JPH0956146A - 磁気式ウォーム歯車およびその製造方法 - Google Patents

磁気式ウォーム歯車およびその製造方法

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JPH0956146A
JPH0956146A JP20862195A JP20862195A JPH0956146A JP H0956146 A JPH0956146 A JP H0956146A JP 20862195 A JP20862195 A JP 20862195A JP 20862195 A JP20862195 A JP 20862195A JP H0956146 A JPH0956146 A JP H0956146A
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magnetic
worm
thin film
teeth
wheel
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JP20862195A
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English (en)
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Haruo Nakazawa
治雄 中澤
Yasumasa Watanabe
泰正 渡辺
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Corporate Research and Development Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体プロセスなどに用いる薄膜形成,微細加
工技術を利用することにより、マイクロマシン用として
超小型,軽量化を可能にした磁気式ウォーム歯車,およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】周面に螺旋状の磁気歯を形成したウォーム
1と、ウォームと磁気的に噛み合うウォームホィール2
との組合わせからなり、磁気歯の相互間に働く磁力で動
力伝達を行う磁気式ウォーム歯車において、ウォームの
周面に配列した螺旋状の磁気歯,およびウォームの磁気
歯ピッチに合わせてウォームホィールの周面に配列した
磁気歯を、N極とS極が交互に並ぶよう着磁した薄膜磁
石3,4で形成する。そして、この薄膜磁石は、磁石材
料の磁性薄膜を成膜したフレキシブル基板をウォーム,
ウォームホィールの基体に巻きつけ、その磁気歯のパタ
ーンに合わせて前記磁性薄膜にN極,S極の着磁を施し
て形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周面に螺旋状の磁
気歯を形成したウォームと、ウォームと磁気的に噛み合
うウォームホィールとを組合わせ、磁気歯の相互間に働
く磁力を利用してウォームからウォームホィールへ大き
な減速比で動力伝達する磁気式ウォーム歯車、特にマイ
クロマシンに適用する超小型サイズの磁気式ウォーム歯
車,およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】頭記した磁気式ウォーム歯車として、図
9に示した構成のものが、IEEETRANSACSI
ONS ON MAGNETICS,VOL.29,N
O6,NOVENVER 1993,p2923〜29
25に「Design a−nd Character
istics of A New Magneti−c
Worm Gear Using Parmanen
t Magnet」で紹介されている。
【0003】図9において、1は永久磁石(例えばSmCo
5 のバルク永久磁石)で作られ樽形のウォーム、1aは
ウォーム1の駆動軸であり、ウォーム1のヨーク周面に
は螺旋状にN極,S極に着磁した永久磁石の磁気歯が交
互に配列している。また、2はウォーム1にギャップを
隔てて磁気的に噛み合わせた永久磁石で作られた皿形の
ウォームホィール、2aはウォームホィールに設けた従
動軸であり、前記ウォーム1の周面を包含するようにウ
ォームホィール2に形成した凹リング状の内周面にはウ
ォーム1の磁極歯ピッチに合わせてN極,S極に着磁さ
れた永久磁石の磁気歯が交互に並ぶように配列してい
る。
【0004】かかる構成で、ウォーム1を回転駆動する
と、ウォーム1の磁気歯とウォームホィール2の磁気歯
との間に作用する磁力でウォームホィール2が非接触式
に追随回転して動力が伝達される。また、その場合の減
速比はウォーム1の磁気歯条数とウォームホィール2の
歯数との比率で決まる。この磁気式ウォーム歯車は、通
常のウォーム歯車のような機械的な噛み合いがないの
で、ウォーム/ウォームホィール間の摩擦抵抗がゼロで
あり、高い動力伝達効率が得られる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】マイクロマシンに組み
込む駆動用アクチュエータ(モータ)には超小型化が要
求されるが、超小型のアクチュエータは発生動力も小さ
く、小さな発生動力でマイクロマシンを運転するにはそ
の動力伝達経路に減速比の大きな動力伝達用の歯車装置
が必要であり、この歯車装置には前記した磁気式ウォー
ム歯車の採用が有効である。
【0006】しかして、前記した従来の磁気式ウォーム
歯車は、ウォーム,ウォームホィールの磁気歯にバルク
永久磁石を使用して構成しているために、その製作には
手間がかかってコスト高となるほか、パルク永久磁石の
材料の脆さなどからサイズの大きなウォーム歯車しか製
作できず、例えはマイクロマシンに組み込む外径サイズ
がmmオーダーの超小型サイズのウォーム歯車を製作する
ことは技術的にも殆ど不可能である。
【0007】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、半導体プロセスなどに用いる薄膜形成,微細加
工技術を利用することにより、マイクロマシンなどの動
力伝達用として超小型化を可能にした磁気式ウォーム歯
車,およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、周面に螺旋状の磁気歯を形成した
ウォームと、ウォームと磁気的に噛み合うウォームホィ
ールとの組合わせからなり、磁気歯の相互間に働く磁力
で動力伝達を行う磁気式ウォーム歯車において、ウォー
ム,ウォームホィールの磁気歯を薄膜磁石で形成するも
のとし、具体的には次記のような形態で作られたウォー
ムとウォームホィールを適宜に組合わせで構成すること
ができる。
【0009】1)ウォームの周面に配列した螺旋状の磁
気歯を、表面にN極,およびS極を交互に配列して着磁
した2条の薄膜磁石で形成する。 2)ウォームの周面に配列した螺旋状の磁気歯を、表面
にN極,ないしS極のいずれかを着磁して磁性ヨーク上
に配列した1条の薄膜磁石で形成する。 3)ウォームホィールの磁気歯を、ウォームの磁気歯ピ
ッチに合わせてN極,およびS極を交互に並べて着磁し
た薄膜磁石で形成する。
【0010】4)ウォームホィールの磁気歯を、ウォー
ムの磁気歯ピッチに合わせてN極,ないしS極のいずれ
かに着磁した薄膜磁石で形成する。そして、前記構成の
磁気式ウォーム歯車は、本発明により次記の製造方法で
製作するものとする。 a)フレキシブル基板に磁石材料の磁性薄膜を成膜する
とともに、該フレキシブル基板をウォーム,ないしウォ
ームホィールの基体周面に被着し、この状態でウォー
ム,ないしウォームホィールの磁気歯に対応するパター
ンに合わせて前記磁性薄膜に着磁を施す。
【0011】b)フレキシブル基板にヨークとなる磁心
材料の磁性薄膜,および磁石材料の磁性薄膜を順に成膜
し、かつ磁石材料の磁性薄膜に対してはウォーム,ない
しウォームホィールの磁気歯に対応したパターンの歯列
を形成するとともに、この状態で前記歯列に着磁を施
し、しかる後にフレキシブル基板をウォーム,ウォーム
ホィールの基体周面に被着する。
【0012】c)ウォーム,ないしウォームホィールの
基体自身を磁性ヨークとしてその周面に磁気歯に対応し
たパターンの溝部を形成するとともに、該溝部を埋める
ように基体の表面に磁石材料の磁性薄膜を成膜し、さら
に溝部以外に堆積した磁性薄膜を除去した後に、溝部を
埋めた磁性薄膜に着磁を施す。また、前記とは別な構成
で、ウォーム,ウォームホィールのうち、ウォームの磁
気歯を薄膜磁石で形成するとともに、ウォームホィール
の磁気歯をウォームの磁気歯ピッチに合わせて配列した
電磁石で形成した構成もある。
【0013】上記により、薄膜作成技術,微細加工技術
を利用して製作した厚さがμmオーダーの薄膜磁石でウ
ォーム,ないしウォームホィールの磁気歯を形成するこ
とにより、バルク永久磁石を使用せずに、磁気式ウォー
ム歯車を外径数mm程度の超小型サイズにまで小型,軽量
化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】前記の磁気ウォーム歯車は、通常
のウォーム歯車と同様に鼓形のウォームと平歯車形のウ
ォームホィールとの組合わせ、あるいは図9のように樽
形のウォームと皿形のウォームホィールを組合わせた形
態で構成するものとし、かつウォーム,ウォームホィー
ルの磁気歯に対応する薄膜磁石は、半導体プロセスなど
で用いている真空蒸着,スパッタリング法などの薄膜形
成技術,およびフォトリソグラフィ,エッチング法など
の微細加工技術を利用して形成することができる。さら
に、ウォームとウォームホィールは、以下の各実施例で
述べる構造のものを適宜組合わせ実施することができ
る。なお、次記の各実施例の図中で図9に対応する同一
部材には同じ符号が付してある。
【0015】〔実施例1〕図1(a),(b)は基本的に
鼓形のウォーム1と平歯車形のウォームホィール2とを
組合わせた実施例であり、ここで、ウォーム1,および
ウォームホィール2の磁気歯はN極とS極が交互に並ぶ
薄膜磁石3,4で構成されている。すなわち、ウォーム
1の鼓状の基体(ヨーク)1bの周面に巻きつけて被着
した薄膜磁石3には、その表面がN極,S極に磁化され
た2条の薄膜磁石が所定のピッチで螺旋状にパターン形
成されている。これに対してウォームホィール2の円板
状基体2bの周面に巻きつけ被着した薄膜磁石4には、
ウォーム1の磁気歯ピッチに合わせてN極とS極が交互
に並ぶようなパターンに着磁されている。
【0016】かかる薄膜磁石3,4は次記の製造方法で
作製される。すなわち、図6(a)〜(d)はウォーム
1についての作製方法を示す説明図であり、まず、図6
(a)に示す金属または非金属で作られた直径数mm程度
のウォーム基体1bと、図6(b)に示すように厚さ数
μm程度のフレキシブル基板3aの上に磁石材料である
NdFeB 系, あるいはSmCo系の磁性材を真空蒸着法, ある
いはスパッタリング法などの薄膜形成技術を用いて厚さ
数μm〜数十μm程度の磁性薄膜3bを成膜したものを
用意する。なお、ウォーム基体1bは円筒形として表し
ているが、実際には図1で述べたように鼓状である。次
に、図6(c)のように磁性薄膜3bを表面に向けて前
記のフレキシブル基板3aをウォーム基体1bの周面に
巻きつけて貼付け、この状態でパルス着磁法により、図
6(d)のように軸方向に沿って螺旋状にN極とS極が
交互に並ぶように着磁を施し、ウォーム1の薄膜磁石3
を構成する。
【0017】なお、ウォームホィール2についても、図
6と同様な方法で、直径10mm程度の円板状基体2bの
周面に磁性薄膜を成膜したフレキシブル基板を巻きつ
け、この磁性薄膜に対してウォームホィール2の磁気歯
に対応したパターンでN極とS極を交互に着磁して薄膜
磁石4を形成するものとする。上記のようにして製作し
た図1の磁気式ウォーム歯車においては、ウォーム1の
薄膜磁石3と、これに微小なギャップを隔てて非接触式
に対向するウォームホィール2の薄膜磁石4との間に
は、N極とS極で吸引し合う磁力が作用する。したがっ
て、ウォーム1を駆動軸1aの回りに回転駆動すると、
図9の磁気式ウォーム歯車と同様に、ウォーム1の回転
に追随してウォームホィール2が減速された形で従動軸
2aの回りに回転し、ウォーム1からウォームホィール
2へ動力が伝達される。
【0018】〔実施例2〕図2(a),(b)は樽形のウ
ォーム1と皿形のウォームホィール2を組合わせた実施
例であり、ウォーム1の周面に形成した螺旋状の磁気
歯、およびウォームホィール2の凹リング状周面に形成
した磁気歯は、それぞれ実施例1と同様にN極とS極が
交互に並ぶ薄膜磁石3,4で形成されており、かつ薄膜
磁石3,4にはそれぞれウォーム1,ウォームホィール
2の磁気歯に対応するパターンに合わせてN極とS極が
交互に並ぶように着磁が施されている。なお、この実施
例におけるウォーム1は先記実施例1で述べた図8の製
造方法を用いて作製することができる。
【0019】〔実施例3〕次に、ウォーム1についての
本発明の応用実施例を図3に示す。この実施例では、ウ
ォーム1の基体1bが鉄,パーマロイなどの磁心材料で
作られており、かつその周面上には1条の螺旋溝が所定
のピッチで形成され、この螺旋溝を埋めるように表面が
N極(あるいはS極)に着磁された薄膜磁石3を布設し
てウォームの螺旋状磁気歯を形成している。
【0020】この構成によれば、螺旋状に形成して着磁
された薄膜磁石3は表面と裏面に現れる極性が逆(表面
がN極であれば裏面はS極となる)である。また、ウォ
ームの基体1bは磁性ヨークとして機能し、これにより
薄膜磁石3のピッチ間には薄膜磁石の表面極性と逆極
性、つまり薄膜磁石3の表面がN極であれば、ピッチ間
にS極が現れて実施例1,2のウォームと同等に機能す
る。したがって、図3のウォーム1を図1のウォームに
置き換えて実施することができる。なお、形状が異なる
が、図2における鼓形ウォームの磁気歯を、図3と同様
に1条の螺旋状薄膜磁石で形成することもできる。
【0021】次に、図3に示したウォーム1の作製方法
を図7(a)〜(d)により説明する。まず、図7
(a)で示すように、磁心材料で作られたウォーム基体
1bの周面に螺旋状溝1cをエッチング法で形成する。
次に、前記の螺旋溝1cを埋めるように基体1bの周面
に磁石材料であるNdFeB 系, あるいはSmCo系の磁性材を
真空蒸着法, あるいはスパッタリング法などにより成膜
して磁性薄膜3bを形成(図7(b))し、さらにエッ
チング法により螺旋溝1cを埋めた部分を残して基体1
bの表面に堆積している不要な磁性薄膜を除去する。こ
の状態を図7(c)に示す。その後に、前記の螺旋溝1
cを埋めた磁性薄膜3bの表面に沿って表面がN極(裏
面はS極)となるようにパルス着磁法で着磁を施して図
7(d)に示す薄膜磁石3を形成する。なお、磁性薄膜
3bに対する着磁は表面がS極,裏面がN極となるよう
に着磁してもよいことは勿論である。
【0022】また、図3と同等なウォーム1を作製する
別な製造方法を図8(a)〜(d)により説明する。す
なわち、この製造方法においては、図8(a)のよう
に、まずフレキシブル基板3aの上に真空蒸着法,スパ
ッタリング法などの薄膜形成技術を用いて、磁性ヨーク
となる鉄,珪素鋼,パーマロイなどの磁心材料の磁性薄
膜3cを成膜し、該磁性薄膜3cの上にさらに磁石材料
であるNdFeB 系, あるいはSmCo系の磁性薄膜3bを成膜
する。次に、前記の磁性薄膜3bに対して、フォトリソ
グラフィ法によりウォーム1の螺旋状磁性歯に対応した
パターンの歯列3d(図8(b))を形成した後、パル
ス着磁法により歯列3dの表面がN極(裏面がS極)と
なるように着磁する。この場合に、歯列3dは図8
(c)で示すようなパターンに展開し、フレキシブル基
板3aを丸めてその両端を繋ぎ合わせた状態で歯列3d
が螺旋状に連なるようにする。そして、ウォーム基体1
bに周面に前記した薄膜磁石3のフレキシブル基板3a
をその歯列3dが外側を向くように巻きつけることで、
図8(d)に示すように表面がN極に着磁された螺旋状
の薄膜磁石を備えたウォーム1が構成される。なお、表
面がN極に着磁された螺旋状歯列3dの裏面側(S極)
に接してフレキシブル基板上に成層されている磁心材料
の磁性薄膜3cは磁性ヨークとして機能し、歯列3dの
ピッチ間にS極が現れる。
【0023】なお、図8の製造方法において、フレキシ
ブル基板上に螺旋状の歯列を2条形成し、その一方をN
極に、他方をS極に着磁することにより、図1,あるい
は図2のウォーム1と同様に基体1bの周面にN極とS
極が交互に並ぶ螺旋状の磁気歯を形成することも可能で
ある。 〔実施例4〕図4は先記実施例3のウォームに対応した
ウォームホィール2の応用実施例を示すものである。こ
の実施例では、ウォームホィール2の基体2bが図3の
ウォーム1と同様に磁心材料で作られており、かつその
周面上にはウォームの磁気歯列にピッチを合わせて櫛歯
状に並ぶ凹溝が形成され、この凹溝を埋めるように表面
がN極に着磁された薄膜磁石4を形成して平歯車状のウ
ォームホィールを構成している。また、この実施例にお
ける薄膜磁石4は、先記実施例3の作製法として述べた
図7,ないしは図8の製造方法を応用して作製すること
ができる。
【0024】この構成によれば、図3のウォーム1と同
様に薄膜磁石4は表面と裏面に現れる極性が逆(表面が
N極であれば裏面はS極となる)であり、かつウォーム
ホィールの基体2bは磁性ヨークとして機能し、これに
より薄膜磁石4のピッチ間には薄膜磁石の表面極性と逆
極性、つまり薄膜磁石4の表面がN極であれば、ピッチ
間にS極が現れて実施例1のウォームホィールと同等に
機能する。したがって、図4のウォームホィール2を図
1のウォームホィールに置き換えるか、あるいは図3の
ウォーム1と組合わせて実施することもできる。
【0025】〔実施例5〕図5は平歯車状のウォームホ
ィール2に関するさらに別な実施例を示すものである。
この実施例ではウォームホィール2の基体2bが磁心材
料の磁性材で作られており、その周面にはウォームの磁
気歯ピッチに合わせて櫛歯状に並ぶ磁極歯2cがエッチ
ング法などにより形成され、この磁極歯2cに薄膜コイ
ル2dを巻装して電磁石2eを構成している。なお、薄
膜コイル2dはその巻回方向を交互に変えて直列に接続
し、該コイル2dに電流を流して磁極歯2cを励磁した
状態ではN極とS極が交互に並ぶようにする。
【0026】そして、この電磁石を備えた平歯車状のウ
ォームホィール2を図1,あるいは図3に示したウォー
ム1と組合わせて磁気式ウォーム歯車を構成することが
できる。なお、図2に示した皿形のウォームホィール2
についても、その凹リング状の周面に形成した磁気歯
を、磁極歯と薄膜コイルを組合わせた電磁石で構成する
ことが可能である。
【0027】しかも、前記構成のウォームホィールによ
れば、電磁石2eの励磁電流,つまり電磁石の発生磁力
を変えることでウォームとの間の動力伝達能力の調整が
行える。また、コイルの励磁電流をON,OFF制御す
ることでウォーム歯車にクラッチとしての機能も与える
ことができる。なお、前記の薄膜コイル2dを磁極歯2
cごとに独立させて個別に通電制御するようにすれば、
ウォームに接近した磁極歯のみを励磁し、他の磁極歯は
非励磁とするような通電制御も可能である。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、磁
気式ウォーム歯車において、ウォーム,ないしウォーム
ホィールの磁気歯を薄膜磁石を用いて形成することによ
り、減速比の大きなウォーム歯車装置の小型,軽量化が
実現でき、その作製に蒸着,スパッタリング法などの薄
膜形成技術、およびフォトリソグラフィ,エッチング法
などの微細加工技術を用いることで、マイクロマシン用
としてmmオーダの超小型な磁気式ウォーム歯車を製作す
ることかできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鼓形のウォームと平歯車状のウォームホィール
を組合わせた本発明の実施例1に対応する磁気式ウォー
ム歯車の構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面
【図2】樽形のウォームと皿形のウォームホィールを組
合わせた本発明の実施例2に対応する磁気式ウォーム歯
車の構成図であり、(a)は正面図、(b)は断面側視
【図3】ウォームに関する本発明の応用実施例の構成図
【図4】ウォームホィールに関する本発明の応用実施例
の構成図
【図5】ウォームホィールの磁気歯列を電磁石で形成し
た本発明の異なる実施例の構成図
【図6】図1,ないし図2におけるウォームの製造方法
の説明図であり、(a)はウォーム基体の外形図、
(b)は薄膜磁石を構成する部材の断面図、(c)はウ
ォーム基体に前記部材を巻きつけた状態を表す図、
(d)は磁性薄膜に着磁を施して完成したウォームの外
形図
【図7】図3に示したウォームの製造方法の説明図であ
り、(a)はウォーム基体の断面図、(b)はウォーム
基体に磁性薄膜を成膜した状態を表す図、(c)は不要
な磁性薄膜部分を除去した状態を表す図、(d)は螺旋
状の磁性薄膜に着磁を施して完成したウォームの外形図
【図8】図7とは別なウォームの製造方法の説明図であ
り、(a)はフレキシブル基板に磁心材料,磁石材料の
磁性薄膜を成膜した状態の断面図、(b)は磁石材料の
磁性薄膜に歯列をパターン形成した状態の断面図、
(c)は前記歯列の平面展開図、(d)はウォーム基体
に前記部材を巻きつけて歯列に着磁を施して完成したウ
ォームの外形図
【図9】バルク永久磁石を採用した従来における磁気式
ウォーム歯車の構成図であり、(a)は正面図、(b)
は断面側視図
【符号の説明】
1 ウォーム 1a 駆動軸 1b 基体 1c 螺旋溝 2 ウォームホィール 2a 従動軸 2b 基体 2c 磁極歯 2d 薄膜コイル 2e 電磁石 3 ウォームの薄膜磁石 3a フレキシブル基板 3b 磁性薄膜(磁石材料) 3c 磁性薄膜(磁心材料) 3d 歯列

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周面に螺旋状の磁気歯を形成したウォーム
    と、ウォームと磁気的に噛み合うウォームホィールとの
    組合わせからなり、磁気歯の相互間に働く磁力で動力伝
    達を行う磁気式ウォーム歯車において、ウォーム,ウォ
    ームホィールの磁気歯を薄膜磁石で形成したことを特徴
    とする磁気式ウォーム歯車。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気式ウォーム歯車におい
    て、ウォームの周面に配列した螺旋状の磁気歯を、表面
    にN極,およびS極を交互に並べて着磁した2条の薄膜
    磁石で形成したことを特徴とする磁気式ウォーム歯車。
  3. 【請求項3】請求項1記載の磁気式ウォーム歯車におい
    て、ウォームの周面に配列した螺旋状の磁気歯を、表面
    にN極,ないしS極のいずれかを着磁して磁性ヨーク上
    に配列した1条の薄膜磁石で形成したことを特徴とする
    磁気式ウォーム歯車。
  4. 【請求項4】請求項1記載の磁気式ウォーム歯車におい
    て、ウォームホィールの磁気歯を、ウォームの磁気歯ピ
    ッチに合わせてN極,およびS極を交互に並べて着磁し
    た薄膜磁石で形成したことを特徴とする磁気式ウォーム
    歯車。
  5. 【請求項5】請求項1記載の磁気式ウォーム歯車におい
    て、ウォームホィールの磁気歯を、ウォームの磁気歯ピ
    ッチに合わせてN極,ないしS極のいずれかに着磁した
    薄膜磁石で形成したことを特徴とする磁気式ウォーム歯
    車。
  6. 【請求項6】フレキシブル基板に磁石材料の磁性薄膜を
    成膜するとともに、該フレキシブル基板をウォーム,な
    いしウォームホィールの基体周面に被着し、この状態で
    ウォーム,ないしウォームホィールの磁気歯と対応する
    パターンに合わせて前記磁性薄膜に着磁を施したことを
    特徴とする請求項1に記載した磁気式ウォーム歯車の製
    造方法。
  7. 【請求項7】フレキシブル基板にヨークとなる磁心材料
    の磁性薄膜,および磁石材料の磁性薄膜を順に成膜し、
    かつ磁石材料の磁性薄膜に対してはウォーム,ないしウ
    ォームホィールの磁気歯のパターンに対応した歯列を形
    成するとともに、この状態で前記歯列に着磁を施し、し
    かる後にフレキシブル基板をウォーム,ウォームホィー
    ルの基体周面に被着したことを特徴とする請求項1に記
    載した磁気式ウォーム歯車の製造方法。
  8. 【請求項8】ウォーム,ないしウォームホィールの基体
    自身を磁性ヨークとしてその周面に磁気歯に対応したパ
    ターンの溝部を形成するとともに、該溝部を埋めるよう
    に基体の表面に磁石材料の磁性薄膜を成膜し、さらに溝
    部以外に堆積した磁性薄膜を除去した後に、溝部を埋め
    た磁性薄膜に着磁を施したことを特徴とする請求項1に
    記載した磁気式ウォーム歯車の製造方法。
  9. 【請求項9】周面に螺旋状の磁気歯を形成したウォーム
    と、ウォームと磁気的に噛み合うウォームホィールとの
    組合わせからなり、磁気歯の相互間に働く磁力で動力伝
    達を行う磁気式ウォーム歯車において、ウォームの磁気
    歯を薄膜磁石で形成し、ウォームホィールの磁気歯をウ
    ォームの磁気歯ピッチに合わせて配列した電磁石で形成
    したことを特徴とする磁気式ウォーム歯車。
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