JPH098030A - シリコン系酸化膜の製造方法 - Google Patents

シリコン系酸化膜の製造方法

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JPH098030A
JPH098030A JP15758695A JP15758695A JPH098030A JP H098030 A JPH098030 A JP H098030A JP 15758695 A JP15758695 A JP 15758695A JP 15758695 A JP15758695 A JP 15758695A JP H098030 A JPH098030 A JP H098030A
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oxide film
silicon oxide
gas
substrate
material gas
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JP15758695A
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Toshiaki Hasegawa
利昭 長谷川
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Sony Corp
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、アスペクト比が4程度の段差の埋
め込み能力を保持するとともにグローバル平坦化能力の
向上を図って、いわゆる0.25μm世代の半導体装置
の製造に対応することを可能とする。 【構成】 少なくとも、モノシランまたはポリシラン
と、アルコールとを含む原料ガスを用いた化学的気相成
長法により、基板表面(図面では保護膜13の表面)で
原料ガスガスを液状化して成膜するシリコン系酸化膜
(絶縁膜14)を製造する。または少なくとも、モノシ
ランまたはポリシランと、水溶液において酸性を呈する
ガスとを含む原料ガスを用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の絶縁膜と
して主に層間絶縁膜を形成する方法に関し、特には、シ
リコン系酸化膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置が微細化されていくにしたが
って、配線幅が細くなり配線間隔が狭くなってきてい
る。それにともない、層間絶縁膜のいわゆるギャップフ
ィル能力の向上が要求されてきている。
【0003】従来は、原料ガスをモノシラン(Si
4 )からテトラエトキシシラン(TEOS)に変える
ことでそのギャップフィル能力を向上させてきた。以下
の説明では、モノシランをSiH4 、テトラエトキシシ
ランをTEOSと記す。TEOSはSiH4 よりも反応
性が低く、基板に吸着してもなかなか膜にならない。し
かも基板表面を動きまわるため、段差被覆特性に優れて
いる。当初は、膜質を重視して、プラズマを用いた化学
的気相成長法によって原料ガスを解離して酸化シリコン
からなる絶縁膜を形成していた。以下、化学的気相成長
をCVDという。CVDはChemical Vapour Deposition
の略である。
【0004】最近の0.35μmルールの半導体装置の
製造では、TEOSガスとオゾン(O3 )ガスとを用い
ることによって原料ガスを解離し、酸化シリコンからな
る絶縁膜を形成している。O3 ガスを用いることによ
り、CVD時の圧力を大気圧程度に高くすることが可能
になっている(以下、AP−CVD法という)。それに
より、基板表面への原料ガスの供給量を増加させ、基板
表面で動きまわる距離を伸ばすことによって、さらに段
差被覆特性の向上を図っている。
【0005】しかし、次世代の0.25μmルールによ
る半導体装置の製造では、AP−CVD法を以てして
も、段差被覆能力が不十分な程度に配線のアスペクト比
が高くなってきている。それは、配線の厚さはほとんど
変わらないが、配線幅が細くなり、配線間隔が狭くなっ
てきているためである。
【0006】そこで、0.25μm世代用として、注目
されている成膜方法が、高密度プラズマを用いたCVD
法(以下、HD−CVD法という)である。このHD−
CVD法は、CVDとエッチングとの両方を同時に行う
ことができる点に特徴がある。すなわち、狭い配線間隔
を埋め込む場合、今までのCVD法では、配線間にボイ
ドを残したまま埋め込まれてしまったのに対して、この
方法では、オーバハングといわれる配線間の上部が先に
成長する形状を、イオンでスパッタエッチングすること
で無くしてしまうため、埋め込み能力が高くなる。しか
し、スパッタエッチングを用いるので、原理的にいわゆ
るパーティクルの発生が多いという欠点がある。
【0007】それに対して、最近、基板を全ての原料ガ
スの沸点より低くして、基板表面で液状化させること
で、狭い配線間に液体を流し込むようにして埋め込む、
APL(Advanced Planarization Layer)技術が開発さ
れている。このAPL技術は液体を流し込むようにして
埋め込むため、埋め込み能力が非常に大きい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】埋め込み能力に関して
は、上記従来の技術で説明したようにAPL技術は非常
に優れているが、いわゆるグローバル平坦化能力はあま
りよくない。グローバル平坦化とは、広い領域における
段差を膜で覆ってその膜の表面を平坦化することで、最
近は、化学的機械研磨(例えばケミカルメカニカルポリ
シング、以下CMPという)によって実現されている。
特に上記したHD−CVD法とCMPとを組み合わせた
総合的な平坦化が注目されている。
【0009】グローバル平坦化の要求は、リソグラフィ
ーの露光波長の短波長化にともなう焦点深度の減少から
くるもので、0.25μm世代では、I線またはフッ化
アルゴン(ArF)エキシマレーザ光、フッ化クリプト
ン(KrF)エキシマレーザ光等を用いた露光によって
配線等をパターニングするためである。このような状況
のため、APL技術に対してもグローバル平坦化能力が
要求されてきている。現在は、配線間隔が10μmのと
きに平坦度80%程度まで得られている。しかしなが
ら、CMPは配線間隔が1mm程度でも平坦度が80%
程度まで得られていることを考慮すると、APL技術に
おける平坦化は不十分である。少なくとも、配線間隔が
50μmで平坦度が80%程度は必要である。ここでい
う平坦度とは、配線の高さをH、絶縁膜の最も薄い部分
の厚さをdとして、d/H×100で表されるものであ
る。
【0010】本発明は、APL技術の埋め込み特性を保
ちつつ、グローバル平坦化能力に優れたシリコン系酸化
膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたシリコン系酸化膜の製造方法であ
る。すなわち、第1の方法は、少なくとも、モノシラン
またはポリシランと、アルコールとを含む原料ガスを用
いた化学的気相成長法により、基板表面で原料ガスガス
を液状化して成膜するシリコン系酸化膜の製造方法であ
る。
【0012】第2の方法は、少なくとも、モノシランま
たはポリシランと、水溶液において酸性を呈するガスと
を含む原料ガスを用いた化学的気相成長法により、基板
表面で原料ガスを液状化して成膜するシリコン系酸化膜
の製造方法である。
【0013】
【作用】上記第1の方法では、原料ガスにモノシランま
たはポリシランと、アルコールとを含むことから、基板
上で液状化した原料ガスの粘度が低下される。すなわ
ち、アルコールによって溶媒が多くなるため固化成分が
減少する。このように溶媒となるアルコールを添加する
ことで、擬似的に構成分子間の引力が小さくなる。その
ため、原料ガスが液状化したものが基板全体に広がり易
くなるので、グローバル平坦化が成される。
【0014】上記第2の方法では、原料ガスに、少なく
とも、モノシランまたはポリシランと、水溶液において
酸性を呈するガスとを用いることから、原料ガスが基板
表面で液状化した際のpHは低くなる。また、基板上で
液状化した原料ガスは、例えば以下に示すような反応式
(1)〜(3)にしたがって重合を繰り返して膜になっ
ていく。
【0015】
【化1】 SiH4 +2H2 2 →Si(OH)4 +2H2 ↑ ・・・(1)
【0016】
【化2】 Si(OH)4 +Si(OH)4 →(OH)3 SiOSi(OH)3 +H2 O ・・・(2)
【0017】
【化3】 (OH)3 SiOSi(OH)3 +Si(OH)4 →(OH)3 SiOSiO(OH)2 Si(OH)3 +H2 O ・・・(3)
【0018】すなわち、上記重合反応はゾルゲル反応を
基板表面で起こしていくということである。そして上記
重合反応の反応速度を遅くすることによりグローバル平
坦化が進むので、そのためには反応平衡を逆方向に進め
るような条件にすればよい。上記のように原料ガスの一
つに水溶液において酸性を呈するガスを用いるので、p
Hが低くなる。そして特に2<pH<7の状態で反応速
度を低下させることができる。具体的に説明すると、上
記重合反応は以下に示す反応式(4),(5)のように
なる。
【0019】
【化4】 ≡Si−OH+OH- →≡Si−O- +H2 O ・・・(4)
【0020】
【化5】 ≡Si−O- +HO−Si→≡Si−O- −Si≡+OH- ・・・(5)
【0021】重合反応は上記のような反応式にしたがっ
て進むが、pHが小さく、OH- の濃度が薄い状態で
は、反応式(4)の反応が進み難い。したがって、酸性
にすることで重合反応を制御することができるので、グ
ローバル平坦化が成される。
【0022】
【実施例】第1発明の実施例として、本発明のシリコン
系酸化膜の製造方法とその前後のプロセス工程とを併せ
て、図1の製造工程図によって説明する。図1は、本発
明のシリコン系酸化膜の製造方法を用いて形成した配線
構造の断面図である。
【0023】図1の(1)に示すように、配線材料の成
膜工程、リソグラフィー工程、エッチング工程等からな
る既知の配線形成技術によって、基板11上に複数の配
線12を形成した。上記基板11は、例えば、半導体基
板上に素子(図示省略)が形成され、その素子を覆う状
態に絶縁膜(図示省略)が形成されたものである。続い
て各配線12を覆う状態に保護膜13を形成した。この
保護膜13は、その上面側に形成される本発明のシリコ
ン系酸化膜を形成する際に生成される水成分やアルコー
ル成分などから基板11や配線12を保護するもので、
それによって、例えばコロージョンの防止が図られ、ト
ランジスタのホットキャリア耐性が確保される。
【0024】次に上記保護膜13の製造方法の一例を説
明する。原料ガスにシリコン原子を含むガスとして例え
ばモノシラン(SiH4 )と酸素原子(O)を含むガス
として例えば酸素(O2 )とを用い、それに希釈(搬
送)ガスとして例えばヘリウム(He)を混合して、容
量結合型のプラズマCVD装置(図示省略)に導入し
た。そしてプラズマCVD装置の電極間に高周波電力を
供給し、このプラズマCVD装置内に配置された上記基
板11上に保護膜13を例えば50nmの厚さに形成し
た。保護膜13の形成時は、プラズマCVD装置内の真
空度は例えば100Paとし、基板11は例えば350
℃に加熱し、13.56MHzの高周波電力を例えば
1.0W/cm2 の密度で印加した。
【0025】次に、上記保護膜13上に本発明の方法に
よってシリコン系酸化膜14を形成した。
【0026】上記シリコン系酸化膜14の製造方法の一
例を説明する。原料ガスに、シリコン原子を含むガスと
して例えばモノシラン(SiH4 )と酸化剤として例え
ば過酸化水素(H2 2 )とアルコール添加ガス(気化
して導入する)として例えばエチルアルコール(C2
5 OH)とを混合したものを用い、その原料ガスを一般
の低圧CVD装置(図示省略)に導入した。上記原料ガ
スの流量は、モノシラン(SiH4 ):50sccm、
過酸化水素(H2 2 ):200sccm、エチルアル
コール(C2 5 OH):25sccmとした。以下、
sccmは標準状態における体積流量(cm3 /分)を
表す。
【0027】また上記低圧CVD装置内には導入ガスを
拡散するための拡散板(図示省略)が設けられている。
そして上記拡散板を例えば100℃に保持して、シリコ
ン系酸化膜14を例えば800nmの厚さに形成した。
シリコン系酸化膜14の形成時には、低圧CVD装置内
の真空度は例えば200Paとし、基板11は0℃に冷
却した。
【0028】このようにして形成したシリコン系酸化膜
14は、アスペクト比=4で配線間隔50μmまでの段
差をほぼ平坦な形状(平坦度=80%)に形成すること
ができた。したがって、上記製造方法は優れたギャップ
フィル能力とグローバル平坦化能力とを有していること
がわかった。以下、平坦度は、配線の高さをH、シリコ
ン系酸化膜の最も薄い部分の厚さをdとしたときのd/
H×100とする。
【0029】次いで図1の(2)に示すように、上記シ
リコン系酸化膜14の上面に絶縁膜15として、CVD
法によって、厚さが0.3μmの酸化シリコン(SiO
2 )膜を形成した。この堆積方法としては、CVD法以
外にもあり、例えばスパッタリング法または塗布法があ
る。
【0030】次に、上記シリコン系酸化膜14中の水分
を除去するためにアニーリングを行った。このアニーリ
ングでは、例えば一般に用いられているファーネスアニ
ール炉を用い、不活性な雰囲気として例えば400℃の
窒素(N2 )雰囲気で15分間のアニーリングを行っ
た。
【0031】さらに多層配線を形成する場合には、概略
断面図で表した図2に示すように、上記図1で説明した
保護膜13,シリコン系酸化膜14および絶縁膜15
に、必要に応じてコンタクトホール16を開口する。続
いて上記コンタクトホール16内に導電性のプラグ17
を形成する。次いで上記絶縁膜15上に配線21、保護
膜22を上記図1を用いて説明したのと同様の方法によ
って形成する。そして、本発明の方法によってシリコン
系酸化膜23(図1のシリコン系酸化膜14に相当)を
形成する。続いて上記図1の(2)を用いて説明したの
と同様の方法によって絶縁膜24を形成する。その後ア
ニーリングを行ってシリコン系酸化膜23中の水分を除
去する。このように、上記図1で説明した工程を繰り返
して行えば多層配線が形成できる。
【0032】上記第1実施例では、アルコールを添加す
ることによって、液状化した原料ガス物質の粘度が低下
するため、流動し易くなる。
【0033】上記第1実施例では、シリコン原子を含む
ガスとしてモノシラン(SiH4 )を用いたが、例えば
ポリシランとして、ジシラン(Si2 6 )、トリシラ
ン(Si3 8 )等を用いることも可能である。そのと
きの導入条件は、上記モノシラン(SiH4 )の場合と
同様に設定すればよい。上記説明ではアルコール添加ガ
スとして例えばエチルアルコール(C2 5 OH)を用
いたが、Cn 2n+1OH〔式中のnは自然数を表す〕で
表されるようなアルコールとして、例えばメチルアルコ
ール(CH3 OH)、プロピルアルコール(C3 7
H)、ブチルアルコール(C4 9 OH)等を用いるこ
とも可能である。そのときの条件はエチルアルコール
(C2 5 OH)と同様である。また、上記酸化剤とし
ては過酸化水素(H2 2 )を用いたが、水(H2 O)
を用いることもできる。ただし、過酸化水素のほうが反
応によってH2 Oが発生し易いので好ましい。
【0034】さらに上記基板温度を0℃に設定したが、
この基板温度は、原料ガスのうちの少なくとも1種類の
ガスが液状化する温度に設定されていればよい。したが
って、基板温度は、原料ガスのうちの少なくとも1種類
のガスの凝固点より高く沸点より低い温度に設定すれば
よい。そして望ましくは、シリコン原子を含むガスとし
て例えばモノシラン(SiH4 )またはジシラン(Si
2 6 )を用いた場合には、上限は50℃以下に設定
し、トリシラン(Si3 8 )を用いた場合には、上限
は100℃以下に設定する。もし基板温度が上記温度範
囲に設定されない場合には、温度が低い場合には基板上
で原料ガスが昇華し、温度が高い場合には基板上で原料
ガスが気化するため、基板上で原料ガスが液状化しな
い。
【0035】次に第2発明の第1実施例を説明する。こ
の第1実施例は、上記図1によって説明したシリコン系
酸化膜14の製造方法以外は、上記第1発明の実施例と
同様なので、ここでは、上記図1を用いて、シリコン系
酸化膜14の製造方法を説明し、他の構成部品の説明は
省略する。
【0036】以下、シリコン系酸化膜14の製造方法の
一例を説明する。原料ガスにシリコン原子を含むガスと
して例えばモノシラン(SiH4 )と酸化剤として例え
ば過酸化水素(H2 2 )と酸系添加ガス(気化して導
入する)として例えばフッ化水素(HF)とを混合した
ものを用い、その原料ガスを一般の低圧CVD装置(図
示省略)に導入した。上記原料ガスの流量は、モノシラ
ン(SiH4 ):50sccm、過酸化水素(H
2 2 ):200sccm、フッ化水素(HF):25
sccmとした。
【0037】この低圧CVD装置内には導入ガスを拡散
するための拡散板(図示省略)が設けられている。そし
て上記拡散板を例えば100℃に保持して、シリコン系
酸化膜14を例えば800nmの厚さに形成した。シリ
コン系酸化膜14の形成時には、低圧CVD装置内の真
空度を例えば200Paとし、基板11は0℃に冷却し
た。
【0038】このようにして形成したシリコン系酸化膜
14は、アスペクト比=4で配線間隔50μmまでの段
差をほぼ平坦な形状(平坦度=80%)に形成すること
ができた。したがって、上記製造方法は優れたギャップ
フィル能力とグローバル平坦化能力とを有していること
がわかった。
【0039】以下、上記図1によって説明したのと同様
にして、例えばCVD法によって、シリコン系酸化膜1
4の上面に絶縁膜15として厚さが0.3μmの酸化シ
リコン(SiO2 )膜を形成した。この堆積方法として
は、CVD法以外にもあり、例えばスパッタリング法ま
たは塗布法がある。
【0040】次に、上記シリコン系酸化膜14中の水分
を除去するためにアニーリングを行った。このアニーリ
ングでは、例えば一般に用いられているファーネスアニ
ール炉を用い、不活性な雰囲気として例えば400℃の
窒素(N2 )雰囲気で15分間のアニーリングを行っ
た。
【0041】そして多層配線を形成する場合には、上記
説明した工程を繰り返して行えばよい。その結果、上記
図2によって説明したような多層配線構造を形成するこ
とができる。
【0042】上記第2発明の第1実施例では、原料ガス
の一つに酸系添加ガスを用いることで、以下の反応式
(6),(7)に示されるような反応が遅くなる。
【0043】
【化6】 ≡Si−OH+OH- →≡Si−O- +H2 O ・・・(6)
【0044】
【化7】 ≡Si−O- +HO−Si→≡Si−O- −Si≡+OH- ・・・(7)
【0045】重合反応は上記のような式にしたがって進
むが、pHが小さく、OH- の濃度が薄い状態では、反
応式(6)の反応が進み難い。したがって、酸性にして
おくことで重合反応を制御することができる。
【0046】上記第2発明の第1実施例では、シリコン
原子を含むガスとしてモノシラン(SiH4 )を用いた
が、例えばポリシランとして、ジシラン(Si
2 6 )、トリシラン(Si3 8 )等を用いることも
可能である。そのときの導入条件は、上記モノシラン
(SiH4 )の場合と同様に設定すればよい。また酸系
添加ガス(気化して導入する)としてフッ化水素(H
F)を用いたが、例えば塩化水素(HCl)、臭化水素
(HBr)、ヨウ化水素(HI)も同様にして用いるこ
とができる。そのときの条件はフッ化水素(HF)と同
様である。さらに有機酸のうちOH基の濃度を低下させ
る物質を用いることも可能である、そのような物質とし
ては例えばギ酸(HCOOH)、酢酸(CH3 COO
H)等がある。また、上記酸化剤としては過酸化水素
(H2 2 )を用いたが、水(H2 O)を用いることも
できる。ただし、過酸化水素のほうが反応によってH2
Oが発生し易いので好ましい。
【0047】さらに上記基板温度を0℃に設定したが、
この基板温度は、原料ガスのうちの少なくとも1種類の
ガスが液状化する温度に設定されていればよい。したが
って、基板温度は、原料ガスのうちの少なくとも1種類
のガスの凝固点より高く沸点より低い温度に設定すれば
よい。そして望ましくは、シリコン原子を含むガスとし
て例えばモノシラン(SiH4 )またはジシラン(Si
2 6 )を用いた場合には、上限は50℃以下に設定
し、トリシラン(Si3 8 )を用いた場合には、上限
は100℃以下に設定する。もし基板温度が上記温度範
囲に設定されない場合には、温度が低い場合には基板上
で原料ガスが昇華し、温度が高い場合には基板上で原料
ガスが気化するため、基板上で原料ガスが液状化しな
い。
【0048】次に第2発明の第2実施例を説明する。こ
の第2実施例は、上記図1によって説明したシリコン系
酸化膜14の製造方法以外は、上記第1発明の実施例と
同様なので、ここでは、上記図1を用いて、シリコン系
酸化膜14の製造方法を説明し、他の構成部品の説明は
省略する。
【0049】以下、シリコン系酸化膜14の製造方法の
一例を説明する。原料ガスにシリコン原子を含むガスと
して例えばモノシラン(SiH4 )と酸化剤として例え
ば過酸化水素(H2 2 )と酸系添加ガス(気化して導
入する)として例えばギ酸(HCOOH)とを混合した
ものを用い、その原料ガスを一般の低圧CVD装置(図
示省略)に導入した。上記原料ガスの流量は、モノシラ
ン(SiH4 ):50sccm、過酸化水素(H
2 2 ):200sccm、ギ酸(HCOOH):25
sccmとした。
【0050】この低圧CVD装置内には導入ガスを拡散
するための拡散板(図示省略)が設けられている。そし
て上記拡散板を例えば100℃に保持して、シリコン系
酸化膜14を例えば800nmの厚さに形成した。シリ
コン系酸化膜14の形成時には、低圧CVD装置内の真
空度を例えば200Paとし、基板11は0℃に冷却し
た。
【0051】このようにして形成したシリコン系酸化膜
14は、アスペクト比=4で配線間隔50μmまでの段
差をほぼ平坦な形状(平坦度=80%)に形成すること
ができた。したがって、上記製造方法は優れたギャップ
フィル能力とグローバル平坦化能力とを有していること
がわかった。
【0052】以下、上記第1発明の第1実施例で説明し
たのと同様のプロセスを行うことによって、シリコン系
酸化膜14上に酸化シリコン(SiO2 )からなる絶縁
膜15を形成した。その後、アニーリングを行ってシリ
コン系酸化膜14中の水分を除去した。
【0053】そして多層配線を形成する場合には、上記
説明した工程を繰り返して行えばよい。その結果、上記
図2によって説明したような多層配線構造を形成するこ
とができる。
【0054】上記第2実施例ではギ酸(HCOOH)に
よって酸性にすることで、前記説明した第2発明の第1
実施例と同様にして、OH- の濃度が低下される。その
ため、重合反応が遅くなるのでグローバル平坦化が成さ
れる。
【0055】上記第2発明の第2実施例では、シリコン
原子を含むガスとしてモノシラン(SiH4 )を用いた
が、例えばポリシランとして、ジシラン(Si
2 6 )、トリシラン(Si3 8 )等を用いることも
可能である。そのときの導入条件は、上記モノシラン
(SiH4 )の場合と同様に設定すればよい。また酸系
添加ガス(気化して導入する)としてギ酸(HCOO
H)を用いたが、例えば酢酸(CH3 COOH)を用い
ることも可能である。そのときの条件はギ酸(HCOO
H)と同様である。また、上記酸化剤としては過酸化水
素(H2 2 )を用いたが、水(H2 O)を用いること
もできる。ただし、過酸化水素のほうが反応によってH
2 Oが発生し易いので好ましい。
【0056】さらに上記基板温度を0℃に設定したが、
この基板温度は、原料ガスのうちの少なくとも1種類の
ガスが液状化する温度に設定されていればよい。したが
って、基板温度は、原料ガスのうちの少なくとも1種類
のガスの凝固点より高く沸点より低い温度に設定すれば
よい。そして望ましくは、シリコン原子を含むガスとし
て例えばモノシラン(SiH4 )またはジシラン(Si
2 6 )を用いた場合には、上限は50℃以下に設定
し、トリシラン(Si3 8 )を用いた場合には、上限
は100℃以下に設定する。もし基板温度が上記温度範
囲に設定されない場合には、温度が低い場合には基板上
で原料ガスが昇華し、温度が高い場合には基板上で原料
ガスが気化するため、基板上で原料ガスが液状化しな
い。
【0057】上記各第1,第2発明の各実施例におい
て、原料ガス中にメチル基(CH3 )やハロゲン〔例え
ばフッ素(F)〕を含ませることで、シリコン系酸化膜
14を低誘電率化することも可能である。
【0058】そして上記各実施例では、シリコン系酸化
膜14のグローバル平坦化が可能となるので、このシリ
コン系酸化膜14上に形成される配線の信頼性を高める
ことができる。またリソグラフィー工程において焦点深
度の短い露光が可能となるので、素子の微細化が図れ
る。よって、歩留りの向上が図れるとともに、素子の高
速化、低耐圧消費電力化が図れる。
【0059】
【発明の効果】以上、説明したように、少なくとも原料
ガスにアルコールとを用いる本発明によれば、アルコー
ルによって溶媒が多くなるため基板上で液状化した原料
ガスの粘度を低下することができる。そのため、原料ガ
スが液状化したものが基板全体に広がり易くなるので、
グローバル平坦化の向上が図れる。また少なくとも原料
ガスに水溶液において酸性を呈するガスを用いる本発明
によれば、原料ガスが基板表面で液状化した際の膜のp
Hを低くすることができる。そのため、重合反応の反応
速度を遅くすることができるので、その間にグローバル
平坦化を進ませることが可能となる。したがって、本発
明の方法によれば、アスペクト比が4程度の段差の埋め
込みが可能となるので、ギャップフィル能力の向上が図
れるとともにグローバル平坦化能力の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の製造工程図である。
【図2】多層配線の形成例の説明図である。
【符号の説明】
14 シリコン系酸化膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学的気相成長法により基板上で原料ガ
    スを液状化して成膜するシリコン系酸化膜の製造方法に
    おいて、 前記原料ガスは、少なくとも、モノシランまたはポリシ
    ランと、アルコールとを含むことを特徴とするシリコン
    系酸化膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 化学的気相成長法により基板上で原料ガ
    スを液状化して成膜するシリコン系酸化膜の製造方法に
    おいて、 前記原料ガスは、少なくとも、モノシランまたはポリシ
    ランと、水溶液において酸性を呈するガスとを含むこと
    を特徴とするシリコン系酸化膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシリコン系酸化膜の製造
    方法において、 前記化学的気相成長法における基板温度は、原料ガスと
    なるガス物質のうちの少なくとも1種類のガス物質が基
    板表面で液状化する温度に設定されることを特徴とする
    シリコン系酸化膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のシリコン系酸化膜の製造
    方法において、 前記化学的気相成長法における基板温度は、原料ガスと
    なるガス物質のうちの少なくとも1種類のガス物質が基
    板表面で液状化する温度に設定されることを特徴とする
    シリコン系酸化膜の製造方法。
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