JPH0988864A

JPH0988864A - 二重胴型高圧多段ポンプの構造

Info

Publication number: JPH0988864A
Application number: JP7247328A
Authority: JP
Inventors: Shinichiro Kameda; 田慎一郎亀
Original assignee: Ebara Corp
Current assignee: Ebara Corp
Priority date: 1995-09-26
Filing date: 1995-09-26
Publication date: 1997-03-31
Also published as: EP0766007B1; DE69621545T2; EP0766007A1; US5846052A; DE69621545D1

Abstract

(57)【要約】【課題】カバーにかかる内圧を低減する。【解決手段】最もカバー（３）側の羽根車（２１ｃ）
の吸込室（１１）とカバー（３）に圧力を加える内部空
間（１０）とを連通する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上下二つ割りの内
ケーシングを備え、バレル型の外ケーシング及び該外ケ
ーシングの端部を密封するカバーで構成される構造の二
重胴型高圧多段ポンプの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のポンプは、吐出圧力が３
００〜５００ｋｇ／ｃｍ²のボイラ給水ポンプ等に使用
されるもので、今後も高圧化が予想される。

【０００３】図７には、従来の例えば４段の高圧ポンプ
が示されている。図において、バレル型の外ケーシング
１の内部には、上下二つ割りの内ケーシング２Ａが収め
られ、外ケーシング１の端部は、カバー３Ｃで覆われて
いる。その内ケーシング２Ａの内部には、ポンプ軸２０
の羽根車２１ａ〜２１ｄが収められている。このポンプ
軸２０の一端は、内ケーシング２Ａに取付けられたブラ
ケット２２に、ベアリング２４を介して回転自在に支持
され、メカニカルシール２５により内ケーシング２Ａと
の間がシールされている。また、ポンプ軸２０の他端
は、カバー３Ｃに取付けられたブラケット２３にベアリ
ング２４及びスラストベアリング２６を介して回転自在
に支持され、メカニカルシール２５によりカバー３Ｃと
の間がシールされている。

【０００４】前記内ケーシング２Ａ及び羽根車２１ａ〜
２１ｄにより低圧部Ａと高圧部Ｂとが背中合せに形成さ
れ、吸込室１７から吸込まれた液体は矢印に示すよう
に、１段目〜４段目ａ〜ｄと昇圧され、吐出口１７Ａか
ら吐出されるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この構造においては、
外ケーシング１、内ケーシング２Ａ及びカバー３Ｃで画
成された内部空間４が吐出口１７Ａに連通して吐出圧で
満たされる。したがって、高い吐出圧を封じ込めるため
にカバー３Ｃの厚みが増大し、かつ、外ケーシング１と
カバー３Ｃとの間に介装されたガスケット５のシールが
困難となる。また、ガスケット５を締付ける大きい力が
必要となり、カバーボルト６Ａが太くなる（例えば特開
昭５６−４１４８２号公報）。

【０００６】また、特公昭６３−３１６０号公報には、
カバーボルトの代りにシアキーを用い、組立・分解作業
を大幅に改良し、更に、カートリッジ構造を採用して内
部エレメントの交換等を容易にする技術が示されてい
る。しかし、このシアキー構造のためには、締付力を必
要としないガスケットが必要である。しかし、ボイラ給
水ポンプのような熱又は圧力サイクルが頻繁でシール面
が変形するような機器については、安定したシール性能
を保持するのが困難で、シアキー構造の作用自体が困難
である場合が多かった。

【０００７】本発明は、上記した問題に鑑みてなされた
もので、カバーにかかる内圧を低減することができる二
重胴型多段高圧ポンプの構造を提供することを目的とし
ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上下二
つ割りの内ケーシングを備え、バレル型の外ケーシング
及び該外ケーシングの端部を密封するカバーで構成され
る構造の二重胴型高圧多段ポンプにおいて、最もカバー
側の羽根車の吸込室とカバーに圧力を加える内部空間と
を連通している。

【０００９】更に本発明によれば、カバーをシアキーを
介して外ケーシングに取付けると共に、外ケーシングと
カバーとの間にリップ型ガスケットを介装している。

【００１０】更に本発明によれば、リップ型ガスケット
の外側にＯリングを設け、該Ｏリングとリップ型ガスケ
ットとの間を吸込室に連通させている。

【００１１】上記のように構成された二重胴型多段高圧
ポンプの構造において、カバーにかかる内圧は、高圧部
最終段の吐出圧力に略々等しく全吐出圧力の約１／２に
低減される。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。なお、これらの図面において図７に
対応する部分については、同じ符号を付して重複説明を
省略する。

【００１３】図１及び図２において、内ケーシング２の
カバー３側には、フランジ部２ａが形成され、そのフラ
ンジ部２ａの外面７は外ケーシング１の内面８に嵌合さ
れ、その嵌合面をシールするリップ型ガスケット９が設
けられている。そして、外ケーシング１、内ケーシング
２及びカバー３で画成される内部空間１０は、最もカバ
ー３側の羽根車２１ｃの吸込室１１に連通されていて、
羽根車２１ｃの吸込圧力と同じになっている。また、そ
の吸込室１１は周知のように低圧部Ａの中央側の羽根車
２１ｂの吐出室１２に、内ケーシング２に形成された図
示しない内部通路により連通されており、したがって、
空間１０は吐出室１２と同じ圧力になっている。

【００１４】次に作用について説明する。

【００１５】ここで、Ｐｆ：吐出室１２の圧力Ｐ：ポンプ単段圧力Ｐｓ：ポンプ吸込圧力Ｐｄ：ポンプ吐出圧力（４Ｐに略等しい）とすると、Ｐｆ＝２Ｐ＋Ｐｓとなる。ポンプ吸込圧力Ｐｓが全圧力に比べて小さい場
合、圧力Ｐｆは２Ｐに略等しく、そして、２Ｐ＝Ｐｄ／２となり、カバー３にかかる内圧は、吐出圧力Ｐｄの約１
／２となる。

【００１６】羽根車が図示のように偶数段でなく奇数段
の場合には、羽根車２を２分割した余りの１段を、低圧
部Ａの羽根車群に入れるか、高圧部Ｂの羽根車群に入れ
るかで吐出室１２の圧力は違うが、カバー３に作用する
内圧が吐出圧力に比べて大幅に低減することに変りはな
い。

【００１７】したがって、従来のように吐出圧力が、そ
のままカバー３Ｃ（図７）に作用する構造に比較し、カ
バー３の設計厚さの低減とカバーボルト６の必要締付力
の低減（ボルト本数及びボルトサイズの低減）とが達成
される。また、外ケーシング１及びカバー３間のガスケ
ット５にかかる圧力が低減され、信頼性が向上される。

【００１８】図３及び図４は本発明の第２の実施の態様
を示し、カバーボルト６の代りにシアキー１３を採用
し、他を図１と同様に構成した例である。すなわち、外
ケーシング１Ａの内周にカバー３Ａを嵌入し、円環状で
数分割されたシアキー１３を外ケーシング１Ａに嵌入し
てカバー３Ａを押えている。更に、シアキー１３は、カ
バーボルト６のようにガスケット締付力は期待できない
ので、外ケーシング１Ａとカバー３Ａとの間をシールす
るリップ型ガスケット１４を設けている。

【００１９】この実施の態様において、カバー３Ａにか
かる内圧は、前述と同様に従来型の約半分である。記述
したように、例えば頻繁な熱及び圧力変動のある１日１
回の起動停止を行う高圧給水ポンプ等に対しては、設計
強度及び疲労破壊寿命上の安全率を考慮すると、シアキ
ー１３のサイズがかなり大規模なものとなり、実用上あ
まり適当でなくなる場合が多い。しかし、カバー３Ａに
かかる内圧が半減するので、それを抑えるシアキー１３
のサイズが小さくなり、高圧ポンプに対する適用範囲が
大幅に拡大する。

【００２０】図５及び図６は本発明の第２の実施の形態
を示し、リップ型ガスケット１４の外側にＯリング１５
及びバックアップリング１６を設け、ガスケット１４と
Ｏリング１５との間に環状溝１９を形成し、その環状溝
１９を通路１８ａ及び配管１８を介して吸込室１７に連
通し、他を図３と同様に構成した例である。この形態で
は、ガスケット１４から漏洩が生じた場合に、漏洩した
液は通路１８ａ及び配管１８を経て吸込室１７に戻され
る。また、環状通路１９は吸込圧力となり、Ｏリング１
５に加わる圧力は吸込圧力であってシールが容易にな
る。前記リップ型ガスケット１４は、例えばボイラ給水
ポンプのような高温・高圧環境になる機器に対しては、
漏洩を完全に止めるのはかなり困難な現状であるが、本
構造は有効であって漏洩に対する安全性を向上すること
ができる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、カバーにかかる内圧を低減し、カバーを薄
くできると共に、カバーボルトを小型化することができ
る。

【００２２】また、シアキーを採用し、高圧ポンプに対
する適用範囲を大幅に拡大することができる。

【００２３】更に、シール部からの外部漏洩を防止する
ことができると共に、組立・分解を容易にし、組立費・
材料費を大幅に削減することができる。

【００２４】なお、実施例では、リップ型ガスケットを
用いたが、常温で使用する場合に、例えばデスケーリン
グポンプ等に対しては、他のシール材、例えばＶパッキ
ング等を使用しても支承はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態を示す側断面図。

【図２】図１の丸で囲った部分の拡大図。

【図３】本発明の第２の実施の形態を示す側断面図。

【図４】図３の丸で囲った部分の拡大図。

【図５】本発明の第３の実施の形態を示す側断面図。

【図６】図５の丸で囲った部分の拡大図。

【図７】従来ポンプの一例を示す側断面図。

【符号の説明】

Ａ・・・低圧部Ｂ・・・高圧部ａ・・・１段目ｂ・・・２段目ｃ・・・３段目ｄ・・・４段目１・・・外ケーシング２、２Ａ・・・内ケーシング２ａ・・・フランジ部３、３Ａ、３Ｂ、３Ｃ・・・カバー４、１０・・・内部空間５・・・ガスケット６、６Ａ・・・カバーボルト７・・・フランジ部の外面８・・・外ケーシングの内面９、１０・・・リップ型ガスケット１１・・・吸込室１２・・・吐出室１３・・・シアキー１５・・・Ｏリング１６・・・バックアップリング１７・・・吸込室１７Ａ・・・吐出口１８・・・配管１８ａ・・・通路１９・・・環状溝２０・・・ポンプ軸２１ａ〜２１ｄ・・・羽根車２２、２３・・・ブラケット２４・・・ベアリング２５・・・メカニカルシール２６・・・スラストベアリング

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上下二つ割りの内ケーシングを備え、バ
レル型の外ケーシング及び該外ケーシングの端部を密封
するカバーで構成される構造の二重胴型高圧多段ポンプ
において、最もカバー側の羽根車の吸込室とカバーに圧
力を加える内部空間とを連通していることを特徴とする
二重胴型高圧多段ポンプの構造。
【請求項２】カバーをシアキーを介して外ケーシング
に取付けると共に、外ケーシングとカバーとの間にリッ
プ型ガスケットを介装している請求項１記載の二重胴型
高圧多段ポンプの構造。
【請求項３】リップ型ガスケットの外側にＯリングを
設け、該Ｏリングとリップ型ガスケットとの間を吸込室
に連通させている請求項２記載の二重胴型高圧多段ポン
プの構造。