20は積層セラ
ミックコンデンサを製造する場合の製造フローチャート
である。
【0039】図20の製造フローチャートにおいて、誘
電体を塗料化しておき、塗料化されたセラミック塗料を
可撓性支持体上で塗布し、セラミック層を形成する。
【0040】次に、セラミック層を乾燥させた後、セラ
ミック層上に、本発明に係る積層セラミック電子部品製
造装置を用いて、電極印刷、乾燥及び巻き取りの工程を
実行する。
【0041】セラミック層成形工程及び印刷工程を複数
回実行した後、得られた積層セラミック層を可撓性支持
体から剥離し、次に、別途シート成形された第1の保護
層上に、剥離して得られた複数の積層セラミック層を積
層する。この後、電極及びセラミック層の積層体を切断
して、積層セラミックコンデンサを取り出し、更に、焼
成、端部電極付与等の必要な工程を経て、積層セラミッ
クコンデンサの完成品が得られる。
【0042】図20に示した上記製造方法によると、可
撓性支持体上で、セラミック塗料を塗布してセラミック
層を形成するセラミック層成形工程と、セラミック層上
に電極を印刷する印刷工程とを含むから、量産性が向上
する。
【0043】また、複数の積層数を持つ積層セラミック
層を積層して行くので、各セラミック層を薄くしても、
取り扱い時に破損を生じることがない。また、熱転写工
程もない。このため、高精度、高信頼性の積層セラミッ
ク電子部品を簡単に製造することができる。また、電極
のある部分と無い部分の段差が、セラミック層の形成と
電極印刷との繰り返しにより吸収され、このため、段差
によるクラック等の欠陥が改善される。
【0044】電極印刷工程では、印刷工程より前、また
は、第1回目の印刷工程と同時に、可撓性支持体上に画
像処理用の第1のターゲットマークを形成し、第1のタ
ーゲットマークの画像処理によって得られた情報に基づ
いて電極の印刷位置決めを行なう。これにより、第1の
ターゲットマークを基準とした所定の位置に、電極を高
精度で形成することができる。したがって、複雑な電極
積層構造であっても、精度よく、短時間で形成すること
ができる。
【0045】乾燥工程では、前述した乾燥装置を用い、
乾燥室内に熱風を流通させ、可撓性支持体上の未乾燥の
電極を熱風乾燥させる。この熱風乾燥により、低い温度
で、従しかも、可撓性支持体の変形量を最小にしたまま
で、乾燥させることができる。次により具体的な実施例
を参照して、更に詳しく説明する。
【0046】<誘電体の塗料化>粒径が0.1μm〜
1.0μm程度のチタン酸バリウム、酸化クロム、酸化
イットリウム、炭酸マンガン、炭酸バリウム、炭酸カル
シウム、酸化硅素等の粉末を焼成した後、BaTiO3 10
0モル%として、Cr2O3に換算して0.3モル%、MnOに
換算して0.4モル%、BaOに換算して2.4モル%、C
aOに換算して1.6モル%、SiO2に換算して4モル%、
Y2O3に換算して0.1モル%の組成になるように混合
し、ボールミルにより24時間混合し、乾燥後誘電体原
料を得た。この誘電体原料100重量部とアクリル樹脂
5重量部、塩化メチレン40重量部、アセトン25重量
部、ミネラルスピリット6重量部を配合し、市販のφ1
0mmジルコニアビーズを用い、ポット架台により24時
間混合し、誘電体セラミック塗料を得た。
【0047】<セラミック層成形>上述のようにして得
られた誘電体セラミック塗料を、連続的に供給される可
撓性支持体に塗布し、セラミック層を成形した。可撓性
支持体としては、ポリエチレンテレフタレートを用い
た。第1回目のセラミック層成形工程は可撓性支持体上
に保護膜を形成する工程である。保護膜は、図19の積
層セラミックコンデンサの場合、最上層または最下層の
何れかを構成する外装となる。
【0048】図21はセラミック層成形工程を示す図で
ある。図示のセラミック層成形工程において、可撓性支
持体19に接触するローラが、可撓性支持体の塗料塗布
面に接触しないように配置されている。この構成による
と、セラミック層にピンホールが発生するのを防止でき
る。
【0049】押し出し式塗布ヘッド10は、セラミック
塗料17aを、可撓性支持体19に塗布する。11は繰
り出しリール、121〜127は案内ローラ、161、162は蛇行
修正ローラ、14は乾燥装置、17は巻き取りリールで
ある。セラミック層面を均一にするため、サクションロ
ーラ151ー152間でテンションをコントロールし、塗布ヘ
ッド10の追い込み寸法、ノズル角度を制御する。可撓
性支持体19に接触するローラ121〜127、151、152、16
1、162の何れも、可撓性支持体19の塗料塗布面には接
触しないように配置されている。このような構成である
と、セラミック層に剥離によるピンホールが発生するの
を防止できる。
【0050】また、図示実施例のように、押し出し式塗
布ヘッド10を用いると、非常に面精度がよく、かつ、
厚みバラツキの少ない均一なセラミック層を得ることが
できる。第1回目の保護膜となるセラミック層の成形
は、押し出し式塗布ヘッドの代わりに、従来のドクター
ブレード法やリバースロール法を用いてもよい。さら
に、数回繰り返して所望の厚みにしても構わない。フィ
ルタ8は最終的に異物を除去するために設置する。
【0051】押し出し式塗布ヘッド10を用いた場合、
定量ポンプ6、精密定量ギヤポンプ7を使用し、フィル
タ8、質量流量計9を通して塗布ヘッド10にセラミッ
ク塗料17aを供給することが望ましい。図22は押し
出し式塗布ヘッド10を用いて、可撓性支持体19上に
セラミック層43を成形する状態を示しており、高度の
面精度を持ち、厚みバラツキの極めて小さなセラミック
層43を得ることができる。図22において、参照符号
F1は可撓性支持体19の走行方向を示している。
【0052】図23は別の押し出し式塗布ヘッド10を
用いて可撓性支持体19上にセラミック層43を成形す
る状態を示している。図23に図示された塗布ヘッド1
0は、複数のノズル461、462を備える複数系列ノズルを
有する。491、492はセラミック塗料だまり、531、532は
セラミック塗料だまり491、492への供給口である。この
塗布ヘッド10を用いた場合、セラミック塗料だまり49
1に貯留されたセラミック塗料431がスリット461を通し
て可撓性支持体19に塗布された後、塗布されたセラミ
ック塗料層431の上にスリット462を通してもう一層
のセラミック塗料層432が塗布される。これにより、ピ
ンホールの発生が抑制される。
【0053】次に、スジのないセラミック層43を得る
ためには粘度の低いセラミック塗料を使用することが望
ましい。押し出し式塗布ヘッド10はこのように粘度の
低いセラミック塗料のセラミック層成形に向いている。
これは、粘度の低いセラミック塗料は、乾燥縮率が大き
いため、同一乾燥後厚みを得るのに、供給量を多くで
き、塗布ヘッド10の先端と可撓性支持体19(または
セラミック層)との間のギャップを大きくとり、塗布ヘ
ッド10によるスジの発生を回避できるためである。
【0054】可撓性支持体19は、セラミック層43の
剥離を考慮し、セラミック層成形面に剥離処理を施して
おくのがよい。剥離処理は、可撓性支持体19の1面上
に例えばSi等でなる剥離用膜を薄くコートすることに
よって実行することができる。このような剥離処理を施
しておくことにより、必要層数の積層工程が終了した
後、可撓性支持体19の上に成形されている最下層のセ
ラミック層43を可撓性支持体19から容易に剥離する
ことができる。
【0055】押し出し式塗布ヘッド10は、前述したよ
うに、スジの入らない均一なセラミック層を形成できる
ほかに、特筆すべき利点がある。それは、一度形成した
セラミック層43の上に再度セラミック層を形成するの
に非常に有効であるということである。ドクターブレー
ド法においては、ドクターブレードのヘッドのエッジ側
が常に可撓性支持体19に接触しているため、第1回目
のセラミック層成形時には問題ないが、第2回目以降の
セラミック層成形時にどうしても第1のセラミック層4
3のエッジ側の乾燥面が接触する。このため第1のセラ
ミック層43のエッジ側が削れるという問題がある。ま
た、積層数が増えるにつれて、トータル厚みが厚くなる
ため、ブレードの上流側に接触してしまい、最終的には
剥離してしまう。
【0056】その点、押し出し式塗布ヘッド10におい
ては、予め形成していたセラミック層43の面上に、次
のセラミック層43を成形する際、予め形成していたセ
ラミック層43の面に押し出し式塗布ヘッド10が接触
することがなく、削れのない良好なセラミック層43を
得ることができる。
【0057】セラミック層43の成形後、可撓性支持体
19は乾燥装置14を経て乾燥され、巻き取りリール1
7に巻き取られる。
【0058】<ターゲットマーク形成>次に、電極印刷
の前に、セラミック層43を有する可撓性支持体19上
に画像処理用の第1のターゲットマークa1,b1,c
1,d1及びピッチマークe1を形成した。第1のター
ゲットマークa1,b1,c1,d1及びピッチマーク
e1の形成については、既に説明したので、省略する。
【0059】<画像処理による電極印刷>次に、可撓性
支持体19を巻き取った巻き取りリール17を用いて、
可撓性支持体19上のセラミック層43に画像処理によ
る電極印刷を行なった。電極ペーストは、実質的に、N
i粉、エチルセルロース系バインダ及びテルピネオール
(高沸点溶剤)からなる。画像処理による電極印刷の詳
細は、既に説明したので、省略する。
【0060】<画像処理による位置合わせ>画像処理に
よる位置合わせは、画像処理装置26によって実行し
た。その詳細は、既に詳述したので、省略する。
【0061】<乾燥工程>図2、3に示した乾燥装置3
5と、図4に示した熱風発生装置とを組み合わせた。図
2に示した乾燥装置と図4に示した熱風発生装置との組
み合わせでは、3kWヒータを2個備える熱風発生機3
53を用いた。図3に示した乾燥装置と図4に示した熱
風発生装置との組み合わせでは、5kWの遠赤外線ヒー
タ353と、3kWの熱風発生機353とを組み合わせて用い
た。熱風発生機353の風量は何れの場合も2.3Nm3/min
に設定した。比較のために、熱風発生装置を用いずに、
10kWの遠赤外線ヒータを用いた従来の乾燥装置を準
備した。
【0062】上記3種の乾燥手段を用いて、電極乾燥処
理を行なった。こうして得られた電極乾燥結果を表1に
示す。表1において、可撓性支持体の変形量(μm)は、
可撓性支持体の幅100mm当たりの変形量である。
【0063】変形量が少なくても、乾燥時間が長いと、
生産効率及び設備費用低減等への効果が期待できなくな
るから、支持体変形量30μm以内で乾燥時間240sec
以内を合格判定基準とすることが合理的である。かかる
判定基準から見ると、遠赤外線ヒータを用いた従来の乾
燥装置では、乾燥時間が180〜600秒と長くなると
共に、変形量が最大105(μm)にも達し、上記合格判
定基準からはほど遠い。変形量を6(μm)に抑えること
も可能であるが、この場合には乾燥時間が600秒と著
しく長くなる。
【0064】これに対して、本発明の乾燥装置に適用さ
れる2つの乾燥方式、即ち、熱風乾燥方式及び(熱風+
遠赤外線)乾燥方式の場合は、その多くが、前記合格判
定基準を満たしている。特に、温度45〜80℃の範囲
では、変形量が3〜25(μm)、乾燥時間が80〜20
0(sec)と著しく改善されている。80℃の付近で変形
量が大きくなる傾向にあるのは、80℃がポリエチレテ
レフタレートのガラス転移点以上であるためと推測され
る。熱風乾燥方式において変形量が少ないのは、一般的
に言って、熱風と遠赤外線ヒータとでは、実際に有機質
可撓性支持体に加わる熱量が異なるためと推測される。
【0065】<設定積層数を得る工程>図20に示した
製造フローチャートに従い、セラミック層成形工程及び
印刷工程を複数回実行した後、得られた積層セラミック
層を可撓性支持体から剥離し、次に、別途シート成形さ
れた第1の保護層上に、剥離して得られた複数の積層セ
ラミック層を積層した。次に、得られた積層体の最上層
に、別途シート成形された第2の保護層を積層した。図
24にその具体例を示す。セラミック層成形工程及び印
刷工程をQ回実行した後、得られた積層セラミック層5
61〜56Qを可撓性支持体から剥離し、次に、別途シ
ート成形された第1の保護層56A上に、剥離して得ら
れた複数Qの積層セラミック層561〜56Qを積層し
た。積層セラミック層561〜56Qは、第2のターゲ
ットマークa2〜d2の画像処理によって得られた情報
に基づいて位置合わせを行ないながら積層した。位置合
わせは図10〜図14で説明した通りである。次に、得
られた積層体の最上層に、別途シート成形された第2の
保護層56Bを積層した。
【0066】<設定積層数を得た後の工程>上述のよう
にして得られた積層セラミック層を打ち抜き後プレス
し、切断することにより、図25に示す積層グリーンチ
ップが得られた。得られた積層グリーンチップを、所定
の温度条件で脱バインダ処理した後、焼成し、更に、端
子電極を焼き付け形成した。
【0067】脱バインダ及び焼成の条件は従来より周知
である。この例では、280℃で12時間脱バインダ
し、還元雰囲気中で1300℃にて2時間焼成した。焼
成後得られた積層体に端子電極4を形成した。端子電極
4の材質及び形成方法も従来よりよく知られている。こ
の例では、銅を主成分とし、N2+H2中で800℃に
て30分焼き付けし、めっきを行なった。
【0068】<特性の評価>上述の製造方法によって得
られた積層セラミックコンデンサの特性評価を、表2に
示す。表2において、試料No.1〜3は、図2に示し
た乾燥装置35と、図4に示した熱風発生装置とを組み
合わせて乾燥して得られた試料である。試料No.4、
5は比較例であり、熱風発生装置を用いずに、10kW
の遠赤外線ヒータを用いた従来の乾燥装置により乾燥し
て得られた試料である。試料No.6は図3に示した乾
燥装置と図4に示した熱風発生装置と用い、5kWの遠赤
外線ヒータ353と、3kWの熱風発生機353とを組み
合わせて得られた試料である。熱風発生機353の風量
は何れの場合も2.3Nm3/minに設定した。
【0069】試料No.1〜6の何れも、75層の積層
を持つ。各層のセラミック層の厚みは、焼成前で8.0
μm、焼成後で5μmであった。この積層セラミックコン
デンサに対し、静電容量、誘電体損失、印刷ずれ及び歩
留の評価試験を行なった。表2はその評価結果を示して
いる。
【0070】a. 静電容量 ヒューレットパッカード社製インピーダンスアナライザ
ーHP−4284Aを用い、20℃にて測定した。
【0071】b. 静電容量のバラツキ 静電容量バラツキとは、標準偏差σを3倍し、それを静
電容量平均値で除して得られた値であり、表2では%に
よって表示してある。静電容量バラツキが大きい値を示
すほど、製品毎の静電容量の変動が大きいことを意味す
る。
【0072】表2を参照すると、従来の乾燥装置を用い
た試料No.4、5では、静電容量バラツキが12.3
〜35.6%にも達しており、製品毎の静電容量の変動
がきわめて大きいことを示している。その理由は、従来
の乾燥装置を用いた場合、乾燥時の可撓性支持体の変形
量が大きくなり、各層の内部電極の重なり面積がずれる
ためと推測される。
【0073】これに対して、本発明に係る乾燥装置を用
いた試料No.1〜3及び5は静電容量バラツキが最大
8.6%、最小4.5%であり、従来に比して著しく改
善されている。
【0074】c. 印刷ずれ 積層セラミックコンデンサを図25の点線部分で切断
し、切断面において10個の電極の位置ずれ量の最大値
ΔGmax(図26参照)の平均値ΔGmax−avを
測定した。平均値ΔGmax−avは、従来の乾燥装置
を用いた試料No.4及び5では33〜108μmであ
るのに対し、本発明に係る乾燥装置を用いた試料No.
1〜3及び6では8〜18μmの範囲にある。このこと
は、本発明に係る装置によって得られた試料No.1〜
3及び6は、従来の装置によって得られた試料No.
4、5よりも印刷ずれが著しく小さくなっているを示し
ている。
【0075】d. 歩留 歩留は、試料No.4、5では77(%)、83(%)
であるのに対し、試料No.1〜3、6では89〜93
(%)の範囲にあり、高歩留を確保できる。
【0076】以上、好ましい実施の形態を参照して本発
明を説明したが、本発明は、連続して供給される帯状可
撓性支持体を用いるのではなく、一枚のカード状可撓性
支持体上に電極を印刷し、このカード状可撓性支持体に
形成された未乾燥の電極を乾燥させる場合にも適用が可
能である。
【0077】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)電極乾燥に要する時間を短縮し得る乾燥装置を有
するセラミック電子部品製造装置を提供することができ
る。 (b)有機質可撓性支持体の変形を最小にし、電極パタ
ーンの位置ずれを最小にし得る得る乾燥装置を有するセ
ラミック電子部品製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装置
を示す図である。
【図2】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装置
に含まれる乾燥装置の具体的な実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装置
に含まれる乾燥装置の別の実施例を示す図である。
【図4】乾燥装置に熱風を供給する熱風発生装置の構成
を示す図である。
【図5】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装置
によって処理される可撓性支持体の一例を示す平面図で
ある。
【図6】図1に示した積層セラミック電子部品製造装置
に含まれる印刷装置を示す図である。
【図7】図6に示した画像処理装置に含まれる画像処理
用カメラの配置を示す図である。
【図8】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装置
によって第1回目の電極を印刷した後の可撓性支持体面
の平面図である。
【図9】図8に示した可撓性支持体の側面図である。
【図10】画像処理用カメラを用いた画像情報による位
置合わせを説明する図である。
【図11】画像処理用カメラを用いた画像情報による位
置合わせを説明する図である。
【図12】画像処理用カメラを用いた画像情報による位
置合わせにおいてθ補正を説明する図である。
【図13】画像処理用カメラを用いた画像情報による位
置合わせにおいてX軸方向位置合わせを説明する図であ
る。
【図14】画像処理用カメラを用いた画像情報による位
置合わせにおいてY軸方向位置合わせを説明する図であ
る。
【図15】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装
置によって第2回目の電極を印刷した後の可撓性支持体
面の平面図である。
【図16】図15に示した可撓性支持体の側面図であ
る。
【図17】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装
置によって得られる電極の他の例を示す平面図である。
【図18】図1に示した積層セラミック電子部品製造装
置に含まれる補正用カメラの配置を示す図である。
【図19】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装
置を用いた製造方法によって製造される製品の一部であ
る積層セラミック電子部品の断面図である。
【図20】本発明に係る積層セラミック電子部品製造装
置を用いた積層セラミック電子部品の製造フローチャー
トを示す図である。
【図21】図20に示した製造方法に置けるセラミック
層成形工程及び成形装置を示す図である。
【図22】押し出し式塗布ヘッドを用いたセラミック層
成形を説明する図である。
【図23】別の押し出し式塗布ヘッドを用いたセラミッ
ク層成形を説明する図である。
【図24】図20に示した本発明に係る製造方法によっ
て得られる積層体の断面図である。
【図25】図24に示す積層体からプレス、切断して得
られた積層グリーンチップの斜視図である。
【図26】電極の位置ずれ量の最大値ΔGmaxの定義
を説明する図である。
【符号の説明】
19 可撓性支持体 25 印刷用テーブル 26a,26b,26c,26d カメラ 35 乾燥装置 351 給気路 352 排気路 a1〜d1 第1のターゲットマ
ーク a2〜d2 第2のターゲットマ
ーク 27 製版 28 製版台 43 セラミック層
フロントページの続き (72)発明者 泉部 泰 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質可撓性支持体によって支持され
    た未乾燥の電極を乾燥するための乾燥装置を有するセラ
    ミック電子部品製造装置であって、 前記乾燥装置は、前記可撓性支持体を通す乾燥室を有
    し、前記乾燥室に熱風を流し、前記未乾燥の電極を乾燥
    させるセラミック電子部品製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたセラミック電子
    部品製造装置であって、 更に、供給手段と、印刷装置と、巻き取り手段とを有し
    ており、 前記供給手段は、一面側に未焼成セラミック層を有する
    有機質の可撓性支持体を保持しており、 前記印刷装置は、前記供給手段から供給された前記可撓
    性支持体の前記未焼成セラミック層上に電極を印刷する
    ものであり、 前記乾燥装置は、前記印刷装置によって印刷された未乾
    燥の電極を乾燥させるものであり、 前記巻き取り手段は、前記供給手段から前記印刷装置及
    び前記乾燥装置を順次に経由して供給される前記可撓性
    支持体を巻き取るセラミック電子部品製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたセラミック電子
    部品製造装置であって、 前記未乾燥の電極は、高沸点溶剤を含むセラミック電子
    部品製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたセラミック電子
    部品製造装置であって、 前記有機質可撓性支持体は、ポリエチレンテレフタレー
    トのような耐熱性合成樹脂でなるセラミック電子部品製
    造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載されたセラミック電子
    部品製造装置であって、 前記乾燥室における熱風温度は、約45℃から約80℃
    の範囲に設定されるセラミック電子部品製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載されたセラミック電子
    部品製造装置であって、 前記乾燥装置は、前記乾燥室に遠赤外線ヒータを備える
    セラミック電子部品製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載されたセラミック電子
    部品製造装置であって、 前記印刷装置は、画像処理装置を含み、前記画像処理装
    置は、前記可撓性支持体上に形成された画像処理用の第
    1のターゲットマークの画像処理によって、前記可撓性
    支持体上の電極印刷位置決めを行なうセラミック電子部
    品製造装置。
JP7246294A 1994-10-31 1995-09-25 セラミック電子部品製造装置 Pending JPH0992587A (ja)

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JP7246294A JPH0992587A (ja) 1995-09-25 1995-09-25 セラミック電子部品製造装置
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