JPH0960963A - 機体の吊下装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮固定が容易に且つ正確にできて、作業性を
向上できるようにした機体の吊下装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 吊下具３を逆Ｌ字状に形成し、同吊下具
３の垂直部の一側をを延出して設けた取付孔を挿通した
ボルト６により、前記吊下具３を機体２の外側壁に設け
たねじ孔に回動可能に螺着し、前記吊下具３の水平部に
挿通孔3aを設け、前記垂直部の他側寄り下端に対応して
前記機体２の外側壁にストッパ７を突設し、一方のナッ
ト５を螺合した吊下ボルト４を前記挿通孔3aに挿通し、
前記吊下具３を回動し前記吊下ボルト４と前記挿通孔3a
とを接触させて前記機体２を吊下げ状態で仮固定し、前
記吊下ボルト４に他方のナット５を螺合し、前記垂直部
の下端を前記ストッパ７に当接し、前記ボルト６を締め
付け、前記両ナット５で前記吊下具３の水平部を挟持し
締結して前記機体２を吊下固定するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機の本体等を
吊下げるための機体の吊下装置に係わり、より詳細に
は、仮固定が容易に且つ正確にできて、作業性を向上さ
せることができるようにした吊下具の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】空気調和機の本体等を吊下げて固定する
従来の機体の吊下装置は、例えば図３（Ａ）で示すよう
に、建物の梁等に一端が固定されて吊下げられ、他端に
一対のナット５が螺合された吊下ボルト４と、機体２の
外側壁に固着された垂直部、およびその上部を水平状に
折曲形成して大小の孔を接続したダルマ状の挿通孔3aを
備えた水平部からなる逆Ｌ字状の吊下具３とからなり、
前記吊下ボルト４を前記挿通孔3aに挿通し、前記両ナッ
ト５で前記吊下具３の水平部を挟持し締め付けて前記機
体２を吊下固定してなる構成であった。前記構成で、前
記一対のナット５を螺合させた吊下ボルト４を、前記挿
通孔3aの大径側に挿通し、直ちに小径側にスライドさせ
て前記機体２が落下しないよう前記下ナット５で受けて
仮固定し、次に、前記上ナット５および、または前記下
ナット５を締め付けて前記機体２の前記吊下具３を固定
していた。しかしながら、前記吊下ボルト４の位置に対
応して、前記機体２を前記仮固定の位置にスライドする
ための作業性が悪く、また、前記上ナット５および、ま
たは前記下ナット５を締め付ける以前に同下ナット５の
位置が前記挿通孔3aの大径側に戻った場合には、同挿通
孔3aから同下ナット５が抜けてしまい、前記機体２が落
下してしまうという危険性を有していた。前記のような
危険性を防止するための手段として、図３（Ｂ）で示す
ように、前記吊下具３に、同吊下具３の水平部先端を垂
下させたフランジ3bを設け、同フランジ3bの略中央およ
び前記水平部に連続する略Ｕ字状の切欠部3aを設けた構
成とし、前記両ナット５間の前記吊下ボルト４に前記切
欠部3aを挿入し、前記下ナット５を前記フランジ3b内側
に位置決めして前記上ナット５および、または前記下ナ
ット５をスパナで締め付けて、前記吊下ボルト４に前記
吊下具３を固定するようにしていた。しかしながら、前
記機体２の水平状態を調節するため、前記下ナット５を
スパナで締め付ける作業を行う際、前記吊下具３の先端
には前記フランジ3bが垂下されていることから、前記機
体２に沿ってスパナを横方向から挿入した状態で前記下
ナット５を締め付つける必要があり、そのため、前記機
体２および前記フランジ3bで規制されてスパナを大きく
回動できず、作業性が悪くなってしまうという問題を有
していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に鑑みなされたもので、機体の仮固定が容易に且つ
正確にできて、作業性を向上できるようにした機体の吊
下装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたものであり、建物の梁等に一端が
固定されて吊下げられ、他端に一対のナットが螺合され
た複数の吊下ボルトと、挿通孔を備えた水平部と、機体
の外側壁に固着される垂直部とからなる逆Ｌ字状に折曲
形成された複数の吊下具とからなり、前記吊下ボルトを
前記挿通孔に挿通し、前記両ナットで前記吊下具の水平
部を挟持し締め付けてなる機体の吊下装置において、前
記吊下具の垂直部の一側を延出し、同延出部に前記挿通
孔から水平方向に離間して取付孔を設け、同取付孔に対
応するねじ孔を前記機体の外側壁に設け、前記取付孔を
挿通したボルトにより前記吊下具を回動可能に前記ねじ
孔に螺着し、前記吊下具の垂直部の他側寄り下端に対応
して、前記機体の外側壁に前記吊下具の水平部を水平位
置に位置決めするストッパを突設し、前記一方のナット
を螺合した前記吊下ボルトを前記挿通孔に挿通し、前記
吊下具を回動し前記吊下ボルトと前記挿通孔とを接触さ
せて前記機体を仮固定し、前記吊下ボルトに前記他方の
ナットを螺合し、前記垂直部の下端を前記ストッパに当
接し、前記ボルトを締め付けて前記吊下具を前記機体の
外側壁に固定し、前記両ナットで前記吊下具の水平部を
挟持し締め付けて前記機体を吊下固定するようにしたこ
とを特徴とする。また、前記延出部を、前記吊下具と一
体的に形成したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】以上のように構成したので、機体を吊下げて固
定する際、容易に且つ正確に仮固定ができるようになっ
て、作業性を向上させることができるようにした機体の
吊下装置となる。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明による実施例を
詳細に説明する。図１，図２（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）におい
て、１は建物の梁，２は空気調和機本体等の機体，３は
同機体２の外側壁に取り付けられる逆Ｌ字状の吊下具
で、同吊下具３は前記機体２の外側壁に取り付けられる
垂直部、および同垂直部に連続してその上部を水平状に
折曲形成して後述する挿通孔を設け、同挿通孔を挿通し
た後述する吊下ボルトに螺合されたナットで挟持され固
定される水平部からなる構成となっている。3aは、図２
（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）で示すように、前記吊下具３を構成
する水平部に設けられた挿通孔で、同挿通孔3aに後述す
る吊下ボルトを挿通し、同吊下ボルトに螺合された後述
する一対のナットにより、前記吊下具３の水平部を挟持
し締め付けて前記機体２を吊下げ状態で固定するように
した構成となっている。3bは、図２（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）
で示すように、前記吊下具３を構成する垂直部の一側を
延出した延出部で、同延出部3bには、図示はしないが、
前記挿通孔3aから水平方向に離間した位置ａに取付孔が
設けられており、図１，図２（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）で示す
ように、同取付孔を挿通した後述するボルトにより、前
記吊下具３が前記機体２の外側壁に設けたねじ孔に回動
可能に螺着されるようにした構成となっている。前記構
成で、前記吊下具３の垂直部の取付孔は、図２（Ａ）で
示すように、前記挿通孔3aから水平方向に離間した位置
ａに設けたことにより、図２（Ｂ）で示すように、前記
取付孔を中心にして前記吊下具３を回動した際、前記挿
通孔3aに挿通した後述する吊下ボルトを正確に接触させ
て、そのフリクションにより、前記機体２を吊下状態で
容易に且つ正確に仮固定でき、次に、図２（Ｃ）で示す
ように、前記吊下ボルト４に前記他方のナット５を螺合
し、前記吊下具３の垂直部下端を前記機体２の外側壁に
突設した後述するストッパに当接し、後述するボルトを
締め付けて前記吊下具３を前記機体２の外側壁に固定し
て、前記他方のナット５を締め付けて前記機体２を吊下
げ状態で固定するようにした構成となっている。なお、
前記延出部3bは、前記吊下具３と一体的に形成されたこ
とにより、寸法形状が精度よく仕上げられると共に、コ
スト的に有利な構成となっている。

【０００７】４は、図１，図２（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）で示
すように、前記建物の梁１に一端が固定されて吊下げら
れ、他端で前記機体２を吊下げ状態で固定するための吊
下ボルトである。５は、図１，図２（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）
で示すように、前記吊下ボルト４に螺合され、前記吊下
具３の水平部を挟持し締め付けて固定するための一対の
ナットである。６は、図１，図２（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）で
示すように、前記吊下具３の水平部に設けた取付孔に挿
通し、前記機体２の外側壁に設けたねじ孔に前記吊下具
３を回動可能に螺着するためのボルトである。前記ボル
ト６は、図２（Ａ）（Ｂ）で示すように、前記吊下ボル
ト４を前記挿通孔3aに挿通して前記吊下具３を回動する
際、前記機体２の外側壁に設けたねじ孔に前記吊下具３
が回動可能な状態で螺着し、次に、図２（Ｃ）で示すよ
うに、前記説明のように、前記吊下具３の垂直部下端を
前記機体２の外側壁に突設された後述するストッパに当
接した状態にして締め付けることができるようにした構
成となっている。７は、図１，図２（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）
で示すように、前記吊下具３の垂直部の他側より下端に
対応して前記機体２の外側壁に突設されたストッパで、
図２（Ｃ）で示すように、同ストッパ７に、前記吊下ボ
ルト４に前記他方のナット５を螺合したのちに前記吊下
具３の垂直部下端を当接することにより、同吊下具３の
水平部を前記両ナット５で正確に挟持し締め付けて前記
機体２を吊下げ状態で固定できるようにした構成となっ
ている。なお、前記ストッパ７は、図２（Ａ）（Ｃ）で
示すように、前記吊下具３の垂直部の他側より下端に対
応して前記挿通孔3aとほぼ対向する位置に設けたことに
より、前記吊下具３の垂直部に設けた取付孔から離間し
た位置で、同吊下具３の下端に当接して同吊下具３の水
平部を正確に位置決めできるようにした構成となってい
る。

【０００８】前記構成により、図２（Ａ）で示すよう
に、前記吊下具３の前記延出部3bに設けた取付孔を挿通
した前記ボルト６を、前記吊下具３が回動可能な状態で
前記機体２の外側壁に設けたねじ孔に螺着し、前記一方
のナット５を螺合した前記吊下ボルト４を前記挿通孔3a
に挿通し、次に、図２（Ｂ）で示すように、前記吊下具
３を回動して前記吊下ボルト４を前記挿通孔3aに正確に
接触させ、そのフリクションにより、前記機体２を作業
者が支えることなく吊下げ状態で容易に且つ正確に仮固
定でき、次に、図２（Ｃ）で示すように、前記吊下ボル
ト４に前記他方のナット５を螺合し、前記吊下具３の垂
直部下端を前記機体２の外側壁に突設した後述するスト
ッパに当接し、前記ボルト６を締め付けて前記機体２の
外側壁に固定し、更に、前記他方のナット５を締め付け
て、図１で示すように、前記機体２を吊下げ状態で固定
できるようにした機体の吊下装置となる。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明による構造
であるならば、機体を吊下げ状態で固定する際、容易に
且つ正確に仮固定ができるようになって、作業性を向上
させることができるようにした機体の吊下装置となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による機体の吊下装置を示す斜視図であ
る。

【図２】本発明による機体の吊下装置を示す要部説明図
で、（Ａ）は仮固定した吊下具の挿通孔に吊下ボルトを
挿通した状態を示し、（Ｂ）は吊下具を回動して吊下ボ
ルト（および機体）を吊下げ状態で仮固定した状態を示
し、（Ｃ）は吊下具の水平部を一対のナットで挟持し締
め付けて機体を吊下げ状態で固定する状態を示す。

【図３】従来例による機体の吊下装置を示す要部斜視図
で、（Ａ）は吊下装置の一例を示し、（Ｂ）は吊下装置
の他の例を示す。

【符号の説明】 １ 建物の梁 ２ 空気調和機の本体等の機体 ３ 吊下具 3a 挿通孔 3b 延出部 ４ 吊下ボルト ５ ナット ６ ボルト ７ ストッパ ａ 吊下具の取付孔（ボルト）から水平方向に離間した
挿通孔の位置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の梁等に一端が固定されて吊下げら
   れ、他端に一対のナットが螺合された複数の吊下ボルト
   と、挿通孔を備えた水平部と、機体の外側壁に固着され
   る垂直部とからなる逆Ｌ字状に折曲形成された複数の吊
   下具とからなり、前記吊下ボルトを前記挿通孔に挿通
   し、前記両ナットで前記吊下具の水平部を挟持し締め付
   けてなる機体の吊下装置において、 前記吊下具の垂直部の一側を延出し、同延出部に前記挿
   通孔から水平方向に離間して取付孔を設け、同取付孔に
   対応するねじ孔を前記機体の外側壁に設け、前記取付孔
   を挿通したボルトにより前記吊下具を回動可能に前記ね
   じ孔に螺着し、前記吊下具の垂直部の他側寄り下端に対
   応して、前記機体の外側壁に前記吊下具の水平部を水平
   位置に位置決めするストッパを突設し、前記一方のナッ
   トを螺合した前記吊下ボルトを前記挿通孔に挿通し、前
   記吊下具を回動し前記吊下ボルトと前記挿通孔とを接触
   させて前記機体を仮固定し、前記吊下ボルトに前記他方
   のナットを螺合し、前記垂直部の下端を前記ストッパに
   当接し、前記ボルトを締め付けて前記吊下具を前記機体
   の外側壁に固定し、前記両ナットで前記吊下具の水平部
   を挟持し締め付けて前記機体を吊下固定するようにした
   ことを特徴とする機体の吊下装置。
2. 【請求項２】 前記延出部を、前記吊下具と一体的に形
   成したことを特徴とする請求項１記載の機体の吊下装
   置。