JPH0975366A - 大腿骨頸部穿孔ガイド - Google Patents

大腿骨頸部穿孔ガイド

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JPH0975366A
JPH0975366A JP7259421A JP25942195A JPH0975366A JP H0975366 A JPH0975366 A JP H0975366A JP 7259421 A JP7259421 A JP 7259421A JP 25942195 A JP25942195 A JP 25942195A JP H0975366 A JPH0975366 A JP H0975366A
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JP
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shaft
pin
bar
guide
femur
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JP7259421A
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Koichi Inoue
浩一 井上
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M II SYST KK
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Publication date
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    • A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00—Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/16—Bone cutting, breaking or removal means other than saws, e.g. Osteoclasts; Drills or chisels for bones; Trepans
    • A61B17/17—Guides or aligning means for drills, mills, pins or wires
    • A61B17/1721—Guides or aligning means for drills, mills, pins or wires for applying pins along or parallel to the axis of the femoral neck
    • A—HUMAN NECESSITIES
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    • A61B17/17—Guides or aligning means for drills, mills, pins or wires
    • A61B17/1739—Guides or aligning means for drills, mills, pins or wires specially adapted for particular parts of the body
    • A61B17/1742—Guides or aligning means for drills, mills, pins or wires specially adapted for particular parts of the body for the hip
    • A61B17/175—Guides or aligning means for drills, mills, pins or wires specially adapted for particular parts of the body for the hip for preparing the femur for hip prosthesis insertion

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゲージブロックを手で押えておく必要がなく、
ガイドピンの正確な刺込み角度設定とガイドピンの刺入
を簡易能率的に行うことができ、また骨折の整復部位の
保持も行うことができる大腿骨頸部穿孔用のガイドを提
供する。 【解決手段】後部に雌ねじ部を有し先端部にはフック状
の引掛け部１１を有するバー状基体１と、前記雌ねじ部
に螺通されたねじシャフト３を介して前記バー状基体１
上を移動可能なスライド２と、前記スライド２とバー状
基体１に支軸機構５を介して取外し可能に支持され、大
腿骨９との接触面に歯部４３１を有すると共に歯部４３
１に開孔するガイドピン挿通用の斜孔４１０，４１１を
備えたゲージブロック４とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は大腿骨頸部穿孔ガイ
ドに関する。
【０００２】
【従来の技術】大腿骨の頸部の周囲が骨折しあるいは亀
裂が入った場合の治療方法として、一般に大腿骨の骨頭
部と頸部との間をコンプレッションヒップスクリューあ
るいはキャンセラススクリューといったスクリューボル
ト類で緊締する手法が採用されている。かかる手術に先
立っては骨頭部分の皮膚を除去し、大腿骨の大転子下か
ら骨頭中心部にガイドピンを刺入することが行われる
が、ガイドピンの角度が正確でないと上記したスクリュ
ーボルト類による緊締効果が不十分となる。
【０００３】従来かかるガイドピンの刺入角度の設定具
は、図１５に示すように、１３０〜１５０°の角度に斜
孔ｇを明けたゲージブロックＧに柄Ｈを付けた構造のも
のが一般的であった。しかしこのような構造は、単にゲ
ージブロックＧの一面が大腿骨の外側面に当てがわれる
だけであるためゲージブロックＧが安定せず、手指等が
接触したり振動が作用しても位置がずれてしまい、ガイ
ドピンの角度設定を容易にかつ正確に行うことが困難で
あった。しかも、角度が決まってガイドピンを刺入する
ときにも、ゲージブロックＧを大腿骨にしっかりと手で
保持しなければならないためひとりでガイトピンを刺入
することができず、少なくともガイトピンを刺入するス
タッフとゲージブロックＧを保持するスタッフの計２名
が必要になり、手術が煩雑で手間と時間がかかるという
問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解消するために研究して創案されたもので、そ
の目的とするところは、ゲージブロックを手で押えてお
く必要がなく、ガイドピンの正確な刺込み角度設定とガ
イドピンの刺入を簡易能率的に行うことができる大腿骨
頸部穿孔ガイドを提供することにある。また、本発明の
他の目的は、骨折の整復部位を保持することができ、さ
らに骨膜の除去も行うことができる実用性の高い大腿骨
頸部穿孔ガイドを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、後部に雌ねじ部を有し先端部にはフック状の
引掛け部を有するバー状基体と、前記雌ねじ部に螺通さ
れたねじシャフトを介して前記バー状基体上を移動可能
なスライドと、前記スライドとバー状基体に支軸機構を
介して取外し可能に支持され、大腿骨との接触面に歯部
を有すると共に歯部に開孔するガイドピン挿通用の斜孔
を備えたゲージブロックとを備えている構成を採用して
いる。また、本発明による大腿骨頸部穿孔ガイドは、好
適には上記した構成のガイド本体と別に頸部軸心確認用
治具とを備え、頸部軸心確認用治具は、前記斜孔にはめ
られる第１ピンとこれと平行な第２ピンを有している。
前記フック状の引掛け部は大腿骨の表面に喰込み係止可
能な歯部を有すると共に、先端には骨膜剥がし用の刃部
を有している。ガイドピン挿通斜孔は好ましくは２種以
上の異なる角度で設けられ、斜孔の近傍には回り止め用
孔が設けられ、頸部軸心確認用治具の第１ピンには、前
記回り止め用孔に嵌まる回り止めピンを有する駒片が取
り付けられている。頸部軸心確認用治具は外側軸心確認
用と前面軸心確認用の２種から構成されていてもよい
し、１種類から構成されていて第１ピンと回り止めピン
とが９０度変位可能になっていてもよい。また、本発明
は前記バー状基体とスライドとの間に大腿骨頸部前面に
当接可能な帯状プレートを傾動可能に枢支しているもの
を含む。
【０００６】
【発明の実施の形態】図１は本発明による大腿骨頸部穿
孔ガイドの一実施例を単体の状態で示し、図２ないし図
６は使用状態で示している。図１において、Ａはガイド
本体、Ｂ1，Ｂ2は頸部軸心確認用治具である。図２ない
し図４において、９は大腿骨、９０は大転子、９１は骨
頭、９２は外側面、９３は内側面、９４は前面、９４０
は前面の平坦領域、９５は後面、Ｄはガイドピンであ
る。前記ガイド本体Ａは、バー状基体１とスライド２と
進退用ねじシャフト３とゲージブロック４とを備えてお
り、それら各部材はステンレスなどの強度の高い材料で
作られている。バー状基体１は図３と図５のように後部
に雌ねじ穴部１０を有し、先端部は所要の曲率を持って
わん曲したフック状の引掛け部１１となっている。引掛
け部１１は大腿骨９の内側面９３に引掛けられるもの
で、表面には大腿骨９に噛み合うための歯部ないし摩擦
係数増加部（以下歯部という）１１０が刻設され、かつ
引掛け部１１の先端は先細りとなって骨膜を剥がすため
の刃部１１１が形成されている。そしてバー状基体１は
前記引掛け部１１よりも軸線方向後側に長孔１２が設け
られている。歯部１１０は図８（ａ）のように幅方向に
走る突条でもよいし、（ｂ）のように角錐状などをなし
た先鋭な突起を縦横に配したものであってもよい。後者
はずれ止め効果が高いため、ゲージブロック４と引掛け
部１１を正対しない関係にすることができる。
【０００７】スライド２は前記バー状基体１の上面に摺
動可能に配され、後端部２０には前記雌ねじ穴部１０を
螺通した進退用ねじシャフト３の先端が空転可能に嵌着
されている。進退用ねじシャフト３の後端部には操作把
手３０が設けられている。ゲージブロック４は、図２と
図３のように、平坦な後端面４０とこれの両側の傾斜面
４１，４１と垂直面４２，４２および前端面４３とを有
する平面台形状ないしこれに類する幅広ブロックからな
り、前記スライド２の上に、前端面４３が引掛け部１１
と対峙するするように配されている。前記前端面４３は
大腿骨９との接触を安定されるため拡大部４３０が設け
られており、この拡大部４３０を含む全面には大腿骨９
の外側面９３に喰込み係止するための歯部ないし摩擦係
数増加部(以下歯部という)４３１が刻設されている。そ
して、前記傾斜面４１，４１から前端面４３には大腿骨
９の骨頭９１に向かってガイドピンＤを刺入するための
複数の斜孔４１０，４１１が交差状に貫設されている。
それら斜孔４１０，４１１は１３０〜１５０°の範囲内
の少なくとも２種の角度たとえば１３５°と１４５°と
なっている。これら斜孔４１０，４１１は各傾斜面４
１，４１に１つずつ設けられてもよいが、左右の大腿骨
に適合できるようにするため、好ましくは図６と図７に
示すように、各傾斜面４１，４１に２つずつないしは３
つずつ設ける。そして、各斜孔４１０，４１１の近傍に
は頸部軸心確認用治具Ｂ1，Ｂ2のための回り止め用孔４
１２，４１２’を穿設している。中間位置の回り止め用
孔４１２’は長孔としているが、これは別々の孔として
もよい。
【０００８】前記ゲージブロック４はその幅方向中心部
位がスライド２およびバー状基体１に支軸機構５により
揺動可能に枢支され、しかも要時すなわちガイドピンの
刺入が終わったときにスライド２から分離できるように
なっている。支軸機構５は、図６のように、スライド２
の反ゲージブロック側から設けられた段付き孔２１に頭
部５０が回り止め状態で嵌められ軸部がバー状基体１の
長孔１２を貫通する第１軸５ａと、第１軸５ａと同心状
にゲージブロック４に設けられた段付き孔４５に挿入さ
れた締結用の第２軸５ｂを有しており、第１軸５ａは先
端外周の雄ねじにワッシャーを介してナット５ｃが螺合
され、ナット５ｃを横通するピン５１によって第１軸５
ａは抜け止めされている。そして、第１軸５ａには頭部
から所要位置まで雌ねじ穴５２が形成されている。第２
軸５ｂは後端に回動用の頭部５３を有し、雄ねじ軸部５
４が前記第１軸５ａの雌ねじ穴５２に螺合されることで
ゲージブロック４の揺動中心を構成している。そして、
ゲージブロック４をスライド２から分離すべく、第２軸
５ｂを緩めて後退させたときに第２軸５ｂがゲージブロ
ック４から分離して紛失しないようにするため、段付き
孔４５には第２軸５ｂに外嵌するＥリング５ｄが配され
ている。
【０００９】この実施例ではさらにガイド本体Ａが帯状
プレート６を有している。この帯状プレート６は、大腿
骨頸部前面９４の平坦領域９４０に当接することでガイ
ドピンＤを頸部軸心ＣＬと平行にさせる当て板および角
度確認指標具として機能するもので、前記バー状基体１
とスライド２との間に配され、支軸機構５で抜け止めさ
れている。すなわち、帯状プレート６は基端部から所要
長さ位置まで長孔６０を有しており、図６のようにスラ
イド２にはバー状基体１との接触面に帯状プレート６の
幅よりも広い浅溝２３が設けられている。帯状プレート
６は長孔６０に第１軸５ａが貫通されるように浅溝２３
に挿入され、それよりも先の部分が図１，図２、図４に
示すように斜め外方に延びている。帯状プレート６は浅
溝２３の深さよりも少し大きな厚さ寸法とすることが好
ましく、これにより第２軸５ｂを第１軸５ａに螺合した
ときに帯状プレート６に不用意に傾動したりしない適度
な角度保持力を持たせることができる。
【００１０】次に、頸部軸心確認用治具Ｂ1は前面軸確
認のためのもので、ガイドピンと同じ径を持つ第１ピン
７ａと第２ピン７ｂを連結片７ｃによって所定間隔をお
いて平行に保持させている。第１ピン７ａは第２ピン７
ｂよりも短く、第１ピン７ａの先端付近には、前記ゲー
ジブロック４の回り止め用孔４１２，４１２’に嵌まる
細径の回り止め用ピン７１を備えた駒片７ｄが押しねじ
等を用いて位置調整可能に固定されている。駒片７ｄは
その長軸が連結片７ｃと９０度変位した関係にある。頸
部軸心確認用治具Ｂ2は外側軸確認のためのもので、構
成は前記頸部軸心確認用治具Ｂ1と同じであるが、駒片
７ｄの長軸が連結片７ｃと平行な関係にある点で異なっ
ている。この頸部軸心確認用治具Ｂ2は前記のようにガ
イド本体Ａが帯状プレート６を備えている場合には省略
することもできる。図９は頸部軸心確認用治具Ｂ1と頸
部軸心確認用治具Ｂ2における連結片７ｃと第１ピン７
ａ，第２ピン７ｂの取り合いの例を示しており、（ａ）
のように連結片７ｃとして角バーを使用し、これに第１
ピン７ａと第２ピン７ｂを挿通し、押しねじ７ｈで固定
してもよい。この場合には第１ピン７ａと第２ピン７ｂ
の間隔は固定的である。（ｂ）は連結片７ｃとして角バ
ーを使用するが、上半部を幅方向で半割して分離片７４
を作り、この分離片７４と基片７３との境界部位に数個
の穴７５を間隔を置いて形成し、それら穴７５の任意の
ものを選択して第２ピン７ｂを挿通し、締付けねじ７
６，７６を分離片７４と基片７３に螺合することで固定
するようにしている。この態様とした場合には第１ピン
７ａと第２ピン７ｂの間隔を任意に調整することができ
る。（ｃ）は頸部軸心確認用治具Ｂ1と頸部軸心確認用
治具Ｂ2を簡便にしたもので、１本の線材をコの字状に
屈曲して連結片７ｃと第１ピン７ａと第２ピン７ｂを形
成したものである。
【００１１】なお、図１では頸部軸心確認用治具Ｂ1と
頸部軸心確認用治具Ｂ2は別々の部材となっているが、
これに限定されず、一つのもので頸部軸心確認用治具Ｂ
1と頸部軸心確認用治具Ｂ2に共用できるようにしてもよ
い。これは、第１ピン７ａの連結片７ｃに対する取付け
角度を９０度変位できるようにすればよい。図１０はそ
の例を示しており、（ａ）は第１ピン７ａの外周に９０
度の間隔で窪み７７，７８を設け、連結片７ｃは窪み７
７，７８に選択的に嵌まる棒先を有する押しねじ７ｈを
螺合している。第１ピン７ａを回動して窪み７７を押し
ねじ７ｈに合致させれば駒片７ｄの長軸が連結片７ｃと
平行になるため軸心確認用治具Ｂ2となる。また窪み７
８を押しねじ７ｈに合致させれば駒片７ｄの長軸が連結
片７ｃと９０度変位するため頸部軸心確認用治具Ｂ1と
なる。（ｂ）は押しねじ７ｈに代えてボール７ｆとスプ
リング７ｇとねじ７ｈを使用したものである。
【００１２】次に本発明による大腿骨頸部穿孔ガイドを
使用して大腿骨頸部骨折手術を行う例を説明する。ま
ず、大腿骨の外側面９２に大転子９０から適度に下の部
位を展開する。この状態で操作把手３０を持ち、ガイド
本体Ａを上記部位に近付ける。こうすればバー状基体１
の先端部はわん曲した引掛け部１１となっており、引掛
け部１１の先端は厚さが薄くなった刃部１１１となって
いる。このため、特別な剥がし器具を使用しなくても、
図１１のように、刃部１１１を皮切り部位に当て大腿骨
９の外側面９２から内側面９３に沿って移動することに
よりガイドピン刺入予定領域の骨膜９６を剥がすことが
できる。
【００１３】こうして骨膜９６を剥がしながら引掛け部
１１が大腿骨内側面９３に到ったところで操作把手３０
を回動すれば、進退用ねじシャフト３が前進することに
よりスライド２とゲージブロック４はバー状基体１上を
移動し、大腿骨外側面９２に接近する。このとき、第１
軸５ａがバー状基体１の長孔１２でガイドされるためス
ライド２はバー状基体１上を正確に移動し、ゲージブロ
ック４の中心を支持している第２軸５ｂが第１軸５ａに
螺合しているため、ゲージブロック４もスライド２と一
体にスムーズに移動する。こうすればゲージブロック４
の前端面４３は大腿骨外側面９２の軸方向に沿って接触
し、なおも操作把手３０を回動を持続することにより引
掛け部１１と前端面４３が対向状のまま接近し、ゲージ
ブロック４の歯部４３１が大腿骨外側面９２に、歯部１
１０が大腿骨内側面９３にそれぞれ喰込むためガイド本
体Ａは大腿骨９にしっかりと固定される。したがって、
以後はガイド本体Ａから手を離して術野から離れても影
響ない。
【００１４】上記したガイド本体Ａの固定時にはバー状
基体１とスライド２の間から斜め上方に帯状プレート６
が延びており、大腿骨頸部前面９４の平坦領域９４０と
頸部軸心ＣＬとはほぼ平行である。したがって、この大
腿骨頸部前面９４の平坦領域９４０に帯状プレート６の
厚さ方向の面が接触するようにガイド本体Ａをセットす
れば、図２ないし図４のようにゲージブロック４を簡単
に頸部軸心ＣＬと平行状に位置させることができる。帯
状プレート６は第１軸５ａが貫通する長孔６０を長手方
向に有しているため、適宜第２軸５ｂを緩めることで患
者の大腿骨の長さに即応しかつ大腿骨頸部前面９４の凹
凸領域に接触しないようにガイド本体Ａからの突出長さ
を調整することができる。
【００１５】この状態でゲージブロック４の一応のセッ
トは完了するから、傾斜面４１の斜孔４１０，４１１を
選択してガイドピンＤを骨頭９１に刺入することができ
るが、より正確な刺入角度とするには、図１２に示すよ
うに頸部軸心確認用治具Ｂ1をガイド本体Ａに取り付け
て大腿骨に対する固定位置調整を行えばよい。すなわ
ち、駒片７ｄから突出している第１ピン７ａを傾斜面４
１の所望の斜孔４１０または４１１に挿入し、回り止め
ピン７１を斜孔４１０または４１１の近傍の回り止め用
孔４１２または４１２’に挿入し、駒片７ｄを傾斜面４
１に当接させる。こうすれば第２ピン７ｂは大腿骨前面
上方に位置する。この状態が図１２（ａ）であり、この
ときには第１ピン７ａと第２ピン７ｂが変位しており、
したがってガイドピンに相当する第１ピン７ａの軸線は
頸部軸心ＣＬと合致していない。これを修正するには、
操作把手３０を少し回動してゲージブロック４の大腿骨
外側面９２への締付けを緩め、図１２（ｂ）のように第
１ピン７ａと第２ピン７ｂが頸部軸心ＣＬ上で重なった
状態となるようにガイド本体Ａを大腿骨軸方向に微動さ
せて操作把手３０を回動して締付ければよい。上記微動
操作は帯状プレート６が大腿骨頸部前面９４の平坦領域
９４０と接触しているためＸ線テレビなどでモニターし
ながら簡易かつ正確に行うことができる。
【００１６】以上の操作でガイドピンの刺込角度が正確
に設定されるので、あとは頸部軸心確認用治具Ｂ1をゲ
ージブロック４から取外し、図２の仮想線のように第１
ピン７ａが挿入されていた斜孔４１０または４１１にガ
イドピンＤを貫挿し、骨頭中心部へと刺入する。ゲージ
ブロック４は前記のようにバー状基体１の引掛け部１１
との協働挟持によりしっかりと大腿骨に固定されている
ため、ガイドピンＤの刺入を簡単にかつ正確に行うこと
ができる。こうしてガイドピンを刺入したならばＸ線テ
レビなどで位置を確認し、ついで、ガイド本体Ａを大腿
骨から取り外す。図１４はこの段階を示しており、まず
（ａ）のように第２軸５ｂを緩める。こうすれば、図６
の仮想線のように第２軸５ｂは第１軸５ａの雌ねじ穴５
２から抜き出されて先端が段付き孔４５に到り、ゲージ
ブロック４はスライド２と分離される。なおＥリング５
ｄが第２軸５ｂのねじ山に係合しているため第２軸５ｂ
はゲージブロック４から分離しない。そこで次にゲージ
ブロック４を把持し、図１４（ｂ）のようにガイドピン
Ｄの軸線方向に移動すればよく、これでゲージブロック
４はガイドピンＤの後端から抜き取られる。ゲージブロ
ック４を移動すればバー状基体１の把持力は消失される
ため大腿骨からワンタッチで取り外すことができる。分
離したバー状基体１とゲージブロック４は、ゲージブロ
ック４の段付き孔４５を第１軸５ａの頭部５０に当接さ
せて第２軸５ｂを回動する簡単な操作により再び図１の
ようなセット状態とすることができる。
【００１７】あとの手術手順は慣用のものと同じであ
り、ガイドピンデプスゲージを使用してガイドピンＤの
長さを測定し、リーマーとドリルにより骨頭のリーミン
グとタッピングを行い、レンチ類でヒップスクリューを
ねじ込み、これにサイドプレートを取付けてインパクタ
ーにより圧迫を加えるか、あるいは大腿骨外側面９２に
皮質骨スクリューを螺通してサイドプレートを固定して
からインパクターにより圧迫を加える。
【００１８】なお、帯状プレート６を使用しない場合、
または、これを使用しつつさらにガイドピン角度の設定
精度を出したい場合には、駒片７ｄの長軸が連結部７ｃ
と平行な頸部軸心確認用治具Ｂ2を使用し、これをガイ
ド本体Ａに取り付けて図１３に示すように大腿骨に対す
る固定位置調整を行えばよい。すなわち、この場合にも
駒片７ｄから突出している第１ピン７ａを傾斜面４１の
所望の斜孔４１０または４１１に挿入し、回り止めピン
７１を斜孔４１０または４１１の近傍の回り止め用孔４
１２または４１２’に挿入し、駒片７ｄを傾斜面４１に
当接させる。こうすれば第２ピン７ｂは大腿骨外側面９
２の上方に位置する。この状態が図１３（ａ）であり、
このときには第１ピン７ａと第２ピン７ｂが変位してお
り、したがってガイドピンに相当する第１ピン７ａの軸
線は頸部軸心ＣＬと合致していない。これを修正するに
は、操作把手３０を少し回動してゲージブロック４の大
腿骨外側面９２への締付けを緩め、図１３（ｂ）のよう
に第１ピン７ａと第２ピン７ｂが頸部軸心ＣＬ上で重な
った状態となるようにガイド本体Ａを大腿骨周方向に微
動させて操作把手３０を回動して締付ければよい。上記
微動操作はＸ線テレビなどでモニターしながら簡易かつ
正確に行うことができる。
【００１９】なお、頸部軸心確認用治具として図１０の
ような構造のものを用いた場合には、第１ピン７ａと回
り止めピン７１をゲージブロック４に差し込んだまま押
しねじまたはねじ７ｈを緩めて連結片７ｃを９０度変位
させ、押しねじまたはねじ７ｈをねじ込むことで駒片７
ｄと連結片７ｃの相対的な向きが変わるため、ひとつの
頸部軸心確認用治具で前面軸と外側軸の確認を行うこと
ができる。また、本発明は大腿骨の骨折部Ｅが図２と図
３に示すような位置である場合には、骨折部Ｅの整復保
持のためのクランパとしてしても機能させることができ
る。また、バー状基体１の引掛け部１１の歯部１１１を
先鋭にすれば、引掛け部１１をゲージブロック４と正対
する関係から適度にずれた位置すなわち骨頭により近い
大腿骨内側面９３に係合固定することができ、さらに骨
折部Ｅの整復保持のためのクランパ範囲を広げることが
できる。
【００２０】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項１によると
きには、ガイド本体Ａが、後部に雌ねじ部を有し先端部
にはフック状の引掛け部１１を有するバー状基体１と、
前記雌ねじ部に螺通されたねじシャフト３を介して前記
バー状基体１上を移動可能なスライド２と、前記スライ
ド２とバー状基体１に支軸機構５を介して揺動可能かつ
取外し可能に支持され、大腿骨９との接触面に歯部４３
１を有すると共に歯部に開孔するガイドピン挿通用の斜
孔４１０，４１１を備えたゲージブロック４とを備えて
いるため、ゲージブロック４がフック状の引掛け部１１
との協働挟持作用により大腿骨９にしっかりと安定的に
固定され、手を離しても術野から離れても影響がない。
したがって、大腿骨頸部の骨折手術において重要なガイ
ドピンＤの刺入角度設定と刺入作業を一人の医師でも非
常に簡単に行うことが可能になるというすぐれた効果が
得られる。請求項２によればフック状の引掛け部１１が
大腿骨の表面に喰込み係止可能な歯部１１０を有すると
共に先端には刃部１１１を有しこれで骨膜を剥がすこと
ができるため、大腿骨頸部穿孔作業をより容易化するこ
とができるというすぐれた効果が得られる。
【００２１】請求項３と請求項４によれば、ガイド本体
と頸部軸心確認用治具を併用し、頸部軸心確認用治具
が、斜孔にはめられる第１ピン７ａとこれと平行な第２
ピン７ｂを有しているため、ガイドピンの刺入角度を簡
単にかつ頸部軸心と正確に合致させることができという
すぐれた効果が得られる。請求項５によれば、スライド
とゲージブロックを正確にバー状基体上を進退させるこ
とができ、またガイドピンの刺入後に簡単にゲージブロ
ックをスライドから分離してガイドピンから抜き取るこ
とができるというすぐれた効果が得られる。 請求項６
によれば、バー状基体とスライドとの間に大腿骨頸部前
面領域に当接可能な帯状プレート６が頸部前面の角度の
指標として機能するため、ガイドピン挿通用の斜孔を簡
単かつ確実に頸部軸心と平行にすることができ、側方面
よりの刺入角度をより正確にすることができるというす
くれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による大腿骨頸部穿孔ガイドの一実施例
を示す斜視図である。
【図２】本発明による大腿骨頸部穿孔ガイドの使用状態
を大腿骨前面側から見た状態で示す側面図である。
【図３】同じく使用状態を大腿骨後面側から見た状態で
示す側面図である。
【図４】同じく使用状態を大腿骨外側面から見た状態で
示す平面図である。
【図５】同じく図２の断面図である。
【図６】図５の部分的拡大断面図である。
【図７】図６のＹ−Ｙ線に沿う断面図である。
【図８】本発明におけるバー状基体の要部正面図であ
る。
【図９】本発明における軸心確認用治具の各実施例を示
す正面図である。
【図１０】本発明における共用型軸心確認用治具の部分
的断面図である。
【図１１】本発明の大腿骨頸部穿孔ガイドを用いた初段
階を示す部分的断面図である。
【図１２】本発明の大腿骨頸部穿孔ガイドを用いた角度
設定状態を示す側面図である。
【図１３】本発明の大腿骨頸部穿孔ガイドを用いた角度
設定状態を示す平面図である。
【図１４】ガイドピン刺入後の大腿骨頸部穿孔ガイド取
外し状態を示す斜視図である。
【図１５】従来のガイドピン刺入角度設定具を示す斜視
図である。
【符号の説明】
Ａ ガイド本体 Ｂ1，Ｂ1 頸部軸心確認用治具 Ｄ ガイドピン １ バー状基体 ２ スライド ３ 進退用ねじシャフト ４ ゲージブロック ５ 支軸機構 ５ａ 第１軸 ５ｂ 第２軸 ６ 帯状プレート ７ａ 第１ピン ７ｂ 第２ピン ９ 大腿骨 １１引掛け部 １２ 長孔 ５２ 雌ねじ孔 ９２ 外側面 ９３ 内側面 ９４ 前面 １１０ 歯部 １１１ 刃部 ４１０，４１１ 斜孔 ４１２，４１２’ 回り止め用孔 ４３１ 歯部６

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】後部に雌ねじ部を有し先端部にはフック状
    の引掛け部１１を有するバー状基体１と、前記雌ねじ部
    に螺通されたねじシャフト３を介して前記バー状基体１
    上を移動可能なスライド２と、前記スライド２とバー状
    基体１に支軸機構５を介して取外し可能に支持され、大
    腿骨９との接触面に歯部４３１を有すると共に歯部４３
    １に開孔するガイドピン挿通用の斜孔４１０，４１１を
    備えたゲージブロック４とを備えていることを特徴とす
    る大腿骨頸部穿孔ガイド。
  2. 【請求項２】フック状の引掛け部１１が、大腿骨９の表
    面に喰込み係止可能な歯部１１０を有すると共に先端に
    骨膜剥がし用の刃部１１１を有している請求項１に記載
    の大腿骨頸部穿孔ガイド。
  3. 【請求項３】頸部軸心確認用治具Ｂ1を備えており、該
    頸部軸心確認用治具Ｂ1が、前記斜孔４１０，４１１に
    はめられる第１ピン７ａとこれと平行な第２ピン７ｂを
    有している請求項１に記載の大腿骨頸部穿孔ガイド。
  4. 【請求項４】ゲージブロック４にはガイドピン挿通用の
    斜孔４１０，４１１が２種以上の異なる角度で設けら
    れ、斜孔４１０，４１１の近傍には回り止め用孔４１
    ２，４１２’が設けられており、頸部軸心確認用治具Ｂ
    1の第１ピン７ａには、前記回り止め用孔４１２，４１
    ２’に嵌まる回り止めピン７１を有する駒片７ｄが取り
    付けられている請求項３に記載の大腿骨頸部穿孔ガイ
    ド。
  5. 【請求項５】支軸機構５が、スライド２に回り止めされ
    バー状基体１の長孔１２を貫く第１軸５ａと、ゲージブ
    ロック４の厚さ方向を貫き第１軸５ａの雌ねじ孔５２に
    螺合した第２軸５ｂとを有し、第２軸５ｂがゲージブロ
    ック４に抜け止めされている請求項１に記載の大腿骨頸
    部穿孔ガイド。
  6. 【請求項６】バー状基体１とスライド２との間に大腿骨
    頸部前面領域に当接可能な帯状プレート６を枢支してい
    るものを含む請求項１ないし請求項５のいずれかに記載
    の大腿骨頸部穿孔ガイド。
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