JPH0979634A - 熱交換気空調ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本体内に組み込まれたファンが異常停止して
も換気の行える熱交換気空調ユニットを提供することを
目的とする。 【構成】 給気ファン６と排気ファン７と循環ファン１
０にファンの異常停止を検知する回転数検知センサー１
３を設け、回転数検知センサー１３の検出信号により作
動する制御ボックス１４を本体１に備え、制御ボックス
１４により制御されるように室外連通ダクト１６内に送
風ファンボックス１７を設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井裏に設置される熱
交換気空調ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、建物の高気密化・高断熱化が進
み、省エネに対する認識が強くなってきているととも
に、空調機器は快適性が求められている。

【０００３】従来、この種の熱交換気空調ユニットは、
特開平４−３２０７３４号公報に示すような構成が一般
的であった。以下、その構成について図４を参照しなが
ら説明する。

【０００４】図に示すように、熱交換気空調ユニットの
本体１０１は、室外と連通する外気吸込ダクト１０２と
外気排出ダクト１０３と、各部屋へ連通する給気ダクト
１０４と、各部屋から連通する循環ダクト１０５を本体
１０１の外郭に有し、本体１０１の内部に給気ファン１
０６と排気ファン１０７と循環ファン１０８と、全熱交
換素子１０９と、冷暖房用コイル１１０を設けていた。

【０００５】上記構成において、室外からの外気が外気
吸込ダクト１０２を通り給気ファン１０６により吸込ま
れ、循環ファン１０８により給気ダクト１０４を通り各
部屋へ送風される。一方、各部屋からの循環空気は循環
ファン１０８の吸引により循環ダクト１０５を通り、そ
の一部は排気ファン１０７により外気排出ダクト１０３
を通り外へ排出するが、ほとんどは給気ファン１０６に
より吸込まれた外気と混合し、循環ファン１０８により
各部屋へ再度送風される。このとき、循環ファン１０８
による各部屋への送風は、冷暖房用コイル１１０により
冷房または暖房されて送られる。また、室外からの外気
と室外への排出空気は全熱交換素子１０９で熱交換さ
れ、室内の熱を室外へ逃がすことなく換気していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の熱交
換気空調ユニットは、高気密・高断熱住宅に設置されて
能力を十分発揮する。すなわち、気密性・断熱性が良い
ため家全体を空調するのに、従来のエアコンを各部屋に
取りつけるよりも少ない能力、つまり熱交換気空調ユニ
ット１台で家全体を空調できる。しかし、高気密である
がために一旦本体１０１が故障しファンが停止してしま
うと、必要最低限の換気量が確保できなくなるという問
題があった。

【０００７】また、熱交換気空調ユニット１台で家全体
を空調するため、各部屋に同じ温度で吹き出しても、２
階は暖かい空気がたまり、１階は冷たい空気がたまる傾
向になる。つまり、冷房のときは２階が冷えにくく、暖
房のときは１階が暖まりにくい状態となるという問題が
あった。

【０００８】本発明は上記課題を解決するもので、熱交
換気空調ユニットが故障しファンが停止しても、修理す
るまでの暫定として換気を行うことができる熱交換気空
調ユニットを提供することを第１の目的とする。

【０００９】また、第２の目的は、正常運転のときは快
適な住空間となるように空調ができ、本体が故障などで
異常停止しても必要換気量を暫定的に確保することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の熱交換気空調ユ
ニットは、上記第１の目的を達成するために、第１の手
段は室外と連通する外気吸込ダクトと外気排出ダクトと
各階の各室内と連通した複数の給気ダクトおよび循環ダ
クトを設け、内部に給気ファンと排気ファンおよび全熱
交換素子からなる熱交換気部と、循環ファンと冷暖房コ
イルからなる空調部とを設けた本体と、各階の部屋間と
室外とを連通する連通ダクトと、この連通ダクトと室外
とを連通する室外連通ダクトと、前記給気ファンと排気
ファンおよび循環ファンの回転数を検知する回転数検知
センサーと、この回転数検知センサーの検出信号により
作動する制御ボックスとを備え、前記制御ボックスによ
り制御されるように室外連通ダクト内に送風ファンから
なる送風ファンボックスを設けた構成とする。

【００１１】また、第２の目的を達成するために、第２
の手段は、室外連通ダクトに設けられる送風ファンボッ
クスを介して各階の部屋間を連通するように設けた連通
ダクトと、前記送風ファンボックス内に室外連通ダクト
の通風路または連通ダクトの通風路を切換え開閉するダ
ンパーを設けた構成とする。

【００１２】

【作用】本発明は上記した第１の手段の構成により、回
転数検知センサーが熱交換気空調ユニットの本体のファ
ン異常停止を検知すると、室外連通ダクトに設けた送風
ファンボックスの送風ファンが回転し外気を取り入れ、
その外気は連通ダクトより各室内へ送風されるので、本
体が故障しても換気を行うことができる。

【００１３】また、第２の手段の構成により熱交換気空
調ユニットの本体が正常に運転中は送風ファンボックス
の送風ファンで各部屋間の空気を攪拌し、１階と２階で
温度差があっても２階の暖かい空気を１階へ送風させ、
または１階の冷たい空気を２階へ送風させることで家全
体の空調バランスをとり、より快適な空間を保ち、仮に
回転数検知センサーが本体のファン異常停止を検知して
も、送風ファンボックスのダンパーが開き外気を連通ダ
クトより各室内へ送風することで換気を行うことができ
る。

【００１４】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の第１実施例について、図１
および図２を参照しながら説明する。

【００１５】図に示すように、熱交換気空調ユニットの
本体１は、室外と連通する外気吸込ダクト２と外気排出
ダクト３と、各部屋へ連通する給気ダクト４と各部屋か
ら連通する循環ダクト５を外郭に設け、本体１の内部に
は給気ファン６と排気ファン７および全熱交換素子８か
らなる熱交換部９と、循環ファン１０と冷暖房コイル１
１からなる空調部１２とを設け、給気ファン６と排気フ
ァン７と循環ファン１０の異常停止を検出するための回
転数検知センサー１３を設け、回転数検知センサー１３
の検出信号により作動する制御ボックス１４とを設け
る。

【００１６】そして、１階と２階の各室に連通する連通
ダクト１５を設け、連通ダクト１５の途中に室外に連通
する室外連通ダクト１６を設け、室外連通ダクト１６に
送風ファンボックス１７を設け、送風ファンボックス１
７の内部には送風ファン１８を設け、送風ファン１８は
回転数検知センサー１３の検出信号により作動する制御
ボックス１４により運転制御する構成とする。

【００１７】上記構成により、給気ファン６が異常停止
すると回転数検知センサー１３ａの検出信号により制御
ボックス１４は送風ファン１８を運転する制御を行う。
同様に排気ファン７が異常停止すると回転数検知センサ
ー１３ｂの検出信号により、また循環ファン１０が異常
停止すると回転数検知センサー１３ｃの検出信号により
制御ボックス１４は送風ファン１８を運転する制御を行
う。そして、送風ファン１８が運転されると室外より室
外連通ダクト１６を通って外気が導入され連通ダクト１
５を通って各室内へ送風される。また、高気密・高断熱
住宅のため住宅内は正圧になりがちであるが、本体１が
停止しており外気吸込ダクト２と外気排出ダクト３より
室外に連通しているので第１種換気ができる。

【００１８】このように本発明の第１実施例の熱交換気
空調ユニットによれば、熱交換気空調ユニット本体１が
故障などで異常停止しても送風ファンボックス１７によ
り必要換気量を暫定的に確保することができる。

【００１９】（実施例２）以下、本発明の第２実施例に
ついて図３を参照しながら説明する。なお、第１実施例
と同一部分については、同一符号を付して詳細な説明は
省略する。

【００２０】図に示すように、室外連通ダクト１６に設
けられる送風ファンボックス１７Ａを介して各階の部屋
間を連通する連通ダクト１５Ａを設け、送風ファンボッ
クス１７Ａ内には室外連通ダクト１６の通風路１６ａま
たは連通ダクト１５Ａの通風路１５ａを切換え開閉する
ダンパー１９および送風ファン１８Ａを設け、送風ファ
ン１８Ａは本体１Ａの運転中は常時運転し、ダンパー１
９は回転数検知センサー１３の検出信号により作動する
制御ボックス１４Ａにより開閉制御する構成とする。

【００２１】上記構成により、正常に本体１Ａが運転し
ているときダンパー１９はＡ方向に移動し通風路１６ａ
を閉じ、連通ダクト３は送風ファンボックス１７Ａを介
して連通し、例えば夏の冷房時に２階の温度が高く１階
の温度が低く、また、冬の暖房時に２階の温度が高く１
階の温度が低くても送風ファン１８Ａの運転により家全
体の空気を攪拌させ１階と２階の温度むらをなくすこと
ができる。そして、給気ファン６が異常停止すると回転
数検知センサー１３ａの検出信号により制御ボックス１
４Ａはダンパー１９をＢ方向に移動し、通風路１６ａを
開く制御を行う。また、同様に排気ファン７が異常停止
すると回転数検知センサー１３ｂの検出信号により、ま
た循環ファン１０が異常停止すると回転数検知センサー
１３ｃの検出信号により制御ボックス１４Ａはダンパー
１９をＢ方向に移動し、通風路１６ａを開く制御が行わ
れ、ダンパー１９がＢ方向に移動し、通風路１６ａが開
くと室外より外気が室外連通ダクト１６を通って導入さ
れ送風ファンボックス１７Ａおよび連通ダクト１５Ａを
通って部屋へ送風される。そして、高気密・高断熱住宅
のため住宅内は正圧になりがちであるが、本体１Ａが停
止しており外気吸込ダクト２と外気排出ダクト３より室
外に連通しているので第１種換気ができる。また、本体
１Ａを修理後各ファンが回転すると、ダンパー１９は再
びＡ方向に移動し通風路１６ａを閉じる。

【００２２】このように本発明の第２実施例の熱交換気
空調ユニットによれば、通常運転時は温度差のある階が
生じても、送風ファンボックス１７Ａの送風ファン１８
Ａを運転させることで家全体の空気を攪拌させ温度むら
をなくすことができ、たとえ本体１Ａが故障などで異常
停止しても送風ファンボックス１７Ａにより必要換気量
を暫定的に確保できる。

【００２３】なお、実施例では連通ダクト１５Ａを１階
と２階とを連通させて用いたが、１階と２階との連通に
代えて、同じ階でも西日が当たり負荷が大きい西側の部
屋と負荷が小さい東側の部屋とを連通させて用いてもよ
く、その作用効果に差異を生じない。

【００２４】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば室外と連通する外気吸込ダクトと外気排出ダ
クトと各階の各室内と連通した複数の給気ダクトおよび
循環ダクトを設け、内部に給気ファンと排気ファンおよ
び全熱交換素子からなる熱交換気部と、循環ファンと冷
暖房コイルからなる空調部とを設けた本体と、各階の部
屋間を連通する連通ダクトと、この連通ダクトと室外と
を連通する室外連通ダクトと、前記給気ファンと排気フ
ァンおよび循環ファンの回転数を検知する回転数検知セ
ンサーと、この回転数検知センサーの検出信号により作
動する制御ボックスとを備え、前記制御ボックスにより
制御されるように室外連通ダクトに送風ファンを有した
送風ファンボックスを設けたので、本体が異常停止して
も必要換気量を確保できる熱交換気空調ユニットを提供
できる。

【００２５】また、室外連通ダクトに設けられる送風フ
ァンボックスを介して各階の部屋間を連通するように設
けた連通ダクトと、前記送風ファンボックス内に室外連
通ダクトの通風路または連通ダクトの通風路を切換え開
閉するダンパーを設けたので、正常運転のときは家全体
の温度差が少なくなり、快適な住空間となるように空調
ができ、本体が故障などで異常停止しても必要換気量を
暫定的に確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の熱交換気空調ユニットと
送風ファンボックスを示す断面図

【図２】同第１実施例の熱交換気空調ユニットのダクト
配管を示す断面図

【図３】同第２実施例の熱交換気空調ユニットと送風フ
ァンボックスを示す断面図

【図４】従来の熱交換気空調ユニットのダクト配管を示
す断面図

【符号の説明】

１ 本体 ２ 外気吸込ダクト ３ 外気排出ダクト ４ 給気ダクト ５ 循環ダクト ６ 給気ファン ７ 排気ファン ８ 全熱交換素子 ９ 熱交換部 １０ 循環ファン １１ 冷暖房コイル １２ 空調部 １３ 回転数検知センサー １４ 制御ボックス １５ 連通ダクト １５Ａ 連通ダクト １５ａ 通風路 １６ｂ 通風路 １７ 送風ファンボックス １７Ａ 送風ファンボックス １８ 送風ファン １９ ダンパー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室外と連通する外気吸込ダクトと外気排
   出ダクトと各階の各室内と連通した複数の給気ダクトお
   よび循環ダクトを設け、内部に給気ファンと排気ファン
   および全熱交換素子からなる熱交換気部と、循環ファン
   と冷暖房コイルからなる空調部とを設けた本体と、各階
   の部屋間を連通する連通ダクトと、この連通ダクトと室
   外とを連通する室外連通ダクトと、前記給気ファンと排
   気ファンおよび循環ファンの回転数を検知する回転数検
   知センサーと、この回転数検知センサーの検出信号によ
   り作動する制御ボックスとを備え、前記制御ボックスに
   より制御されるように室外連通ダクトに送風ファンを有
   した送風ファンボックスを設けた熱交換気空調ユニッ
   ト。
2. 【請求項２】 室外連通ダクトに設けられる送風ファン
   ボックスを介して各階の部屋間を連通するように設けた
   連通ダクトと、前記送風ファンボックス内に室外連通ダ
   クトの通風路または連通ダクトの通風路を切換え開閉す
   るダンパーとを設けた請求項１記載の熱交換気空調ユニ
   ット。