JPH0959731A - ゴルフクラブヘッド用チタン合金 - Google Patents
ゴルフクラブヘッド用チタン合金Info
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- JPH0959731A JPH0959731A JP7216213A JP21621395A JPH0959731A JP H0959731 A JPH0959731 A JP H0959731A JP 7216213 A JP7216213 A JP 7216213A JP 21621395 A JP21621395 A JP 21621395A JP H0959731 A JPH0959731 A JP H0959731A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 硬さHv 250以上、板厚方向のヤング率12,000
kgf/mm2 以上で、反発特性に優れたチタン合金からゴル
フクラブヘッドを構成する。 【構成】 Zr: 1.0 ％以上、ただし、Zr＋25 O2 ≧５
(%) 、３×Zr＋220 ×O2≦86(%) の条件を満たす量のジ
ルコニウムおよび酸素を含有し、さらに、アルミニウ
ム、スズ、鉄、銅およびクロムから成る群から選んだ１
種または２種以上、合計で１重量％以下、残部がチタン
と不可避不純物からなる。
kgf/mm2 以上で、反発特性に優れたチタン合金からゴル
フクラブヘッドを構成する。 【構成】 Zr: 1.0 ％以上、ただし、Zr＋25 O2 ≧５
(%) 、３×Zr＋220 ×O2≦86(%) の条件を満たす量のジ
ルコニウムおよび酸素を含有し、さらに、アルミニウ
ム、スズ、鉄、銅およびクロムから成る群から選んだ１
種または２種以上、合計で１重量％以下、残部がチタン
と不可避不純物からなる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量、高強度とい
うチタン合金の特長を活かして最近商品化が盛んに行わ
れている、打球の飛距離に優れたチタン合金製ゴルフク
ラブの製造に有用なチタン合金に関する。さらに本発明
は、そのようなチタン合金から製造されたゴルフクラブ
ヘッドならびにそれに用いるフェース部の製造方法に関
するものである。
うチタン合金の特長を活かして最近商品化が盛んに行わ
れている、打球の飛距離に優れたチタン合金製ゴルフク
ラブの製造に有用なチタン合金に関する。さらに本発明
は、そのようなチタン合金から製造されたゴルフクラブ
ヘッドならびにそれに用いるフェース部の製造方法に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】軽量かつ比強度が高いというチタン合金
の特徴を活用したチタン合金製ゴルフクラブの開発が最
近盛んに行われており、打球の飛距離を一層伸ばすため
のクラブヘッドの開発がいくつか報告されている。
の特徴を活用したチタン合金製ゴルフクラブの開発が最
近盛んに行われており、打球の飛距離を一層伸ばすため
のクラブヘッドの開発がいくつか報告されている。
【０００３】例えば、特開昭63−154186号公報にはTi-6
Al-4V チタン合金( α＋β型チタン合金) が例示された
チタン合金製ヘッドに鉛製のバックウエイトを固着する
ことにより重心深度を大きくしスイートエリアを広くす
る改良が開示されている。
Al-4V チタン合金( α＋β型チタン合金) が例示された
チタン合金製ヘッドに鉛製のバックウエイトを固着する
ことにより重心深度を大きくしスイートエリアを広くす
る改良が開示されている。
【０００４】また、特開平１−320076号公報にはヘッド
をフェース、側板、ソール、および天板に分割し、これ
らを純Ti板からプレス加工および切削により製作し、フ
ェースやソールを他の部分より強化しクラブを軽量化す
る方法が開示されている。
をフェース、側板、ソール、および天板に分割し、これ
らを純Ti板からプレス加工および切削により製作し、フ
ェースやソールを他の部分より強化しクラブを軽量化す
る方法が開示されている。
【０００５】さらに、特開平６−205856号公報にはチタ
ン等で作られたクラブヘッドの表面にNi−Ｐメッキを施
すことにより飛距離および方向安定性を改善する技術が
開示されている。
ン等で作られたクラブヘッドの表面にNi−Ｐメッキを施
すことにより飛距離および方向安定性を改善する技術が
開示されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】チタン合金の軽量・高
強度という特長を活かしたゴルフクラブの商品化が最近
盛んに行われている。チタン合金製ゴルフクラブの最大
の特徴は上記の材料特性を活かして飛距離を向上できる
ことにある。ところが、現状ではこの目的に合致したチ
タン合金の材料的特性が十分に利用されているとは言い
難く、したがって、そのようなすぐれたチタン合金の特
性を十分に活用して最大の飛距離が得られるゴルフクラ
ブを開発することが緊急の課題である。
強度という特長を活かしたゴルフクラブの商品化が最近
盛んに行われている。チタン合金製ゴルフクラブの最大
の特徴は上記の材料特性を活かして飛距離を向上できる
ことにある。ところが、現状ではこの目的に合致したチ
タン合金の材料的特性が十分に利用されているとは言い
難く、したがって、そのようなすぐれたチタン合金の特
性を十分に活用して最大の飛距離が得られるゴルフクラ
ブを開発することが緊急の課題である。
【０００７】また、チタン合金からのゴルフクラブの製
造方法としては、鋳造法によりヘッドを作る方法と、冷
延板を組み立ててヘッドを作る方法とがあり、後者の場
合、冷延板が容易に製造できる冷間加工性の良好なチタ
ン合金が必要である。
造方法としては、鋳造法によりヘッドを作る方法と、冷
延板を組み立ててヘッドを作る方法とがあり、後者の場
合、冷延板が容易に製造できる冷間加工性の良好なチタ
ン合金が必要である。
【０００８】ここに、本発明の目的は、飛距離の大幅な
向上が可能なチタン合金製ゴルフクラブを実現できるチ
タン合金を開発することである。具体的には、飛距離を
向上させるファクターとしてのフェース部に用いる板材
の硬さおよびヤング率に着目し、開発目標を硬さがHv 2
50以上、板厚方向のヤング率が12,000kgf/mm2 以上、反
発係数0.70以上であるチタン合金を開発することであ
る。
向上が可能なチタン合金製ゴルフクラブを実現できるチ
タン合金を開発することである。具体的には、飛距離を
向上させるファクターとしてのフェース部に用いる板材
の硬さおよびヤング率に着目し、開発目標を硬さがHv 2
50以上、板厚方向のヤング率が12,000kgf/mm2 以上、反
発係数0.70以上であるチタン合金を開発することであ
る。
【０００９】また、別の目的は、ゴルフクラブのヘッド
を構成するフェース部をそのようなチタン合金から製造
する方法を開発することである。さらに別の本発明の目
的は、前述のチタン合金の特性を十分に活用した最大の
飛距離が得られるチタン合金製ゴルフクラブヘッドを開
発することである。
を構成するフェース部をそのようなチタン合金から製造
する方法を開発することである。さらに別の本発明の目
的は、前述のチタン合金の特性を十分に活用した最大の
飛距離が得られるチタン合金製ゴルフクラブヘッドを開
発することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】ゴルフにおける飛距離を
支配するクラブヘッド側の要因としては、ボールに当
たる際のクラブヘッドの運動エネルギーが大きいこと、
およびボールに対するクラブヘッドの反発力が大きい
ことが挙げられる。
支配するクラブヘッド側の要因としては、ボールに当
たる際のクラブヘッドの運動エネルギーが大きいこと、
およびボールに対するクラブヘッドの反発力が大きい
ことが挙げられる。
【００１１】これを材料の側からみると、の要因につ
いては、チタン合金化による軽量化によりクラブヘッド
の回転速度が向上することが効果的である。に影響す
る材料的要因としてはクラブヘッドの材料の硬さおよび
剛性を高くすることが挙げられる。このような観点から
チタン合金と従来の材料とを評価すると次の通りであ
る。
いては、チタン合金化による軽量化によりクラブヘッド
の回転速度が向上することが効果的である。に影響す
る材料的要因としてはクラブヘッドの材料の硬さおよび
剛性を高くすることが挙げられる。このような観点から
チタン合金と従来の材料とを評価すると次の通りであ
る。
【００１２】すなわち、チタン合金は硬さは高いが、鋼
に比べるとヤング率が低い。すなわち、チタン合金は8,
000 kgf/mm2 〜11,000kgf/mm2 程度でステンレス鋼等の
競合材料に比較し低いのが問題である。そこで、チタン
合金製クラブヘッドのフェース部の剛性を高くするに
は、板厚方向に高いヤング率を有することが必要である
と考えた。
に比べるとヤング率が低い。すなわち、チタン合金は8,
000 kgf/mm2 〜11,000kgf/mm2 程度でステンレス鋼等の
競合材料に比較し低いのが問題である。そこで、チタン
合金製クラブヘッドのフェース部の剛性を高くするに
は、板厚方向に高いヤング率を有することが必要である
と考えた。
【００１３】ところで、チタン合金は一部のα型チタン
合金と、α＋β型チタン合金、β型チタン合金に分類さ
れる。α型チタン合金とβ型チタン合金はα＋β型チタ
ン合金と比較して冷間圧延が可能であり、薄肉で軽量の
ゴルフクラブのヘッドが得られる可能性がある。
合金と、α＋β型チタン合金、β型チタン合金に分類さ
れる。α型チタン合金とβ型チタン合金はα＋β型チタ
ン合金と比較して冷間圧延が可能であり、薄肉で軽量の
ゴルフクラブのヘッドが得られる可能性がある。
【００１４】さらに、α型チタン合金はｈｃｐ構造を持
ち、ヤング率にも異方性がありこの集合組織を応用すれ
ば剛性の高いフェース部が得られる。すなわち、α型チ
タン合金で板厚方向にヤング率が高くなるような集合組
織（Ｃ軸が板厚方向に集積するような集合組織）を形成
させればよい。
ち、ヤング率にも異方性がありこの集合組織を応用すれ
ば剛性の高いフェース部が得られる。すなわち、α型チ
タン合金で板厚方向にヤング率が高くなるような集合組
織（Ｃ軸が板厚方向に集積するような集合組織）を形成
させればよい。
【００１５】そのような集合組織とするには、冷間圧延
または温間圧延すればよい。しかしながら、α相単相を
示す純チタンではたとえ冷間圧延して上記のような集合
組織を形成したとしても、冷間圧延により得られる加工
状態の硬度は低い。
または温間圧延すればよい。しかしながら、α相単相を
示す純チタンではたとえ冷間圧延して上記のような集合
組織を形成したとしても、冷間圧延により得られる加工
状態の硬度は低い。
【００１６】そこで、本発明にあっては、α型チタン合
金の中でも硬度が高いZrと酸素を含むチタン合金を用い
ることによって反発特性に優れたゴルフクラブ用のチタ
ン合金、フェース部の製造方法およびゴルフクラブを得
るのである。
金の中でも硬度が高いZrと酸素を含むチタン合金を用い
ることによって反発特性に優れたゴルフクラブ用のチタ
ン合金、フェース部の製造方法およびゴルフクラブを得
るのである。
【００１７】さらに、冷間圧延により薄板を作る場合、
一般にチタン合金は冷間加工性が悪く冷間圧延が困難で
あり、中でもα型チタン合金は温間あるいは冷間加工性
がまだ実用上十分でないという問題点があるが、本発明
では上述のチタン合金を用いることにより温間加工性あ
るいは冷間加工性の問題を解決することができた。よっ
て、本発明は次の通りである。
一般にチタン合金は冷間加工性が悪く冷間圧延が困難で
あり、中でもα型チタン合金は温間あるいは冷間加工性
がまだ実用上十分でないという問題点があるが、本発明
では上述のチタン合金を用いることにより温間加工性あ
るいは冷間加工性の問題を解決することができた。よっ
て、本発明は次の通りである。
【００１８】(1) 重量％で、Zr: 1.0 ％以上、ただし、
Zr＋25 O2 ≧５(%) 、３×Zr＋220 ×O2≦86(%) 、の条
件を満たす量のジルコニウムおよび酸素を含有し、残部
がチタンと不可避不純物からなる、反発特性に優れたゴ
ルフクラブヘッド用チタン合金。
Zr＋25 O2 ≧５(%) 、３×Zr＋220 ×O2≦86(%) 、の条
件を満たす量のジルコニウムおよび酸素を含有し、残部
がチタンと不可避不純物からなる、反発特性に優れたゴ
ルフクラブヘッド用チタン合金。
【００１９】(2) さらに、重量％で、アルミニウム、ス
ズ、鉄、銅およびクロムから成る群から選んだ１種また
は２種以上、合計で１重量％以下、を含有する上記(1)
記載のゴルフクラブヘッド用チタン合金。
ズ、鉄、銅およびクロムから成る群から選んだ１種また
は２種以上、合計で１重量％以下、を含有する上記(1)
記載のゴルフクラブヘッド用チタン合金。
【００２０】(3) 上記(1) または(2) 記載の合金組成を
有するチタン合金を、30％以上の断面減少率で700 ℃以
下の温度で最終圧延することを特徴とするゴルフクラブ
ヘッドのフェース部の製造方法。
有するチタン合金を、30％以上の断面減少率で700 ℃以
下の温度で最終圧延することを特徴とするゴルフクラブ
ヘッドのフェース部の製造方法。
【００２１】(4) フェース部が、上記(1) または(2) 記
載のチタン合金で形成されていることを特徴とするゴル
フクラブヘッド。
載のチタン合金で形成されていることを特徴とするゴル
フクラブヘッド。
【００２２】
【発明の実施の形態】次に、本発明において合金組成お
よび製造条件を上述のように規定した理由についてその
作用とともに詳述する。なお、合金組成を規定する
「％」は、特にことわりがない限り、「重量％」であ
る。
よび製造条件を上述のように規定した理由についてその
作用とともに詳述する。なお、合金組成を規定する
「％」は、特にことわりがない限り、「重量％」であ
る。
【００２３】本発明において、Zr≧1.0 ％で、かつZr＋
25×O2≧５(%) および３×Zr＋220×O2≦86(%) の条件
を満たす量のジルコニウムおよび酸素、残部チタンと不
可避不純物よりなる合金組成を有するチタン合金を用い
るのは以下の理由による。
25×O2≧５(%) および３×Zr＋220×O2≦86(%) の条件
を満たす量のジルコニウムおよび酸素、残部チタンと不
可避不純物よりなる合金組成を有するチタン合金を用い
るのは以下の理由による。
【００２４】Zr＜1.0 ％あるいはZr＋25×O2＜５(%) の
条件では、目的とする硬さおよびヤング率が得られな
い。また、３×Zr＋220 ×O2＞86(%) の条件では、700
℃以下の温度において断面減少率が30％以上となる圧延
が行えないことによる。好ましくは、Zr≧3.0 ％で、か
つZr＋25×O2≧7.5(%)および３×Zr＋220 ×O2≦76(%)
の範囲であることが望ましい。Zrの上限は25.3％となる
が、加工性の観点から好ましくは23％以下とする。
条件では、目的とする硬さおよびヤング率が得られな
い。また、３×Zr＋220 ×O2＞86(%) の条件では、700
℃以下の温度において断面減少率が30％以上となる圧延
が行えないことによる。好ましくは、Zr≧3.0 ％で、か
つZr＋25×O2≧7.5(%)および３×Zr＋220 ×O2≦76(%)
の範囲であることが望ましい。Zrの上限は25.3％となる
が、加工性の観点から好ましくは23％以下とする。
【００２５】さらに、本発明にしたがってフェース部を
製造するには700 ℃以下の温度において断面減少率が30
％以上となる最終圧延を行うが、この範囲をはずれる条
件での最終圧延では、被加工材の目的とするＣ軸が板厚
方向に集積した加工集合組織が得られず、結果として高
いヤング率が得られないことになるからである。加工温
度としては常温〜100 ℃が好ましい。つまり、本発明に
おいて圧延としては冷間圧延および温間圧延が包含され
るが、冷間圧延が好ましい。
製造するには700 ℃以下の温度において断面減少率が30
％以上となる最終圧延を行うが、この範囲をはずれる条
件での最終圧延では、被加工材の目的とするＣ軸が板厚
方向に集積した加工集合組織が得られず、結果として高
いヤング率が得られないことになるからである。加工温
度としては常温〜100 ℃が好ましい。つまり、本発明に
おいて圧延としては冷間圧延および温間圧延が包含され
るが、冷間圧延が好ましい。
【００２６】アルミニウム、スズ、鉄、銅およびクロム
もZrおよび酸素と同様に硬さおよびヤング率を向上する
のに有効な元素であるが、これら元素の１種または２種
以上の合計が１％を越えると上記の圧延が行えなくなる
ため、これら元素の合計含有量は１％以下に限定され
る。好ましくは合計量で0.5 ％以下である。
もZrおよび酸素と同様に硬さおよびヤング率を向上する
のに有効な元素であるが、これら元素の１種または２種
以上の合計が１％を越えると上記の圧延が行えなくなる
ため、これら元素の合計含有量は１％以下に限定され
る。好ましくは合計量で0.5 ％以下である。
【００２７】ゴルフクラブの飛距離の評価については、
飛距離自体の測定方法が確立されておらず、測定方法に
より得られる値が大きく異なることから、本明細書にお
いては、材料のもつゴルフボールに対する「反発係数」
をもって評価する。
飛距離自体の測定方法が確立されておらず、測定方法に
より得られる値が大きく異なることから、本明細書にお
いては、材料のもつゴルフボールに対する「反発係数」
をもって評価する。
【００２８】また、飛距離を向上させるにはフェース部
が最も大きな効果を有しており、その他の部位は基本的
にどんな合金あるいは樹脂でもよく、要するに軽くて強
いものであればよい。もちろん、一体式のクラブでは全
体は同じ材質で構成される。
が最も大きな効果を有しており、その他の部位は基本的
にどんな合金あるいは樹脂でもよく、要するに軽くて強
いものであればよい。もちろん、一体式のクラブでは全
体は同じ材質で構成される。
【００２９】
【実施例】次に、本発明の作用効果を実施例によりさら
に具体的に説明する。
に具体的に説明する。
【００３０】(実施例)本例は、本発明にかかる製造方法
により製造したゴルフクラブの例である。
により製造したゴルフクラブの例である。
【００３１】すなわち、表１に示す合金組成を有する単
重20kgのインゴットをＶＡＲ溶解により２回溶解するこ
とで得、分塊圧延後、それぞれ800 ℃において断面減少
率80％となる熱間圧延を行ってから、同じく表１に示す
条件で最終圧延を行った。このようにして得たチタン合
金の機械的特性は表１にまとめて示す。最終圧延によっ
て得た板厚３mmのチタン合金板からフェース部を成形
し、それを用いてゴルフクラブを製造した。
重20kgのインゴットをＶＡＲ溶解により２回溶解するこ
とで得、分塊圧延後、それぞれ800 ℃において断面減少
率80％となる熱間圧延を行ってから、同じく表１に示す
条件で最終圧延を行った。このようにして得たチタン合
金の機械的特性は表１にまとめて示す。最終圧延によっ
て得た板厚３mmのチタン合金板からフェース部を成形
し、それを用いてゴルフクラブを製造した。
【００３２】図１に本発明によるゴルフクラブの実施例
を略式分解図で示す。図示のようにクラブヘッド10は、
フェース部12、ソール14、天板16から基本的に構成さ
れ、本例の場合、フェース部12だけが上述のようにして
製造されたTi合金板材により構成されている。ソール
２、天板３は、Ti合金あるいはカーボン、ボロン等の軽
量材料で製造すればよい。これらの各要素は、溶接ある
いは接着組立により接合され、クラブヘッド10が形成さ
れる。なお、図示例ではシャフトおよびクラブヘッドへ
のシャフトの取付け部材は省略してある。
を略式分解図で示す。図示のようにクラブヘッド10は、
フェース部12、ソール14、天板16から基本的に構成さ
れ、本例の場合、フェース部12だけが上述のようにして
製造されたTi合金板材により構成されている。ソール
２、天板３は、Ti合金あるいはカーボン、ボロン等の軽
量材料で製造すればよい。これらの各要素は、溶接ある
いは接着組立により接合され、クラブヘッド10が形成さ
れる。なお、図示例ではシャフトおよびクラブヘッドへ
のシャフトの取付け部材は省略してある。
【００３３】表１の結果からも分かるように、本発明に
かかるチタン合金は、硬さはHv 250以上、ヤング率は1
2,000kgf/mm2 以上、反発係数0.70以上となっており開
発目標値を達成していることがわかる。なお、ヤング率
は板厚３mmの板に対して、板厚方向に「共振法」による
超音波試験による音速測定で求めた。また反発係数は、
試験用板材 (厚さ３mm) の上にゴルフボールを自由落下
させ、落下高さと反発後の最大高さの比で表した。この
比が1.0 に近い程、反発係数が大きく、飛距離大につな
がる。
かかるチタン合金は、硬さはHv 250以上、ヤング率は1
2,000kgf/mm2 以上、反発係数0.70以上となっており開
発目標値を達成していることがわかる。なお、ヤング率
は板厚３mmの板に対して、板厚方向に「共振法」による
超音波試験による音速測定で求めた。また反発係数は、
試験用板材 (厚さ３mm) の上にゴルフボールを自由落下
させ、落下高さと反発後の最大高さの比で表した。この
比が1.0 に近い程、反発係数が大きく、飛距離大につな
がる。
【００３４】本発明にかかる上述のチタン合金を使って
板厚３mmの板からフェース部を構成し、図１に示すゴル
フクラブを作製したところ、本発明にかかるこのクラブ
では大きな飛距離が試打の結果からも得られている。
板厚３mmの板からフェース部を構成し、図１に示すゴル
フクラブを作製したところ、本発明にかかるこのクラブ
では大きな飛距離が試打の結果からも得られている。
【００３５】表１の比較例は、本発明の合金組成範囲を
外れる場合の例であり、板が製造できないかあるいは製
造された板の硬さあるいはヤング率が本発明例に比較し
低い値しか得られず開発目標値が得られていない。その
結果、試打においても本発明例に比較し飛距離が十分な
ものが得られなかった。
外れる場合の例であり、板が製造できないかあるいは製
造された板の硬さあるいはヤング率が本発明例に比較し
低い値しか得られず開発目標値が得られていない。その
結果、試打においても本発明例に比較し飛距離が十分な
ものが得られなかった。
【００３６】(従来例)表２は、市販のチタン合金を用い
本発明の製造工程により製造した板でゴルフクラブのフ
ェース部を製作し、評価した結果である。いずれも本発
明の目標値には達せず、従って、それらから構成したゴ
ルフクラブの試打における飛距離も本発明にかかるクラ
ブにはおよばなかった。
本発明の製造工程により製造した板でゴルフクラブのフ
ェース部を製作し、評価した結果である。いずれも本発
明の目標値には達せず、従って、それらから構成したゴ
ルフクラブの試打における飛距離も本発明にかかるクラ
ブにはおよばなかった。
【００３７】
【表１】
【００３８】
【表２】
【００３９】
【発明の効果】本発明により、チタン合金の軽量・高強
度という特徴を十分に生かし、かつ高い反発力が得られ
る飛距離にすぐれたチタン合金製ゴルフクラブを得るこ
とができた。
度という特徴を十分に生かし、かつ高い反発力が得られ
る飛距離にすぐれたチタン合金製ゴルフクラブを得るこ
とができた。
【図１】本発明によるゴルフクラブヘッドの略式分解図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 敏夫 大阪市中央区北浜４丁目５番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 ▲高▼島 昌樹 栃木県下都賀郡野木町野木1985番地 株式 会社三洋特殊合金内
Claims (4)
- 【請求項１】 重量％で、 Zr: 1.0 ％以上、ただし、Zr＋25 O2 ≧５(%) 、３×Zr
＋220 ×O2≦86(%) 、の条件を満たす量のジルコニウム
および酸素を含有し、残部がチタンと不可避不純物から
なる、反発特性に優れたゴルフクラブヘッド用チタン合
金。 - 【請求項２】 さらに、重量％で、アルミニウム、ス
ズ、鉄、銅およびクロムから成る群から選んだ１種また
は２種以上、合計で１重量％以下、を含有する請求項１
記載のゴルフクラブヘッド用チタン合金。 - 【請求項３】 請求項１または２記載の合金組成を有す
るチタン合金を、30％以上の断面減少率で700 ℃以下の
温度で最終圧延することを特徴とするゴルフクラブヘッ
ドのフェース部の製造方法。 - 【請求項４】 フェース部が、請求項１または２記載の
チタン合金で形成されていることを特徴とするゴルフク
ラブヘッド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7216213A JPH0959731A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | ゴルフクラブヘッド用チタン合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7216213A JPH0959731A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | ゴルフクラブヘッド用チタン合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0959731A true JPH0959731A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16685055
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7216213A Withdrawn JPH0959731A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | ゴルフクラブヘッド用チタン合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0959731A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1998046312A1 (fr) * | 1997-04-16 | 1998-10-22 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Tete de canne de golf |
| JP2006230569A (ja) * | 2005-02-23 | 2006-09-07 | Jfe Steel Kk | ゴルフクラブヘッド |
-
1995
- 1995-08-24 JP JP7216213A patent/JPH0959731A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
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