JPH0961794A - 液晶表示パネル - Google Patents

液晶表示パネル

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Publication number
JPH0961794A
JPH0961794A JP21639095A JP21639095A JPH0961794A JP H0961794 A JPH0961794 A JP H0961794A JP 21639095 A JP21639095 A JP 21639095A JP 21639095 A JP21639095 A JP 21639095A JP H0961794 A JPH0961794 A JP H0961794A
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JP
Japan
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liquid crystal
display panel
crystal display
polymer
panel
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Pending
Application number
JP21639095A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Kosako
慎也 古佐小
Hideaki Mochizuki
秀晃 望月
Hiroaki Mizuno
浩明 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラビング処理を施すことなく製造することが
でき、かつ、高速応答、低ヒステリシスで均一表示が可
能な広視野角液晶表示パネルを実現する。 【解決手段】 紫外線硬化性の高分子材料と正の誘電率
異方性を有するカイラルネマティック液晶材料109の
混合組成物を一対の電極基板101、102間に注入
し、紫外線を照射する。これにより、高分子壁111に
よって分断包囲された微小液晶ドメインを有する液晶表
示パネルを作製する。この場合、高分子材料としてはガ
ラス転移温度が20℃以上の材料を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極基板間
に高分子段差又は高分子壁によって分断された液晶ドメ
インが挟持された、ラビング処理の不要な広視野角液晶
表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表示品位の高い画像を得るために
各画素に薄膜トランジスタをスイッチング素子として設
けたアクティブマトリクス方式の液晶表示パネルの開発
が盛んである。この方式は、単純マトリクス方式に比較
して、走査線数が増加しても高いコントラスト比が得ら
れるため、大容量が要求されるエンジニアリング・ワー
クステーション(EWS)や鮮明な画像が要求される映
像分野において急速に採用が進んでいる。
【0003】このようなアクティブマトリクス方式の液
晶表示パネルに広く用いられているのがツイステッドネ
マティック方式である。この方式は、対向する2枚の基
板の間に上下で液晶分子が90°だけ捩じれた構造の液
晶パネルを2枚の偏光板によって挟持したものである。
また、ツイステッドネマティック方式の中には、2枚の
偏光板の偏光軸が互いに直交し、一方の基板の界面にあ
る液晶分子の長軸と同じ側にある偏光板の偏光軸とが平
行又は垂直の関係にあるノーマリホワイトモードと、2
枚の偏光板の偏光軸が互いに平行で、一方の基板の界面
にある液晶分子の長軸と同じ側にある偏光板の偏光軸と
が平行又は垂直の関係にあるノーマリブラックモードと
がある。
【0004】従来、このような液晶表示パネルにおいて
は、液晶分子の配向方向をパネル全面で揃えるために、
液晶表示パネルの基板上にポリイミドなどの高分子有機
薄膜を形成し、ナイロンやポリエステルの布等を用いて
所定の方向に擦る、いわゆるラビング処理が施されてい
た。これにより、パネル全面にわたって単一配向領域
(モノドメイン)が実現されていた。
【0005】しかし、上記のようにラビング処理を施す
と、ラビング時に薄膜トランジスタの静電破壊、発塵又
は膜汚染などが引き起こされる虞れがあるため、ラビン
グ処理プロセスの省くための開発が行われている。例え
ば、フォトリソグラフィー技術を応用することにより、
基板上にマイクログルーブを形成してネマティック液晶
を配向させる方式(川田、高頭、岐津、坂本、長谷川:
第17回液晶討論会予稿集、2F108)などが提案さ
れている。
【0006】さて、液晶表示パネルの用途が拡大し、大
面積、フルカラーが要求されてくると、アクティブマト
リクス方式の液晶表示パネルであっても、視角の狭さが
表示品位を落とす項目として特に最近クローズアップさ
れてきた。
【0007】液晶表示装置において、上下の基板間に電
圧を印加すると、液晶分子は捩じれ構造を解きながら電
界の向きに配列しようとするが、このときの液晶分子の
空間的配列状態によって液晶表示パネルを通過する光の
偏光状態が変化し、透過光が調光される。例えば、ノー
マリホワイトモードでは、電圧無印加時に白表示が実現
され、また十分高い電圧を印加した時に黒表示が実現さ
れることになる。ところで、液晶分子の空間的配列状態
が同じ状態(印加電圧一定)であっても、液晶層に入射
してくる光の入射方向によって光の偏光状態が変化する
ため、パネルの真正面と比較して全ての方向で光の透過
光強度が異なる。さらに、液晶表示パネルの透過光強度
は、2枚のパネル基板間の液晶層の中心を通り基板に平
行な面(ミッドプレーン)に位置する液晶分子の配列に
よって決定され、ミッドプレーンに位置する液晶分子の
長軸の傾斜方向と液晶表示パネルの透過光観察方向の位
置関係によって決定されることになる。
【0008】上記したラビング処理法、フォトリソグラ
フィー法のいずれの液晶配向処理方法でも、ミッドプレ
ーンに位置する液晶分子が電界によって傾斜する方向は
パネル面に対して一定方向であるため、見る角度による
複屈折の差、すなわち通過する光の偏光状態の変化が生
じ、コントラストや色相が見る角度によって大きく変化
するといった視野角の問題があった。
【0009】このため、近年、ツイステッドネマティッ
ク方式の液晶表示パネルについては、視野角の拡大を図
る技術の開発が盛んに行われている。一例として、ツイ
ステッドネマティック方式の液晶表示パネルの画素を2
つの配向状態の異なる領域(ドメイン)に分割して視野
角の拡大を図る方式(T.Takatori,K.Su
miyoshi,Y.Hirai,S.Kaneko:
JAPAN DISPLAY ′92,PP.591,
(1992)など)が提案されている。この方式は、画
素を2分割して、各画素中にミッドプレーンに位置する
液晶分子が電界によって傾斜する方向を2種類存在さ
せ、視角による複屈折の差を互いに補償することによ
り、視野角の拡大を図るものである。
【0010】しかし、上記の方式では、1画素の配向領
域を2分割しなくてはならないために、露光プロセスや
ラビング処理プロセスが増加し、製造工程が複雑になる
といった問題点があった。
【0011】さらに進歩した技術として、ラビング処理
を施さずに、同時に視野角の拡大を図る画期的な方式が
提案されている(Y.Toko,T.Sugiyam
a,K.Katoh,Y.Iimura,S.Koba
yashi:SID 93 DIGEST,PP.62
2,(1993))。これは、「ランダム配向ツイステ
ッドネマティック」と呼ばれている。この方式では、ポ
リイミド配向膜を塗布した基板間に、ラビング処理を施
さずに液晶材料をネマティック−アイソトロピック相転
移温度以上で注入して冷却し、液晶分子をランダムに配
向させて、液晶分子の配向方向が異なる領域(ドメイ
ン)を多数形成することにより、視野角の拡大を図るも
のである。
【0012】以下に、このラビング処理を施さない、ラ
ンダム配向による液晶表示パネルの表示方式について説
明する。図3はラビング処理を施さない、ランダム配向
による液晶表示パネルの無電界時の液晶分子の配向を示
した透視図である。これは、一定の間隙を有して対向す
るポリイミド配向膜が形成された上基板301と下基板
302との間に、自発的にほぼ90°の捩じれ角を有す
るカイラルネマティック液晶をネマティック−アイソト
ロピック相転移温度以上で封入した後、室温まで冷却し
て作製したものである。図3に示されているように、基
板界面の液晶分子は、基板上の各々の液晶ドメイン30
6間ではとり得る方位が全く等確率でランダムである
が、一つの液晶ドメイン306内では上基板301の液
晶分子303と下基板302の液晶分子304は互いに
90°だけ捩じれた構造を有している。
【0013】この液晶表示パネルでは、ミッドプレーン
に位置する液晶分子305は、最初はほぼ水平に配向し
ているが、電圧を印加すると、誘電的自由エネルギーが
小さくなるように(誘電率異方性>0)傾斜していき、
高電圧印加時には垂直方向に立ってくる。ミッドプレー
ンに位置する液晶分子305は、上下の基板301、3
02の厚み方向の中央に位置する液晶分子であるため、
捩じれ角が90°の場合は丁度全捩じれ角度、すなわち
上基板301の液晶分子303と下基板302の液晶分
子304とのなす角度の1/2(45°)だけ捩じれた
位置に存在する。このミッドプレーンに位置する液晶分
子305の電圧印加による傾斜方向が視野角方向を決定
するため、一つの液晶ドメイン306内では視野角方向
は一定であるが、ランダムな配向方位を有するこれらの
液晶ドメイン306が1画素の中に十分多く存在するこ
とにより、巨視的には平均化され、種々の観察方向にお
ける透過率強度はほぼ対称となり、視角依存性がなくな
る。しかし、上記説明から分かるように、もし1画素中
の液晶ドメイン306の数が十分多くない場合、又は各
液晶ドメイン306の配向方位が完全にランダムでない
場合には、完全に補償することができないため、視角依
存性が残存することになる。
【0014】上記問題点を解決し、ラビング処理を施さ
ずに、同時に視野角の拡大を図る方式が提案されている
(特開平6−301015号公報)。この方式では、光
硬化性の高分子材料と液晶材料の混合物を電極基板間に
注入し、両基板に到達する高分子壁とこの高分子壁で包
囲された液晶領域を光相分離によって形成するものであ
る。この方式では、1つの液晶領域で液晶分子が同心円
状又は放射状に配向しているため、視角補償を完全に実
現することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光相分離によ
って高分子壁を形成した上記液晶表示パネルでは、高分
子壁を形成する高分子材料によって、応答速度が遅い、
ヒステリシスが大きいといった問題が生ずる。
【0016】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、応答速度が速く、ヒステリシスが小さい液
晶表示パネルを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る液晶表示パネルの構成は、一対の電極
基板間に、正の誘電率異方性を有するカイラルネマティ
ック液晶材料と高分子壁とが挟持され、少なくとも基板
付近で液晶領域が前記高分子壁によって包囲され、前記
液晶領域の平均直径がセルギャップよりも大きく、か
つ、画素の大きさよりも小さく、前記液晶領域の液晶分
子が基板面内で種々の方位を有し、前記高分子壁のガラ
ス転移温度が20℃以上であることを特徴とする。
【0018】また、前記本発明の液晶表示パネルの構成
においては、液晶領域の捩じれ角がほぼ90゜であるの
が好ましい。また、前記本発明の液晶表示パネルの構成
においては、液晶材料の自発ピッチPと液晶層の厚みd
との比d/Pが0.2〜0.3であるのが好ましい。
【0019】また、前記本発明の液晶表示パネルの構成
においては、液晶材料の複屈折△nと液晶層の厚みdと
の積△n・dがほぼ0.3〜0.6μmであるのが好ま
しい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示パネルにおいて
は、高分子壁で囲まれた液晶ドメイン(領域)を形成す
るために、紫外線硬化性の高分子材料(プレポリマー)
と液晶材料の混合組成物を一対の電極基板間に注入した
後、紫外線を照射し、光相分離によって液晶ドロプレッ
ト(小滴)を液晶ドメインに成長させていく。
【0021】一般に、高分子材料にはガラス転移点(温
度)が存在し、ガラス転移点以下の温度では高分子材料
は非結晶性の固体状態であり、ガラス転移点以上の温度
では高分子材料はゴム状態となる。このガラス転移は二
次転移であり、ガラス転移点の前後で比容積、屈折率、
熱膨張係数や力学的性質などが大きく変化する。また、
高分子材料のガラス転移点の前後における物性変化は一
般に急峻ではなく、数℃から数10℃の幅を持ってい
る。
【0022】通常のツイステッドネマティック方式の液
晶表示パネルの配向膜として使用されるポリイミド材料
のガラス転移点は数百℃と高いため、ポリイミド材料は
室温では固体状態であり、ラビング処理によって生じた
垂直方向(界面の液晶分子の基板面に対する傾き角度=
プレティルト角度)及び水平方向(ラビング方向に対す
る界面の液晶分子の方位角)の配向規制力は強く、液晶
表示パネルを駆動するための外部電界によってこれらが
変化することはない。
【0023】しかし、光相分離によって分離した高分子
壁と液晶ドメインの界面では、以下の2つの理由により
一般的に配向規制力が弱くなっている。まず、ラビング
処理を施していないため、特に、高分子材料の方位角方
向の界面規制力がポリイミド材料と比較して弱くなって
いる。しかし、一旦高分子材料とネマティック状態の液
晶分子とが接触すると、吸着とメモリー効果とにより、
ポリイミド材料と比較しては弱いが、配向規制力は十分
保持される。
【0024】また、高分子材料のガラス転移温度が室温
以下であれば、高分子材料は室温でゴム状態であるため
に、配向規制力が弱くなっている。その結果、液晶表示
パネルを駆動するための外部電界印加時に液晶分子が捩
じれを解くように再配向する際、界面液晶分子も比較的
容易に液晶層の液晶分子の動きに引きづられ、界面液晶
分子の方位角が変化してしまう。
【0025】次に、平衡状態に達した後に、外部電界を
取り除くと、液晶層の液晶分子は傾斜角度(ティルト
角)を0°の方向に復帰させようとするが、界面液晶分
子の方位角を元の角度に復帰させる力が非常に弱いた
め、復帰に時間がかかってしまう。また、界面液晶分子
の方位角が変化すると、液晶層の液晶分子もそれに伴っ
て変化するため、全体として初期状態の復帰には非常に
時間がかかってしまう。
【0026】この問題を解決するために、本発明では、
高分子壁を構成する高分子材料のガラス転移温度を20
℃以上にした。このような構成を採用すれば、室温では
高分子材料は固体状態であるため、界面液晶分子の配向
規制力は保持され、液晶表示パネルの応答速度が速くな
る。また、ヒステリシスも界面液晶分子の外部電界によ
る方位角のずれが大きな原因であるため、高分子壁を構
成する高分子材料のガラス転移温度を20℃以上とする
ことによって大幅に緩和される。
【0027】また、前記本発明の液晶表示パネルの構成
において、液晶領域の捩じれ角がほぼ90゜であるとい
う好ましい例によれば、白く、かつ、明るい液晶表示パ
ネルが得られる。その結果、きれいな白黒表示やカラー
表示が実現される。
【0028】また、前記本発明の液晶表示パネルの構成
において、液晶材料の自発ピッチPと液晶層の厚みdと
の比d/Pが0.2〜0.3であるという好ましい例に
よれば、d/Pと液晶領域の捩じれ角との関係が、捩じ
れ角=d/P×360°であるため、液晶領域の捩じれ
角は72〜108°となり、白く、かつ、明るい液晶表
示パネルが得られる。その結果、きれいな白黒表示やカ
ラー表示が実現される。
【0029】また、前記本発明の液晶表示パネルの構成
において、液晶材料の複屈折△nと液晶層の厚みdとの
積△n・dが0.3〜0.6μmであるという好ましい
例によれば、明るい液晶表示パネルが得られる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。図1は本発明に係る液晶表示パネルの一実
施例を示す断面図である。
【0031】まず、インジウム・錫酸化膜からなる透明
電極103、104を設けた一対の透明ガラス基板10
1、102を洗浄した後、これらの透明ガラス基板10
1、102を110℃で30分間乾燥させた。次いで、
ポリイミド樹脂膜RN−747(日産化学社)を200
0回転/分、60秒の条件でスピナー塗布し、200℃
で1時間硬化させた。これにより、透明電極103、1
04の上に有機絶縁膜110が形成された。次いで、両
基板を、5μm径のプラスティック製スペーサ106
(ミクロパール:積水ファイン(株))を介して熱硬化
型のシール材105(ストラクトボンド:三井東圧化学
(株))により液晶注入口を設けた状態で貼り合わせ、
150℃で4時間加熱してシール材105を完全硬化さ
せた。これにより、空セルが得られた。
【0032】次に、液晶材料として、セルギャップdに
対して自発捩じれピッチPがd/P=0.25となるよ
うにカイラル材料S−811(メルク社)と正の誘電率
異方性を有し、かつ、屈折率異方性が0.09のフッソ
系ネマティック液晶ZLI−4792(メルク社)とを
混合して生成した正の誘電率異方性を有するカイラルネ
マティック液晶材料109を8.20グラム準備し、紫
外線硬化性の高分子材料として、UV重合性材料(モノ
マー:オリゴマー:重合開始剤の重量比が80:19:
1)を1.80グラム準備し(高分子−液晶混合材料に
対する液晶材料の比は82重量%)、両者を40℃で十
分撹拌することにより、高分子−液晶の均一な混合溶液
を調製した。ここで、モノマーとしては、n−ステアリ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、t−ブチル
メタクリレート及びイソボルニルメタクリレート(共栄
社油脂化学)を使用した。また、オリゴマーとしては、
KAYARAD HX−620(日本化薬)を使用し
た。また、重合開始剤としては、ダロキュア1173
(チバガイギ)を使用した。
【0033】d/Pと液晶領域の捩じれ角との関係は、
捩じれ角=d/P×360°であるため、上記のように
d/P=0.25の場合、液晶領域の捩じれ角は90°
となる。そして、このように液晶領域の捩じれ角が90
°の場合に、最も白く、かつ、最も明るい液晶表示パネ
ルが得られ、その結果、きれいな白黒表示やカラー表示
が実現される。
【0034】また、上記液晶材料の複屈折△nは0.9
6であり、この液晶材料の複屈折△nと液晶層の厚みd
(=0.5μm)との積△n・dは0.48μmとな
る。このように△n・d=0.48μmのとき、最も明
るい液晶表示パネルが得られる。
【0035】次に、上記混合溶液を、40℃のホットプ
レート上で予め加温されている上記空セルに液晶注入口
から注入し、液晶注入口を封止した。次いで、UVラン
プ112を用いて、IRカットフィルター113を通し
て赤外線を除去した紫外線を40℃、30mW/cm2
の強度で200秒間照射した。これにより、厚みが2μ
m以下の高分子壁111で囲まれた液晶表示パネルが得
られた。
【0036】この液晶表示パネルを直交ニコル状態の偏
光顕微鏡で観察したところ、直径10〜30μmのほぼ
円形状の液晶ドメイン(単位液晶セル)が形成されてい
た。このように液晶ドメインの平均直径はセルギャップ
d(スペーサ106の径5μmに等しい)よりも大き
い。また、液晶ドメインの平均直径は画素の大きさより
も小さい。また、液晶ドメインの中には、そのほぼ中央
に配向欠陥が一つ存在し、そこを中心として4本の黒帯
が放射状に出ていることが観察された。そして、液晶パ
ネルを固定して偏光子及び検光子を回転させたところ、
4本の黒帯は偏光子と同じ方向に同じ角度だけ回転し
た。また、各液晶ドメインは高分子壁111によって完
全に仕切られているが、この高分子壁111自体は光を
透過させないため、黒枠を形成していた。
【0037】次に、この液晶表示パネルの外側に偏光板
107、108を偏光軸が互いに直交するようにして貼
り付け、パネル輝度−電圧特性を測定した。この場合、
測定方向はパネル正面とし、輝度計BM−8(トプコ
ン)を用いてパネル輝度を測定した。また、最初0Vか
ら8Vまで0.05Vステップで30Hzの方形波を印
加し、その後、8Vから0Vまで−0.05Vステップ
で同様の波形を印加して、駆動電圧及びヒステリシスを
測定した。
【0038】図2(a)に、20℃における本液晶表示
パネルのパネル輝度−電圧特性曲線を示す。図2(a)
中、実線は昇圧時の特性を示し、破線は降圧時の特性を
示す。
【0039】ヒステリシスは、((昇圧時の50%輝度
を与える電圧)−(降圧時の50%輝度を与える電
圧))/(昇圧時の50%輝度を与える電圧)によって
定義することができる。この定義に従って本液晶表示パ
ネルのヒステリシスの値を計算したところ、ほぼ0.0
1であった。
【0040】また、90%輝度及び10%輝度を与える
電圧間の応答速度を測定したところ、立ち上がり及び立
ち下がりの合計は、モノマー材料にやや依存するもの
の、ほぼ100msであった。
【0041】次に、これらの液晶表示パネルを分解し、
高分子材料と液晶材料の混合組成物をスパチラでかきと
り、イソプロピルアルコールによって液晶材料を洗い流
した後、示差熱量計を用いてガラス転移点を測定した。
その結果、n−ステアリルメタクリレート:38℃、エ
チルメタクリレート:65℃、t−ブチルメタクリレー
ト:107℃、イソボルニルメタクリレート:180℃
であった。
【0042】<比較例>まず、インジウム・錫酸化膜か
らなる透明電極を設けた一対の透明ガラス基板を洗浄し
た後、110℃で30分間乾燥させた。次いで、ポリイ
ミド樹脂膜RN−747(日産化学社)を2000回転
/分、60秒の条件でスピナー塗布し、200℃1時間
硬化させた。次いで、両基板を、5μm径のプラスティ
ック製スペーサ(ミクロパール:積水ファイン(株))
を介して熱硬化型のシール材(ストラクトボンド:三井
東圧化学(株))により液晶注入口を設けた状態で貼り
合わせ、150℃で4時間加熱してシール材を完全硬化
させた。これにより、空セルが得られた。
【0043】次に、液晶材料として、セルギャップdに
対して自発捩じれピッチPがd/P=0.25となるよ
うにカイラル材料S−811(メルク社)と正の誘電率
異方性を有し、かつ、屈折率異方性が0.09のフッソ
系ネマティック液晶ZLI−4792(メルク社)とを
混合して生成した正の誘電率異方性を有するカイラルネ
マティック液晶材料を8.20グラム準備し、紫外線硬
化性の高分子材料として、UV重合性材料(モノマー:
オリゴマー:重合開始剤の重量比が80:19:1)を
1.80グラム準備し(高分子−液晶混合材料に対する
液晶材料の比は82重量%)、両者を40℃で十分撹拌
することにより、高分子−液晶の均一な混合溶液を調製
した。ここで、モノマーとしては、2−エチルヘキシル
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート及びベンジルアクリレート
(共栄社油脂化学)を使用した。また、オリゴマーとし
ては、KAYARAD HX−620(日本化薬)を使
用した。また、重合開始剤としては、ダロキュア117
3(チバガイギ)を使用した。
【0044】次に、上記混合溶液を40℃のホットプレ
ート上で予め加温されている上記空セルに液晶注入口か
ら注入し、液晶注入口を封止した。次いで、UVランプ
を用いて、IRカットフィルターを通して赤外線を除去
した紫外線を40℃、30mW/cm2 の強度で200
秒間照射した。これにより、厚みが2μm以下の高分子
壁で囲まれた液晶表示パネルが得られた。
【0045】この液晶表示パネルを直交ニコル状態の偏
光顕微鏡で観察したところ、直径10〜30μmのほぼ
円形状の液晶ドメイン(単位液晶セル)が形成されてい
た。液晶ドメインの中には、そのほぼ中央に配向欠陥が
一つ存在し、そこを中心として4本の黒帯が放射状に出
ていることが観察された。そして、液晶パネルを固定し
て偏光子及び検光子を回転させたところ、4本の黒帯は
偏光子と同じ方向に同じ角度だけ回転した。また、各液
晶ドメインは高分子壁によって完全に仕切られている
が、この高分子壁自体は光を透過させないため、黒枠を
形成していた。以上の観察結果は、上記実施例の場合と
全く同様である。
【0046】次に、この液晶表示パネルの外側に一対の
偏光板を偏光軸が互いに直交するようにして貼り付け、
パネル輝度−電圧特性を測定した。測定方向は上記実施
例の場合と同様である。また、上記実施例の場合と同様
にして、駆動電圧及びヒステリシスも測定した。
【0047】図2(b)に、20℃におけるこの比較例
の液晶表示パネルのパネル輝度−電圧特性曲線を示す。
上記実施例における定義に従ってヒステリシスの値を計
算したところ、ほぼ0.10であった。
【0048】また、90%輝度及び10%輝度を与える
電圧間の応答速度を測定したところ、立ち上がり及び立
ち下がりの合計は材料にあまり依存せず、ほぼ200m
sであった。
【0049】次に、これらの液晶表示パネルを分解し、
高分子材料と液晶材料の混合組成物をスパチラでかきと
り、イソプロピルアルコールによって液晶材料を洗い流
した後、示差熱量計を用いてガラス転移点を測定した。
その結果、2−エチルヘキシルアクリレート:−30
℃、フェノキシエチルアクリレート:−22℃、2−エ
チルヘキシルメタクリレート:−10℃、ベンジルアク
リレート:6℃であった。
【0050】以上のように、比較例の液晶表示パネルに
比べて、上記実施例の液晶表示パネルの応答速度が速く
なり、ヒステリシスが大幅に緩和されたのは、以下の理
由によるものと考えられる。すなわち、上記実施例にお
いては、高分子壁111を構成する高分子材料としてガ
ラス転移温度の高い材料を使用していることにより、室
温では高分子材料は固体状態であるため、界面液晶分子
の配向規制力は保持され、液晶表示パネルの応答速度は
速くなる。また、ヒステリシスも界面液晶分子の外部電
界による方位角のずれが大きな原因であるため、高分子
壁を構成する高分子材料としてガラス転移温度の高い材
料を使用することにより、ヒステリシスは大幅に緩和さ
れる。
【0051】高分子壁を構成する高分子材料のガラス転
移温度としては20℃以上であるのが好ましく、さらに
は80℃以上であるのが好ましい。尚、上記実施例にお
いては、モノマー:オリゴマー:重合開始剤の重量比が
80:19:1のものを使用しているが、必ずしもこの
重量比に限定されるものではない。モノマーの重量比が
80以外であっても同様の結果が得られる。
【0052】また、上記実施例においては、電圧保持率
を向上させるために有機絶縁膜としてポリイミド樹脂膜
RN−747を使用しているが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、例えば、可溶性ポリイミド樹脂膜A
L−5417(日本合成ゴム社)、UV硬化樹脂PN3
93(メルク社)、ポリウレタンMS5510(三菱重
工社)などを使用しても同様の効果が得られる。
【0053】また、上記実施例においては、紫外線硬化
性の高分子材料と液晶材料の混合組成物が、空セルを組
み立てた後に一対の電極基板間に注入されているが、必
ずしもこの順番に限定されるものではない。一方の電極
基板に予め混合組成物を滴下し、その後、2枚の基板を
張り合わせてから紫外線を照射することによって光相分
離を行ってもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液晶
表示パネルによれば、ラビング処理が不要で、応答速度
が速く、しかもヒステリシスが緩和された液晶表示パネ
ルが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示パネルの一実施例を示す
断面図である。
【図2】(a)は本発明に係る液晶表示パネルのパネル
輝度−電圧特性図、(b)は比較例の液晶表示パネルの
パネル輝度−電圧特性図である。
【図3】ランダム配向による液晶表示パネルの透視図で
ある。
【符号の説明】
101 上ガラス基板 102 下ガラス基板 103、104 透明電極 105 シール材 106 スペーサ 107、108 偏光板 109 カイラルネマティック液晶 110 有機絶縁膜 111 高分子壁 112 UVランプ 113 IRカットフィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極基板間に、正の誘電率異方性
    を有するカイラルネマティック液晶材料と高分子壁とが
    挟持され、少なくとも基板付近で液晶領域が前記高分子
    壁によって包囲され、前記液晶領域の平均直径がセルギ
    ャップよりも大きく、かつ、画素の大きさよりも小さ
    く、前記液晶領域の液晶分子が基板面内で種々の方位を
    有し、前記高分子壁のガラス転移温度が20℃以上であ
    る液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】 液晶領域の捩じれ角がほぼ90゜である
    請求項1に記載の液晶表示パネル。
  3. 【請求項3】 液晶材料の自発ピッチPと液晶層の厚み
    dとの比d/Pが0.2〜0.3である請求項1又は2
    に記載の液晶表示パネル。
  4. 【請求項4】 液晶材料の複屈折△nと液晶層の厚みd
    との積△n・dが0.3〜0.6μmである請求項1、
    2又は3に記載の液晶表示パネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6335780B1 (en) 1998-08-05 2002-01-01 Sharp Kabushiki Kaisha LCD with protrusion structures for axially symmetrically aligning liquid crystal in regions smaller than 70 μm×70 μm
KR100530906B1 (ko) * 1997-05-16 2006-04-06 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 액티브매트릭스형 액정표시장치

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KR100530906B1 (ko) * 1997-05-16 2006-04-06 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 액티브매트릭스형 액정표시장치
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