JPH0956094A - 同期電動機のロータの製造方法及びその製造方法の実施に使用される型 - Google Patents

同期電動機のロータの製造方法及びその製造方法の実施に使用される型

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JPH0956094A
JPH0956094A JP7209728A JP20972895A JPH0956094A JP H0956094 A JPH0956094 A JP H0956094A JP 7209728 A JP7209728 A JP 7209728A JP 20972895 A JP20972895 A JP 20972895A JP H0956094 A JPH0956094 A JP H0956094A
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JP
Japan
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rotor
permanent magnets
rotor core
mold
magnet
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Application number
JP7209728A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Uchida
裕之 内田
Yuichi Endo
裕一 遠藤
Shigemi Takeda
栄海 武田
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の永久磁石をロータコア表面に強固に固
定保持できる磁石固定部材を備えた同期電動機のロータ
を容易に製造できるようにする。 【解決手段】 ロータ10に磁石固定部材を成形するた
めの型12は、ロータコア16と複数の永久磁石20と
をロータ製造完了時の相対配置で収容できる成形空洞部
36と、成形空洞部36内で複数の永久磁石20をロー
タコア16の筒状表面18の所定位置に固定的に保持す
る複数の保持部材42とを備える。各保持部材42は、
その先端面46を成形空洞部36内に突出させる作用位
置と凹部44内に引き込む非作用位置との間で移動し、
作用位置で先端面46が、成形空洞部36に上記相対配
置で収容された隣合う永久磁石20の側面26に係合し
て、各永久磁石20をロータコア16の筒状表面18上
で周方向及び半径方向に固定的に保持する。この状態
で、成形空洞部36に溶融材料を注入し、固化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同期電動機の製造方
法に関し、特に、ロータコアの筒状表面に複数の永久磁
石を固定してなる同期電動機のロータの製造方法に関す
る。さらに本発明は、そのような同期電動機のロータを
製造するために使用される型に関する。
【0002】
【従来の技術】上記種類の同期電動機のロータにおい
て、従来一般に各永久磁石は、接着剤等の接着手段によ
ってロータコアの筒状表面に固定されていた。或いは、
非磁性金属材料からなる管でロータの全永久磁石の外周
面を覆ったり、非磁性金属材料からなるワイヤを全永久
磁石に亙って巻き付けたりして、複数の永久磁石をロー
タコアに固定する構成も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】複数の永久磁石を接着
剤等の接着手段によってロータコアに固定するロータ構
造では、複数の永久磁石に対して一様な接着力を生じる
ように接着手段を適用することが、作業の熟練を要し、
作業時間を消費する課題を有する。また、特に高トルク
電動機や毎分数万回転に達する高速電動機にこのロータ
構造を適用した場合、ロータ回転時に永久磁石に作用す
る磁気吸引力や遠心力等の半径方向外力が接着力を超え
たときに接着界面に剥離を生じ、永久磁石が脱落、飛散
する危惧がある。さらに、接着剤の経時変性で接着界面
に剥離を生じる恐れもある。
【0004】これに対し、非磁性金属材料の管を用いれ
ば、管の寸法や材料特性に依存するものの一般に接着手
段よりは強固な磁石固定力を得ることができる。しかし
ながらこの場合、複数の永久磁石をロータコアに確実に
固定するためには、ロータ外径に略等しい内径を有した
管を成形して締り嵌めにより管を全永久磁石の外周面に
密着させる必要があり、管の成形及び取付工程が煩雑と
なる。また、管をロータに取付ける際に、複数の永久磁
石がロータ製造完了時の相対配置から移動しないよう
に、接着剤によって各永久磁石を予めロータコアの表面
に少なくとも仮に固定しておく必要があり、ロータ製造
工程がさらに煩雑となっている。
【0005】また、非磁性金属材料のワイヤを用いる場
合は、手作業でワイヤを全永久磁石に亙って巻き付ける
ので、ロータとステータとの間の空隙寸法からはみ出さ
ないように巻き付けることが困難であるとともに、多数
のロータに対して同一の磁石固定力を付与し得るだけの
再現性に欠け、一様な品質のロータを製造することが困
難となる。さらにこの方法でも、ワイヤをロータに巻き
付ける際に、複数の永久磁石がロータ製造完了時の相対
配置から移動しないように、接着剤によって各永久磁石
を予めロータコアの表面に仮固定しておく必要がある。
【0006】本発明の目的は、ロータ回転時に永久磁石
に作用する磁気吸引力や遠心力等の外力に抗して、複数
の永久磁石をロータコア表面に確実かつ強固に固定保持
できる磁石固定部材を備えた同期電動機のロータを、充
分な再現性のもとに容易に製造できるようにする製造方
法を提供することにある。本発明の他の目的は、そのよ
うな製造方法の実施に使用され、磁石固定部材を容易か
つ正確に成形できる型を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の第1の発明は、ロータコアの筒状表面に複数
の永久磁石を周方向離間配置で固定してなる同期電動機
のロータの製造方法であって、ロータコアと複数の永久
磁石とをロータ製造完了時の相対配置で収容できるとと
もに、この相対配置に置かれた各永久磁石の半径方向外
向き表面の少なくとも一部分に係合してそれら永久磁石
をロータコアに固定する磁石固定部材を溶融材料から成
形できる成形空洞部と、成形空洞部内で複数の永久磁石
を上記相対配置でロータコアの筒状表面上に固定的に保
持できる保持部とを備えた型を用意し、ロータ製造完了
時の相対配置で複数の永久磁石をロータコアの筒状表面
上に配置した状態で、それらロータコア及び永久磁石を
型の成形空洞部に収容し、かつ型の保持部により複数の
永久磁石をロータコアに対して固定的に保持し、型の成
形空洞部に溶融材料を注入して、溶融材料の固化により
磁石固定部材を成形し、磁石固定部材により複数の永久
磁石がロータコアに固定されてなるロータを型から取出
す、各段階を有したことを特徴とする同期電動機のロー
タの製造方法を提供する。
【0008】また本願の第2の発明は、ロータコアの筒
状表面に複数の永久磁石を周方向離間配置で固定してな
る同期電動機のロータを製造するために使用される型で
あって、ロータコアと複数の永久磁石とをロータ製造完
了時の相対配置で収容できるとともに、この相対配置に
置かれた各永久磁石の半径方向外向き表面の少なくとも
一部分に係合してそれら永久磁石をロータコアに固定す
る磁石固定部材を溶融材料から成形できる成形空洞部
と、成形空洞部内で複数の永久磁石を上記相対配置でロ
ータコアの筒状表面上に固定的に保持できる保持部とを
備え、保持部は、成形空洞部の壁面から成形空洞部内に
突出する複数の突起からなり、それら突起が、ロータコ
ア上で隣合う永久磁石間の隙間を画成する各永久磁石の
側面に当接され、以て各永久磁石を周方向及び半径方向
に固定的に保持することを特徴とする型を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその好適な実施の形態に基づき詳細に説明する。図
面において、同一又は類似の構成要素には、共通の参照
符号を付す。図1及び図2は、本発明の好適な実施の形
態に係る同期電動機のロータ10の製造方法を説明する
図で、磁石固定部材を成形するための型12と共に示
す。図3は、図1及び図2に示す型12を用いて製造さ
れたロータ10を示す。
【0010】図3(a)及び(b)に示すように、ロー
タ10は、軸14に例えば焼嵌めによって固定される略
円筒状のロータコア16と、ロータコア16の筒状表面
18に固定される複数(図示実施形態では4個)の永久
磁石20とから形成される。各永久磁石20は、いずれ
も略同一の瓦形状を有し、ロータコア16の筒状表面1
8に密接する内周面22と、内周面22に略平行に延び
てステータ(図示せず)に対向する外周面24と、内周
面22と外周面24とを連結する一対の側面26とを備
える。
【0011】ロータ10では、周方向へ隣合う永久磁石
20の間に、各永久磁石20の側面26によって隙間2
8が画成される。また全ての永久磁石20は、隣合う永
久磁石20の間に同一形状の隙間28を介して、ロータ
コア16の筒状表面18の所定位置に配置される。隙間
28を画成する各永久磁石20の側面26は、外周面2
4に対し鈍角を成して延びる半径方向外向きの傾斜面部
分26aを少なくとも有する。傾斜面部分26aはま
た、軸心と永久磁石20の重心とを結ぶ面Pに近づくよ
うに半径方向外方へ延びる。このような永久磁石20の
側面形状は、後述する磁石固定部材により永久磁石20
を半径方向外方への外力に抗して掛止するためのもので
ある。
【0012】ロータ10においては、永久磁石間の各隙
間28に、樹脂材料又は非磁性金属材料を充填して成形
された磁石固定部材30の複数の帯状部分32がそれぞ
れ配置される。さらに磁石固定部材30は、全永久磁石
20の軸方向両端面に接触配置されて複数の帯状部分3
2を相互に連結する一対の環状部分34を備える。磁石
固定部材30は、複数の帯状部分32が各永久磁石20
の側面26の傾斜面部分26aに係合して、各永久磁石
20をロータコア16の筒状表面18上の所定位置で半
径方向外力に抗して固定保持するとともに、所定形状の
隙間28を介した各永久磁石20の等間隔配置を維持す
る。このような磁石固定部材30は、図1及び図2に示
す型12内で、アルミニウムやエンジニアリングプラス
チック等の溶融材料から一体成形される。
【0013】ロータ10に磁石固定部材30を成形する
ための型12は、図1及び図2に示すように、軸14に
固定されたロータコア16とその筒状表面18に配置さ
れた複数の永久磁石20とを、ロータ製造完了時の相対
配置で収容できる略円筒状の成形空洞部36を備える。
型12はまた、軸14を受容するために成形空洞部36
に連通形成される空間38を備える。成形空洞部36
は、ロータコア16の軸方向両端面に密接可能な一対の
環状壁面36aと、複数の永久磁石20の外周面24に
接触可能な筒状壁面36bとによって画成される。さら
に、それら環状壁面36aと筒状壁面36bとの間に
は、複数の永久磁石20の軸方向両端面から離間配置さ
れる第2の環状壁面36cが設けられる。空間38を画
成する壁面は、軸14に接触してもよいし(図2)、接
触しなくてもよい(図4)。なお、図2に示すように型
12は例えば、成形空洞部36を備えた可動側12a
と、湯口40を備えた固定側12bとに分離できる。
【0014】さらに型12は、成形空洞部36内で複数
の永久磁石20を、ロータコア16の筒状表面18の所
定位置に固定的に保持するための複数(図示実施形態で
は4個)の保持部材42を備える。各保持部材42は、
型12の可動側12aに形成された凹部44内に移動可
能に配置される。各凹部44は、成形空洞部36の筒状
壁面36bに周方向等間隔位置で開口し、ロータ製造完
了時の相対配置で成形空洞部36に収容された複数の永
久磁石20間の各隙間28に連通する。
【0015】各保持部材42は、シリンダ装置等の図示
しない周知の駆動手段により、その先端面46を成形空
洞部36内に突出させる作用位置(図1及び図2に示す
位置)と凹部44内に引き込む非作用位置との間で移動
される。作用位置で各保持部材42は、その先端面46
が、成形空洞部36に上記相対配置で収容された隣合う
永久磁石20の対向する側面26の傾斜面部分26aに
係合し、それら永久磁石20をロータコア16の筒状表
面18上に上記相対配置で固定的に保持する。また非作
用位置で、各保持部材42の先端面46は永久磁石20
の側面26の傾斜面部分26aから離脱され、磁石固定
部材30を成形した後のロータ10を型12から容易に
取出せるようにする。
【0016】保持部材42の先端面46は、作用位置で
成形空洞部36内に突出してロータコア16の軸線に略
平行に延びる一対の突条48を形成し(図9(a)参
照)、それら突条48において、隣合う永久磁石20の
対向する側面26の傾斜面部分26aに係合する。ま
た、先端面46はそれら突条48の間に、保持部材42
が作用位置にあるときに、成形空洞部36の筒状壁面3
6bと略同一円周上に配置される最大凹み部分を形成す
る。したがって、ロータコア16及び複数の永久磁石2
0をロータ製造完了時の相対配置で成形空洞部36及び
空間38に収容すると、ロータコア16の筒状表面1
8、各永久磁石20の側面26、及び作用位置にある各
保持部材42の先端面46によって、永久磁石20間の
隙間28に磁石固定部材30の帯状部分32(図3)を
成形するための空洞が画成される。さらに、成形空洞部
36の第2の環状壁面36cと複数の永久磁石20の軸
方向両端面との間には、磁石固定部材30の環状部分3
4(図3)を成形するための空洞が画成される。
【0017】上記構成を有する型12を用いてロータ1
0に磁石固定部材30を成形する手順を、以下に説明す
る。まず型12の複数の保持部材42を作用位置に配置
し、成形空洞部36及び空間38に、軸14に固定した
ロータコア16とその筒状表面18に配置される複数の
永久磁石20とを収容する。このとき、各保持部材42
の突条48における先端面46が、隣合う永久磁石20
の側面26の傾斜面部分26aに当接され、それにより
各永久磁石20をロータコア16の筒状表面18上で周
方向及び半径方向に固定的に保持する。このようにして
複数の永久磁石20は、成形空洞部36内でロータコア
16の筒状表面18に密接され、かつ筒状表面18上で
ロータ製造完了時の相対配置に置かれ、その結果、隣合
う永久磁石20の間に所定形状の隙間28が画成され
る。
【0018】この状態で、永久磁石20間の隙間28に
画成される空洞、及び永久磁石20の軸方向両端面に画
成される空洞に、溶融材料を例えば加圧下で注入し、固
化させる。それにより、磁石固定部材30の複数の帯状
部分32と一対の環状部分34とが一体に成形される。
磁石固定部材30の成形後、型12の各保持部材42を
非作用位置へ移動し、ロータ10を型12から取り出
す。
【0019】このようにして製造されたロータ10で
は、複数の永久磁石20は磁石固定部材30によってロ
ータコア16の筒状表面18の所定位置に機械的に固定
される。磁石固定部材30による磁石固定力は、ロータ
回転時の磁気吸引力や遠心力等の半径方向外方への外力
に抗して複数の永久磁石20をロータコア16の筒状表
面18に確実かつ強固に固定保持するに充分なものであ
り、接着手段のみによる従来の磁石固定構造のように接
着界面に剥離を生じて永久磁石が脱落、飛散するような
危惧はない。また、射出成形等の周知の成形方法によっ
て磁石固定部材30を形成できるので、非磁性金属材料
の管やワイヤを用いる場合に比べて磁石固定作業が極め
て容易になるとともに、多数のロータに対して同一の磁
石固定力を付与するに充分な再現性のもとにロータを製
造できる。
【0020】磁石固定部材30の成形段階では、保持部
材42の作用により、溶融材料が固化するまでの間、複
数の永久磁石20が所定位置に保持されるので、永久磁
石20をロータコア16の筒状表面18に予め接着手段
を用いて接着する必要がない。したがって上記構成によ
れば、永久磁石20の接着段階が省略され、ロータの製
造に要する作業時間が短縮される。なお、複数の永久磁
石20をロータコア16の筒状表面18上で周方向へも
強固に固定したい場合は、永久磁石20と筒状表面18
との間に工作用等の簡単な接着剤を適用することもでき
るが、半径方向への外力に抗する固定力とは異なり、接
着力に均一性や確実性は要求されないので、ロータ製造
作業を煩雑にすることはない。また、ロータコア16の
筒状表面18に、隣合う永久磁石20の間の各隙間28
に対応する各位置で軸方向へ延びる溝(図示せず)を刻
設し、それら溝内にも溶融材料を充填することにより磁
石固定部材の帯状部分を成形する構成とすれば、接着剤
を全く用いることなく、複数の永久磁石20をロータコ
ア16の筒状表面18上で周方向へも強固に固定するこ
とができる。
【0021】図4及び図5は、本発明の他の実施形態に
係る同期電動機のロータ50の製造方法を説明する図
で、磁石固定部材を成形するための型52と共に示す。
図6は、図4及び図5に示す型52を用いて製造された
ロータ50を断面で示す。ロータ50は、図3のロータ
10と同様に、軸14に固定されるロータコア16と、
ロータコア16の筒状表面18に固定される複数の永久
磁石20とから形成される。周方向へ隣合う永久磁石2
0の間には、各永久磁石20の側面26によって隙間2
8がそれぞれ画成される。
【0022】ロータ50においては、永久磁石間の各隙
間28に、樹脂材料又は非磁性金属材料を充填して成形
された磁石固定部材54の複数の帯状部分56がそれぞ
れ配置される。さらに磁石固定部材54は、全永久磁石
20の外周面24に密接して複数の帯状部分56を相互
に連結する筒状部分58を備える。磁石固定部材54
は、筒状部分58が各永久磁石20の外周面24に係合
して、各永久磁石20をロータコア16の筒状表面18
上の所定位置で半径方向外力に抗して固定保持するとと
もに、複数の帯状部分56が所定形状の隙間28を介し
た各永久磁石20の等間隔配置を維持する。このような
磁石固定部材54は、図4及び図5に示す型52内で、
アルミニウムやエンジニアリングプラスチック等の溶融
材料から一体成形される。
【0023】ロータ50に磁石固定部材54を成形する
ための型52は、図4及び図5に示すように、軸14に
固定されたロータコア16とその筒状表面18に配置さ
れた複数の永久磁石20とを、ロータ製造完了時の相対
配置で収容できる略円筒状の成形空洞部60を備える。
型52はまた、軸14を受容するために成形空洞部60
に連通形成される空間62を備える。成形空洞部60
は、ロータコア16の軸方向両端面に密接可能な一対の
環状壁面60aと、複数の永久磁石20の外周面24か
ら離間配置される筒状壁面60bとによって画成され
る。なお、図5に示すように型52は例えば、成形空洞
部60を備えた可動側52aと、湯口64を備えた固定
側52bとに分離できる。
【0024】さらに型52は、成形空洞部60内で複数
の永久磁石20を、ロータコア16の筒状表面18の所
定位置に固定的に保持するための複数(図示実施形態で
は4個)の保持部材64を備える。各保持部材64は、
型52の可動側52aに形成された凹部66内に移動可
能に配置される。各凹部66は、成形空洞部60の筒状
壁面60bに周方向等間隔位置で開口し、ロータ製造完
了時の相対配置で成形空洞部60に収容された複数の永
久磁石20間の各隙間28に連通する。
【0025】各保持部材64は、シリンダ装置等の図示
しない周知の駆動手段により、その先端面68を成形空
洞部60内に突出させる作用位置(図4及び図5に示す
位置)と凹部66内に引き込む非作用位置との間で移動
される。作用位置で各保持部材64は、その先端面68
が、成形空洞部60に上記相対配置で収容された隣合う
永久磁石20の対向する側面26に係合し、それら永久
磁石20をロータコア16の筒状表面18上に上記相対
配置で固定的に保持する。また非作用位置で、各保持部
材64の先端面68は永久磁石20の側面26から離脱
され、磁石固定部材54を成形した後のロータ50を型
52から容易に取出せるようにする。
【0026】保持部材64の先端面68は、作用位置で
成形空洞部60内に突出する複数の突起70を形成し
(図9(b)参照)、それら突起70において、隣合う
永久磁石20の対向する側面26に係合する。また、先
端面68はそれら突起70の間に、保持部材64が作用
位置にあるときに、成形空洞部60の筒状壁面60bと
略同一円周上に配置される最大凹み部分を形成する。し
たがって、ロータコア16及び複数の永久磁石20をロ
ータ製造完了時の相対配置で成形空洞部60及び空間6
2に収容すると、ロータコア16の筒状表面18、各永
久磁石20の側面26、及び作用位置にある各保持部材
64の先端面68によって、永久磁石20間の隙間28
に磁石固定部材54の帯状部分56(図6)を成形する
ための空洞が画成される。さらに、成形空洞部60の筒
状壁面60bと複数の永久磁石20の外周面24との間
には、磁石固定部材54の筒状部分58(図6)を成形
するための空洞が画成される。
【0027】上記構成を有する型52を用いてロータ5
0に磁石固定部材54を成形する手順は、図1の型12
による磁石固定部材30の成形手順と同様であるので、
説明を省略する。なお、型52では、保持部材64の先
端面68を複数の突起70から構成することにより、ロ
ータ50の全永久磁石20の外周面24に密接して複数
の帯状部分56を相互に連結する筒状部分58を備える
磁石固定部材54を、剛性を損なわずに成形することを
可能にしている。
【0028】上記各実施形態による型12、52は、作
用位置と非作用位置との間を移動可能な保持部材42、
64を用いて、型内で溶融材料が固化するまでの間、複
数の永久磁石20をロータ製造完了時の相対配置でロー
タコア16の筒状表面18上に固定的に保持する構成と
した。このような構成は、磁石固定部材30、54の成
形後に、ロータ10、50を型12、52の成形空洞部
36、60から容易に取出せるようにするためのもので
ある。したがって、成形される磁石固定部材の形状によ
っては、成形空洞部内に固定的に配置された突起からな
る保持部を用いて、複数の永久磁石をロータコアの筒状
表面上に固定的に保持する構成とすることもできる。
【0029】図7及び図8は、そのような固定的保持部
を備えた型72を、磁石固定部材を成形する前のロータ
74と共に示す。型72を用いて製造されるロータ74
は、図3に示すロータ10と略同一であって、その磁石
固定部材30の環状部分34を省略した構成を有する。
【0030】型72は、軸14に固定されたロータコア
16とその筒状表面18に配置された複数の永久磁石2
0とを、ロータ製造完了時の相対配置で収容できる略円
筒状の成形空洞部76を備える。型72はまた、軸14
を受容するために成形空洞部76に連通形成される空間
78を備える。成形空洞部76は、ロータコア16の軸
方向両端面に密接可能な一対の環状壁面76aと、複数
の永久磁石20の外周面に接触配置される筒状壁面76
bとによって画成される。なお、図8に示すように型7
2は例えば、成形空洞部76を備えた可動側72aと、
湯口80を備えた固定側72bとに分離できる。
【0031】成形空洞部76は、筒状壁面76bの周方
向略等間隔位置に、複数の永久磁石20をロータコア1
6の筒状表面18の所定位置に固定的に保持するための
複数(図示実施形態では4個)の保持部82を備える。
各保持部82は、ロータ製造完了時の相対配置で成形空
洞部76に収容された複数の永久磁石20間の各隙間2
8に対向して配置される。各保持部82は、筒状壁面7
6bから成形空洞部76内に突出してロータコア16の
軸線に略平行に延びる一対の突条84(図9(a)参
照)を備える。
【0032】各保持部82は、一対の突条84の表面
で、成形空洞部76にロータ製造完了時の相対配置で収
容された隣合う永久磁石20の対向する側面26に係合
し、複数の永久磁石20をロータコア16の筒状表面1
8上に上記相対配置で固定的に保持する。したがって、
ロータコア16及び複数の永久磁石20を上記相対配置
で成形空洞部76及び空間78に収容すると、ロータコ
ア16の筒状表面18、各永久磁石20の側面26、及
び各保持部82の突条84の表面によって、永久磁石2
0間の隙間28に磁石固定部材30の帯状部分32(図
3)を成形するための空洞が画成される。
【0033】上記構成を有する型72を用いてロータ7
4に帯状部分32のみからなる磁石固定部材30を成形
する手順は、保持部材42の移動に関する段階以外は図
1の型12による磁石固定部材30の成形手順と同様で
あるので、説明を省略する。型72により成形された磁
石固定部材30は、型72の保持部82の突条84に対
して長手方向へ干渉する部分(図1では環状部分34)
を有しないので、固定的な保持部82を採用した構成で
あっても、磁石固定部材30の成形後にロータ74を型
72の成形空洞部76から容易に取出すことができる。
【0034】なお、保持部材の先端面又は保持部に形成
される突起ないし突条は、型内で複数の永久磁石をロー
タコアに対して所定位置に保持できるとともに、隣合う
永久磁石間の隙間に磁石固定部材を成形できることを条
件として、例えば図9に示すような様々な形状を有する
ことができる。図9(a)は、図1に示す型12の保持
部材42の先端面46、及び図7に示す型72の保持部
82に形成される突条48、84と同様のものを示す。
図9(b)は、図4に示す型52の保持部材64の先端
面68に形成される突起70と同様のものを示す。図9
(c)は、突起の変形例である。図9(b)及び(c)
に示す突起は、磁石固定部材の成形後、型の成形空洞部
からのロータの取出しを可能にするために、作用位置と
非作用位置との間で移動可能な保持部材の先端面に形成
される必要がある。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、ロータコアと複数の永久磁石とをロータ製造完了時
の相対配置で収容できるとともに、この相対配置に置か
れた各永久磁石の半径方向外向き表面の少なくとも一部
分に係合してそれら永久磁石をロータコアに固定する磁
石固定部材を溶融材料から成形できる成形空洞部と、成
形空洞部内で複数の永久磁石をロータコアの筒状表面上
に固定的に保持できる保持部とを備えた型を用いて、磁
石固定部材の成形時に、型の保持部により複数の永久磁
石をロータコアに対して固定的に保持する構成としたの
で、複数の永久磁石をロータコアの筒状表面に接着手段
により接着する作業段階を省略でき、ロータの製造工程
が簡略化される。したがって本発明によれば、ロータ回
転時に永久磁石に作用する磁気吸引力や遠心力等の外力
に抗して、複数の永久磁石をロータコア表面に確実かつ
強固に固定保持できる磁石固定部材を備えた同期電動機
のロータを、充分な再現性のもとに容易に製造できるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施形態に係る同期電動機のロ
ータの製造方法を説明する図で、型と型内に収容される
ロータとを図2の線I−Iに沿った断面図で示す。
【図2】図1の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】図1の型を用いて製造されるロータの図で、
(a)線 III−III に沿った断面図、及び(b)正面
図、である。
【図4】本発明の他の好適な実施形態に係る同期電動機
のロータの製造方法を説明する図で、型と型内に収容さ
れるロータとを図5の線IV−IVに沿った断面図で示す。
【図5】図4の線V−Vに沿った断面図である。
【図6】図4の型を用いて製造されるロータの断面図で
ある。
【図7】本発明のさらに他の好適な実施形態に係る同期
電動機のロータの製造方法を説明する図で、型と型内に
収容されるロータとを図8の線 VII−VII に沿った断面
図で示す。
【図8】図7の線VIII−VIIIに沿った断面図である。
【図9】(a)〜(c)保持部材の先端面に形成される
突起の変形例の2面図である。
【符号の説明】
10、50、74…ロータ 12、52、72…型 14…軸 16…ロータコア 18…筒状表面 20…永久磁石 28…隙間 30、54…磁石固定部材 36、60、76…成形空洞部 42、64…保持部材 46、68…先端面 48、84…突条 70…突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータコアの筒状表面に複数の永久磁石
    を周方向離間配置で固定してなる同期電動機のロータの
    製造方法であって、 ロータコアと複数の永久磁石とをロータ製造完了時の相
    対配置で収容できるとともに、該相対配置に置かれた各
    永久磁石の半径方向外向き表面の少なくとも一部分に係
    合してそれら永久磁石をロータコアに固定する磁石固定
    部材を溶融材料から成形できる成形空洞部と、該成形空
    洞部内で複数の永久磁石を前記相対配置でロータコアの
    筒状表面上に固定的に保持できる保持部とを備えた型を
    用意し、 ロータ製造完了時の相対配置で複数の永久磁石をロータ
    コアの筒状表面上に配置した状態で、それらロータコア
    及び永久磁石を前記型の成形空洞部に収容し、かつ前記
    型の保持部により複数の永久磁石をロータコアに対して
    固定的に保持し、 前記型の成形空洞部に溶融材料を注入して、該溶融材料
    の固化により前記磁石固定部材を成形し、 前記磁石固定部材により複数の永久磁石がロータコアに
    固定されてなるロータを前記型から取出す、各段階を有
    したことを特徴とする同期電動機のロータの製造方法。
  2. 【請求項2】 ロータコアの筒状表面に複数の永久磁石
    を周方向離間配置で固定してなる同期電動機のロータを
    製造するために使用される型であって、 ロータコアと複数の永久磁石とをロータ製造完了時の相
    対配置で収容できるとともに、該相対配置に置かれた各
    永久磁石の半径方向外向き表面の少なくとも一部分に係
    合してそれら永久磁石をロータコアに固定する磁石固定
    部材を溶融材料から成形できる成形空洞部と、該成形空
    洞部内で複数の永久磁石を前記相対配置でロータコアの
    筒状表面上に固定的に保持できる保持部とを備え、 該保持部は、前記成形空洞部の壁面から該成形空洞部内
    に突出する複数の突起からなり、それら突起が、ロータ
    コア上で隣合う永久磁石間の隙間を画成する各永久磁石
    の側面に当接され、以て各永久磁石を周方向及び半径方
    向に固定的に保持すること、を特徴とする型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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