JPH0967797A

JPH0967797A - 抗菌防カビ性を有する紙製品

Info

Publication number: JPH0967797A
Application number: JP7258053A
Authority: JP
Inventors: Tomiyoshi Suyama; 富義陶山; Masafumi Tsuruoka; 理文鶴岡; Kimie Minemura; 希実エ峯村
Original assignee: Daiwa Chemical Industries Ltd
Current assignee: Daiwa Chemical Industries Ltd
Priority date: 1995-08-31
Filing date: 1995-08-31
Publication date: 1997-03-11

Abstract

(57)【要約】【目的】天然繊維または／および合成繊維よりなる紙
製品に抗菌防カビ剤を処理することによって、細菌また
はカビ類の発生可能な環境下にあって、紙製品を長期に
わたって、それら微生物による被害を阻止し、微生物に
よる環境汚染および紙質の変色、着色、脆化などを防止
する。特に最近病院において問題になっているＭＲＳＡ
（メチシリン耐性黄色ブドウ球菌）の院内感染に対して
も優れた抑制効果を有している杭微生物化合物の開発に
よって、これらの要望を満たすことが可能になった。【構成】抗菌防カビ剤としてベンズイソチアゾロン−
３−オンまたは、それのナトリウム塩、アンモニウム
塩、脂肪族低級アミン塩またはポリヘキサメチレンビグ
アナイド塩酸塩、ｎ−ジデシルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジヨード−Ｐ−トリメチルスルフォン、３−
ヨード−２−プロペニル−Ｎ−ブチルカーバメート、メ
トキシカルボニルアミノベンツイミダゾールの１種また
は２種以上を用い、水分散あるいは水溶液、エマルジョ
ンあるいは高分子水溶液に加えて使用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天然繊維および／また
は合成織維を用いて抄造された紙製品に抗菌防カビ剤を
処理することにより細菌またはカビ類の発育可能な環境
下にあって、紙製品を長期にわたって、それら微生物に
よる被害を阻止し、微生物による環境汚染および紙製品
の変色、着色、脆化等を防止することに関する。更に詳
しくは、紙に処理する方法として抗菌防カビ剤をエマル
ジョンまたは微粒子の水中分散剤、多孔質物質担持体
を、そのまま水希釈あるいは高分子水溶液に添加した薬
剤を、パルプ分散液中に添加または抄紙した成紙に塗
布、含浸、スプレーなどによって処理して得られる抗菌
防カビ性紙製品。

【０００２】特に、最近病院において問題になっている
ＭＲＳＡ（メチシリン耐性黄色ブドウ球菌）の院内感染
に対しても優れた抑制効力を有している杭微生物化合物
の開発によって病院内で使用されるカルテ、薬袋、紙オ
ムツ、テッシュペーパーなどの紙製品に処理して院内感
染の防止または、学校など集団生活を行う環境にあっ
て、これら病原菌の感染および蔓延を防止することにあ
る。

【０００３】

【従来の技術】紙製品に、有機化合物を主体とする抗菌
防カビ剤を処理することは従来からも一部で行われてい
たが、使用される抗菌防カビ剤は、工業用または農業用
として開発されたものが用いられているために人畜に対
する安全面で充分なものではなかった。このようなこと
から食品が直接接触することも考えられる包装紙、ダン
ボール箱などの包装材料やそれと同等の安全性が求めら
れるもの、あるいは病院や一般事務用、家庭用として広
範囲に使用される紙製品において抗菌加工が施されて問
題のない安全な化合物の開発が各方面から要望されてい
た。以上のような関係から、これらの紙製品に処理する
抗菌防カビ剤として望まれる条件としては、次のような
事項である。

【０００４】（１）使用した抗菌防カビ剤が、例え食
品に接触しても、人畜に対する毒性が低い安全性に優れ
たものであること。（２）抗菌防カビ剤の使用量が微量で充分な効果を発
揮すると共に、その効力が持続性を有し、熱、紫外線、
空気、湿気など使用中の条件による分解性が少なく、長
期間その効力が安定していること。（３）抗菌防カビ剤を使用した紙製品が長期間着色、
変色あるいは脆化をおこす恐れのないこと。（４）抗菌防カビ剤を使用した紙製品の損紙あるいは
古紙の再利用が可能であること。また、これらの紙を焼
却した時に有害ガスや悪臭ガスの発生がないこと。など
があげられる。しかしながら、現状としては、これらの
要望を満たすことは非常に困難なこととされているが、
この要望に近ずける必要がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来から、この目的で
開発された抗菌防カビ剤は、多数の化合物があげられ
る。これら多くの無機、有機化合物の人体に対する安全
性を考えると必ずしも充分とはいえなかった。安全性に
優れた化合物の一つとして無機の銀化合物や微粒子銀を
ゼオライトなどに担持させたものの応用が試みられてい
るが、その効果を見ると、細菌に対してはある程度の効
果はみられるものの、カビ、酵母類に対しては比較的効
力が低く、価格面からみても充分に、その効果を発揮さ
せるまでには至らない。また光による変色も欠点とされ
ている。

【０００６】この他、殺菌性に優れた化合物として２，
４，４’−トリクロロ−２’−ハイドロオキシジフェニ
ルエーテルや防カビ性に優れたチアゾール系化合物の４
−（２−ベンズイミダゾリル）チアゾールが開発され、
あらゆる面に応用されたが、化合物の安定性ならびに変
色、毒性の関係において必ずしも満足できる化合物では
ない。

【０００７】紙製品に、細菌やカビ類の発生する危険性
は意外に多い。例えば重要書類や書籍の保管中にカビが
発生する。また、ダンボール箱に食品、衣類等を入れて
輸送あるいは保管中にカビが発生して使用に耐えなくな
ることがある。特に果実類などでは、青カビの発生によ
り腐敗の要因ともなっている。

【０００８】これらの主な原因は内容物に付着している
細菌類、カビ類と思われるが、包装関係に使用されてい
る包装紙あるいはダンボール箱に付着している微生物や
気候条件が大きく関係していることも考えられる。この
他に、魚類、野菜類、果実類、乾物類などの食品類が腐
敗やカビ被害を受けることが多い。このように考える
と、これらの被害も包装紙、ダンボール箱等の包装に使
用される紙製品に安全性に優れた抗菌防カビ剤の処理に
より、ある程度の被害の防止は可能であると思われる。

【０００９】

【課題を解決するための手段】一種類の抗微生物化合物
では、細菌およびカビ類、酵母類の全般にわたって充分
な抑制効果を求めることは非常に困難なことである。例
えば、殺菌効果の認められているカチオン界面活性剤で
ある塩化ベンザルコニウム系殺菌剤においても、細菌類
に対しては優れた効果を有しているが、カビ類や酵母類
には充分ではない。一方ベンズイミダゾール系防カビ剤
については、カビ類に対する効果は充分でも、細菌類に
はその効果が及ばない。また、その効果を向上させる目
的で２種類または、それ以上の化合物の配合による相乗
効果を期待する方法も考えられている。しかしながら、
それらが全てプラス面に働けばよいが、配合忌避による
性能低下や化学的、物理的影響によりマイナスになるこ
とも考えねばならない。

【００１０】本発明者らは、以上のような観点から細菌
類、カビ類、酵母菌など総合的な微生物に対して、充分
な抗菌スペクトルを有し、広範囲に抗菌力を発揮でき、
しかも、人畜に対する低毒性を第一条件に、化合物の安
定性、抗菌効力の長期間持続性のほか使用した抗菌防カ
ビ剤が熱、紫外線、空気による酸化作用などの環境の変
化による有害な物質を生ずることのない化合物の発見と
紙に応用して優れた抗菌防カビ効果の得られるものにつ
いて鋭意研究を重ねた結果、次のような化合物の応用に
より、本発明を完成した。

【００１１】界面活性剤として知られている第４級アン
モニウム塩は、殺菌消毒剤として塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウムが、日本薬局方に集載されてい
る。この他セチルピリジニウムクロライド、アルキルト
リメチルアンモニウムクロライドなどの化合物が用いら
れているが、アルキル基の１個の炭素数がＣ_８〜Ｃ_１８
のものが殺菌性に優れている。しかし、防カビ性に対す
る効力には問題が残されている。

【００１２】しかし、本発明に使用する長鎖アルキル基
にデシル基を２個有するジデシルジメチルアンモニウム
クロライドのみが、他の第４級アンモニウム塩と異な
り、殺菌性のほか各種カビ類、木材腐朽菌、酵母菌等の
広範囲な微生物に対し優れた効力を有する特異な化合物
である。ジデシルジメチルアンモニウムクロライドが特
に木材に発生するカビ類や腐朽菌に強い抗菌性を有して
いるためにパルプや紙に発生する細菌、カビ類に対して
も、強い抗菌防カビ性を期待することができる。使用量
は、紙製品に対して１０〜２００ｍｇ／ｍ^２である。

【００１３】有機ヨード系化合物も多数の開発されてい
る。それらは殺菌消毒性の強いものが多く、その歴史も
古いが、その用途は、専ら医薬用として使用されてい
た。例えば、ヨウ素フォルム、四ヨウ化エチレン、二ヨ
ウ化ヘキサメチレン・テトラミン、二ヨウ化−Ｐ−フェ
ノール・スルフォン酸カリウム、ヨウ素チモール、四ヨ
ウ化ピロール、四ヨウ化カルバゾールなど各種の化合物
が使用されているが、ヨード系化合物の欠点とされてい
る保存中の変色の問題がある。

【００１４】これらのヨード系化合物の中でジヨードメ
チル−Ｐ−トリメチルスルフォンおよび３−ヨード−２
−プロピニル−Ｎ−ブチルカーバメートが細菌類、カビ
類に対して抗菌防カビ効力を有している。しかも、その
長期間安定な性質を紙製品に応用し、その効力が認めら
れた。

【００１５】ジヨードメチル−Ｐ−トリメチルスルフォ
ンおよび３−ヨード−２−プロピニル−Ｎ−ブチルカー
バメートの紙製品に対する使用方法は、パルプスラリー
に添加するもので添加量は、パルプに対して０．０１〜
０．２％使用することにより抗菌防カビ性の優れた成紙
が得られる。

【００１６】５員環化合物で窒素を２個存在しているも
のがイミダゾールであるが、特に、この誘導体には、抗
菌防カビ性に優れたものがある。これらの環は微生物に
対して特異な挙動を示すように思われている。また、イ
ミダゾール環とベンゼン環が縮合したベンツイミダゾー
ルの誘導体には、防カビ性に優れた化合物がある。本発
明者らは、イミダゾール系抗菌防カビ化合物でメトキシ
カルボニルアミノベンズイミダゾールを応用して抗菌防
カビ性を有する紙製品とした。パルプに対する使用量は
０．０５〜２．０％を添加する。

【００１７】ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩
は、水溶性の高分子カチオン性化合物で優れた抗菌防カ
ビ性を有する化合物である。紙製品ｍ^２当り１．０ｇ〜
４．０ｇを水で１０倍に希釈し塗布する。抗菌性は、Ｍ
ＲＳＡ（メチシリン耐性黄色ブドウ球菌）の抑制および
グラム陽性菌ならびにグラム陰性菌に有効に作用する。

【００１８】本発明による抗菌防カビ紙として応用でき
るものは不特定多数のものに応用できるが、なかでも病
院における院内感染予防としてＭＲＳＡや大腸菌、緑膿
菌などの感染予防対策としてカルテ用紙、薬包紙、薬
袋、院内で使用する事務用品全般、患者の使用する紙お
むつ、紙シーツ、ティッシュペーパー、ナプキンなどに
応用して、ＭＲＳＡに関する効果が期待できる。

【００１９】この他の印刷洋紙としては、帳簿、証券、
複写、葉書など、図画用紙水として水彩画洋紙、図画用
紙、海図及び地図用紙、包装用紙ではクラフト紙、ロー
ル紙、防錆用紙、果実用紙、水を吸収するものではトイ
レットペーパー、紙タオル、化粧紙、紙綿、電器絶縁紙
では電線被覆紙、絶縁薄紙、絶縁厚紙など、また装飾関
係では表紙用、模様紙、壁紙、襖紙その他としてトレー
シングペーパー、写真包装紙など広範囲な応用が考えら
れる。

【００２０】板紙関係への応用としては段ボール原紙の
ライナー、中芯、白板紙ではマニラボール、白ボール、
また黄板紙、色板紙、建材原紙、紙管、台紙など、この
他農業用としては抗菌防カビ効力を有する育苗箱、育苗
ポットなどに応用することができる。

【００２１】本発明による抗菌防カビ性紙製品に使用す
る抗菌防カビ剤の紙製品への処理方法は、水溶液、水分
散液のほか有機溶剤および界面活性剤によるエマルジョ
ンを、そのままあるいはＰＶＡ溶液、ラテックス、合成
樹脂分散液等のバインダーに添加後、塗布、コート、ス
プレー、含浸などの方法により処理する。また、抗菌防
カビ剤を予め多孔質なセラミックス、ゼオライト、極微
粒子酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機担体あるいは澱
粉などに担持させた後、各種薬剤として使用することが
できる。

【００２２】このほか、抗菌防カビ剤を印刷インキ、塗
料、顔料または紙の表面強化剤あるいは接着剤、撥水剤
などにに混入した後、紙の表面に処理することによって
抗菌防カビ性を付与することができる。

【００２３】本発明の抗菌防カビ性紙製品には、更に必
要に応じて、各種の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線
吸収剤、無機系充填剤、防虫剤、忌避剤、脂肪酸系ワッ
クス、ポリエチレンワックス、帯電防止剤、有機顔料、
無機顔料、着色剤、着香料、界面活性剤を併用すること
ができる。

【００２４】

【作用】本発明は、天然および合成繊維による紙製品に
抗菌防カビ剤を処理することにより細菌類またはカビ類
の発生可能な環境下にあって、長期間、細菌カビ類の増
殖を阻止し、微生物に起因する変色、着色、脆化等を防
止することができる。また、病院における院内感染で問
題になっているＭＲＳＡ（メチシリン耐性黄色ブドウ球
菌）に対し優れた抑制効果を有している化合物もある。
また、この処理を施した包装紙、紙箱、ダンボール箱内
に格納された食品類、野菜類、果実類、魚類などを一定
期間、微生物から保護することが出来る。

【００２５】

【実施例】次に本発明を実施例、比較例および、これら
による試験例で具体的に説明する。但し、これらは例示
のためであり、発明の範囲が、これらによって制限され
るものではない。実施例１

【００２６】抗菌剤としてポリヘキサメチレンビグアナ
イド塩酸塩１０．０重量％（以後％は全て重量％で示
す）をパルプ分散液に添加し、抄紙して製造した紙の抗
菌効力試験を行った。試験方法ナプキン原紙（パルプ原料）の１％水分散液にポリヘキ
サメチレンビグアナイド塩酸塩液をパルプに対し０．３
％，０．５％，１．０％，２．０％宛それぞれ添加した
後、タッピー抄紙試験機により、坪量４０ｇ／ｍ^２にな
るよう、それぞれ抄紙した。抄紙したナプキン原紙の大
腸菌および黄色ブドウ球菌に対する抗菌効力試験を行っ
た。尚、対照として薬剤無添加試験を同時に行った。結
果を表１に示す。

【００２７】

【表１】

【００２８】実施例２（Ｎｏ．１）抗菌防カビ剤としてジデシルジメチルアン
モニウムクロライド５０％液をファイル原紙の表面にｍ
^２当り２．０ｇ，１．５ｇ，１．０ｇ，０．７ｇ，０．
５ｇを１０％水溶液として塗工したご、細菌として大腸
菌および黄色ブドウ球菌、カビとしてに対する抗菌効力
試験を行った。尚、対照として薬剤無添加試験を同時に
行った。結果を表２に示す。

【００２９】

【表２】

【００３０】抗菌試験方法抗菌試験方法：ＪＩＳＬ−１９０２ハロー法によ
る。試験に供した菌種黄色ブドウ菌：Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓａｕｒ
ｅｕｓ２０９Ｐ大腸菌：Ｅｓｃｈｅｒｉｃｈｉａｃｏｌｉ０−
１６

【００３１】防カビ試験方法カビ抵抗性試験（ＺＩＳＺ−２９１１）により行っ
た。試験に供した菌種黒カビ：ＡｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓｎｉｇｅｒＡ
ＴＣＣ６２７５試験結果の表示方法を下記に示すが、この表で、カビ抵
抗性が表示３で更に試料周辺に阻止帯の見られる場合
は、その阻止帯の大きさをｍｍ数で右側に表示する。

【００３２】

【００３３】（Ｎｏ．２）本発明第４級アンモニウム塩
と比較例第４級アンモニウム塩とのカビに対する効力比
較試験を行った。試験条件は実施例２のＮｏ．１と同様
で、薬剤は何れも、５０％液として板紙１ｍ^２当り１
ｇを１０倍に希釈し塗工した。供試した薬剤を表３に、
試験結果を表４に示す。

【００３４】

【表３】

【００３５】

【表４】

【００３６】実施例３抗菌防カビ性を有する育苗箱用板紙の製造方法抗菌防カビ剤としてジヨードメチル−Ｐ−トリメチルス
ルフォンおよび３−ヨード−２−プロペニル−Ｎ−ブチ
ルカーバメートのそれぞれ１０．０％を９０．０％のコ
ンスターチに加え乳鉢でよく混合し均一な製剤とした。
この粉体をパルプに対し０．３％，０．５％，１．０
％，２．０％宛それぞれ添加した後、タッピー抄紙試験
機により、坪量１００ｇ／ｍ^２になるよう、それぞれ抄
紙した。この育苗箱用紙に対し細菌として大腸菌および
黄色ブドウ球菌、カビ菌種として黒カビ並びに繊維用混
合カビ（ＪＩＳＺ２９１１に使用するカビ菌の４種
混合）に対する抗菌効力試験を行った。対照として薬剤
無添加試験を同時に行った。結果を表５に示す。

【００３７】手すきシートマシンによる抄紙方法手すきシートマシン抄紙試験（ＪＩＳＰ８２０９）抄紙条件：パルプ：ダンボール古紙（Ｌ／Ｎ・ＫＰ：８０／２
０）濾水度：４００ｍｌ坪量：１００ｇ／ｍ^２パルプ濃度：４％→抄紙パルプ濃度：０．２５％乾燥：ドライヤー：１１０℃×３分，キュア：
１０５℃×３分キュアー後のシートは、温度２３±１℃，湿度５５〜６
０％の恒温室に２４時間放置した後、試験用試料とし
た。

【００３８】

【表５】

【００３９】実施例４防カビ剤としてメトキシカルボニルアミノベンズイミダ
ゾール１０ｇを８０ｇのエチルアルコールに溶解した
後、１７ｇのドデシルベンゼンスルフォン酸を加えて良
く撹拌して完全に溶解する。その後、乳化剤としてノニ
ルフェノール・エチレンオキサイド１０モル付加物を３
ｇを添加して防カビ剤とした。この薬剤の１０％水分散
剤をファイル原紙の表面にｍ^２当り２．０ｇ，１．５
ｇ，１．０ｇ，０．７ｇ，０．５ｇを塗工した後、細菌
として黄色ブドウ球菌および青カビに対する抗菌防カビ
効力試験を行った。尚、対照として薬剤無添加試験を同
時に行った。結果を表６に示す。

【００４０】

【表６】

【００４１】

【発明の効果】天然繊維および合成繊維による紙製品に
抗菌防カビ剤を水溶液、エマルジョンまたは微粒子状の
原体の水分散剤あるいは多孔質微粒子による担持体水分
散剤を、水または高分子物質水溶液に添加した後、パル
プ分散液に添加あるいは抄紙後、薬液を塗布、含浸、ス
プレー等により処理することにより、微生物の発生環境
において細菌、カビ、酵母などの発生を防止することが
できる。これにより病院における院内感染で問題になっ
ているＭＲＳＡ（メチシリン耐性黄色ブドウ球菌）の予
防方法として病院内で使用される多くの紙製品に応用し
て、その効果に期待が持てる。また、この他紙製品の微
生物による着色、変色、脆化などを防止し、紙の品質を
長期間保護することが可能である。この薬剤処理は、薬
剤を印刷インキ、塗料、顔料、染料液または紙の表面強
化剤あるいは接着剤、撥水剤に添加後、紙の表面に処理
する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｄ２１Ｈ 17/20 Ｄ２１Ｈ 3/32 Ａ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】天然繊維および／または合成繊維よりな
る紙製品に抗菌防カビ剤を水溶液、エマルジョンまたは
微粒子状の水分散剤あるいは無機、有機多孔質微粒子に
よる担持体を、そのまま水希釈あるいは高分子水溶液を
パルプ分散液に内添、または抄紙した和紙、洋紙、板紙
に塗布、含浸、スプレー法により薬剤処理してなる抗菌
防カビ性を有する紙製品。
【請求項２】抗菌防カビ剤を印刷インキ、塗料、顔
料、染料または紙の表面強化剤あるいは接着剤、撥水剤
に混入した後、パルプ分散液に添加または紙の表面に処
理する請求項１記載の抗菌防カビ性を有する紙製品。