JPH0971436A - 吸収体ガラス及びファイバオプティックプレート - Google Patents

吸収体ガラス及びファイバオプティックプレート

Info

Publication number
JPH0971436A
JPH0971436A JP8172427A JP17242796A JPH0971436A JP H0971436 A JPH0971436 A JP H0971436A JP 8172427 A JP8172427 A JP 8172427A JP 17242796 A JP17242796 A JP 17242796A JP H0971436 A JPH0971436 A JP H0971436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
absorber
feo
content
sio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8172427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4046786B2 (ja
Inventor
Takeo Sugawara
武雄 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamamatsu Photonics KK filed Critical Hamamatsu Photonics KK
Priority to JP17242796A priority Critical patent/JP4046786B2/ja
Publication of JPH0971436A publication Critical patent/JPH0971436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4046786B2 publication Critical patent/JP4046786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外領域から可視光領域を経て近赤外領域に
至る広い吸収帯を有するFOP用吸収体ガラス、及びこ
れを用いたFOPを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の吸収体ガラスは、SiO2 を重
量百分率で18〜40%含有し、更にFeOの含有率と
Fe23の含有率との和が重量百分率で20%以上であ
ることを特徴とする。また、本発明の吸収体ガラスは、
重量百分率でSiO2 :18〜40%と、B23 :0
〜10%と、TiO2 :0〜15%と、BaO:25〜
40%と、La23 :4〜20%と、FeO:3〜3
0%と、Fe23 :3〜30%と、Co23 :0〜
15%とを含むことを特徴としてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファイバオプティ
ックプレート(FOP)に用いることができる吸収体ガ
ラス、及びこの吸収体ガラスを用いて製造されたFOP
に関する。
【0002】
【従来の技術】ファイバオプティックプレート(FO
P)は、複数のオプティカルファイバで構成された板状
のイメージ素子であり、イメージインテンシファイアや
CRTのフェースプレート、CCDカップリング等、光
学機器の光導波路として利用されている。
【0003】図1(a)は、典型的なFOPの光路方向
に垂直な断面図である。図1(a)に示されるように、
FOP500は、高屈折率のコアガラス502と、コア
ガラス502を被覆する低屈折率のクラッドガラス50
4と、迷光を吸収する吸収体ガラス506とから構成さ
れる。
【0004】FOPは、以下のように製造される。コア
ガラスをクラッドガラスで被覆した細いシングルファイ
バと、吸収体ファイバとの集合体を、ファイバ方向に整
列させて、高温高圧で融着させる。これをファイバ方向
に対して垂直に切断して、図1(a)に示されるような
断面を有するFOPを得る。
【0005】図1(b)は、FOPのコアの模式的な断
面図である。図1(b)に示されるように、FOPに入
射した光は、ファイバ内で全反射を繰り返し、入射面か
ら出射面に高い解像度で効率よく伝達される。このと
き、全反射しないでコアガラスから漏れる光が一部生じ
るが、これを他のコアガラスに入射させないために、吸
収体ガラスが配置される。FOPの基本的な構造及び特
性は、例えば「光学ファイバ」(長尾和美、共立出版、
1974)や、中山らの文献(テレビジョン学会技術報
告、Vol.4,No.53,pp.1-6,IPU90-44,Sept.1990 )に記載
されている。
【0006】従来の代表的な吸収体ガラスには、Ni
O、Ni23 、CoO、Co23、Cr23 、C
uO、MnO2 、SnO、V25 、WO3 等の迷光吸
収のための酸化物着色剤が含有される。吸収体ガラスの
特性を向上させるためには、広い吸収波長帯を有する酸
化物着色剤を選ぶ必要がある。また、FOP製造の際の
高温高圧下での融着やファイバ化の線引等の工程に際し
て、退色を生じたり、拡散等によりコアの失透を生じた
りしない点にも留意して酸化物着色剤を選択する必要が
ある。
【0007】特開平2−38343には、SiO2 ,B
23 ,La23 ,BaO,TiO2 の5成分を基本
成分とし、PbO,CdO,Bi23 ,As23
Sb23 ,F,Clを含まないFOP用吸収体ガラス
が開示されている。この文献では、ガラス化が可能な各
成分の含有率に関しても言及されており、例えば、着色
効果を与えるとされるFe23 は、15%以上含有さ
せるとガラスが不安定になることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年では可視光域のみ
ならず近赤外域によるイメージ伝送も多用されるように
なっているが、従来のFOPは、550nm附近の可視
光における吸収性の高い吸収体ガラスが用いられている
ものの、近赤外域での迷光吸収能力が不足しているた
め、近赤外域でのイメージは解像度の劣化が避けられな
い。
【0009】上記の特開平2−38343に開示される
吸収体ガラスでは、800nmにおいて良好な吸収をも
つことが示されているものの、590nm附近を中心と
する可視光領域の吸収率は示されていない。また、着色
剤酸化物の含有率を増加させて広い帯域にわたって高い
吸収能力を維持するための方策に関しても言及されてい
ない。
【0010】従って、本発明の目的は、紫外領域から可
視光領域を経て近赤外領域に至る広い吸収帯を有するF
OP用吸収体ガラス、及びこの吸収体ガラスを用いて製
造されたFOPを提供することである。
【0011】また、本発明の他の目的は、広い吸収帯に
亘り安定して大きな吸収率を有するFOP用吸収体ガラ
ス、及びこの吸収体ガラスを用いて製造されたFOPを
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に鑑み鋭意研究の結果、ガラスにFeOとFe23
を共に含ませることができ、且つ、このガラスが紫外領
域から可視光領域を経て近赤外領域に至る広い吸収帯を
有することを見出した。更に、この知見に基づいて試作
研究を重ねた結果、高い吸収率を得る目的でFeOとF
23 とを共に高い含有率でガラスに含有させなおか
つガラス化させるためには、SiO2 の含有率も同時に
高くすることが有効であることを見出し本発明を完成さ
せるに至った。また、FeO又はFe23 を単独で用
いる場合でも同様に、SiO2 の含有率を増加させるこ
とによりFeO又はFe23 を高い含有率で含有させ
ることができることも見出された。
【0013】従って、本発明の吸収体ガラスは、SiO
2 を重量百分率で18〜40%含有し、更にFeOの含
有率とFe23の含有率との和が重量百分率で20%以
上であることを特徴とする。
【0014】また、本発明の吸収体ガラスは、重量百分
率でSiO2 :18〜40%と、B23 :0〜10%
と、TiO2 :0〜15%と、BaO:25〜40%
と、La23 :4〜20%と、FeO:3〜30%
と、Fe23 :3〜30%と、Co23 :0〜15
%とを含むことを特徴としてもよい。
【0015】また、本発明の吸収体ガラスは、SiO2
とFeOとFe23 とが重量百分率で、 (SiO2 の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe2
3 の含有率)>35% の関係を有することを特徴としてもよい。
【0016】また、本発明の吸収体ガラスは、SiO2
とFeOとFe23 とが重量百分率で、 (SiO2 の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe2
3 の含有率)>50% の関係を有することを特徴としてもよい。
【0017】また、本発明の吸収体ガラスは、重量百分
率で3〜6%のNi23 を更に含むことを特徴として
もよい。
【0018】また、本発明の吸収体ガラスは、重量百分
率で、SiO2 :20〜35%と、B23 :0〜6%
と、TiO2 :5〜12%と、BaO:25〜35%
と、La23 :7〜10%と、FeO:3〜9%と、
Fe23 :7〜21%と、Co23 :0〜10%と
を含むことを特徴としてもよい。
【0019】また、本発明の吸収体ガラスは、CoOと
Co23 とを実質的に含まないことを特徴としてもよ
い。
【0020】また、本発明の吸収体ガラスは、重量百分
率で、SiO2 :23〜31%と、B23 :0〜6%
と、TiO2 :7〜11%と、BaO:30〜32%
と、La23 :7〜8%と、FeO:3〜5%と、F
23 :8〜12%とを含み、CoOとCo23
を実質的に含まないことを特徴としてもよい。
【0021】また、本発明の吸収体ガラスは、重量百分
率で、SiO2 :28〜31%と、TiO2 :7〜11
%と、BaO:30〜32%と、La23 :7〜8%
と、FeO:6〜9%と、Fe23 :15〜21%と
を含み、CoOとCo23 とを実質的に含まないこと
を特徴としてもよい。
【0022】また、本発明の吸収体ガラスは、B23
を実質的に含まないことを特徴としてもよい。
【0023】本発明の吸収体ガラスは、FeOとFe2
3 とを高い含有率で含むことができるため、可視光域
から近赤外域までの広い範囲で大きな吸収率を示す。S
iO2 の含有率も併せて高くすることにより、ガラス化
のためのこれら酸化鉄の含有量の上限が大幅に緩和さ
れ、これら酸化鉄の含有率が高く且つ安定なガラスを得
ることが出来る。
【0024】また、本発明のCoO及びCo23 を実
質的に含まない態様では、吸収体ガラスから他の部分へ
拡散しやすいCo2+及びCo3+を含まないため、この吸
収体ガラスをFOPに用いれば、コバルトイオンのコア
への拡散によりコアの透過率が損われる問題が解消され
る。この吸収体ガラスはCoO及びCo23 を含まな
いがFeO及びFe23 を含むため、広い範囲で良好
な吸収能力を有する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の吸収体ガラスを構成する
物質成分に着目して説明する。
【0026】(B23 )ガラス形成のための酸化物で
ある。添加することによりガラス化が容易になるが、必
ずしも含有する必要はない。含有率が10%を越えると
ガラスの密度が小さくなるため、吸収体ガラスとしての
吸収能力が低下する。
【0027】(SiO2 )B23 と同様、ガラスを形
成するための酸化物であり、本発明に必須である。含有
率が18%未満の場合は、以下に述べる着色剤を多量に
含有させることができない。また、40%を越える場合
は、着色剤の含有率を大きくすることができないため、
吸収能力が低下する。
【0028】(TiO2 )FeOやFe23 等の着色
剤を多量に含有させる際に、TiO2 を添加することに
よりガラス化が容易となる。また、ガラスを硬くする作
用も併せもつ。但し、含有率が15%を越えれば逆にガ
ラス化が困難になる。5%未満の場合は添加の効果は少
なくなるが、必ずしも含有している必要はなくゼロ%で
もよい。
【0029】(BaO)ガラス化範囲を広げ、熱膨張係
数を大きくする作用がある。BaO含有率が5%未満の
場合に着色剤を多量に含有させようとしてもガラス化し
なくなり、40%を越えれば着色剤を含有させる余地が
なくなる。
【0030】(La23 )ガラス化を容易にし、ガラ
スの密度を大きくする作用がある。ガラスの密度が大き
くなるため着色剤の吸収能力が向上する。含有率4%未
満では添加の効果は少なく、20%を越えればガラス化
が困難になる。
【0031】(FeO)特に近赤外域に良好な吸収特性
を有する着色剤である。含有率が3%未満の場合は、吸
収体ガラスの近赤外域の吸収特性が不十分となる。30
%を越えれば、ガラス化が困難となる。
【0032】(Fe23 )特に紫外域から可視域にか
けて良好な吸収特性を有する着色剤である。含有率が3
%未満では吸収体ガラスの吸収特性が不十分であり、含
有率30%を越えれば、ガラス化が困難となる。
【0033】(Co23 )主に可視域に吸収特性を有
する着色剤であるが、本発明に必須ではない。含有率が
15%を越える場合はガラス化が困難となる。尚、後述
するが、Co23 を含む吸収体ガラスを用いて作製さ
れたFOPにおいて、Co3+がコア部分へ拡散して伝送
特性が損なわれたため、好ましくはCo23 を含有し
なくてもよい。
【0034】
【実施例】以下、添付した図面を参照して、本発明の実
施例を説明する。尚、添付した各図面において、同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0035】本発明に従った吸収体ガラスファイバの製
造方法について簡単に説明する。本実施例での各成分
は、次の様な原料形態であった: 成分物質 原料 B23 ホウ酸(H3 BO3 ) SiO2 無水ケイ酸(SiO2 ) TiO2 酸化チタン(TiO2 ) BaO 炭酸バリウム(BaCO3 ) La23 酸化ランタン(La23 ) FeO 酸化鉄(I)(FeO) Fe23 酸化鉄(II)(Fe23 ) Co23 酸化コバルト(II)(Co23 )。
【0036】これらの原料の全てを均一に混合した後、
石英坩堝に投入し1250℃に加熱して、ラフメルトを
行う。ほぼ全ての成分が溶融したところで、石英坩堝か
ら溶融物を取り出し、急冷してカレットとする。これを
繰り返す。次に、出来上がったカレットを白金坩堝に投
入し、1350℃に加熱して溶融する。このときの溶融
の時間は2時間である。2時間溶融する間に3回、白金
棒で溶融物を攪拌し、溶融物の均質化を行う。2時間経
過後、徐々に温度を下げ、溶融物が適当な粘度に致った
ところで、棒状のキャビティーを有する型に溶融物を流
し込む。炉内温度が予め720℃〜730℃に設定され
た電気炉内にこの溶融物を型ごと入れてアニール処理を
行う。そして、電気炉内で溶融物が一定の温度になった
ところで、電気炉の電源を切り、溶融物を自然冷却す
る。ここで、吸収体ガラスの棒が完成した。そして、吸
収体ガラスの棒を型から取り出し、所定の寸法に研削、
研磨した後、FOP用吸収体ガラスファイバに加工す
る。
【0037】まず、本発明者は、以下のように着色剤酸
化物の選択を行った。ここで、本発明の目的は、紫外〜
可視〜近赤外に致る広い帯域で良好な吸収特性を得る事
であり、特に近赤外域の吸収特性を改善しつつ可視域の
吸収も良好に維持することを目指した。近赤外域の良好
な吸収特性を与えるものはCu2+とFe2+がよく知られ
ており、これらを含む酸化物を吸収体ガラスに含有させ
る事を念頭に置き、更に紫外域〜可視域にも良好な吸収
特性を与えるような組成を探索した。広い帯域において
吸収能力を得るため、着色剤酸化物として少なくともF
eOとFe23 とを含有させることとした。そして、
着色剤酸化物の含有量をできるだけ増加させることによ
り高い吸収能力を得ようとした。この際、着色剤酸化物
の組み合わせや含有量がガラス化の程度に影響を及ぼす
ことに留意しつつ、探索を行った。
【0038】まず、SiO2 19%、B23 6%、L
23 16%、BaO36%、TiO2 8%、FeO
2.4%、Fe23 5.6%、Co23 1%、Cu
O6%の組成の吸収体ガラスを上記の方法により作製し
た。この吸収体ガラス(以下、EMAと略記する)の7
90nmにおける透過率を測定したところ、厚さ250
μmのEMAで0.5%であった。即ち、このEMAは
近赤外域で非常に良好な吸収能力を有することが明らか
になった。
【0039】しかし、このEMAをコア、クラッド部と
共に線引してFOPを作製したところ、EMAが結晶化
してしまった。この線引の際の温度条件を変えた試作を
更に行ったが、EMAを結晶化させないための温度条件
が非常に狭く限られることが判明し、即ち線引の際の温
度制御が著しく困難であることが明らかになった。ま
た、EMA中のCu2+がコアに容易に拡散し、コアが著
しく着色されてしまった。このFOPの分光透過率は、
可視域〜近赤外域で大幅に低下したものとなり、実用に
供しないことが明らかになった。従って、本発明のEM
Aには、Cuイオンを含まないこととした。
【0040】次に、上記の組成に対し、CuO6%に変
えて、従来から用いられる着色剤酸化物を約5〜6%前
後としたEMAを作製して、ガラス化及び790nm近
辺での吸収を評価した。CuOに換えた着色剤酸化物に
は、Ni23 、MnO2 、Co23 、SnO、V2
5 、WO3 及びCr23 をそれぞれ単独で用いた。
その結果、MnO2 、SnO、V25 、WO3 又はC
23 を用いた場合は、ガラス化が充分ではなく、N
23 又はCo23 を約5〜6%前後として用いた
場合に、ガラス化が充分に達成されることが明らかにな
った。
【0041】そして、以上の結果を踏まえて、組成の最
適化の検討を行った。上記の製造工程により、組成の異
なる12種類のEMAを作製した。そして、それぞれに
関して、波長約300nm〜約1,000nmの範囲で
透過率を測定した。これら12種類のガラスの組成を、
以下の表1及び表2に示す。尚、これらは全て、良好に
ガラス化した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】作製されたこれら12種類の組成のEMA
に対して、波長300nm〜1,000nmの広い帯域
にわたる分光透過率を測定して、EMAの吸収特性を評
価した。これら全てのEMAが300nm〜1,000
nmにわたって比較的良好な吸収能力を有することが確
認された。また、近赤外域である波長790nmに対す
る透過率を、表1及び表2に併せて示した。
【0045】まず、Ni23 を含有するNo.40
は、波長790nmに対して、この中では最も高い透過
率(即ち低い吸収率)を呈したが、実用に供しないレベ
ルではない。
【0046】次いで、Ni23 ではなくCo23
着色剤酸化物として、FeO及びFe23 と共に含有
させたNo.57〜61では、FeOとFe23 の含
有率の合計が最も高いNo.58が、最も低い透過率を
示した。
【0047】また、B23 を含まずFeOとFe2
3 の含有率の合計がNo.58に近いレベルであるN
o.70、71では、EMAのガラス転移点(Tg)及
び屈伏点(At)が改善された。
【0048】更に、FeO単独又はFe23 で用い、
且つこれらの含有率を22.2%としたNo.75、7
6では、透過率が著しく改善された。
【0049】これらの結果から、FeO及びFe23
の含有量を高めれば、他の着色剤酸化物を用いることな
く充分高い吸収率を得ることができることが明らかにな
った。
【0050】そして、この見解に基づき、FeOとFe
23 を共に用いて、且つこれらの含有量を高める検討
を行った結果が、表2に示されるNo.74及びNo.
80である。これらは共に波長790nmに対して著し
く良好な吸収性能を示した。
【0051】透過率が著しく改善されたNo.74〜N
o.76及びNo.80においては、SiO2 が重量百
分率で18〜40%含有され、FeOの含有率とFe2
3の含有率との和が重量百分率で20%以上になって
いる。
【0052】これらのうち、No.74及びNo.80
の透過率を更に詳しく調べた。このとき、比較のため
に、本発明に従わない従来品として、SiO2 19%、
23 6%、La23 16%、BaO36%、Ti
2 8%、FeO2.4%、Fe23 5.6%、Co
23 1%の組成をもつ従来品EMAを用いた。まず、
厚さによる透過率の変化を、比較的良好な結果が得られ
たNo.58、No.70と共に図2に示す。この図2
に示されるように、従来品と比較してNo.58、7
0、74及び80は、波長790nmに対して良好な吸
収特性を有することが示され、特にNo.74及びN
o.80は著しく良好であった。
【0053】次に、厚さ130μmの場合のNo.7
4、No.80及び従来品の分光透過率のスペクトルを
図3に示す。図3に示されるように、従来品に比べてN
o.74及びNo.80は共に、全波長域にわたって著
しく良好な吸収特性を発揮したことが示された。
【0054】更に、NO.80のEMA及び従来品EM
Aを用いて、公知のコア及びクラッドと共に開口数
(N.A.)が1であるFOPを作製し、厚さ3mmの
FOPに対する分光透過率を測定した。この時の分光透
過率のスペクトルを、図4に示す。図4に示されるよう
に、従来品EMAを用いたFOPでは、近赤外域で透過
率が上昇し迷光が多く吸収体の効果が小さいことが示さ
れる。これに対して、本発明のEMA(No.80)を
用いたFOPは、近赤外域での透過率の立ち上がりがな
く迷光の吸収を効果的に行っていることがわかる。この
FOPは、開口数(N.A.)が1であるものを用いて
おり、拡散光の場合、コア部分に入射した光は全てファ
イバ内で全反射を繰り返し、同一ファイバの反対側より
出射する。しかし、それ以外のクラッド部、吸収体部に
入射した光は、吸収体の能力が不完全であれば屈折を繰
り返し、減衰しながら同一角度で出射する。このため、
FOPのコア部分で伝送されたイメージにこれら迷光成
分が加わり、伝送イメージはその解像度が劣化する。従
って、本発明に従ったFOPは、近赤外の迷光を大幅に
吸収し且つ紫外域〜可視域にわたっても同様に迷光を大
幅に吸収することができるため、広い範囲で良好な解像
度を維持しつつイメージを伝送することが可能となる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吸収体ガ
ラスは、近赤外の迷光を大幅に吸収し且つ紫外域〜可視
域にわたっても同様に迷光を大幅に吸収することができ
る。このため、この吸収体ガラスを用いて製造されたF
OPは、広い範囲で良好な解像度を維持しつつイメージ
を伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はFOPの断面図であり、(b)はFO
Pのコアの模式的な断面図である。
【図2】波長790nmに対する吸収体ガラスの厚さに
対する透過率の関係を表すグラフである。
【図3】厚さ130μmの吸収体ガラスに対する分光透
過率のチャートである。
【図4】厚さ3mmのファイバオプティカルプレートの
分光透過率のチャートである。
【符号の説明】
500…ファイバオプティカルプレート、502…コア
ガラス、504…クラッドガラス、506…吸収体ガラ
ス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/12 G02B 6/12 N

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2を重量百分率で18〜40%含
    有し、更にFeOの含有率とFe23の含有率との和が
    重量百分率で20%以上であることを特徴とする吸収体
    ガラス。
  2. 【請求項2】 重量百分率で、 SiO2:18〜40%と、 B23:0〜10%と、 TiO2:0〜15%と、 BaO:25〜40%と、 La23:4〜20%と、 FeO:3〜30%と、 Fe23:3〜30%と、 Co23:0〜15%とを含むことを特徴とする吸収体
    ガラス。
  3. 【請求項3】 SiO2とFeOとFe23とが重量百
    分率で、 (SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe2
    3の含有率)>35% の関係を有することを特徴とする請求項2に記載の吸収
    体ガラス。
  4. 【請求項4】 SiO2とFeOとFe23とが重量百
    分率で、 (SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe2
    3の含有率)>50% の関係を有することを特徴とする請求項1又は2のいず
    れかに記載の吸収体ガラス。
  5. 【請求項5】 重量百分率で3〜6%のNi23を更に
    含むことを特徴とする請求項2に記載の吸収体ガラス。
  6. 【請求項6】 重量百分率で、 SiO2:20〜35%と、 B23:0〜6%と、 TiO2:5〜12%と、 BaO:25〜35%と、 La23:7〜10%と、 FeO:3〜9%と、 Fe23:7〜21%と、 Co23:0〜10%とを含むことを特徴とする吸収体
    ガラス。
  7. 【請求項7】 CoOとCo23とを実質的に含まないこ
    とを特徴とする請求項1、2又は6のいずれかに記載の
    吸収体ガラス。
  8. 【請求項8】 重量百分率で、 SiO2:23〜31%と、 B23:0〜6%と、 TiO2:7〜11%と、 BaO:30〜32%と、 La23:7〜8%と、 FeO:3〜5%と、 Fe23:8〜12%とを含み、CoOとCo23とを実
    質的に含まないことを特徴とする吸収体ガラス。
  9. 【請求項9】 重量百分率で、 SiO2:28〜31%と、 TiO2:7〜11%と、 BaO:30〜32%と、 La23:7〜8%と、 FeO:6〜9%と、 Fe23:15〜21%とを含み、CoOとCo23とを
    実質的に含まないことを特徴とする吸収体ガラス。
  10. 【請求項10】 B23を実質的に含まないことを特徴
    とする請求項9に記載の吸収体ガラス。
  11. 【請求項11】 複数の光ファイバを束ねた状態で一体
    化することによって形成され、 入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコア
    と、 前記コアのそれぞれの外周部を覆い、前記コアガラスよ
    りも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、 前記複数のコアの間に配置され、前記コアから漏れ前記
    クラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからな
    る吸収体とを備え、 前記吸収体ガラスが、SiO2を重量百分率で18〜4
    0%含有し、更にFeOの含有率とFe23の含有率と
    の和が重量百分率で20%以上であることを特徴とする
    ファイバオプティックプレート。
  12. 【請求項12】 複数の光ファイバを束ねた状態で一体
    化することによって形成され、 入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコア
    と、 前記コアのそれぞれの外周部を覆い、前記コアガラスよ
    りも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、 前記複数のコアの間に配置され、前記コアから漏れ前記
    クラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからな
    る吸収体とを備え、 前記吸収体ガラスが、重量百分率で SiO2:18〜40%と、 B23:0〜10%と、 TiO2:0〜15%と、 BaO:25〜40%と、 La23:4〜20%と、 FeO:3〜30%と、 Fe23:3〜30%と、 Co23:0〜15%とを含むことを特徴とするファイ
    バオプティックプレート。
JP17242796A 1995-07-04 1996-07-02 ファイバオプティックプレート Expired - Lifetime JP4046786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17242796A JP4046786B2 (ja) 1995-07-04 1996-07-02 ファイバオプティックプレート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-168711 1995-07-04
JP16871195 1995-07-04
JP17242796A JP4046786B2 (ja) 1995-07-04 1996-07-02 ファイバオプティックプレート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0971436A true JPH0971436A (ja) 1997-03-18
JP4046786B2 JP4046786B2 (ja) 2008-02-13

Family

ID=26492313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17242796A Expired - Lifetime JP4046786B2 (ja) 1995-07-04 1996-07-02 ファイバオプティックプレート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4046786B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004076372A1 (ja) * 2003-02-27 2004-09-10 Nippon Sheet Glass Company, Limited 鱗片状ガラスおよびその製造方法
JP2007070156A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Ohara Inc 光学ガラスの製造方法
WO2008099755A1 (ja) 2007-02-13 2008-08-21 Hamamatsu Photonics K.K. ファイバオプティック
JPWO2009044873A1 (ja) * 2007-10-05 2011-02-10 オリンパス株式会社 光学ガラス及びこれを使用した光学装置
WO2021065284A1 (ja) 2019-09-30 2021-04-08 浜松ホトニクス株式会社 ファイバオプティックプレート、シンチレータパネル、放射線検出器、電子顕微鏡、x線遮蔽方法、及び、電子線遮蔽方法
KR20210111339A (ko) * 2017-03-14 2021-09-10 매직 립, 인코포레이티드 광 흡수막들을 갖는 도파관들 및 이를 형성하기 위한 프로세스들

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004076372A1 (ja) * 2003-02-27 2004-09-10 Nippon Sheet Glass Company, Limited 鱗片状ガラスおよびその製造方法
US7641730B2 (en) 2003-02-27 2010-01-05 Nippon Sheet Glass Company, Limited Glass flake and method of manufacrturing the same
JP2007070156A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Ohara Inc 光学ガラスの製造方法
WO2008099755A1 (ja) 2007-02-13 2008-08-21 Hamamatsu Photonics K.K. ファイバオプティック
JP2008197377A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Hamamatsu Photonics Kk ファイバオプティック
US8116606B2 (en) 2007-02-13 2012-02-14 Hamamatsu Photonics K.K. Fiber optic
JPWO2009044873A1 (ja) * 2007-10-05 2011-02-10 オリンパス株式会社 光学ガラス及びこれを使用した光学装置
KR20210111339A (ko) * 2017-03-14 2021-09-10 매직 립, 인코포레이티드 광 흡수막들을 갖는 도파관들 및 이를 형성하기 위한 프로세스들
KR20230131972A (ko) * 2017-03-14 2023-09-14 매직 립, 인코포레이티드 광 흡수막들을 갖는 도파관들 및 이를 형성하기 위한 프로세스들
WO2021065284A1 (ja) 2019-09-30 2021-04-08 浜松ホトニクス株式会社 ファイバオプティックプレート、シンチレータパネル、放射線検出器、電子顕微鏡、x線遮蔽方法、及び、電子線遮蔽方法
KR20220076449A (ko) 2019-09-30 2022-06-08 하마마츠 포토닉스 가부시키가이샤 파이버 옵틱 플레이트, 신틸레이터 패널, 방사선 검출기, 전자 현미경, x선 차폐 방법, 및 전자선 차폐 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4046786B2 (ja) 2008-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6505793B2 (ja) 光学ガラス、ガラス母材と光学素子
EP2495223B1 (en) Optical glass and core material for optical fiber
US7169470B2 (en) Aluminosilicate glass
US7323427B2 (en) Boron aluminosilicate glass
KR101514086B1 (ko) 파이버 옵틱
AU688149B2 (en) Transparent glass-ceramics
US5023209A (en) Fast fading, high refractive index photochromic glass
US5426077A (en) High index brown photochromic glasses
EP0752394B1 (en) Glass and fiber optic plate using the same
KR20020086944A (ko) 다성분 유리, 유리 섬유, 트위스터 및 테이퍼
JP4046786B2 (ja) ファイバオプティックプレート
JP2024019356A (ja) 光学ガラスおよび光学素子
JP4219039B2 (ja) 光ファイバー用ガラス
JP2021050125A (ja) 光学ガラスおよび光学素子
EP1018657A1 (en) Refractive index distribution type optical element and refractive index distribution type rod lens array
JP3749276B2 (ja) 赤外線透過ガラス
US4385128A (en) Germanium-containing glass of high infrared transmission and low density
JP4060568B2 (ja) 吸収体ガラス及びファイバオプティックプレート
WO2022255336A1 (ja) 光学ガラス、近赤外線カットフィルタ、プレス成形用ガラス素子、光学素子ブランク、および光学素子
EP4039661B1 (en) X-ray shielding glass and glass component
WO2021106457A1 (ja) 多成分系酸化物ガラス、光学素子、光ファイバ、及び多成分系酸化物ガラスの製造方法
JP2023152670A (ja) 光学ガラスおよび光学素子
JP2024043490A (ja) 光学ガラスおよび光学素子
JPH08188445A (ja) 赤外線透過ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071011

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071121

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term