JPH0980138A - Squidセンサ - Google Patents

Squidセンサ

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JPH0980138A
JPH0980138A JP7236423A JP23642395A JPH0980138A JP H0980138 A JPH0980138 A JP H0980138A JP 7236423 A JP7236423 A JP 7236423A JP 23642395 A JP23642395 A JP 23642395A JP H0980138 A JPH0980138 A JP H0980138A
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JP
Japan
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squid
sensor
load
current
input
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JP7236423A
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English (en)
Inventor
Eriko Takeda
栄里子 武田
Juichi Nishino
壽一 西野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速信号に対しても正確に応答するSQUI
Dセンサを提供する。 【構成】 少なくともSQUIDと負荷抵抗と負荷イン
ダクタンスとを含んで構成したSQUIDセンサにおい
て、負荷曲線とSQUIDの電流−電圧特性における電
圧零の軸との交点が、SQUIDに流れる超電導電流の
値よりも大きくなるように構成する。 【効果】 高周波信号の入力に対してもSQUIDの超
電導状態へのリセットがなく、入力信号に対応する正確
な電圧を出力することができるSQUIDセンサを提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はSQUIDに関し、より
具体的には、センサとして機能するSQUIDからの出
力信号を増幅するための複数個のSQUIDの直列接続
体に磁気結合により信号を入力するための負荷インダク
タンスを有するSQUIDセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】SQUIDからの出力信号を、SQUI
Dを用いて構成した増幅器に入力し信号を増幅すること
は公知であり、例えば、アイイーイーイー トランザク
ションズ オン アプライド スーパーコンダクティヴ
ィティ(IEEE TRANSACTIONS ON
APPLIED SUPERCONDUCTIVIT
Y) 1993年 3巻 2605ページから2608
ページに記載されている。上記の従来技術におけるSQ
UIDおよび増幅器の回路図を図9に示す。後段の回路
は、SQUID単体の最大出力電圧が通常は数十から数
百μV程度であるため、複数のSQUIDを直列に接続
して電圧を足し合わせることで出力のアナログ増幅を行
っている。従来技術においては、センサとして機能する
SQUID100に負荷インダクタンス6を設け、その
負荷インダクタンス6とSQUID81を用いて構成し
た増幅器8を磁気結合9させることによって、増幅器8
にSQUID100からの信号を入力していた。従来技
術においては、図10に示すように、100個のSQU
IDの直列接続体で構成した増幅器8の周囲に、850
nHの負荷インダクタンス6を渦巻形状の50回巻のコ
イルとして配置し結合させていた。また、従来技術にお
いては、回路定数から決まる応答周波数の上限は約39
0kHzであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術における回路
では、信号磁束の周波数、もしくは信号磁束の大きさに
よって、本来は電圧状態を保つはずのSQUIDセンサ
が超電導状態にリセットする現象が起こることを発明者
らは確認した。そのため、従来技術における回路では入
力信号に対する本来の電圧を出力できず、従って、増幅
器からの出力電圧も正確な値にならないという問題があ
った。また、従来技術においては、負荷インダクタンス
の値が非常に大きかったため、負荷インダクタンスと増
幅器を構成するSQUIDとの相互インダクタンスが大
きく、前段のSQUIDへの信号が1Φ0(Φ0=2.0
7×10-15Wb:磁束量子)であっても、増幅器から
の出力では入力信号は数Φ0の大きさに相当するように
なっていた。SQUIDの入出力特性は、Φ0を周期と
した周期関数になっている。そのため、従来技術におい
ては、SQUIDへの入力信号の大きさが、本来入力で
きるはずの磁束の大きさの数分の1に制限されてしま
い、ダイナミックレンジが狭くなるという問題があっ
た。また、前段のSQUIDと後段のSQUIDの特性
が異なるため、先に述べた入力信号の範囲であっても、
前段のSQUIDに入力された磁束の大きさによって、
実効的な増幅率が変化するという問題があった。さら
に、従来技術に示されているように、後段のSQUID
の周囲にまとめて負荷インダクタンスを配置するという
回路パタンでは負荷インダクタンスと増幅器を構成する
個々のSQUIDとの磁気結合度が悪く、そのため不要
に負荷インダクタンスを大きくしていた。負荷インダク
タンスが大きいほど、前記SQUIDに入力できる信号
の周波数は低くなるため、従来技術においては伝達でき
る信号の周波数範囲を不要なインダクタンスによって狭
くしているという問題があった。
【0004】本発明の第一の目的は、上記の従来技術の
持つ問題を解決して、高周波信号の入力に対してもSQ
UIDの超電導状態へのリセットがなく、従って入力磁
束に対応する正確な信号を出力することができるSQU
IDセンサを提供することである。また、本発明の第二
の目的は、前記センサのダイナミックレンジを最大に保
ち、かつ、どの大きさの信号に対しても増幅率を一定に
保ち、かつ、増幅できる信号の周波数範囲が広い増幅器
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の第1の目
的は、少なくともSQUIDと、前記SQUIDへバイ
アス電流を供給するバイアス電流源と、前記バイアス電
流源から見て前記SQUIDに対して並列に接続された
負荷抵抗並びに負荷インダクタンスと、前記SQUID
へ信号を入力する信号入力手段とを含むSQUIDセン
サにおいて、前記SQUIDの全臨界電流値の最大値
が、前記バイアス電源からSQUIDに供給される電流
値と前記SQUIDへの入力信号の変化により前記負荷
インダクタンスに生じる誘導起電力に起因する電流(以
下、誘導電流)との差より小となるように、前記のSQ
UID、負荷抵抗、負荷インダクタンス、及びバイアス
電流源の仕様を選定して、当該SQUIDセンサを構成
することにより達成される。この条件は、SQUIDの
全臨界電流値の最大値をIc(max)、SQUIDへ
のバイアス電流をIb、SQUIDへの入力信号の変化
により負荷インダクタンスに生じる誘導起電力をVl、
前記SQUIDへの負荷となる負荷抵抗又は負荷抵抗と
負荷インダクタンスとからなる全負荷の交流抵抗値をR
とすると、次の式で表わされる。
【0006】
【数1】 Ic(max) < Ib−(Vl/
R) 上式において、誘導電流はVl/Rとなる。上述の様な
基本構成を有するSQUIDセンサにおいて、負荷抵
抗、負荷インダクタンス、又はバイアス電流源の動作パ
ラメータが可変の場合、上述の条件を満たすように、負
荷抵抗の抵抗値、負荷インダクタンスのインダクタン
ス、又はバイアス電流源の電流値を設定する方法を採用
しても、本発明の第1の目的は達成できる。
【0007】本発明の第1の目的は、上述のSQUID
センサとは構成が一部異なる場合でも、以下のようなS
QUIDセンサを構成することで達成できる。即ち、前
記バイアス電流源から見て前記SQUIDに対し、前記
負荷抵抗は並列に、前記負荷インダクタンスは直列に夫
々接続されたSQUIDセンサにおいて、SQUIDの
全臨界電流値の最小値(前記SQUIDに(n+0.
5)倍の磁束量子が入射したときの臨界電流値)が、前
記バイアス電源からSQUIDに供給される電流値と前
記の所謂誘導電流値との差より小となるように、前記の
SQUID、負荷抵抗、負荷インダクタンス、及びバイ
アス電流源の仕様を選定してSQUIDセンサを構成す
ることである。この条件は、SQUIDの全臨界電流値
の最小値をIc(min)、前記SQUIDへの負荷と
なる前記負荷抵抗の交流抵抗値をR、とすると、次の式
で表わされる。
【0008】
【数2】 Ic(min) < Ib−(Vl/
R) また、本発明の第二の目的は、上記の式を満足すること
に加えて、複数個のSQUIDの直列接続体を構成する
個々のSQUIDの電圧磁束特性を、SQUIDセンサ
の電圧磁束特性とほぼ等しくし、かつ前記負荷インダク
タンスは、前記複数個のSQUIDの直列接続体を構成
する前記個々のSQUIDに対して、前記SQUIDセ
ンサへの入力信号とほぼ同じ量の信号を入力することに
よって、達成することができる。
【0009】
【作用】本発明のSQUIDセンサの作用を説明する前
に、SQUIDセンサによる磁場測定の基礎について、
図11を用いて簡単に説明する。ここでは、同じ臨界電
流値Icjと接合面積を有するジョセフソン接合を超電
導体から成るループ中に2つ有するSQUID(対称ア
レイ型と呼ばれる)を想定する。また、以下の説明では
図3や図8に示すSQUIDセンサを想定する。図3や
図8に示すようにSQUID104の超電導体から成る
ループには、これに接合された入力線と出力線との間に
2つのジョセフソン接合101(×印で表示)が並列に
形成されている。SQUIDの全臨界電流値Icは、2
つのジョセフソン接合の臨界電流値の和2Icjとな
り、その電圧−電流(I−V)特性は図11の304に
示される。ところで、SQUID104のループ内に磁
束Φexが入射すると、SQUIDの全臨界電流値ITC
次式のように変化する。
【0010】
【数3】 Ic(Φex)=2Icj|cos(πΦ
ex/Φ0)| 上式において、Φ0は磁束量子と呼ばれる2.07×1
-15Wbの物理量である。即ち、SQUIDの全臨界
電流Icはループ内に入射した磁束Φexに応じ、Φ0
期で変化する。上式によれば、Φexが(n+0.5)Φ
0のときIc=0となるが(nは整数、以下同じ)、実
際はループ自体の有するインダクタンスLに起因する自
己磁場Φsの影響を受けるためにIcは0にならず、I
−V特性も図11の302のようになる。
【0011】SQUIDは、上述のような特徴を活かし
て磁場を測定する。まず磁場は、磁束ΦexとしてSQU
IDのループに入射すると、SQUIDの全臨界電流値
は変化し、これに伴いループに設けられた入力線と出力
線との間の電圧が変化する。これらの変化は、図11か
ら明らかなように0.5Φ0毎の磁束変化に対して、Δ
Ic又はΔVの範囲で増減を繰り返す(因みに、RD
SQUIDの動作抵抗である)。このため、図3及び8
に示すようなSQUIDセンサにおいては、予め特定の
磁束Φexにおいて磁場測定の基準点(所謂、動作点)を
設定し、この点におけるSQUIDに生じる電圧、電流
を基準に、これらの増減から磁束信号の出力を行う。動
作点が設定される磁束値は、nΦ0又は(n+0.5)
Φ0以外の任意のΦexが選定される。理由は、nΦ0(又
は(n+0.5)Φ0)では、磁束の増減に拘らず電圧
は増加(減少)し、負荷が接続されている場合には負荷
に流れる電流は増加(減少)するからである。従って、
動作点としては、(n+0.25)Φ0又は(n+0.
75)Φ0の磁束値が望ましい。
【0012】次に、SQUIDセンサによる具体的な磁
場測定とその問題(本発明の第1の目的で解決せんとす
る)について、図11を用いて説明する。ここでは、図
3又は8に示した構成のSQUIDセンサを利用する。
まず、0.25Φ0の磁束値において初期の動作点を設
定する。動作点は、0.25Φ0(図11では、(n+
0.25)Φ0として表示)でのSQUIDのI−V特
性曲線300と、バイアス電流源105から供給される
バイアス電流Ibに対して負荷抵抗7及び負荷インダク
タンス6により決まるSQUID104の負荷曲線30
1(全負荷Rの逆数の傾きを有する)との交点Aに相当
する。この動作点の状態にSQUIDセンサがあると
き、バイアス電流IbのうちのIAはSQUID104
に、Ib−IAは負荷抵抗7と負荷インダクタンス6か
らなる全負荷側に夫々流れる(IAは、電流軸方向のA
点の高さ)。SQUIDセンサが動作点状態にあると
き、さらに+0.1Φ0の磁束がSQUID104に入
力されると、SQUIDのI−V特性曲線は306とな
り、これと負荷曲線301との交点Bに動作点もシフト
する。逆に−0.1Φ0の磁束がSQUID104に入
力されると、SQUIDのI−V特性曲線は308とな
り、これと負荷曲線301との交点Dに動作点はシフト
する。従って、+0.1Φ0の磁束入力に対してIB−I
Aの、−0.1Φ0の磁束入力に対してID−IAの電流変
化が夫々SQUIDにて生じる。ここでIbは電流軸方
向のB点の高さである。このとき、SQUID104は
電圧状態(ジョセフソン接合部101に臨界電流値以上
の電流が流れる状態)にある。また、+0.1Φ0の磁
束がSQUID104に入力された後、動作点はB点に
留まるため(−0.1Φ0の場合も同じくD点に留ま
る)、磁束のSQUID入力後、動作点は帰還回路(図
示せず)により初期のA点に戻される。ジョセフソン接
合部101に並列に設けてられたシャント抵抗102
は、SQUID104に入力される磁束の増減に伴うI
−V特性のヒステリシスを低減するものである。
【0013】SQUID104への磁束入力により発生
する上述の電流変化、又は電圧変化の信号は、増幅器8
へ入力されVout端子から出力される。通常、増幅器8
はSQUID81の直列連続体により構成され、これと
負荷インダクタンス6を磁気結合9させることにより、
磁束入力によるSQUID電流変化に伴って生じる負荷
インダクタンスに流れる電流の変化をSQUIDの直列
連続体に入力する。ところで、負荷インダクタンス6に
おいて電流が変化すると、電流の時間変化量(di/d
t)に対して大きさLの負荷インダクタンス6には
【0014】
【数4】 Vl=L(di/dt) で表わされる誘導起電力Vlが発生する。
【0015】この誘導起電力は、負荷インダクタンス6
の位置と、負荷インダクタンス6に流れる電流の変化率
の正負とによって起電力の向きが変化する。例えば、図
3及び8に示したSQUIDセンサの場合は、SQUI
D104と負荷インダクタンス6とはバイアス電源10
5と接地電位の間において並列に配線されているため、
+0.1Φ0の磁束入力に対し、SQUID電流は|IB
−IA|分減少し、反対に負荷インダクタンス6に流れ
る電流は|IB−IA|分増加する。このとき負荷インダ
クタンス6には、誘導起電力Vlが生じ、これに並列に
接続されたSQUID104の一方の端子の電位はVl
分増える。従って、SQUID104に流れる電流はV
l/R増加し、その負荷曲線は誘導起電力Vl分だけプ
ラス方向にずれた曲線303となるため、動作点もBか
らB’にシフトする(SQUID電流の減少は、|IB
−IA|以下となる)。
【0016】反対に−0.1Φ0の磁束がSQUID1
04に入力する場合、SQUID電流の増加分だけ負荷
インダクタンス6に流れる電流が減少し、負荷曲線は誘
導起電力分だけ、マイナス方向の曲線305にシフトす
る。このとき、負荷曲線305は電圧0V以上の領域で
SQUIDのI−V特性曲線308と交差しない。この
ため、動作点は負荷曲線305と電流軸の交差するD’
点(即ち、SQUIDにおける電圧が0V)にシフトす
る。このため、図11からも明らかなようにSQUID
104に流れる電流は、その全臨界電流値Ic以下とな
り、SQUIDは、超電導状態に変化するため、磁束測
定が不可能になるという問題が生じるのである。
【0017】このような、SQUIDセンサ100に±
0.1Φ0の振幅を有する正弦波を入力した場合のSQ
UIDセンサ100の出力を図12に示す。図からも明
らかなようにΦexが−0.1Φ0近傍では入力信号の大
きさを検出できないことがわかる。また、入力信号の向
きと大きさによっては正しい電圧を出力することができ
ないこともわかる。
【0018】このような問題は、図9のSQUID10
4と負荷インダクタンス6が直列に配置された構成のS
QUIDセンサでも生じ得る。+0.1Φ0の磁束入力
に対し、SQUID電流は|IB−IA|分減少し、同様
に負荷インダクタンス6に流れる電流も|IB−IA|分
減少するため、負荷曲線は誘導起電力分だけ、マイナス
方向の曲線305にシフトする。このとき、動作点B
は、負荷曲線305とSQUIDのI−V特性曲線30
6との交点にシフトする。しかし、図11からも明らか
なように誘導起電力が大きければ、負荷曲線305は電
圧0V以上の領域でI−V特性曲線306と交差せず、
動作点は負荷曲線305と電流軸の交差する点(即ち、
SQUIDが超電導状態になる点)にシフトし、図3及
び8の構成での−0.1Φ0検出時と同じ問題が生じ
る。
【0019】ここで電圧零の軸(電流軸)と負荷曲線と
の交点に着目すると、初期状態では図11に示すように
バイアス電流Ibの値となる。負荷曲線がプラス側にシ
フトしたとき、即ち303として示した負荷曲線の位置
に移動したときは電圧軸方向への移動量がVlで負荷曲
線の傾きがRであるから電流軸と負荷曲線との交点はI
b+(Vl/R)の位置になる。一方、負荷曲線が30
5として示した位置に移動した場合は、電流軸と負荷曲
線との交点はIb−(Vl/R)の位置になる。これら
の値よりもSQUID104に流れる超電導電流が小さ
ければ(即ち、全臨界電流値が小であれば)、SQUI
D104は超電導状態にならない(磁場測定がリセット
されない)ことがわかる。
【0020】SQUID104に流れる超電導電流の値
は、SQUIDセンサ100に入力される信号の大きさ
によって変化するが、SQUIDの全臨界電流値の最小
値Ic(min)がIb+(Vl/R)よりも小さけれ
ば、そのSQUID104は少なくとも超電導状態にリ
セットしない動作範囲を有する。また、全臨界電流値の
最大値Ic(min)がIb−(Vl/R)よりも小さ
ければ、そのSQUID104は全ての大きさの入力信
号に対して超電導状態へリセットすることがない。
【0021】本発明におけるSQUIDセンサにおいて
は、図1に示すように磁束検出用のSQUIDの全臨界
電流の最小値Ic(min)がIb+(Vl/R)より
も小となるように構成しているため、SQUIDは少な
くとも超電導状態に転移しない(即ち、磁場測定がリセ
ットされない)動作範囲を確保できる。従って、その動
作範囲内で使用できる測定に対し、正確な信号電圧を出
力することができる。
【0022】さらに、本発明におけるSQUIDセンサ
の最もよい構成は、図2に示すように磁束検出用のSQ
UIDの全臨界電流の最大値Ic(max)がIb−
(Vl/R)よりも小とするものである。かように構成
することで、どのような入力信号に対してもリセットし
ないSQUID104を実現することができ、より広範
囲の測定に対しても、正確な電圧を出力することができ
る。また、SQUIDと負荷インダクタンスを直列に配
置するSQUIDセンサの回路構成では、図11から明
らかなようにIc(min)がIb−(Vl/R)に対
して小となるようにすることで、動作点におけるSQU
IDを電圧状態とすることが可能になる。以上詳述した
ように、本発明によれば、高周波信号の入力に対しても
(即ち、Vlが大)SQUIDの超電導状態へのリセッ
トがなく、従って入力磁束に対応する正確な信号を出力
することができるSQUIDセンサを提供することがで
きる。
【0023】また、本発明におけるSQUIDにおいて
は、複数個のSQUIDの直列接続体を構成する個々の
SQUIDの電圧磁束特性を、SQUIDセンサの電圧
磁束特性とほぼ等しくし、かつ前記負荷インダクタンス
は、前記複数個のSQUIDの直列接続体を構成する前
記個々のSQUIDに対して、前記SQUIDセンサに
入力された信号とほぼ同じ量の信号を伝達するように構
成している。
【0024】その結果、SQUIDセンサのダイナミッ
クレンジを最大に保ち、かつ、どの大きさの信号に対し
ても増幅率を一定に保つ増幅器を実現できる。この理由
について、以下に詳細を述べる。
【0025】SQUIDの入出力特性は、磁束量子Φ0
(Φ0=2.07×10-15Wb)を周期とした周期関数
であり、nΦ0(nは整数)から(n+0.5)Φ0まで
は入力磁束の増加にともない出力電圧も増加し、(n+
0.5)Φ0から(n+1)Φ0の間は入力磁束の増加に
ともない出力電圧は減少する。従って、動作点を(n+
0.25)Φ0、もしくは、(n+0.75)Φ0に設定し
た場合は動作点に対して±0.25Φ0の間は,入力信号
と出力電圧が1対1に対応するため、±0.25Φ0のダ
イナミックレンジを得ることができる。この値はSQU
IDに対するダイナミックレンジとしては最大である。
【0026】従来技術においては、SQUIDセンサへ
の入力磁束と、増幅器を構成する個々のSQUIDへの
SQUIDセンサからの伝達磁束量は等しくなかった。
そのため、前段のSQUIDへ1Φ0の磁束が入力され
た場合に生じた信号電流によって、後段には数Φ0相当
の磁束が入力されたことになっていた。例えば、1Φ0
の入力が7Φ0に増幅されてしまう場合は、増幅器を構
成するSQUIDにも入出力特性にΦ0の周期性がある
ことを考慮すると、SQUIDセンサには増幅器に入力
できる磁束の1/7の磁束しか入力できなくなる。その
結果、回路全体としてのダイナミックレンジが狭くなっ
てしまうことがわかる。しかし、本発明によるSQUI
Dセンサ、および、増幅器においては、SQUIDセン
サと増幅器を構成する個々のSQUIDに入力される磁
束が同量である。従って、SQUIDセンサのダイナミ
ックレンジを最大にすることができる。
【0027】前にも述べたが、SQUIDの入出力特性
は磁束量子Φ0を周期とした周期関数であり、nΦ0(n
は整数)から(n+0.5)Φ0までは入力磁束の増加
にともない出力電圧も増加する。しかし、この間であっ
て入力磁束に対する出力電圧の大きさは非線形である。
従って、SQUIDセンサと後段のSQUIDの磁束電
圧特性が等しくない場合は、SQUIDセンサに入力さ
れる磁束の大きさによって、後段の増幅器の増幅率が変
化してしまう。しかし本発明によるSQUIDにおいて
は、SQUIDセンサの電圧磁束特性と、増幅器を構成
する個々のSQUIDの電圧磁束特性がほぼ等しくなる
ように構成している。その結果、SQUIDセンサへの
入力信号の大きさに依存せず増幅器の増幅率を一定に保
つことができる。また、この場合は増幅器の利得は後段
のSQUIDの個数に比例し、また、SQUIDセンサ
に設ける負荷インダクタンスの値は後段のSQUIDの
個数に比例することがわかる。従って、設計が非常に容
易になることがわかる。
【0028】また、本発明のSQUIDセンサおよび増
幅器においては、増幅器を構成するSQUIDの個数に
応じて、負荷インダクタンスを分割し、分割したインダ
クタンスの部分1つと、増幅器を構成するSQUIDの
1個と、ほぼ1対1で磁気結合をするように構成してい
る。このような構成とすることによって、従来の増幅器
のように、SQUIDの直列接続体の周囲に負荷インダ
クタンスを50回巻のコイル形状で配置し両者を結合さ
せていた場合に比較して、増幅器を構成するSQUID
と負荷インダクタンスをより強く磁気結合させることが
できる。その結果、増幅器を構成するSQUIDに磁束
を結合させるために必要な負荷インダクタンスの値を低
減することができる。SQUIDセンサに設けられる負
荷インダクタンスが、SQUIDセンサに含まれるSQ
UIDのル−プインダクタンス、および増幅器を構成す
る個々のSQUIDのインダクタンスよりもはるかに大
きいため、SQUIDセンサ、および増幅器の応答でき
る信号周波数は負荷インダクタンスに依存している。負
荷インダクタンスが小さい方が、より高速の信号にも応
答できるため、本発明によるSQUIDセンサおよび増
幅器は、従来技術に比較してより広い周波数範囲の信号
を増幅することができる。
【0029】以上詳述したごとくに、本発明にしたがっ
てSQUIDセンサを構成することにより、高周波信号
の入力に対してもSQUIDの超電導状態へのリセット
がなく、従って入力磁束に対応する正確な信号を出力す
ることができるSQUIDセンサを提供し、さらには、
前記センサのダイナミックレンジを最大限にすることが
でき、かつ、どの大きさの信号に対しても増幅率を一定
に保ち、かつ増幅できる信号の周波数範囲が広い増幅器
を提供することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて本発明
を詳細に説明する。
【0031】<実施例1>図3は本発明の第一の実施例
のSQUIDセンサ100、およびSQUIDセンサ1
00からの出力を増幅するために設けた増幅器8を示す
回路図である。本実施例に示した回路においては、入力
信号の入力手段として用いるコイル103、SQUID
センサ100は、少なくとも、ジョセフソン接合10
1、前記ジョセフソン接合101に並列に設けたシャン
ト抵抗102、前記シャント抵抗102と並列に設けた
負荷抵抗7、および負荷抵抗7に直列に設けた負荷イン
ダクタンス6とから構成されている。負荷インダクタン
スは、磁気結合9によって増幅器8に信号を入力する。
本実施例においては、図3においては一部省略したが、
SQUID81を10個直列に接続して増幅器8を構成
した。
【0032】本実施例におけるSQUIDセンサ10
0、および増幅器8の構成要素として用いたSQUID
81は、超電導体にNb、抵抗体にMoNx、ジョセフ
ソン接合にNb/AlOx/Nbを用いて作製した。本
実施例におけるSQUIDセンサ100は、ジョセフソ
ン接合101の容量が0.24pF、臨界電流値が90
μA、SQUIDを構成する超電導リングのインダクタ
ンスが11.5pH、シャント抵抗102を2Ωとして
設計した。SQUIDセンサ100に設けた負荷抵抗7
はシャント抵抗102と同じく2Ωとして設計した。ま
た、増幅器8を構成するSQUID81も、SQUID
センサ100とほぼ同様の電圧磁束特性が得られるよう
に、ジョセフソン接合の臨界電流値が90μA、インダ
クタンスが11.5pH、シャント抵抗が1Ωとなるよ
うに設計した。また、SQUIDセンサに設けられた大
きさLの負荷インダクタンスに、角周波数ωの交流信号
が入力された場合は、負荷インダクタンスにはωLで表
わされる抵抗成分が生じる。この抵抗成分がSQUID
センサ100に与える影響が無視できない場合は増幅器
8を構成する個々のSQUID81に、それに相当する
抵抗を付加した。このようにSQUIDセンサ100と
増幅器8の構成要素である各SQUID81の設計パラ
メ−タを等しくすることで、両者の電圧磁束特性は殆ど
同一となった。
【0033】また予備的な検討から、負荷インダクタン
ス6と増幅器8の磁気結合係数が約0.8であり、ま
た、動作点を0.25Φ0として、±0.05Φ0の磁束
を入力した場合に負荷抵抗7に流れる電流は約7.5μ
Aであることがわかっていたので、同量の磁束を負荷イ
ンダクタンス6を通して増幅器8に結合させるために
は、増幅器の構成要素である各SQUID81に対し
て、約100pHの負荷インダクタンス部分61が必要
であることがわかった。そこで、本実施例においては、
負荷インダクタンス6は全体で約1nHとした。
【0034】図4に負荷インダクタンス6と増幅器8の
具体的な回路パタンを示す。本実施例においては、10
個のSQUID81が2行5列に並べられている。各S
QUID81はワッシャ型の超電導コイルを有し、負荷
インダクタンス部分61はSQUID81のワッシャコ
イル上に渦巻状に積層されている。
【0035】図4に示す構造の場合は負荷インダクタン
ス部分61の作る磁界はほとんど全てSQUID81と
結合するため、従来例に比べて結合効率が良い。本実施
例の場合は、増幅器8の各SQUID81に対して約3
回巻のスパイラルコイルを作製した。従来の超電導素子
作製プロセスを用いた場合は、上記SQUID81は約
50μm×100μmで作製できたため、10個のSQ
UIDを5×2で並べた場合は、全体の大きさは約40
0μm×250μmとなった。
【0036】本実施例によるSQUIDセンサ100お
よび増幅器8は、両者の動作点を電流バイアスを180
μA、磁束バイアスを0.25Φ0に設定した場合、周
波数が100MHzの入力信号に対しては、±0.10
Φ0以下の入力振幅に対して正確に応答し、かつ、利得
約10倍を得ることができた。しかし、周波数が500
MHzの信号の場合は、バイアス電流が180μAの場
合は、入力振幅が−0.075Φ0から−0.1Φ0の間
でSQUID104が超電導状態から常伝導状態にリセ
ットしてしまった。そこで、負荷曲線とSQUID10
4の電流−電圧特性における電圧零の軸との交点が、S
QUID104に流せる超電導電流の値よりも大きくな
るように、バイアス電流を185μAと高く設定しなお
すとリセットがなくなり、±0.10Φ0の範囲で正確
な信号を出力できるようになった。また、バイアス電流
を5μA大きくしたことによる、SQUIDセンサ10
0の出力電圧の減少は約4%であったため、ほとんど同
じ利得が得られた。
【0037】また、本実施例においては、SQUIDセ
ンサ100と増幅器を構成する各SQUID81の電圧
−磁束特性をほぼ等しくしたため、周波数の低い信号に
対しは、最大で±0.25Φ0の入力振幅に対してもS
QUIDセンサがリセットすることがなく、図5に示す
ように、入力信号の大きさに依存せず、増幅器8の出力
電圧は、SQUIDセンサ100のほぼ10倍を示す値
が得られ、一定の利得を得ることができた。また、SQ
UIDセンサ100への入力磁束とほぼ同量の磁束を増
幅器8を構成する各SQUID81に伝達するように負
荷インダクタンス6の値を設計したため、SQUIDセ
ンサ100のダイナミックレンジを±0.25Φ0と最
大にすることができた。
【0038】また、負荷インダクタンス部分61と増幅
器8の各SQUID81の磁気結合の効率が良いため、
従来に比べて負荷インダクタンス6の値を小さくするこ
とができた。その結果、dcから約500MHzまでと
大変広い範囲の周波数の信号に応答できるSQUIDセ
ンサ、およびその出力を約10倍に増幅できる増幅器を
実現することができた。
【0039】また、本実施例においては図4にその回路
パタンを示すように、増幅器を構成するSQUIDのバ
イアス電流と、SQUIDの上に積層されていない部分
のほとんどの部分の負荷インダクタンスに流れる電流の
向きが、直交するように配線した。従って、両者の作る
磁界は互いに影響を及ぼしあう程度が少なく、その結
果、両者のクロスト−クを低減することができた。
【0040】<実施例2>次に、本発明の他の実施例を
説明する。本実施例においては、SQUIDセンサ10
0と増幅器8の回路構成、および、負荷インダクタンス
と増幅器の各SQUIDの回路パタンは第一の実施例と
同じである。また、作製方法、および設計パラメ−タも
同じである。
【0041】しかし、本実施例においては、増幅器は5
0個のSQUIDを用いて構成した。そのため、前述の
予備検討の結果から、負荷インダクタンスの値を約5n
Hとした。
【0042】その結果、SQUIDセンサ100および
増幅器8の動作点を電流バイアスを180μA、磁束バ
イアスを0.25Φ0に設定した場合、周波数が100
MHz以下の場合は±0.05Φ0の入力信号に対し
て、SQUIDのリセットが生じなかったが、200M
Hzの入力信号に対しては−0.05Φ0以下の振幅の
入力信号に対してもSQUID104がリセットした。
そこで、バイアス電流を185μAに設定すると、負荷
曲線とSQUID104の電流−電圧特性における電圧
零の軸との交点を、SQUID104に流せる超電導電
流の値よりも大きくすることができたためリセットがな
くなり、入力信号に対して正確な応答を行うことを実現
できた。また本実施例においては、本発明の第一の実施
例よりもSQUIDセンサ100が正確に応答できる入
力信号の振幅は狭くなるが、約50倍の利得を有し、応
答できる周波数の範囲がdcから約200MHzの増幅
器を実現することができた。
【0043】また、本実施例とは別に、本実施例に比較
して負荷抵抗の値のみ3Ωに変更したSQUIDセンサ
および増幅器も作製したが、そのSQUIDセンサは電
流バイアスを180μA、磁束バイアスを0.25Φ0
に設定した場合、周波数が200MHzの入力信号であ
っても−0.05Φ0の入力信号に対してSQUIDの
リセットが生じなかった。これは前述の実施例に比べ
て、負荷曲線の傾きを急峻にすることにより、負荷曲線
とSQUIDセンサの電流−電圧特性における電圧零の
軸との交点を、SQUIDセンサに流せる超電導電流の
値よりも大きくしたためである。その結果、本SQUI
Dセンサにおいても、入力信号に対して正確な応答を行
うことを実現できた。
【0044】<実施例3>図6に本発明の他の実施例の
回路図を示す。本実施例においては、負荷抵抗7に直列
に負荷インダクタンス6を設けているが、負荷インダク
タンス6は2つの等しい値の負荷インダクタンス部分6
2の並列接続体から構成されている。そして、増幅器を
構成するSQUID81は、図6に示すごとくに両方の
負荷インダクタンス部分62と磁気結合9している。負
荷インダクタンスを図6に示すように、等しい2つの並
列接続体から構成することによって、全体から見た負荷
インダクタンスの値は、負荷インダクタンス部分62の
半分にすることができる。従って、負荷インダクタンス
6に生じる誘導起電力を約半分にすることができるた
め、負荷曲線とSQUIDセンサ100の電流−電圧特
性における電圧零の軸との交点を、SQUIDセンサ1
00に流せる超電導電流の値よりも大きくすることが容
易になる。従って、負荷インダクタンスを複数個の並列
接続体とし構成した場合は、入力信号に対して正確な応
答を行うSQUIDセンサ、および増幅器の実現がより
容易になるという利点が生じる。
【0045】また、図7に回路図を示すように、SQU
IDセンサ100のバイアス電流源105に対する左右
対称性を保つために、負荷抵抗7および負荷インダクタ
ンスを両方のシャント抵抗102に対してそれぞれ設け
ても良いことは明白である。その場合に、増幅器を構成
するSQUID81を2つの負荷インダクタンス部分6
2と磁気結合させても良い。増幅器を構成するSQUI
D81の数が例えば10個の場合は、図7に示す回路図
の場合は、一方の負荷インダクタンス部分62に5個の
SQUID81を結合させれば良い。その場合は、図3
に示したように、片方のシャント抵抗にのみ負荷インダ
クタンス6を設けた場合に比べて、結合させるSQUI
Dの個数を半分に減らすことができるため、負荷インダ
クタンスの値も半分に減らすことができる。その結果、
負荷インダクタンス6に生じる誘導起電力を約半分にす
ることができるため、入力信号に対して正確な応答を行
うSQUIDセンサ、および増幅器の実現が容易になる
ことは明白である。
【0046】これまでに説明した実施例においては、負
荷抵抗7、および負荷インダクタンス6は、シャント抵
抗102に並列に設けられていたが、図8や図9に示す
ような回路構成にしても、負荷曲線とSQUIDセンサ
100の電流−電圧特性における電圧零の軸との交点
を、SQUIDセンサ100に流せる超電導電流の値よ
りも大きくする、また、増幅器を構成する個々のSQU
IDの電圧磁束特性を、SQUIDセンサ100の電圧
磁束特性とほぼ等しく、かつ、増幅器を構成する個々の
SQUID81に対して、SQUIDセンサ100への
に入力信号とほぼ同じ信号を入力できるよう負荷インダ
クタンスの値を設定することによって、高周波信号の入
力に対してもSQUID104の超電導状態へのリセッ
トがなく、従って入力磁束に対応する正確な信号を出力
することができるSQUIDセンサ100を実現し、さ
らには、SQUIDセンサ100のダイナミックレンジ
を最大にすることができ、かつ、どの大きさの信号に対
しても増幅率を一定に保ち、かつ、増幅できる信号の周
波数範囲が広い増幅器を実現できることは言うまでもな
い。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したごとく、SQUIDセンサ
および増幅器を本発明の構成とすることによって、上記
の従来技術の持つ問題を解決して、高周波信号の入力に
対してもSQUIDの超電導状態へのリセットがなく、
従って入力磁束に対応する正確な信号を出力することが
できるSQUIDセンサを提供し、さらには、前記セン
サのダイナミックレンジを最大限にすることができ、か
つ、どの大きさの信号に対しても増幅率を一定に保ち、
かつ、増幅できる信号の周波数範囲が広い増幅器を提供
することができる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における負荷曲線とSQUIDセンサの
電流−電圧特性の関係を示す図である。
【図2】本発明における負荷曲線とSQUIDセンサの
電流−電圧特性の関係を示す図である。
【図3】本発明の実施例1のSQUIDセンサと増幅器
の回路図を示す図である。
【図4】本発明の実施例1における負荷インダクタンス
と増幅器の回路パタンを示す図である。
【図5】本発明の実施例1における増幅率を示す図であ
る。
【図6】本発明の実施例3のSQUIDセンサと増幅器
の回路図を示す図である。
【図7】本発明の実施例3のもう一つのSQUIDセン
サと増幅器の回路図を示す図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例のSQUIDセンサ
と増幅器の回路図を示す図である。
【図9】従来例におけるSQUIDセンサと増幅器の回
路図を示す図である。
【図10】従来例における負荷インダクタンスと増幅器
の回路パタンを示す図である。
【図11】誘導起電力の作用によるSQUIDセンサの
リセット発生の説明図を示す図である。
【図12】従来例におけるSQUIDセンサの入出力特
性を示す図である。
【符号の説明】
100…SQUIDセンサ、101…ジョセフソン接
合、102…シャント抵抗、103…コイル、104…
SQUID、105、106…バイアス電流源、30
0、302、304、306、308…電流−電圧特
性、301、303、305、307、309…負荷曲
線、6…負荷インダクタンス、61、62…負荷インダ
クタンス部分、7…負荷抵抗、8…増幅器、81…SQ
UID、9…磁気結合。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、SQUIDと、前記SQUI
    Dに直列もしくは並列に接続された負荷抵抗と、前記S
    QUIDに直列もしくは並列に接続された負荷インダク
    タンスと、前記SQUIDへの入力信号の入力手段と、
    前記SQUIDへのバイアス電流源からなるSQUID
    センサにおいて、前記SQUIDの全臨界電流の最小値
    が、前記SQUIDセンサへのバイアス電流、及び前記
    SQUIDへの入力信号の変化によって前記負荷インダ
    クタンスに生じる誘導起電力により生じる電流の、2つ
    の電流の和より小となるように構成されていることを特
    徴とするSQUIDセンサ。
  2. 【請求項2】前記SQUIDの全臨界電流値の最小値
    は、さらに前記SQUIDセンサへのバイアス電流、及
    び前記SQUIDへの入力信号の変化によって前記負荷
    インダクタンスに生じる誘導起電力により生じる電流
    の、2つの電流の差より小となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のSQUIDセンサ。
  3. 【請求項3】前記SQUIDの全臨界電流値の最大値
    は、さらに前記SQUIDセンサへのバイアス電流、及
    び前記SQUIDへの入力信号の変化によって前記負荷
    インダクタンスに生じる誘導起電力により生じる電流
    の、2つの電流の和より小となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のSQUIDセンサ。
  4. 【請求項4】前記SQUIDの全臨界電流値の最大値
    は、さらに前記SQUIDセンサへのバイアス電流、及
    び前記SQUIDへの入力信号の変化によって前記負荷
    インダクタンスに生じる誘導起電力により生じる電流
    の、2つの差より小となるように構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のSQUI
    Dセンサ。
  5. 【請求項5】前記負荷インダクタンスは、複数のインダ
    クタンス部分の並列接続体を含んで構成されていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のSQU
    IDセンサ。
  6. 【請求項6】前記負荷インダクタンスは、複数個のSQ
    UIDの直列接続体と磁気的に結合していることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載のSQUIDセ
    ンサ。
  7. 【請求項7】前記複数個のSQUIDの直列接続体を構
    成する個々のSQUIDの電圧磁束特性は、前記SQU
    IDセンサの電圧磁束特性とほぼ等しく、かつ前記負荷
    インダクタンスは、前記複数個のSQUIDの直列接続
    体を構成する前記個々のSQUIDに対して、前記SQ
    UIDセンサへの入力信号とほぼ同じ信号を前記磁気結
    合により入力させることを特徴とする請求項6に記載の
    SQUIDセンサ。
  8. 【請求項8】前記複数個のSQUIDの直列接続体を構
    成する前記個々のSQUIDの数がn個(nは正の整
    数)のとき、前記負荷インダクタンスは少なくとも同じ
    値を有するn個のインダクタンス部分を含み、前記イン
    ダクタンス部分は、前記複数個のSQUIDの直列接続
    体を構成する前記個々のSQUIDと、1対1で前記磁
    気結合をすることを特徴とする請求項6乃至7に記載の
    SQUIDセンサ。
  9. 【請求項9】前記複数個のSQUIDの直列接続体のバ
    イアス電流と、前記負荷インダクタンスに流れる電流
    は、少なくとも一部は互いに直交するような方向に流れ
    ることを特徴とする請求項6乃至8に記載のSQUID
    センサ。
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