JPH098314A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

薄膜トランジスタ

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JPH098314A
JPH098314A JP7159696A JP15969695A JPH098314A JP H098314 A JPH098314 A JP H098314A JP 7159696 A JP7159696 A JP 7159696A JP 15969695 A JP15969695 A JP 15969695A JP H098314 A JPH098314 A JP H098314A
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JP
Japan
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semiconductor layer
channel region
region
concentration impurity
current
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JP7159696A
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Inventor
Yasumori Fukushima
康守 福島
Hideo Furumiya
秀雄 古宮
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜トランジスタ101において、チャネル
領域6及び低濃度不純物領域9及び9bでの、結晶粒界
に沿って流れるオフ電流を排除して、オフ電流値を低減
するとともに、確率的に生ずるオフ電流の増大を回避
し、オン/オフ電流比の向上及びそのばらつきの抑制を
図る。 【構成】 LDD構造のTFT101を構成する半導体
層2のチャネル領域6及び低濃度不純物領域9,9bを
含む領域の幅を、多結晶シリコンの結晶粒径の1/2よ
りも狭くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタに関
し、特に液晶表示装置のスイッチング素子に用いられる
薄膜トランジスタ(以下、TFTという。)の構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示装置のスイッチング素
子に用いられるTFTに対しては、オン電流が大きく、
かつリーク電流(オフ電流)が小さいという特性、即
ち、オン/オフ電流比が高いことが要求される。その理
由は、例えば液晶表示装置の場合には、短時間に絵素電
極へ電荷を充電するために、高いON電流が必要であ
り、また、充電された電荷を1フレームの間保持するた
めに低いOFF電流が必要なためである。
【0003】更に、表示むらや点欠陥絵素のない、表示
品位,表示品質の良好な液晶表示装置を実現するには、
各絵素TFTの電気的特性のばらつきを抑えることが必
要である。例えば、TFTのオフ電流値が大きな絵素T
FTがあると、充電された電荷を1フレームの間保持す
ることができず、液晶に十分な電圧を印加できないた
め、その絵素で液晶の光透過率が正常なものとは異なる
こととなり、その結果として輝点等の点欠陥絵素あるい
は表示むらを発生し、表示品位、表示品質の劣化をもた
らすことになる。
【0004】上述したオン/オフ電流比を高くする方法
として、従来、例えば、ポリシリコンTFTの場合、結
晶粒径の拡大等により結晶性を改善することによってオ
ン電流の向上とオフ電流の低減する方法が報告されてい
る(例えば文献:IDRC’94WORKSHOP;A
MLCDs 1.7 Lehighly unv.を参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、結晶粒
径を拡大することによってオン電流の向上及びオフ電流
の低減をでき、オン/オフ電流比を大きくできるが、他
方で、結晶粒界とチャネル部との位置関係から電気的特
性が極端に劣るTFTが確率的に発生するという危険性
が生じてくる。
【0006】即ち、例えばソース領域からドレイン領域
までつながるようにチャネル領域を縦断する形で結晶粒
界が存在するTFTでは、結晶粒界に沿ってリーク電流
が流れやすくなるために、そのTFTのオフ電流値が急
増する。
【0007】従って、その絵素TFTに対応する液晶に
本来印加されるべき電圧が印加されず、液晶の光透過率
が正常なものからずれることとなり、その結果、表示む
らや点欠陥絵素を発生させることになる。このように、
電気的特性が極端に劣るTFTは、液晶表示装置の表示
品位、表示品質を著しく劣化させることから、たとえ1
つでもこのようなTFTがあると液晶表示装置にとって
致命的な欠陥であると考えられる。
【0008】従来、液晶表示装置に用いられている絵素
TFTでは、結晶粒径と無関係にチャネル領域幅を決め
ていたため、オフ特性が極端に劣るTFTの確率的な発
生によりオフ電流のばらつきが大きくなり、従来の液晶
表示装置では、表示むらや点欠陥を防止することが困難
であった。
【0009】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、オフ電流が低く、しかも、そのばらつき
が小さく、確率的に発生するリーク電流の増大を防止す
ることのできる薄膜トランジスタを得ることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に形成された半
導体層と、該絶縁性基板上に該半導体層と絶縁膜を介し
て対向して位置するよう形成されたゲート電極と、該半
導体層のゲート電極と対向する部分に形成されたチャネ
ル領域と、該半導体層内に該チャネル領域の両側に位置
するよう形成された高濃度不純物領域とを備えている。
該半導体層は、そのチャネル領域を、該半導体層を構成
する多結晶シリコンの結晶粒界に沿って該両高濃度不純
物領域の一方からその他方に至る電流経路が存在しない
構造としたものである。そのことにより上記目的が達成
される。
【0011】この発明(請求項2)に係る薄膜トランジ
スタは、絶縁性基板上に形成された半導体層と、該絶縁
性基板上に該半導体層と絶縁膜を介して対向して位置す
るよう形成されたゲート電極と、該半導体層のゲート電
極と対向する部分に形成されたチャネル領域と、該半導
体層内に該チャネル領域と隣接して位置するよう形成さ
れた高濃度不純物領域とを備えている。該半導体層のチ
ャネル領域となっている部分は、その動作電流が流れる
方向と垂直な方向の寸法が、該半導体層を構成する多結
晶シリコンの平均の結晶粒径の1/2よりも狭くなって
いる。そのことにより上記目的が達成される。
【0012】この発明(請求項3)に係る薄膜トランジ
スタは、絶縁性基板上に形成された半導体層と、該絶縁
性基板上に該半導体層と絶縁膜を介して対向して位置す
るよう形成されたゲート電極と、該半導体層のゲート電
極と対向する部分に形成されたチャネル領域と、該半導
体層内に該チャネル領域の両側に位置するよう形成され
た高濃度不純物領域と、該半導体層内に、該チャネル領
域と該両高濃度不純物領域の少なくとも一方との間に位
置するよう形成された低濃度不純物領域とを備えてい
る。該半導体層は、そのチャネル領域と低濃度不純物領
域の両方、あるいはそのチャネル領域と低濃度不純物領
域のいずれか一方を、該半導体層を構成する多結晶シリ
コンの結晶粒界に沿って該両高濃度不純物領域の一方側
端からその他方側端に至る電流経路が存在しない構造と
したものである。そのことにより上記目的が達成され
る。
【0013】この発明(請求項4)に係る薄膜トランジ
スタは、絶縁性基板上に形成された半導体層と、該絶縁
性基板上に該半導体層と絶縁膜を介して対向して位置す
るよう形成されたゲート電極と、該半導体層のゲート電
極と対向する部分に形成されたチャネル領域と、該半導
体層内に該チャネル領域の両側に位置するよう形成され
た高濃度不純物領域と、該半導体層内に、該チャネル領
域と該両高濃度不純物領域の少なくとも一方との間に位
置するよう形成された低濃度不純物領域とを備えてい
る。該半導体層における、該チャネル領域と低濃度不純
物領域の両方、あるいは該チャネル領域と低濃度不純物
領域のいずれか一方は、その動作電流が流れる方向と垂
直な方向の寸法が、該半導体層を構成する多結晶シリコ
ンの平均の結晶粒径の1/2よりも狭くなっている。そ
のことにより上記目的が達成される。
【0014】この発明(請求項5)は、請求項1又は2
記載の薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル領域
が、並列して複数設けられているものである。
【0015】この発明(請求項6)は、請求項3又は4
記載の薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル領域と
低濃度不純物領域の両方、あるいは前記チャネル領域と
低濃度不純物領域のいずれか一方が、並列して複数設け
られているものである。
【0016】
【作用】この発明(請求項1)においては、薄膜トラン
ジスタを構成する半導体層のチャネル領域を、該半導体
層を構成する多結晶シリコンの結晶粒界に沿って、該チ
ャネル領域両側の高濃度不純物領域の一方からその他方
に至る電流経路が存在しない構造としたから、該チャネ
ル領域ではオフ電流が結晶粒界に沿って流れることはな
い。このためオフ電流値を低減できるとともに、確率的
に起こるオフ電流の増大も完全に除去でき、これにより
オン/オフ電流比の向上及びそのばらつきの抑制を図る
ことができる。
【0017】この発明(請求項2)においては、薄膜ト
ランジスタを構成する半導体層のチャネル領域を、その
動作電流が流れる方向と垂直な方向の寸法が、該半導体
層を構成する多結晶シリコンの平均の結晶粒径の1/2
よりも狭い構造としたので、チャネル領域内をソース領
域からドレイン領域までつながった形で結晶粒界が形成
されることがない。このため、上記のようにオフ電流値
を低減し、確率的に起こるオフ電流の増大も完全に除去
して、オン/オフ電流比の向上及びそのばらつきの抑制
を図ることができる。
【0018】この発明(請求項3)においては、LDD
構造の薄膜トランジスタを構成する半導体層のチャネル
領域と低濃度不純物領域の両方、あるいはこれらのいず
れか一方を、該半導体層を構成する多結晶シリコンの結
晶粒界に沿って該両高濃度不純物領域の一方側端からそ
の他方側端に至る電流経路が存在しない構造としたの
で、チャネル領域あるいは低濃度不純物領域での、結晶
粒界に沿って流れるオフ電流を完全に除去でき、これに
よってオン/オフ電流比を向上し、しかもオン/オフ電
流比のばらつきを抑制することができる。
【0019】この発明(請求項4)においては、LDD
構造の薄膜トランジスタを構成する半導体層のチャネル
領域と低濃度不純物領域の両方、あるいはこれらのいず
れか一方を、その動作電流が流れる方向と垂直な方向の
寸法が、該半導体層を構成する多結晶シリコンの平均の
結晶粒径の1/2よりも狭い構造としたので、オン/オ
フ電流比を向上し、しかもオン/オフ電流比のばらつき
を抑制することができる。
【0020】すなわち、半導体層の低濃度不純物領域及
びチャネル領域を含む領域の幅を結晶粒径の1/2以
下、即ち、1μm以下とした場合には、チャネル領域及
び低濃度不純物領域での、結晶粒界に沿って流れるオフ
電流を完全に除去できる。このため、オフ電流値を低減
するとともに、確率的に起こるオフ電流の増大も完全に
除去でき、オン/オフ電流比の向上及びそのばらつきの
抑制を図ることができる。
【0021】また、半導体層の低濃度不純物領域を含む
領域の幅を結晶粒界よりも狭い、即ち、1μm以下とし
た場合には、低濃度不純物領域での、結晶粒界に沿って
流れるオフ電流を完全に除去することができ、オフ電流
値の低減及びばらつきを飛躍的に向上することが可能と
なると共に、チャネル領域の幅を狭くしていないため、
オン電流が低濃度不純物領域の抵抗値で制限されないバ
イアス状態、いわゆるサブスレッシュ領域でのオン電流
の立ち上がりを急峻にでき、スイッチング動作を高速化
できる利点がある。
【0022】また、半導体層のチャネル領域を含む領域
の幅を結晶粒界よりも狭い、即ち、1μm以下とした場
合には、チャネル領域内をソース領域からドレイン領域
までつながった形で結晶粒界が形成されることがないた
め、オフ電流の急増を低減することができると共に、低
濃度不純物領域の幅を狭くしていないので低濃度不純物
領域の抵抗値が低く、大きなオン電流を得ることが可能
となり、オン/オフ電流比をさらに向上することが可能
である。
【0023】この発明(請求項5)においては、請求項
1又は2記載の薄膜トランジスタにおいて、前記チャネ
ル領域が、並列して複数設けられているので、個々のチ
ャネル領域の幅を狭くしたことによるオン電流の低減を
回避することができる。
【0024】この発明(請求項6)においては、請求項
3又は4記載の薄膜トランジスタにおいて、前記チャネ
ル領域と低濃度不純物領域の両方、あるいはこれらの領
域のいずれか一方が、並列して複数設けられているの
で、個々のチャネル領域あるいは低濃度不純物領域の幅
を狭くしたことによるオン電流の低減を回避することが
できる。
【0025】
【実施例】まず、本発明の基本原理について説明する。
【0026】一般に、多結晶シリコン薄膜は単結晶粒の
集合で構成されており、その結晶粒径は数ミクロン程度
であることが知られている。結晶粒と結晶粒の境界部分
には結晶粒界が存在し、この結晶粒界がTFTの電気的
特性に悪影響を及ばず原因となっていると考えられてい
る。
【0027】例えば液晶表示装置に用いられるTFTの
場合には、オフ状態でのリーク電流を小さく抑えること
が重要である。
【0028】図2に、LDD(lightly doped drain)
構造の多結晶シリコンTFTにおけるオフ電流のチャネ
ル幅依存性を示す。ここで、点線がオフ電流の各ゲート
幅でのデータの平均値を示している。
【0029】一般に単結晶シリコンの場合、トランジス
タのオフ電流はチャネル幅に対して、線形に変化するこ
とが知られている。しかし、図に示すように、多結晶シ
リコンでは、チャネル幅に対してオフ電流は非線形の関
係にあり、特にチャネル幅が1μmを越えるとオフ電流
値が極端に大きく、且つ、そのばらつきも増大している
ことが分かる。なお、この多結晶シリコンTFTの結晶
粒径はおよそ2〜3μmである。
【0030】この現象を、チャネルと結晶粒界の位置関
係を考慮して、オフ電流を次の2つの要素の和により構
成されていると考えて説明することができる(図3、図
4参照)。
【0031】構成要素A:結晶粒界を縦断して流れるオ
フ電流 構成要素B:結晶粒界に沿って流れるオフ電流 チャネル幅が1μmである場合は、チャネル幅が結晶粒
径の1/2以下であるため、ソース領域及びドレイン領
域間の距離が結晶粒径以上であれば、ソース領域からド
レイン領域までつながった形で結晶粒界が形成されるこ
とはない。従って、オフ電流は構成要素Aのみで構成さ
れると考えられる。構成要素Aは、結晶粒径とチャネル
領域の位置関係には特に依存しないと考えられる。以上
のことから、この場合は、オフ電流値およびそのばらつ
きが小さくなっていると考えられる。
【0032】一方、チャネル幅が1.5μm、2μmで
ある場合は、ソース領域及びドレイン領域間の距離が結
晶粒径以上であっても、チャネル領域と結晶粒界の位置
関係によっては、ソース領域からドレイン領域までつな
がった結晶粒界を持つ絵素TFTが確率的に発生するた
め、その絵素TFTでは、オフ電流が構成要素Aと構成
要素Bの和で構成されることになり、オフ電流が急増す
ることになると考えられる。
【0033】実際の個々の絵素TFTでは、オフ電流全
体を構成する構成要素Aと構成要素Bの割合は、それぞ
れのTFTでのチャネル領域と結晶粒界の位置関係に依
存し、構成比率も区々と考えられるが、図2の結果か
ら、チャネル幅2μmにおいては、チャネル幅1μmま
での結果から外挿すると、構成要素Aが0.04〜0.
1pAであるのに対して、構成要素Bが0〜0.3pA
となり、構成要素Bでは、構成要素Aの3倍程度のばら
つきを発生すると考えられる。
【0034】従って、構成要素Bの寄与により、1つの
液晶表示装置に含まれる各絵素TFT間のオフ電流のば
らつきも急増することになると考えられる。
【0035】以上から、チャネル幅が結晶粒径よりも狭
く、つまり概ね結晶粒径の1/2以下であり、かつソー
ス・ドレイン間の距離が結晶粒径に比べて長い(少なく
とも結晶粒径と同等以上の)場合には、ソース領域から
ドレイン領域までつながった形で結晶粒界が形成される
ことはない。ここで図4は、結晶粒界のつながりとチャ
ネル幅との関係を模式的に示している。
【0036】即ち、この場合には、先に示した構成要素
Aのみのオフ電流成分によってオフ電流が構成されるこ
とになり、オフ電流を少なくでき、しかもオフ電流が増
大したTFTが確率的に発生することを防止できると考
えられる。
【0037】他方、チャネル幅が結晶粒径に比べて広い
場合、つまり、概ね結晶粒径と同等以上である場合、チ
ャネルの長さ、あるいは低濃度不純物領域の長さに関係
なく、ソースからドレイン間までつながる形で結晶粒界
が形成されることになる。
【0038】即ち、この場合、先に示した構成要素A,
Bの両方の電流成分によってオフ電流が構成されること
になり、オフ電流の値およびそのばらつきが大きくな
り、オフ電流が大きなTFTが確率的に発生すると考え
られる。
【0039】LDD構造のTFTの場合、オフ電流値は
主に低濃度不純物領域によるチャネル領域からドレイン
領域付近にわたる領域での高電界緩和によって低減され
ている。低濃度不純物領域でのリーク電流機構、つまり
リーク電流が、結晶粒界を横断して流れるオフ電流Aと
結晶粒界に沿って流れるオフ電流Bとからなるという機
構が、LDDTFTのオフ電流に大きな影響を及ぼすと
考えられる。従って、既に上記で述べたことを考慮する
と、低濃度不純物領域の幅を結晶粒界よりも狭く、概ね
結晶粒径の1/2以下とし、かつ、低濃度不純物領域の
長さを結晶粒径に比べて長く、少なくとも結晶粒径と同
等以上とすることにより、オフ電流の低減及びばらつき
低減が可能になると考えられる。
【0040】また、この低濃度不純物領域だけでもオフ
電流の低減及びばらつき低減は可能であるが、チャネル
領域を縦断するように結晶粒界が形成される可能性が残
されており、確率的に起こるオフ電流の増大を完全に除
去することはできない。従って、低濃度不純物領域及び
チャネル領域の両方のゲート幅(電流経路の幅)を結晶
粒径の1/2以下とすると確率的に発生するオフ電流の
増大の危険性も完全に除去可能であると考えられる。
【0041】また、チャネル領域の幅のみを結晶粒界よ
りも小さく、概ね結晶粒径の1/2以下とした場合で
も、チャネル領域を縦断する様に結晶粒界が形成される
ことがないため、確率的に起こるオフ電流の急増を低減
することができると考えられる。
【0042】なお、上記説明では、TFTとしてLDD
構造のものを挙げているが、TFTとしては、上記LD
D構造のTFTで低濃度不純物領域となっている部分
を、不純物を導入しない領域としたオフセット構造のも
のでもよい。
【0043】このオフセット構造のTFTは、不純物を
導入しない領域の抵抗値が高くなるので、高耐圧用のT
FTとして使用できる。
【0044】一方、オン電流のチャネル幅依存性は図5
に示すように、通常予想されるような線形の関係にあ
る。従って、オフ電流とチャネル幅の非線形関係を考慮
すれば、チャネル領域の幅を結晶位経の1/2以下にす
ることでオン/オフ比も向上させることができる。
【0045】以下、本発明の実施例について説明する。
【0046】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
による薄膜トランジスタを説明するための図であり、図
1(a)は該薄膜トランジスタの断面構造を模式的に示
す図、図1(b)はその平面図、図1(c)はチャネル
領域及びソース,ドレイン領域の平面形状を示す図であ
る。
【0047】図において、101は本実施例のLDD構
造の薄膜トランジスタで、絶縁性基板1上に形成され
た、ポリシリコンよりなる半導体層2と、該半導体層2
上にゲート絶縁膜3を介して形成されたゲート電極4
と、該半導体層2のゲート電極4と対向する部分に形成
されたチャネル領域6と、該半導体層2内に該チャネル
領域6の両側にソース,ドレイン領域8a,8bとして
形成された高濃度不純物領域と、該半導体層2内に、該
チャネル領域6と該ソース,ドレイン領域8a,8bと
の間に位置するよう形成された低濃度不純物領域9a,
9bとを備えている。
【0048】そして、この実施例では、上記半導体層2
のチャネル領域6及び低濃度不純物領域9a,9bを含
む領域は、その幅、つまりその動作電流が流れる方向と
垂直な方向の寸法を多結晶シリコンの結晶粒径の1/2
以下としている。なお、チャネル領域6及び低濃度不純
物領域9a,9bの長さは、結晶粒径以上となってい
る。
【0049】ここで、上記半導体層2及び基板1上に
は、ゲート絶縁膜3及び層間絶縁膜10が順次連続して
形成されており、これらの絶縁膜を貫通してソース領域
8a,及びドレイン領域8bに達するコンタクトホール
11a,11bが形成されている。このコンタクトホー
ル11a,11bには、それぞれ電極12a,12bが
形成されており、上記ゲー卜電極4はチャネル領域6直
上のゲート絶縁膜3上に配置されている。
【0050】次に製造方法について説明する。図6及び
図7は本実施例の薄膜トランジスタの製造方法を工程順
に説明するための模式断面図である。
【0051】まず、絶縁基板上1にポリシリコンからな
る半導体層2を形成する(図6(a))。この絶縁基板
1には、例えば石英等の絶縁性基板、もしくは、SiO
2,Si34等の絶縁膜で覆われたSi基板を用いる。
また、半導体層2は、原科ガスとしては、例えばSi2
6(ジシラン)にN2あるいはHeを加えたものを用
い、450〜475℃、25〜50Paの条件で減圧C
VD法により厚さ1000〜1200オングストローム
の非晶質シリコンを堆積した後、熱処理して多結晶化さ
せたものである。この熱処理は、600℃、N2雰囲気
の熱処理炉の中で12〜24時間アニールすることによ
り行う。以上の方法により結晶粒径が2〜3μmの大粒
径多結晶シリコンを得ることができる。
【0052】続いて、通常のフォトリソグラフィの技術
を用いて、この多結晶化した半導体層2をチャネル領域
及び低濃度不純物領域を含んだ領域の幅が結晶粒径の1
/2以下に、即ち、1μm以下となるよう島状にパター
ニングする(図6(b))。多結晶シリコンの結晶粒径
については以下のような方法により制御することができ
る。例えば非晶質シリコンの堆積後にシリコンイオン注
入を行い、その後アニールを行う方法において、シリコ
ンイオン注入量を制御することにより、結晶粒径を0.
16〜2.5μmに制御することができる(JAPAN DISP
LAY’92 455-458)。また、多晶質シリコンの原科ガス
にSiH4を用いた場合には、サブミクロン程度の結晶
粒径を得ることができる(SID 90 DIGEST 311-314)。
【0053】なお、非晶質シリコンの形成には、上述し
た減圧CVD法の他、プラズマCVDやスパッタリング
法を使用してもよい。また、非晶質シリコンの多結晶化
にはレーザーアニール法を用いてもよい。
【0054】次に、基板1及び半導体層2全面に、CV
D法によりゲート絶縁膜3を約800オングストローム
の厚さに形成する(図6(c))。
【0055】次いで、上記半導体層2上のゲート酸化膜
3上に、リンをドープしたポリシリコンを、約4000
オングストロームの厚さに形成し、続いて、このポリシ
リコン層をパターニングしてゲート電極4を、該半導体
層2の、チャネルとなるべき領域の直上に形成する。そ
して、該ゲート電極4をマスクとして半導体層2にP+
イオンを注入することにより、低濃度不純物領域5を形
成する。これにより上記半導体層2の、ゲート電極4直
下の部分はチャネル領域6となる。なお、このときのイ
オン注入のドーズ量は5×1013cm-2以下(5×10
18cm-3以下)とする(図6(d))。なお、オフセッ
ト構造のTFTの場合は、このイオン注入が不要とな
る。
【0056】次に、レジスト膜7をゲート電極4及びそ
の近傍部分を覆うよう形成した後、該レジスト膜7をマ
スクとして、全面にP+イオンを注入して、ソース領域
8a、ドレイン領域8bを形成する。このとき、半導体
層2の、レジスト膜7下方のチャネル領域6を除く部分
には、低濃度不純物領域9a,9bが形成される。な
お、このときのイオン注入のドーズ量は3×1015cm
-2(4×1020cm-3)とする(図7(a))。
【0057】次いで、レジスト膜7を除去した後、基板
全面に層間絶縁膜10を形成し、その後、950℃で3
0分間の熱処理を施すことにより、不純物を活性化する
(図7(b))。
【0058】その後、ソース領域8a、ドレイン領域8
bに達するように層間絶縁膜10、ゲート絶縁膜3を選
択的に除去することにより、コンタクトホール11a,
11bを形成し、このコンタクトホール11a,11b
にアルミニウム等の導電材料を一部充填して電極12
a,12bを形成して、薄膜トランジスタ100を完成
する(図7(c))。
【0059】このように本実施例では、半導体層2の低
濃度不純物領域9a,9b及びチャネル領域6を含む領
域の幅を結晶粒径の1/2以下、即ち、1μm以下とし
ているので、チャネル領域及び低濃度不純物領域でのオ
フ電流の構成要素B、つまり、結晶粒界に沿って流れる
オフ電流を完全に除去できる。これによりオフ電流値を
低減できるとともに、確率的に起こるオフ電流の増大も
完全に除去でき、オン/オフ電流比の向上及びそのばら
つきの抑制を図ることができる。
【0060】この結果、例えば、TFTが液晶表示装置
に組み込まれた場合には、絵素電極へ電荷を短時間で充
電することができ、また、充電された電荷を1フレーム
の間十分に保持することができると共に、各絵素TFT
の電気的特性のばらつきを抑えることによって、表示む
らや点欠陥絵素のない表示品位、表示品質の良好な液晶
表示装置を得ることができる。
【0061】(実施例2)図8は本発明の第2の実施例
による薄膜トランジスタを説明するための図であり、図
8(a)は該薄膜トランジスタを構成する半導体層の形
状を示す平面図、図8(b)は完成した薄膜トランジス
タを示す平面図である。
【0062】図において、102は本実施例のLDD構
造の薄膜トランジスタで、これは、通常のフォトリソグ
ラフィの技術を用いて、多結晶化した半導体層の低濃度
不純物領域9a,9bを含む領域の幅を結晶粒界よりも
狭く、即ち、1μm以下としたもので、チャネル領域6
については、その幅を狭くしていない。つまり、上記第
1の実施例の薄膜トランジスタとは、チャネル領域6の
幅を狭くしていない点のみ異なっている。
【0063】このような構成の第2の実施例では、半導
体層2の低濃度不純物領域9a,9bを含む領域の幅を
結晶粒界よりも狭い寸法(1μm)以下としているた
め、低濃度不純物領域での、結晶粒界に沿って流れるオ
フ電流を完全に除去することができ、オフ電流値の低減
及びばらつきを飛躍的に向上することが可能となる。ま
た、チャネル領域の幅を狭くしていないため、オン電流
が低濃度不純物領域の抵抗値で制限されないバイアス状
態、いわゆるサブスレッシュ領域でのオン電流の立ち上
がりを急峻にでき、スイッチング動作を高速化できる利
点がある。
【0064】(実施例3)図9は本発明の第3の実施例
による薄膜トランジスタを説明するための図であり、図
9(a)は該薄膜トランジスタを構成する半導体層の形
状を示す平面図、図9(b)は完成した薄膜トランジス
タを示す平面図である。
【0065】図において、103は本実施例のLDD構
造の薄膜トランジスタで、これは、通常のフォトリソグ
ラフィの技術を用いて、多結晶化した半導体層のチャネ
ル領域6を含む領域の幅を結晶粒界よりも狭く、即ち、
1μm以下としたもので、低濃度不純物領域9a,9b
については、その幅を狭くしていない。つまり、上記第
1の実施例の薄膜トランジスタとは、低濃度不純物領域
の幅を狭くしていない点のみ異なっている。
【0066】このような構成の本実施例では、半導体層
2のチャネル領域6を含む領域の幅を結晶粒界よりも狭
く、即ち、1μm以下としているので、チャネル領域内
をソース領域からドレイン領域までつながった形で結晶
粒界が形成されることがないため、オフ電流の急増を低
減することができる。また低濃度不純物領域9a,9b
の幅を狭くしていないので、該低濃度不純物領域の抵抗
値が低く、大きなオン電流を得ることが可能となり、オ
ン/オフ電流比をさらに向上することが可能である。
【0067】(実施例4)図10は本発明の第4の実施
例による薄膜トランジスタを説明するための図であり、
図10(a)は該薄膜トランジスタの断面構造を模式的
に示す図、図10(b)はその平面図、図10(c)は
チャネル領域及びソース,ドレイン領域の平面形状を示
す図である。
【0068】図において、104は本実施例の薄膜トラ
ンジスタで、絶縁性基板1上に形成された、ポリシリコ
ンよりなる半導体層2と、該半導体層2上にゲート絶縁
膜3を介して形成されたゲート電極4と、該半導体層2
のゲート電極4と対向する部分に形成されたチャネル領
域6と、該半導体層2内に該チャネル領域6の両側にソ
ース,ドレイン領域8a,8bとして形成された高濃度
不純物領域とを備えている。
【0069】そして、この実施例では、上記半導体層2
のチャネル領域6を含む領域は、その幅、つまりその動
作電流が流れる方向と垂直な方向の寸法を結晶粒径の1
/2以下としている。なお、上記半導体層2の、幅が狭
くなっている部分の長さは、結晶粒径以上となってい
る。
【0070】この実施例の薄膜トランジスタ104は、
上記第1の実施例の薄膜トランジスタとは、低濃度不純
物領域を有していない点のみ異なっており、このような
構成の本実施例の薄膜トランジスタにおいても、上記第
1の実施例と同様、オフ電流の低減及びそのばらつきの
抑制を図ることができる効果がある。
【0071】(実施例5)図11は本発明の第5の実施
例による薄膜トランジスタを説明するための図であり、
図11(a)は該薄膜トランジスタの断面構造を模式的
に示す図、図11(b)はその平面図、図11(c)は
チャネル領域及びソース,ドレイン領域の平面形状を示
す図である。
【0072】図において、105は本実施例のLDD構
造の薄膜トランジスタで、絶縁性基板1上に形成され
た、ポリシリコンよりなる半導体層2と、該半導体層2
上にゲート絶縁膜3を介して形成されたゲート電極4
と、該半導体層2のゲート電極4と対向する部分に形成
された複数のチャネル領域6と、該半導体層2内に該各
チャネル領域6の両側にソース,ドレイン領域8a,8
bとして形成された高濃度不純物領域と、該半導体層2
内に、該各チャネル領域6と該ソース,ドレイン領域8
a,8bとの間に位置するよう形成された複数の低濃度
不純物領域9a,9bとを備えている。
【0073】本実施例の薄膜トランジスタ105は、ソ
ース,ドレイン領域8a,8b間をつなぐ電流経路を複
数有しており、各電流経路は、チャネル領域6とその両
側の低濃度不純物領域9a,9bとを含んでおり、その
幅、つまりその動作電流が流れる方向と垂直な方向の寸
法は、結晶粒径の1/2以下となっている。なお、この
実施例では、ソース,ドレイン領域間の電流経路が複数
あるため、ソース,ドレイン領域は、第1実施例のもの
と比べて幅が広くなっており、ソース,ドレイン領域8
a,8b上にはそれぞれ2つのコンタクトホールが形成
されている。その他の構成は、上記第1の実施例による
薄膜トランジスタと同一である。
【0074】このような構成の本実施例では、上記第1
の実施例の効果に加えて、チャネル領域及び低濃度不純
物領域を含む電流経路を、ソース,ドレイン領域間に複
数本並列に設けているため、個々の電流経路の幅を狭く
したことによるオン電流の低減を回避することができる
効果がある。
【0075】なお、上記第2,第3,及び第5の実施例
では、TFTとしてLDD構造のものを挙げているが、
TFTとしては、上記LDD構造のTFTの、低濃度不
純物領域となっている部分を、不純物を導入しない領域
としたオフセット構造のものでもよい。
【0076】このオフセット構造のTFTは、不純物を
導入しない領域の抵抗値が高くなるので、高耐圧用のT
FTとして使用できる。
【0077】
【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1)によ
れば、薄膜トランジスタを構成する半導体層のチャネル
領域を、該半導体層を構成する多結晶シリコンの結晶粒
界に沿って、該チャネル領域両側の高濃度不純物領域の
一方からその他方に至る電流経路が存在しない構造とし
たので、該チャネル領域ではオフ電流が結晶粒界に沿っ
て流れることはなくなり、オフ電流値の低減及び確率的
に生ずるオフ電流の増大の排除によりオン/オフ電流比
の向上及びそのばらつきの抑制を図ることができる効果
がある。
【0078】この発明(請求項2)によれば、薄膜トラ
ンジスタを構成する半導体層のチャネル領域を、その動
作電流が流れる方向と垂直な方向の寸法が、該半導体層
を構成する多結晶シリコンの平均の結晶粒径の1/2よ
りも狭い構造としたので、チャネル領域内をソース領域
からドレイン領域までつながった形で結晶粒界が形成さ
れることがなくなり、これにより上記のようにオン/オ
フ電流比の向上及びそのばらつきの抑制を図ることがで
きる効果がある。
【0079】この発明(請求項3)によれば、LDD構
造の薄膜トランジスタを構成する半導体層のチャネル領
域及び低濃度不純物領域の両方、あるいはこれらのいず
れか一方を、該半導体層を構成する多結晶シリコンの結
晶粒界に沿って該両高濃度不純物領域の一方側端からそ
の他方側端に至る電流経路が存在しない構造としたの
で、チャネル領域あるいは低濃度不純物領域での、結晶
粒界に沿って流れるオフ電流を完全に除去でき、これに
よってオン/オフ電流比を向上し、しかもオン/オフ電
流比のばらつきを抑制することができる効果がある。
【0080】この発明(請求項4)によれば、LDD構
造の薄膜トランジスタを構成する半導体層のチャネル領
域及び低濃度不純物領域の両方、あるいはこれらのいず
れか一方を、その動作電流が流れる方向と垂直な方向の
寸法が、該半導体層を構成する多結晶シリコンの平均の
結晶粒径の1/2よりも狭い構造としたので、上記のよ
うにオン/オフ電流比を向上し、しかもオン/オフ電流
比のばらつきを抑制することができる効果がある。
【0081】例えば、半導体層の低濃度不純物領域及び
チャネル領域を含んだ領域の幅を結晶粒径よりも狭くす
ることにより、これらの領域での結晶粒界に沿って流れ
るオフ電流を完全に除去でき、これによりオン/オフ電
流比の向上及びばらつき抑制を図ることができる。
【0082】また、半導体層の低濃度不純物領域を含ん
だ領域の幅を結晶粒界よりも狭くすることにより、低濃
度不純物領域での結晶粒界に沿って流れるオフ電流の排
除により、オフ電流値の低減及びばらつきを飛躍的に向
上できるとともに、チャネル領域の幅を狭くしていない
ことから、オン電流が低濃度不純物領域の抵抗値で制限
されない領域即ち、いわゆるサブスレッシュ領域でのオ
ン電流の立ち上がりを急峻にでき、スイッチング動作を
高速化できる利点がある。
【0083】また、半導体層のチャネル領域を含んだ領
域の幅を結晶粒界よりも狭くすることによりチャネル領
域を縦断する様に結晶粒界が形成されることがなくな
り、その結果、確率的に起こるオフ電流の急増を低減す
ることができる。加えて、低濃度不純物領域の幅を狭く
していないことから、低濃度不純物領域の抵抗値が低
く、大きなオン電流を得ることが可能となり、オン/オ
フ電流比もさらに向上させることが可能である。
【0084】また、この発明(請求項5,6)によれ
ば、上記薄膜トランジスタにおいて、前記チャネル領域
あるいは低濃度不純物領域が、並列して複数設けられて
いるので、個々のチャネル領域あるいは低濃度不純物領
域の幅を狭くしたことによるオン電流の低減を回避する
ことができる。
【0085】この結果、本発明のTFTを液晶表示装置
に組み込んだ場合には、絵素電極へ電荷を短時間で充電
することができ、また、充電された電荷を1フレームの
間十分に保持することができると共に、各絵素TFTの
電気的特性のばらつきを抑えることによって、表示むら
や点欠陥絵素のない表示品位、表示品質の良好な液晶表
示装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による薄膜トランジスタ
を説明するための図であり、図1(a)は該薄膜トラン
ジスタの断面構造を模式的に示す図、図1(b)はその
平面図、図1(c)はチャネル領域及びソース,ドレイ
ン領域の平面形状を示す図である。
【図2】オフ電流のチャネル幅依存性を示す図である。
【図3】オフ電流の発生機構を説明するための図であ
る。
【図4】チャネル幅とリーク電流経路の関係を示す図で
ある。
【図5】オン電流のチャネル幅依存性を示す図である。
【図6】上記第1実施例の薄膜トランジスタの製造方法
を工程順に説明するための模式断面図である。
【図7】上記第1実施例の薄膜トランジスタの製造方法
を工程順に説明するための模式断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例による薄膜トランジスタ
を説明するための図であり、図8(a)は該薄膜トラン
ジスタのチャネル領域及びソース,ドレイン領域の平面
形状を示す図、図8(b)は該薄膜トランジスタの構造
を模式的に示す平面図である。
【図9】本発明の第3の実施例による薄膜トランジスタ
を説明するための図であり、図9(a)は該薄膜トラン
ジスタのチャネル領域及びソース,ドレイン領域の平面
形状を示す図、図9(b)は該薄膜トランジスタの構造
を模式的に示す平面図である。
【図10】本発明の第4の実施例による薄膜トランジス
タを説明するための図であり、図10(a)は該薄膜ト
ランジスタの断面構造を模式的に示す図、図10(b)
はその平面図、図10(c)はチャネル領域及びソー
ス,ドレイン領域の平面形状を示す図である。
【図11】本発明の第5の実施例による薄膜トランジス
タを説明するための図であり、図11(a)は該薄膜ト
ランジスタの断面構造を模式的に示す図、図11(b)
はその平面図、図11(c)はチャネル領域及びソー
ス,ドレイン領域の平面形状を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 半導体層 3 ゲート絶縁膜 4 ゲート電極 6 チャネル領域 8a ソース領域 8b ドレイン領域 9a,9b 低濃度不純物領域 10 層間絶縁膜 11a,11b コンタクトボール 12a,12b 電極 101,102,103,104,105 薄膜トラン
ジスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に形成された半導体層と、 該絶縁性基板上に該半導体層と絶縁膜を介して対向して
    位置するよう形成されたゲート電極と、 該半導体層のゲート電極と対向する部分に形成されたチ
    ャネル領域と、 該半導体層内に該チャネル領域の両側に位置するよう形
    成された高濃度不純物領域とを備え、 該半導体層は、そのチャネル領域を、該半導体層を構成
    する多結晶シリコンの結晶粒界に沿って該両高濃度不純
    物領域の一方からその他方に至る電流経路が存在しない
    構造としたものである薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上に形成された半導体層と、 該絶縁性基板上に該半導体層と絶縁膜を介して対向して
    位置するよう形成されたゲート電極と、 該半導体層のゲート電極と対向する部分に形成されたチ
    ャネル領域と、 該半導体層内に該チャネル領域と隣接して位置するよう
    形成された高濃度不純物領域とを備え、 該半導体層のチャネル領域となっている部分は、その動
    作電流が流れる方向と垂直な方向の寸法が、該半導体層
    を構成する多結晶シリコンの平均の結晶粒径の1/2よ
    りも狭くなっている薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 絶縁性基板上に形成された半導体層と、 該絶縁性基板上に該半導体層と絶縁膜を介して対向して
    位置するよう形成されたゲート電極と、 該半導体層のゲート電極と対向する部分に形成されたチ
    ャネル領域と、 該半導体層内に該チャネル領域の両側に位置するよう形
    成された高濃度不純物領域と、 該半導体層内に、該チャネル領域と該両高濃度不純物領
    域の少なくとも一方との間に位置するよう形成された低
    濃度不純物領域とを備え、 該半導体層は、そのチャネル領域と低濃度不純物領域の
    両方、あるいはそのチャネル領域と低濃度不純物領域の
    いずれか一方を、該半導体層を構成する多結晶シリコン
    の結晶粒界に沿って該両高濃度不純物領域の一方側端か
    らその他方側端に至る電流経路が存在しない構造とした
    ものである薄膜トランジスタ。
  4. 【請求項4】 絶縁性基板上に形成された半導体層と、 該絶縁性基板上に該半導体層と絶縁膜を介して対向して
    位置するよう形成されたゲート電極と、 該半導体層のゲート電極と対向する部分に形成されたチ
    ャネル領域と、 該半導体層内に該チャネル領域の両側に位置するよう形
    成された高濃度不純物領域と、 該半導体層内に、該チャネル領域と該両高濃度不純物領
    域の少なくとも一方との間に位置するよう形成された低
    濃度不純物領域とを備え、 該半導体層における、該チャネル領域と低濃度不純物領
    域の両方、あるいは該チャネル領域と低濃度不純物領域
    のいずれか一方は、その動作電流が流れる方向と垂直な
    方向の寸法が、該半導体層を構成する多結晶シリコンの
    平均の結晶粒径の1/2よりも狭くなっている薄膜トラ
    ンジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の薄膜トランジスタ
    において、 前記チャネル領域は、並列して複数設けられている薄膜
    トランジスタ。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4記載の薄膜トランジスタ
    において、 前記チャネル領域と低濃度不純物領域の両方、あるいは
    前記チャネル領域と低濃度不純物領域のいずれか一方
    は、並列して複数設けられている薄膜トランジスタ。
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