JPH095701A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH095701A
JPH095701A JP15435195A JP15435195A JPH095701A JP H095701 A JPH095701 A JP H095701A JP 15435195 A JP15435195 A JP 15435195A JP 15435195 A JP15435195 A JP 15435195A JP H095701 A JPH095701 A JP H095701A
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pixel electrode
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crystal layer
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JP15435195A
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English (en)
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Kishiro Iwasaki
紀四郎 岩▲崎▼
Masato Oe
昌人 大江
Sukekazu Araya
介和 荒谷
Junichi Hirakata
純一 平方
Katsumi Kondo
克己 近藤
Shin Yonetani
慎 米谷
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プレチルト角の大きい配向膜を用いて、見掛け
上の液晶の屈折率異方性を小さくし、液晶層の厚みを拡
大し、かつ余裕度をもたせた表示むらのない横電界型液
晶表示装置を提供すること。 【構成】液晶にプレチルト角を大きくする機能をもった
配向膜を有する横電界型液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶の屈折率異方性Δ
nが大きくても、液晶層のギャップが大きくても低電圧
駆動が可能な横電界型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置は、液晶に印加する
電界の方向基板界面にほぼ垂直な方向とすることで動作
する、ツイステッドネマチック(TN)表示方式に代表
される。一方、液晶に印加する電界の方向を基板界面に
ほぼ平行にする方式(横電界方式)として、櫛歯電極を
用いた方式が、例えば、特公昭63−21907 号,特表平5
−505247号公報により提案されている。この横電界方式
は従来のTN方式に比べて視野角が広いなどの利点があ
り注目されつつある。本発明のようなプレチルト角につ
いての記載は特表平5−505247 号公報にあるが、これに
ついての詳細な効果等の記述はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液晶の物性は駆動電
圧、応答時間及び透過率等の特性と関わりがあり、互い
に何らかの形で係っている。横電界方式を複屈折型で表
示する場合TNと同等の特性を得るためには、光の光路
長であるリターデーション(R)=Δnd(Δnは液晶
の屈折率異方性、dは液晶層の厚み)を4分の1波長程
度(例えば0.32μmにしなければならない。一方、
現状で市販されている実用的な液晶のΔnの最小値は
0.08 程度であるため、dの値は4μm近くとなる。
この厚みは市販されている多くの液晶素子に比べて非常
に小さい値である。一般に厚みが小さくなると厚みの不
均一による表示の色むらが顕著にでる。製品化に向けて
大きな障害となるのが必至である。
【0004】本発明の目的は表示むらのない横電界型液
晶表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では以下の手段を用いる。
【0006】〔手段1〕電極と駆動手段と配向膜と偏光
板とからなる液晶素子のうち、一方の基板(画素電極基
板)上には画素電極が形成されており、他方の基板(非
画素電極基板)上には電極が形成されてなく、前記画素
電極が液晶層に主として基板面に平行な電界を印加する
構造を有する横電界駆動型の液晶表示装置において、前
記画素電極基板と非画素電極基板との間に挟まれた液晶
分子と前記基板の界面とのなす角(プレチルト角)が5
度以上30度以下であり、液晶層の厚み(ギャップ)が
4μmを越え10μm以下である液晶表示装置。
【0007】〔手段2〕手段1において、前記画素電極
基板及び非画素電極基板上に形成した配向膜をラビング
し、互いのラビング方向をほぼ平行になるように組合
せ、それぞれの基板の外側に偏光板を設け、偏光板の偏
光軸を互いに直交させて複屈折型の表示モードとした液
晶表示装置。
【0008】〔手段3〕手段1あるいは2において、前
記画素電極基板上にアクティブ素子が形成されている液
晶表示装置。
【0009】〔手段4〕手段1あるいは2において、非
画素電極基板上にRGBのカラーフイルタが形成されて
いる液晶表示装置。
【0010】〔手段5〕手段1あるいは2において、前
記画素電極基板が櫛歯状に形成されている液晶表示装
置。
【0011】
【作用】一般にプレチルト角θをもたない液晶分子の屈
折率異方性ΔnはΔn=|n−n|で表される。し
かし、θがある角度をもったときの屈折率異方性(Δ
n′)は
【0012】
【数1】 Δn′=√〔n 2cos2θ+n 2sin2θ〕−n…(数1) で表され見掛け上、Δn>Δn′となる。同じリターデ
ーション(R)とするならば、R=Δnd=Δn′d′
となり、よってd<d′となる(d′は見掛け上の液晶
層の厚み)。すなわち、プレチルト角がある大きさ以上
になると、屈折率異方性が小さくなり、液晶層の厚みを
大きくすることができる。最近、液晶層を厚くすれば、
厚みdの均一性が改善されることは経験的に知られてい
る。
【0013】(1)横電界方式の動作原理 先ず初めに、本発明の必須構成である横電界方式の動作
原理を説明する。図2は電界方向9に対する界面近傍で
の液晶分子長軸(光学軸)方向10のなす角φLC,偏光
板の偏光透過軸11のなす角φP の定義を示す。偏光板
及び液晶界面はそれぞれ上下に一対あるので必要に応じ
てφP1,φP2,φLC1,φLC2と表記する。尚、図2は後
述する図1の正面図に対応する。
【0014】図1(a),(b)は本発明の液晶パネル内
での液晶の動作を示す側断面を、図1(c),(d)はそ
の正面図を表す。図1には薄膜トランジスタ素子部は省
略され配線電極構造の一部が示されている。また、本発
明の表示装置は複数の画素で構成されるが、ここでは一
画素の中の部分のみを示した。電圧無印加時のセル側断
面を図1(a)に、その時の正面図を図1(c)に示
す。透明な一対の基板の内側に線状の電極1,4が形成
され、その上に保護膜および配向制御膜5が塗布及び配
向処理されている。この図では保護膜と配向制御膜が一
体化して描かれているが、一つの材料で兼用しても、二
つの材料を積層しても良い。間には液晶組成物が挟持さ
れている。棒状の液晶分子6は、電界無印加時には電極
1,4の長手方向(図1(c)正面図)に対して若干の
角度、即ち45度≦|φLC|<90度をもつように配向
されている。図1,図2では界面上の液晶分子長軸配向
0(ラビング)方向10を矢印で示した。上下界面上で
の液晶分子配向方向は、望ましい1例として平行、即ち
φLC1=φLC2(=φLC)となっている。液晶組成物の誘
電異方性は正を想定している。
【0015】ここで、画素電極4と共通電極1のそれぞ
れに異なる電位を与えそれらの間に電位差を与えて液晶
組成物層に電界9を印加すると、液晶組成物が持つ誘電
異方性と電界との相互作用により図1(b),(d)に示
したように液晶分子が反応して電界方向にその向きを変
える。この時液晶組成物層の屈折率異方性と偏光板との
相互作用により明るさが変わる。
【0016】(2)プレチルト角の制御 プレチルト角は基板表面に形成した配向膜によって達成
される。具体的に無機配向膜としてはSiO斜方蒸着
法,グレーティング法が、有機配向膜としてはポリイミ
ド薄膜等の有機薄膜のラビング法(液晶デバイスハンド
ブック,日刊工業新聞社発行,p240)等が知られて
おり、何れの方法でも本発明の目的が達せられる。しか
し、生産性を考えるとポリイミド薄膜のラビング法が好
ましい。
【0017】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。
【0018】〔実施例1〕基板としては厚みが1.1mm
で表面を研磨した透明なガラス基板(200×270m
m)を2枚用いる。まずこれらの基板のうち一方の基板
の上に薄膜トランジスタを下記の手順で形成した。な
お、薄膜トランジスタおよび配線電極からなるマトリク
ス素子は横電界が印加出来るものであれば何でも良くそ
の製法は本発明の骨子には関係しないので、記述は簡単
化する。また、マトリクス素子の製法に関するここでの
記述は一例であって、これに限定されるものではない。
【0019】1画素の構造を示す図3のC−C′間の断
面図を模式的に表した図7,図8,図9を用いて本実施
例を説明する。
【0020】透明なガラス基板の一方7の上に、スパッ
タ法によりクロム膜を形成し、次に、ホトリソグラフィ
法によりゲート電極12と共通電極1をパターン化した
(図7(a))。その後、その上にCVD法により窒化
シリコン(SiN)からなるゲート絶縁膜2を形成し
(図7(b))、更にその上に同じくCVD法により、
表面層がn型非晶質シリコン(a−Si)膜であるa−
Si13を作製した(図7(c))。a−Si13の一
部を覆い薄膜トランジスタを形成するようにクロムから
なる信号電極(ドレイン電極)3及び画素電極4を、ス
パッタ法,ホトリソグラフィ法により形成した(図7
(d))。その上に、SiNからなる絶縁保護膜5を形
成した(図8(e))。その後、その上に遮光層22と
顔料のカラーフィルタ23cを形成し、更にその上に表
面平坦化用の樹脂23bをスピンコートした(図8
(f))。遮光層22としてはキャボット社製カーボン
微粒子(MONARCH800,粒径16nm)を1重量%混合し
たエポキシ樹脂を用いた。カラーフィルタの発色用顔料
は赤,緑,青の3原色に対してそれぞれフジハント社製
CR−6101,CG−5101,CB−6101を用
いた。スピンコートにより塗布し、85℃でプリベーク
した後、露光,現像を行い、最後に200℃でポストべ
ークして膜状のカラーフィルタを形成した。本実施例で
は、発色層として顔料を用いたが、本発明によればその
後の配向膜形成プロセスで高温に加熱する必要がないた
め、耐熱性の低いより色の鮮やかな染料タイプの発色剤
を使用しても良い。また、遮光層用材料としても本実施
例ではカーボンブラック微粒子のような液晶の比抵抗を
低下させる汚染源となる可能性のある材料を用いたが、
横電界方式そのものが汚染に強いため問題ない。むし
ろ、カーボンブラック微粒子は遮光率に極めて優れるた
め、より高い画質が実現出来る。もちろん、カーボンブ
ラック微粒子以外の顔料や染料等の他の絶縁製遮光剤を
用いてもなんら問題はない。またその上の平坦化用の樹
脂はエポキシ樹脂を用いたがこちらもこの材料に限定さ
れるものではない。次に、溶剤可溶型のポリイミド前駆
体であるRN−1046(日産化学社製)の溶液24a
をスピンコート法により塗布した(図8(g))。本実
施例では塗布方法としてスピンコート法を採用したが、
凸版印刷,オフセット印刷,スクリーン印刷等の各種の
印刷法,ロールコーティング法,ディップ法等均一な膜
厚に塗布出来る方法であればこれに限るものではない。
その後、この溶液を200℃まで加熱し、30分放置し
溶剤を除去した。このようにして緻密なポリイミド配向
膜24bを得た(図8(h))。次に、ラビングローラ
(24(c))に取り付けたバフ布(24(d))で、
この表面をラビング処理し、配向膜表面に液晶配向能を
付与した(図9(i))。本実施例では配向能を付与す
る方法として、ラビング法を採用したが、それ以外の例
えばSiO斜方蒸着も利用出来る。次に、同様の材料と
プロセスで配向膜表面に液晶配向能を付与した対向側の
基板と、それぞれの液晶分子配向能を有する表面24
(e)どうしを相対向させて、ポリマビーズからなるス
ペーサと周辺部のシール剤27とを介在させてセルを組
み立てた(図9(j))。このセルに液晶組成物6を真
空で注入し、紫外線硬化型樹脂からなる封止剤28で封
止した(図9(k))。その後、このセルに駆動回路,
偏光板,バックライト等を接続してモジュール化し、1
0.4 インチサイズの液晶表示装置を得た。
【0021】次にこのようなプロセスで得た液晶表示装
置の構成について、より詳細に説明する。
【0022】上下界面上のラビング方向は互いにほぼ平
行で、かつ印加電界方向とのなす角度を88度(φLC1
=φLC2=88°)とした。これらの基板間に挟まれた
ネマチック液晶組成物の誘電率異方性Δεは正でその値
が9.0(1kHz,20℃)であり、屈折率異方性Δn
は0.0819(n=1.5603,n=1.478
4、但し波長589nm,20℃)である。液晶層の厚
み(ギャップ)dは球形のポリマビーズを基板間に分散
して挾持し、液晶封入状態で3μmから10μmの間を
1μmずつの8個の液晶表示装置を作製した。また、同
一の配向膜材料を同一プロセスでガラス基板上に形成
し、結晶回転法で液晶分子長軸のプレチルト角を測定し
たところ、20度であった。横電界型液晶表示装置にお
けるリターデーション(R)は0.28 から0.36μ
m の間が望ましいが、中間をとってRを0.32μm
として数1の計算からΔn′は0.0743となり、
d′は4.3μmとなる。
【0023】次に2枚の偏光板〔日東電工社製G122
0DU〕でパネルを挾み、一方の偏光板の偏光透過軸を
ラビング方向より若干小さな角度、即ちφP1=80°
(即ち、|φLC1−φP1|=8°)に設定し、他方をそれ
に直交、即ちφP2=−12°とした。これにより、画素
に印加される電圧VLCをゼロから徐々に増大させるにし
たがい明るさが減少し最小値をとる特性(図4)を得
た。本実施例では低電圧(VOFF)で暗状態,高電圧(V
ON)で明状態をとるノーマリクローズ特性を採用した。
【0024】薄膜トランジスタ及び各種電極の構造を図
3に示し、詳細に説明する。図3(a)は基板面に垂直
な方向から見た正面図、図3(b),(c)は側断面図を
表す。薄膜トランジスタ素子14は画素電極(ソース電
極)4,信号電極(ドレイン電極)3,走査電極(ゲー
ト電極)12、及びアモルファスシリコン13から構成
される。共通電極1と走査電極12、及び信号電極3と
画素電極4とはそれぞれ同一の金属層をパターン化して
構成した。容量素子16は、2本の共通電極1の間を結
合する領域(図3において点線で示した)において画素
電極4と共通電極1で絶縁保護膜2を挟む構造として形
成した。画素電極は正面図(図3(a))において、2本の
共通電極1の間に配置されている。画素ピッチは横方向
(すなわち信号配線電極間)は69μm、縦方向(すな
わち走査配線電極間)は207μmである。電極幅は、
複数画素間にまたがる配線電極である走査電極,信号電
極,共通電極配線部(走査配線電極に平行(図3で横方
向)に延びた部分)を広めにし、線欠陥を回避した。幅
はそれぞれ10μmである。一方、開口率向上のために
1画素単位で独立に形成した画素電極、及び共通電極の
信号配線電極の長手方向に伸びた部分の幅は若干狭く
し、それぞれ5μm,8μmとした。これらの電極の幅
を狭くしたことで異物等の混入により断線する可能性が
高まるが、この場合1画素の部分的欠落ですみ線欠陥に
は至らない。加えて、更にできるだけ高い開口率を実現
するために絶縁膜を介して共通電極と信号電極を若干
(1μm)重ねた。これにより、信号配線に平行な方向の
ブラックマトリクスは不要になる。そこで図3(c)に
示されているように、走査配線電極方向のみ遮光するブ
ラックマトリクス構造とした。このようにして、共通電
極と画素電極とのギャップが20μm,開口部の長手方
向の長さが157μmとなり、44.0% の高開口率が
得られた。画素数は640×3本の信号配線電極と48
0本の配線電極とにより640×3×480個とした。
複数画素から構成されるパネルの部分を図5,図6に示
す。図5ではブラックマトリクスを省略し、図6ではブ
ラックマトリクスで遮光した状態を示した。
【0025】次に、回路構成及び駆動波形にいついて説
明する。各走査配線12および各信号配線3にはそれぞ
れ走査電極駆動用回路18および信号電極駆動用回路1
9を接続した。また、共通電極1にも共通電極駆動用回
路20を接続した(図10)。信号電極3には情報を有す
る信号波形が印加され、走査電極12には走査波形が信
号波形と同期をとって印加される。信号電極3から薄膜
トランジスタ14を介して画素電極4に情報信号が伝達
され、共通電極1との間で液晶部分に電圧が印加され
る。図11には駆動電圧波形の具体例を示す。なお、本
実施例の場合の振幅は、 VD-CENTER=14.0,VGH=28.0,VGL=0,VDH
=15.1,VDL=12.9,VCH=20,4,VCL
4.39 に設定し、その結果、ゲート電極とソース電極の間の寄
生容量による飛込み電圧ΔVGS(+),ΔVGS(-),画素電
極にかかる電圧VS ,液晶にかかる電圧VLCは下表のよ
うになった。なお、電圧の単位は以後すべてボルトとす
る。
【0026】
【表1】
【0027】図4に示すVON,VOFF はそれぞれ9.1
6ボルト,6.85ボルトとなった。プレチルト角が大
きくなった効果として、配向の不均一性がなくなり、表
示の均一性も高まった。表示性能を光電光度計で測定し
たところ、図15に示すように、VON時の透過率が液晶
層の厚み3μmから10μmの間でほぼ均一の35%
で、液晶層の厚み差による表示むらも一切見られず、均
一性の高い表示が得られた。
【0028】〔実施例2〕実施例1のポリイミド配向膜
のRN−1046の代わりに、8Tシラン(信越化学
製)を2部とPIQ(日立化成製)98部の配向膜に変
えた以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作製
した。このプレチルト角は30度であった。数1の計算
からΔn′は0.0635となり、d′は5.0μmとな
る。実施例1と同様にして評価したところ、図15に示
すようにプレチルト角が大きい分だけ透過率は40%に
増加したものの、液晶層の厚みによる変動は少なかっ
た。表示むらも一切見られず、均一性の高い表示が得ら
れた。
【0029】〔実施例3〕実施例1のポリイミド配向膜
のRN−1046の代わりに、LQ−1800(日立化
成製)に変えた以外は、実施例1と同様にして液晶表示
装置を作製した。このプレチルト角は10度であった。
数1の計算からΔn′は0.0795 となり、d′は
4.0μm となる。実施例1と同様にして評価したとこ
ろ、図15に示すようにプレチルト角が小さい分だけ透
過率は30%と減少したものの、液晶層の厚みによる変
動は少なかった。液晶層の厚み差による表示むらも一切
見られず、均一性の高い表示が得られた。
【0030】〔実施例4〕実施例1のポリイミド配向膜
のRN−1046の代わりに、RN−799(日産化学
社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして液晶表示
装置を作製した。このプレチルト角は6度であった。数
1の計算からΔn′は0.0821 となり、d′は3.
9μm となる。実施例1と同様にして評価したとこ
ろ、図15に示すようにプレチルト角が小さい分だけ透
過率は26%と減少したものの、液晶層の厚みによる変
動は少なかった。液晶層の厚み差による表示むらも一切
見られず、均一性の高い表示が得られた。
【0031】〔実施例5〕実施例1と同様にポリイミド
配向膜を用い、本実施例ではカラーフィルタを対向基板
側に形成した。本実施例の液晶表示装置の断面模式図を
図12に示す。対向側基板7の上に、複数の色を有する
カラーフィルタ23cを積層し、複数の色の境界がマト
リクス基板上の遮光層22の真上に配置されている。遮
光部の幅は50μmと一般的な液晶パネル組立て装置の
基板間のアライメント精度の3〜10μmに比べて大変
に広いため、極めて簡便に組み立てられる。また、本実
施例のカラーフィルタは、富士写真フィルム社製のポジ
型フィルム(FUJICHROME,PROVIA, 100DAYLIGHT, RDP II1
35)に1回の光照射で複数の色のパターンを形成して作
製した。フィルムはあらかじめ2枚の保護フィルムの間
に複数の発色層を有し、そのため液晶表示装置として必
要な色のパターンに対応したフォトマスクを通して光を
照射すれば、1回の光照射でカラーフィルタが得られ
る。この、カラーフィルタを対向基板の上にエポキシ系
接着剤により加圧しながら室温で接着した後、実施例1
と同様にして液晶表示装置を作製した。この装置の特性
を評価したところ、実施例1と同様な結果が得られ、液
晶層の厚み差による表示の色むらも一切見られず、均一
性の高い表示が得られた。このようなポジ型フィルムか
ら作製したカラーフィルタの色調は非常に鮮やかで、こ
れを用いた本発明の液晶表示装置の色も鮮やかになっ
た。
【0032】なお、本実施例では発色層を保護フィルム
の間にサンドイッチしたものを用い、カラーフィルタパ
ターンを形成した後にガラス基板と接着したが、初めか
らガラス基板上に発色層を形成してもよい。また、光露
光は1回が製造コストの点では望ましいが、複数回行っ
てもよい。
【0033】〔実施例6〕実施例1と同様にポリイミド
配向膜を用い、本実施例では、Kodak 社製のポジ型フィ
ルムEKTACHROME DYNA 100 を用いて実施例5と同様のプ
ロセスでカラーフィルタを作製した。また、カラーフィ
ルタのパターンの中に遮光層を備え、アクティブ素子内
には遮光層を形成しなかった。図14は本実施例のカラ
ーフィルタ内の遮光層の配列を示す。図14(a)は側
断面を、図14(b)は正面から見たときのパターンを
表す。
【0034】実施例1と同様に液晶表示装置を作製し、
特性を評価したところ実施例1と同様な結果が得られ、
液晶層の厚み差による表示の色むらも一切見られず、均
一性の高い表示が得られた。実施例4と同じく、このよ
うなポジ型フィルムから作製したカラーフィルタの色調
は非常に鮮やかで、これを用いた本実施例の液晶表示装
置の色も鮮やかになった。
【0035】〔比較例1〕実施例1のポリイミド配向膜
のRN−1046の代わりに、PIQ(日立化成製)に
変えた以外は、実施例1と同様にして液晶表示装置を作
製した。このプレチルト角は1.0度であった。数1の
計算からΔn′は0.0865となり、d′は3.7μm
となる。実施例1と同様にして評価したところ、図1
5に示すようにプレチルト角が非常に小さいため透過率
は7%から24.5% まで変化し、液晶層の厚みによる
変化量は大きかった。液晶層の厚み差の変動による表示
の色むらが目立った。
【0036】〔比較例2〕実施例1のポリイミド配向膜
のRN−1046の代わりに、RN−718(日産化学
社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして液晶表示
装置を作製した。このプレチルト角は4度であった。数
1の計算からΔn′は0.0842 となり、d′は3.
8μm となる。実施例1と同様にして評価したとこ
ろ、図15に示すようにプレチルト角が非常に小さいた
め透過率は14%から26%まで変化し、液晶層の厚み
による変化量は大きかった。液晶層の厚み差の変動によ
る表示の色むらが目立った。
【0037】以上実施例1から4により、横電界型の液
晶表示装置において、大きなプレチルト角を採用するこ
とにより、液晶層の厚みに対する裕度が増大し、表示む
らのない高画質の液晶表示装置が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明のように、横電界型の液晶表示装
置に高プレチルト角を導入することにより、液晶の屈折
率異方性(Δn)の選択性が不要で、液晶層の厚みが拡
大し、いわゆる製作プロセスに余裕度が増大し、表示む
らのない高画質の液晶表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置における液晶の動作を示
す説明図。
【図2】電界方向に対する、界面上の分子長軸配向方向
(ラビング方向)φLC,偏光板偏光軸方向φP のなす角
を示す説明図。
【図3】本発明の薄膜トランジスタ,電極,配線の構造
を示す説明図。
【図4】本発明の電気光学特性図。
【図5】本発明の表示装置の複数画素の配置を示す説明
図。
【図6】本発明の表示装置の複数画素の配置を示す説明
図。
【図7】本発明の表示装置の製造プロセスを示す工程
図。
【図8】本発明の表示装置の製造プロセスを示す工程
図。
【図9】本発明の表示装置の製造プロセスを示す工程
図。
【図10】カラーフィルタを搭載した本発明の液晶表示
装置の側断面図。
【図11】本発明のカラーフィルタの製法を示すタイミ
ングチャート。
【図12】本発明のカラーフィルタの別の実施例の説明
図。
【図13】本発明の回路図。
【図14】本発明の別の駆動波形図。
【図15】本発明の測定結果を示す説明図。
【符号の説明】
1…共通電極、2…ゲート絶縁膜、3…信号電極、4…
画素電極、7…基板、12…走査電極、13…アモルフ
ァスシリコン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平方 純一 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 近藤 克己 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 米谷 慎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極と駆動手段と配向膜と偏光板とからな
    る液晶素子のうち、一方の基板上には画素電極が形成さ
    れており、他方の基板上には電極が形成されてなく、前
    記画素電極が液晶層に主として基板面に平行な電界を印
    加する構造を有する横電界駆動型の液晶表示装置におい
    て、前記画素電極基板と非画素電極基板との間に挟まれ
    た液晶分子と前記基板の界面とのなす角が5度以上30
    度以下であり、液晶層の厚みが4μmを越え10μm以
    下であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記画素電極基板及び
    非画素電極基板上に形成した配向膜をラビングし、互い
    のラビング方向をほぼ平行になるように組合せ、それぞ
    れの基板の外側に偏光板を設け、偏光板の偏光軸を互い
    に直交させて複屈折型の表示モードとした液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1あるいは2において、前記画素電
    極基板上にアクティブ素子が形成されている液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1あるいは2において、非画素電極
    基板上にRGBのカラーフイルタが形成されている液晶
    表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1あるいは2において、前記画素電
    極基板が櫛歯状に形成されている液晶表示装置。
JP15435195A 1995-06-21 1995-06-21 液晶表示装置 Pending JPH095701A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100321950B1 (ko) * 1998-06-02 2002-02-04 가네꼬 히사시 액티브 매트릭스형 액정 디스플레이
US7961263B2 (en) 1997-11-20 2011-06-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Liquid crystal displays and manufacturing methods thereof
JP2014095838A (ja) * 2012-11-09 2014-05-22 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2015064397A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 スタンレー電気株式会社 液晶表示素子

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