JPH0975434A - 光触媒を使用した脱臭剤 - Google Patents

光触媒を使用した脱臭剤

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JPH0975434A
JPH0975434A JP7256885A JP25688595A JPH0975434A JP H0975434 A JPH0975434 A JP H0975434A JP 7256885 A JP7256885 A JP 7256885A JP 25688595 A JP25688595 A JP 25688595A JP H0975434 A JPH0975434 A JP H0975434A
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JP
Japan
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titanium oxide
adsorbent
photocatalyst
malodorous
light transmitting
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JP7256885A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tajima
康宏 田島
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Kuraray Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Chemical Co Ltd
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】酸化チタン (IV) を担持させた多孔性物質から
なる吸着剤に、紫外線増感剤、透光性セラミックス及び
透光性プラスチックスの3種の成分からなる群より選ば
れた、少なくとも1種の成分を含有せしめてなる光触媒
を使用した脱臭剤である。更に本発明にはこの光触媒を
使用することを特徴とする脱臭方法も含まれている。酸
化チタン (IV) はアナターゼ型結晶系を有するものが好
ましい。 【効果】本発明の光触媒は酸化チタンを吸着剤に担持さ
せたもので、担体の吸着作用と酸化チタンの触媒作用に
より太陽或いは蛍光灯等の光線の存在下で、生活空間内
に存在する微量の悪臭ガスを除去する効果がある。例え
ば、冷蔵庫または自動車の車内等に存在する微量のアミ
ン類、アンモニア、メルカプタン類、アルデヒド類及び
低級カルボン酸類等の悪臭ガスを吸着後、光線の照射に
より悪臭成分は酸化分解されて、無臭の成分となって放
出される。このため光触媒の脱臭機能が再生され、半永
久的に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は悪臭成分を分解・除
去する光触媒を使用した脱臭剤及び、その光触媒を用い
た脱臭方法に関するものである。更に詳しく述べると、
酸化チタンの可視光線及び近紫外線による酸化触媒性を
利用した悪臭成分を分解できる光触媒で、例えば、アミ
ン類、アンモニア、メルカプタン類、アルデヒド類及び
低級カルボン酸類等の悪臭成分を吸着・分解すると共
に、脱臭機能を再生できる特徴がある。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫内や自動車内に存在する悪臭ガス
成分は、食品から発生するアミン類やメルカプタン類で
あり、また、室内のタバコの煙に含まれる悪臭成分はア
ンモニア、低級アルデヒド類及び低級カルボン酸類等で
ある。これらの悪臭を除去する方法は多々知られている
が、最も多く利用されているのは活性炭等の吸着剤を利
用する方法である。しかし、活性炭等の吸着剤のみでは
これらの悪臭ガスを全て除去することは困難である。
【0003】また、活性炭等の吸着剤にアルカリ性物質
または酸性物質を担持したいわゆる添着脱臭剤は、多く
の悪臭成分を除去するのに有効であるが、全ての悪臭ガ
スに対して有効ではなく、また脱臭剤の寿命が短くなる
欠点もある。その他、触媒物質を吸着剤に担持して使用
する方法も知られているが、メルカプタン類からはジス
ルフィド類を生成する等、副反応によって有害な悪臭物
質を生成する場合が多い。
【0004】その他、吸着された悪臭成分を完全に酸化
分解することによって、脱臭機能を再生し吸着剤の寿命
を半永久的に延ばす方法が知られている。これらの脱臭
剤の多くは吸着剤に貴金属化合物を担持させた組成を有
し、悪臭ガス吸着後100 ℃以上に加熱して悪臭成分を酸
化分解させるものである。しかしながら、この様な脱臭
剤は加熱する必要があるため熱源(エネルギー)が必要
となる。また、高温のため活性炭は使用できず、吸着容
量の比較的少ない不燃性吸着剤を使用しなければならな
い欠点がある。
【0005】ところで、酸化触媒の機能を回復させるた
め高温に加熱する必要がなく、常温で再生できるものと
して酸化チタンに代表される光触媒がある。酸化チタン
に光線、特に近紫外線を照射することにより、常温で吸
着された悪臭ガスを分解、再生することが可能である。
【0006】光触媒を応用した例には次の様なものがあ
る。特開平01-234729 号公報及び特開平01-231926 号公
報には、酸化チタンを活性炭に担持した光触媒を、エア
ーコンディショナーまたは空気清浄機に使用した例が開
示されている。しかし、両公報には除去の対象となる具
体的な悪臭ガスが例示されず、また、実際に悪臭ガスを
除去できることを示した試験例も記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は生活空間内に
存在する微量の悪臭ガス、例えば冷蔵庫内、自動車内等
に存在するアミン類、アンモニア、メルカプタン類、ア
ルデヒド類及び低級カルボン酸類等の悪臭ガスを吸着剤
で吸着後、太陽光または蛍光灯を照射することによっ
て、吸着した悪臭成分を酸化・分解して脱臭機能を再生
し、半永久的に使用可能な脱臭剤を提供しようとするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は再生機能を有
する脱臭剤として光触媒について、前述の従来の技術の
欄で述べた資料を元に検討した。そこで塩基性ガス及び
酸性ガスは、活性炭等の吸着剤の表面に酸化チタンを担
持したのみでは、太陽光等を照射しても充分に除去する
ことは困難であることを確かめた。特開平06-170220 号
公報で活性炭の外面に酸化チタンを担持した光触媒を用
いた例が示されているが、実施例として中性のアセトア
ルデヒドを、紫外線ランプを照射して分解した例が示さ
れているのみである。ここで例示されているアセトアル
デヒドは、光触媒によって分解され易い化合物の一種で
ある。
【0009】一方、酸性ガス、塩基性ガスを含め、広範
囲な悪臭物質を太陽光等のみで分解するためには、酸化
チタン担持活性炭だけでは尚不十分である。特開平07-
24256 号公報には、酸及びアルカリ添着活性炭の表面に
酸化チタンを担持させて調製した光触媒の例が示されて
いるが、実際に除去の対象とされているガスは中性のア
セトアルデヒド、トルエン及びアンモニアである。この
酸及びアルカリを添着した活性炭を用いた場合は特にア
ンモニア除去の効果は高いが、長期間脱臭効果を持続さ
せることは困難である。
【0010】更にこれらの文献に記載された光触媒を励
起する光源には、全て紫外線ランプが使用されている点
が注目される。紫外線ランプは酸化チタンを励起する効
果が優れているが、別途触媒照射用の設備及び電力が必
要となる点に問題がある。
【0011】前述の様な脱臭剤として光触媒を使用する
場合の種々の問題点を考慮して、本発明者は生活環境に
存在する種々の悪臭ガスの吸着・除去性に優れ且つ、常
温においてその使用環境に存在する光線の照射のみで、
吸着した悪臭成分を酸化分解してその機能を再生できる
新たな脱臭触媒を求めて種々研究を行った。その結果、
酸化チタン(IV)を担持させた吸着剤に、紫外線増感
剤、透光性セラミックス及び透光性プラスチックスの3
種の成分からなる群より選ばれた、少なくとも1種の成
分を加えて成型した光触媒がこの目的に適していること
が分かった。
【0012】透光性セラミックス、透光性プラスチック
ス及び紫外線増感剤のいずれかによって、照射された光
線のうち近紫外線が効率よく酸化チタンに照射されるこ
とによって、酸化チタンの持つ光触媒能が充分発揮され
ることを見出した。更に、吸着された悪臭成分が光触媒
作用で完全に酸化分解されて、系外に放出されるため脱
臭機能が再生されることを見出した。更に、使用する酸
化チタンの結晶構造及び吸着剤について検討した結果、
本発明に到達した。
【0013】すなわち、酸化チタン (IV) を担持させた
多孔性物質からなる吸着剤に、紫外線増感剤、透光性セ
ラミックス及び透光性プラスチックスの3種の成分から
なる群より選ばれた、少なくとも1種の成分を含有せし
めてなる光触媒を使用した脱臭剤である。更に本発明に
はこの光触媒を使用することを特徴とする脱臭方法も含
まれている。また、酸化チタン (IV) はアナターゼ型結
晶系を有するものが好ましい。
【0014】以下本発明について詳しく説明する。
【0015】本発明の光触媒を使用した脱臭剤は、酸化
チタン (IV) を担持させた多孔性物質からなる吸着剤
に、紫外線増感剤、透光性セラミックス及び透光性プラ
スチックスの3種の成分からなる群より選ばれた、少な
くとも1種の成分を含有せしめてなる光触媒を使用した
脱臭剤である。
【0016】酸化チタンは300 〜400 nmの近紫外線を照
射することにより、非常に高活性な酸化力を発揮する光
触媒である。この触媒は前述の生活空間に存在する悪臭
ガスの殆ど総てを酸化分解できる能力をもっている。酸
化チタン(IV)はアナターゼ型及びルチル型の結晶系を
有するものはいずれでも使用可能であるが、光酸化能の
高いアナターゼ型がより好ましい。
【0017】多孔性物質からなる吸着剤としては、大き
な比表面積を有しファンデルワールス力による高い物理
吸着性を有する物質であれば広く使用できる。例えば、
活性炭、シリカ、活性アルミナ、ゼオライト等である。
また、これらの吸着剤は大きな比表面積を有することか
ら分かる様に、外部から観察できる表面のみならず、物
質の内部もミクロ孔、メゾ孔またはクラックで満たされ
ている。
【0018】本発明に使用される活性炭は、通常1gあ
たり数百m2或いはそれ以上の大きな比表面積を有し、高
い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用できる。
活性炭の原料には、通常椰子殻または木材等の炭化物、
或いは石炭が使用されるがいずれでもよい。また賦活法
も水蒸気或いは二酸化炭素ガスにより高温で賦活する方
法、または塩化亜鉛、リン酸、濃硫酸等の化学薬品で処
理する方法等いずれの方法によって得られたものでもよ
い。
【0019】活性炭の形状は破砕炭、造粒炭あるいは顆
粒炭のいずれでも効果は認められるが、その他後述する
様に各種形状に加工したものを使用することができる。
【0020】本発明に使用されるシリカは、ケイ酸コロ
イド溶液を凝固させて製造された吸着剤である。主成分
は二酸化ケイ素で細孔構造を有し、90〜500 m2/gの比表
面積を持ち高い吸着性を示す。細孔容積は特に限定しな
いが、充分な吸着性能を有するためには0.3 ml/g以上で
あることが好ましい。
【0021】本発明に使用される活性アルミナは酸化ア
ルミニウムを主成分としたもので、多孔構造を有し高い
吸着性を示す。細孔容積は特に限定しないが、充分な吸
着性能を有するためには0.3 ml/g以上であることが好ま
しい。
【0022】本発明に使用されるゼオライトは結晶状ア
ルミノケイ酸塩で、三次元骨格とその間隙に形成された
細孔構造を有する物質である。500 m2/g以上に達する大
きな比表面積と、それに基づく高い吸着性を有する。そ
の組成、構造は特に限定せず、天然品、合成品のいずれ
も使用できる。細孔容積は特に限定しないが、充分な吸
着性能を有するためには0.3 ml/g以上であることが好ま
しい。
【0023】これらの吸着剤は一般の市販品を使用する
ことも可能である。吸着剤は粒子または粉末状のままで
も使用できるが、後述の様にバインダーによって各種形
状に加工して用いることもできる。具体的には乾式成形
により板状、ブロック状、パイプ状、シート状及び紙状
に加工したもの、或いは湿式成型によりシート状、紙状
またはコルゲート状に加工して用いることができる。こ
れらの成形方法は公知の方法が利用できる。その他、ガ
ラス管、金属板等に塗布して用いることも可能である。
【0024】本発明において使用される紫外線増感剤
は、紫外線によって励起された分子が酸化チタン (IV)
の光酸化反応を促進する効果を有する物質である必要が
ある。例えば、p-ニトロアニリンやp-ニトロビフェニル
等が使用できる。
【0025】また、透光性プラスチックスとしては光の
透過性が高く光線を成型物の内部に導く性質を有する必
要がある。成型物の表面に照射された光線を、成型物の
内部深くへ導き、光化学反応を促進する作用がある。例
えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等が
好ましい。尚、透光性プラスチックス、透光性セラミッ
クス及び紫外線増感剤は、他の成形用バインダー、例え
ば、ポリエチレン粉末、CMC(カルボキシメチルセルロー
ズ) 、シリカ系接着剤等と混合して使用することができ
る。
【0026】本発明において透光性セラミックスとして
は、光の透過性が高く光線を成型物の内部に導く性質を
有するセラミックスであれば広く使用できる。特に反射
率が低く光の吸収、散乱性が少ない材質が好ましく、例
えば、透光性アルミナ、マグネシア、イットリア等が使
用可能である。これらのセラミックスは、成型物の表面
に照射された光線を成型物の内部深くへ導き、光化学反
応を促進する作用がある。
【0027】紫外線増感剤、透光性セラミックス及び透
光性プラスチックスは併用してもよいし、そのうちの2
種または1種のみを用いてもよい。尚、本発明の光触媒
は更に酸化触媒性を有する白金化合物、またはニッケル
や鉄等の酸化物を加えて使用することもできる。その
他、光線を成型物の内部に導くために適した形状を有
し、透光性が高く好ましくは近紫外線の透過性が高い素
材である例えば、石英ガラス繊維等を加えて使用しても
よい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の脱臭剤の形状は前述の吸
着剤について述べた様に、粒子または粉末状でも使用で
きるが、主としてバインダーまたは接着剤によって成型
した板状、ブロック状、パイプ状、シート状、紙状また
はコルゲート状とした形態で使用される場合が多い。
【0029】本発明の光触媒に含まれる吸着剤は、悪臭
ガスをその細孔内に吸着する作用があるが、吸着量が飽
和に達するとそれ以上悪臭ガスを吸着することはできな
い。悪臭ガスの吸着量を更に増加させるため、吸着した
悪臭成分を分解して悪臭ガス吸着機能を再生させる作用
を有する酸化チタンを、吸着剤の細孔入口付近及び外面
に担持させた。
【0030】酸化チタンが担持されている部分に近紫外
線を含む光線が照射されると、その部分に吸着されてい
た悪臭成分は酸化チタンの光触媒作用で酸化分解され
て、無臭で無害なガスとなり系外に放出される。吸着剤
の内部の細孔内に吸着されていた悪臭成分は、拡散現象
により順次吸着剤表面に移動し、酸化チタンに接触して
分解される。この様なサイクルによって吸着剤は吸着、
再生を繰り返し常に高い吸着能を保持することができ、
寿命の長い脱臭触媒が得られる。
【0031】近紫外線の光源としては、紫外線ランプや
高圧水銀灯等を用いることもできるが、これらのランプ
は高価なため、本発明の光触媒を設置した場所で利用可
能な太陽光線、または蛍光灯に一部含まれる近紫外線を
利用することが望ましい。この際これらの光線に含まれ
ている近紫外線の吸収率を高めるために、紫外線増感剤
を使用し且つ紫外線の透光率が高いバインダーを用いる
ことが好ましい。
【0032】また、本発明の光触媒は酸化チタンと吸着
剤が含まれているため、消灯時または夜間で光線がない
場合でも、吸着剤の作用で悪臭ガスを吸着・除去するこ
とができる。吸着された悪臭ガスは蛍光灯点灯時または
昼間の直接、間接の太陽光線によって酸化分解される。
【0033】本発明の光触媒は生活空間内に存在する微
量の悪臭ガスを除去する機能を有するもので、冷蔵庫ま
たは自動車の車内等に存在する微量のアミン類、アンモ
ニア、メルカプタン類、アルデヒド類及び低級カルボン
酸類等の悪臭ガスを吸着剤の作用で吸着した後、光線を
照射することにより、吸着した悪臭成分を無臭の成分に
酸化分解する作用がある。分解された成分が放出される
ことによって、光触媒の悪臭ガスを除去する機能が再生
され、半永久的に使用することができる。これが本発明
の光触媒の最も大きな特徴である。
【0034】本発明の光触媒作用が光源の存在によって
活性化されていることは、実施例1、2と比較例1の比
較から明らかである。また、実施例3から分かる様に暗
室での試験後、光線を照射することによって吸着剤に吸
着された悪臭成分の酸化分解が促進され、吸着剤の吸着
能が回復することが分かる。更に、比較例2の結果か
ら、紫外線増感剤と透光性バインダーが存在しない場合
には、悪臭ガスの除去能力が徐々に低下することが分か
る。各種の成型体で試験した場合でも同様の傾向を示
す。すなわち酸化チタン(IV)及び吸着剤の他、紫外線
増感剤、透光性セラミックス、透光性プラスチックスの
内少なくとも1種と光線の存在下で初めて充分な光触媒
性能を発揮していることが認められる。
【0035】本発明の光触媒は通常、常温でも充分な脱
臭性能を有するが、吸着剤として不燃性のゼオライト等
を用い、且つアルミナ等不燃性の透光性セラミックスを
バインダーとして成型した場合には、200 ℃以上の高温
で使用可能である。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0037】(実施例1)吸着剤として椰子殻を原料と
して得られた粒度32〜60メッシュの活性炭(クラレケミ
カル(株)製、商品名「クラレコール GG 」)を使用し
た。チタンテトライソプロコキシド30mlを1モルの硝酸
水溶液 90ml 中に室温で攪拌しながら徐々に滴下し、更
に3時間攪拌を継続して透明な酸化チタンゾルを調製し
た。更に蒸留水600 mlを加え、1モルの水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えてpHを3に調節し、酸化チタンのコロイ
ド溶液を調製した。
【0038】このコロイド溶液に椰子殻活性炭を100 g
加えて、1時間攪拌した。この酸化チタン担持活性炭
を、洗浄液のpHが6以上になる迄蒸留水で洗浄した。こ
れを常温で真空乾燥した後、300 ℃で1時間焼成して、
酸化チタン(IV)担持活性炭を調製した。尚、活性炭を
加えないでチタンテトライソプロコキシドを同様な条件
で加水分解して得られた酸化チタンは、XRD(X-ray diff
raction)測定によりアナターゼ型結晶系を有することが
確認された。
【0039】この様にして調製した酸化チタン担持椰子
殻活性炭を100 g、紫外線増感剤であるp-ニトロアニリ
ンを1g、透光性アルミナ粉末2g及びポリエチレン粉
末バインダー15gを均一に混合したのち、アルミニウム
板で作成した100 mm四方厚さ10mmの成型枠に粉末状の混
合物を充填した。これを130 ℃に加熱後、加圧下で冷却
して板状成型体を得た。
【0040】この板状成型体1gを3.8 リットルのデシ
ケータに入れて悪臭ガスの除去テストを行った。悪臭ガ
スとしては冷蔵庫中で発生する悪臭ガスの主成分である
メチルメルカプタン及びトリメチルアミンを使用した。
悪臭ガスを初期濃度 500 ppmになるように注入し、メチ
ルメルカプタンは2時間後、トリメチルアミンは4時間
後の残存濃度を測定した。この操作を繰り返して再生能
力もテストした。尚、テストの間透明なデシケータを通
して外部より蛍光灯の光を照射した。
【0041】メチルメルカプタン及びトリメチルアミン
の25℃における脱臭試験の結果を、それぞれ表1及び表
2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】(実施例2)光触媒として上記実施例1と
同様に作成した板状成型体を用い、蛍光灯に代えて屋外
で太陽光を照射した以外は実施例1と同様に悪臭ガスの
除去試験を行った。その結果を表1及び表2に併せて示
す。
【0045】(比較例1)光触媒として上記実施例1と
同様に作成した板状成型体を用い、暗室で試験した以外
は実施例1と同様に悪臭ガスの除去試験を行った。その
結果を表1及び表2に併せて示す。
【0046】(比較例2)実施例1と同様に調製した酸
化チタン担持椰子殻活性炭を100 gとポリエチレン粉末
バインダー20gを均一に混合したのち、アルミニウム板
で作成した100 mm四方厚さ10mmの成型枠に粉末状の混合
物を充填した。これを130 ℃に加熱後、加圧下で冷却し
て板状成型体を作成した。
【0047】この板状成型体を用いて、実施例1と同様
に蛍光灯照射下で悪臭ガスの除去試験を行った。その結
果を表1及び表2に併せて示す。
【0048】(実施例3)比較例1の試験後、使用した
板状成型体に蛍光灯を照射して試験を継続した。その結
果を表1および表2に併せて示す。
【0049】(実施例4)吸着剤として粉末シリカ〔水
沢化学工業(株)製、商品名「ミズカシル」〕を使用し
た。チタンテトライソプロコキシド30mlを1モルの硝酸
水溶液 90ml 中に室温で攪拌しながら徐々に滴下し、更
に3時間攪拌を継続して透明な酸化チタンゾルを調製し
た。蒸留水600 mlを加え、1モルの水酸化ナトリウム水
溶液を加えてpHを3に調節して、酸化チタンのコロイド
溶液を調製した。
【0050】ここに粉末シリカ 100gを加えて1時間攪
拌した。得られた酸化チタン担持シリカを蒸留水で洗浄
液のpHが6以上になるまで洗浄した。これを常温で真空
乾燥したのち、300 ℃で1時間焼成して、酸化チタン
(IV) 担持シリカを調製した。
【0051】前記の様にして調製した酸化チタン担持シ
リカ100 g、透光性アルミナ粉末2g及びポリエチレン
粉末バインダー18gを均一に混合した後、アルミニウム
板で作成した100 mm四方厚さ10mmの成型枠に粉末状の混
合物を充填した。これを 130℃に加熱後、加圧下で冷却
して板状成型体を作成した。
【0052】この板状成型体1gを 3.8リットルのデシ
ケータに入れて悪臭ガスの除去テストを行った。悪臭ガ
スとしてはタバコの煙の中に存在する悪臭ガスの主成分
であるアンモニア、アセトアルデヒド及び酢酸について
試験した。これらの悪臭ガスの初期濃度が 100 ppmにな
るように注入し、3時間後の残存濃度をそれぞれ測定し
た。この操作を繰り返して再生後の脱臭能力も調べた。
尚、テストの間透明なデシケータを通して外部より蛍光
灯の光を照射した。
【0053】アンモニア、アセトアルデヒド及び酢酸の
25℃における脱臭試験の結果を、それぞれ表3、表4及
び表5に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】(比較例3)光触媒として上記実施例4と
同様に作成した板状成型体を用い、光が届かない暗室で
試験した以外は実施例4と同様に悪臭ガスの除去試験を
行った。その結果を表3、表4及び表5に併せて示す。
【0058】(実施例5)吸着剤として活性アルミナ
〔水沢化学工業(株)製、商品名「ネオビード」〕を使
用した以外は実施例4と同様な方法で酸化チタン(IV)
担持アルミナを調製した。
【0059】前記の様にして得られた酸化チタン担持活
性アルミナ100 g及び透光性アルミナ粉末2gをよく混
合し、カルボキシルメチルセルロース水溶液を塗布した
不織布上に振りかけて接着させ、乾燥してシート状成型
体を作成した。
【0060】このシート状成型体2g(吸着剤の重量は
約1g)を 3.8リットルのデシケータに入れて、蛍光灯
に代えて太陽光を照射した以外は実施例4と同様に悪臭
ガスの除去試験を行った。その結果を表3、表4及び表
5に併せて示す。
【0061】(比較例4)上記実施例5と同様に作成し
たシート状成型体を用い、光が届かない暗室で試験した
以外は実施例5と同様に悪臭ガスの除去試験を行った。
その結果を表3、表4及び表5に併せて示す。
【0062】(実施例6)吸着剤として H-Y型ゼオライ
トを用いた他は実施例4と同様な方法で酸化チタン (I
V) 担持 H-Y型ゼオライトを調製した。
【0063】前記の様にして得られた酸化チタン担持ゼ
オライト100 g及び透光性アルミナ粉末2gを水中に分
散させてスラリー液を調製した。シリカ系接着剤を塗布
したステンレス板上にスラリー液を塗布して接着させ、
乾燥して成型体を作成した。
【0064】この成型体5g(吸着剤の重量は約1g)
を 3.8リットルのデシケータに入れて、光源として蛍光
灯を使用して実施例4と同様に悪臭ガスの除去試験を行
った。その結果を表3、表4及び表5に併せて示す。
【0065】(比較例5)上記実施例6と同様に作成し
た成型体を用い、光が届かない暗室で試験した以外は実
施例6と同様に悪臭ガスの除去試験を行った。その結果
を表3、表4及び表5に併せて示す。
【0066】
【発明の効果】本発明の光触媒は酸化チタンを吸着剤に
担持させたもので、担体の吸着作用と酸化チタンの触媒
作用により太陽或いは蛍光灯等の光線の存在下で、生活
空間内に存在する微量の悪臭ガスを除去する効果があ
る。例えば、冷蔵庫または自動車の車内等に存在する微
量のアミン類、アンモニア、メルカプタン類、アルデヒ
ド類及び低級カルボン酸類等の悪臭ガスを吸着後、光線
の照射により悪臭成分は酸化分解されて、無臭の成分と
なって放出される。このため光触媒の脱臭機能が再生さ
れ、半永久的に使用することができる。これが本光触媒
の最も大きな特徴である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/02 B01D 53/36 ZABH

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタン (IV) を担持させた、多孔性
    物質からなる吸着剤に、紫外線増感剤、透光性セラミッ
    クス及び透光性プラスチックスの3種の成分からなる群
    より選ばれた、少なくとも1種の成分を含有せしめてな
    る光触媒を使用した脱臭剤。
  2. 【請求項2】 酸化チタン (IV) がアナターゼ型結晶系
    を有する請求項1記載の光触媒。
  3. 【請求項3】 酸化チタン (IV) を担持させた、多孔性
    物質からなる吸着剤に、紫外線増感剤、透光性セラミッ
    クス及び透光性プラスチックスの3種の成分からなる群
    より選ばれた、少なくとも1種の成分を加えて成型した
    光触媒を使用することを特徴とする脱臭方法。
JP7256885A 1995-09-07 1995-09-07 光触媒を使用した脱臭剤 Pending JPH0975434A (ja)

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