JPH0987839A - 薄膜作製方法及び薄膜作製装置 - Google Patents

薄膜作製方法及び薄膜作製装置

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JPH0987839A
JPH0987839A JP30633295A JP30633295A JPH0987839A JP H0987839 A JPH0987839 A JP H0987839A JP 30633295 A JP30633295 A JP 30633295A JP 30633295 A JP30633295 A JP 30633295A JP H0987839 A JPH0987839 A JP H0987839A
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舜平 山崎
Takeshi Fukada
武 深田
Hideomi Suzawa
英臣 須沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スパッタ成膜中に発生する多くのイオンや高
エネルギーの中性分子原子による、被膜形成面へのダメ
ージを低減させることを目的とする。 【構成】 基板の裏側に反射磁界発生装置を備えること
でイオンのダメージを低減し、成膜初期のスパッタ収量
を小さくすることで中性分子・原子の衝突によるダメー
ジを低減させる、スパッタ方法とスパッタ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】減圧状態で、スパッタリング現象
を利用して薄膜作製を行う分野において、特にイオンに
よる被成膜面のスパッタダメージと初期スパッタでのダ
メージを減少させる薄膜作製方法およびその薄膜作製装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング現象を利用する薄膜作製
方法としては、ターゲットに直流電圧を印加するDCス
パッタリング法、ターゲットに交流電圧を印加するRF
スパッタリング法があり、また、主に不活性ガスによる
スパッタ以外に、他のガスも添加しながらスパッタリン
グを行い、ターゲット材料とその添加ガスとの反応を利
用する反応性スパッタリングや、ターゲットのスパッタ
効率を向上させるために磁場によってスパッタをするイ
オンをエロージョン領域に閉じ込めてスパッタを行うマ
グネトロンスパッタリングなどがある。無論、それぞれ
を組み合わせたスパッタ方法、たとえばRFマグネトロ
ン反応スパッタリング法などもある。
【0003】スパッタリング現象を利用した薄膜作製方
法は、半導体分野で特によく利用されている。半導体分
野の中でも、結晶シリコンを利用した半導体分野以外に
も、最近では絶縁性表面に薄膜半導体を形成することで
完成する薄膜トランジスタ、いわゆるTFTの分野や、
液晶ディスプレイの透明電極を形成する分野など、幅広
い分野で利用されている。
【0004】スパッタリング現象を利用した成膜方法
(以下スパッタ法という)では、ターゲットに電界によ
って加速させたアルゴンイオンなどを衝突させ、それに
よって、ターゲットから材料の分子原子が飛び出し、タ
ーゲットに対向して離間している基板の表面にその原子
分子が到達し、そこで膜を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スパッタリングによっ
て飛び出したターゲット材料の原子や分子は、アルゴン
などをイオン化するためのプラズマ空間を通過した後に
基板へ到達する。例えば、アルゴンの平均自由行程は、
絶対温度293Kで、圧力1Paのときに約6.8mm
である。スパッタ時の圧力は大体0.1Pa程度である
ので、平均自由行程は温度がある程度高いとしても10
cm以下である。また、アルゴン以外であっても平均自
由行程は大きくは変わらない。そのために、ターゲット
から飛び出した原子や分子も、プラズマ空間を通過する
ときにその何割かは、イオン化されてしまう。イオン化
されたターゲット材料から飛び出した原子や分子と、ア
ルゴンイオンの何割かは、被膜形成面に達する。そのイ
オンによるダメージが、特に半導体や薄膜半導体を形成
するうえで、大きな問題を引き起こす。
【0006】半導体分野では、絶縁膜上に金属配線を行
い、その上にさらに絶縁膜を形成してその絶縁膜を平坦
化して、さらに金属配線を行う多層配線技術が行われて
いる。その金属配線用の金属膜の成膜にスパッタ法が用
いられている。金属配線の下には、絶縁膜があり、被膜
形成面まで達したイオン化されたターゲット材料から飛
び出した原子や分子と、アルゴンイオンとはその電荷を
絶縁膜上で急激に放電して、いわゆる静電破壊に似た現
象を引き起こす。
【0007】また、薄膜半導体装置を形成する場合に
は、基板自体が絶縁性が高いために、結晶半導体の場合
よりも問題は深刻である。薄膜半導体を利用した薄膜半
導体装置のうちでも、結晶半導体のMOSトランジスタ
に似ている薄膜トランジスタいわゆるTFTの中でも、
トップゲート型のトランジスタの場合には、チャネルを
形成する薄膜半導体層、ゲート絶縁膜を形成する絶縁層
をそれぞれ形成したのちに、最後にゲート電極としての
金属層を形成する。その最後の金属層を形成するにはス
パッタ法を用いることが多い。そのために、被膜形成面
まで達したイオン化されたターゲット材料から飛び出し
た原子や分子と、アルゴンイオンはゲート絶縁膜の静電
破壊にとどまらず、基板自体が絶縁体であるがゆえに、
基板上のあらゆるところでのイオンダメージを引き起こ
しやすい。
【0008】被膜形成面まで達したイオン化されたター
ゲット材料から飛び出した原子や分子と、アルゴンイオ
ンのダメージの他に、イオン化していない中性のターゲ
ット材料から飛び出した原子や分子の中でも問題になる
ものがある。スパッタ収量の計算によると、例えばアル
ゴンイオン1個を300eVでアルミニウムのターゲッ
トに衝突させた場合、1.24アルミニウム原子が飛び
出すことになる。スパッタによる成膜速度を上昇させて
生産性を向上させようとすると、このスパッタ収量をで
きるだけ大きくする必要がある。
【0009】スパッタ収量を大きくするためには、ター
ゲットに印加する電力を大きくする必要がある。ターゲ
ットに印加する電圧を高くすると、ターゲットをスパッ
タするアルゴンイオンの加速は大きくなり、必然的に大
きなエネルギーでターゲットをスパッタするために、そ
れによって飛び出すターゲット材料の原子や分子も大き
なエネルギーをもって飛び出し、イオン化されないとし
ても大きなエネルギーをもったまま被膜形成面に衝突す
る。
【0010】イオンが被膜形成面に衝突した場合には、
そのイオンの持つ電荷によるイオンダメージが強いが、
中性で大きなエネルギーをもったターゲット材料から飛
び出した原子や分子は、被膜形成面の下の膜中にある深
さで侵入してしてしまう。それによって、例えば、トッ
プゲート型のTFTのゲート電極材料をスパッタ法によ
って形成する場合などは、その電極材料がゲート絶縁膜
中に侵入してしまうことすら発生する。TFTを液晶に
利用する場合などは、画素を制御するためのスイッチと
してのTFTなどは100万個程度あるが、ゲート絶縁
膜中に金属材料がバラバラに侵入してしまうと、しきい
値がずれ、信頼性にも大きな悪影響をおよぼしてしま
う。ましてや、TFTを利用してドライバー回路やアン
プなどを形成する場合は、しきい値がずれることは致命
的である。
【0011】本発明の目的は、上述の問題点を解消し
て、半導体分野において、スパッタ法によって成膜を行
う場合に、その被膜形成面ならびにその下側の膜の状
況、あるいは、基板の材質によって、スパッタ法で発生
するスパッタガスのイオンや、ターゲット材料から飛び
出した原子や分子のイオン化したものによるイオンダメ
ージを減少すること、さらに、イオン化されてはいない
が大きなエネルギーを持って、被膜形成面に到達する中
性のターゲット材料から飛び出した原子や分子による衝
突ダメージを減少することにある。即ち、イオンによる
ダメージと、高エネルギーの中性原子分子によるダメー
ジとを減少することが可能な薄膜作製方法と、それを実
現するための薄膜作製装置を提供することを課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の構成の一つは、スパッタ法によって、基板
に薄膜を作製する方法において、ターゲットに対向して
いる前記基板には薄膜を作製する面の裏側方向に、反射
磁界発生装置を備え、該反射磁界発生装置により、前記
薄膜を作製する面に向かってくるイオンのつくり出す磁
界と同じ向きの閉じられたループ磁界を前記薄膜を作製
する面とほぼ平行な面で発生させながら、薄膜を作製す
ることを特徴とする薄膜作製方法である。
【0013】本発明の他の構成は、スパッタ法によっ
て、基板に薄膜を作製する方法において、ターゲットに
対向している前記基板には薄膜を作製する面の裏側方向
に、反射磁界発生装置を備え、該反射磁界発生装置によ
り、前記薄膜を作製する面に到達するイオンを減少させ
るような閉じられたループ磁界を前記薄膜を作製する面
とほぼ平行な面で発生させながら、薄膜を作製すること
を特徴とする薄膜作製方法である。
【0014】本発明の他の構成は、上記薄膜作製方法に
おいて、前記反射磁界発生装置には、永久磁石のN極と
S極が交互にループ状にほぼ同一平面に並んで固定さ
れ、前記ループ状にほぼ沿うような磁界のみが発生する
ように、磁気シールドを前記ループ状に沿わない磁界を
遮断するように設けてあることを特徴とする薄膜作製方
法である。
【0015】本発明の他の構成は、上記薄膜作製方法に
おいて、 永久磁石として、希土類コバルト、Alni
co5、タングステン鋼、炭素鋼、KS鋼、OP磁石、
Ferroxdure2、のいずれかを用いることを特
徴とする薄膜作製方法である。
【0016】本発明の他の構成は、上記薄膜作製方法に
おいて、永久磁石として、U字磁石あるいは棒磁石を用
いることを特徴とする薄膜作製方法である。
【0017】本発明の他の構成は、上記薄膜作製方法に
おいて、前記磁気シールドの高さが前記永久磁石の高さ
より高いことを特徴とする薄膜作製方法である。
【0018】本発明の他の構成は、上記薄膜作製方法に
おいて、 前記反射磁界発生装置において、コイルをほ
ぼ閉じられたループを形成するように巻き、前記コイル
に電流を流すことにより、前記ループ状にほぼ沿うよう
な磁界を発生させることを特徴とする薄膜作製方法であ
る。
【0019】本発明の他の構成としては、上記薄膜作製
方法において、前記反射磁界発生装置において、基板の
薄膜を作製する面とほぼ垂直な方向に電流を流すことに
より、閉じられたループ磁界を前記基板を作製する面と
ほぼ平行に発生させることを特徴とする薄膜作製方法。
【0020】本発明の他の構成としては、上記薄膜作製
方法において、反射磁界発生装置において、基板の薄膜
を作製する面とほぼ平行な1組の平面電極の間で直流放
電をさせることにより、閉じられたループ磁界を前記基
板を作製する面とほぼ平行に発生させることを特徴とし
た薄膜作製方法である。
【0021】本発明の他の構成は、スパッタ法によっ
て、基板に薄膜を成膜する方法において、成膜の初期と
その後とを比較して、初期の段階のスパッタ収量のほう
が小さくなるように成膜することを特徴とする薄膜作製
方法。
【0022】本発明の他の構成は、トップゲート型薄膜
トランジスタの作製工程において、ゲート絶縁膜上にゲ
ート電極をスパッタ法によって成膜する場合に、成膜の
初期とその後とを比較して、初期の段階でのスパッタ収
量のほうが小さくなるように成膜することを特徴とする
薄膜作製方法。
【0023】本発明の他の構成は、前記薄膜作製方法に
おいて、カソード投入電力を一定にた状態で、成膜の初
期とその後とを比較して、初期の段階のカソード電圧の
ほうが小さくなるように、スパッタ収量の制御を行うこ
とを特徴とする薄膜作製方法。
【0024】本発明の他の構成は、前記薄膜作製方法に
おいて、カソード投入電力を、成膜の初期がその後と比
較して、初期の段階のほうが小さくなるように、スパッ
タ収量の制御を行うことを特徴とする薄膜作製方法。
【0025】本発明の他の構成は、前記薄膜作製方法に
おいて、スパッタ収量が小さくなるように成膜する初期
の段階は、成膜された薄膜の膜厚が100〜1000Å
の範囲であることを特徴とする薄膜作製方法。
【0026】本発明の他の構成は、薄膜作製用スパッタ
装置において、被膜成膜用基板を所定の場所に設置した
状態で、該基板からみてターゲットと反対側に反射磁界
発生装置を備えていることを特徴とする薄膜作製装置で
ある。
【0027】本発明の他の構成は、薄膜作製用スパッタ
装置において、被膜成膜用基板を所定の場所に設置した
状態で、該基板からみてターゲットと反対側にヒータを
備え、該ヒータからみて前記ターゲットと反対側に反射
磁界発生装置を備えていることを特徴とした薄膜作製装
置である。
【0028】本発明の他の構成は、上記薄膜作製装置に
おいて、ヒータと反射磁界発生装置の間に、前記ヒータ
からの熱を低減させるための熱遮蔽装置を前記ヒータと
反射磁界発生装置の間に備えてあることを特徴とする薄
膜作製装置である。
【0029】本発明の他の構成は、前記薄膜作製装置に
おいて、前記被膜成膜用基板を移動する移動手段を備
え、前記反射磁界発生装置は前記被膜成膜用基板と連動
して、移動されることを特徴とする薄膜作製装置。
【0030】本発明の他の構成は、前記薄膜作製装置に
おいて、前記移動手段は減圧側と大気圧側にて磁気シー
ルによって接続され、前記反射磁界発生装置と前記磁気
シールの間に磁気シールドを設けてあることを特徴とす
る薄膜作製装置。
【0031】本発明の他の構成は、上記薄膜作製装置に
おいて、反射磁界発生装置において、永久磁石のN極と
S極が交互にループ状にほぼ同一平面に並んで固定され
ており、前記ループ状にほぼ沿うような磁界のみが発生
するように磁気シールドを前記ループ状に沿わない磁界
を遮断するように設けてあることを特徴とする薄膜作製
装置である。
【0032】本発明の他の構成は、上記薄膜作製装置に
おいて、永久磁石として、希土類コバルト、Alnic
o5、タングステン鋼、炭素鋼、KS鋼、OP磁石、F
erroxdure2、のいずれかを用いることを特徴
とする薄膜作製装置である。
【0033】本発明の他の構成は、上記薄膜作製装置に
おいて、永久磁石として、U字磁石あるいは棒磁石を用
いることを特徴とする薄膜作製装置である。
【0034】本発明の他の構成は、上記薄膜作製装置に
おいて、磁気シールドの高さが永久磁石の高さより高い
ことを特徴とする薄膜作製装置である。
【0035】本発明の他の構成は、上記薄膜作製装置に
おいて、反射磁界発生装置において、コイルをほぼ閉じ
られたループを形成するように巻き、前記コイルに電流
を流すことによって前記ループ状にほぼ沿うような磁界
を発生させることを特徴とした薄膜作製装置である。
【0036】本発明の他の構成としては、上記薄膜作製
装置において、反射磁界発生装置において、基板の薄膜
を作製する面とほぼ垂直な方向に電流を流すことで閉じ
られたループ磁界を、前記基板を作製する面とほぼ平行
に発生させることを特徴とする薄膜作製装置である。
【0037】本発明の他の構成は、上記薄膜作製装置に
おいて、反射磁界発生装置において、基板の薄膜を作製
する面とほぼ平行な1組の平面電極の間で直流放電をさ
せることで閉じられたループ磁界を、前記基板を作製す
る面とほぼ平行に発生させることを特徴とした薄膜作製
装置である。
【0038】
【作用】スパッタの際に、正イオンまたは負イオンが基
板に衝突する場合、例えば正イオンが基板に衝突する場
合に、その進行方向に対して時計方向の回転での磁界が
発生する(いわゆる電磁気学でいう右ネジの法則)。そ
の様子を、図1(A)に示す。基板101に進行してい
る正イオン102は、進行方向103に対して、右ネジ
が進む場合の回転方向(基板に向かって時計方向)に移
動電荷による磁界(ここではイオン磁界104と呼ぶ)
ができる。正イオン102はイオン磁界104を発生さ
せながら進行方向103に進み、基板101に衝突し
て、イオンダメージを与える。なお、負イオンの場合
は、イオン磁界104の向きが逆になり、左ネジが進む
場合の回転方向になる。
【0039】そこで、本発明は、イオンが基板に衝突す
ることを防止する、あるいは衝突するイオンの数を削減
しようとするものである。本発明の概略の原理を図1
(B)に示す。基板111に進行している正イオン11
2は、基板111向かって時計回りの方向にイオン磁界
114を発生させながら進行する。その時に、基板の被
形成面に沿ってイオン磁界114と同じ向きの反射磁界
115があると、正イオン112は基板111の近傍に
て磁界の反作用によって、基板111から遠ざかる向き
に力を受けて、進行方向を反対方向113に変えてしま
う。このため、正イオン112が基板111に達するこ
とがなくなる。或いは、基板111に到達する正イオン
112の数を減じることができる。従って、反射磁界1
15を被形成面に向かって時計回りの方向に常に発生さ
せておくことで、正のイオン112によるダメージを減
少させることできる。正イオン112が、負イオンであ
れば、磁界の向きは全て逆になる。
【0040】被形成面に衝突してくるイオンに対して、
例えば正イオンが作る誘導磁場が、進行方向に対して時
計回りの方向の閉じられたループ磁界を発生させている
ことから、同じ時計回りの閉じられたループ磁界を発生
させることによって、正イオンの被形成面への衝突を回
避するものである。半導体分野では、基板はSiやGa
Aaなどであり、薄膜半導体分野では石英やソーダガラ
ス、ホウケイ酸ガラスなどであり、いずれも被磁性体で
あるので、反射磁界としての閉じられたループ磁界は、
被形成面の反対側に発生させることが可能である。負イ
オンに対しても同様である。
【0041】図2に正イオンのダメージを減少させるた
めの反射磁界の様子をもう少し分かりやすく示してあ
る。図2(A)は、スパッタ法による成膜装置の中の、
ターゲット202と被膜形成面側204をターゲット2
02に向けて配置してある基板201と、基板201の
被膜形成面側204と反対側に反射磁界領域203があ
る断面図である。
【0042】この基板201を被膜形成面204側から
見た平面図のうち、基板として、ウエハ211を配置し
たものが図2(B)であり、基板として、矩形のガラス
基板221を配置したものが図2(C)である。反射磁
界領域203において、図2(B)に示すように、被膜
形成面側204からみると、ウエハ211に対して時計
の針の進む向きと同じ、いわゆる時計方向に、閉じられ
た円周状の磁界213が発生されている。同様に、図2
(C)に示すように、閉じられた円周状の磁界223が
ガラス基板211を被膜形成面側204からみて時計方
向に発生されている。なお、図2(B)、図2(C)に
おいて、矢印の向きが磁界213、223の方向を示し
ている。反射磁界領域203では、円周状の磁界21
3、223の様な形でなくとも、正イオンがつくり出す
時計方向の磁界と同じ向きの磁界であれば原理的に同等
であり、例えば図2(D)には、被膜形成面側204か
ら、見たときにガラス基板231を配置してある平面図
であるが、反射磁界としては閉じられたループ状で角状
の磁界233でもよく、角状の磁界223の中の矢印が
磁界の向きを示している。
【0043】つまり、正イオンが基板の被膜形成面に向
かって動くときに発生する閉じられたループ磁界と同じ
向きの反射磁界を被膜形成面近傍にて発生させて、正イ
オンをその磁界の反作用によって弾くようにすること
で、被膜形成面での正イオンダメージを減少させること
ができる。負イオンによるダメージであれば、全て磁界
の向きのみが逆になるだけで同様である。
【0044】閉じられたループ磁界の発生のさせ方とし
ては、図3に永久磁石を用いた場合を示す。図3は、被
膜形成面側から見た場合の図になっているため、反射磁
界としての閉じられたループ磁界は、時計方向になるよ
うに発生させなくてはならない。
【0045】図3(A)は、正イオンによるダメージを
低減させるための例を示し、永久磁石を4個用いた場合
の例である。4つのU字磁石301a〜301dはそれ
ぞれセンター300を中心にして90度の回転角度をな
して対称的に配置されている。また、U字磁石301a
〜301dはそれぞれセンター300みたときに右側に
N極、左側にS極がくるように配置されている。更に、
U字磁石301a〜301dのN極とS極の間には、そ
れらのN極とS極の先端よりもセンター300の方向に
突出するように、それぞれ磁気シールド302a〜30
2dが配置されいる。
【0046】U字磁石301aをセンター300から見
た図を図3(B)に示す。U字磁石301aの高さXよ
り、磁気シールド302aの高さYの方を大きくしてい
る。これは、U字磁石301aのN極とS極の間での磁
界をできるだけ遮断したいためである。あるいは、図3
(C)に示すように、磁気シールド302AのようにU
字磁石301aのN極とS極の上部、下部も覆うように
すると、より理想的である。
【0047】図3(A)に示すように、U字磁石301
a〜301dにおいて、それぞれの磁石のN極とS極の
間での磁力線はほんとんどなく、U字磁石301aのS
極とU字磁石301bのN極の間で、磁力線304がで
き、磁界の向きはU字磁石301bのN極からU字磁石
301aのS極に向かって発生する。同様にU字磁石3
01cのN極からU字磁石301bのS極に向かって発
生し、U字磁石301dのN極からU字磁石301cの
S極に向かって発生し、U字磁石301aのN極からU
字磁石301dのS極に向かって発生する。
【0048】すると、図3(A)のセンター300の回
りに磁力線303が発生する。この磁力線303は時計
回りで閉じているために、反射磁界としていわゆる閉じ
られたループ磁界として作用する。図3(A)で示した
センター300の上に基板を置いて、スパッタ法によっ
て成膜した場合に、基板に衝突する正イオンを減少させ
ることが可能であり、被膜形成面の正イオンのダメージ
をも低減できる。
【0049】U字磁石301a〜301dとしては、強
い磁界が必要な場合は、SmCoなどの希土類コバル
ト磁石や、8Al,14Ni,23Co,3Cuなどの
成分からできるAlnico5や0.7C,0.3C
r,6W,0.3Mnなどの成分からできるタングステ
ン鋼を用いるとよい。また、それ程大きな磁界が必要で
無い場合は、0.9〜1C,1Mnなど成分からできる
炭素鋼や、0.9C,35Co,3〜6Cr,4Wなど
の成分からできるKS鋼や、Co0.75Fe2.25
などのOP磁石や、BaFe1219などのFe
rroxdure2などを用いた永久磁石を用いると良
い。
【0050】或いは、U字磁石301a〜301dは永
久磁石でなく、同様の電磁石でもよい。また4個を円周
状に並べたが、別段円周状である必要はなく、最終的に
センター300の回りに閉じた時計方向回りに磁力線が
でき、反射磁界をいわゆる閉じられたループ磁界として
なせばよい。負イオンによるダメージを低減させるため
には、全て磁界の向きを逆にする。つまりN極とS極を
反転させたものにすれば良い。
【0051】図3に示したような、配置の仕方ではな
く、もっと単純な永久磁石を用いて、反射磁界を発生さ
せる手段を図4に示す。図4(A)は、図3(A)に対
応しているが、被膜形成面側から見た場合の正イオンダ
メージを低減させるための図になっているため、反射磁
界としての閉じられたループ磁界は、時計方向になるよ
うに発生させなくてはならない。磁気シールド402
a、402b、402cが円周状に壁をなしておりその
中に、多数の永久磁石401が、1種類は磁気シールド
402aと402bの間の領域403に配置され、他の
種類としては、磁気シールド402bと402cの間の
領域404に配置されている。この図では領域403、
404の2つであるが、1つでも良くまた、3つ以上で
も無論よい。
【0052】それぞれの各永久磁石401は、センター
400からその個別の永久磁石401をみたときに右側
がN極、左側がS極になるように配置されている。する
と永久磁石401は、磁気シールド402a、402
b、402cで挟まれている中で主に、磁力線を発生さ
せ磁気シールドを隔てた磁力線の発生をできるだけ抑え
ており、N極からS極へと丁度時計の針の進行方向と同
じ向きの磁力線になる。また、図4(A)の中の、X−
X’断面を図4(B)に示し、Y−Y’断面を図4
(C)に示している。図4(B)を見るとわかるよう
に、領域403に永久磁石401があるときは、領域4
04には永久磁石401がない。逆に図4(C)を見る
と、領域404に永久磁石401がある時は、領域40
3には永久磁石401はない。
【0053】上記のように、永久磁石401の配置は、
領域403と領域404で交互に配置するようにした方
がよい。ただし、交互に配置しなくくとも、本発明の効
果は十分にでる。また、図4(B)と図4(C)をみる
と明らかなように、永久磁石401の高さXよりも、磁
気シールド402a、402b、402cの高さYの方
が高くすることで、閉じられたループ磁界以外の磁界の
発生を減少させている。領域403と404の中で、永
久磁石401を介しながらそれぞれ閉じられたループ磁
界を発生させている。また、負イオンのダメージを低減
させるためには永久磁石401のN極とS極を逆にす
る。
【0054】図5は、図4に示したものを、四角形状に
てならべたものであり、四角い基板などに対応しやす
い。また、図6に示すようにコイル601をドーナッツ
状にして、電流602を流すと閉じられたループ磁界6
03を発生させることができる。このコイルの場合は、
磁界の大きさを自在に変化させることができるために利
点が多い。図6は、正イオンのダメージを低減させるよ
うにしてあるが、負イオンのダメージを低減させるため
には、電池604のプラスとマイナスを換えることで対
応できる。図には示していないが、コイル601の内側
円周状と外側円周状に磁気シールドを設けた方がよい
が、コイル状の電流を流した場合は、ほぼループに沿う
ような磁界しかできないために、なくとも十分である。
【0055】また、いままでのものは静磁場、静磁界を
発生させていたが、図7に示すように鉄心700にコイ
ル701a、701b、702a、702b、703
a、703b、を巻付け、コイル701a、701bを
交流電源A704に接続し、コイル702a、702b
を交流電源B705に接続し、コイル703a、703
bを交流電源C706に接続する。交流電源A〜C70
4〜706は、それぞれ位相だけが異なる電源になって
いる。それぞれの位相差は丁度120゜になっている。
それによって、閉じられたループ磁界が発生する。
【0056】磁石を使って反射磁界としての閉じられた
ループ磁界を発生させる以外に、図8(A)、図8
(B)に示すような方法もある。この図は負イオンのダ
メージを低減させる図を示している。図8(A)は、基
板801の被膜形成面側802の反対側に、反射磁界を
発生させるようにしたものの断面図であり、下電極80
3と上電極804とは多数の導電線805で接続され、
下電極803は直流電源806のプラス側に接続され、
上電極804は抵抗807を通して接地されている。直
流電源806の電圧を変化させるか、抵抗807の抵抗
値を変化させることで、多数の導電線805を流れる電
流値を制御する。多数の導電線805の1本1本には矢
印の方向に電流がながれるために、導電線805のまわ
りには、電流がながれる向きに右ネジが進む方向に、反
射磁界としての閉じられたループ磁界が発生する。
【0057】基板801に向かってくる、負イオンがつ
くり出す閉じられたループ磁界と丁度同じ向きとなり、
その負イオンの基板への衝突を減少させることが出来
る。しかも、この場合は、多数の導電線805を流れる
電流値を制御することで、反射磁界としての閉じられた
ループ磁界の強さを制御できるために、幅広い条件にま
で対応可能である。正イオンに対しては、直流電源80
6のプラスとマイナスを逆にすればよい。
【0058】図8(B)には、基板811の被膜形成面
側812の反対側に、反射磁界を発生させるようにした
ものの断面図であり、下電極813と上電極814の間
で直流のプラズマ放電815が発生される。下電極81
3は直流電源816のプラス側に接続され、上電極81
4は抵抗817を通して接地されている。直流電源81
6の電圧を変化させるか、抵抗817の抵抗値を変化さ
せることで、直流のプラズマ放電815によって発生す
るイオン電流を制御する。直流放電であるために、正の
イオンは、下電極813から上電極814へ向かって移
動するために、丁度、基板801に向かってくる負イオ
ンと逆向きの方向になるため、下電極813から上電極
814へ向かって移動する正イオンによって発生する反
射磁界としての閉じられたループ磁界が発生する。
【0059】直流プラズマ放電815によって流れる電
流を、直流電源816の電圧を変化させるあるいは、抵
抗817の抵抗値を変化させることで、反射磁界として
の閉じられたループ磁界の強さを制御できる。図8
(A)、図8(B)のどちらの場合も、上電極804、
814と下電極803、813の材質は非磁性体を用い
なくてはならず、例えば、ステンレススチールの非磁性
体である、SUS304やSUS316などや、アルミ
ニウムやアルミニウム合金などがある。正イオンに対し
ては、直流電源816のプラスマイナスを逆転させれば
よい。
【0060】図9は本発明を用いた場合の、DCマグネ
トロンスパッタ装置の、断面図である。反応室900の
中に、基板901、ターゲット902が図のように配置
されている。基板901は、プッシャー903によっ
て、ホルダー904に押しつけられて固定されている。
基板901の下側には、基板加熱用のヒータ905があ
り、プッシャー903はこのヒータ905の中にある。
反応室900は、スパッタガス913が導入され、真空
ポンプ906と制御弁907によって、所望の圧力に制
御できる。
【0061】ターゲット902には直流電源908のマ
イナス側に接続され、ターゲット902の裏側には、マ
グネトロンスパッタを行うためのマグネットシステム9
09と、ターゲット902を冷却するための冷却装置9
10とが設けられている。ターゲット902は、反応室
900とはインシュレータ911によって電気的に絶縁
されている。
【0062】ヒータ905の下には、反射磁界発生装置
912が設置してある。ターゲット902は、スパッタ
ガス913が導入されて、スパッタ圧力になると、直流
電源908によって負の電圧が印加され、マグネットシ
ステム909によって、エロージョン領域に閉じ込めら
れた正イオンにより、ターゲット902はスパッタリン
グされる。スパッタされて、ターゲット902から飛び
出したターゲット材料の原子分子は、基板901の表面
に達して堆積する。
【0063】基板901上での成膜の均一性をとるため
に、基板901を自回転、スイング、遊星回転などの移
動をさせながら成膜させてもよい。エロージョン領域に
閉じ込められているはずの正イオンの何割かは、マグネ
ットシステム909の磁界では閉じ込めきれずに、基板
901に向かって飛んでくる。そのとき基板901に右
ネジが進行するときのネジの回転方向に磁界を発生しな
がら、正イオンが飛んでくる。このため、エロージョン
領域から脱出した正イオンを基板901に達しないよう
にするために、逆向きの閉じられたループ磁界を反射磁
界発生装置912によって発生させている。エロージョ
ン領域に閉じ込められていて、基板901に向かってく
るものが負イオンの場合は、左ネジが進行するときのネ
ジの回転方向に磁界を発生させながら飛んでくる。
【0064】反射磁界発生装置912を永久磁石を用い
て作製する場合は、その永久磁石のキューリー温度を超
えないような、熱輻射の遮蔽を反射磁界発生装置912
かあるいはヒータ905に設けること必要である。
【0065】スパッタによる被膜形成面がダメージを受
けるのは、正イオンあるいは負イオンのみではなく、高
エネルギーで基板に衝突してくる中性のターゲットから
スパッタによって飛び出した原子分子によってもダメー
ジを受ける。スパッタなどの成膜装置は、それを産業上
にて利用するためには、生産性を向上させるために、膜
質を悪化させない範囲での成膜速度の増加が要求され
る。
【0066】スパッタリングガスのイオンによるターゲ
ットのスパッタに対する指標1つのとして、スパッタ収
量がある。例えば、1個のアルゴンイオンを600eV
のエネルギーでAlのターゲットに衝突させた際に、
1.24個のAl原子が飛び出す場合をスパッタ収量
1.24atoms/ionとするものである。ちなみ
に、アルゴンイオンを600eVのエネルギーでSiの
ターゲットに衝突させた場合には、スパッタ収量は0.
53atoms/ionとなる。
【0067】スパッタを行う場合に、ターゲットに印加
する電力は、カソード電圧とカソード電流の積で表され
るが、同じ電力10W/cmを投入した場合でも、カ
ソード電圧が500V、カソード電流が0.02A/c
の場合と、カソード電圧が400V、カソード電流
が0.025A/cmの場合では、異なるスパッタ収
量での成膜を行っていることになる。無論、カソード電
圧が500Vの方がスパッタ収量が大きい。
【0068】しかしながら、カソード電流が大きい方が
ターゲットをスパッタするイオンの数が多いことになる
ので、結果的に成膜速度に大きな差はない。まったく差
が無いわけではなく、投入電力が同じであればスパッタ
収量の大きい条件の方が成膜速度は若干大きくなる。こ
のため、本発明では、投入電力を変更せずに、成膜の初
期の段階ではできるだけカソード電圧を下げて、カソー
ド電流を上げるようにし、下地に中性原子分子の影響が
現れない程度、具体的には100〜500Åの厚さに成
膜した後に、カソード電圧を上昇させるようにする。
【0069】スパッタによる高エネルギーの中性原子分
子の影響が、非常に敏感な非形成面を持つ場合は、当初
の100〜500Å程度は、カソードへの投入電力その
もものを小さくし、できるだけカソード電圧を下げ、カ
ソード電流を上げるようにし、下地に中性原子分子の影
響が現れないまで成膜する。その後に、投入電力を大き
くして、カソード電圧を上昇させるればよい。このよう
な方法をとることは、被膜形成面が敏感である面に成膜
する場合に有効である。
【0070】
【実施例】
〔実施例1〕本発明を用いたスパッタ成膜装置の実施例
を、図9に示す。反応室900は、減圧可能であり、減
圧は真空ポンプ906によって行う。真空ポンプ906
としては、クライオポンプ、ターボ分子ポンプ、複合タ
ーボ分子ポンプ、油拡散ポンプ、水銀拡散ポンプなどが
使用でき、到達圧力として、10−3Pa以下までの到
達真空度の能力が必要となる。特に、水の成分を嫌う、
アルミニウムなどをスパッタによって成膜する場合は、
水に対しての排気速度の大きなクライオポンプなどはク
リーンで使いやすい。また、クライオポンプなどの溜め
込み式のポンプでは連続使用をした場合に、ポンプの再
生による装置の停止時間が多くなるため、ターボ分子ポ
ンプあるいは複合ターボ分子ポンプなどが利便である。
【0071】スパッタガス913が反応室900に接続
されているが、反応性スパッタを行うような場合は、こ
のスパッタガス913以外に、反応用のガスを別に導入
する必要があり、しかも、その導入方法には、工夫が必
要となる。本実施例では、反応性スパッタは行わないの
で、単純にスパッタリング用のガスを接続してある。ス
パッタガス913としては、アルゴン、クリプトン、キ
セノンなどの不活性ガスのうち原子半径が大きいものが
使われるが、ガスの価格等を考えた場合は、通常アルゴ
ンガスが用いられる。本実施例でもアルゴンガスを用い
ている。
【0072】反応室900の上方にインシュレータ91
1によって、ターゲット902は反応室900と電気的
に分離され、かつ反応室900内の真空度を悪くしない
ように設置されている。ターゲット902の裏側には、
マグネトロンスパッタリングを行うためのマグネットシ
ステム909が配置してある。しかし、ターゲット90
2が磁性材料の場合は、マグネトロンスパッタを行うこ
とができない。ターゲット902が、アルミニウムや、
クロム、チタン、銀、ITOなどの非磁性体の場合の
み、マグネットシステム909を利用したマグネトロン
スパッタを行うことができる。
【0073】ターゲット902は直流電源908のマイ
ナス極に接続されているため、カソード(陰極)とも呼
ばれる。スパタッタガス913がイオン化されて、その
正イオンがターゲット902に衝突してスパッタが行わ
れる。ターゲット902は、大きいカソード電流が流れ
るために、加熱されるので、それを冷却するための冷却
装置910がある。冷却装置910は通常は水冷による
冷却方式を用いるが、マグネットシステム909をも同
時に冷却する場合は、その冷却水の中の磁性体成分が付
きマグネットシステム909の特性を変化させないよう
に、フィルターによって冷却水中のパーティクルなどを
除去して用いなくてはならない。
【0074】ターゲット902の冷却も非常に重要であ
り、ターゲット902の温度に変化をきたすと、成膜さ
れた膜の特性をも変化させてしまう。従って、ターゲッ
ト902の温度を一定にするようにしなくてはならな
い。そのためには、熱容量の大きな冷却源にターゲット
902を接触させることが必要であり、本発明人の実験
によると、1分間に6リットル以上の水温30℃以下で
ある冷却水によってターゲット902を冷却する良好で
あった。
【0075】ターゲット902自体を直接冷却出来ない
場合は、銅などの熱伝導率の高い材料によりバッキング
プレートを作製して、ターゲット902をバッキングプ
レートに貼り付けたものを用いて、冷却水によってバッ
キングプレートを冷却してもよい。
【0076】基板901は、プッシャー903によっ
て、ホルダー904に押しつけられる方式によって固定
される。基板901を固定する方法もいくらでもある
が、プッシャー903を利用する装置は、枚葉式の装置
の形態として最も使いやすいものであるので、本実施例
でも用いた。
【0077】基板901の下側にプッシャー903を内
蔵する形でヒータ905が配置されている。ヒータ90
5はランプ加熱方式、抵抗加熱方式などがあるが、その
ヒータ905の下側に、反射磁界発生装置912がある
ため、この反射磁界発生装置912の中に永久磁石を用
いる場合は、ヒータ905の輻射熱によって該永久磁石
のキューリー温度を超えないような工夫が必要となる。
【0078】また、ヒータ905の構成材料に磁性体を
用いた場合は、その材料が反射磁界発生装置912で発
生した反射磁界に対して磁気シールドになり、その磁性
体材料を用いた回りでの本発明の効果を落としてしまう
可能性があるため、できるだけ磁性体材料を用いない構
成をヒータ905に用いなくてはならない。本実施例で
は、Cr材料を主として用いた抵抗加熱の熱源でヒータ
905を構成し、熱源と反射磁界発生装置912の間に
は、熱遮蔽を施した。熱遮蔽としては、その装置での加
熱温度によって異なるが、基板901を200℃程度以
下で加熱する場合は、非磁性体のステンレススチールな
どを電界研磨をしたものを使用することで、熱遮蔽は十
分行うことが出来る。また、300℃程度以上の場合
は、非磁性体のステンレススチールや、アルミ等で水冷
室を設けることで熱遮蔽することが出来る。無論双方を
用いることで一層の熱遮蔽を行うことができる。
【0079】図9は反射磁界発生装置912の断面を表
している。基板901から反射磁界発生装置912を見
たときの平面図としては、図4および図5に示すような
永久磁石を用いたものを使用した。本実施例では、矩形
基板対応の装置であるために、図5に示すような反射磁
界発生装置912を使用したが、基板がウェハなどのよ
うに丸形の場合は図4に示すような装置の方がよい。
【0080】なお、図5は、図9中のターゲットから反
射磁界発生装置912を見たときの平面図であって、図
5の永久磁石501を多数に磁気シールド502aと磁
気シールド502bで挟まれた領域503と、磁気シー
ルド502bと磁気シールド502cで挟まれた領域5
04に配置してある。配置の仕方は、センター500か
ら各永久磁石501をみたたきに左側がS極、右側がN
極となるように配置されている。これは本実施例では、
アルゴンイオンなどの正イオンによる基板へのダメージ
を前提としているためである。負イオンによるダメージ
を前提とした場合は、N極とS極は逆になる。
【0081】すると磁力線は、図5で時計の針の進行方
向とは同じ反時計方向に向かって矢印505の向きにな
り、磁界もその方向を向く。永久磁石501としては強
い磁界が必要な場合は、SmCoなどの希土類コバル
ト磁石や、8Al,14Ni,23Co,3Cuなどの
成分からできるAlnico5や0.7C,0.3C
r,6W,0.3Mnなどの成分からできるタングステ
ン鋼を用いるとよい。また、それ程大きな磁界が必要で
無い場合は、0.9〜1C,1Mnなど成分からできる
炭素鋼や、0.9C,35Co,3〜6Cr,4Wなど
の成分からできるKS鋼や、Co0.75Fe2.25
などのOP磁石や、BaFe1219などのFe
rroxdure2などを用いると良い。
【0082】本実施例では、希士類コバルト磁石として
SmCoいわゆるサマコバを永久磁石501として用
いた。領域503には、6個のサマコバを配置し、領域
504には、14個のサマコバを配置した。磁気シール
ド502a,502b,502cとしては、ニッケル合
金を用いた。サマコバの定着方法としては、硬めのシリ
コン樹脂等を用いて全体を封止する方法を用いた。
【0083】図9の反射磁界発生装置912でサマコバ
の永久磁石を用いた装置で、基板901の直上の磁界を
測定したところ、最大5000Oe(エルステッド)で
あった。磁界を弱くしたい場合は、使用する磁石の材質
を変化させるか、反射磁界発生装置912と基板901
の距離を離間することなどで調整すればよい。
【0084】実際に本発明を用いた本装置によって成膜
を行った。ターゲット902として、AlにScが0.
18wt%が添加されたものを使用して、カソード電圧
500V、カソード電流0.02A/cmにて成膜し
た。基板901の中心に1cmの電流ディテクターを
装着して、反射磁界発生装置912が有る場合と無い場
合で基板に正イオンが到達しているか否かを測定した。
ディテクタは基板901より約1mm浮いているところ
での測定にしたが、これは、金属をスパッタにて成膜す
るために、ディテクターの面積を変化させないためであ
る。
【0085】反射磁界発生装置912を装着しない場合
は、10分間の成膜中でのディテクターに計測された電
流値は、0.1〜0.5mAで、平均0.15mAであ
った。ディテクターの面積が1cmであるので、これ
は平均0.15mA/cmということと同じになる。
反射磁界発生装置912を装着した場合は、10分間の
成膜中でのディテクターに計測された電流値は、0.0
2〜0.1mAで、平均0.05mAであった。本実施
例では、正イオンの衝突数を約1/3に低減することが
できたことになる。ディテクターの電流値の絶対値は、
ターゲット902と基板901の距離や、スパッタ圧
力、カソード電圧、カソード電流などの諸条件でことな
ることは言うまでもない。
【0086】〔実施例2〕図11に、本実施例を用いた
3ターゲット式スパッタ装置の例を示す。図11(A)
は、装置の断面図であり、図11(B)は図11(A)
を上方からみたときのそれぞれの位置関係をしめすため
の平面図であり、成膜室の内部を簡単に示したもので、
真空室1100の中にはターゲットA1102a、ター
ゲットB1102b、ターゲットC1102cの3つの
ターゲットを備え、基板1101は、上方に設置されて
いる。
【0087】成膜面が下である、いわゆるフェースダウ
ンになっている。基板1101は、基板止め1104に
よって固定されている。基板1101の上には、反射磁
界発生装置1103があり、基板1101と反射磁界発
生装置1103は、基板回転装置1105によって回転
される。それによって、成膜の均一性を高めるようにな
っている。
【0088】簡単のために図中には、カソード電源、真
空ポンプ、スパッタガスなどは図示していないが、勿論
備えている。基板加熱のためのヒータは、本実施例で
は、加熱成膜を行わないために備えていないが、基板加
熱をする場合は備える必要があるが、反射磁界発生装置
1103の中に永久磁石を用いる場合は、ヒータの輻射
熱によって該永久磁石のキューリー温度を超えないよう
な工夫が必要となる。
【0089】また、基板回転装置1105は、高真空を
保ちながら基板を回転させるためには、通常液体磁性材
料による磁気シールを用いる場合が多いので、反射磁界
発生装置1103と磁気シールとの間には、磁気シール
ドを設けなくては成らない場合もある。反射磁界発生装
置1103と磁気シールの距離が十分離れている場合
や、反射磁界発生装置1103の磁界の大きさが、磁気
シールからみると無視できる程度であれば、そのような
磁気シールドは必要ない。
【0090】反射磁界発生装置1103をターゲット側
からみた図を、図4(A)に示す。本実施例では、アル
ゴンイオンなどの正イオンによる基板へのダメージを前
提としている。図4に示す反射磁界発生装置1103と
しては、永久磁石401を多数に磁気シールド402a
と磁気シールド402bで挟まれた領域403と、磁気
シールド402bと磁気シールド402cで挟まれた領
域404に配置してある。配置の仕方は、センター40
0から各永久磁石401をみたたきに左側がS極、右側
がN極となるように配置されている。仮に負イオンによ
るダメージを前提とする場合は、永久磁石401のN極
とS極を逆にすることで対応できる。
【0091】すると磁力線は、図4で時計の針の進行方
向と同じ反時計方向に向かった矢印の向きになり、磁界
もその方向を向く。永久磁石401としては強い磁界が
必要な場合は、SmCoなどの希土類コバルト磁石
や、8Al,14Ni,23Co,3Cuなどの成分か
らできるAlnico5や0.7C,0.3Cr,6
W,0.3Mnなどの成分からできるタングステン鋼を
用いるとよい。また、それ程大きな磁界が必要で無い場
合は、0.9〜1C,1Mnなど成分からできる炭素鋼
や、0.9C,35Co,3〜6Cr,4Wなどの成分
からできるKS鋼や、Co0.75Fe2.25
どのOP磁石や、BaFe1219などのFerro
xdure2などを用いると良い。
【0092】本実施例では、0.9C,35Co,5C
r,4Wの成分比率であるKS鋼を永久磁石401とし
て用いた。領域403には、6個のサマコバを配置し、
領域404にも、6個のサマコバを配置した。磁気シー
ルド402a,402b,402cとしては、鉄を用い
た。KS鋼の定着方法としては、アルミ金属の削りだし
にKS鋼をはめ込む方法を用いて全体を封止する方法を
用いた。
【0093】図11の反射磁界発生装置1103に、K
S鋼の永久磁石を用いた装置で、基板1101の直上で
の磁界を測定したところ、最大210 Oe(エルステ
ッド)であった。磁界を変化させたい場合は、使用する
磁石の材質を変化させるか、反射磁界発生装置1103
と基板1101の距離を変えることなどで調整すればよ
い。
【0094】実際に本発明を用いた本装置によって成膜
を行った。ターゲット1102aとして、AlにScが
0.18wt%が添加されたものを使用し、ターゲット
1102bとして、Tiをしようし、ターゲット110
2cとして、AlにSiが0.2wt%が添加されたも
のをしようして、ターゲット1102bにのみカソード
電圧500V、カソード電流0.02A/cmにて成
膜した。基板1101の中心に1cmの電流ディテク
ターを装着して、反射磁界発生装置1103が有る場合
と無い場合で基板に正イオンが到達しているか否かを測
定した。ディテクタは基板1101より約1mm浮いて
いるところでの測定にしたが、これは、金属をスパッタ
にて成膜するために、ディテクターの面積を変化させな
いためである。
【0095】反射磁界発生装置1103を装着しない場
合は、10分間の成膜中でのディテクターに計測された
電流値は、0.05〜0.13mAで、平均0.072
mAであった。ディテクターの面積が1cmであるの
で、これは平均0.072mA/cmということと同
じになる。反射磁界発生装置1103を装着した場合
は、10分間の成膜中でのディテクターに計測された電
流値は、0.02〜0.05mAで、平均0.034m
Aであった。本実施例では、正イオンの衝突数を約1/
2に低減することができたことになる。ディテクターの
電流値の絶対値は、ターゲット1102bと基板110
1の距離や、スパッタ圧力、カソード電圧、カソード電
流などの諸条件でことなることは言うまでもない。
【0096】反射磁界発生装置1103を装着しても、
ディテクターに計測された電流が反射磁界発生装置11
03が無い場合の1/2程度である理由としては、ター
ゲット1102bと基板1101の位置関係にも原因が
ある。ターゲット1102bの中心と基板の中心が同一
垂線上にないために、反射磁界発生装置1103で発生
した反射磁界成分は、正イオンの衝突する運動の垂直成
分にしか働かないことにも起因している。しかしなが
ら、このようにターゲット1102bの中心と基板の中
心が同一垂線上にない場合でも本発明の効果が現れるこ
とが分かる。
【0097】〔実施例3〕図10に本発明を用いたスパ
ッタ方法を用いて作製した多結晶シリコンTFTの断面
工程を示す。石英や、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス
などの可視光にたいして透明な絶縁性の高い基板100
1の上に、下地膜1002を成膜して、その上にアモル
ファスシリコンを成膜して、TFTの領域にパターニン
グしてアイランド1003が完成して図10(A)の状
態を得る。
【0098】基板1001としては、本実施例では石英
基板を用いた。また、下地膜1002としては、酸化珪
素膜、窒化珪素膜などの絶縁膜を単層あるいは多層にて
成膜するが、成膜方法としては、スパッタ法、プラズマ
CVD法、減圧熱CVD法などを用いて500〜300
0Å、典型的には2000Åを成膜する。
【0099】アイランド1003を形成するためのアモ
ルファスシリコンの成膜方法としては、プラズマCVD
法や減圧熱CVD法などを用いて100〜2000Å、
典型的には700〜1200Åを成膜する。成膜された
アモルファスシリコンをフォトリソグラフィーの技術
と、ドライまたはウェットエッチングによってアイラン
ド1003の形にパターニングする。本実施例では、フ
ッ酸:硝酸=1:400の容積比で混合したエッチャン
トによって、ウェットエッチングにてバターニングした
が、CFとOの混合ガスなどを用いたドライエッチ
ングによってパターニングしてもよい。
【0100】次に、アイランド1003をアモルファス
シリコンから、多結晶シリコンに変えるために、加熱し
て固相成長させるが、その前に脱水素工程を行う。アモ
ルファスシリコン中の水素を抜いておかないと、加熱し
たときに、アモルファスシリコン中から水素が急激に抜
け出し、場合によっては穴が開くなどの現象をおこす。
これを防止するために、350〜500℃、典型的には
450℃にて3時間、窒素雰囲気の中で、脱水素工程を
行う。
【0101】その後、アイランド1003が形成された
基板1001を、500〜850℃で4〜48時間で窒
素中にて加熱することにより、アイランド1003はア
モルファスシリコンから多結晶シリコンへ固相成長す
る。本実施例では、基板1001に石英を用いたために
850℃ 4時間の固相成長をさせたが、基板1001
が、例えばコーニング社の7059ガラスのようなホウ
ケイ酸ガラスなどの場合は、600℃、12時間程度の
固相成長をさせないと、基板1001の歪み点を超えて
しまうために、それ以上の温度ではできない。
【0102】また、本出願人による特開平6−2320
59、特開平6−244103、特開平6−24410
4に記載された発明を用いることで、600℃以下で固
相成長させることが可能であり、歪み点が小さい基板1
001を用いる場合などは、有効である。
【0103】アイランド1003の上に、ゲート絶縁膜
1004を成膜する。ゲート絶縁膜1004としては、
プラズマCVD法、スパッタ法、熱拡散法などによって
酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜などを単層あ
るいは多層に形成する。厚さ的には、200〜2000
Å程度である。本実施例では、正珪酸四エチルと酸素を
用いて電子サイクロトロン共鳴(いわゆるECR)を利
用したプラズマCVDにて200〜2000Å、典型的
には500〜1200Åを成膜して図10(B)にな
る。
【0104】その上に、ゲート電極1007を形成する
が、このゲート電極1007の材料としては、アルミニ
ウム、クロム、チタン、タンタルなどの金属やドープド
シリコンあるいはノンドープのシリコンをもちいてあと
からイオン注入などでドープするものなどがある。成膜
方法としては、スパッタ法、プラズマCVD法、減圧熱
CVD法などを用いる。
【0105】このゲート電極1007を形成するための
スパッタ法に本発明を用いた。スパッタ装置の中で、タ
ーゲットから基板1001を見たときに、基板1001
の裏側に反射磁界発生装置を取り付けて、ターゲットか
ら基板1001に衝突してくる正イオンを弾くような磁
界を、反射磁界発生装置にて発生させながらゲート電極
1007の材料を成膜する。反射磁界発生装置から発生
する磁界は、基板1001上にて、200〜5000
Oe(エルステッド)になるようにし、典型的には50
0〜2000 Oeで行った。比較のために、反射磁界
発生装置を使用しないで、成膜したものも作製した。
【0106】ターゲットとしては、Alに0.1〜2w
t%のScを混合させたものを用いて、アルミニウム膜
を5000〜12000Å、典型的には8000Åの厚
さに成膜する。なお、Alに0.1〜2wt%のScを
混合をしたのは、後の工程での、アルミのヒロック発生
を防止するためである。Scの他にも、Yなどの3A族
の金属や、Pd,Siなどを混合させてもよい。
【0107】その後、フォトリソグラフィー技術とエッ
チング技術を用いて所望の形にパターニングしてゲート
電極1007を作製した。エッチングは、Cl,BC
,SiClの3元系のガスを混合したドライエッ
チングによって行った。
【0108】その後、ゲート電極1007をマスクとし
て、燐を5×1015cm−2になるようにスルードー
プして、ソース・ドレイン1005を形成し、スルード
ープによってアモルファス化した部分を再結晶化するた
めに400〜800℃にて加熱して図10(C)にな
る。スルードープは、質量分離をともなうイオン注入方
式でも、質量分離をともなわないプラズマドープ方式で
もどちらでもかまわない。
【0109】そして、層間絶縁膜1008をCVD法に
て成膜して、ゲート取り出し電極1009、ソース・ド
レイン取り出し電極1010を形成する。ここで、ゲー
ト取り出し電極1009、ソース・ドレイン取り出し電
極1010は、スパッタ法による金属膜の作製を行うた
めに、本発明を用いた。
【0110】ゲート取り出し電極1009、ソース・ド
レイン取り出し電極1010の材料として、クロム、ア
ルミ、チタン、タンタルなどがあるが本実施例では、タ
ンタルを成膜した。ターゲットから基板1001を見た
ときに、基板1001の裏側に反射磁界発生装置を取り
付けて、ターゲットから基板1001に衝突してくる正
イオンを弾くような磁界を、反射磁界発生装置にて発生
させながらタンタルをスパッタ成膜した。反射磁界発生
装置から発生する磁界は、基板1001上にて、200
〜5000 Oe(エルステッド)になるようにし、典
型的には500〜2000 Oeで行った。比較のため
に、反射磁界発生装置を使用しないで成膜したものも作
製した。
【0111】本実施例では、TFTを640×480×
3の921,600個の素子を作製した。反射磁界発生
装置を用いないで成膜した場合のTFTの特性は、動作
しなかったTFTが0.1%、Vthのバラツキが最大
最小で0.5Vであった。それに対して、反射磁界発生
装置を用いて成膜した場合のTFTの特性は、動作しな
かったTFTが0.007%、Vthのバラツキが最大
最小で0.2Vであった。特に、反射磁界発生装置を用
いないで作製したTFTが動作しなかった原因は、殆ど
が短絡によるものであった。
【0112】〔実施例4〕図10に示した実施例4の中
で、特にゲート電極1007の材料を成膜する際に、通
常は、カソード電流0.02A/cmでカソード電圧
500Vつまり10W/cmで行うが、正イオンを反
射磁界発生装置にて弾く以外に、中性の高エネルギーの
原子分子の影響を取り除くために本発明を用いた。ゲー
ト電極1007の材料、本実施例ではターゲットとし
て、Alに0.1〜2wt%のScを混合させたものを
用いる。
【0113】方法1として、電力制御でスパッタ収量を
制御する。最初の100〜1000Åを成膜する際に、
ターゲットへの投入電力を半分以下、本実施例では5W
/cmで成膜することでスパッタ収量を小さくし、そ
の後に10W/cmに戻して残りを成膜した。この場
合、カソード電圧400Vで、カソード電流が0.01
3A/cmであった。スパッタ収量を小さくして成膜
する範囲は、我々の実験では最低100Åは必要であ
り、100Å未満では殆ど本発明の効果がみられなかっ
た。また条件によるが、どのような条件でもほぼ100
0Å成膜したあとではスパッタ収量を大きくしても問題
は少なかった。
【0114】無論、カソード電圧、カソード電流、カソ
ード印加電力は、その時の成膜条件等で異なるものであ
るが、ゲート電極1007を成膜するときのみ、成膜初
期の電力を下げて成膜したものである。
【0115】方法2としては、成膜初期の100〜10
00Åの成膜時に、カソード電力は一定にして、カソー
ド電圧を下げて、スパッタ収量を小さくした成膜をおこ
なう。本実施例ではカソード電力を10W/cmで一
定にして、カソード電圧を450〜350に下げて、そ
の分カソード電流を大きくして成膜した。カソード電圧
300V以下ではスパッタ放電しなかったために、安全
をみて450〜350Vのカソード電圧にしたが、放電
がするのであればさらに低いカソード電圧にすることも
可能である。スパッタ収量を小さくして成膜する範囲
は、我々の実験では最低100Åは必要であり、100
Å未満では殆ど本発明の効果がみられなかった。また条
件によるがどのような条件でもほぼ1000Å成膜した
あとではスパッタ収量を大きくしても問題は少なかっ
た。
【0116】本実施例では、実施例3とも比較できるよ
うにTFTを640×480×3の921,600個の
素子を作製した。実施例3での反射磁界発生装置を用い
てゲート電極1007の成膜時に初期成膜も含めてカソ
ード電圧500V、カソード電流0.02A/cm
成膜した場合のTFTの特性は、動作しなかったTFT
が0.007%、Vthのバラツキが最大最小で0.2
Vであった。方法1によって成膜した場合のTFTの特
性は、動作しなかったTFTが、0.008%、Vth
のバラツキが最大最小で0.1Vであった。方法2にに
よって成膜した場合のTFTの特性は、動作しなかった
TFTが、0.007%、Vthのバラツキが最大最小
で0.1Vであった。
【0117】ゲート電極のように、特性に重要な役割を
する材料をスパッタにて成膜する場合は、反射磁界発生
装置を用いるとともに、成膜の初期の方法にて、スパッ
タ収量を小さくして、中性分子原子の衝突をも防止する
ことは、大きな効果がある。特に、カソード電力を一定
にして、カソード電圧を下げることでスパッタ収量を小
さくすることは、成膜速度もあまり減少させることなく
成膜できるために産業効率も高い。
【0118】
【発明の効果】本発明を用いることで、スパッタ中のス
パッタガスがイオン化した正イオンや、ターゲット材料
がスパッタされて飛び出したスパッタ材料の中性原子や
分子が正イオンあるいは負イオン化したもの、またはス
パッタガス以外の反応用のガスがイオン化した正イオン
あるいは負イオンが、被膜形成面に到達することを減少
させて、正イオンによるダメージを低減できる。また、
そのスパッタ方法を実現できる装置を提供している。さ
らに、スパッタされて飛び出したスパッタ材料の中性の
原子や分子のうちでも高エネルギーをもって被膜形成面
に衝突して、被膜形成面にダメージを与える用な場合
に、初期のスパッタ成膜中のスパッタ収量を小さくする
ことでそのダメージを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理的なことを示した図。
【図2】 本発明の模式図の断面と平面図。
【図3】 本発明の実施例。
【図4】 本発明の実施例。
【図5】 本発明の実施例。
【図6】 本発明の実施例。
【図7】 本発明の実施例。
【図8】 本発明の実施例。
【図9】 本発明を用いた装置の実施例。
【図10】本発明を用いて作製した薄膜半導体装置の工
程の断面図。
【図11】本発明を用いた装置の実施例。
【符号の説明】
900 反応室 901 基板 902 ターゲット 903 プッシャー 904 ホルダー 905 ヒータ 906 真空ポンプ 907 制御弁 908 直流電源 909 マグネットシステム 910 冷却装置 911 インシュレータ 912 反射磁界発生装置 913 スパッタガス
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/3065 H01L 21/302 C

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スパッタ法によって、基板に薄膜を作製す
    る方法において、 ターゲットに対向している前記基板は薄膜を作製する面
    の裏側方向に反射磁界発生装置を備え、 該反射磁界発生装置により、前記薄膜を作製する面に向
    かってくるイオンのつくり出す磁界と同じ向きの閉じら
    れたループ磁界を前記薄膜を作製する面とほぼ平行な面
    で発生させながら、薄膜を作製することを特徴とする薄
    膜作製方法。
  2. 【請求項2】スパッタ法によって、基板に薄膜を作製す
    る方法において、 ターゲットに対向している前記基板は薄膜を作製する面
    の裏側方向に、反射磁界発生装置を備え、 該反射磁界発生装置により前記薄膜を作製する面に到達
    するイオンを減少させるような閉じられたループ磁界を
    前記薄膜を作製する面とほぼ平行な面で発生させながら
    薄膜を作製することを特徴とする薄膜作製方法。
  3. 【請求項3】請求項1〜2において、前記反射磁界発生
    装置には、永久磁石のN極とS極が交互にループ状にほ
    ぼ同一平面に並んで固定されており、前記ループ状にほ
    ぼ沿うような磁界のみが発生するように、磁気シールド
    を前記ループ状に沿わない磁界を遮断するように設けて
    あることを特徴とする薄膜作製方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記永久磁石として、
    希土類コバルト、Alnico5、タングステン鋼、炭
    素鋼、KS鋼、OP磁石、Ferroxdure2、の
    いずれかを用いることを特徴とする薄膜作製方法。
  5. 【請求項5】請求項3において、前記永久磁石として、
    U字磁石あるいは棒磁石を用いることを特徴とする薄膜
    作製方法。
  6. 【請求項6】請求項3において、前記磁気シールドの高
    さが前記永久磁石の高さより高いことを特徴とする薄膜
    作製方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜2において、前記反射磁界発生
    装置において、コイルをほぼ閉じられたループを形成す
    るように巻き、前記コイルに電流を流すことにより、前
    記ループ状にほぼ沿うような磁界を発生させることを特
    徴とする薄膜作製方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜2において、前記反射磁界発生
    装置において、基板の薄膜を作製する面とほぼ垂直な方
    向に電流を流すことにより、閉じられたループ磁界を前
    記基板を作製する面とほぼ平行に発生させることを特徴
    とする薄膜作製方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜2において、前記反射磁界発生
    装置において、基板の薄膜を作製する面とほぼ平行な1
    組の平面電極の間で直流放電をさせることにより、閉じ
    られたループ磁界を前記基板を作製する面とほぼ平行に
    発生させることを特徴とする薄膜作製方法。
  10. 【請求項10】スパッタ法によって、基板に薄膜を成膜
    する方法において、 成膜の初期とその後とを比較して、スパッタ収量を初期
    の方を小さくして成膜することを特徴とする薄膜作製方
    法。
  11. 【請求項11】トップゲート型薄膜トランジスタの作製
    工程において、 ゲート絶縁膜上にゲート電極をスパッタ法によって成膜
    する場合に、成膜の初期とその後とを比較して、初期の
    段階のスパッタ収量のほうが小さくなるように成膜する
    ことを特徴とする薄膜作製方法。
  12. 【請求項12】請求項10〜11において、カソード投
    入電力を一定にした状態で、成膜の初期とその後とを比
    較して、初期の段階のカソード電圧のほうが小さくなる
    ようにして、スパッタ収量を制御する特徴とする薄膜作
    製方法。
  13. 【請求項13】請求項10〜11において、カソード投
    入電力を、成膜の初期とその後とを比較して、初期の段
    階のカソード電圧が小さくなるようにして、スパッタ収
    量を制御することを特徴とする薄膜作製方法。
  14. 【請求項14】請求項10〜11において、スパッタ収
    量が小さくなるように成膜する初期の段階は、成膜され
    た薄膜の膜厚が100〜1000Åの範囲であることを
    特徴とする薄膜作製方法。
  15. 【請求項15】薄膜作製用スパッタ装置において、 被膜成膜用基板を所定の場所に設置した状態で、該基板
    からみてターゲットの反対側に反射磁界発生装置を備え
    ていることを特徴とする薄膜作製装置。
  16. 【請求項16】薄膜作製用スパッタ装置において、 被膜成膜用基板を所定の場所に設置した状態で、該基板
    からみてターゲットの反対側にヒータを備え、該ヒータ
    からみて前記ターゲットの反対側に反射磁界発生装置を
    備えていることを特徴とした薄膜作製装置。
  17. 【請求項17】請求項16において、前記ヒータと前記
    反射磁界発生装置の間に、前記ヒータからの熱を低減さ
    せるための熱遮蔽装置を前記ヒータと反射磁界発生装置
    の間に備えたことを特徴とする薄膜作製装置。
  18. 【請求項18】請求項15〜16において、前記被膜成
    膜用基板を移動する移動手段を備え、前記反射磁界発生
    装置は前記被膜成膜用基板と連動して、移動されること
    を特徴とする薄膜作製装置。
  19. 【請求項19】請求項18において、前記移動手段は減
    圧側と大気圧側にて磁気シールによって接続され、前記
    反射磁界発生装置と前記磁気シールの間に磁気シールド
    を設けてあることを特徴とする薄膜作製装置。
  20. 【請求項20】請求項15〜16において、前記反射磁
    界発生装置において、永久磁石のN極とS極が交互にル
    ープ状にほぼ同一平面に並んで固定されており、前記ル
    ープ状にほぼ沿うような磁界のみが発生するように、磁
    気シールドを前記ループ状に沿わない磁界を遮断するよ
    うに設けてあることを特徴とする薄膜作製装置。
  21. 【請求項21】請求項20において、前記永久磁石とし
    て、希土類コバルト、Alnico5、タングステン
    鋼、炭素鋼、KS鋼、OP磁石、Ferroxdure
    2、のいずれかを用いることを特徴とする薄膜作製装
    置。
  22. 【請求項22】請求項20において、前記永久磁石とし
    て、U字磁石あるいは棒磁石を用いることを特徴とする
    薄膜作製装置。
  23. 【請求項23】請求項20において、前記磁気シールド
    の高さが前記永久磁石の高さより高いことを特徴とする
    薄膜作製装置。
  24. 【請求項24】請求項15、16において、前記反射磁
    界発生装置において、コイルをほぼ閉じられたループを
    形成するように巻き、前記コイルに電流を流すことによ
    って前記ループ状にほぼ沿うような磁界を発生させるこ
    とを特徴とする薄膜作製装置。
  25. 【請求項25】請求項15、16において、前記反射磁
    界発生装置において、基板の薄膜を作製する面とほぼ垂
    直な方向に電流を流すことで、閉じられたループ磁界を
    前記基板を作製する面とほぼ平行に発生させることを特
    徴とする薄膜作製装置。
  26. 【請求項26】請求項15、16において、前記反射磁
    界発生装置において、基板の薄膜を作製する面とほぼ平
    行な1組の平面電極の間で直流放電をさせることで、閉
    じられたループ磁界を前記基板を作製する面とほぼ平行
    に発生させることを特徴とする薄膜作製装置。
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