JPH0985100A - 触媒皮膜およびその製造方法 - Google Patents

触媒皮膜およびその製造方法

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JPH0985100A
JPH0985100A JP7247462A JP24746295A JPH0985100A JP H0985100 A JPH0985100 A JP H0985100A JP 7247462 A JP7247462 A JP 7247462A JP 24746295 A JP24746295 A JP 24746295A JP H0985100 A JPH0985100 A JP H0985100A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なセルフクリーニング効果を長期間維持
できない。 【解決手段】 耐熱樹脂を溶剤Xで溶かした樹脂溶液Y
に酸化触媒A、重合阻止剤Bおよび油脂や臭気を吸収す
る吸収剤Cを配合した下塗り塗料を母材11に塗布する
ことにより下塗層21を形成する。溶剤Xに酸化触媒A
と光触媒Dとの混合物を配合した上塗り塗料をウエット
状態の下塗層21の表面に塗布して上塗層22を形成し
た後、焼成を行う。吸収剤Cにより、油脂浄化性能およ
び脱臭性能が向上して、良好なセルフクリーニング効果
を長期間維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂浄化性能や脱
臭性能を有する触媒皮膜およびその製造方法に関するも
のであり、例えばオーブンレンジ等の調理器具に用いら
れるセルフクリーニング皮膜に適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、オーブンレンジ等の調理器具にお
ける加熱庫の壁面等に皮膜形成されたセルフクリーニン
グ効果(その表面に付着した油脂、臭気を分解浄化して
清浄に保つ効果)を得る触媒皮膜としては、特公平7−
4533号公報に開示されたものがある。
【0003】この触媒皮膜は、シリコーン樹脂等の耐熱
塗料、セルフクリーニング塗料および耐熱接着剤等の下
塗り塗料を用いて下塗層を形成し、溶剤に酸化触媒ある
いは酸化触媒と重合阻止剤との混合物を配合した上塗り
塗料をウエット状態の下塗層の表面に塗布して上塗層を
形成した後、焼成を行うことにより、下塗層と上塗層と
の境界面で酸化触媒や重合阻止剤を拡散させ、皮膜層の
最下部から最上部に向かって触媒含有率が徐々に増加す
る断面を有するように構成されている。これにより、皮
膜層の表面に酸化触媒や重合阻止剤の粒子が露出し、該
粒子と加熱庫の壁面等に付着する油脂等との接触面積が
大きくなって、優れたセルフクリーニング効果を得てい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オーブ
ンレンジ等の調理器具の耐用年数が約10年であるのに
対して、従来の触媒皮膜においては、良好なセルフクリ
ーニング効果を維持できる期間が約3〜5年であり、実
用性に乏しかった。
【0005】また、従来以上に脱臭性能を高めたい、膜
厚を薄くしたい、皮膜表面の仕上がり肌をざらつきのな
い平滑な状態にしたい等の要望に対して、これらの要望
を満足させる技術は十分に確立されていない。
【0006】本発明は、上記に鑑み、良好なセルフクリ
ーニング効果を長期間維持でき、さらに脱臭性能の向
上、薄い膜厚、平滑な仕上がり肌を実現できる触媒皮膜
およびこれの製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題解決手段
は、皮膜層の最下部から最上部に向かって触媒含有率が
徐々に増加する断面を有し、下塗に、酸化触媒、重合阻
止剤および油脂や臭気を吸収する吸収剤が配合された下
塗り塗料を用い、上塗に、酸化触媒が配合された上塗り
塗料を用いたものである。
【0008】また、下塗り塗料の吸収剤を疎水性を有す
る合成ゼオライトとして、膜厚の薄型化を図っており、
上塗り塗料に紫外線の照射により活性をおびて触媒の機
能を促進する光触媒を配合することにより、脱臭性能の
向上を図っている。皮膜層と金属製の母材との間に、プ
ライマー層を配することによって、母材の酸化腐食を抑
制している。下塗の膜厚を130〜140μmに、上塗
の膜厚を20〜30μmに、下塗および上塗の両方また
は上塗の各触媒の平均粒径を約25μmにすることによ
って、膜厚の薄型化とともに平滑な仕上がり肌を実現し
ている。
【0009】また、触媒皮膜の製造方法としては、耐熱
樹脂を溶剤で溶かした樹脂溶液に酸化触媒、重合阻止剤
および油脂や臭気を吸収する吸収剤を配合した下塗り塗
料を母材に塗布することにより下塗層を形成し、溶剤に
酸化触媒あるいは酸化触媒と光触媒との混合物を配合し
た上塗り塗料をウエット状態の前記下塗層の表面に塗布
して上塗層を形成した後、焼成を行っている。これによ
り、下塗層においては、上塗り塗料の溶剤により下塗り
塗料の酸化触媒、重合阻止剤、吸収剤が下塗層の表面に
移動して、上層部は触媒リッチな状態となる。また、上
塗層においては、溶剤により下塗層と上塗層との境界面
で酸化触媒等が拡散して、表面の触媒濃度が高くなる。
したがって、皮膜層の最下部から最上部に向かって触媒
含有率が増加する傾斜濃度分布の断面を有することにな
り、触媒皮膜の表面に付着した油脂や臭気を効率良く分
解浄化できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の触媒皮膜をオーブンレン
ジにおける加熱庫の壁面に形成した実施形態を説明す
る。
【0011】オーブンレンジは、図2,3に示すよう
に、レンジ本体1と、該レンジ本体1に開閉自在に支持
されたドア2とからなっている。レンジ本体1には、内
箱3が嵌め込まれており、この内箱3は、左右の側板4
a,4bと、天板4cと、底板4dと、背板4eと、調
理物投入用および表示パネル5の嵌込用の開口を有する
枠状の前板4fとから構成されている。ドア2は、枠板
6と、該枠板6に嵌め込まれたガラス窓7とから構成さ
れている。そして、内箱3とドア2とで囲まれた部分が
調理物を加熱調理する加熱庫8とされている。
【0012】また、天板4cには、天板4cの裏側に配
された図示しないヒータからの熱を、加熱庫8に導入す
るための高温熱照射孔部9が設けられている。さらに、
一方の側板4aには、側板4aの裏側に配された図示し
ない紫外線照射ランプからの紫外線を加熱庫8に導入す
るための紫外線照射窓10が設けられている。
【0013】そして、加熱庫8の壁面すなわち内箱3お
よびドア2の加熱庫8側の面には、セルフクリーニング
効果を得る触媒皮膜が形成されている。なお、油脂類や
臭気成分の付着が少ない部分、例えば内箱3の底板4d
等には、触媒皮膜を形成しなくてもよい。
【0014】ここで、触媒皮膜について詳述する。触媒
皮膜は、図1に示すように、例えばSUS430からな
る加熱庫8の壁面(以下、母材11と称す)にプライマ
ー塗料を塗布することにより形成されたプライマー層2
0と、該プライマー層20上に下塗り塗料を塗布し、さ
らに上塗り塗料を塗布することにより形成された皮膜層
とからなる。
【0015】前記プライマー層20の形成に用いられる
プライマー塗料は、メチルフェニルシリコーン樹脂を有
機溶剤で溶かした樹脂溶液に、20%のリーフィング
(精製)タイプのアルミニウム粉末が添加配合されたも
のである。母材11としてSUS等の金属が使用されて
いる場合、触媒皮膜における触媒の酸化力によって、赤
色の錆が塩水付着で発生し、見栄えが悪くなるとともに
汚れの付着や皮膜剥離等が起こり、局部腐食による穴あ
きにもつながる恐れがあるが、プライマー層20を形成
することにより母材11の酸化腐食を抑制して上記不具
合を解消できる。また、プライマー層20は触媒皮膜の
耐沸騰水性に対しても良好である。
【0016】前記下塗に用いられる下塗り塗料は、メチ
ルフェニルシリコーン樹脂等の耐熱樹脂をトルエン、ノ
ルマルブタノール、イソプロピルアルコール、ブチルセ
ロソルブ等の有機溶剤Xで溶かした樹脂溶液Yをバイン
ダーとして、主触媒である酸化触媒Aと、油脂が酸化し
て樹脂状に硬化するのを防ぐ重合阻止剤Bと、油脂や臭
気を吸収する吸収剤Cとが添加配合されたものである。
【0017】酸化触媒Aとしては、二酸化マンガン粉末
が使用され、また少量の白金粉末や白金含有率が0.1
〜0.5%のアルミナ微粒子粉末を添加したものを使用
してもよい。また重合阻止剤Bとしては、酸化アルミニ
ウム粉末が使用され、吸収剤Cとしては、合成ゼオライ
ト粉末が使用されている。
【0018】ここで、吸収剤Cを配合した理由として
は、油脂や臭気が一度に多く発生したときにはこれらを
一度に分解浄化することができないので、分解浄化しき
れない油脂や臭気を一旦溜めておいてから徐々に分解浄
化する皮膜構造とすればよく、このため油脂や臭気を吸
収する吸収剤Cを配合している。よって油脂浄化性能お
よび脱臭性能が向上して、良好なセルフクリーニング効
果を長期間維持できる。
【0019】そして、下塗り塗料を構成する各物質の配
合比率は、メチルフェニルシリコーン樹脂溶液Y:酸化
触媒A:重合阻止剤B:吸収剤Cが20:45:15:
20(重量比)とされており、油脂浄化性能および脱臭
性能を発揮する上で最適の配合比率に設定されている。
【0020】前記上塗に用いられる上塗り塗料は、下塗
り塗料に用いた有機溶剤と同じ有機溶剤Xに、下塗り塗
料に用いた酸化触媒Aである二酸化マンガン粉末と、脱
臭性能を大幅に向上させる光触媒Dとが添加配合された
ものである。
【0021】光触媒Dとしては、光半導体酸化チタン粉
末が使用され、上述したオーブンレンジの紫外線照射窓
10から加熱庫8に照射される紫外線により活性をおび
て各触媒の機能を促進する。なお、加熱庫8に照射され
る紫外線の波長は、触媒活性のある約400nmとする
のがよい。また、加熱庫8への紫外線の照射は、調理加
熱終了後の運転停止時にすればよく、時間の経過ととも
に加熱庫8の壁面が浄化され、次の調理時には壁面が清
浄化しており、前の調理のときの臭いが調理物に移るこ
とを防止できる。
【0022】また、上塗り塗料においては、酸化触媒A
が50%(重量比)すなわち触媒リッチな状態、光触媒
Dが5〜10%(重量比)で配合されており、これらを
撹拌して均一に分散懸濁させる。このとき、貯蔵安定性
をよくするために、製造時に大きな剪断力をかけずに適
当な分散剤を用いて塗料化させてある。
【0023】上記のような各塗料を用いて形成されたプ
ライマー層20、下塗、上塗の各膜厚は、油脂浄化性能
および脱臭性能を確保する上で、プライマー層20が約
5〜10μmに、下塗および上塗においては下塗の厚み
が上塗よりも厚くなるのが望ましく、下塗が100〜3
00μmの範囲内で特に130〜140μmに、上塗が
20〜100μmの範囲内で特に20〜30μmに夫々
設定されている。したがって、下塗と上塗とを合わせた
厚みが約160μmと薄くなっている。油脂浄化性能お
よび脱臭性能を低下させることなく膜厚を薄くできる要
因としては、下塗り塗料中の吸収剤Cとして疎水性を有
する合成ゼオライト粉末を使用したことによる。
【0024】また、各塗料に含まれる各触媒の平均粒径
が一般的には約35μmであるの対して約25μmに設
定されている。これにより、触媒皮膜の表面の仕上がり
肌をざらつきのない平滑な状態にすることができ、見栄
えが良くなる。しかも、薄型化しても、仕上がり肌を平
滑な状態に維持することができ、油脂浄化性能および脱
臭性能も低下することがない。なお、上塗り塗料の酸化
触媒Aのみ平均粒径を約25μmに設定しても、上述と
同様の効果を得ることができる。
【0025】次に、触媒皮膜の製造方法について詳述す
る。まず、錆や汚れのない清浄な母材11の表面にプラ
イマー塗料を塗布してプライマー層20を形成する。そ
して、下塗り塗料をプライマー層20上に塗布して下塗
層21を形成する。ここで、下塗層21単独でも、油脂
浄化性能および脱臭性能を向上し、かつ膜厚を薄く、仕
上がり肌を平滑な状態とすることができるが、触媒リッ
チな上塗層22を形成することにより触媒濃度をアップ
してさらなる相乗効果を得るようにする。
【0026】そこで、図4に示すように、上塗り塗料を
ウエット状態の下塗層21の表面に塗布して上塗層22
を形成した後、焼成を行う。このとき、下塗層21にお
いては、上塗り塗料の有機溶剤Xにより下塗り塗料の酸
化触媒A、重合阻止剤B、吸収剤Cが下塗層21の表面
に移動して、上層部が触媒リッチな状態となる。また、
上塗層22においては、有機溶剤Xにより下塗層21と
上塗層22との境界面30で酸化触媒A、光触媒Dが拡
散して、表面の触媒濃度が高くなる。
【0027】これにより、図5に示すように、母材11
上に皮膜層の最下部から最上部に向かって触媒含有率が
増加する傾斜濃度分布の断面を有することになり、触媒
皮膜の表面に付着した油脂や臭気を効率良く分解浄化で
きて良好なセルフクリーニング効果を得ることができ
る。なお、焼成、乾燥後の硬化して最終的に仕上がった
触媒皮膜は、図4に示す焼成前の下塗層21と上塗層2
2との境界面30がなくなって皮膜層として一体的とな
っている。
【0028】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。例え
ば、オーブンレンジの加熱庫の壁面以外(例えば、内箱
の前板やドアの枠板、レンジ本体等)に触媒皮膜を形成
してもよく、この場合、昇温が期待できず酸化触媒等に
よる分解浄化が活発に行われないので、光触媒を主触媒
にした触媒皮膜を形成すればよい。すると、オーブンレ
ンジ全体のトータル的なセルフクリーニングを実現でき
る。また、レンジ本体内の空気循環経路(ダクト)に触
媒皮膜を形成すると、触媒皮膜の脱臭性能により種類の
異なった調理物を調理加熱しても臭い移りがなく、美味
しい調理物を提供できる。さらに、母材が酸化腐食しに
くい部材から構成されていると、プライマー層を形成し
なくてもよい。
【0029】
【実施例】以下、上記触媒皮膜によって良好なセルフク
リーニング効果を確認する実験について詳述する。実験
は、上記触媒皮膜を形成した試験板上に牛ロースの調理
煮汁を約0.1g滴下し、これを300℃雰囲気の電気
炉中に20分間保持することを1サイクルとして、試験
板の触媒皮膜の表面に光沢のある油脂の樹脂化が起こっ
たときを浄化の能力限界として評価した。その結果、従
来の触媒皮膜では、3サイクルで能力限界に達したのに
対して、上記触媒皮膜では、10サイクル以上で能力限
界に達した。したがって、耐用年数(セルフクリーニン
グ効果を維持できる期間)に換算すると、従来の触媒皮
膜では実績統計から国内使用の耐用年数が約3〜5年で
あることから、上記触媒皮膜では耐用年数が約10〜1
5年になる。
【0030】一方、脱臭性能を確認する実験は、約21
0μmの上記触媒皮膜(光触媒Dが含まれていないもの
とする)を形成した板厚0.6mm、大きさ5cm四方
のステンレス製の試験片を200mlの容器内に入れて
おき、この容器内に魚の腐敗臭であるトリメチルアミン
の30%水溶液3μlを滴下し、100℃で5分間、そ
の後室温で10分間保持して濃度を測定した。その結
果、ブランク900ppmに対して、従来の触媒皮膜で
はトリメチルアミン濃度が約12〜22ppmとなり、
上記触媒皮膜では約5〜8ppmとなって脱臭性能も向
上していた。
【0031】さらに、上塗り塗料に光触媒D(光半導体
酸化チタン粉末)を添加配合した触媒皮膜の場合、上述
と同様の脱臭性能測定を行うと、トリメチルアミン濃度
が約3〜5ppmとなり、しかも波長が約400nmの
紫外線の照射で約1〜2ppmとなって脱臭性能を格段
に向上することができた。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、請求項1
の発明によると、下塗に用いる下塗り塗料に吸収剤が配
合されているので、油脂や臭気が一度に多く発生したと
きにはこれらを一旦吸収剤で吸収して徐々に分解浄化す
ることができ、酸化触媒および重合阻止剤だけのときよ
りも油脂浄化性能および脱臭性能が向上し、良好なセル
フクリーニング効果を長期間維持できる。
【0033】請求項2の発明によると、吸収剤が疎水性
を有する合成ゼオライトとされているので、油脂浄化性
能および脱臭性能を維持しながら触媒皮膜の膜厚を薄く
することができる。
【0034】請求項3の発明によると、上塗に用いる上
塗り塗料に光触媒が配合されているので、紫外線が照射
される場所に触媒皮膜を形成すると、光触媒が活性をお
びて各触媒の機能を促進し、特に脱臭性能を格段に向上
することができる。
【0035】請求項4の発明によると、母材として酸化
腐食を起こし易い金属が使用されている場合、触媒の酸
化力によって、錆等が発生して見栄えが悪くなるととも
に汚れの付着や皮膜剥離等が起こり、局部腐食による穴
あきにもつながる恐れがあるが、プライマー層により母
材の酸化腐食を抑制して上記不具合を解消できる。
【0036】請求項5の発明によると、触媒皮膜の膜厚
を薄くしても、触媒皮膜の表面の仕上がり肌をざらつき
のない平滑な状態の薄膜とすることができ、見栄えが良
くなる。しかも、油脂浄化性能および脱臭性能も低下す
ることがない。
【0037】請求項6の発明によると、上塗り塗料をウ
エット状態の下塗層の表面に塗布して上塗層を形成した
後、焼成を行うことにより、下塗層と上塗層との境界面
で各触媒を移動させて触媒含有率を変化させているの
で、皮膜層の最下部から最上部に向かって触媒含有率が
増加する断面を有した良好なセルフクリーニング効果を
得る触媒皮膜を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における触媒皮膜の構成図
【図2】オーブンレンジの斜視図
【図3】内箱の斜視図
【図4】焼成前の触媒皮膜の拡大断面図
【図5】焼成後の触媒皮膜の拡大断面図
【符号の説明】
11 母材 20 プライマー層 21 下塗層 22 上塗層 A 酸化触媒 B 重合阻止剤 C 吸収剤 D 光触媒 X 溶剤 Y 樹脂溶液

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膜層の最下部から最上部に向かって触
    媒含有率が徐々に増加する断面を有し、下塗に、酸化触
    媒、重合阻止剤および油脂や臭気を吸収する吸収剤が配
    合された下塗り塗料を用い、上塗に、酸化触媒が配合さ
    れた上塗り塗料を用いたことを特徴とする触媒皮膜。
  2. 【請求項2】 下塗り塗料の吸収剤が疎水性を有する合
    成ゼオライトとされたことを特徴とする請求項1記載の
    触媒皮膜。
  3. 【請求項3】 上塗り塗料に、紫外線の照射により活性
    をおびて触媒の機能を促進する光触媒が配合されたこと
    を特徴とする請求項1記載の触媒皮膜。
  4. 【請求項4】 皮膜層と金属製の母材との間に、母材の
    酸化腐食を抑制するプライマー層が配されたことを特徴
    とする請求項2または3記載の触媒皮膜。
  5. 【請求項5】 下塗の膜厚が130〜140μmとさ
    れ、上塗の膜厚が20〜30μmとされ、下塗および上
    塗の両方または上塗の各触媒の平均粒径が約25μmと
    されたことを特徴とする請求項1,2または3記載の触
    媒皮膜。
  6. 【請求項6】 耐熱樹脂を溶剤で溶かした樹脂溶液に酸
    化触媒、重合阻止剤および油脂や臭気を吸収する吸収剤
    を配合した下塗り塗料を塗布することにより下塗層を形
    成し、溶剤に酸化触媒あるいは酸化触媒と光触媒との混
    合物を配合した上塗り塗料をウエット状態の前記下塗層
    の表面に塗布して上塗層を形成した後、焼成を行い、前
    記下塗層と上塗層との境界面で各触媒を移動させて触媒
    含有率を変化させたことを特徴とする触媒皮膜の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000301055A (ja) * 1999-04-14 2000-10-31 Sharp Corp 光触媒塗膜及びその形成方法
JP2007144864A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Sanyo Electric Co Ltd 積層構造体およびそれを用いた冷凍装置

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