JPH0959352A - エポキシ・酸無水物組成物 - Google Patents

エポキシ・酸無水物組成物

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JPH0959352A
JPH0959352A JP15231296A JP15231296A JPH0959352A JP H0959352 A JPH0959352 A JP H0959352A JP 15231296 A JP15231296 A JP 15231296A JP 15231296 A JP15231296 A JP 15231296A JP H0959352 A JPH0959352 A JP H0959352A
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JP
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epoxy
group
triazine
acid anhydride
curing
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JP15231296A
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Satoshi Miyake
智 三宅
Kenichi Osawa
健一 大澤
Toshinari Kouda
年成 好田
Motohiko Hidaka
基彦 日高
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エポキシ化合物に酸無水物系硬化剤を使用
し、この硬化促進剤として、特定構造の置換トリアジン
を使用することにより、配合後のポットライフ、保存安
定性、作業性が良好で、硬化後の樹脂に発泡、クラック
等の欠陥を一切生じないエポキシ・酸無水物組成物及び
それを硬化してなるエポキシ・酸無水物樹脂組成物の提
供にある。 【構成】 エポキシ化合物及びエポキシ硬化剤としての
酸無水物を配合してなるエポキシ・酸無水物組成物にお
いて、硬化促進剤として式〔I〕 【化1】 (式中Xは、アミノ基、C1-18のモノアルキルアミノ
基、C1-18のジアルキルアミノ基、モルホリノ基、ピペ
リジノ基、メチル基又はフェニル基であり、R1とR2
は、それぞれ独立して、C1-12のアルキル基、C1-12
ヒドロキシアルキル基、C4-8 のシクロアルキル基、C
5-9 のシクロアルキルメチル基又はC5-9 のメチルシク
ロアルキル基を示す。)に示される置換トリアジンを含
有することを特徴とするエポキシ・酸無水物組成物及び
それを硬化してなるエポキシ・酸無水物樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ系樹脂のう
ち、特に、速硬化性でありながら同時に長期保存安定性
を有するエポキシ・酸無水物組成物及びそれを硬化して
なるエポキシ・酸無水物樹脂組成物に関する。本発明の
エポキシ・酸無水物組成物は、注型材料、積層材料、封
止材料、埋め込み樹脂材料、接着剤、塗料等の硬化作業
性と物性の改善に有用である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、金属材料・ガラス等と
の良好な密着性、高い機械的強度、良好な硬化作業性等
から、接着剤、塗料、注型材料、封止材料、埋め込み樹
脂材料、積層材料等に広く用いられてきた。エポキシ樹
脂は、エポキシ化合物に用途に応じて、アミン系硬化
剤、メルカプタン系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、
酸無水物系硬化剤等の各種硬化剤を配合してこれを硬化
するよう設計されているが、低温硬化性、短時間硬化性
等の付与のため、さらに触媒として3級アミン系、4級
アンモニウム系、3級ホスフィン系、4級ホスホニウム
系、イミダゾール系、アザビシクロ化合物系等の硬化促
進剤が併用される場合が有る。
【0003】近年、エポキシ樹脂硬化物の各種用途分野
における一層の性能改善要求が高度化し、アミン硬化剤
配合系では、配合後の粘度変化が大きく、長期の保存安
定性等に問題が有り、従来品では対応できない分野も増
加している。また、酸無水物硬化系やフェノール樹脂硬
化系等において、硬化促進剤として従来主流であった3
級アミン系、4級アンモニウム系、3級ホスフィン系、
4級ホスホニウム系、イミダゾール系、アザビシクロ化
合物系等を配合したものも同等の課題があり、これらの
改善のため、変性エポキシアダクト、変性脂肪族アミ
ン、変性ポリアミドアミン、マンニッヒ変性アミン、チ
オ尿素変性アミン、シッフ塩基変性アミン(ケチミン化
により得られる)、マイケル付加変性アミン、イミダゾ
ール4級塩等が提案されている。
【0004】アミン系硬化剤として、N−置換メラミン
を使用し、配合後の保存安定性、作業性改善等をおこな
う試みが有る。このようなエポキシ樹脂組成物として、
特開昭56−72019号公報に記載のN−置換メラミ
ンを配合したエポキシ樹脂組成物が開示されている。英
国特許1192790号には、アミン系硬化剤として、
1級アミノ基を2個以上有するN−置換メラミン又はグ
アナミン等を配合したエポキシ樹脂組成物が開示されて
いる。
【0005】エポキシ化合物・フェノール樹脂硬化系の
硬化促進剤として、N−置換メラミンを使用し、配合後
のポットライフ等の安定性、作業性改善をおこなう試み
が有る。このようなエポキシ樹脂組成物として、特開昭
60−202117号公報に記載のN−置換メラミン及
びノボラック型フェノール樹脂を配合したエポキシ樹脂
組成物が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ化合物・酸無
水物系硬化樹脂を製造する場合、3級アミン系、4級ア
ンモニウム系、3級ホスフィン系、4級ホスホニウム
系、イミダゾール系、アザビシクロ化合物系等の硬化促
進剤を配合しなければ、エポキシと酸無水物との反応性
は乏しく、硬化樹脂の生産性が極めて低下し、実質的に
樹脂化は困難である。しかしながら、このような硬化促
進剤を触媒として併用すると一般的に比較的低温でも反
応は進行し、経時的に粘度は増大し、さらにはゲル化し
て配合物は使用不可能となる。
【0007】また、ポットライフの長くなる方法とし
て、前記硬化促進剤の微量使用、または低活性な硬化促
進剤を使用する手段があるが、これらは、特に高温での
硬化反応時に、発泡、クラック等の欠陥を生じやすい。
尚、先に記した英国特許1192790号には、エポキ
シ化合物・酸無水物硬化系樹脂及びエポキシ化合物・ア
ミン硬化系樹脂が開示されており、アミン系硬化剤とし
て、1級アミノ基を2個以上有するN−置換メラミン又
はグアナミン等を配合し、ベンゾイルウレア系、スルホ
ニルウレア系の硬化促進剤を併用したエポキシ樹脂組成
物が開示されており、この系では1級アミノ基を2個以
上有するN−置換メラミン又はグアナミン等が良好な性
質を示すことが例示されているが、酸無水物硬化系の実
施例においては、ベンゾイルウレア系、スルホニルウレ
ア系の促進剤との組合せについて開示されたものであ
る。
【0008】本発明は、エポキシ化合物に酸無水物系硬
化剤を使用し、この硬化促進剤として、特定構造の置換
トリアジンを限定された配合量を使用することにより、
配合後のポットライフ、保存安定性、作業性が良好で、
硬化後の樹脂に発泡、クラック等の欠陥を一切生じない
エポキシ・酸無水物組成物及びそれを硬化してなるエポ
キシ・酸無水物樹脂組成物を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、エポキ
シ化合物及びエポキシ硬化剤としての酸無水物を配合し
てなるエポキシ・酸無水物組成物において、硬化促進剤
として式〔I〕
【0010】
【化2】
【0011】(式中Xは、アミノ基、C1-18のモノアル
キルアミノ基、C1-18のジアルキルアミノ基、モルホリ
ノ基、ピペリジノ基、メチル基又はフェニル基であり、
1 とR2 は、それぞれ独立して、C1-12のアルキル
基、C1-12のヒドロキシアルキル基、C4-8 のシクロア
ルキル基、C5-9 のシクロアルキルメチル基又はC5-9
のメチルシクロアルキル基を示す。)で示される置換ト
リアジンを含有することを特徴とするエポキシ・酸無水
物樹脂組成物及びそれを硬化してなるエポキシ・酸無水
物樹脂組成物に関する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いるエポキシ化合物と
しては、耐熱性や硬化樹脂の機械的強度の観点から、分
子内に少なくとも2個のエポキシ基を有することが望ま
しい。このような2個のエポキシ基を有するエポキシ化
合物では、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの
反応によって得られるビスフェノールA系エポキシ樹
脂、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応に
よって得られるビスフェノールF系エポキシ樹脂、ビス
フェノールSとエピクロルヒドリンとの反応によって得
られるビスフェノールS系エポキシ樹脂等があげられ、
これらは、分子量300〜5000程度のものが好適で
ある。3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物で
は、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック
樹脂とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるノ
ボラック系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレ
ート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレー
ト、トリス(β−メチルグリシジル)イソシアヌレー
ト、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジ
ルエーテル、1,3,5−トリ(グリシジルオキシ)ベ
ンゼン、1,3,5−トリメシン酸トリグリシジルエス
テル、テトラグリシジルキシリレンジアミン、テトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタン、テトラキス(4−
ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル
等があげられる。また、配合物の低粘度化、或いは、硬
化樹脂への柔軟性の付与ために、2個のエポキシ基を有
する脂肪族系エポキシ化合物として、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコー
ルジグリシジルエーテル等のグリコールジグリシジルエ
ーテル類、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等
のポリオールジグリシジルエーテル類、3個以上のエポ
キシ基を有する脂肪族系エポキシ化合物として、グリセ
リンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポ
リグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグ
リシジルエーテル等のポリオールポリグリシジルエーテ
ル類を併用してもよい。尚、1個のエポキシ基を有する
フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル等のエポキシ化合物は、架橋密度を低下させるため、
配合量はエポキシ化合物の平均エポキシ基数が少なくと
も2になるように使用量を限定しなければならない。
【0014】本発明に用いる酸無水物としては、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチル
ナジック酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、オクチル
無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸等の分子内に1
個の酸無水物基を有するものが望ましい。また、無水ピ
ロメリット酸、無水シクロブタンテトラカルボン酸、無
水ナフタレンテトラカルボン酸、テトラリン−ジ酸無水
物等の分子内に2個の酸無水物基を有するもの、及び無
水トリメリット酸等のカルボン酸基と酸無水物基の共存
するものは、一般に高融点で、エポキシ化合物、溶剤等
への溶解性が乏しいため、硬化反応時に樹脂が不均質に
なりやすく、配合量は、その系に均一に共重合可能な量
に限定されるが、酸無水物合計の10重量%以下である
ことが望ましい。
【0015】以上のエポキシ化合物と酸無水物の比率
は、エポキシ基1当量に対して、酸無水物基0.7〜
1.2当量であり、望ましくは0.8〜1.1当量であ
り、さらに望ましくは、0.9〜1.0当量である。本
発明で用いるエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いる置
換トリアジンとしては、式〔I〕に示されるように、少
なくとも2つの2級アミノ基を有するものであり、なお
かつ以下の各種官能基のいずれかを有するものが好まし
い。
【0016】即ち、Xは、アミノ基、炭素数が1〜18
のアルキル基のモノアルキルアミノ基、炭素数が1〜1
8のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリ
ノ基、ピペリジノ基、メチル基又はフェニル基であり、
このうち、アミノ基、炭素数が1〜12のモノアルキル
アミノ基、炭素数が1〜12のアルキル基を有するジア
ルキルアミノ基又はピペリジノ基がさらに好ましい。
【0017】2級アミノ基のR1 とR2 は、炭素数が1
〜12のアルキル基の場合は、直鎖又は分岐のいずれで
も良く、より好ましいアルキル基の炭素数は1〜9であ
り、炭素数が1〜12のヒドロキシアルキル基の場合
は、直鎖又は分岐のいずれでも良く、ヒドロキシ基の位
置は特に限定されないが、より好ましいアルキル基の炭
素数は1〜9であり、炭素数は4〜8のシクロアルキル
基の場合は、より好ましくはシクロペンチル基又はシク
ロヘキシル基であり、炭素数が5〜9のシクロアルキル
メチル基の場合は、例えばシクロブチルメチル基、シク
ロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロ
ヘプチルメチル基又はシクロオクチルメチル基であり、
より好ましくはシクロペンチルメチル基又はシクロヘキ
シルメチル基であり、炭素数が5〜9のメチルシクロア
ルキル基の場合は、例えばメチルシクロブチル基、メチ
ルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチル
シクロヘプチル基又はメチルシクロオクチル基であり、
より好ましくはシクロペンチルメチル基又はシクロヘキ
シルメチル基である。これらの置換トリアジンは単独で
も、混合して用いてもよい。
【0018】本発明において使用される式〔I〕置換ト
リアジンは、従来の公知の合成方法と同様な方法で容易
に得られる。例えばジャーナル・オブ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)
73巻、2984頁、1951年に記載の2−クロロ−
1,3,5−トリアジン誘導体とアルキルアミンを反応
させて得る方法。ヘミシェ・ベリヒテ(Chem Be
r.)18巻、2755頁、1885年に記載の2,
4,6−トリメチルチオ−1,3,5−トリアジン誘導
体とアルキルアミンを反応させて得る方法。米国特許
2,228,161号、1941年に記載の2,4,6
−トリアミノ−1,3,5−トリアジンとアルキルアミ
ン塩酸塩を反応させて得る方法。ドイツ特許889,5
93号1953年に記載のシアノピペリジンとシアノグ
アニジンを反応させて2−ピペリジノ−4,6−ジアミ
ノ−1,3,5−トリアジンを得る方法。特開平3−2
15564号に記載の塩化シアヌルと相当するアルキル
アミン類とを反応させて得る方法等が挙げられる。
【0019】本出願人が出願している、特願平6−16
6618号に記載の1,3,5−トリアジン誘導体と周
期律表第VII 族或いは第VIII触媒の存在下、アルコール
と反応させる方法、特願平6−280370号に記載の
1,3,5−トリアジン誘導体と周期律表第VII 族或い
は第VIII触媒および水素含有ガスの存在下でアルコール
と反応させる方法及び、特願平6−292791号に記
載の1,3,5−トリアジン誘導体と周期律表第VII 族
或いは第VIII触媒および一酸化炭素/水素混合ガスの存
在下でオレフィンと反応させる方法等が挙げられ、いか
なる方法で製造したものでもよいが、電子材料分野に使
用する場合は、置換トリアジン中に残留する加水分解性
塩素の少ない、メラミンに特定の触媒存在下にてアルコ
ール類を反応させて得る方法、メラミンに水素雰囲気中
で特定の触媒存在下にてアルデヒド類を反応させて得る
方法、メラミンに水素/一酸化炭素雰囲気中で特定の触
媒存在下にてオレフィン類を反応させて得る方法等によ
るものが好ましい。
【0020】このような置換トリアジンを具体的に示す
と、2−アミノ−4−(モノ−2−ヒドロキシエチル)
アミノ−6−モノエチルアミノ−1,3,5−トリアジ
ン、2−アミノ−4,6−ビス(モノエチルアミノ)−
1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ビス
(モノブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2−
アミノ−4,6−ビス(モノシクロヘキシルアミノ)−
1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ビス
(モノシクロヘキシルメチルアミノ)−1,3,5−ト
リアジン、2−アミノ−4,6−ビス(メチルシクロヘ
キシルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ
−4,6−ビス(モノ−2−エチルヘキシルアミノ)−
1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ビス
(モノドデシルアミノ)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(モノ−2−ヒドロキシエチルアミノ)−
6−メチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス
(モノエチルアミノ)−6−メチル−1,3,5−トリ
アジン、2,4−ビス(モノブチルアミノ)−6−メチ
ル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(モノシク
ロヘキシルアミノ)−6−メチル−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ビス(モノ−2−エチルヘキシルアミ
ノ)−6−メチル−1,3,5−トリアジン、2,4−
ビス(モノドデシルアミノ)−6−メチル−1,3,5
−トリアジン、2,4−ビス(モノ−2−ヒドロキシエ
チルアミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ビス(モノエチルアミノ)−6−フェニル
−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(モノブチル
アミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(モノシクロヘキシルアミノ)−6−フェ
ニル−1,3,5−トリアジン、
【0021】2,4−ビス(モノ−2−エチルヘキシル
アミノ)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(モノドデシルアミノ)−6−フェニル−
1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(モノエ
チルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−
トリス(モノ−2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,
3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(モノイソプ
ロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6
−トリス(ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(モノシクロヘキシルアミノ)−
1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(モノ−
2−エチルヘキシルアミノ)−1,3,5−トリアジ
ン、2,4,6−トリス(モノドデシルアミノ)−1,
3,5−トリアジン、2,4−ビス(モノエチルアミ
ノ)−6−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(モノ−2−ヒドロキシエチルアミノ)−
6−ジ(モノ−2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,
3,5−トリアジン、2,4−ビス(ブチルアミノ)−
6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4
−ビス(モノシクロヘキシルアミノ)−6−ジブチルア
ミノ−1,3,5−トリアジン、
【0022】2,4−ビス(モノ−2−エチルヘキシル
アミノ)−6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ビス(モノドデシルアミノ)−6−ジ(モ
ノ−2−エチルヘキシル)アミノ−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)−
6−ピペリジノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビ
ス(モノエチルアミノ)−6−ピペリジノ−1,3,5
−トリアジン、2,4−ビス(モノブチルアミノ)−6
−ピペリジノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス
(モノシクロヘキシルアミノ)−6−ピペリジノ−1,
3,5−トリアジン、2,4−ビス(モノ−2−エチル
ヘキシルアミノ)−6−ピペリジノ−1,3,5−トリ
アジン、2,4−ビス(モノドデシルアミノ)−6−ピ
ペリジノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(モ
ノ−2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−モルホリノ−
1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(モノエチルア
ミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(モノブチルアミノ)−6−モルホリノ−
1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(モノシクロヘ
キシルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ビス(モノ−2−エチルヘキシルアミ
ノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン、2,
4−ビス(モノドデシルアミノ)−6−モルホリノ−
1,3,5−トリアジン等、様々なものが挙げられる。
【0023】式〔I〕で示される置換トリアジンの配合
量は、エポキシ化合物100重量部に対して0.1〜5
重量部が好ましく、0.2〜3重量部となる比率がさら
に好ましい。このようにして、配合した本願発明のエポ
キシ・酸無水物組成物の硬化反応条件としては、注型材
料のように無溶剤にて行なってもよいし、塗料ワニス
や、積層含浸用ワニスのように、適切な有機溶剤を使用
してもよい。有機溶剤を使用する場合は、メチルイソブ
チルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル
系溶剤、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ブタノール等
のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ等のセロソルブ
系溶剤、ブチルカルビトール等のカルビトール系溶剤、
トルエン、キシレン等の芳香属炭化水素系溶剤、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶
剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、N
−メチルピロリドン等のピロリドン系溶剤等が挙げられ
るが、硬化反応を著しく阻害しない物であればいかなる
有機溶剤でもよい。
【0024】硬化反応温度としては、80〜250℃が
好適であるが、100〜220℃がさらに好ましい。
尚、低沸点溶剤を使用する場合には、オートクレーブ等
を使用して、圧力2〜100kg/cm2 程度の加圧下
にて、反応温度を80〜250℃、好ましくは100〜
220℃にて反応させることができる。また温度は、硬
化反応終了まで一定温度にて行なってもよいが、低温か
ら高温に一定速度で昇温しながら行なってもよいし、例
えば、100℃×1時間→150℃×3時間→200℃
×5時間→・・・のように、比較的低温でBステージ化
またはオリゴマー化してから、高温で後硬化させる方法
等、多段で逐次的に行なってもよい。
【0025】また、本発明の目的が達成される限り、さ
らに任意の成分を含有することができ、例えば、シリコ
ーンオイル系、アマイド系、エステル系等の消泡剤、ヒ
ンダードフェノール系、ヒンダードアミン系等の安定
剤、ステアリン酸塩系等の金属石鹸類、シリコーン樹脂
系、フッソ樹脂系の離型剤、といった各種添加剤を目的
に応じて少量配合することにより、更に好ましい耐熱性
エポキシ樹脂組成物が得られる。
【0026】エポキシ化合物と置換トリアジンからなる
エポキシ樹脂組成物として、特開昭56−72019号
公報に記載のトリアジン骨格を有するN−置換メラミン
を配合したエポキシ樹脂組成物が開示されている。これ
は、置換メラミンをアミン系硬化剤として応用した例で
ある。通常のアミン系硬化剤では、配合比率にもよる
が、エポキシと1級アミノ基又は2級アミノ基のアミノ
水素との付加反応ばかりでなく、OH基とエポキシ基の
付加反応や、エポキシ基同士のアニオン重合等の反応も
起ることは公知であり、エポキシ化合物とN−置換メラ
ミンの反応もこれと同様であることから、ポリマーの結
合様式は、アミン結合及び/又はエーテル結合である。
【0027】また、エポキシ化合物/フェノール樹脂硬
化系の硬化促進剤として、N−置換メラミンを使用した
例として、特開昭60−202117号公報に記載のノ
ボラック型フェノール樹脂及び少量のN−置換メラミン
を配合したエポキシ樹脂組成物が開示されている。これ
は、エポキシとフェノール性OH基の付加反応が主反応
であり、ポリマーの結合様式はエーテル結合である。
【0028】これに対して、エポキシ・酸無水物の硬化
反応は、エポキシと酸無水物基の付加反応が主反応であ
り、ポリマーの結合様式はエステル結合である。これら
のエポキシの硬化システムのいずれを使用するかは、用
途、必要性能を考慮して選択される。エポキシ・酸無水
物組成物を硬化させる場合、触媒として硬化促進剤を配
合しなければ、エポキシと酸無水物との反応性は乏し
く、硬化樹脂の生産性が極めて低下し、実質的に樹脂化
は困難である。このような硬化促進剤としては、3級ア
ミン系、4級アンモニウム系、3級ホスフィン系、4級
ホスホニウム系、イミダゾール系、アザビシクロ化合物
系等がある。しかしながら、このような硬化促進剤を触
媒として併用すると一般的に比較的低温でも反応は進行
し、保存中に、経時的に粘度は増大し、さらにはゲル化
して配合物は使用不可能となる。これらの硬化促進剤の
種類は多数存在するが、高活性なものほど、樹脂の硬化
は速いが、配合後の安定性は極めて乏しくなり、逆に、
低活性なのものでは、配合後の安定性は良好であるが、
樹脂の硬化反応は遅くなり、硬化物の製造作業性が低下
する、といった一般的傾向が有る。
【0029】これまでの検討では全く予想できない事実
として、本発明の特定の置換トリアジンを硬化促進剤と
して用いたエポキシ・酸無水物組成物では、かかる理由
は必ずしも明らかではないが、配合後の安定性は極めて
良好であり、かつ、硬化反応の速さが十分であり、硬化
物の製造作業性も良好であるという特長を有することを
見出し、鋭意検討の結果、本発明を完成するに至った。
【0030】本発明に用いられる置換トリアジンとして
は、式[I] に示す通りであるが、式[I] において、Xが
アミノ基、そしてR1 とR2 が全て水素であるメラミ
ン、Xがメチル基、そしてR1 とR2 が全て水素である
アセトグアナミン、Xがフェニル基、そしてR1 とR2
が全て水素であるベンゾグアナミン、XがN,N−ジア
ルキルアミノ基、そしてR1 とR2 が全て水素である
N,N−ジアルキル化メラミン、Xがピペリジノ基、そ
してR1 とR2 が全て水素である2,4−ジアミノ−6
−ピペリジノ−1,3,5−トリアジン、Xがモルホリ
ノ基、そしてR1 とR2 が全て水素である2,4−ジア
ミノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン等の場
合及び1級アミノ基を2〜3個有し、そして2級アミノ
基が0個である場合、活性が不足し、硬化不良を起こし
たり、高温にて硬化させると一気に反応が起こり、反応
の不均質化、揮発分の急激な蒸発によって、発泡やクラ
ック生じたりする。また、3級アミノ基を2個以上有す
るが、2級アミノ基は0個であるテトラアルキル化アセ
トグアナミン、テトラアルキル化ベンゾグアナミン、ヘ
キサアルキル化メラミン等の場合も全く同一の結果とな
る。同様に、Xがモノアルキルアミノ基、R1 とR2
全て水素、即ち、2級アミノ基が1個であるモノアルキ
ル化メラミン、ペンタアルキル化メラミン等の場合も全
く同一の結果となる。
【0031】以上から、本発明における置換トリアジン
の促進剤としての活性発現の中心となる部位は、モノア
ルキルアミノ基、モノ(ヒドロキシアルキル)アミノ基
等、即ち、2級アミノ基であることが容易に理解でき
る。かかる理由は必ずしも明らかではないが、例えば、
ヘキサアルキル化メラミン、テトラアルキル化ベンゾグ
アナミン等の場合、3級アミン類の一種と考えられるも
のの、トリアジン環に直結した構造のため、通常の3級
アミンよりもN原子周囲の立体障害が大きいこと等が挙
げられる。また、1級アミノ基を2個以上有するもの
は、トリアジン本来の性質は有するものの、アミンとし
ての性質を殆ど有さず、エポキシ、酸無水物に対しての
反応性が弱過ぎること等が挙げられる。さらに、本発明
の2級アミノ基を2個以上有するものは、アミンとして
の性質を有するばかりでなく、ヘキサアルキル化メラミ
ン、テトラアルキル化ベンゾグアナミン等よりも立体障
害が小さいこと等に起因して良好な性能を示すものと推
察される。
【0032】尚、英国特許1192790号には、アミ
ン系硬化剤として、1級アミノ基を2個以上有するN−
置換メラミン又はグアナミン等を配合し、ベンゾイルウ
レア系、スルホニルウレア系の硬化促進剤を併用したエ
ポキシ樹脂組成物が開示されており、この系では1級ア
ミノ基を2個以上有するN−置換メラミン又はグアナミ
ン等が良好な性質を示すことが例示されているが、酸無
水物硬化系の実施例においては、ベンゾイルウレア系、
スルホニルウレア系の促進剤との組合せに関するもので
あり、本発明に関しては、開示されていない。
【0033】また各成分の配合比率は、エポキシ化合物
と酸無水物では、エポキシ基1当量に対して、酸無水物
基0.7〜1.2当量であり、望ましくは0.8〜1.
1当量であり、さらに望ましくは、0.9〜1.0当量
である。0.7当量未満では、硬化物が着色しやすくな
り、また架橋密度が低下するといった問題がある。かか
る理由は必ずしも明らかではないが、エポキシ同士の重
合反応も起りやすくなるといった、何らかの副反応が生
じやすくなるためと推察される。逆に、1.2当量を超
えると、硬化物内部に未反応の酸無水物及びこれに由来
するカルボン酸基が増加し、硬化物の吸水性が増大した
り、アルカリ等の耐薬品性低下、電子材料に応用すると
絶縁性の低下等の原因になる。
【0034】式〔I〕に示される置換トリアジンの配合
量は、エポキシ化合物100重量部に対して0.1〜5
重量部が好ましく、0.2〜3重量部となる比率にて硬
化させることがさらに好ましい。0.1重量部未満で
は、十分な硬化反応性を得られず、逆に、5重量部を超
えると、配合後の保存安定性が低下する。上記の硬化反
応を溶液で行なう際は、硬化反応を阻害しないものであ
れば、特に溶剤は限定されないが、注型重合では注型前
の留去、塗装目的等のワニスでは、乾燥又は減圧留去し
やすいものが好ましい。尚、硬化反応を阻害しやすい溶
剤としては、カルボン酸系溶剤、フェノール性水酸基を
有する溶剤等があげられ、止むを得ず使用する場合で
も、エポキシ化合物100重量部に対して、1重量部以
下となることが好ましい。また、1級又は2級アミン系
溶剤は、エポキシ、酸無水物との反応性、触媒作用が極
めて大であり、経時変化を極端に促進するため、一切含
有してはならない。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明する、尚、各実施例及び比較例で用いたエ
ポキシ化合物(A1)〜(A6)、酸無水物(B1)〜
(B4)、置換トリアジン(C1)〜(C10)、市販
トリアジン(D1)〜(D5)、市販硬化促進剤(E
1)〜(E3)、溶剤(F1)〜(F2)を用意した。
【0036】エポキシ化合物(A1)〜(A5) (A1);約380の分子量を有するビスフェノールA
型エポキシ化合物 (油化シェルエポキシ社製 商品名
エピコート828、エポキシ基含有量5.3当量/k
g)をそのまま使用した。 (A2);トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグ
リシジジルエーテル(ダウケミカル社製 商品名 タク
ティクス742、エポキシ基含有量6.3当量/kg)
をそのまま使用した。
【0037】(A3);フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂 (油化シェルエポキシ社製商品名 エピコート1
52、エポキシ基含有量5.7当量/kg)をそのまま
使用した。 (A4);トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学
工業社製 商品名 TEPIC−L、トリグリシジルイ
ソシアヌレートの低融点異性体の単離精製物、エポキシ
基含有量10.0当量/kg)をそのまま使用した。
【0038】(A5);約900の分子量を有するビス
フェノールA型エポキシ化合物 (油化シェルエポキシ社
製 商品名 エピコート1001、エポキシ基含有量
2.0当量/kg)をそのまま使用した。 酸無水物(B1)〜(B4) (B1);メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 市販の試薬をそのまま使用した。
【0039】(B2);ヘキサヒドロ無水フタル酸 市販の試薬をそのまま使用した。 (B3);無水メチルナジック酸 市販の試薬をそのまま使用した。 (B4);無水ピロメリット酸 市販の試薬をそのまま使用した。
【0040】置換トリアジン(C1)〜(C10) (C1);2−アミノ−4,6−ビス(モノブチルアミ
ノ)−1,3,5−トリアジン 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、
塩化シアヌル18.5g(0.1モル)とアセトニトリ
ル150mLを室温にて溶解後、ここにn−ブチルアミ
ン7.3g(0.1モル)及びイオン交換水20gの混
合溶液を、反応温度を5℃以下に保ちつつ2時間で滴下
した。その後、温度を5℃以下に保ちつつ、炭酸水素カ
リウム10g(0.1モル)及びイオン交換水40gの
溶液を1時間で滴下し、次いで、28%アンモニア水1
5.2g(0.25モル)を、同温度で滴下し、徐々に
加温して50℃で4時間攪拌した。その後、内容物をロ
別し、大量のイオン交換水にて洗浄した。その後、真空
乾燥して、中間原料の2−アミノ−4−ブチルアミノ−
6−クロル−1,3,5−トリアジンを得た。 この結
晶全量をイオン交換水100gに分散させ、n−ブチル
アミン8.1g(0.11モル)を加えて、攪拌しなが
ら還流温度まで昇温し2時間反応させた。さらに水酸化
ナトリウム4.0g(0.1モル)及びイオン交換水2
0gの溶液を1時間かけて滴下し、還流温度で2時間反
応させた。室温まで冷却後、トルエン100mlで生成
物を抽出し、有機層をイオン交換水80mlにて5回洗
浄し、溶剤を減圧留去して、2−アミノ−4,6−ビス
(モノブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン27g
を得た。
【0041】(C2);2−アミノ−4,6−ビス(モ
ノシクロヘキシルアミノ)−1,3,5−トリアジン 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、
塩化シアヌル18.4g(0.1モル)、アセトニトリ
ル50mLを室温にて攪拌しながら溶解後、系を冷却
し、ここに、イオン交換水35g、シクロヘキシルアミ
ン9.9g(0.1モル)及びトリエチルアミン10.
1g(0.1モル)の混合物を、反応温度を5℃以下に
保ちつつ2時間で滴下した。さらに5℃にて2時間攪拌
した後、28%アンモニア水70mLを滴下し、5℃に
て1時間、20℃にて1時間、50℃にて2時間攪拌し
た。その後、60℃まで昇温し、シクロヘキシルアミン
54.5 g(0.55モル)を加え、さらに、70℃ま
で昇温し3時間攪拌した。ここにイオン交換水180g
を滴下して、攪拌しながら10℃まで冷却し、析出した
結晶をロ別し、さらに大量のイオン交換水で洗浄し、真
空乾燥して、粉末状の2−アミノ−4,6−ビス(モノ
シクロヘキシルアミノ)−1,3,5−トリアジン1
6.5gを得た。
【0042】(C3);2,4,6−トリス(モノブチ
ルアミノ)−1,3,5−トリアジン 攪拌機、温度計を備えたオートクレーブに、メラミン
12.6g(0.1モル)、1,4−ジオキサン200
g、n−ブチルアルデヒド72.0g(1.0モル)、
5%Pd担持活性炭2.0 gを仕込み、窒素ガス置換
後、水素ガスを初期圧40kg/cm2 として、反応温
度180℃にて6時間反応させた。反応終了後、室温ま
でゆっくり冷却し、ロ別して触媒及び固形物を除去した
後、溶剤を留去し、粘ちょうな液状の反応生成物の粗物
を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
てアセトン/ヘキサン混合溶剤を溶離液として、混合比
率を100/1〜1/100に逐次濃度を変えつつ展開
し、生成物を単離した後、溶剤を留去して、液状の2,
4,6−トリス(モノブチルアミノ)−1,3,5−ト
リアジン19.6gを得た。
【0043】(C4);2,4,6−トリス(モノ−2
−エチルヘキシルアミノ)−1,3,5−トリアジン n−ブチルアルデヒドの替りに、2−エチルヘキシルア
ルデヒドを使用して、N−置換メラミン(B3)と同様
の方法で、液状の2,4,6−トリス(モノ−2−エチ
ルヘキシルアミノ)−1,3,5−トリアジン25.5
gを得た。
【0044】(C5);2,4−ビス(モノブチルアミ
ノ)−6−(モノドデシルアミノ)−1,3,5−トリ
アジン N−置換メラミン(C1)と同様の方法で、アンモニア
水のかわりに、n−ドデシルアミンを使用して、固形の
2,4−ビス(モノブチルアミノ)−6−(モノドデシ
ルアミノ)−1,3,5−トリアジンを得た。
【0045】(C6);2,4−ビス(モノブチルアミ
ノ)−6−ピペリジノ−1,3,5−トリアジン N−置換メラミン(C1)と同様の方法で、アンモニア
水のかわりに、ピペリジンを用いて粉末状の2,4−ビ
ス(モノブチルアミノ)−6−ピペリジノ−1,3,5
−トリアジンを得た。
【0046】(C7);2,4−ビス(モノ−2−エチ
ルヘキシルアミノ)−6−モノブチルアミノ−1,3,
5−トリアジン N−置換メラミン(C1)と同様の方法で、n−ブチル
アミンのかわりにモノ−2−エチルヘキシルアミンを、
さらにアンモニア水のかわりにn−ブチルアミンを用い
てワックス状の2,4−ビス(モノ−2−エチルヘキシ
ルアミノ)−6−モノブチルアミノ−1,3,5−トリ
アジンを得た。
【0047】(C8);2−アミノ−4,6−ビス(2
−ヒドロキシエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン n−ブチルアミンの替りに、モノエタノールアミンを使
用して、置換トリアジン(C1)と同様の方法で、粉末
状の2,4−ビス(アミノ)−6−(2−ヒドロキシエ
チルアミノ)−1,3,5−トリアジンを得た。
【0048】(C9);2,4−ビスアミノ−6−モノ
ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、
塩化シアヌル184.4g(1.0モル)とアセトニト
リル800mLを室温にて溶解後、系を冷却し、ここ
に、激しく攪拌しながら、28%アンモニア水303.
7g(5.0モル)を、反応温度を10℃以下に保ちつ
つ2時間で滴下した。その後、室温まで加温して1時間
攪拌し、次いで徐々に50℃まで加温してさらに4時間
熟成した。室温まで冷却後、内容物をロ別し、大量のイ
オン交換水にて洗浄した。その後、真空乾燥して、2,
4−ビス(アミノ)−6−クロル−1,3,5−トリア
ジン115g(収率79%)を得た。
【0049】次に、攪拌機、温度計及び冷却管を備えた
四つ口フラスコに、得られた2,4−ビス(アミノ)−
6−クロル−1,3,5−トリアジン14.5g(0.
1モル)、イオン交換水100g、n−ブチルアミン2
9.2g(0.4モル)を加えて、攪拌しながら還流温
度まで昇温し6時間反応させた。室温まで冷却後、内容
物をロ別し、大量のイオン交換水にて洗浄し、次いで、
トルエンで洗浄した。その後、真空乾燥して、粉末状の
2,4−ビス(アミノ)−6−モノブチルアミノ−1,
3,5−トリアジン17.5gを得た。
【0050】(C10);2,4−ビス(アミノ)−6
−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン n−ブチルアミンの替りに、ジブチルアミンを使用し
て、置換トリアジン(C1)と同様の方法で、粉末状の
2,4−ビス(アミノ)−6−ジブチルアミノ−1,
3,5−トリアジンを得た。
【0051】市販トリアジン(D1)〜(D5) (D1);メラミン メラミン(日産化学工業社製、粉末状)をそのまま使用
した。 (D2);ベンゾグアミン 市販の試薬をそのまま使用した。
【0052】(D3);アセトグアナミン 市販の試薬をそのまま使用した。 (D4);2,4−ビス(アミノ)−6−ビニル−1,
3,5−トリアジン 市販の試薬をそのまま使用した。 (D5);N,N−ジアリルメラミン 市販の試薬をそのまま使用した。
【0053】市販硬化促進剤(E1)〜(E3) (E1);2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)−フェノール 市販の試薬をそのまま使用した。 (E2);2−エチル−4−メチルイミダゾール 市販の試薬をそのまま使用した。
【0054】(E3);2−メチルイミダゾール 市販の試薬をそのまま使用した。 溶剤(F1)〜(F2) (F1);メチルエチルケトン 市販の特級試薬をそのまま使用した。
【0055】(F2);メチルイソブチルケトン 市販の特級試薬をそのまま使用した。 実施例1〜8及び比較例1〜10 上記用意したエポキシ化合物(A1)〜(A5)、酸無
水物(B1)〜(B4)、置換トリアジン(C1)〜
(C10)、市販トリアジン(D1)〜(D5)、市販
硬化促進剤(E1)〜(E3)、溶剤(F1)〜(F
2)を表1及び表2に示す重量比率にて混合後、硬化活
性の評価、硬化樹脂の外観、保存安定性試験を実施し
た。表1は本願発明の実施例であり、表2は比較例を示
す。
【0056】尚、表に示したE/Anとは、エポキシ基
と酸無水物基の当量比を表す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】(評価)下記に示す(T1)〜(T3)の
方法で、エポキシ/酸無水物組成物の保存安定性、硬化
活性、及び重合体(硬化物)を評価した。これらテスト
結果を表3に示す。 硬化活性試験(T1) 温度調節機付きのホットプレートを200℃に加温して
おき、ここに表1及び表2に示す各組成物を、0.2g
たらして、直径3mmの竹ひごを用いて攪拌しながら、
糸切れ現象を起こしてゲル化するまでの時間(以下、ゲ
ルタイムと記す)を測定し、硬化活性を検討した。20
0℃におけるゲルタイムを、120秒以内のとき○印
で、121〜300秒のとき△印で、300〜1800
秒のとき×印で、1800秒を超えるとき××で各表
す。
【0060】保存安定性試験(T2) 表1及び表2に示す各組成物を、23℃にて保存し、E
H型粘度を用いて、保存日数と粘度の変化を25℃にて
測定した。配合直後の粘度に対して、2倍の粘度となる
のに要する日数が、10日以上のとき○印で、5〜9日
のとき△印で、2〜4日のとき×印で、24時間未満の
とき××で各表す。
【0061】注型重合試験(T3) 離型剤を塗布した長さ140mm×幅240mm×厚み
3mmのガラス板2枚を、厚み3mm、幅10mmの
「コの字型」にカットしたシリコーンゴム製スペーサー
をはさんで固定用クリップで固定し、長さ130mm×
幅220mm×厚み1mmの内容積の注型重合用セルを
用意した。ここに、表1及び表2に示す各組成物を流し
込み、オーブンにて100℃にて2時間、さらに、18
0℃にて3時間加熱硬化後、室温まで冷却し、注型重合
用セルをはずして、エポキシ樹脂組成物の硬化物の外観
を観察した。尚、表1の実施例6、7、8は揮発性有機
溶剤を含有するため、予め、エバポレータにて溶剤を留
去後、セルに流し込んで行なった。クラックが全くない
とき○印で、1〜3本のとき△印で、4本以上のとき×
印で各表わし、同様に気泡が全くないとき○印で、1〜
5個のとき△印で、6個以上又は大きな揮発分沸騰痕が
あるとき×印で各表す。
【0062】
【表3】
【0063】表3の結果は、比較例の1〜10のエポキ
シ/酸無水物樹脂組成物は、硬化活性、保存安定性、硬
化物の性状のいずれかの性能が十分でないのに対して、
実施例の1〜8のエポキシ/酸無水物樹脂組成物はいず
れも、これら性能の全てに優れることを示している。
【0064】
【発明の効果】本願発明のエポキシ/酸無水物組成物
は、必要に応じて有機溶剤にて希釈し、2〜1000c
psという比較的低粘度に調製でき、また、溶剤を用い
ず、請求項記載のエポキシ化合物、酸無水物と置換トリ
アジンを混合後、予め加熱してBステージ化又はオリゴ
マー化して1000〜100000cpsの比較的低粘
度に調製できるといった特徴を有する。混合後の保存安
定性も、室温で7日以上というエポキシ/酸無水物系と
しては極めて高い安定性を示し、各種液状材料との配合
安定性も良好である。また、本願発明のエポキシ/酸無
水物組成物は、簡便に硬化させることができる。この硬
化は、通常の電気炉、熱風炉、赤外線炉、マイクロ波
炉、誘導加熱炉等を使用して100〜200℃で1〜5
時間程度で硬化できる。有機溶剤にて希釈して使用する
際も、溶剤を揮発させつつ、上記程度の条件にて行うこ
とができる。さらに、シリカ粒子、アルミナ粒子、ガラ
ス繊維といった無機物の充填剤の配合、補強材への含浸
を行なうこともでき、木材、金属材料、各種無機物等と
の接着性も良好であり、かつ耐薬品性も高いことから、
塗料ビヒクル、セラミック塗装・接着、コンクリート塗
装・接着、建築/建材用シーリング剤、紙および木材加
工用接着剤、ガラスクロス/エポキシ複合材料、カーボ
ン繊維強化複合材料、ボロン繊維強化複合材料、繊維処
理剤、医薬・農薬用バインダー、プラスチック表面コー
ト剤、ガラス破損防止用コート剤、皮膜形成型マスキン
グ剤、電子部品用樹脂系封止剤等の用途にも有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日高 基彦 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ化合物及びエポキシ硬化剤とし
    ての酸無水物を配合してなるエポキシ・酸無水物組成物
    において、硬化促進剤として式〔I〕 【化1】 (式中Xは、アミノ基、C1-18のモノアルキルアミノ
    基、C1-18のジアルキルアミノ基、モルホリノ基、ピペ
    リジノ基、メチル基又はフェニル基であり、R1とR2
    は、それぞれ独立して、C1-12のアルキル基、C1-12
    ヒドロキシアルキル基、C4-8 のシクロアルキル基、C
    5-9 のシクロアルキルメチル基又はC5-9 のメチルシク
    ロアルキル基を示す。)で示される置換トリアジンを含
    有することを特徴とするエポキシ・酸無水物組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ化合物100重量部に対して、
    式〔I〕で示される置換トリアジンを0.1〜5重量部
    含有し、且つ、該エポキシ化合物のエポキシ基1当量に
    対して、酸無水物の酸無水物基を0.7〜1.2当量の
    比率で含有することを特徴とする請求項1記載のエポキ
    シ・酸無水物組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ化合物が少なくとも2個のエポ
    キシ基を持つエポキシ化合物である請求項1または請求
    項2記載のエポキシ・酸無水物組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のエポキシ・酸無水物を熱硬化することより製造され
    るエポキシ・酸無水物樹脂組成物。
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Cited By (3)

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