JPH0966358A - 自動ろう付け装置 - Google Patents

自動ろう付け装置

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Publication number
JPH0966358A
JPH0966358A JP22639395A JP22639395A JPH0966358A JP H0966358 A JPH0966358 A JP H0966358A JP 22639395 A JP22639395 A JP 22639395A JP 22639395 A JP22639395 A JP 22639395A JP H0966358 A JPH0966358 A JP H0966358A
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JP
Japan
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coil
brazing
automatic brazing
heating
automatic
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Application number
JP22639395A
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English (en)
Inventor
Makoto Kishimoto
真 岸本
Yuichi Yamamoto
裕一 山本
Junichi Ishida
淳一 石田
Fuan Tetsuku Rii
ファン テック リー
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】どのような箇所にも精度よくろう付けできるよ
うにする。 【解決手段】被接続体Hの継手部位Haを誘導加熱する
コイル6を、被接続体Hがその突き合わせ方向と直交す
る方向に沿って挿通可能な開口を有するコの字に形成す
る。そして、コイル6に設けたガイド溝13やガイド筒
30等からなる導入部によって、ろう材供給部3の先端
3aおよび/または温度検出部7をコイル6外側から継
手部位Haに導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波誘導加熱を
用いて被接続体の継手部のろう付けを行う自動ろう付け
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、管体等の被接続体を大量にろ
う付け接続する場合、特公平3―73384号等に示さ
れているように、ガスバーナーを用いた自動ろう付け装
置が用いられている。しかしながら、このガスバーナー
型自動ろう付け装置は、その構造上、ガスバーナーの炎
が継手部位の周辺部に及ぼす影響を完全に排除すること
ができず、継手部位の周辺部の小型化・高密度化に伴
い、ろう付け不可能な場合が増加していた。
【0003】そこで、昨今、継手部位の周辺部の小型化
・高密度化に適応可能なろう付け装置として、高周波誘
導加熱を用いた自動ろう付け装置が用いられている。こ
の誘導加熱型自動ろう付け装置は、図16に示すよう
に、突き合わせ配置された管体(被接続体)H,Hの継
手部位Haを囲んで高周波誘導加熱する環状コイル70
を備えて構成されており、継手部位Haにリング型ろう
71を装着したうえで、継手部位Haを取り囲んで配設
された環状コイル70に高周波を流して、継手部位Ha
に誘導加熱を生じさせてリング型ろう71を溶融させ、
これによって継手部位Haをろう付けするようになって
いる。
【0004】なお、誘導加熱は周知のごとく、被加熱物
を囲んで配設したコイルに高周波電流を流すと、その電
流の大きさに応じて発生する磁界によって被加熱物に渦
電流が誘導されるので、被加熱物の電気抵抗により電流
の流れる部分が発熱するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
誘導加熱型自動ろう付け装置は、継手部位Haの周辺部
の小型化・高密度化に適してはいるものの、被接続体H
の形状によっては使用が不可能になるという問題があっ
た。すなわち、例えばエアコンの室外機等を構成するパ
イプのように継手部位Haの上下が他の部材に連結して
非開放の形状となった被接続体Hでは、環状コイル70
の装着が不可能となって、自動ろう付け作業を行うこと
ができなかった。
【0006】また、高周波誘導加熱は局部的加熱方法で
あるため、誘導加熱型自動ろう付け装置において、取り
付け位置にばらつきのある被接続体Hに対して安定した
ろう付けを行うためには、被接続体Hに対する環状コイ
ル70の位置決めを正確に行うとともに、被接続体Hの
加熱温度を精度よく測定し、その測定結果をフィードバ
ックして加熱力を制御する必要があるが、従来の誘導加
熱型自動ろう付け装置は、被接続体Hの加熱温度を精度
よく測定する機構を備えておらず、さらには、被接続体
Hに対する環状コイル70の位置決めを正確に行う機構
も備えていなかった。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、どのような箇所にも精度よくろう付けすることの
できる自動ろう付け装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、突き合わせ配置された少なく
とも一対の被接続体の継手部位を誘導加熱するコイルを
備えており、このコイルは、被接続体の突き合わせ方向
と直交する方向に沿って被接続体が挿通可能な開口を有
するコの字状に形成されていることに特徴を有してい
る。
【0009】請求項2は、突き合わせ配置された少なく
とも一対の被接続体の継手部位の周囲を取り囲んで誘導
加熱するコイルと、前記継手部位にろう材を供給するろ
う材供給部と、前記継手部位の温度を測定する温度検出
部とを備えており、前記コイルは、前記ろう材供給部の
先端および/または前記温度検出部をコイル外側から前
記継手部位に導く導入部を有していることに特徴を有し
ている。
【0010】請求項5は、突き合わせ配置された少なく
とも一対の被接続体の継手部位の周囲を取り囲んで誘導
加熱するコイルと、被接続体と前記コイル各位置との間
に作用する反発力によって駆動されて、該反発力が均衡
する位置に前記コイルを移動させる位置補正機構とを備
えていることに特徴を有している。
【0011】請求項9は、被接続体の継手部位の周囲を
取り囲んで誘導加熱するコイルと、被接続体と前記コイ
ル各位置との間それぞれに作用する反発力もしくは吸引
力を測定する測定機構と、前記測定機構が測定した反発
力もしくは吸引力が互いに均衡する位置に前記コイルを
移動させる移動機構とを備えていることに特徴を有して
いる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の―実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の
形態に係る自動ろう付け装置の全体構成を示す図であ
る。
【0013】この誘導加熱型自動ろう付け装置は、被接
続体Hに対してろう付け作業を行うろう付けユニット1
と、ろう付けユニット1をあらゆる方向に移動可能に支
持する6軸マニピュレータ2と、ろう付けユニット1に
線状のろう材Lを供給するろう材供給部3と、6軸マニ
ピュレータ2の動作を制御するマニピュレータコントロ
ーラ4と、装置全体を制御するメインコントローラ5と
を備えている。
【0014】ろう付けユニット1は、図2に示すよう
に、6軸マニピュレータ2のアーム2a先端に設けられ
た高周波誘導加熱用のコイル6と、継手部位Ha(図6
等参照)の温度を検出する温度検出部7と、継手部位H
aの3次元位置を検出する位置検出部8とを備えてい
る。温度検出部7は赤外線放射温度計から構成されてい
る。位置検出部8は継手部位Haを撮像するCCDカメ
ラ8aと撮像箇所を照明する照明部8bとから構成され
ている。
【0015】コイル6は、図3に示すように、平行配置
された一対のコイル導体10,10の先端それぞれにロ
の字状の加熱導体11を取り付けている。加熱導体1
1,11は互いに鉛直方向に沿って平行に対向配置され
ている。そして、加熱導体1111の基端、すなわちコ
イル導体10側端部は架橋導体12によって接続されて
いる。したがって、架橋導体12および加熱導体11,
11によって構成されたコイル6は、先端側に開口6a
を有する平面視コの字状となっている。また、架橋導体
12の長手方向中央部は下向きに屈曲することで、その
上面にガイド溝13を形成している。ガイド溝13に
は、ろう材供給部3の先端3aがコイル導体10側から
差し込まれるようになっており、このようにしてガイド
溝13に差し込まれたろう材供給部3の先端3aは加熱
導体11の高さ方向中央部まで導入配置されるようにな
っている。また、温度検出部7の赤外線出入射光路Rも
ガイド溝13に沿って配設されており、ろう材供給部3
の先端3a、すなわち、継手部位Haの温度を測定でき
るようになっている。なお、本実施の形態では、ガイド
溝13から導入部が構成されている。
【0016】ロの字状をした各加熱導体11によって囲
まれた空間はフェライトからなるコア14によって充填
されており、また、架橋導体12の上面および下面もフ
ェライトからなるコア15によってほぼ覆われている。
これらコア14,15はコイル6が発生させる磁束を両
加熱導体11,11の対向方向内側に集束させる作用を
果たしている。
【0017】加熱導体11,11および架橋導体12は
中空状になってそれぞれ互いに連通しており、このよう
に構成されて加熱導体11,11および架橋導体12に
図示しない冷却水供給源から冷却水を供給することで、
コイル6を冷却するようになっている。なお、両コイル
導体10,10の間には絶縁体16が介装されて両コイ
ル導体10,10の絶縁を保持している。
【0018】この自動ろう付け装置の全体構成を図4の
ブロック図を基に説明する。メインコントローラ5はメ
イン制御部20と、高周波加熱制御部21と、ろう付け
制御部22とからなっている。メイン制御部20はマニ
ピュレータコントローラ4から送られる6軸マニピュレ
ータ2の位置情報、及び位置検出部8から送られてくる
ろう材供給部先端3aの位置情報を基にして6軸マニピ
ュレータ2とろう材供給部先端3aの相対的な位置関係
の検出動作の制御を行っている。また、メイン制御部2
0は温度検出部7の温度検出動作の制御も行っている。
【0019】高周波加熱制御部21は、メイン制御部2
0からの指示でコイル6による高周波誘導加熱動作の制
御を行っている。ろう付け制御部22は、メイン制御部
20からの指示でろう付けのタイミング制御及びろう材
Lの供給動作制御を行っている。
【0020】次に、この自動ろう付け装置によるろう付
け作業を説明する。突き合わせ配置された一対の管体か
らなる被接続体Hが搭載されたパレット(図示省略)が
自動ろう付け装置の前方に搬入載置されると、6軸マニ
ピュレータ2は、予めマニピュレータコントローラ4に
よって設定された3次元位置検出位置に、コイル6を移
動させる。このとき、コイル6は、被接続体Hの径方向
外側から被接続体Hに接近したのち、その開口6aから
被接続体Hに重なっていき、最後には接続体Hの周囲を
囲むように配置される。コイル6はこのようにして被接
続体Hを取り囲むように配置されるため、両端が他の部
材に連結されて非開放状態である被接続体Hであっても
コイル6を配置することができる。
【0021】位置検出部8によってコイル6と被接続体
Hとの相対的な3次元位置を検出したのち、その検出結
果を基にしてコイル6を被接続体Hを取り囲む位置まで
位置補正しつつ移動させる。このときの位置検出は、ス
テレオ法等の公知の3次元位置認識方法を用いる。
【0022】位置検出が終わると、その検出結果に基づ
いて、継手部位Haの位置補正を行う。位置補正は6軸
マニピュレータ2によってコイル6をXYZ方向に微小
移動させることで行う。このようにして継手部位Haの
位置補正が行われた被接続体Hとコイル6とは、図5に
示すように、 a=b=c a:一方の加熱導体11と被接続体Hとの離間距離 b:他方の加熱導体11と被接続体Hとの離間距離 c:架橋導体12と被接続体Hとの離間距離 となる最適位置関係を保つことになる。このとき、ろう
材供給部3の先端3aは被接続体Hの継手部位Ha間近
に配置されることになる。
【0023】a=b=cである位置が誘導加熱の最適位
置であるのは次のような理由によっている。すなわち、
コイル6による誘導加熱力は、加熱導体11,11や架
橋導体12から離間する程弱くなり、近づく程強くな
る。従って、被接続体Hを加熱する場合は、被接続体H
がコイル6の中央にない、例えば、a:b=1:4とな
って被接続体Hが一方の加熱導体11側に偏って配置さ
れると、局部加熱が生じ、一方の加熱導体11に近接す
る被接続体Hの側面に溶融が生じることになる。そのた
め、加熱具合の偏りが起きないa=b=cの位置が誘導
加熱の最適位置となる。
【0024】被接続体Hの位置決めを行った後、ろう材
供給部3の先端3aから被接続体Hの継手部位Haにろ
う材Lを供給する。このとき、ろう材供給部3の先端3
aは上述したように、コイル6に設けられたガイド溝1
3によって継手部位Ha間近に接近して配置されてお
り、そのために、図6に示すように、線状のろう材Lを
被接続体Hの径方向外側から継手部位Haに供給するこ
とができるようになっている。このように、被接続体H
の径方向外側からろう材Lを供給することできるので、
両端が非開放となった被接続体Hであっても、線状のろ
う材Lを継手部位Haまで供給することができる。
【0025】ろう材Lの供給を行いつつ、温度検出部7
によって継手部位Haの温度を測定する。温度検出部7
による継手部位Haの温度検出は、図6に示すように、
ガイド溝13によって温度検出部7と継手部位Haとの
間の赤外線出入射光路Rが確保されることで実施が可能
となっている。そして、温度検出部7の温度検出結果に
基づいて、コイル6による加熱具合を制御しつつ、ろう
材供給部3からろう材Lの供給を継続する。
【0026】図7はこの自動ろう付け装置によるコイル
6の加熱具合(被接続体Hの継手部位Haの表面温度)
の制御の例を示しており、図7(a)は時間毎の継手部
位Haの温度変化を示しており、図7(b)は、温度変
化に伴ったコイル出力の制御具合を示している。図7
(a)において、LEV3はろう材供給温度(例えば、
ろう材Lとしてりん銅ろうBCUP3を用いた場合には
780℃)を示し、LEVl及びLEV2はLEV3に
継手部位Haの温度を保つための温度制御の上限値およ
び下限値をそれぞれ示している。そして、継手部位Ha
の温度がLEV1まで上昇すると、コイル出力を全出力
の30%まで降下させる。また、ろう付け位置の温度が
LEV2まで下降すると、コイル出力を全出力の50%
まで上昇させる。なお、LEV4は被接続体Hの溶融を
防ぐための制限値であって、継手部位Haの表面温度が
LEV4に達した場合は安全のためにコイル6への出力
を完全に停止する。
【0027】コイル6は、加熱開始から1秒間100%
の出力で被接続体Hを加熱したのち、出力を70%まで
落とした状態でLEV1に達するまで加熱するようなっ
ている。このように加熱制御するのは、次のような理由
によっている。すなわち、大出力を用いて短時間で効率
的に加熱することで、継手部位Haのみを局部的に加熱
し、これによってろう材Lの流れすぎを防ぎ最適なフィ
レット形状(ろう材Lの溶け具合)を持った状態でのろ
う付けを可能にしている。また、途中で70%まで出力
を落すことにより、最初のオーバーシュート(継手部位
Haの表面温度がLEV3に達することを察知してコイ
ル6の出力を低減しても、予熱により継手部位Haの温
度がLEV3を越えてさらに上昇すること)を小さくし
ている。
【0028】このようにして継手部位Haの表面温度を
LEV3に制御しつつ、ろう付け制御部22によりろう
付けユニット1から所定量のろう材Lを継手部位Haに
供給する。
【0029】なお、図7に示した制御結果は以下の条件
で得られたものである。
【0030】・被接続体H:3/8鋼管 ・a=b=c=2mm ・高周波周波数:l6KHz、最大出力:3OKW このようにしてろう材Lの供給とろう付け作業が完了し
てのち、6軸マニピュレータ2が元の位置に戻り、ろう
付け済みの被接続体Hが搭載されたパレットが搬出され
ると、一連のろう付け作業が終了する。
【0031】このように、この自動ろう付け装置では、
加熱温度の測定をフィードバックさせることで加熱制御
を高精度に行っており、そのために被接続体Hの溶融と
いった不都合を起こさない。さらには、コイル6を平面
視コの字状に形成することにより、両端が開放されてい
ない被接続体Hであってもろう付けすることができるよ
うになっている。
【0032】ところで、上述した実施の形態では、導入
部をコイル6に形成したガイド溝13から構成していた
が、図8に示すように、ガイド筒30から導入部を構成
してもよい。すなわち、この自動ろう付け装置は、互い
に鉛直方向に沿って平行に対向配置された加熱導体1
1,11の基端(コイル導体10側端部)は屈曲してい
ない平坦な架橋導体31によって接続されている。そし
て、架橋導体31の上面にガイド筒30が配設されてい
る。ガイド筒30は、その一端を加熱導体11,11の
間に形成された空間の中央部に向ける一方、他端をコイ
ル導体10側に向けて配置されている。また、ガイド筒
30はろう材供給部3の先端3aが挿通可能な内径を有
している。
【0033】そして、ガイド筒30には、ろう材供給部
3の先端3aがコイル導体10側から差し込まれるよう
になっており、このようにしてガイド筒30に差し込ま
れたろう材供給部3の先端3aは加熱導体11,11の
高さ方向中央部まで導入配置される。また、温度検出部
7の赤外線出入射光路Rはガイド筒31の上端面に沿っ
て配設されるようになっており、ろう材供給部3の先端
3a、すなわち、継手部位Haの温度を測定できるよう
になっている。
【0034】次に、コイル6の位置補正動作をさらに簡
単化した実施の形態を説明する。この自動ろう付け装置
は、図9に示すように、ろう付けユニット1を水平スラ
イド機構40を介して6軸マニピュレータ2に取り付け
たことに特徴がある。水平スライド機構40は、基部4
0aと、基部40aに水平方向に任意に移動可能に取り
付けられたスライド部40bとからなっており、基部4
0aを6軸マニピュレータ2の先端に固定する一方、ス
ライド部40bにろう付けユニット1を取り付けてい
る。このようなスライド機構40を介装すると、コイル
6の位置補正をコイル6の位置を検出してその検出結果
に基づいてコイル6を移動させるといった繁雑な動作を
行うことなく行える。すなわち、高周波誘導加熱を実施
すると、被接続体Hとコイル6との問に、反発力ないし
吸引力が発生する。そのため、この力を利用すれば、被
接続体Hとコイル6の相対的な位置関係を上記したa=
b=cの関係(図6参照)に位置補正することが可能と
なる。
【0035】以下、このことを説明する。まず、高周波
加熱によるコイル6と被接続体Hとの力関係から説明す
る。被接続体Hが銅やアルミニウムのように低透磁率の
材質から構成されている場合において、図10(a)に
示すように、被接続体Hがコイル6の中心位置から一方
の加熱導体11側にずれた場合、一方の加熱導体11に
働く反発力が他方の加熱導体11に働く反発力より大き
くなる。このとき、吸引力も生じるが、被接続体Hが低
透磁率であるため、吸引力は小さくほとんど影響を与え
ない。そのため、生じる反発力によりコイル6全体に
は、一方の加熱導体11側に押し出す合成力が生じる。
この実施の形態では、図10(b)に示すように、生じ
た合成力により、スライド機構40が、反発力が釣り合
う位置まで自動的にコイル6を移動させるので、この位
置において被接続体Hを均一に加熱することできる。ま
た、6軸マニピュレータ2による移動誤差もスライド機
構40によって補正することができる。
【0036】なお、図9において仮想線で示したよう
に、スライド機構40と直交する方向にコイル6を移動
させるもう一つのスライド機構41を設けてXY2方向
のスライド移動ができるようにすれば、従来例で説明し
た環状のコイル70に適用して、この環状コイル70と
継手部位Haとの間の相対位置の補正を自動的に行うこ
ともできる。
【0037】次に、コイル位置(ろう付け位置)の位置
補正動作を簡略化したさらに他の実施の形態を説明す
る。この自動ろう付け装置は、図11に示すように、ろ
う付けユニット1を回動機構45を介して6軸マニピュ
レータ2に取り付けたことに特徴がある。回動機構45
は、環状の基部45aと、基部45aの内部にベアリン
グ部45bを介して回動自在に取り付けられた回動部4
5cとからなっており、基部45aを6軸マニピュレー
タ2の先端に固定する一方、回動部45cにろう付けユ
ニット1を取り付けている。
【0038】この回動機構45は、前述したa=b=c
(図6参照)の位置を維持するのではなく、コイル6と
被接続体Hとの配置の向きのずれを補正するようになっ
ている。すなわち、図12(a)に示すように、有る程
度の幅(図12におけるh)を有するコイル6を用いて
低透磁率の材質からなる被接続体Hのろう付けを行う場
合において、幅hに沿ったコイル6の向きと被接続体H
の軸方向とがずれて被接続体Hがコイル6に対して傾い
ていると、被接続体Hとコイル6との間には反発力のバ
ランスがくずれて回転方向の力が働く。そこで、図11
に示した回動機構45を設けると、図12(b)に示す
ように、コイルlと被接続体Hとの間に発生する回転方
向の力によって反発力が均衡する位置まで回動機構45
が回動してコイル6を自動的に位置補正するので、被接
続体Hはコイル6によって均一に加熱されることにな
る。また、6軸マニピュレータ2による移動誤差も回動
機構45によって補正することができる。
【0039】上述した他の実施の形態それぞれでは、低
透磁率の材質からなる被接続体Hのろう付けを前提とし
ていたが、被接続体Hの材質が鉄のように高透磁率の場
合では、図14(a),図15(a)に示すように、反
発力よりも吸引力のほうが大きくなるので実施できなく
なってしまう。そこで、被接続体Hの材質が鉄のように
高透磁率の場合では、図13に示すように、コイル6と
6軸マニピュレータ2との問に6軸力センサ50を介装
し、被接続体Hとコイル6との間に発生した吸引力をこ
の6軸力センサ50で検出し、検出した吸引力が均等に
なる位置までコイル6を6軸マニピュレータ2によって
移動させればよい。すなわち、第14図(b)と第15
図(b)で示したように合成力が0になる(吸引力が釣
り合う)位置にコイル6を移動又は回転させれば、均一
な加熱を行うことができる。
【0040】この6軸力センサ50は、低透磁率の材質
からなる被接続体Hのろう付けにおいても用いることが
できる。この場合、図9や図11で示したスライド機構
40や回動機構45を用いることなく、6軸力センサ5
0で測定した反発力が釣り合う位置まで6軸マニピュレ
ータ2等の移動機構によってコイル6を移動または回転
させればよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、次のよ
うな効果が得られる。
【0042】請求項1〜4の効果 自動ろう付けが不可能であった構造(両端が連結されて
非開放状態)の被接続体の自動ろう付けを実現できると
ともに、ろう付けの温度制御を可能ならしめてその精度
を高めることができた。
【0043】請求項5〜8の効果 被接続体とコイルとの相対的な位置をろう付けに最適な
位置に補正することができ、その分、さらに、ろう付け
精度を高めることができた。さらには、このような位置
補正を簡単な構成で実現できたので、ろう付け精度を高
めたにもかかわらず、装置の製造コストの上昇を最低限
に抑えることができた。
【0044】請求項9の効果 被接続体とコイルとの相対的な位置をろう付けに最適な
位置に補正することができ、その分、さらに、ろう付け
精度を高めることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である自動ろう付け装置
の全体構造を示す正面図である。
【図2】一実施の形態の要部を拡大して示す斜視図であ
る。
【図3】一実施の形態の要部をさらに詳細に説明した図
であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は
(b)のA−A線断面図、(d)は側面図である
【図4】一実施の形態のシステムの概略を示すブロック
図である。
【図5】コイルと被接続体との間の最適な位置関係を示
す平面図である。
【図6】一実施の形態の要部を拡大した正面図である。
【図7】本発明によるろう付け時の加熱制御の具合を示
す線図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の要部を示す図であっ
て、同図(a)は平面図であり、同図(b)は(a)の
B−B線断面図であり、同図(c)は側面図である
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の要部を示す斜
視図である。
【図10】図9の自動ろう付け装置におけるコイルと被
接続体との配置関係を説明した図であって、同図(a)
は被接続体が最適加熱位置から外れた場合であり、同図
(b)は被接続体が最適加熱位置にある場合である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態の要部を示す
斜視図である。
【図12】図11の自動ろう付け装置におけるコイルと
被接続体との配置関係を説明した図であって、同図
(a)は被接続体が最適加熱位置から外れた場合であ
り、同図(b)は被接続体が最適加熱位置にある場合で
ある。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態の要部を示す
正面図である。
【図14】図13の自動ろう付け装置におけるコイルと
被接続体との配置関係を説明した図であって、同図
(a)は被接続体が最適加熱位置から外れた場合であ
り、同図(b)は被接続体が最適加熱位置にある場合で
ある。
【図15】図13の自動ろう付け装置におけるコイルと
被接続体との配置関係を説明した図であって、同図
(a)は被接続体が最適加熱位置から外れた場合であ
り、同図(b)は被接続体が最適加熱位置にある場合で
ある。
【図16】従来例のろう付け装置の要部を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
3 ろう材供給部 6 コイル 7 温度検出部 13 ガイド溝 30 ガイド筒 H 被接続体 Ha 継手部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リー ファン テック 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突き合わせ配置された少なくとも一対の
    被接続体の継手部位を誘導加熱するコイルを備えてお
    り、このコイルは、被接続体の突き合わせ方向と直交す
    る方向に沿って被接続体が挿通可能な開口を有するコの
    字状に形成されていることを特徴とする自動ろう付け装
    置。
  2. 【請求項2】 突き合わせ配置された少なくとも一対の
    被接続体の継手部位の周囲を取り囲んで誘導加熱するコ
    イルと、前記継手部位にろう材を供給するろう材供給部
    と、前記継手部位の温度を測定する温度検出部とを備え
    ており、 前記コイルは、前記ろう材供給部の先端および/または
    前記温度検出部をコイル外側から前記継手部位に導く導
    入部を有していることを特徴とする自動ろう付け装置。
  3. 【請求項3】 前記導入部は、被接続体の突き合わせ方
    向と直交する方向に沿ってコイル外側と内側とを連通す
    るようにコイルに設けられた溝であることを特徴とする
    請求項2記載の自動ろう付け装置。
  4. 【請求項4】 前記導入部は、ろう材供給部の先端およ
    び/または温度検出部が挿通可能であり、かつ被接続体
    の突き合わせ方向と直交する方向に沿ってコイル外側と
    内側とを連通するようにコイルに取り付けられた筒体で
    あることを特徴とする請求項2記載の自動ろう付け装
    置。
  5. 【請求項5】 突き合わせ配置された少なくとも一対の
    被接続体の継手部位の周囲を取り囲んで誘導加熱するコ
    イルと、被接続体と前記コイル各位置との間に作用する
    反発力によって駆動されて、該反発力が均衡する位置に
    前記コイルを移動させる位置補正機構とを備えているこ
    とを特徴とする自動ろう付け装置。
  6. 【請求項6】 前記位置補正機構は被接続体の突き合わ
    せ方向と直交する方向に沿ってコイルをスライド移動さ
    せるものであることを特徴とする請求項5記載の自動ろ
    う付け装置。
  7. 【請求項7】 前記位置補正機構は直交する2軸方向そ
    れぞれに沿ってコイルをスライド移動させるものである
    ことを特徴とする請求項6記載の自動ろう付け装置。
  8. 【請求項8】 前記位置補正機構は被接続体の突き合わ
    せ方向回りにコイルを回転移動させるものであることを
    特徴とする請求項5記載の自動ろう付け装置。
  9. 【請求項9】 被接続体の継手部位の周囲を取り囲んで
    誘導加熱するコイルと、被接続体と前記コイル各位置と
    の間それぞれに作用する反発力もしくは吸引力を測定す
    る測定機構と、前記測定機構が測定した反発力もしくは
    吸引力が互いに均衡する位置に前記コイルを移動させる
    移動機構とを備えていることを特徴とする自動ろう付け
    装置。
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