JPH0979636A - レンジフード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油煙の油脂成分が排気通風路の内部に付着す
るのを軽減することのできるレンジフードを提供するこ
とを目的とする。 【構成】 フード本体４内部に下部にドレン孔８を有し
た送風機７を設け、ポンプ１８を介した給水管１９の端
部に送風機７に吸引される油煙に水分を噴霧するノズル
を設け、油脂成分を捕集するグリスフィルター１４の下
端を支えるとともに送風機７のドレン孔８から落下する
ドレンを受けるウォーターパン１２を設け、ウォーター
パン１２に設けた配水管１１をポンプ１８に連結してド
レン水を循環させる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、おもに厨房の調理器上
方に設置して、調理時に発生する油煙を除去しつつ室外
へ排気するレンジフードに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、食料事情の良化にともない、家庭
において調理することが多くなってきており、その結果
調理時に発生する油煙を除去し室外に排気するレンジフ
ードが普及している。

【０００３】そして、レンジフードの使用により油煙に
よって汚れるので、掃除のしやすいレンジフードの要求
が高まってきている。

【０００４】従来のこの種のレンジフードについて図４
を参照しながら説明する。図に示すように、厨房に設置
した調理器１０１の上部側方の壁面１０２に設けられ、
下面を開口して吸込口１０３としたフード本体１０４内
部には、調理器１０１から発生する油煙を室外１０５に
排出する送風機１０６が設けられ、送風機１０６の吐出
口１０７には、室外１０５と連通する排気ダクト１０８
が接続されていた。

【０００５】また、フード本体１０４内部の送風機１０
６の吸込口１０９の前方には、油煙に含まれる油脂成分
を捕集するグリスフィルター１１０が着脱自在に配設さ
れていた。

【０００６】上記構成により、送風機１０６を運転する
と、調理器１０１から発生する油煙は、吸込口１０３か
らフード本体１０４内部に流入していき、グリスフィル
ター１１０を通過したのち、送風機１０６の吸込口１０
９から送風機１０６内部に吸い込まれていく。そして、
油煙は、グリスフィルター１１０を通過する際に油脂成
分の大半が捕集されたのち、送風機１０６内部および排
気ダクト１０８内部を通って室外１０５へ排出されるこ
ととなる。そして油煙によって汚れたグリスフィルター
１１０を定期的に取り外して清掃することによって、油
脂成分が送風機１０６の内部や排気ダクト１０８の内部
に付着するのを軽減させていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のレン
ジフードの構成では、油煙の油脂成分をグリスフィルタ
ー１１０で捕集することによって、グリスフィルター１
１０の下流側の送風機１０６の内部や排気ダクト１０８
の内部に油脂成分が付着するのをある程度は軽減させる
ことができるものの、グリスフィルター１１０の油脂成
分捕集性能は、送風機１０６に対する吸い込み抵抗との
バランスの関係から、一般的に５０〜６０％程度しか確
保することができず、捕集されずにグリスフィルター１
１０を通過した油脂成分が、送風機１０６の内壁面や排
気ダクト１０８の内壁面等の排気通風路の内部に付着し
ながら室外１０５に排出されることとなり、バイ菌や臭
いの発生原因となっていた。そして、その汚れた部分を
清掃するには着脱自在のグリスフィルター１１０を外す
だけでは容易に手が触れる場所でなく、きれいにするに
は送風機１０６等を分解する必要が生ずるという課題が
あった。

【０００８】本発明は上記課題を解決するもので、グリ
スフィルターを通過して送風機に吸引される油煙の油脂
成分が排気通風路の内部に付着するのを軽減することの
できるレンジフードを提供することを第１の目的とす
る。

【０００９】第２の目的は、送風機内部を常に清潔な状
態に保ち、洗浄する水をリサイクルして利用することに
ある。

【００１０】第３の目的は、送風機内部を常に清潔な状
態に保ち洗浄する水を補充できるようにすることにあ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明のレンジフードは
上記第１の目的を達成するための第１の手段は、下面を
開口した箱体状のフード本体と、このフード本体内部に
設けられ、下部にドレン孔を有した送風機と、レンジフ
ード運転スイッチと連動して運転されるポンプを設けた
給水管と、この給水管の端部に設けられる噴霧ノズル
と、油煙に含まれる油脂成分を捕集するグリスフィルタ
ーと、前記ポンプと連結した排水管と連結し、前記グリ
スフィルターの下端を支えるウォーターパンとを備え、
前記噴霧ノズルを前記送風機に吸引される油煙に水分が
噴霧されるように設け、前記送風機のドレン孔を前記ウ
ォーターパン上に配設した構成とする。

【００１２】また、第２の目的を達成するために、第２
の手段はポンプに連結した排水管の途中に排水管の中の
水に含まれる油脂成分を捕集する浄水器を配設した構成
とする。

【００１３】また、第３の目的を達成するために、第３
の手段はポンプの入口側に連結された排水管に連結され
る水道水給水管と、この水道水給水管に洗浄水補充スイ
ッチにより作動する電磁弁を設けた構成とする。

【００１４】

【作用】本発明は上記した第１の手段の構成により、送
風機を運転すると、調理時に発生した高温の油煙は、そ
の油脂成分の大半がグリスフィルターで捕集されながら
送風機内部に吸い込まれていく。そして、グリスフィル
ターで捕集仕切れずにグリスフィルターを通過した油脂
成分を含む油煙は、噴霧ノズルから噴出された霧状の水
分と混じりながら送風機内部に吸い込まれていき、油煙
の油脂成分は、送風機内部で、霧状の水分に冷却されな
がら凝縮して汚水となって送風機のドレン孔からウォー
ターパンに流出し、ポンプによって給水管を通り噴霧ノ
ズルからふたたび噴出されることとなる。

【００１５】また、第２の手段の構成により、送風機の
ドレン孔からウォーターパンに流出した汚水は、排水管
を通過する際に浄水器によって浄化されたのち、噴霧ノ
ズルから噴出されることとなる。

【００１６】また、第３の手段の構成により、洗浄水補
充スイッチを操作すると水道水給水管より洗浄水として
水道水が補充され、給水管を通って噴霧ノズルから噴霧
されることとなる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の第１実施例について図１を参
照しながら説明する。

【００１８】図に示すように、調理器１の上部側方の壁
面２に設けられ、下面を開口して吸込口３としたフード
本体４の内部に、調理器１から発生する油煙５を室外６
に排出する送風機７を設け、送風機７の下部には、ドレ
ン孔８が開口し、送風機７の上部に設けた吐出口９に
は、室外６と連通する排気ダクト１０を接続する。

【００１９】また、フード本体４内部の送風機７の下方
には、排水管１１を接続した皿状のウォーターパン１２
が、送風機７の下部を覆うように、フード本体４の後部
の内壁面から突設されている。

【００２０】そして、フード本体４内部の送風機７の吸
込口１３の前方には、油煙５に含まれる油脂成分を捕集
するグリスフィルター１４が配置され、グリスフィルタ
ー１４は、捕集した油脂成分がウォーターパン１２内部
に流入するように、その下端部をウォーターパン１２の
先端部近傍に支持するとともに、上端部をフード本体４
の上部の内壁面に設けた係合片１５に係合する。

【００２１】また、フード本体４内部のグリスフィルタ
ー１４と送風機７との間の空間部１６には、フード本体
４の前部に設けたレンジフード運転スイッチ１７と連動
して作動する排水管１１と連結するポンプ１８を設けた
給水管１９の先端部が、フード本体４の上部に設けた案
内孔２０から引き込まれ、給水管１９の先端部には、送
風機７の吸込口１３に向かって水分を噴霧する噴霧ノズ
ル２１が設けられている。

【００２２】上記構成において、レンジフード運転スイ
ッチ１７を操作して送風機７を運転すると、調理器１か
ら発生して上昇してくる高温の油煙５は、吸込口３から
フード本体４内部に流入してグリスフィルター１４に衝
突する。そして、油煙５は、フード本体４内のグリスフ
ィルター１４の上流側でいったん滞留してからグリスフ
ィルター１４を通過していく。その際に、油脂成分の大
半はグリスフィルター１４によって取り除かれるが、グ
リスフィルター１４で捕集仕切れなかった油脂成分を含
んだ油煙５は、レンジフード運転スイッチ１７と連動し
て運転されたポンプ１８によって、排水管１１および給
水管１９を通って噴霧ノズル２１から噴出された霧状の
水分と混じりながら送風機７内部に吸い込まれていく。
そして、油煙５の油脂成分は、送風機７内部で霧状の水
分に冷却されながら凝縮し、水分に混入して送風機７の
ドレン孔８からウォーターパン１２に流出し、排水管１
１を通ってポンプ１８により給水管１９に戻される。

【００２３】一方、グリスフィルター１４に捕集された
油脂成分は、このグリスフィルター１４を伝わって流下
していき、グリスフィルター１４の下端部からウォータ
ーパン１２に流出し、送風機７のドレン孔８から流出す
る汚水とともに排水管１１およびポンプ１８を通って給
水管１９に戻されることとなる。

【００２４】このように本発明の第１実施例のレンジフ
ードによれば、調理時に発生する油煙５に含まれる油脂
成分をグリスフィルター１４で捕集するとともに、この
グリスフィルター１４で捕集仕切れずに送風機７に吸引
される油脂成分を含んだ油煙５に、噴霧ノズル２１によ
り水分を噴霧して油脂成分を凝縮させながら汚水として
回収しポンプ１８により給水管１９に戻されリサイクル
するので、油煙５の油脂成分捕集効率が向上し、油脂成
分が送風機７の内壁面や排気ダクト１０の内壁面等の排
気通風路に付着するのを低減することができる。

【００２５】つぎに、本発明の第２実施例について図２
を参照しながら説明する。なお、第１実施例と同一部分
には同一符号を付し、その説明は省略する。

【００２６】図に示すように、排水管１１とポンプ１８
の間に、レンジフード運転スイッチ１７と連動する浄水
器２２を配設する。

【００２７】上記構成において、たとえば、油脂成分の
含んだ汚水が送風機７のドレン孔８からウォーターパン
１２に流出し、排水管１１を通ってポンプ１８から給水
管１９に戻されるサイクルを繰り返すと、汚水内部の油
脂成分の濃度が徐々に高まっていく。そして、粘度の高
い汚水は、送風機７の内壁面を伝わってドレン孔８に流
下し、ウォーターパン１２から排水管１１を通ってポン
プ１８から給水管１９に達し噴霧ノズル２１よりふたた
び送風機７内部に噴霧される。このサイクル内で汚水か
ら油分が各箇所に付着することのないよう、排水管１１
に排出された汚水は、浄水器２２によって、油脂成分を
除去され、浄化されながらポンプ１８から給水管１９に
供給されることとなる。

【００２８】このように本発明の第２実施例のレンジフ
ードによれば、レンジフード運転スイッチ１７と連動す
る浄水器２２を排水管１１に連結しているので、ポンプ
１８から給水管１９に供給される水分は常に油分を除去
された水分として噴霧ノズル２１より噴霧されるので送
風機７内部の汚れが洗浄され送風機７内部を常に清潔に
保つことができる。

【００２９】つぎに、本発明の第３実施例について図３
を参照しながら説明する。なお、第１実施例と同一部分
には同一符号を付し、その説明は省略する。

【００３０】図に示すように、レンジフード運転スイッ
チ１７の近傍に設けた洗浄水補充スイッチ２３と連動す
る電磁弁２４を有した水道管に連結する水道水給水管２
５の先端をポンプ１８の入口側に連結された排水管１１
に連結する。

【００３１】上記構成において、たとえば、ポンプ１８
によって給水管１９を通って噴霧ノズル２１より噴霧さ
れる水分の一部が、送風機７によって吐出口９から排気
ダクト１０を通って室外６に排出された場合、洗浄水と
してリサイクルされる量が減ってくる。このような場合
には、洗浄水補充スイッチ２３を操作して電磁弁２４を
開放すると水道水が水道水給水管２５を通りポンプ１８
を通して給水管１９に補充される。

【００３２】このように本発明の第３実施例のレンジフ
ードによれば、洗浄水補充スイッチ２３により操作され
る電磁弁２４を設けているので、減った洗浄水を水道水
で補充することができ、送風機７内部を常に清潔に保つ
ことができる。

【００３３】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば下面を開口した箱体状のフード本体と、この
フード本体内部に設けられ、下部にドレン孔を有した送
風機と、レンジフード運転スイッチと連動して運転され
るポンプを設けた給水管と、この給水管の端部に設けら
れる噴霧ノズルと、油煙に含まれる油脂成分を捕集する
グリスフィルターと、前記ポンプと連結した排水管と連
結し、前記グリスフィルターの下端を支えるウォーター
パンとを備え、前記噴霧ノズルを前記送風機に吸引され
る油煙に水分が噴霧されるように設け、前記送風機のド
レン孔を前記ウォーターパン上に配設したので、グリス
フィルターを通過して送風機に吸引される油煙の油脂成
分が排気通風路の内部に付着するのを軽減することので
きるレンジフードを提供できる。

【００３４】また、ポンプに連結した排水管の途中に排
水管の中の水に含まれる油脂成分を捕集する浄水器を配
設したので、浄化された洗浄水が噴霧され送風機内部を
常に清潔な状態に保つことができる。

【００３５】また、ポンプの入口側に連結された配水管
に連結される水道管給水管と、この水道管給水管に洗浄
水補充スイッチにより作動する電磁弁を設けたので、リ
サイクル洗浄水の補充が可能となり、所定の噴霧量でも
って送風機内部を常に清潔な状態に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のレンジフードの設置状態
を示す断面図

【図２】同第２実施例のレンジフードの設置状態を示す
断面図

【図３】同第３実施例のレンジフードの設置状態を示す
断面図

【図４】従来のレンジフードの設置状態を示す断面図

【符号の説明】

４ フード本体 ７ 送風機 ８ ドレン孔 １１ 排水管 １２ ウォーターパン １４ グリスフィルター １７ レンジフード運転スイッチ １８ ポンプ １９ 給水管 ２１ 噴霧ノズル ２２ 浄水器 ２３ 洗浄水補充スイッチ ２４ 電磁弁 ２５ 水道水給水管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下面を開口した箱体状のフード本体と、
   このフード本体内部に設けられ、下部にドレン孔を有し
   た送風機と、レンジフード運転スイッチと連動して運転
   されるポンプを設けた給水管と、この給水管の端部に設
   けられる噴霧ノズルと、油煙に含まれる油脂成分を捕集
   するグリスフィルターと、前記ポンプと連結した排水管
   と連結し、前記グリスフィルターの下端を支えるウォー
   ターパンとを備え、前記噴霧ノズルを前記送風機に吸引
   される油煙に水分が噴霧されるように設け、前記送風機
   のドレン孔を前記ウォーターパン上に配設したレンジフ
   ード。
2. 【請求項２】 ポンプに連結した排水管の途中に排水管
   の中の水に含まれる油脂成分を捕集する浄水器を配設し
   た請求項１記載のレンジフード。
3. 【請求項３】 ポンプの入口側に連結された排水管に連
   結される水道水給水管と、この水道水給水管に洗浄水補
   充スイッチにより作動する電磁弁を設けた請求項１記載
   のレンジフード。