JPH0973171A - 感光性着色組成物およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

感光性着色組成物およびカラーフィルタの製造方法

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JPH0973171A
JPH0973171A JP22823095A JP22823095A JPH0973171A JP H0973171 A JPH0973171 A JP H0973171A JP 22823095 A JP22823095 A JP 22823095A JP 22823095 A JP22823095 A JP 22823095A JP H0973171 A JPH0973171 A JP H0973171A
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photosensitive
coating
coloring composition
substrate
group
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JP22823095A
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English (en)
Inventor
Koichi Tamura
孝一 田村
Genji Imai
玄児 今井
Naozumi Iwazawa
直純 岩沢
Eisaku Nakatani
▲栄▼作 中谷
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー変換効率が良好で、フォトマスク
を用いず工数を少なくできる直接描画のためのカラーフ
ィルタ用感光性着色組成物を得る。 【解決手段】 〔A〕(a)光照射により架橋または重
合しうる感光性基、およびイオン性基を含有する光硬化
性樹脂、(b)エチレン性不飽和化合物および(c)イ
オン性基含有結合剤の少なくとも1種の成分からなり、
(a)成分、又は(b)成分と(c)成分との混合物を
主成分とするものであって、かつ(a)、(b)および
(c)成分の合計における感光性基量が0.2〜7.0
モル/kg 、イオン性基量が0.2〜3.5モル/kg であ
る光硬化性樹脂成分、〔B〕クマリン系増感剤、〔C〕
重合開始剤および〔D〕着色剤、を必須成分として含有
する、可視光レーザーによる直接描画のためのカラーフ
ィルタ用感光性着色組成物およびこれを用いたカラーフ
ィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶などの表示装
置に用いられるカラーフィルタ用の感光性着色組成物お
よびこの感光性着色組成物を用いた可視光レーザーでの
直接描画による新規なカラーフィルタの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、一般にカラーフィルタ用着色フォトレジストは、フ
ォトマスクを介して紫外光をパターン状に露光すること
によって着色パターン形成が行われている。しかしなが
ら紫外光を用いる従来の方法における着色フォトレジス
トの感度は一般に数十〜数百mj/cm2であるため高出力の
光源を必要とし、しかも、記録に対するエネルギー変換
効率が悪いという問題があった。また、着色パターン
は、通常、少なくとも赤、青、緑の3色のパターンを形
成することが必要であるため、各色ごとのパターンに合
せたフォトマスクの作成、各色ごとのレジスト膜上への
フォトマスクの設置が必要であり作業に多くの工数を要
するという問題があった。
【0003】そこで本発明者らは、エネルギー変換効率
が良好で、フォトマスクを用いず工数を少なくできる方
法を開発するため可視光レーザーを用いた直接描画法に
ついて鋭意研究の結果、特定の増感剤を用いた特定の感
光性着色組成物を用い、この組成物から得られるレジス
ト膜に可視光レーザーをパターン状に露光する方法を採
用することにより上記目的を達成できることを見出し
た。
【0004】従来、可視光に対し有効な光重合開始剤系
に関して、例えば、ヘキサアリールビルイミダゾールと
p−ジアルキルアミノベンジリデンケトン或はジアルキ
ルアミノカルコンとを組合せた系(USP3,652,
275号、特開昭54−155292号)、カンファー
キノンと染料を組合せた系(特開昭48−084183
号)、ジフェニルヨードニウム塩とミヒラーズケトンを
組合せた系(GB2,020,297A号)、S−トリ
アジン系化合物とメロシアニン色素を組合せた系(特開
昭54−151024号)、S−トリアジン系化合物と
チアピリリウム塩を組合せた系(特開昭58−0403
02号)等が挙げられるが、これらの開始剤系は可視領
域の光線に対して開始能は持つものの、いずれも着色剤
を配合した感光性着色組成物における感度は十分でな
く、感光性着色組成物における樹脂成分との相溶性の点
でも問題があった。
【0005】本発明者らは種々検討の結果、増感剤とし
てクマリン系増感剤を用いることによって、特にクマリ
ン系増感剤と重合開始剤であるチタノセン化合物とを組
合せた光重合開始剤系が感光性着色組成物における感
度、樹脂成分との相溶性に優れていることを見出し本発
明を完成するに至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は1.
〔A〕(a)光照射により架橋又は重合しうる感光性
基、およびイオン性基を含有する光硬化性樹脂、(b)
エチレン性不飽和化合物および(c)イオン性基含有結
合剤の少なくとも1種の成分からなり、(a)成分、又
は(b)成分と(c)成分との混合物を主成分とするも
のであって、かつ(a)、(b)および(c)成分の合
計における感光性基量が0.2〜7.0モル/kg 、イオ
ン性基量が0.2〜3.5モル/kg である光硬化性樹脂
成分、 〔B〕クマリン系増感剤、 〔C〕重合開始剤および 〔D〕着色剤 を必須成分として含有する、可視光レーザーによる直接
描画のためのカラーフィルタ用感光性着色組成物を提供
するものである。
【0007】また本発明は、2.(1)上記項1記載の
感光性着色組成物からの感光性被膜を透明基板上に形成
する工程、(2)必要に応じて、感光性被膜上にカバー
コート層を形成する工程、(3)感光性被膜に可視光レ
ーザーをパターン状に露光して感光性被膜の露光部を硬
化させる工程、(4)次いで現像処理により非露光部の
感光性被膜を除去してカラーパターンを形成する工程、
および(5)さらに必要に応じて加熱する工程を有する
ことを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明組成物は、下記〔A〕、
〔B〕、〔C〕および〔D〕成分を必須成分とするカラ
ーフィルタ用感光性着色組成物である。
【0009】光硬化性樹脂成分〔A〕 下記(a)、(b)および(c)成分の少なくとも1種
の成分からなり、(a)成分、又は(b)成分と(c)
成分との混合物を主成分とするものであって、かつ感光
性基とイオン性基を含有する光硬化性樹脂成分である。
【0010】光硬化性樹脂(a) 樹脂(a)は、光照射により架橋又は重合しうる感光性
基、およびイオン性基を含有する光硬化性樹脂であり、
光の照射により架橋反応ないし重合反応してアルカリ水
溶液又は酸水溶液に対して実質的に不溶ないし難溶とな
るものであって、露光しない部分は、イオン性基がアニ
オン性基の場合にはアルカリ水溶液に可溶であり、イオ
ン性基がカチオン性基の場合には酸水溶液に可溶な樹脂
である。上記感光性基は、増感剤〔B〕および重合開始
剤〔C〕の存在下、光照射により架橋又は重合しうる基
であり、具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイ
ル基〔CH2 =CR−CO−(式中、Rは、水素原子又
はメチル基を示す)〕、シンナモイル基、アリル基、ア
ジド基、シンナミリデン基などが挙げられる。
【0011】樹脂(a)におけるイオン性基および感光
性基の量は、基体となる樹脂(又は結合剤)の種類や分
子量等に依存して広い範囲にわたって変えることができ
るが、一般には、イオン性基がアニオン性基(例えばカ
ルボキシル基)、カチオン性基(例えば3級アミノ基又
はオニウム塩基)のいずれの場合においても0.2〜
3.5モル/kg 樹脂、好ましくは0.3〜2.0モル/k
g 樹脂の範囲内となる量、そして感光性基は0.2〜
7.0モル/kg 樹脂、好ましくは0.7〜4.5モル/k
g 樹脂の量で含まれているのが適当である。
【0012】また、樹脂(a)は、一般に1,000〜
100,000、好ましくは3,000〜50,000
の範囲内の数平均分子量を有することができ、そのガラ
ス転移温度(Tg)は0℃以上、特に5〜70℃の範囲
内にあることが塗膜が粘着性を示さないので好適であ
る。
【0013】以下、樹脂(a)の具体例について説明す
る。
【0014】(イ)感光性基として(メタ)アクリロイ
ル基を含むアニオン性光硬化性樹脂:光硬化性樹脂は、
例えば、高酸価アクリル系樹脂にグリシジル基含有不飽
和化合物を付加せしめることにより製造することができ
る。その際使用される高酸価アクリル系樹脂は、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸などのα,β−エチレン性不飽和酸を必須
成分とし、これに(メタ)アクリル酸のエステル類、例
えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレートなどおよびスチレン、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドな
どから選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体を共重合
させることにより得られる。ここでα,β−エチレン性
不飽和酸は、高酸価アクリル系樹脂の酸価が一般に40
〜650、好ましくは60〜500の範囲になるような
量で使用することができる。また、高酸価アクリル系樹
脂の数平均分子量およびガラス転移温度(Tg)は、該
高酸価アクリル系樹脂にグリシジル基含有不飽和化合物
が付加されて得られる光硬化性樹脂が前記した数平均分
子量およびTgを有するように適宜調整される。
【0015】一方、上記高酸価アクリル系樹脂に付加せ
しめられるグリシジル基含有不飽和化合物としては、具
体的には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジルなどが挙げられる。
【0016】前記した高酸価アクリル樹脂とグリシジル
基含有不飽和化合物との付加反応は、それ自体既知の方
法に従い、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイ
ド等の触媒を用いて80〜120℃で1〜5時間反応さ
せることによって容易に行うことができる。
【0017】また、本光硬化性樹脂は、ヒドロキシル基
含有重合性不飽和化合物とジイソシアネート化合物との
反応物を、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂に付加
させることによっても製造することができる。
【0018】ヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物と
しては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、N−メチロールアクリルアミドな
どが挙げられ、またジイソシアネート化合物としては、
例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネートなどが挙げられる。
【0019】(ロ)感光性基としてシンナモイル基を含
む光硬化性樹脂:この光硬化性樹脂は、例えば、ヒドロ
キシル基を含有するアクリル系樹脂と置換もしくは未置
換のケイ皮酸のハライドとを、塩基の存在下、例えば、
ピリジン溶液中で反応せしめることにより製造すること
ができる。その際使用されるヒドロキシル基含有アクリ
ル系樹脂は、前(イ)項で述べたα,β−エチレン性不
飽和酸および2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物を必須成分と
し、これらと、その他の不飽和単量体の少なくとも1種
とを共重合させることにより得ることができる。
【0020】また、置換もしくは未置換のケイ皮酸ハラ
イドは、一般に上記ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂
100重量部当り6〜180重量部、好ましくは30〜
140重量部の範囲内になるような量で使用することが
できる。
【0021】使用しうる置換もしくは未置換のケイ皮酸
ハライドとしては、ベンゼン環上にニトロ基、低級アル
コキシ基等から選ばれる置換基を1〜3個有していても
よいケイ皮酸ハライドが包含され、より具体的には、ケ
イ皮酸クロライド、p−ニトロケイ皮酸クロライド、p
−メトキシケイ皮酸クロライド、p−エトキシケイ皮酸
クロライド等が挙げられる。
【0022】(ハ)感光性基としてアリル基を含む光硬
化性樹脂:この光硬化性樹脂は、例えば、前(イ)項で
用いた高酸価アクリル系樹脂に、アリルグリシジルエー
テル
【0023】
【化1】
【0024】を付加せしめるか又は、水酸基含有アクリ
ル樹脂に、(メタ)アリルアルコールとジイソシアネー
ト系化合物との反応物を付加させることによって製造す
ることができる。
【0025】前記した高酸価アクリル樹脂とアリルグリ
シジルエーテルとの付加反応は、前(イ)項に記載した
方法と同様にして行うことができる。
【0026】また、本発明組成物において、光硬化性樹
脂(a)として、アニオン性樹脂以外に従来から既知の
カチオン性樹脂を用いることも可能である。
【0027】かようなカチオン性樹脂としては、例え
ば、ヒドロキシル基および3級アミノ基を有するアクリ
ル樹脂に、ヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物とジ
イソシアネート化合物との反応物を付加して得られる樹
脂:エポキシ樹脂を2級アミンと反応させた後、残余の
エポキシ基を重合性不飽和モノカルボン酸又はヒドロキ
シ基含有不飽和化合物と反応させて得られる3級アミノ
基含有樹脂;グリシジル基含有不飽和化合物と3級アミ
ノ基含有不飽和化合物を、他の重合性不飽和モノマーと
共重合して得られる樹脂に、重合性不飽和モノカルボン
酸又はヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物を反応さ
せて得られる3級アミノ基含有樹脂;エポキシ樹脂を重
合性不飽和モノカルボン酸又はヒドロキシル基含有不飽
和化合物と反応させ、残余のエポキシ基を3級アミノ化
合物、チオエーテル、ホスフィン等とカルボン酸の存在
下でオニウム塩化して得られるオニウム塩基含有樹脂;
などを挙げることができる。
【0028】樹脂(a)は単独で又は2種以上混合して
使用することができる。
【0029】エチレン性不飽和化合物(b) エチレン性不飽和化合物(b)はその化学構造中にエチ
レン性不飽和二重結合を少なくとも1個含有する化合物
で、可視光線により露光した際、付加重合することによ
って露光部分の不溶化等をもたらす機能を有するような
単量体、2量体、3量体およびその他のオリゴマーが挙
げられる。
【0030】以上のようなエチレン性不飽和化合物とし
ては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸と
2価以上の脂肪族又は芳香族ポリヒドロキシ化合物との
エステルを挙げることができる。
【0031】不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロト
ン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0032】脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロ
ピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール等の二価アルコール、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、グリセロール等の三
価アルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール等の四価以上のアルコール類が挙げられる。
【0033】芳香族ポリヒドロキシ化合物としては、例
えば、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、
ピロガロール等が挙げられる。
【0034】脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルの具体例としては、例えば、エチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート等のアクリル酸エステル類;エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタ
エリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレ
ート等のメタクリル酸エステル類;エチレングリコール
ジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート
等のクロトン酸エステル類;エチレングリコールジイタ
コネート、プロピレングリコールジイタコネート等のイ
タコン酸エステル類;エチレングリコールジマレエー
ト、ペンタエリスリトールジマレエート、トリメチロー
ルプロパンジマレエート等のマレイン酸エステル類が挙
げられる。
【0035】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルの具体例としては、例えば、ハイド
ロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレ
ート、ハイドロキノンジクロトネート、レゾルシノール
ジアクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙
げられる。
【0036】イオン性基含有結合剤(c) 該結合剤は、アニオン性又はカチオン性のイオン性基を
有し、且つエチレン性不飽和化合物との相溶性が良好な
こと、被塗物に対し十分な接着性があること、摩擦に耐
える強靭な皮膜を形成すること、現像が容易であること
等の性能を満足させるものである。イオン性基量として
は0.2〜10モル/kg の範囲であることが好ましい。
【0037】かような結合剤の具体例としては、エチレ
ン性不飽和酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、クロトン酸、イタコン酸など)を必須成分と
し、このものと(メタ)アクリル酸のアルキルエステル
(アルキル基としてはメチル基、エチル基、2−エチル
ヘキシル基、ラウリル基等)又はその他の(メタ)アク
リル酸エステル、その他の不飽和モノマー(例えば、ス
チレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン等)を適宜組合せてなるアクリル系多元
共重合体;スチレン、ビニルアルキルエーテル、イソブ
チレン、塩化ビニル、マレイン酸ジエステル等のモノマ
ーの少なくとも一種と、無水マレイン酸の共重合体およ
びその部分エステル化変性ポリマー;側鎖にカルボキシ
ル共重合体を有する酸性セルロース変性物;3級アミノ
基含有エチレン性不飽和モノマー(例えば、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど)を必
須成分とし、このものと前記した(メタ)アクリル酸の
アルキルエステル、その他の不飽和モノマーを適宜組合
せてなるアクリル系多元共重合体;などを挙げることが
できる。
【0038】光硬化性樹脂成分〔A〕は、上記(a)成
分、又は(b)成分と(c)成分との混合物を主成分と
するものであり、(a)成分単独、(b)成分と(c)
成分との混合物、(a)成分と(b)成分との混合物、
(a)成分と(c)成分との混合物、(a)成分と
(b)成分と(c)成分との混合物であることができ、
(a)、(b)および(c)成分の合計における感光性
基量が0.2〜7.0モル/kg 、イオン性基量が0.2
〜3.5モル/kg であることが必要である。合計におけ
る感光性基量が0.2モル/kg 未満では光照射による硬
化性が不充分となり、一方、7.0モル/kg を超えると
得られる硬化被膜の物性が劣る。また合計におけるイオ
ン性基量が0.2モル/kg 未満では現像時に膜残りが生
じやすくなり、一方、3.5モル/kg を超えると現像時
に露光部の塗膜も現像液に溶解しやすくなる。
【0039】光硬化性樹脂成分〔A〕が(b)成分と
(c)成分との混合物である場合における(b)成分/
(c)成分の配合割合は、通常、重量比で80/20〜
20/80の範囲内である。
【0040】クマリン系増感剤〔B〕 クマリン系増感剤〔B〕としては、3−置換クマリン
類、3,4−置換クマリン類などを挙げることができ
る。このものは400〜700nmの波長領域の光(可視
光)を吸収することにより励起され、光硬化性樹脂
〔A〕や重合開始剤〔C〕と相互作用を有する化合物で
ある。ここで「相互作用」には、励起された増感剤
〔B〕から光硬化性樹脂〔A〕又は重合開始剤〔C〕へ
のエネルギー移動や電子移動が包含される。
【0041】3−置換クマリン類の代表例としては、下
記式で示される化合物を挙げることができる(特開昭6
1−97650号公報参照)。
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】3,4−置換クマリン類としては下記式
(I)で示される化合物を挙げることができる。
【0050】
【化9】
【0051】(式中、R1 およびR2 は同一又は相異な
り、各々メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル等の低級アルキル基を表し;R3 は水素原子、又は
メチル、エチル、プロピル、イソブロプル、ブチル等の
低級アルキル基、メトキシメチル、メトキシエチル、エ
トキシエチル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、
エトキシプロピル、プロポキシプロピル等のアルコキシ
アルキル基、ヒドロキシメトキシエチル、ヒドロキシエ
トキシエチル、ヒドロキシプロキシエチル、ヒドロキシ
メトキシプロピル、ヒドロキシエトキシプロピル、ヒド
ロキシプロポキシプロピル等のヒドロキシアルコキシア
ルキル基、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボ
ニルメチル、エトキチカルボニルエチル、プロポキシカ
ルボニルプロピル、ブトキシカルボニルブチルなどのア
ルコキシカルボニルアルキル基を表す。) 上記化合物の具体例としては、下記構造式で示される
3,4−置換クマリン類を挙げることができる(特願平
3−223759号公報参照)。
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】重合開始剤〔C〕 この開始剤〔C〕は光を照射することにより増感剤の作
用を受けて分解し前記感光性基の架橋反応ないし重合反
応を開始する。
【0055】そのような重合開始剤としては、前述した
増感剤〔B〕との相互作用により分解する物質、より詳
しくは、自身の開裂反応により、或は他分子からの水素
引き抜き反応により、前記感光性基の架橋反応ないし重
合反応に対して活性な基を発生する化合物である。
【0056】そのような重合開始剤の具体例としては、
以下のものを挙げることができる。例えば、ベンゾフェ
ノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロ
ピルエーテル、ベンジル、キサントン、チオキサント
ン、アントラキノン等の芳香族カルボニル化合物;アセ
トフェノン、プロピオフェノン、α−ヒドロキシイソブ
チルフェノン、α,α′−ジクロル−4−フェノキシア
セトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルア
セトフェノン、アセトフェノン等のアセトフェノン類;
ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリィブチル−パー
オキシベンゾエート、ターシャリィブチル−パーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、ターシャリィブチルハイ
ドロパーオキサイド、ジターシャリィブチルジパーオキ
シイソフタレート、3,3′,4,4′−テトラ(ター
シャリィブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン
等の有機過酸化物;ジフェニルヨードニウムブロマイ
ド、ジフェニルヨードニウムクロライド等のジフェニル
ハロニウム塩;四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホル
ム、ヨードホルム等の有機ハロゲン化物;3−フェニル
−5−イソオキサゾロン、2,4,6−トリス(トリク
ロロメチル)−1,3,5−トリアジンベンズアントロ
ン等の複素環式および多環式化合物;2,2′−アゾ
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビ
スイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;鉄−ア
レン錯体(Iron-Arene Complex:ヨーロッパ特許152
377号公報参照);チタノセン化合物(特開昭63−
221110号公報参照);ビスイミダゾール系化合
物;N−アリールグリシン系化合物;アクリジン系化合
物;芳香族ケトン/芳香族アミンの組合せ;等が挙げら
れる。
【0057】上記の重合開始剤の中でも、チタノセン化
合物は、着色剤を含有する本発明組成物においてクマリ
ン系増感剤との組合せで架橋もしくは重合に対して高い
活性を示すので特に好ましい化合物である。
【0058】上記チタノセン化合物の好適な例として
は、下記一般式で示されるものを挙げることができる。
【0059】
【化12】
【0060】式中、2つのR4 は各々独立して非置換の
又は1〜2個のメチル基で置換されたシクロペンタジエ
ニル(好ましくは、シクロペンタジエニル又はメチルシ
クロペンタジエニルである)を表し、R5 およびR6
各々独立して下記式
【0061】
【化13】
【0062】〔式中、R7 は弗素原子、−CF3 又は−
CF2 CH3 を表し、R8 、R9 、R10およびR11は、
各々独立して弗素原子、−CF3 、−CF2 CH3 、水
素原子、C1 〜C18のアルキル基、アルコキシ基又は
【0063】
【化14】
【0064】を示す〕を表す。
【0065】上記チタノセン化合物の具体例としては、
例えば、下記に示す化合物などを挙げることができる。
【0066】
【化15】
【0067】着色剤〔D〕 着色剤〔D〕としては、顔料、染料を挙げることができ
るが、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐液晶性、耐光性
が要求されるため顔料が望ましい。さらに適正なスペク
トルおよび透明性が必要とされるため該顔料は可視光の
吸収係数が大きく、かつ平均一次粒子径が可視光に対し
て充分小さいものを選択する必要があるため、有機顔料
が望ましい。該顔料の粒子径は透明性の点から、95重
量%以上の顔料が300nm以下、好ましくは120nm以
下であることが望ましく、サンドミル、ニーダー或は2
本ロール等により既知の方法で顔料の粒子径を小さくし
て透明性および吸収係数を向上させることが有効であ
る。
【0068】下記に着色剤〔D〕として好適な顔料とし
て、諸耐性の優れた材料をカラーインデックス(C.
I.)ナンバーにて示す。
【0069】C.I.黄色顔料 24、83、86、9
3、94、108、109、110、117、125、
137、138、147、153、154、166、1
68 C.I.オレンジ顔料 36、43、51、55、5
9、61 C.I.赤色顔料 97、122、123、149、1
68、177、178、180、187、190、19
2、209、215、216、又は217、220、2
23、224、226、227、228、240 C.I.バイオレット顔料 19、23、29、30、
37、40、50 C.I.青色顔料 15、15:1、15:3、15:
4、15:6、22、60、64 C.I.緑色顔料 7、36 C.I.ブラウン顔料 23、25、26 C.I.黒色顔料 7 本発明組成物は、上記〔A〕、〔B〕、〔C〕および
〔D〕成分を必須成分とするものであり、各成分の配合
量は特に限定されるものではないが、通常下記範囲内で
あることが適している。
【0070】すなわち光硬化性樹脂成分〔A〕100重
量部に対して、クマリン系増感剤〔B〕が0.1〜10
重量部、好ましくは0.3〜5重量部であることが、形
成される被膜の感光性および組成物中における増感剤
〔B〕の溶解性の点から適当である。
【0071】また成分〔A〕100重量部に対して、重
合開始剤〔C〕が0.1〜25重量部、好ましくは0.
2〜10重量部であることが被膜の感光性および得られ
る組成物の貯蔵安定性などの点から適当である。
【0072】さらに成分〔A〕100重量部に対して、
着色剤〔D〕が20〜120重量部、好ましくは40〜
90重量部であることが形成される被膜の着色性、透明
性などの点から適当である。
【0073】本発明組成物は、必須成分である〔A〕、
〔B〕、〔C〕および〔D〕成分以外に、必要に応じて
有機溶剤、中和剤、水、顔料分散剤、塗面調整剤などを
含有してもよい。
【0074】上記有機溶剤は流動性調整、粘度調整など
の目的で使用され、本発明組成物が有機溶剤型、水系の
いずれにおいても使用できる。この有機溶剤としては、
例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、
酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル
等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメトキシエタン等)、セロソルブ類(メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、3−メトキシブチルアセテート等)、芳香
族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、トリ
クロエチレン、ジクロロメタン等)、アルコール(エチ
ルアルコール、ベンジルアルコール等)、その他(ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホンオキシム等)など
が挙げられる。
【0075】前記中和剤は本発明組成物を水分散化物又
は水溶化物とする場合に光硬化性樹脂成分〔A〕中のイ
オン性基の一部を中和するために使用される。成分
〔A〕中にカルボキシル基等のアニオン性基が導入され
ている場合にはアルカリ(中和剤)で中和することによ
って、またアミノ基等のカチオン性基が導入されている
場合には、酸(中和剤)で中和することによって行われ
る。その際に使用されるアルカリ中和剤としては、例え
ば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミンなどのアルカノールアミン類;トリエ
チルアミン、ジエチルアミン、モノエチルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジイソブチルア
ミンなどのアルキルアミン類;ジメチルアミノエタノー
ルなどのアルキルアルカノールアミン類;シクロヘキシ
ルアミンなどの脂環族アミン類;カセイソーダ、カセイ
カリなどのアルカリ金属水酸化物;アンモニアなどが挙
げられる。また、酸中和剤としては、例えば、ギ酸、酢
酸、乳酸、酪酸等のモノカルボン酸が挙げられる。これ
ら中和剤は単独で又は混合して使用できる。中和剤の使
用量は成分〔A〕中に含まれるイオン性基1モル当り一
般に0.2〜1.0当量、特に0.3〜0.8当量の範
囲内が好ましい。
【0076】本発明組成物の調整は、従来から公知の方
法で行うことができ、例えば光硬化性樹脂成分〔A〕の
一部、溶剤および/又は顔料分散剤にて着色剤〔D〕を
分散して着色剤ペーストを作成し、このものと残りの成
分を均一に混合すればよい。本発明組成物が水系組成物
である場合には、例えば光硬化性樹脂成分〔A〕の一部
を予め中和しておき、この中和物の一部、溶剤および/
又は顔料分散剤にて着色剤を分散して着色剤ペーストを
作成し、このものと残りの中和物および残りの成分を均
一に混合すればよい。水系組成物は通常pHが4〜10
の範囲であることが好ましい。
【0077】次に本発明のカラーフィルタの製造方法に
ついて説明する。
【0078】本発明のカラーフィルタの製造方法におい
て、工程(1)は、上記カラーフィルタ用感光性着色組
成物から得られる感光性被膜を透明基板上に形成する工
程である。
【0079】感光性被膜を透明基板上に形成する方法と
しては、(イ)感光性着色組成物を透明基板上に、浸漬
法、スプレー法、スピンコート法、シルクスクリーン
法、ロールコート法又はカーテンフローコート法にて塗
布し乾燥させる方法、(ロ)感光性着色組成物として水
系組成物を使用し且つ透明基板として透明導電層を有す
る透明基板を使用して電着塗装を行う方法、(ハ)予め
易剥離性処理を施した基板にカバーコート層を形成し、
該カバーコート層上に感光性着色組成物塗布して乾燥さ
せた後、易剥離性処理を施した基板上のカバーコート層
および感光性被膜層を透明基板上に転写することによっ
て透明基板上に感光性被膜およびカバーコート層を形成
する方法などを挙げることができる。
【0080】(イ)方法における透明基板としては、透
明なガラス、透明樹脂基板および(ロ)方法における透
明導電層を有する透明基板などを挙げることができる。
上記透明導電層を有する透明基板としては、透明な金属
や酸化インジウム、酸化錫などの薄膜を透明なガラスや
透明樹脂基板などの透明基板の表面にゾル−ゲル法やス
パッタリング、蒸着法、CVD法などによって形成して
得られる基板を挙げることができる。
【0081】(ハ)方法における易剥離処理を施した基
板において、易剥離処理を施す前の基板としては、表面
が平滑で、易剥離処理を施すことができる基板であれば
よく、ガラス、樹脂基板、金属板などを挙げることがで
きる。この基板の易剥離処理は、シリコーン樹脂、シラ
ンカップリング剤、フッ素系樹脂、フッ素系界面活性剤
など表面エネルギーの非常に小さい被膜を形成する処理
剤にて基板表面に被膜を形成することによって容易に行
うことができる。この処理被膜の厚さは特に制限される
ものではないが、通常、0.001〜0.1μm 程度で
あることが好ましい。被膜形成は浸漬塗装、スピンコー
ティングなど公知の塗装法により行うことができる。易
剥離処理を行うことにより転写をより容易に行うことが
でき、生産性を大幅に向上させることができる。易剥離
性処理被膜を形成した後、必要に応じて加熱、活性光線
照射などによって被膜を硬化させてもよい。
【0082】工程(1)において、感光性着色組成物か
ら得られる感光性被膜を前記(イ)、(ロ)又は(ハ)
の方法などによって透明基板上に形成する。感光性被膜
の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常、0.
5〜5μm の範囲内であることが好ましい。
【0083】また前記(イ)、(ロ)又は(ハ)の方法
などにおいて透明基板上に感光性着色組成物の塗料層を
形成した後、塗料層は次の操作に支障がないように塗料
層中の有機溶剤、水を除去して指触乾燥程度以上に硬化
させることが必要である。
【0084】前記(ロ)の方法において電着塗装の条件
は、塗料の種類、パターンの種類により異なるが、定電
圧法で塗装する場合は印加電圧10〜150Vで10〜
180秒、定電流法の場合は電流密度25〜150mA/d
m2で10〜180秒程度が一般的である。
【0085】前記(ハ)の方法において、予め易剥離性
処理を施した基板にカバーコート層を形成するが、この
カバーコート層は非感光性であって常温で実質的に粘着
性がなく酸素遮断能力のある材料で形成される。このた
め、そのガラス転移温度は20℃以上、さらには30〜
80℃、特に40〜70℃の範囲内にあることが好まし
い。
【0086】カバーコート層の酸素遮断性は、膜の酸素
ガス透過率として5×10-12cc・cm/cm2・sec・cmHg 以
下、特に1×10-12cc・cm/cm2・sec・cmHg 以下であるこ
とが好ましい。ここで酸素ガス透過率は、ASTMstan
dards D−1434−82(1986)記載の方法に準拠して
測定した値である。
【0087】さらにカバーコート層は現像液に実質的に
溶解するものであることが望ましい。現像液に可溶でな
いと、現像前にカバーコートを剥離せねばならず生産性
の点で不利である。このような条件を満たすカバーコー
トを形成するための被膜形成性樹脂としては、例えば、
ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリ酢酸ビニル又は
これらの混合物、或はポリビニルアルコールと酢酸ビニ
ルポリマーとの混合物等が挙げられる。これらは被膜形
成性に優れ、水、希アルカリ水、希酸水などの水性現像
液に対する溶解性が良好であり好ましい。
【0088】これらの被膜形成性樹脂の水溶液などの溶
液を予め易剥離性処理を施した基板に塗布し乾燥させる
ことによりカバーコート層を形成することができる。カ
バーコート層の膜厚は、通常、0.5〜5μm 、さらに
は1〜3μm の範囲内にあることが好ましい。
【0089】(ハ)の方法においては、上記のようにし
て得られたカバーコート層上に、感光性着色組成物を塗
布し乾燥させて感光性被膜層を形成し、易剥離性処理を
施した基板上に形成したカバーコート層および感光性被
膜層を透明基板上に転写することによって透明基板上に
感光性被膜層およびカバーコート層を形成する。この場
合、転写によりカバーコート層および感光性被膜等を受
取る透明基板上に、必要に応じて接着剤層を設けること
により転写作業をより容易にかつ確実に行うことがで
き、カラーフィルタ製造における生産性を大幅に向上で
きる。
【0090】上記接着剤としては特に制限はなく、従来
公知の熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、感圧接着剤など
が使用できる。接着剤はスプレー法、ロールコータ法、
印刷法、スピンコータ法等を用いて透明基板上に、通常
0.1〜3μm 程度塗布することによって接着剤層を設
けることができる。
【0091】本発明方法において、工程(2)は、必要
に応じて感光性被膜上にカバーコート層を形成する工程
であり、上記工程(1)の(イ)および(ロ)の方法に
よる場合は、必要に応じてなされる工程であり、(ハ)
の方法による場合は、工程(1)によってカバーコート
層が形成されるのでこの工程(2)は不要である。
【0092】工程(2)において感光性被膜上にカバー
コート層を形成するには、工程(1)の(ハ)の方法に
おいて使用する被膜形成性樹脂の水溶液などの溶液を感
光性被膜上に塗布、乾燥させればよい。カバーコート層
の膜厚は、通常、0.5〜5μm 、さらには1〜3μm
の範囲内にあることが好ましい。
【0093】本発明方法において、工程(3)は、感光
性被膜に可視光レーザーをパターン状に露光して感光性
被膜の露光部を硬化させる工程である。可視光レーザー
露光のための光源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧
の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセ
ノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、
太陽光等の各光源により得られる光源のうち、紫外線を
紫外カットフィルターによりカットした可視領域の光線
や可視領域に発振線をもつ各種レーザー等が使用でき
る。なかでも488nm又は514.5nmに発振線をもつ
アルゴンレーザーが好ましい。可視光レーザーの露光量
は、感光性被膜の種類などによって適宜選定すればよ
く、通常、0.1〜20mj/cm2の範囲である。
【0094】本発明方法において、工程(4)は、上記
工程(3)によってパターン状に露光硬化された感光性
被膜を、現像処理により非露光部の感光性被膜を除去し
てカラーパターンを形成する工程である。
【0095】現像処理は、非露光部の感光性被膜がアニ
オン性の場合にはアルカリ水溶液を用いて、またカチオ
ン性の場合には酸水溶液を用いて洗い流すことにより行
われる。アルカリ水溶液としては通常、カセイソーダ、
炭酸ソーダ、カセイカリ、アンモニアなどの塩基性物質
の水溶液が使用され、酸水溶液としては通常、酢酸、ギ
酸、乳酸などの酸の水溶液が使用される。感光性被膜の
上にカバーコート層がある場合には現像処理の際にカバ
ーコート層も溶解、除去される。
【0096】本発明方法において、工程(5)は、上記
工程(4)によって形成されたカラーパターンを加熱し
てさらに硬化させる工程であり、必要に応じて行われ
る。
【0097】上記工程(1)〜(5)によって目的とす
る1色のカラーパターンを形成することができる。本発
明において、上記工程(4)又は工程(5)の後、カラ
ーパターンを形成した透明基板上に、異なる色の感光性
着色組成物を用いて、工程(1)〜(5)を必要回数繰
返して多色のカラーパターンを形成することによりカラ
ーフィルタを製造することができる。多色のカラーパタ
ーンの色としては、赤、青、緑が一般的であり、それ以
外に光を透過しない黒色のブラックマトリックスが通
常、形成される。
【0098】
【発明の効果】本発明感光性着色組成物を使用すること
により、可視光レーザーでの直接描画によりカラーフィ
ルタを製造することができるようになる。また本発明感
光性着色組成物は可視光レーザーに対する感度が良好で
エネルギー変換効率が良い。
【0099】さらに直接描画により着色パターンの形成
ができることから各色ごとのパターンに合せたフォトマ
スクの作成や、各色ごとのレジスト膜上へのフォトマス
クの設置の必要がなくなり、作業工数を大幅に減らすこ
とができる。
【0100】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例中、特にことわらないかぎり「部」お
よび「%」はすべて「重量部」および「重量%」を示
す。 製造例1 メチルメタクリレート10部、エチルアクリレート35
部、アクリル酸55部、アゾビスイソブチロニトリル2
部からなるモノマー混合液を、窒素ガス雰囲気下、11
0℃に保ったイソブチルアルコール90部中に3時間を
要して滴下した。滴下後、1時間110℃に保った後、
アゾビスジメチルバレロニトリル1部およびイソブチル
アルコール10部からなる混合液を1時間を要して滴下
し、さらに5時間保持して高酸価アクリル樹脂を得た。
次に、この溶液にグリシジルメタアクリレート80部、
ハイドロキノン0.1部およびテトラエチルアンモニウ
ムブロマイド0.8部を加え、空気を吹き込みながら1
10℃で5時間反応させ、光硬化性樹脂溶液1(カルボ
キシル基濃度1.1モル/kg 樹脂、不飽和基濃度3.1
3モル/kg 樹脂、樹脂Tg−2℃、固形分64%)を得
た。
【0101】実施例1 製造例1で得た光硬化性樹脂溶液1およびその他の成分
を後記表1に示す配合にて均一に分散し、赤色、緑色、
青色および黒色の各感光性着色組成物を得た。各組成物
における光硬化性樹脂成分は、感光性基濃度6.81モ
ル/kg 、カルボキシル基濃度0.55モル/kg を有す
る。また各組成物における顔料の平均粒径は、赤顔料:
60nm、緑顔料:90nm、青顔料:80nm、黒顔料:5
0nmであり、いずれの顔料も95重量%以上が粒径12
0nm以下であった。
【0102】膜厚75μm のポリエチレンテレフタレー
トフィルム上にポリビニルアルコール(重合度1,70
0、Tg65℃、酸素透過率2×10-14 cc・cm/cm2・se
c・cmHg)の12%水溶液を乾燥膜厚2μm になる様に均
一にロールコート法により塗布し、80℃で10分間乾
燥させてカバーコート転写フィルムを得た。このフィル
ムのカバーコート層上に上記赤色の感光性着色組成物を
乾燥膜厚が2μm となるようにロールコート法により塗
布し、80℃で10分間乾燥して転写型の赤色感光性被
膜層を形成した。
【0103】この感光性被膜層面を熱ラミネート法によ
り80℃に加温したガラス板に密着させた後、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを剥離してカバーコート付
赤色感光性被膜をガラス板上に形成した。
【0104】さらにこの感光性被膜に波長488nmのア
ルゴンイオンレーザーで直接描画法により1.5mj/cm2
の照射条件でパターン状に露光した。次いで30℃の1
%炭酸ソーダ水溶液にて60秒間スプレーして現像を行
い水洗し、水切り乾燥して赤色のカラーパターンを得
た。
【0105】次に前記赤色の感光性着色組成物のかわり
に後記表1の緑色の感光性着色組成物を用いて、カバー
コート転写フィルム上に転写型の緑色感光性被膜層を形
成した。この緑色感光性被膜層面を、上記赤色のカラー
パターンを有するガラス板に密着させた後、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを剥離してカバーコート付緑
色感光性被膜を、赤色のカラーパターンを有するガラス
板上に形成し、上記と同様に露光、現像、水洗、水切り
乾燥して赤色に加えて緑色のカラーパターンを得た。
【0106】次いで、青色および黒色の感光性着色組成
物を用いて上記と同様の工程を繰返し行って赤色、緑
色、青色および黒色のカラーパターンをガラス板上に形
成してカラーフィルタに適した多色のカラーパターンを
得た。
【0107】各色のパターンのライン/スペース(L/
S)は、赤、緑、青のカラーパターンについては、10
0μm /20μm であり、黒のカラーパターン(ブラッ
クマトリックス)については20μm /100μm であ
った。
【0108】
【表1】
【0109】表1中における(註)は以下のとおりの意
味を有する。
【0110】(*1)チタノセン化合物(T−1):
【0111】
【化16】
【0112】(*2)増感剤(A−1):
【0113】
【化17】
【0114】製造例2 撹はん機、還流冷却機、モノマー滴下装置、温度計、窒
素ガス吹き込み装置を備えたフラスコ中にプロピレング
リコールモノメチルエーテル1,000部を入れ窒素ガ
スを流入しつつ120℃まで加熱し、この温度に保ちつ
つエチルメタクリレート464部、メチルアクリレート
265部、アクリル酸80部、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート92部、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート99部およびt−ブチルパーオキシオクトエート
60部の混合溶液を2時間を要して滴下し、さらにこの
温度に2時間保持した後、粉末状の2,2´−アゾビス
イソブチロニトリル5部を追加触媒として30分要して
徐々に加え、さらにこの温度に2時間保ってエージング
を行い、数平均分子量約16,500、カルボキシル基
濃度1.1モル/kg 樹脂、Tg点48℃、固形分約66
%のイオン性基含有樹脂溶液2を得た。
【0115】実施例2 製造例2で得たイオン性基含有樹脂溶液2およびその他
の成分を後記表2に示す配合にて均一に分散し、赤色、
緑色、青色および黒色の各感光性着色組成物を得た。各
組成物における光硬化性樹脂成分は、感光性基濃度3.
54モル/kg 、カルボキシル基濃度0.77モル/kg を
有する。また各組成物における各顔料の平均粒径は、赤
顔料:70nm、緑顔料:80nm、青顔料:90nm、黒顔
料:60nmであり、いずれの顔料も95重量%以上が粒
径120nm以下であった。
【0116】上記のようにして得た赤色の感光性着色組
成物をガラス板(100×100×1.1mm)上に乾燥
膜厚が約2μm となるようにスピンコート法により塗布
し、80℃で10分間乾燥させた後、この上に実施例1
においてカバーコート用に使用したポリビニルアルコー
ルの12%水溶液をスピンコート法により乾燥膜厚が約
2μm となるように塗布し80℃で10分間乾燥させて
ガラス板上に赤色感光性被膜層およびカバーコート層を
形成した。
【0117】次いでこの感光性被膜に波長488nmのア
ルゴンレーザーで直接描画法により1.5mj/cm2の照射
条件でパターン状に露光した。次いで30℃の1%炭酸
ソーダ水溶液にて60秒間スプレーして現像を行い水洗
し、水切り乾燥して赤色のカラーパターンを得た。
【0118】次いで上記赤色のカラーパターンを形成し
たガラス板上に上記緑色の感光性着色組成物からの緑色
感光性被膜層およびカバーコート層を上記と同様に形成
し、露光、現像、水洗、水切り乾燥を行いガラス板上に
赤色に加えて緑色のカラーパターンを得た。
【0119】次いで青色および黒色の感光性着色組成物
を用いて上記と同様の工程を繰返し行って赤色、緑色、
青色および黒色のカラーパターンをガラス板上に形成し
てカラーフィルタに適した多色のカラーパターンを得
た。
【0120】各色のパターンの(L/S)は実施例1と
同様であった。
【0121】
【表2】
【0122】表2中における(註)は以下のとおりの意
味を有する。
【0123】(*3)チタノセン化合物(T−2):
【0124】
【化18】
【0125】(*4)増感剤(A−2):
【0126】
【化19】
【0127】製造例3 メチルメタクリレート40部、ブチルアクリレート40
部、アクリル酸20部およびアゾビスイソブチロニトリ
ル2部からなる混合液を、窒素ガス雰囲気下において1
10℃に保持したプロピレングリコールモノメチルエー
テル(親水性溶剤)90部中に3時間要して滴下した。
滴下後、1時間熟成させ、アゾビスジメチルバレロニト
リル1部およびプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル10部からなる混合液を1時間要して滴下し、さらに
5時間熟成させて高酸価アクリル樹脂(酸価155)溶
液を得た。次に、この溶液にグリシジルメタクリレート
24部、ハイドロキノン0.12部およびテトラエチル
アンモニウムブロマイド0.6部を加えて、空気を吹き
込みながら110℃で5時間反応させて光硬化性樹脂
(カルボキシル基濃度0.89モル/kg 、不飽和基濃度
1.35モル/kg 、Tg点20℃、数平均分子量約2
0,000)の固形分55.6%溶液を得た。
【0128】実施例3 製造例3で得た光硬化性樹脂溶液3の180部(固形分
100部)にトリエチルアミン6部を加えて十分に中和
した後、顔料としてアンスラキノンレッド(C.I.1
77)51部およびジスアゾイエロー(C.I.83)
9部を加えペイントシェーカーにて顔料を分散させ、こ
のものにベンジルアルコール15部、増感剤(A−3)
(*5)1部および重合開始剤であるチタノセン化合物
(T−3)(*6)7部を均一に混合した。次いでこの
ものに脱イオン水を加えて固形分濃度が15%となるよ
うに調整し、赤色の電着塗装浴(pH6.5)を得た。
【0129】上記赤色の電着塗装浴の製造において、顔
料として下記のものを用いる以外は同様にして各色の電
着塗装浴を得た。
【0130】緑色電着塗装浴:ジスアゾイエロー(C.
I.83)6部およびフタロシアニングリーン(C.
I.36)54部、 青色電着塗装浴:フタロシアニンブルー(C.I.1
5:6)48部およびジオキサジンバイオレット(C.
I.23)12部、 黒色電着塗装浴:カーボンブラック60部。
【0131】各電着塗装浴における光硬化性樹脂成分
は、感光性基濃度1.35モル/kg 、カルボキシル基濃
度0.89モル/kg を有する。また各電着塗装浴におけ
る各顔料の平均粒径は、赤顔料:70nm、緑顔料:90
nm、青顔料:80nm、黒顔料:50nmであり、いずれの
顔料も95重量%以上が粒径120nm以下であった。
【0132】上記赤色の電着塗装浴を用いて、透明IT
O膜(インジウム−酸化錫膜)付ガラス板(100×1
00×1.1mm)を陽極とし、浴温25℃で45mA/cm2
の直流電流を3分間通電して電着塗装を行なった。得ら
れた電着塗膜を水洗し、80℃で5分間乾燥して2.0
μm 厚の粘着性のない平滑な感光膜を得た。この感光膜
に波長488nmのアルゴンレーザー光をパターン状に直
接描画法により露光量1.5mj/cm2の条件で照射し、次
いで30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて1分間
現像処理後、水洗し、赤色のカラーパターンを得た。
【0133】次に、緑色および青色の電着塗装浴を用い
て、上記赤色のカラーパターンを形成した透明ITO膜
付ガラス板に上記と同様の工程を繰返し行って赤色、緑
色および青色のカラーパターンを形成した。次いで黒色
の電着塗装浴を用いて、赤、緑および青色のカラーパタ
ーンを形成した透明ITO膜付ガラス板に上記と同様の
条件で電着塗装を行い、次いでアルゴンレーザー光を上
記と同様の条件で照射して黒色カラーパターンを硬化さ
せて、赤、緑、青および黒色のカラーパターンを透明I
TO膜付ガラス板上に形成してカラーフィルタに適した
多色のカラーパターンを得た。各色のパターンの(L/
S)は実施例1と同様であった。
【0134】(*5)増感剤(A−3):
【0135】
【化20】
【0136】(*6)チタノセン化合物(T−3):
【0137】
【化21】
【0138】製造例4(比較用) メチルメタクリレート10部、アクリル酸90部、アゾ
ビスイソブチロニトリル2部からなるモノマー混合液
を、窒素ガス雰囲気下、110℃に保ったイソブチルア
ルコール90部中に3時間を要して滴下した。滴下後、
1時間110℃に保った後、アゾビスジメチルバレロニ
トリル1部およびイソブチルアルコール10部からなる
混合液を1時間を要して滴下し、さらに5時間保持して
高酸価アクリル樹脂を得た。次に、この溶液にグリシジ
ルメタアクリレート20部、ハイドロキノン0.1部お
よびテトラエチルアンモニウムブロマイド0.8部を加
え、空気を吹き込みながら110℃で5時間反応させ、
固形分55%の光硬化性樹脂溶液4を得た。得られた樹
脂は、カルボキシル基濃度9.2モル/kg 樹脂、不飽和
基濃度1.17モル/kg 樹脂を有していた。
【0139】比較例1 実施例1で作成する各感光性着色組成物の表1に示す配
合において、製造例1で得た64%光硬化性樹脂溶液1
を78部使用するかわりに、製造例4で得た55%光硬
化性樹脂溶液4を91部使用する以外は同様に行って、
赤、緑、青および黒色の各感光性着色組成物を得た。各
組成物における光硬化性樹脂成分は、感光性基濃度4.
85モル/kg 、カルボキシル基濃度4.6モル/kg を有
する。また各組成物における顔料の平均粒径は、赤顔
料:70nm、緑顔料:90nm、青顔料:80nm、黒顔
料:60nmであり、いずれの顔料も95重量%以上が粒
径120nm以下であった。
【0140】以下、上記のようにして得た各感光性着色
組成物を使用して実施例1と同様の工程を行い多色のカ
ラーパターンを作成したが、現像工程において現像液に
露光硬化部も溶解し良好なパターン形成ができなかっ
た。
【0141】比較例2 実施例2で作成する各感光性着色組成物の表2に示す配
合において、製造例2で得た66%イオン性基含有樹脂
溶液の量を106部から45部に変更し、トリメチロー
ルプロパントリアクリレートの量を30部から70部に
変更する以外は同様に行って、赤、緑、青および黒色の
各感光性着色組成物を得た。各組成物における光硬化性
樹脂成分は、感光性基濃度8.26モル/kg 、カルボキ
シル基濃度0.33モル/kg を有する。また各組成物に
おける顔料の平均粒径は、赤顔料:80nm、緑顔料:9
0nm、青顔料:80nm、黒顔料:50nmであり、いずれ
の顔料も95重量%以上が粒径120nm以下であった。
【0142】以下、上記のようにして得た各感光性着色
組成物を使用して実施例1と同様の工程を行い多色のカ
ラーパターンを作成しようとしたが、露光によって硬化
する際の、着色パターン塗膜の内部応力の増大が原因と
なって、現像時の外力によって着色パターン硬化塗膜も
基材から剥離してしまいカラーパターンを形成すること
ができなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/027 511 G03F 7/027 511 7/029 7/029 7/031 7/031 (72)発明者 中谷 ▲栄▼作 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕(a)光照射により架橋又は重合
    しうる感光性基、およびイオン性基を含有する光硬化性
    樹脂、(b)エチレン性不飽和化合物および(c)イオ
    ン性基含有結合剤の少なくとも1種の成分からなり、
    (a)成分、又は(b)成分と(c)成分との混合物を
    主成分とするものであって、かつ(a)、(b)および
    (c)成分の合計における感光性基量が0.2〜7.0
    モル/kg 、イオン性基量が0.2〜3.5モル/kg であ
    る光硬化性樹脂成分、 〔B〕クマリン系増感剤、 〔C〕重合開始剤および 〔D〕着色剤 を必須成分として含有する、可視光レーザーによる直接
    描画のためのカラーフィルタ用感光性着色組成物。
  2. 【請求項2】 重合開始剤がチタノセン化合物である請
    求項1記載の感光性着色組成物。
  3. 【請求項3】 光硬化性樹脂成分〔A〕が、高酸価アク
    リル系樹脂にグリシジル基含有不飽和化合物を付加した
    アニオン性樹脂である請求項1又は2記載の感光性着色
    組成物。
  4. 【請求項4】 感光性着色組成物における着色剤〔D〕
    の粒径分布が、着色剤〔D〕の95重量%以上が300
    nm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光
    性着色組成物。
  5. 【請求項5】 (1)請求項1記載の感光性着色組成物
    からの感光性被膜を透明基板上に形成する工程、 (2)必要に応じて、感光性被膜上にカバーコート層を
    形成する工程、 (3)感光性被膜に可視光レーザーをパターン状に露光
    して感光性被膜の露光部を硬化させる工程、 (4)次いで現像処理により非露光部の感光性被膜を除
    去してカラーパターンを形成する工程、および (5)さらに必要に応じて加熱する工程を有することを
    特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 (4)カラーパターンを形成する工程又
    は(5)必要に応じて加熱する工程の後、カラーパター
    ンを形成した透明基板上に、異なる色の感光性着色組成
    物を用いて、工程(1)〜(5)を必要回数繰返して多
    色のカラーパターンを形成することを特徴とする請求項
    5記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上への感光性被膜形成を、基板上に
    感光性着色組成物を浸漬法、スプレー法、スピンコート
    法、シルクスクリーン法、ロールコート法又はカーテン
    フローコート法にて塗布することによって行うことを特
    徴とする請求項5又は6に記載のカラーフィルタの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 感光性被膜を形成する基板が導電性層を
    有する透明基板であり、感光性着色組成物〔A〕がアニ
    オン性基を有する水性組成物であって、アニオン電着塗
    装法によって基板状に感光性被膜を形成することを特徴
    とする請求項5又は6に記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の感光性着色組成物からの
    感光性被膜を基板上に形成する工程(1)において、予
    め易剥離性処理を施した基板にカバーコート層を形成
    し、該カバーコート層上に感光性着色組成物塗布して乾
    燥させた後、易剥離性処理を施した基板上のカバーコー
    ト層および感光性被膜層を別の透明基板上に転写するこ
    とによって透明基板上に感光性被膜およびカバーコート
    層を形成し、次いで工程(3)〜(5)を行うことを特
    徴とする請求項5記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 (4)カラーパターンを形成する工
    程、および(5)必要に応じて加熱する工程の後、カラ
    ーパターンを形成した透明基板上に、異なる色の感光性
    着色組成物を用いて、工程(1)、(3)、(4)およ
    び(5)を必要回数繰返して多色のカラーパターンを形
    成することを特徴とする請求項9記載のカラーフィルタ
    の製造方法。
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KR19980024606A (ko) * 1996-09-13 1998-07-06 사사끼 요시오 가시광 레이저 경화성 조성물
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