JPH0956799A - 自己再生型吸着剤 - Google Patents

自己再生型吸着剤

Info

Publication number
JPH0956799A
JPH0956799A JP7240976A JP24097695A JPH0956799A JP H0956799 A JPH0956799 A JP H0956799A JP 7240976 A JP7240976 A JP 7240976A JP 24097695 A JP24097695 A JP 24097695A JP H0956799 A JPH0956799 A JP H0956799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
zeolite
alumina
silica
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7240976A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Hanamoto
花本哲也
Yasuhiro Tajima
康宏 田島
Kiyoto Otsuka
清人 大塚
Eiji Tanaka
田中栄治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Chemical Co Ltd filed Critical Kuraray Chemical Co Ltd
Priority to JP7240976A priority Critical patent/JPH0956799A/ja
Publication of JPH0956799A publication Critical patent/JPH0956799A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は無機多孔性物質であるシリカゲル、ゼ
オライト、アルミナ及びシリカアルミナからなる群より
選ばれた一種または二種以上の混合物に鉄、クロム、ニ
ッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、マグネシウム
及びカルシウムからなる群より選ばれた金属の一種また
はそれ以上を含む金属酸化物を、0.1 〜20重量%担持さ
せた自己再生型吸着剤であり、更にこれらの組成物を電
熱媒体に塗布した吸着剤である。ここで、金属酸化物の
担体としてはシリカ/アルミナモル比が5以上のゼオラ
イトが好ましく、10以上のゼオライトがより好ましい。 【効果】本発明の悪臭吸着剤は加熱により吸着性を回復
し繰り返し使用できる特性を有し、家庭用電機器具等で
発生する微量のアンモニア、メルカプタン、アミン、ア
ルデヒド、硫化水素及び低級カルボン酸等の悪臭の除去
性に優れている。特に冷蔵庫の除霜用ヒーターや生ゴミ
処理器の加熱用ヒーター等に塗布して使用し、定期的な
加熱で悪臭成分を分解し吸着性を再生して半永久的に使
用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自己再生機能を有す
る吸着剤に関するものである。更に詳しく述べると吸着
剤が冷蔵庫の内部や生ゴミ処理器等で発生した悪臭を吸
着した場合、加熱することによって吸着剤と特定の金属
酸化物の相互作用で吸着した悪臭物質を分解、除去して
吸着性を回復する性質が優れた自己再生型の吸着剤であ
る。
【0002】
【従来の技術】近年生活環境の変化に伴い生活空間に存
在する微量のアンモニア、メルカプタン、アミン、アル
デヒド、硫化水素及び低級カルボン酸等の悪臭ガス除去
についての関心が高まっている。これらの悪臭ガスを除
去して快適な生活環境を維持するために脱臭剤が要求さ
れ、家庭生活にもさまざまな悪臭ガス吸着剤が使用され
ている。
【0003】例えば、冷蔵庫の内部で発生するさまざま
な悪臭や、生ゴミ処理器を使用する際に発生する臭気を
除去する方法として、実用的なものについて次の様なも
のが挙げられる。
【0004】先ず活性炭等の吸着剤を利用し、原理的に
は物理吸着作用を利用して除去する方法がある。活性炭
は無極性吸着剤として極めて優れた吸着性を示す特異な
物質で、殆ど全てのガス状物質に対して高い吸着性を示
す。しかし、通常の活性炭のみでは、前記悪臭の中でア
ンモニアや低級脂肪族アルデヒドを充分に除去すること
は困難である。また、飽和吸着に達すると吸着剤の寿命
が切れるので、定期的に交換することが必要となる。
【0005】活性炭以外の吸着剤としてはシリカゲル、
活性アルミナ、ゼオライト、活性白土及び合成樹脂等さ
まざま存在するが、いずれも吸着容量は活性炭に及ばな
い。また、その表面が通常親水性のため、水分を含んだ
悪臭ガス中からは水分が優先的に吸着されるので、悪臭
ガスが充分に除去されない場合がある。
【0006】オゾンを用いる場合には、有害なオゾンが
系外に洩れない様に装置を工夫する必要があり、またオ
ゾン発生管の設置も必要なため装置のコストが高くな
る。更に装置の容積が大きく非常に嵩張るため、スペー
スが有効に利用できない欠点がある。
【0007】一方、吸着された悪臭物質を貴金属触媒を
担持した吸着剤により、高温で酸化分解し吸着剤を完全
に再生する方法が知られている。この場合に使用される
貴金属としては白金およびパラジウムが知られている。
白金およびパラジウムは比較的低温で他の物質を酸化分
解させる能力が高いため特に適しているが、価格が極め
て高価であるという問題点を有していた。この方式を利
用した例として以下のものが挙げられる。先ず、特開平
2-213080号公報には白金化合物及び活性アルミナ等から
なる触媒被覆層を用いた加熱装置が開示されている。こ
の用途は電気ストーブや電気こたつ等常時加熱されてい
る家電製品であるため、吸着剤の性能が充分に発揮され
ない場合が多い。固体の物理吸着作用は一般に温度が上
昇する程低下するからである。
【0008】また、特開平2-275277号公報には白金触媒
を含む脱臭剤で除霜用ヒーターを被覆した貯蔵庫の脱臭
装置の例が、実開平4-4683号公報には臭気吸着剤及び酸
化促進剤を混入した脱臭材料を塗布した脱臭器付き冷蔵
庫の例が開示されている。しかし、これらの公報中には
具体的な悪臭ガスを用いた除去試験の記載がなく悪臭除
去作用の詳細が不明である。
【0009】高温酸化分解方式の場合、吸着剤として難
燃性の無機化合物を用いる必要があるが、前述の様に一
般に無機系吸着剤の吸着容量は活性炭等に較べ小さいと
いう欠点があり、無機系吸着剤のみでは悪臭ガスを充分
に除去することができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は日常の生活空
間に存在する微量の悪臭成分の除去を目的としたもの
で、これらの悪臭成分に対して充分な吸着作用を有する
と共に吸着した悪臭成分をヒーター等で加熱することに
より、吸着性を回復する機能を有する自己再生型の吸着
剤を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は悪臭成分の
酸化分解能力が高い金属あるいは金属酸化物を求めて種
々研究した結果、鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マ
ンガン、亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムからな
る群より選ばれた金属の一種またはそれ以上を含む金属
酸化物が、この目的に適していることが分かった。また
上記の金属酸化物を担持したシリカゲル、ゼオライト、
アルミナ及びシリカアルミナからなる群より選ばれた多
孔体は、悪臭成分の酸化・分解性能力が優れていること
を見出した。更に脱臭剤の組成及び加熱媒体についても
検討した結果本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明は無機多孔性物質である
シリカゲル、ゼオライト、アルミナ及びシリカアルミナ
からなる群より選ばれた一種または二種以上の混合物に
鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、
銅、マグネシウム及びカルシウムからなる群より選ばれ
た金属の一種またはそれ以上を含む金属酸化物を、0.1
〜20重量%担持させた自己再生型吸着剤であり、更にこ
れらの組成物を電熱媒体に塗布した吸着剤である。ここ
で、金属酸化物の担体としてはシリカ/アルミナモル比
(以下、シリカ/アルミナ比という)が5以上のゼオラ
イトが好ましく、10以上のゼオライトがより好ましい。
【0013】ここで、金属酸化物の担持量は金属純分に
換算して示したものである。また自己再生型吸着剤と
は、吸着剤に悪臭物質を吸着させた後加熱することによ
り、悪臭成分が酸化分解されて吸着性を回復する機能を
有する吸着剤をいう。
【0014】以下本発明について詳しく説明する。
【0015】本発明の吸着剤において金属酸化物の担体
として使用される無機多孔性物質としては、シリカゲ
ル、ゼオライト、アルミナ及びシリカアルミナからなる
群より選ばれた一種または二種以上の混合物が使用され
る。
【0016】本発明に使用されるシリカゲルは、ケイ酸
コロイド溶液を凝固させて製造された吸着剤で、主成分
は二酸化ケイ素で細孔構造を有し、90〜500 m2/gの比表
面積を持ち、通常 0.1 ml/g 以上の細孔容積を持ち高い
吸着性を有する。その細孔容積、粒度、形状は特に限定
せず使用可能である。
【0017】本発明に使用されるゼオライトはアルミノ
ケイ酸塩で、三次元骨格とその間隙に形成された細孔構
造を有する物質である。100 m2/g以上に達する大きな比
表面積と、それに基づく高い吸着性を有する。その組
成、構造は特に限定せず、天然品、合成品の何れも使用
できる。また細孔容積、粒度、形状は特に限定せず使用
可能であるが、比表面積が 100 m2/g 以上で、粒度は50
メッシュ以下(粒子径約0.3 mm以上) が好ましい。
【0018】ゼオライトは前述の様に、主としてアルカ
リまたはアルカリ土類金属のアルミノ珪酸塩からなり、
メタン型構造のSiO2四面体とAlO4四面体が互いに1個づ
つの炭素原子を共有した形の、規則性がある大きな空洞
をもった三次元の骨格構造を形成している。
【0019】ゼオライトの骨格を形成している酸素の環
状構造により、ゼオライトは3〜10Åの範囲の一定した
孔径をもっていて、この細孔構造に基づく吸着性及び分
子篩性をもっている。特に一定の組成で均一な孔径を有
する様に合成され、一定の大きさの分子のみを選択的に
吸着する性質を付与されたゼオライトは、特に「モレキ
ュラーシーブ」と呼ばれ、各種の孔径を有する「モレキ
ュラーシーブ」が市販されていて、本発明の吸着剤の担
体として使用可能である。
【0020】本発明に使用されるアルミナは酸化アルミ
ナを主成分としたもので、多孔構造を有し、通常細孔容
積が 0.3ml/g以上で高い吸着性を示す。細孔容積、粒
度、形状は特に限定せず使用可能である。
【0021】またシリカアルミナの化学的組成は SiO2
及び Al2O3からなり、シリカゲルとアルミナゲルを複合
した多孔性構造を有し高い吸着性を示す。通常石油精製
用の触媒として使用される場合が多いが、本発明の担体
としても使用できる。
【0022】前述の担体として使用される物質は、いず
れも多孔性構造と大きい比表面積を有し高い吸着性を示
す。特に比表面積が 100 m2/g 以上、より好ましくは 1
00〜1500 m2/g である担体が好ましい。これらの担体も
活性炭と同様に粉末状、破砕状、円柱状、球状、繊維状
及びハニカム状のいずれの形状でも使用できる。
【0023】更に、前述の担体であるシリカゲル、ゼオ
ライト、アルミナ、及びシリカアルミナは一種類のみで
使用することもできるが、二種類或いはそれ以上を混合
して使用することも可能である。
【0024】本発明の吸着剤としては、ゼオライトのシ
リカ/アルミナ比が5以上好ましくは6以上のハイシリ
カゼオライトが好ましく、更にシリカ/アルミナ比が10
以上のいわゆる疎水性ゼオライトがより好ましい。
【0025】ゼオライトは結晶状アルミノ・シリケート
の含水アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩で、そ
の組成は Me2/n O・Al2O3 ・xSiO2 ・yH2O (ここでMe;
Na,K,Ca 等、n;Meの原子価、x,y;整数) で表示され、こ
こでSiO2のAl2O3 に対するモル比すなわち x がシリカ
/アルミナ比に相当する。この組成物は三次元骨格とそ
の間隙に形成された細孔構造を有する多孔性物質で、10
0 m2/g 以上の比表面積とそれに基づく高い吸着性を有
する。かなり広範囲の組成、細孔径、細孔容積を有する
ものが含まれ、天然品及び合成品がある。ゼオライトの
構造および性質ははシリカ/アルミナ比で決定される。
【0026】主なゼオライトのシリカ/アルミナ比を次
に示す。ホウフッ石;2、ダクフッ石;2、ソーダフッ
石;1、トムソンフッ石;1、エジントンフッ石;1.5
、ソーダライト;1、カンクリナイト;1、グメリナ
イト;2、シャバサイト;2、エリオナイト;3、オフ
レタイト;3.5 、ゼオライトL;3、キフッ石;2.5 、
ブリュースターフッ石;3、モルデナイト;5、フェリ
エライト;5、ビキタイト;2、ホージャサイト;2.3
、ゼオライトA ;1である。本発明でいうシリカ/ア
ルミナ比が4以上のゼオライトとはモルデナイト、フェ
リエライト等を指す。
【0027】本発明ではシリカ/アルミナ比が5以下の
ゼオライトを原料とし骨格内アルミニウムを除去、或い
ははシリコンに置換したシリカ/アルミナ比が5以上の
ゼオライトを使用してもよい。シリカ/アルミナ比を増
加させる方法としては、例えばゼオライトを鉱酸で煮沸
処理することによりゼオライトの骨格内のアルミニウム
を溶出させる方法、ゼオライトを水熱処理することによ
り骨格内のアルミニウムを脱離させる方法或いは、ゼオ
ライトに EDTA (エチレンジアミン四酢酸)をソックス
レー抽出管などを用いて徐々に添加することにより骨格
内のアルミニウムを脱離させる方法等が挙げられる。本
発明の金属酸化物の担体としては前述の様にシリカ/ア
ルミナ比が 10 以上のいわゆる疎水性ゼオライトが最も
適している。
【0028】疎水性ゼオライトは前述の様に、通常のゼ
オライトに特殊な化学的処理を施して表面に疎水性を付
与し悪臭物質の吸着量を増大させたもので、ゼオライト
の組成であるアルミノシリケート中のシリカの含有量を
高めたハイシリカゼオライトである。
【0029】例えば、ゼオライトZSM-5 等の ZSM シリ
ーズやシリカライト、または既存のY 型ゼオライトなど
をスチーム処理等で脱アルミニウムした超安定型のY 型
ゼオライト (US-Y) 等が含まれる。シリカ/アルミナ比
は少なくとも 10 以上であるのがよく、好ましくは200
以上であるのがよい。具体的には特開昭64-85113号公報
記載の、シリカ/アルミナ比が 200〜500 で細孔径 6.2
A 以上のシリカライトまたは、脱アルミニウム処理し
たY 型ゼオライトである疎水性ゼオライトやCosmetics
& Toiletries誌 109 巻 (1994) P.77〜82 記載の米国
UOP社製の疎水性モレキュラーシープ型脱臭剤「アブセ
ンツ」及び「スメルライト」等が適している。
【0030】本発明では、特定の金属酸化物を特定の無
機多孔体に0.1 〜10%担持させる必要がある。前述の無
機多孔体に金属酸化物を担持するには例えば、水溶性の
金属塩を使用して水溶液を調製し、その所定量を多孔体
に含有させた後高温で熱分解することにより、目的とす
る金属酸化物を多孔体に担持することができる。次に添
着方法を具体的に記載すると、所定量の金属塩を溶解し
た水溶液に、粒状、ハニカム状或いは繊維状等の多孔体
を入れて攪拌し、金属塩を充分吸着させた後液切りし、
200 ℃で乾燥する。或いは所定濃度の水溶液を活性炭に
振りかけて吸収させ、これを乾燥熱処理することによっ
ても得られる。金属酸化物の担持量は0.1 〜10%とする
必要があるが、担持量はこの範囲内の中0.5 〜5%の場
合がより好ましい。
【0031】金属酸化物の担持量が0.1 %以下の場合は
触媒活性が不充分であり、また10%以上になると添着量
が多いわりに触媒性が向上せず、また活性炭自体の吸着
性能が阻害される。これらの点を考慮すれば、添着量は
10%以下とする必要がある。金属酸化物の担持量の調節
は、水溶液中の金属酸化物の濃度と多孔体の量との比率
を変更することにより行われる。
【0032】金属塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸
鉛、炭酸塩等の無機酸塩や、酢酸塩、蓚酸塩、蟻酸塩等
の有機酸塩、或いは水酸化物も使用可能で、これらの塩
の混合物も使用可能である。また塩の対イオンの酸とし
ては塩酸、硝酸、酢酸、蟻酸等の酸を添加した水溶液で
使用することが出来る。
【0033】担持させる金属酸化物としては鉄、クロ
ム、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、マグネ
シウム及びカルシウムからなる酸化物の群から選ばれた
一種またはそれ以上を含む必要がある。またこれらの金
属酸化物は担持量は0.1 〜20重量%である必要がある。
【0034】多孔体に添着した金属塩を金属酸化物にす
るためには熱処理が必要であるが、触媒性能を高めるた
めには処理温度は200 ℃以下、好ましくは150 ℃以下に
するのがよい。また、触媒の接着強度等を上げるために
は必要に応じて300 ℃以上で熱処理を行ってもよい。本
発明の自己再生型吸着剤は担持した金属塩を完全に金属
酸化物にする必要はなく、非晶質金属酸化物を含有する
場合でも酸化触媒としての機能を保持している。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の吸着剤を調製するには、
前述の金属酸化物を担持した無機多孔体を常法に従って
スラリー化し、ヒーター装置等の電熱媒体の表面にコー
ト層を形成して調製される。スラリーはこれらの金属化
合物を担持したゼオライト等に分散剤や界面活性剤、増
粘剤、バインダー等を加えて調製することができる。本
発明では板状あるいはハニカム状の無機多孔体に金属酸
化物を担持させ、常時加熱するか或いは再生時に加熱し
て使用される。
【0036】吸着剤を加熱する方法は特に限定されな
い。例えば吸着剤に 200℃以上の温風を吹きかけてもよ
く、或いは吸着剤を電熱加熱してもよい。本発明では吸
着剤を電熱媒体に塗布した場合熱が急速かつ効率良く電
熱媒体に伝わるため好ましく、また電熱媒体の表面はア
ルミニウム、ステンレス、耐熱ガラスまたはコージェラ
イト等が適している。加熱温度は触媒の存在下における
悪臭成分の分解温度を考慮して 200℃以上、好ましくは
250 ℃以上が好ましい。
【0037】ヒーター装置の電熱媒体の表面はアルミニ
ウム、ステンレス或いは、石英ガラス、結晶化ガラス等
の耐熱ガラス、またはコージェライト等のセラミックス
であることが好ましい。ヒーター装置の発熱部分はステ
ンレス、アルミニウム等からなるヒーターで、温度によ
って内部抵抗が変化し、約 200℃〜 400℃迄しか温度が
上昇しない PTCヒーターが好ましい。また、その他石英
ガラス管、結晶化ガラス管、またはセラミックス管、例
えばコージェライト管などに、ニクロム線やカンタル線
などの金属線をコイル状にしたものを内蔵したヒーター
装置も使用出来る。
【0038】これらのヒーターには例えば、冷蔵庫の除
霜用のヒーターや生ゴミ処理器の加熱用ヒーターを利用
するとよい。ヒーター装置に吸着剤を塗布する方法はス
プレー法やローラー法、浸漬法等の常法が利用できる。
また、場合によってはヒーター装置の材質と吸着剤のス
ラリーとの接着性を考慮して、その間に下塗り用コーテ
ィングを施してもよい。スラリーを電熱媒体に塗布した
後は、所定の温度で焼成することによって、その表面に
堅牢な吸着剤層を形成させることができる。
【0039】本発明の吸着剤は水分が含まれている雰囲
気においても、悪臭成分である微量のアンモニア、メル
カプタン、アミン、アルデヒド、硫化水素及び低級カル
ボン酸等に対して高い吸着性を示す。また、吸着剤は電
熱媒体に塗布されており、悪臭ガスを吸着した吸着剤を
一定時間毎に加熱することにより、金属酸化物の触媒作
用と多孔性物質の吸着性の相乗作用による強い酸化分解
作用により悪臭物質が除去され、悪臭ガスの吸着性が回
復する自己再生機能を持っている。これが本発明の吸着
剤の最も大きな特徴である。また本発明の吸着剤は、白
金及び/またはパラジウム化合物を用いた自己再生型吸
着剤と比較し格段に安価である。
【0040】本発明の脱臭剤の脱臭メカニズムは例え
ば、冷蔵庫等電化製品の場合次の様に考えられる。悪臭
ガスは水分が含まれた雰囲気においても悪臭成分に対し
て高い吸着容量を保持する無機多孔体例えばゼオライト
によって、常温以下の電化製品の操作温度領域で充分吸
着され、更に一定時間毎に自動的にヒーター装置に通電
されることによって、悪臭ガスを吸着した吸着剤の温度
が上昇し、金属酸化物の触媒作用と、これらの金属化合
物の担体である多孔性物質の吸着性の相乗作用によって
悪臭成分が酸化・分解され、二酸化炭素及び水等の無臭
の物質に変化されるためと考えられる。
【0041】これらの悪臭物質を触媒なしで完全に酸化
分解するためには、通常 600℃から千数百℃の高温が必
要であるが、本発明の吸着剤は前述の様に金属酸化物触
媒等の作用によって、 200℃〜 400℃程度の比較的低温
領域で悪臭物質を完全に酸化分解することができる。
【0042】更に、吸着された悪臭成分を完全に酸化分
解することによって、吸着容量がほぼ完全に使用前の状
態迄回復させることができる。従って、吸着剤の寿命は
半永久的であり交換の必要がない点に特徴がある。ま
た、本発明の吸着剤は常時高温に加熱されている場所で
使用してもよいが、常温あるいはそれ以下の温度で悪臭
物質を吸着し、周期的にヒーターに通電して高温で分解
する様な使用方法が特に適している。
【0043】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0044】(実施例1〜10)金属酸化物としては鉄、
クロム、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、マ
グネシウム及びカルシウムの酸化物を使用し、担体とし
てはシリカ/アルミナ比5のモルデナイトを 350メッシ
ュ(目開き 44 μm )以下に粉砕して使用した。金属酸
化物は次の様にして担体に担持させた。金属分 1g を含
む硝酸金属塩水溶液 100 ml をモルデナイト50g と混合
してよく攪拌し、3時間放置した後 130℃で4時間焼成
し金属酸化物担持モルデナイトを調製した(金属分とし
て2%担持)。
【0045】水 100g に分散剤としてラポート社のラポ
ナイト XLG 1.5部を加えた水溶液中に、先の金属酸化物
を担持したモルデナイト 25 部を加えてよく攪拌し、更
に m- キシレンスルホン酸ナトリウム4部及びプロピレ
ングルコール5部を加えて混合してスラリーを調製し
た。
【0046】直径 10 cmのパイレックスガラスチューブ
の外面にシリカ系のバインダーを塗布した上に、前記の
スラリーをローラー法で塗布した。このチューブを徐々
に昇温しながら 430℃で乾燥・加熱処理して吸着剤サン
プルを調製した。吸着剤の塗布量は1.0 g/本であった。
【0047】得られた吸着剤サンプルと、加熱時温度を
一定に保持できる PTCヒーターを30リットルのアクリル
製ボックス中にセットし、 100 ppmのメチルメルカプタ
ンを導入し、経過時間と除去率をガスクロマトグラフィ
ーを用いて測定した。120 分経過後吸着剤の表面温度が
400℃になる様にシーターに通電し、10分間保持して吸
着剤を再生した。
【0048】更にボックス内にメチルメルカプタンを導
入し濃度を100ppmにした。前記と同様に経過時間とメチ
ルメルカプタン除去率を測定した後再び加熱再生を行っ
た。この操作を10回廻り返し、10回目の経過時間と除去
率の関係を表1に示した。同様にトリメチルアミンにつ
いてもボックス内のトリメチルアミンの初期濃度を100p
pmとして試験をした。その結果を併せて表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】いずれの場合も良好な吸着性能を示した
が、メチルメルカプタン除去試験ではマンガン酸化物を
担持した吸着剤が優れており、トリメチルアミン除去試
験では銅酸化物を担持した吸着剤が優れた結果を示し
た。また、金属分としてマンガン1%、銅1%、を担持
した吸着剤はメチルメルカプタンおよびトリメチルアミ
ンの除去性能が共に良好であり優れた効果を示した。
【0051】(実施例11〜22)種々のシリカ/アルミナ
比を有するゼオライトを使用して、前記と同様に悪臭ガ
スの吸着及び再生試験を行った。その結果を表2に示
す。
【0052】
【表2】
【0053】ゼオライトのシリカ/アルミナ比が高くな
る程、悪臭ガスの吸着性及び再生機能が向上する傾向が
認められ、担体としてシリカ/アルミナ比 200のアブセ
ンツ使用した場合、最も優れた悪臭ガスの吸着性及び加
熱による再生機能を有することが認められた。
【0054】(実施例23〜26)金属酸化物の担体として
シリカゲル及び活性アルミナを使用して実施例1〜10と
同様に吸着剤を調製し、悪臭ガスの吸着及び再生試験を
行った。その結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】いずれの担体を使用した場合も良好な悪臭
ガスの吸着及び再生機能を有することを示している。
【0057】
【発明の効果】本発明の悪臭吸着剤は加熱により吸着性
を回復して繰り返し使用できる特性を有し、家庭用電機
器具等で発生する微量のアンモニア、メルカプタン、ア
ミン、アルデヒド、硫化水素及び低級カルボン酸等の悪
臭ガスの除去性に優れている。特に、冷蔵庫の除霜用ヒ
ーターや生ゴミ処理器の加熱用ヒーター等に塗布して使
用すると低温で内部に発生した悪臭成分を吸着し、定期
的な加熱により吸着した悪臭成分を分解してほぼ吸着性
を完全に再生できるため半永久的に使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカゲル、ゼオライト、アルミナ及び
    シリカアルミナからなる群より選ばれた一種または二種
    以上の混合物に鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マン
    ガン、亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムからなる
    群より選ばれた金属の一種またはそれ以上を含む金属酸
    化物を、0.1 〜20重量%担持せしめてなる自己再生型吸
    着剤。
  2. 【請求項2】 シリカゲル、ゼオライト、アルミナ及び
    シリカアルミナからなる群より選ばれた一種または二種
    以上の混合物に鉄、クロム、ニッケル、コバルト、マン
    ガン、亜鉛、銅、マグネシウム及びカルシウムからなる
    群より選ばれた金属の一種またはそれ以上を含む金属酸
    化物を、0.1 〜20重量%担持せしめた組成物を電熱媒体
    に塗布せしめてなる自己再生型吸着剤。
  3. 【請求項3】 ゼオライトのシリカ/アルミナモル比が
    5以上である請求項1及び2記載の自己再生型吸着剤。
  4. 【請求項4】 ゼオライトのシリカ/アルミナモル比が
    10以上である請求項1及び2記載の自己再生型吸着剤。
JP7240976A 1995-08-24 1995-08-24 自己再生型吸着剤 Pending JPH0956799A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7240976A JPH0956799A (ja) 1995-08-24 1995-08-24 自己再生型吸着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7240976A JPH0956799A (ja) 1995-08-24 1995-08-24 自己再生型吸着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0956799A true JPH0956799A (ja) 1997-03-04

Family

ID=17067468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7240976A Pending JPH0956799A (ja) 1995-08-24 1995-08-24 自己再生型吸着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0956799A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100416787B1 (ko) * 2001-03-21 2004-01-31 코스모산업 주식회사 염화물 및 황화물 제거용 흡착제
JP2005270459A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Nippon Gasket Co Ltd 脱臭剤及びその製造方法
JP2010022785A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Shinwa Corp 脱臭フィルタ
JP2013244421A (ja) * 2012-05-23 2013-12-09 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 有機溶剤の再生方法
JP2015023968A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 三菱電機株式会社 脱臭フィルター及びそれを搭載した設備機器
KR20180043825A (ko) * 2015-09-30 2018-04-30 후타무라 가가쿠 가부시키가이샤 유해 물질 함유액의 정화 처리 방법 및 이것을 실시하기 위한 유해 물질 함유액의 정화 처리 장치
US20180264405A1 (en) * 2015-09-30 2018-09-20 Futamura Kagaku Kabushiki Kaisha Ozone oxidative decomposition treatment method for vocs and/or gaseous inorganic reducing compounds in gas
US10207017B2 (en) 2013-07-25 2019-02-19 Mitsubishi Electric Corporation Deodorizer
JPWO2021229799A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18
CN114574026A (zh) * 2022-01-25 2022-06-03 武汉工程大学 一种改性沸石及基于改性沸石的水性膨胀型防火涂料

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100416787B1 (ko) * 2001-03-21 2004-01-31 코스모산업 주식회사 염화물 및 황화물 제거용 흡착제
JP2005270459A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Nippon Gasket Co Ltd 脱臭剤及びその製造方法
JP4543167B2 (ja) * 2004-03-25 2010-09-15 独立行政法人産業技術総合研究所 脱臭剤及びその製造方法
JP2010022785A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Shinwa Corp 脱臭フィルタ
JP2013244421A (ja) * 2012-05-23 2013-12-09 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 有機溶剤の再生方法
US10207017B2 (en) 2013-07-25 2019-02-19 Mitsubishi Electric Corporation Deodorizer
JP2015023968A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 三菱電機株式会社 脱臭フィルター及びそれを搭載した設備機器
KR20180043825A (ko) * 2015-09-30 2018-04-30 후타무라 가가쿠 가부시키가이샤 유해 물질 함유액의 정화 처리 방법 및 이것을 실시하기 위한 유해 물질 함유액의 정화 처리 장치
US20180264405A1 (en) * 2015-09-30 2018-09-20 Futamura Kagaku Kabushiki Kaisha Ozone oxidative decomposition treatment method for vocs and/or gaseous inorganic reducing compounds in gas
US10493423B2 (en) 2015-09-30 2019-12-03 Futamura Kagaku Kabushiki Kaisha Purification treatment method of liquid containing harmful substance, and purification treatment device of liquid containing harmful substance for carrying out said method
US10549235B2 (en) 2015-09-30 2020-02-04 Futamura Kagaku Kabushiki Kaisha Ozone oxidation decomposition treatment method for VOCs and/or gaseous inorganic reducing compounds in gas
JPWO2021229799A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18
WO2021229799A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 日揮ユニバーサル株式会社 冷蔵庫用脱臭触媒及びこれを用いた冷蔵庫用脱臭材
CN114574026A (zh) * 2022-01-25 2022-06-03 武汉工程大学 一种改性沸石及基于改性沸石的水性膨胀型防火涂料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0503500B2 (en) Catalytic body and process for producing the same
US5447701A (en) Gas purification method
JP5486497B2 (ja) 脱臭触媒及びこれを用いた脱臭方法並びに該触媒の再生方法
JPH0956799A (ja) 自己再生型吸着剤
JP3488496B2 (ja) 耐被毒脱臭光触媒
JP3722866B2 (ja) 疎水性脱臭材およびその再生方法
JPH0924272A (ja) 自己再生型吸着剤
JP2932456B2 (ja) 発熱体
JPH10165490A (ja) 脱臭体およびその製造方法
JPH0598185A (ja) 塗 料
JP3618186B2 (ja) 改良脱臭剤の製法
JPH07155611A (ja) 悪臭物質除去用触媒と除去方法
JPH08308917A (ja) 脱臭装置
JPH10137591A (ja) 酸化分解性脱臭触媒
JPH09154927A (ja) 脱臭体
JPH09299461A (ja) 脱臭体
JPH05146683A (ja) 触媒体およびその製造方法
JPH0631128A (ja) 脱臭方法
JPH119673A (ja) 硫黄化合物吸着体および硫黄化合物除去方法
JP3521091B2 (ja) 脱臭体
JPH10155882A (ja) 脱臭体
JPH0657172A (ja) 塗 料
JPH0598184A (ja) 塗 料
JPH08168649A (ja) 脱臭装置
JPH09108314A (ja) 脱臭体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040113