JPH0958280A - 燃料タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】タンク本体の開口部を閉塞する蓋体の内側から
腐食の原因となる水や砂の侵入を防止することができ、
防錆効果の高い耐久性のある燃料タンクを提供すること
にある。 【解決手段】タンク本体１の壁面２に設けられた開口部
３の周囲に環状のシールパッキン２１を設け、このシー
ルパッキン２１を介して開口部３を閉塞する円板状の蓋
体２５とからなる燃料タンクにおいて、前記蓋体２５は
平坦に形成された中央部の外周を全周に亘ってシールパ
ッキン側に折曲した折曲縁部２７を有し、前記シールパ
ッキン２１は、蓋体２５の中央部とタンク本体１の開口
部３の外周縁との間に介装される環状肉厚部２２と、同
環状肉厚部２２の外周縁に形成され燃料タンクの壁面３
に密着される環状肉薄部２３とを有し、蓋体２５の平坦
部２６の一部をシールパッキン２１の環状肉厚部２２に
密着すると共に、外周の折曲縁部２７を環状肉薄部２３
に当接したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の燃料タ
ンクに関する。

【０００２】

【従来の技術】ガソリン等を収容する燃料タンクは、図
５〜図７に示すように、鉛、錫メッキが施された金属製
のタンク本体１の壁面２に開口部３が設けられ、この開
口部３は円板状で亜鉛メッキが施された蓋体４によって
閉塞されている。蓋体４にはヒューエルポンプ５および
ゲージアッセンブリ６が装着されていると共に、ヒュー
エルパイプ７、リターンパイプ８が貫通して設けられて
いる。

【０００３】そして、開口部３からヒューエルポンプ５
およびゲージアッセンブリ６をタンク本体１内に挿入
し、開口部３を蓋体４によって閉塞することにより、ヒ
ューエルポンプ５およびゲージアッセンブリ６を装着で
き、同時にヒューエルパイプ７、リターンパイプ８が配
管されるようになっている。

【０００４】ところで、タンク本体１の壁面２と蓋体４
との間は気密に保つ必要があり、タンク本体１の開口部
３の開口縁は斜め上方に突出する突出堤９が設けられ、
この突出堤９の外周に位置するタンク本体１の壁面２に
はブラケット１０がスポット溶接されている。そして、
壁面２とブラケット１０との間に複数本のボルト１１の
頭部１１ａを固定し、ボルト１１のねじ部１１ｂを上方
に突出させている。

【０００５】ブラケット１０の上面には環状のシールパ
ッキン１２が設けられ、このシールパッキン１２を介し
て前記蓋体４が設けられている。したがって、シールパ
ッキン１２および蓋体４にはボルト１１が貫通する複数
のボルト孔１２ａ，４ａが穿設されており、ボルト１１
のねじ部１１ｂにナット１３を螺合し、ナット１３の締
付けによって蓋体４をシールパッキン１２を介してタン
ク本体１に固定している。なお、１４はシールパッキン
１２に突設された位置決めピンであり、蓋体４の位置決
め孔１５に挿入される。

【０００６】さらに、蓋体４はシールパッキン１２の外
径よりも大径に形成され、蓋体４の外周縁がシールパッ
キン１２よりも外側に突出しており、この突出部１６は
下向きに斜めに折曲されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように構成された従来の燃料タンクは、蓋体４の内側端
部、つまり突出部１６の内側までシールパッキン１２が
接していない構造であり、水や砂が侵入し、腐食の厳し
い地域では蓋体４の内側から錆が進行し、腐食状況によ
っては、シールパッキン１２と蓋体４の内側との接触部
にも錆が発生する虞がある。

【０００８】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、開口部を閉塞する蓋
体の内側から腐食の原因となる水や砂の侵入を防止し、
防錆効果の高い燃料タンクを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、前述した目
的を達成するために、請求項１は、タンク本体と、同タ
ンク本体の壁面に設けられた開口部の周囲に配設された
環状のシールパッキンと、同シールパッキンを介して前
記開口部を閉塞する円板状の蓋体と、同蓋体を前記タン
ク本体に固定する締付け部材とからなる燃料タンクにお
いて、前記蓋体は平坦に形成された中央部の外周を全周
に亘って前記シールパッキン側に折曲した折曲縁部を有
し、前記シールパッキンは、前記蓋体の中央部と前記タ
ンク本体の開口部の外周縁との間に介装される環状肉厚
部と、同環状肉厚部の外周縁に形成され前記燃料タンク
の壁面に密着される環状肉薄部とを有し、前記蓋体の平
坦部の一部を前記シールパッキンの環状肉厚部に密着す
ると共に、外周の折曲縁部を前記シールパッキンの環状
肉薄部に当接したことを特徴とする。

【００１０】そして、蓋体の平坦部とシールパッキンの
肉厚部との密着、蓋体の折曲縁部とシールパッキンの環
状肉薄部との当接の二重シール構造によって腐食の原因
となる水や砂の侵入を防止したことにある。

【００１１】請求項２は、前記蓋体の折曲縁部は、シー
ルパッキンに接する端部が円弧状に形成されていること
を特徴とする。請求項３は、前記締付け部材は、ボルト
とナットとからなり、ボルトの頭部はブラケットによっ
てタンク本体に固定されていることを特徴とする。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明するが、従来と同一構成部分は同一番
号を付して説明を省略する。図１〜図３は第１の実施形
態を示し、タンク本体１に固定されたブラケット１０の
上面には環状のシールパッキン２１が載置されている。
このシールパッキン２１はゴム材料からなり、開口部３
側に位置する内周側は環状肉厚部２２に形成され、この
環状肉厚部２２の外周縁は環状肉薄部２３に形成されて
いる。この環状肉薄部２３はシールパッキン２１の上面
に段差を形成して肉薄に形成され、その肉厚は、環状肉
厚部２２の略１／２程度であり、幅も環状肉厚部２２の
略１／２程度に形成されている。

【００１３】また、シールパッキン２１の下面は平坦面
に形成され、ブラケット１０の上面に密接するようにな
っている。さらに、シールパッキン２１の環状肉厚部２
２にはボルト１１が貫通する複数のボルト孔２４が穿設
されている。

【００１４】また、前記タンク本体１の開口部３を閉塞
する蓋体２５は円板状で、その平坦部２６の外周には下
方へ斜めに折曲した折曲縁部２７が設けられている。さ
らに、この折曲縁部２７の端部はＲ加工によって円弧状
に形成されている。この蓋体２５の平坦部２６における
外周部にはシールパッキン２１のボルト孔２４に対応し
て複数のボルト孔（図示しない）が穿設されている。そ
して、シールパッキン２１の位置決めピン１４は蓋体２
５の位置決め孔１５に挿入され、蓋体２５の内側に仮止
めされ、蓋体２５の平坦部２６の一部はシールパッキン
２１の環状肉厚部２２に密着し、折曲縁部２７は環状肉
薄部２３に当接している。

【００１５】したがって、タンク本体１の開口部３を閉
塞する場合には蓋体２５のボルト孔およびシールパッキ
ン２１のボルト孔２４をボルト１１に嵌合し、ボルト１
１のねじ部１１ｂを蓋体２５の上面から突出させる。そ
して、ねじ部１１ｂにナット１３を螺合し、ナット１３
を工具によって締め付けると、ブラケット１０に対して
シールパッキン２１を介して蓋体２５が固定され、開口
部３は蓋体２５によって閉塞される。

【００１６】この場合、蓋体２５の平坦部２６の一部は
シールパッキン２１の環状肉厚部２２に密着すると共
に、外周の折曲縁部２７はシールパッキン２１の環状肉
薄部２３に当接し、折曲縁部２７は環状肉薄部２３に食
い込んだ状態となり、二重にシールされ、蓋体２５の外
周縁部から水や砂が侵入することはなく、錆の発生を防
止することができる。また、折曲縁部２７の端部がＲ加
工によって円弧状に形成されているので、シールパッキ
ン表面を損傷させることがない。

【００１７】図４は第２の実施形態を示し、ブラケット
１０を廃止し、タンク本体１に対して直接ボルト１１を
固定したものである。すなわち、タンク本体１の壁面２
にボルト孔（図示しない）を設け、このボルト孔にタン
ク本体１の内側からボルト１１を挿入してボルト１１の
頭部１１ａを壁面２に溶接したものであり、シールパッ
キン２１および蓋体２５を第１の実施形態と同様に構成
することにより、同様の効果が得られる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
１によれば、二重シール構造によってタンク本体の開口
部を閉塞する蓋体の内側から腐食の原因となる水や砂の
侵入を防止することができ、防錆効果の高い耐久性のあ
る燃料タンクを提供できる。

【００１９】請求項２によれば、蓋体の折曲縁部によっ
てシールパッキンに傷を付けることがなく、耐久性が得
られる。請求項３によれば、蓋体を強固に締め付けるこ
とができ、また蓋体の着脱が自在でヒューエルポンプ、
ゲージ等の保守点検も容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施形態を示す蓋体の固定部
の縦断側面図。

【図２】図１のＡ部を拡大した縦断側面図。

【図３】同実施形態のシールパッキンの斜視図。

【図４】この発明の第２の実施形態を示す蓋体の固定部
の縦断側面図。

【図５】従来の燃料タンクの斜視図。

【図６】従来の蓋体に装着されたヒューエルポンプ、ゲ
ージアッセンブリおよびシールパッキンの斜視図。

【図７】従来の蓋体の固定部の縦断側面図。

【符号の説明】

１…タンク本体 ２…壁面 ３…開口部 １１…ボルト １３…ナット ２１…シールパッキン ２２…環状肉厚部 ２３…環状肉薄部 ２５…蓋体 ２６…平坦部 ２７…折曲縁部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タンク本体と、同タンク本体の壁面に設
   けられた開口部の周囲に配設された環状のシールパッキ
   ンと、同シールパッキンを介して前記開口部を閉塞する
   円板状の蓋体と、同蓋体を前記タンク本体に固定する締
   付け部材とからなる燃料タンクにおいて、 前記蓋体は平坦に形成された中央部の外周を全周に亘っ
   て前記シールパッキン側に折曲した折曲縁部を有し、 前記シールパッキンは、前記蓋体の中央部と前記タンク
   本体の開口部の外周縁との間に介装される環状肉厚部
   と、同環状肉厚部の外周縁に形成され前記燃料タンクの
   壁面に密着される環状肉薄部とを有し、 前記蓋体の平坦部の一部を前記シールパッキンの環状肉
   厚部に密着すると共に、外周の折曲縁部を前記シールパ
   ッキンの環状肉薄部に当接したことを特徴とする燃料タ
   ンク。
2. 【請求項２】 前記蓋体の折曲縁部は、シールパッキン
   に接する端部が円弧状に形成されていることを特徴とす
   る請求項１記載の燃料タンク。
3. 【請求項３】 前記締付け部材は、ボルトとナットとか
   らなり、ボルトの頭部はブラケットによってタンク本体
   に固定されていることを特徴とする請求項１記載の燃料
   タンク。